JP2011241459A - スパッタリング方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ターゲットへの再付着を低減させて、異常放電およびダストを防止すると共に、成膜速度の低下を抑制する。
【解決手段】希ガスを含むスパッタリングガスを真空チャンバ1内へ2ヶ所以上の場所から導入し、ターゲット2の周囲から導入するスパッタリングガスの分子量を、基板51の周囲から導入するいずれのスパッタリングガスの分子量と比べて大きくすると共に、ターゲット2の周囲に、スパッタリングガスをプラズマ化する導入ガス用プラズマ源13を設ける。このようにすることにより、分子量の大きいスパッタリングガスを優先的にイオン化することによりスパッタリング能力を高めることができる。これによりターゲット2への再付着を低減させると共に、成膜レートが低減することを抑制することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリング方法および装置に係り、特にターゲット表面への再付着によるダスト発生を防止する技術に関するものである。
真空中でプラズマを発生させて基板に成膜を行う技術として、スパッタリング技術がある。このスパッタリング技術は、スパッタ粒子が高エネルギーをもって基板に到達するために、基板との付着力を高くすることができ、緻密な膜を形成できるという利点がある。このため電子部品や光学薄膜などの多くの製品の量産に用いられている。
また、スパッタリング技術では、原材料からなるターゲットの裏面に磁気回路を設置してターゲット表面に磁気トンネルを形成し、この磁力線によって電子を捕捉することにより電離確率を高め、高密度プラズマを作ることによって高速に成膜を行うことが可能である。
しかし、局所的にプラズマを発生させるためターゲット材料の一部が選択的に侵食され、実際にスパッタリングによって放出される材料は10〜20%程度しかない。また、ターゲット全面が侵食されないために、表面には再付着による膜成長が生じる。この膜は生産中に剥離し、基板に付着して欠陥を生じる原因となる。
この問題を解決する方法として、例えば、特許文献1に記載された技術のように磁気回路を回転したり、特許文献2に記載された技術のように磁石を揺動したりすることによって、プラズマ生成領域を時間的に移動させる方法、あるいは電磁石などによってプラズマを移動させる方法などが試みられてきたが、装置の可動部が増えることから機構が複雑になり、設備コストも高くなりがちであった。
一方、磁気回路を固定したままでプラズマが発生する領域を拡大する手段としては、ターゲット面に対して垂直方向に磁化された磁極と、水平方向に磁化された磁極との組み合わせからなる磁気回路によって、侵食領域を拡大させるようにした特許文献3に記載された技術がある。
また、特許文献4には、磁石を冷却水ジャケットの外に配置して、侵食が困難であるターゲット中心にまで効果的にエロージョン(Erosion)を拡大する方法が提案されている。この配置によれば、比較的原子量が大きいNbやTaにおいてエロージョン範囲を大きく拡大することができる。
しかし、例えばSiなどの軽元素の場合、スパッタリングガスのAr原子との衝突で散乱されやすく、ターゲットに戻ってくる量が増える。プラズマが広がってターゲット表面をスパッタリングしても、再付着する粒子の量が増えることから、再付着膜が成長してエロージョン領域は狭くなる。
このため、Siのような軽元素においても広いエロージョン領域を実現し、ダストの発生を抑制できるスパッタ装置を実現することが必要である。
磁気回路に対する工夫以外にエロージョンを拡大するためには、スパッタ粒子の散乱を抑制する方法がある。これには、通常用いられるスパッタリングガスであるArの一部に替えて、原子量の小さいHeやNeを用いることが考えられる。
図6を参照して従来のスパッタリング装置における一般的なガス導入方法について説明する。
図6において、1は真空チャンバ、2はターゲット、3はバッキングプレート、4は高電圧印加電源である。ターゲット2と対向する位置に基板51が設置される。61はターゲット側に導入するガスに関するガス導入装置、63はガス供給口である。7は排気装置、8は排気口、9はバルブ、10はアースシールド、11は磁気回路である。
通常、スパッタリング用のガスは、ガス導入装置61を用いてターゲット2の周囲から導入される。分子量の小さいHeやNeはArに比べてターゲットをスパッタリングする能力が低く、ターゲット2の表面をスパッタリングするイオンの一部がHeやNeのイオンになることから、成膜レートが低下してしまう。
特公平3−50832号公報 特公昭61−30027号公報 特許第3473954号公報 特開2009−149973号公報
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、効果的にスパッタリングガスを電離させ、イオンによるスパッタリングを支援することによって成膜レートの低減を防ぐと共に、ターゲットのエロージョン領域を拡大し、ダストの発生を抑制することができるスパッタリング方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかるスパッタリング方法および装置は、真空チャンバ内にターゲットと被処理物を設置し、希ガスを含む複数種類のスパッタリングガスを前記真空チャンバ内に少なくとも2ヶ所から導入し、プラズマを発生させて前記被処理物に対して成膜を行い、前記ターゲットの周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も流量の多いガスの分子量が、前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も大きいことを特徴とする。
本発明によれば、効果的にスパッタリングガスを電離させ、イオンによるスパッタリングを支援することによって、成膜レートの低減を防ぐと共に、ターゲットのエロージョン領域を拡大し、ダストの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置の正面概略図 本発明の実施の形態1におけるターゲットとプラズマ源の位置関係を示す平面図 本発明の実勢の形態1における基板とガス導入口の位置関係を示す平面図 本発明の実施の形態2におけるスパッタリング装置の正面概略図 本発明の実施の形態1と2との変形例におけるガス導入部部分を示す正面図 従来のスパッタリング装置の正面概略図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置の正面概略図である。
図1において、1は真空チャンバ、2はターゲット、3はバッキングプレート、4は高電圧印加電源である。高電圧印加電源4としては、直流電源の他に高周波電源、あるいはパルス電源、これらの重畳体であってもよい。
ターゲット2と対向する位置に、被処理物としての基板51が搭載される基板ホルダ52が設置されている。61はターゲット2側にガスを導入する第1ガス導入装置、62は基板51側にガスを導入する第2ガス導入装置である。
さらに、7は排気装置、8は排気口、9はバルブ、10はアースシールド、11は磁気回路、12は導入ガスをプラズマ化するための導入ガスプラズマ化用電源である。また、13は導入ガス用プラズマ源であって、導入ガスプラズマ化用電源12から電力が供給されてガスを電離する。導入ガス用プラズマ源13は、平行平板電極によるものの他に、誘導結合型、あるいはホロカソード,マイクロ波によるECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマなども利用することができる。
導入ガス用プラズマ源13はターゲット2の周囲に設置されている。そして、ターゲット2を平面方向に(図1の紙面上方向から)見た場合、図2に示すように、第1ガス導入装置61から第1ガス供給口63を通して導入ガス用プラズマ源13に向かってガスが供給される。また、基板51側のガスは、図3に示すように、第2ガス導入装置62から第2ガス供給口64を通して基板51の周囲に導入される。
なお、本実施の形態においては矩形ターゲットの場合について示しているが、特に、この矩形ターゲットに限られるものではなく、丸型ターゲットなどのターゲット形状の場合も同様の効果が得られる。
図1に示す実施の形態1において、排気口8からの排気により真空チャンバ1内部を高真空とした後、両ガス導入装置61,62から一定流量の制御されたスパッタリングガスを導入する。本実施の形態1におけるスパッタリングガスとしては2種類以上の元素を用いる。以下、ターゲット2側にArガス、基板51側にHeガスと酸素ガスを供給し、ターゲット2としてSiを用いた例について説明する。
第1ガス導入装置61からArガスを5.0sccmを導入する。また、第2ガス導入装置62からはHeガス8.0sccmと酸素ガス20scccmとの混合ガスを導入する。各ガスは、それぞれガス供給口63,64を通して真空チャンバ1内に導入される。
ターゲット2をスパッタリングするイオンのうち、Arイオンの比率を高めるためには、ターゲット2近傍における電子とArガスの衝突確率を高めることが必要である。両ガス導入口63,64から導入されたガスはいずれ混合されるが、ターゲット2側からArガスを導入することによってターゲット2近傍のAr密度を高めることができ、Arガスのイオン化率を高めることができる。さらに、排気口8を基板51よりもターゲット2に近い位置に設置することにより、イオン化効率をより高めることができる。
ガス導入後、バルブ9の開度を調整して、チャンバ全圧を0.13Paに調整した後、ターゲット2およびバッキングプレート3に負のバイアス電圧を印加することにより、ターゲット2の表面にプラズマを発生させる。また、導入ガスプラズマ化用電源12によりArガスのプラズマ化を強化することにより、Arイオンの量を増やすことができる。
なお、本実施の形態1においては、ガス供給口63からはArガスのみ、64からはHeガスと酸素ガスとの混合ガスを導入する例について説明したが、これらの組み合わせのみに限るものではない。例えば、第1ガス供給口63からArガスとHeガスとの混合ガスを導入し、第2ガス供給口64からArガス,Heガス,酸素ガスの混合ガスを導入するようにしてもよい。
ただし、Arイオンによるスパッタリングを優位にするためには、第1ガス供給口63から導入するスパッタリングガスとしての希ガスのうちで、最も重い元素(この場合Ar)の流量が最も多くなるように設定することが好ましい。より好ましくは、第1ガス供給口63から導入するガスのうちで最も重い元素の流量が50%以上にするとよい。また,第2ガス供給口64から導入するガスは、最も軽い元素(この場合He)の流量が最も多くなるように設定することが好ましい。このように設定することで、ターゲット2をスパッタリングするイオンのうち、Arイオンによるスパッタリングを優位にすることができる。
従来では、図6に示すように、ArガスとHeガスとの導入は、共に、ガス導入装置61を通して行われ、同じ位置から導入される。また、Arガスのみを事前に電離させてチャンバに導入することは行われていなかった。この場合、ターゲット2の中心部分の再付着領域を減少させるようにすると、成膜レートの大きく低下する。
一方、本実施の形態1によれば、ターゲット2の中心の再付着領域を減少させながら成膜レートの低減を抑制することができる。これは、Arイオンが減少することを抑制し、ターゲット2の表面からスパッタリングする効果が高まったためと考えることができる。
このように、実施の形態1によれば、ターゲット2近傍にArガスを多く存在させて電離確率を高めることにより、スパッタリング能力の高いArイオンの減少を抑制してスパッタリングレートを確保することができるため、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2として、ターゲット側のガス導入部にプラズマ源を設置しない場合について、図4を参照しながら説明する。
図4は本発明の実施の形態2におけるスパッタ装置の正面概略図である。なお、以下の説明において、図1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて、詳しい説明は省略する。
図4において、ターゲット2側から導入するArガスは、第1ガス導入装置61から供給され、バッキングプレート3とアースシールド10の間を通ってターゲット2の表面に到達する。一方、Heガスおよび酸素ガスが、第2ガス導入装置62から基板51の周囲に供給される。分子量の大きいArガスをターゲット2近傍から供給することによって、Arガスによるスパッタ効果を高めることができる。
また、このとき排気口8からターゲット2までの距離を、ターゲット2から被処理物である基板51との距離よりも短くすると、より効果が高まると考えられる。
ここで第2ガス供給口64の形状は、均一な供給を実現するために基板51の周囲から供給することが好ましく、例えば、図5に示すように、小さな穴を周囲に穿設したガス導入リング14を基板51の周囲に配置することが考えられる。この場合、ガス導入リング14として、例えば直径6mm程度のSUS配管を用い、基板51に向かう面に1.0mm程度の穴を数ヶ所開けることにより、基板51に向かって均等にガスを供給することができる。
なお、本実施の形態2の構成は前述の実施の形態1と比較して、Arガスの選択的電離の効果は低いものと推察されるが、ターゲット2−基板51間の距離Lと各ガスの分圧とを指標にして、下式(数1)の式を満足する範囲において、ターゲット2の中心部の再付着領域が著しく減少することが分った。
ここで、ターゲットの周囲から導入するn−1種類のスパッタリングガスをA乃至An−1、被処理物の周囲から導入するスパッタリングガスをBとし、ターゲットと被処理物との距離をL(mm)、ガスA乃至An−1の分圧をそれぞれP,P,P,・・・,Pn−1(Pa)、ガスBの分圧をP(Pa)、ガスAの分子量をM,M,M,‥‥Mn−1、ガスBの分子量をM、ターゲットの分子量をMTとしたときに、下記(数1)を満足する。
Figure 2011241459
ターゲット2から飛び出したスパッタ粒子は途中のガスと衝突し散乱する。この散乱程度は、ガスの数密度を反映する圧力と、スパッタ粒子の飛行距離であるターゲット2−基板51間の距離Lとの積で特徴付けられる。また、衝突によって受ける角度変化は、それぞれの粒子の質量数の比で決まる。
実施の形態2において、ターゲット2−基板51間の距離Lは110mmに設定した。ここで、第1ガス導入装置61からArガスを5.0sccmを導入し、第2ガス導入装置62からはHeガス8.0sccmと酸素ガス20sccmとの混合ガスを導入し、スパッタリングを行った。そして総圧力を0.13Paに保ちながら、Heガスの流量を減らしていき、このHeガスを減らした分の流量だけArガスの流量を増やすことにより、ガスの総流量を一定とした。Arガスの増加に伴いArイオンの数は増えて成膜レートは向上するが、一方で再付着が増加する。
ターゲット2の表面の観察の結果、ターゲット2の中心部の再付着が生じる境界が前記(数1)の式の左辺の値が略16.0であった。このことから、前記(数1)の式の左辺の値が16.0より小さく、より好ましくは16.0に近い値に設定することにより、再付着を防止し、かつレートの低減を抑制することができると考えられる。
以上のように、実施の形態2によれば、スパッタリング能力の高いArガスを電離しやすくすると共にターゲット2への再付着量を抑制し、スパッタリングレートを確保することができるため、成膜レート低下を抑制することが可能になる。
以上説明したように、本発明者らは、Arガス以外に原子量の小さい希ガスを混入させて成膜を行っても、成膜レート低下を抑制することができる構成を見出したのである。以下、本発明をその特徴ごとに説明する。
本発明に係るスパッタリング方法は、真空チャンバ1内にターゲット2と被処理物である基板51を設置し、希ガスを含むスパッタリングガスを真空チャンバ1内に2ヶ所以上の場所から導入し、プラズマを発生させて成膜を行うスパッタリング方法であって、スパッタリングガスのうちターゲット2の周囲から導入するスパッタリングガスのうちで最も流量の多いスパッタリングガスの分子量を、基板51の周囲から導入するいずれのスパッタリングガスの分子量と比べても大きいことを特徴とし、これにより、スパッタリング能力の高い分子量の大きいガスを電離しやすくすることができるため、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
また、本発明に係るスパッタリング方法は、ターゲット2の周囲から導入するスパッタリングガスのうちで最も流量の多いガスがArあるいはXeの単体ガスであり、基板51の周囲から導入するスパッタリングガスがHe、Neの単体ガスあるいは混合ガスであることを特徴とし、これにより、スパッタリング能力の高い分子量の大きいガスを電離しやすくすることができるため、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
また、本発明に係るスパッタリング方法は、スパッタリングガスのうちターゲット2の周囲から導入するn−1種類のガスをAからAn−1とし、基板51の周囲から導入するガスをBとしたとき、ターゲット2と基板51の距離をL(mm)、ガスAからAn−1の分圧をP,P,P,‥‥Pn−1(Pa)、ガスB分圧をP(Pa)、ガスAの分子量をM,M,M,‥‥Mn−1、ガスBの分子量をM、ターゲット材料の分子量をMTとしたときに、前記(数1)の式の関係を満たすことを特徴とし、これにより、スパッタリング能力の高い分子量の大きいガスを電離しやすくし、かつターゲット2から飛び出した材料粒子が散乱を受けることを抑制できるため、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
さらに、本発明に係るスパッタリング装置は、真空チャンバ1内にターゲット2と基板51を設置し、希ガスを含むスパッタリングガスを真空チャンバ1内に2ヶ所以上の場所から導入し、プラズマを発生させて成膜を行うスパッタリング装置において、ターゲット2の周囲から導入するスパッタリングガスのうちで最も流量の多いガスの分子量が、基板51の周囲から導入するいずれのスパッタリングガスの分子量と比べても大きく、かつ真空チャンバ1に設置した排気口8とターゲット2との距離が、排気口8と基板51との距離よりも短いことを特徴とし、これにより、スパッタリング能力の高い分子量の大きいガスを電離しやすくすることができるため、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
また、本発明に係るスパッタリング装置は、真空チャンバ1内にターゲット2と基板51を設置し、希ガスを含むスパッタリングガスを真空チャンバ1内に2ヶ所以上の場所から導入し、プラズマを発生させて成膜を行うスパッタリング装置において、ターゲットの周囲から導入するスパッタリングガスのうちで最も流量の多いガスの分子量が、基板51の周囲から導入するいずれのスパッタリングガスの分子量と比べて大きく、かつターゲット2の周囲にはスパッタリングガスをプラズマ化する手段を設けたことを特徴とし、これにより、スパッタリング能力の高い分子量の大きいガスを電離しやすくすることができるため、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
また、本発明に係るスパッタリング装置は、真空チャンバ1内にターゲット2と基板51を設置し、希ガスを含むスパッタリングガスを真空チャンバ1内に2ヶ所以上の場所から導入し、プラズマを発生させて成膜を行うスパッタリング装置において、スパッタリングガスのうちターゲット2の周囲から導入するn−1種類のガスをAからAn−1とし、基板51の周囲から導入するガスをBとしたとき、ターゲット2と基板51の距離をL(mm)、ガスAからAn−1の分圧をP,P,P,‥‥Pn−1(Pa)、ガスB分圧をP(Pa)、ガスAの分子量をM,M,M,‥‥Mn−1、ガスBの分子量をM、ターゲット材料の分子量をMTとしたときに、前記(数1)の式の関係を満たすことを特徴とし、これにより、ターゲット2のエロージョン領域を拡大し、成膜レートの低下を抑制することが可能になる。
本発明は、軽元素材料からなるターゲットを用いたスパッタリングにおいてもターゲット表面への再付着を防ぎ、かつ成膜速度の低下を抑制することが可能である。これにより、ターゲット表面における異常放電やダスト発生を低減させ、品質の良い薄膜を作製することができる。このためスパッタリング方法および装置として有用である。
1 真空チャンバ
2 ターゲット
3 バッキングプレート
4 高電圧印加電源
7 排気装置
8 排気口
9 バルブ
10 アースシールド
11 磁気回路
12 導入ガスプラズマ化用電源
13 導入ガス用プラズマ源
14 ガス導入リング
51 基板
52 基板ホルダ
61 第1ガス導入装置
62 第2ガス導入装置
63 第1ガス供給口
64 第2ガス供給口

Claims (7)

  1. 真空チャンバ内にターゲットと被処理物を設置し、希ガスを含む複数種類のスパッタリングガスを前記真空チャンバ内に少なくとも2ヶ所から導入し、プラズマを発生させて前記被処理物に対して成膜を行うスパッタリング方法において、
    前記ターゲットの周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も流量の多いガスの分子量が、前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も大きいこと
    を特徴とするスパッタリング方法。
  2. 前記ターゲットの周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も流量の多いガスがArあるいはXeの単体ガスであり、
    前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスがHeあるいはNeの単体ガス、またはそれらの混合ガスであること
    を特徴とする請求項1に記載のスパッタリング方法。
  3. 前記ターゲットの周囲から導入するn−1種類の前記スパッタリングガスをA乃至An−1、前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスをBとし、前記ターゲットと前記被処理物との距離をL(mm)、前記ガスA乃至An−1の分圧をそれぞれP,P,P,・・・,Pn−1(Pa)、前記ガスBの分圧をP(Pa)、前記ガスAの分子量をM,M,M,‥‥Mn−1、前記ガスBの分子量をM、前記ターゲットの分子量をMTとしたときに、下式(数1)の関係を満たすこと
    を特徴とする請求項1または2に記載のスパッタリング方法。
    Figure 2011241459
  4. その内部にターゲットと被処理物とが設置された真空チャンバと、希ガスを含むスパッタリングガスを前記真空チャンバ内に少なくとも2ヶ所から導入するガス導入装置と、前記真空チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ源と、を備えるスパッタリング装置において、
    前記ガス導入装置が、前記ターゲットの周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も分子量の大きいガスの流量が、前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスの中で最も多くなるようにガスを導入するものであること
    を特徴とするスパッタリング装置。
  5. 前記真空チャンバに設置した排気口と前記ターゲットとの距離が、前記排気口と前記被処理物との距離よりも短いこと
    を特徴とする請求項4に記載のスパッタリング装置。
  6. 前記ターゲットの周囲に前記スパッタリングガスをプラズマ化する手段を設けたこと
    を特徴とする請求項4または5に記載のスパッタリング装置。
  7. 前記ターゲットの周囲から導入するn−1種類の前記スパッタリングガスをA乃至An−1、前記被処理物の周囲から導入する前記スパッタリングガスをBとし、前記ターゲットと前記被処理物との距離をL(mm)、前記ガスA乃至An−1の分圧をそれぞれP,P,P,・・・,Pn−1(Pa)、前記ガスBの分圧をP(Pa)、前記ガスAの分子量をM,M,M,‥‥Mn−1、前記ガスBの分子量をM、前記ターゲットの分子量をMTとしたときに、上式(数1)の関係を満たすこと
    を特徴とする請求項4から6いずれか1項に記載のスパッタリング装置。
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