JP2011241456A - 溶融めっき熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で,C:0.03〜0.12%,Si:0.01〜0.5%,Mn:1.4〜5.0%,P:0.05%以下,S:0.010%以下,sol.Al:0.001〜0.5%及びN:0.020%以下を含有する化学組成を有し、体積率で,フェライトを30〜94%,ベイナイトを5〜69%並びに残留オーステナイト及びマルテンサイトを合計で1.0〜10%を含有するとともに,残留オーステナイトおよびマルテンサイトは長径が7μm以下であり,残留オーステナイトおよびマルテンサイトの合計数密度が20個/100μm2以下である鋼組織を有し、引張強度が500MPa以上、降伏比が70%以上、引張強度と全伸びとの積であるTS×El値が12000MPa・%以上、引張強度と穴拡げ率との積であるTS×λ値が50000MPa・%以上である機械特性を有する。
【選択図】 なし
Description
例えば、特許文献1には、析出強化を利用してC添加量を低減させてパーライトの体積率を低く抑え、かつ熱延後の焼鈍処理によりフェライト粒界にパーライトまたはセメンタイトを微細に分散析出させた組織とすることにより優れた伸びフランジ性を有するとされる高強度溶融亜鉛めっき熱延鋼板が開示されている。
また、特許文献2に開示された発明は、多量のSi、Mnを含有させるため、熱延鋼板を酸洗して焼鈍・冷却した後にさらに酸洗し、次いで連続溶融亜鉛めっきラインで焼鈍・めっきを行うという複雑な工程を経なければならず、コスト的に不利である。
また、特許文献4に開示された発明は、延性に優れるとされているものの、実部品の成形には穴拡げ率に代表される伸びフランジ性も必要であるが、この点について不明確であり、成形において伸びフランジ性と延性の両方が必要とされる部品への適用は難しい。
その結果、溶融めっきの基材となる熱延鋼板を、所定の化学組成として、さらにフェライト、ベイナイトならびに残留オーステナイトおよびマルテンサイトの分率を最適化した鋼組織とすることにより、高い降伏比と良好な伸びフランジ性と延性とを有する引張強度500MPa以上の溶融めっき熱延鋼板を得ることができることを知見した。さらに、Ti、NbまたはVを含有する析出物によって強化することにより、降伏比をさらに高めて伸びフランジ性をさらに向上しうることを知見した。また、Biを含有させることにより、凝固組織が微細化されてMn等の偏析に起因する成形性の低下が抑制されることや、上記Ti、NbまたはVによる作用が一層促進されることを知見した。そして、このような溶融めっき熱延鋼板は、熱間圧延後の冷却条件を制御したうえで、Ac1点以上の温度域に加熱したのちに特定条件で冷却・保持することで効率よく得られることを知見した。
(1)熱延鋼板の表面に溶融めっき層を有する溶融めっき熱延鋼板であって、前記熱延鋼板は、質量%で、C:0.03%以上0.12%以下、Si:0.01%以上0.5%以下、Mn:1.4%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.010%以下、sol.Al:0.001%以上0.5%以下およびN:0.020%以下を含有する化学組成を有し、体積率で、フェライトを30%以上94%以下、ベイナイトを5%以上69%以下ならびに残留オーステナイトおよびマルテンサイトを合計で1.0%以上10%以下を含有するとともに、前記残留オーステナイトおよび前記マルテンサイトは長径が7μm以下であり、前記残留オーステナイトおよび前記マルテンサイトの合計数密度が20個/100μm2以下である鋼組織を有し、前記溶融亜鉛めっき熱延鋼板は、引張強度が500MPa以上、降伏比が70%以上、引張強度と全伸びとの積であるTS×El値が12000MPa・%以上、引張強度と穴拡げ率との積であるTS×λ値が50000MPa・%以上である機械特性を有することを特徴とする溶融めっき熱延鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、Cr:1%以下、Mo:0.5%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有するものであることを特徴とする上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
(7)前記溶融めっき層が、合金化溶融亜鉛めっき層であることを特徴とする上記(1)〜上記(5)のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
(A)上記(1)〜上記(5)のいずれかに記載の化学組成を有するスラブに熱間圧延を施し、前記熱間圧延を850℃以上の温度域で完了し、熱間圧延完了後5秒間以内に600℃以上700℃以下の温度域まで冷却し、その後、400℃以上650℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗処理を施す酸洗工程;
(C)前記酸洗工程により得られた熱延鋼板を650℃以上950℃以下の温度域まで加熱し、3℃/秒以上20℃/秒以下の平均冷却速度で550℃まで冷却し、420℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上90秒間以下保持する熱処理を施す熱処理工程;および
(D)前記熱処理工程により得られた熱延鋼板に溶融めっきを施す溶融めっき工程。
(10)前記溶融亜鉛めっきを施した後に室温まで冷却する過程において、480℃以上600℃以下の温度域に保持して合金化処理を施すことを特徴とする上記(9)に記載の溶融めっき熱延鋼板の製造方法。
熱延鋼板の化学組成について説明する。以下の説明において、鋼の化学組成を示す%は、特に断りがない限り質量%を意味する。
Cは、高い引張強度を得るために重要な元素である。C含有量が0.03%未満では500MPa以上の引張強度を得ることが困難である。したがって、C含有量は0.03%以上とする。好ましくは0.04%以上である。一方、C含有量が0.12%を超えると、マルテンサイトや残留オーステナイトが過剰に生成してしまい、伸びフランジ性が低下する。したがって、C含有量は0.12%以下とする。好ましくは0.09%以下、さらに好ましくは0.06%以下である。
Siは、良好な延性を確保しつつ強度を高めるのに有効な元素である。さらに、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、合金化反応を適度に抑制する作用も発揮し、めっき密着性が良好となる。このような観点から、Si含有量を0.01%以上とする。一方、Si含有量が0.5%超になると、基材である熱延鋼板に対する溶融めっきの濡れ性が劣化する場合がある。したがって、Si含有量は0.5%以下とする。好ましくは0.2%未満である。
Mnは、焼入れ性を高める作用を有し、鋼板を高強度化するのに非常に有効な元素である。Mn含有量が1.4%未満では、目的とする強度が得られないか、目的とする強度が得られたとしても目的とする延性が得られない。したがって、Mn含有量は1.4%以上とする。好ましくは1.7%以上である。一方、Mn含有量が5.0%を超えると、焼入れ性が高くなり過ぎてマルテンサイトの体積率が過大となり、これにより伸びフランジ性が著しく劣化する場合がある。したがって、Mn含有量は5.0%以下とする。好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下である。
Pは、一般的には不純物として含有される元素であるが、固溶強化により鋼板の高強度化する作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかしながら、P含有量が過剰になると靱性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.05%以下とする。
Sは、不純物として含有される元素であり、MnSを形成して伸びフランジ性を劣化させる。したがって、伸びフランジ性劣化が顕著でない範囲として、S含有量を0.010%以下とする。好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.005%以下である。
Alは、溶鋼を脱酸して鋼を健全化する作用を有する。sol.Al含有量が0.001%未満では脱酸が十分でない。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。一方、sol.Al含有量が0.5%を超えるようにAlを添加しても、上記作用による効果は飽和していたずらにコストが嵩む。したがって、sol.Al含有量は0.5%以下とする。
Nは、不純物として含有される元素であり、その含有量が0.020%を超えると鋼中に粗大な窒化物を形成して伸びフランジ性を著しく劣化させる。したがって、N含有量は0.020%以下とする。
Ti、NbおよびVは、任意元素であり、CやNなどと結合し、あるいはさらに複合化して微細析出物を形成することにより、フェライト相を強化する作用を有するので、高い降伏比と良好な伸びフランジ性とを両立させることを目的とする本発明において有効な元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させることが好ましい。
Biは、任意元素であり、その含有によって凝固組織が微細化し、Mn等を多量に含有させても凝固偏析が抑制されて鋼組織が均一となり、成形性の劣化を抑制する作用を有する。さらに上記効果によって微細析出物の微細化を促進し、よりフェライト相を強化する作用を有する析出物の生成を促進するので、高い降伏比と良好な伸びフランジ性とを両立させることを目的とする本発明において有効な元素である。したがって、より良好な加工性を確保する観点からBiを含有させることが好ましい。特に、Biを含有させるとともに、Ti、Nb、Vについて上記の範囲で含有させ、さらに後述する好適な製造方法を適用することにより、析出物を合計で120個/μm2以上の数密度で含有するフェライトとすることが容易に達成される。しかしながら、Bi含有量が0.1%超では、熱間加工性の劣化が著しくなり、熱間圧延が困難になる場合がある。したがって、Bi含有量は0.1%以下とする。好ましくは0.05%以下である。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0002%以上とすることが好ましく、0.0030%以上とすることがさらに好ましい。
これらの元素は、任意元素であり、鋼板の強度を高める作用を有するので含有させてもよい。各元素の含有量が上記範囲を超えると高強度化の効果が飽和してコストが嵩む。このため各元素の含有量を前記範囲とする。高強度化の効果をより確実に得るには、Cr:0.1%以上、Mo:0.05%以上、Cu:0.1%以上、Ni:0.1%以上およびB:0.0002%以上のいずれかを含有させることが好ましい。
これらの元素は、任意元素であり、硫化物の形態を制御することにより、伸びフランジ性を向上させる作用を有する。各元素の含有量が上記範囲を超えると上記作用による効果が飽和してコストが嵩む。このため各元素の含有量を前記範囲とする。上記作用による効果をより確実に得るにはCa、MgおよびREMのいずれかの含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。
熱延鋼板の鋼組織は、体積率で、フェライトを30%以上94%以下、ベイナイトを5%以上69%以下ならびに残留オーステナイトおよびマルテンサイトを合計で1.0%以上10%以下を含有するとともに、残留オーステナイトおよびマルテンサイトは長径が7μm以下であり、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの合計数密度が20個/100μm2以下であるものとする。
フェライトは、良好な伸びフランジ性と良好な延性とを両立させるのに有効であり、フェライトの体積率は極力高めることが好ましい。したがって、本発明が目的とする良好な伸びフランジ性と良好な延性とを両立させるために、フェライトの体積率を30%以上とする。フェライトの体積率の上限は、後述する他の相および組織の体積率を確保するために94%以下とする。
ベイナイトは、高い降伏比と良好な伸びフランジ性とを両立しつつ、高い引張強度を確保するのに有効である。したがって、本発明が目的とする高い降伏比と良好な伸びフランジ性とを両立し、さらに500MPa以上の引張強度を確保するために、ベイナイトの体積率を5%以上とする。一方、ベイナイト体積率が69%を超えると延性が劣化する。このため、ベイナイトの体積率は69%以下とする。
残留オーステナイトおよびマルテンサイトは、良好な延性を確保するのに有効である。したがって、本発明が目的とする良好な延性を確保するために、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの合計体積率を1.0%以上とする。一方、マルテンサイトは硬質であるので、その体積率が過剰であると伸びフランジ性の劣化が顕著となる。この作用は、残留オーステナイトが加工歪により変態して生成されるマルテンサイトについても同様である。このため、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの合計体積率は10%以下とする。好ましくは8%以下、さらに好ましくは6%以下、特に好ましくは5%未満である。
上述した熱延鋼板は、表面に溶融めっき層を備える。溶融めっき層は、耐食性の向上等を目的に応じて決定すればよく、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。耐食性の観点からは、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっきが好適である。
本発明に係る溶融めっき熱延鋼板の機械特性は、引張強度が500MPa以上、降伏比が70%以上、引張強度と全伸びとの積TS×El値が12000MPa・%以上、引張強度と穴拡げ率との積TS×λ値が50000MPa・%以上である。ここで、「穴拡げ率」は日本鉄鋼連盟規格の「JFST1001穴拡げ試験方法」に規定の方法で測定される。
上記溶融めっき熱延鋼板の製造方法としては、下記工程(A)〜(D)を有することが好ましい。
(A)上述の化学組成を有するスラブに熱間圧延を施し、前記熱間圧延を850℃以上の温度域で完了し、熱間圧延完了後5秒間以内に600℃以上700℃以下の温度域まで冷却し、その後、400℃以上650℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗処理を施す酸洗工程;
(C)酸洗工程により得られた熱延鋼板を650℃以上950℃以下の温度域まで加熱し、3℃/秒以上20℃/秒以下の平均冷却速度で550℃まで冷却し、420℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上90秒間以下保持する熱処理を施す熱処理工程;および
(D)熱処理工程により得られた熱延鋼板に溶融めっきを施す溶融めっき工程。
熱間圧延完了温度(以下、「仕上温度」ともいう。)が850℃未満では、機械特性の面内異方性が大きくなり、特定方向の伸びフランジ性や延性が著しく低下する場合がある。したがって、仕上温度は850℃以上とする。本発明が目的とする機械特性を得る観点からは、仕上温度の上限を規定する必要は特にないが、仕上温度が過度に高温であるとスケール疵が発生する場合があるので、表面性状の観点からは仕上温度を950℃以下とすることが好ましい。
なお、熱間圧延に供するスラブの温度は、均質化の観点からは1200℃以上とすることが好ましく、加熱コストの観点からは1350℃以下とすることが好ましい。
酸洗は常法に従えばよい。また、酸洗前または酸洗後において、平坦矯正やスケール剥離促進のためにスキンパス圧延を施してもよく、本発明の効果に影響することはない。スキンパス圧延を施す場合の伸び率は特に規定する必要はなく、例えば0.3%以上3.0%未満とすればよい。
熱処理工程における加熱温度が650℃未満では、最終製品の特性が前工程である熱延条件の影響を受けやすくなり、製品の特性における安定化が得られない。一方、熱処理工程における加熱温度が950℃超では、鋼組織が粗大化して伸びフランジ性が低下する場合がある。また、Ti、NbまたはVを含有する場合には、それらの析出物が溶解してしまい、降伏比が低下したり、伸びフランジ性が低下したりする場合がある。650℃以上950℃以下の温度域に保持する時間は、鋼組織の変動を小さくするために10秒間以上とすることが好ましい。また、鋼組織の粗粒化による引張強度の低下を抑制するために200秒間以下とすることが好ましい。
溶融めっきは常法に従えばよく、連続溶融めっき設備を使用して上記熱処理工程に連続させてもよく、また、上記熱処理工程と独立させてもよい。
表1に示す化学組成を有するスラブを1270℃に加熱して熱間圧延を行い板厚2.6mmとし、その後冷却して巻き取った。酸洗を施したのち、連続溶融亜鉛めっき設備において、熱処理および溶融亜鉛めっきを施した。熱処理における、均熱温度における保持時間は20〜80秒とした。溶融亜鉛めっきは片面当り45g/m2の付着量とした。溶融亜鉛めっき浴の温度は460℃とし、一部は20秒間の合金化処理を施した。さらに伸び率0.2%のスキンパス圧延を施した。熱間圧延条件および連続溶融亜鉛めっき条件を表2に示す。
鋼組織、機械特性およびめっき密着性を調査した結果を表3に示す。
これに対し、試験片19は、熱間圧延完了から600℃以上700℃以下の温度域までの冷却時間が長いため、残留オーステナイトおよびマルテンサイトが過剰かつ粗大に生成してしまい、YRが低く、TS×λ値が低かった。
試験片21は、巻取温度が高かったため、残留オーステナイトおよびマルテンサイトが過剰かつ粗大に生成してしまい、YRが低く、TS×λ値が低かった。
試験片24は、均熱後550℃までの平均冷却速度が高いため、フェライトの体積率が低かった。
試験片28は、C含有量が過剰であったため、残留オーステナイトおよびマルテンサイトの合計体積率が過大となり、TS×λ値が低下した。
試験片30は、Si含有量が過剰であったため、めっき濡れ性が不芳であり、溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができなかった。
Claims (10)
- 熱延鋼板の表面に溶融めっき層を有する溶融めっき熱延鋼板であって、
前記熱延鋼板は、質量%で、C:0.03%以上0.12%以下、Si:0.01%以上0.5%以下、Mn:1.4%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.010%以下、sol.Al:0.001%以上0.5%以下およびN:0.020%以下を含有する化学組成を有し、体積率で、フェライトを30%以上94%以下、ベイナイトを5%以上69%以下ならびに残留オーステナイトおよびマルテンサイトを合計で1.0%以上10%以下を含有するとともに、前記残留オーステナイトおよび前記マルテンサイトは長径が7μm以下であり、前記残留オーステナイトおよび前記マルテンサイトの合計数密度が20個/100μm2以下である鋼組織を有し、
前記溶融亜鉛めっき熱延鋼板は、引張強度が500MPa以上、降伏比が70%以上、引張強度と全伸びとの積であるTS×El値が12000MPa・%以上、引張強度と穴拡げ率との積であるTS×λ値が50000MPa・%以上である機械特性を有することを特徴とする溶融めっき熱延鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、Ti:0.50%以下、Nb:0.50%以下およびV:0.50%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有するものであり、
前記鋼組織が、Ti、NbまたはVを含有する粒径1nm以上20nm以下の炭化物、窒化物およびそれらの複合物を合計で50個/μm2以上の数密度で前記フェライト中に含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき熱延鋼板。 - 前記化学組成が、Biを0.1質量%以下をさらに含有するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融めっき熱延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、Cr:1%以下、Mo:0.5%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下およびB:0.005%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、Ca:0.006%以下、Mg:0.006%以下およびREM:0.006%以下からなる群から選択された1種または2種以上をさらに含有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
- 前記溶融めっき層が、溶融亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
- 前記溶融めっき層が、合金化溶融亜鉛めっき層であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の溶融めっき熱延鋼板。
- 下記工程(A)〜(D)を有することを特徴とする溶融めっき熱延鋼板の製造方法:
(A)請求項1〜請求項5のいずれかに記載の化学組成を有するスラブに熱間圧延を施し、前記熱間圧延を850℃以上の温度域で完了し、熱間圧延完了後5秒間以内に600℃以上700℃以下の温度域まで冷却し、その後、400℃以上650℃以下の温度域で巻き取って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱間圧延工程により得られた熱延鋼板に酸洗処理を施す酸洗工程;
(C)前記酸洗工程により得られた熱延鋼板を650℃以上950℃以下の温度域まで加熱し、3℃/秒以上20℃/秒以下の平均冷却速度で550℃まで冷却し、420℃以上550℃以下の温度域に20秒間以上90秒間以下保持する熱処理を施す熱処理工程;および
(D)前記熱処理工程により得られた熱延鋼板に溶融めっきを施す溶融めっき工程。 - 前記溶融めっきが溶融亜鉛めっきであることを特徴とする請求項8に記載の溶融めっき熱延鋼板の製造方法。
- 前記溶融亜鉛めっきを施した後に室温まで冷却する過程において、480℃以上600℃以下の温度域に保持して合金化処理を施すことを特徴とする請求項9に記載の溶融めっき熱延鋼板の製造方法。
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