JP2011229510A - 魚肉加工食品の製造方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カツオのタタキの製造過程で、カツオの普通肉と血合肉に含まれる栄養素と旨味を残しながら、カツオ特有の魚臭を軽減し、鮮紅色の肉食を保ち、解凍後の水分流出防止の改善を図った、カツオのタタキの製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】第1工程でロイン加工された冷凍カツオを、上部からテラヘルツ波を照射し、次に第2工程にてステンレスのロイン送りレーン上で振動作用をもたらし、振動作用を与えられたカツオは魚肉中の臭み成分の粒子を皮側へ移動させ、第3工程で冷凍カツオの上部からテラヘルツ波を放射する機能水を霧状に散布し、焙焼工程にて表面を焙焼することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】第1工程でロイン加工された冷凍カツオを、上部からテラヘルツ波を照射し、次に第2工程にてステンレスのロイン送りレーン上で振動作用をもたらし、振動作用を与えられたカツオは魚肉中の臭み成分の粒子を皮側へ移動させ、第3工程で冷凍カツオの上部からテラヘルツ波を放射する機能水を霧状に散布し、焙焼工程にて表面を焙焼することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、カツオのタタキの製造過程で、カツオの普通肉と血合肉に含まれる栄養素と旨味を残しながら、カツオ特有の魚臭を軽減し、鮮紅色の肉食を保ち、解凍後の水分流出防止の改善を図った、カツオのタタキの製造方法及び装置に関する。
カツオは古くから日本の食文化に大きく関わっており、江戸時代からカツオは鮮度が落ちると食中毒を起こしやすいことから、主な料理法としてはタタキとして食することが広く知られている。現代においても魚の鮮度は、温度や濃度に対するような科学的定義が不明瞭であるのが現状である。
従来、カツオのタタキの製造方法としては、ロイン加工(3枚または5枚に下ろした身)した身を皮付きのまま表面を焼き、その後直ちに冷やすという方法がとられていた。
近年カツオには、鮮度低下の速度を少しでも遅らせる方法として、冷凍カツオでB1と呼ばれるものがある。B1カツオは、遠洋鰹一本釣漁船が釣上げたカツオを厳選し、生きたまま食塩ブライン凍結庫に投入し、ブライン浸漬式凍結により、マイナス○度という厳しい凍結作業条件のもとに凍結されたカツオであり、「ブライン凍結一級品」として流通されている。同じ凍結庫で凍結されても、B1の基準に入らないカツオは、Bと称して区別されている。
日本のカツオの水揚量は、世界的に見ても有数であるが、近年、我が国は食習慣の変化にともない魚放れがおきている現状の中、食べやすい魚を提供して、魚を食べる習慣をつけ、家庭内での子供の成長や健康的な老後の為に、上手に魚を摂取していくことが重要である。
またカツオは、タンパク質の含量が多く逆に脂質がわずかである為、健康的で低カロリーの食品である。回遊するカツオの筋肉はエネルギーのもとであり、その筋肉を支える血合い部分はビタミン類、ミネラル類など栄養価の高い魚である。
しかし、カツオは特有の臭みを持つ魚である。そのため鮮度低下の有無に関わらず、他の魚よりもその臭いは強いといわれる。その臭みが敬遠されることが多く、嗜好食品としての課題を持ち続けてきた。
またカツオは、タンパク質の含量が多く逆に脂質がわずかである為、健康的で低カロリーの食品である。回遊するカツオの筋肉はエネルギーのもとであり、その筋肉を支える血合い部分はビタミン類、ミネラル類など栄養価の高い魚である。
しかし、カツオは特有の臭みを持つ魚である。そのため鮮度低下の有無に関わらず、他の魚よりもその臭いは強いといわれる。その臭みが敬遠されることが多く、嗜好食品としての課題を持ち続けてきた。
かかる問題を解決するため、特許文献1(特開2003−135035号公報)には、生食用鰹肉の製造方法が開示されている。−40℃以下に冷凍したカツオを、第1炉に於いてカツオ肉部の表面部と裏面部を焼き焦がし、ゼオライト又は無機充填剤からなる側面を有する臭い吸収壁の側面壁から、ポンプにて臭気を室外に排気する。次いで、第2炉焼成室にてカツオの表面2〜3mmを焙焼させ、次いで第3炉にて植物原材料を用いた燻製装置で匂い付けを行うようにしたものである。
また特許文献2(特開2009−284909号公報)には、括カツオの冷凍方法及び装置が開示されている。特許文献2に開示された方法は、一本釣りされたカツオの心肺機能を停止させずに脱血処理をし、その後ブライン凍結させ、漁船内部にある−50℃〜−40℃の空冷槽で冷凍保管する。脱血処理の際には、大動脈の血液だけでなく、体内に張り巡らされた毛細血管内の血液も抜くことで、血液中のヘモグロビンやミオグロビンの色素による変色を回避し、鮮紅色な肉質を保つための装置が開示されている。
魚の鮮度:著者渡邊悦男・加藤登・大熊博一・濱田奈保子:発行成山堂
カツオ・マグロのひみつ:著者安部宏喜:発行恒星社厚生閣
カツオの産業と文化:著者若林良和:発行成山堂
しかしながら、特許文献1に開示された装置で製造されたカツオたたきは、カツオ特有の生臭みが残り、魚の生臭みを調理で消す為に様々な方法を取らなければならない。また、このカツオたたきが実際の消費者の食卓へ並ぶ頃には、カツオの赤身部分が特有の暗褐色になる為、視覚的に消費者には好まれない。その上、解凍して身を切ることでカツオ肉から水分(ドリップ)が流出し、旨みを失うことになる。
匂い(臭気)は、水産物の品質を決める重要な要因である。カツオを含め、魚は皮の下にある脂肪の層に臭みが存在する。カツオの匂いの成分は、化学的な性質も含め、時間の経過によって変化する部分も大きいが、様々な原因に大別される。
赤身魚であるカツオは、筋肉中に遊離アミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでおり、これはサバよりも多いと言われている。ヒスチジンは温度によっては、ヒスタミンに変える酵素を持っている細菌、モルガン菌(ヒスタミン生成菌)が増殖し、それに伴いヒスタミンも増える。ヒスタミンは、魚の腐敗の指標となるアンモニアなどの生成量がまだ少ないにもかかわらず、大量に生産されることがあり、気づかずに食べると食中毒や青魚アレルギーの原因になる上、生臭みの原因にもなる。
赤身魚であるカツオは、筋肉中に遊離アミノ酸の一種であるヒスチジンを多く含んでおり、これはサバよりも多いと言われている。ヒスチジンは温度によっては、ヒスタミンに変える酵素を持っている細菌、モルガン菌(ヒスタミン生成菌)が増殖し、それに伴いヒスタミンも増える。ヒスタミンは、魚の腐敗の指標となるアンモニアなどの生成量がまだ少ないにもかかわらず、大量に生産されることがあり、気づかずに食べると食中毒や青魚アレルギーの原因になる上、生臭みの原因にもなる。
カツオの生臭みの原因には、血合肉も上げられる。血合肉の主な成分は、トリメチルアミン(TMA)やジメチルアミン(DMA)などのアミン類である。トリメチルアミン(TMA)が分解されて、ジメチルアミン(DMA)という魚の腐敗臭になる。トリメチルアミン(TMA)やジメチルアミン(DMA)などのアミン類は、トリメチルアミンオキシド(TMAO)から分解酵素や微生物によって生成される。トリメチルアミンオキシド(TMAO)は海産魚全ての魚種の筋肉や内臓に多量に含まれている。
また、血合肉はヘモグロビンやミオグロビンといった成分を多く含み、特にヘモグロビンは酸化することで、アルデヒド類を生成するので血生臭さも増す。
また、血合肉はヘモグロビンやミオグロビンといった成分を多く含み、特にヘモグロビンは酸化することで、アルデヒド類を生成するので血生臭さも増す。
カツオは赤身魚として脂肪を多く含み、イコサペンタエンサン(IPA)やドコサヘキサエンサン(DHA)など、高度不飽和脂肪酸を多く含んでいる。これらの脂肪酸が、酸化反応により各種のアルデヒド類を生成する。そのため赤身魚はその脂肪酸含量が高く、高度不飽和脂肪酸が多いために特有の臭いを生じやすい。
以上のことから、特許文献1に開示された装置で加工したカツオたたきでは、調理過程で薬味などを使用し、臭いを別の臭いで覆うことで抑制するマスク効果を用いて魚の臭みを感じづらくするので、カツオ本来の旨味を味わうことが出来ない。
以上のことから、特許文献1に開示された装置で加工したカツオたたきでは、調理過程で薬味などを使用し、臭いを別の臭いで覆うことで抑制するマスク効果を用いて魚の臭みを感じづらくするので、カツオ本来の旨味を味わうことが出来ない。
赤身魚であるカツオは、鮮度が低下すると鮮紅色の肉質が暗褐色へと変化する。この現象をメト化率として、赤身魚(マグロ、カツオ)における肉食での鮮度評価の指標としている。
魚の主な色素蛋白質は、血色素ヘモグロビンと筋肉色素ミオグロビンである。赤身魚はミオグロビンという色素タンパク質が、筋肉中に多量に存在しているため鮮紅色を呈している。このミオグロビンの機能は、血液中のヘモグロビンと同様な役割を担っており、細胞呼吸で必要な酸素を運搬、貯蔵するために酸素と結合したり離したりする働きをしている。
ミオグロビンは、グロビンタンパク質とプロトポルフィリンからなっており、自然な形で鉄分を豊富に含んでいるので、空気中の酸素にふれ長時間放置すると、やがて色素中に含まれる鉄イオンが酸化されて、褐色(メトミオグロビン)に色調変化(メト化)する。貯蔵中の魚肉が蓄肉より変色しやすい原因は、ミオグロビンが多い為であるが、カツオは普通肉で100g当たり100mg以上あり、マダイの6mgと比べて非常に多い。
広範囲な遊泳行動をとるカツオは、赤色筋である血合筋と称する部分が特に発達している。
赤身魚には12%以上の血合肉があり、血合筋の色素含有量は普通筋に比べて高く、ミオグロビンの占める割合は平均80〜90%である。これらが原因で従来の加工方法では、短時間で肉質が暗褐色へと変化することになる。
魚の主な色素蛋白質は、血色素ヘモグロビンと筋肉色素ミオグロビンである。赤身魚はミオグロビンという色素タンパク質が、筋肉中に多量に存在しているため鮮紅色を呈している。このミオグロビンの機能は、血液中のヘモグロビンと同様な役割を担っており、細胞呼吸で必要な酸素を運搬、貯蔵するために酸素と結合したり離したりする働きをしている。
ミオグロビンは、グロビンタンパク質とプロトポルフィリンからなっており、自然な形で鉄分を豊富に含んでいるので、空気中の酸素にふれ長時間放置すると、やがて色素中に含まれる鉄イオンが酸化されて、褐色(メトミオグロビン)に色調変化(メト化)する。貯蔵中の魚肉が蓄肉より変色しやすい原因は、ミオグロビンが多い為であるが、カツオは普通肉で100g当たり100mg以上あり、マダイの6mgと比べて非常に多い。
広範囲な遊泳行動をとるカツオは、赤色筋である血合筋と称する部分が特に発達している。
赤身魚には12%以上の血合肉があり、血合筋の色素含有量は普通筋に比べて高く、ミオグロビンの占める割合は平均80〜90%である。これらが原因で従来の加工方法では、短時間で肉質が暗褐色へと変化することになる。
通常の加工方法では、冷凍されたカツオを解凍すると、水分子が凍る過程で損傷させた細胞膜から、カツオのアミノ酸、有機酸、鉄分、タンパク質、ビタミン類といった旨味や水分が流出する「ドリップ現象」が起こる。
冷凍されたカツオは外側から徐々に凍っていき、その過程で細胞壁が破壊されてしまう。
そして解凍された時、それらの破壊された細胞壁から水分や旨味成分が流出する。
冷凍されたカツオは外側から徐々に凍っていき、その過程で細胞壁が破壊されてしまう。
そして解凍された時、それらの破壊された細胞壁から水分や旨味成分が流出する。
特許文献2で開示された装置で製造されたカツオのたたきは、脱血処理の際に、大動脈の血液だけでなく、体内に張り巡らされた毛細血管内の血液も抜くことで、普通肉や血合肉に含まれる、肉質が暗褐色へ変化する原因のヘモグロビンやミオグロビンを除去している。
それにより、解凍後の鮮やかな赤身と食感の良さが伺える。しかし、カツオの脱血を多量に行うことから、カツオの血液に含まれる様々な栄養素が抜けてしまうことになる。
赤身魚と白身魚の違いは栄養成分にあるが、栄養成分のうち最も違うのが鉄分である。カツオは栄養素の豊富な魚であり、特に他の魚に比べ、鉄分が豊富なことにより、貧血症などの対処法としてカツオを推奨することが多くみられる。赤身魚に含まれるミオグロビン、ヘモグロビンの両たんぱく質には鉄が多く含まれており、このことが鉄含量に大きく影響している。
カツオの特徴として豊富な血合肉が上げられるが、血合肉は普通肉よりも微量栄養素が多く、ビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれる。血合肉にはヘモグロビン、ミオグロビンが大量に含まれているが、これらの色素には吸収率が高いヘム鉄が含まれている。血合肉にはヘム鉄が豊富に含まれているので鉄の供給源として大変優れている。
また鉄分だけでなく、ビタミンA・B・E・タウリンなども豊富に含まれている。また、普通肉に比べてイコサペンタエンサン(IPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)も多く含まれている。IPAやDHAは二重結合が5個以上で、高度不飽和脂肪酸ともいわれる。
これらには、リノール酸以上の強力な血清脂質改善作用があり、魚の資質の優秀さが注目される。またIPAには血液を固まりにくくする、血栓を予防する、コレステロールや中性脂肪を減らす作用があるといわれる。以上のことから、過剰な脱血処理を行うことは、これらの貴重な栄養素が抜けてしまい、また食品としての旨みと味の深みが軽減される。
それにより、解凍後の鮮やかな赤身と食感の良さが伺える。しかし、カツオの脱血を多量に行うことから、カツオの血液に含まれる様々な栄養素が抜けてしまうことになる。
赤身魚と白身魚の違いは栄養成分にあるが、栄養成分のうち最も違うのが鉄分である。カツオは栄養素の豊富な魚であり、特に他の魚に比べ、鉄分が豊富なことにより、貧血症などの対処法としてカツオを推奨することが多くみられる。赤身魚に含まれるミオグロビン、ヘモグロビンの両たんぱく質には鉄が多く含まれており、このことが鉄含量に大きく影響している。
カツオの特徴として豊富な血合肉が上げられるが、血合肉は普通肉よりも微量栄養素が多く、ビタミン類、ミネラル類が豊富に含まれる。血合肉にはヘモグロビン、ミオグロビンが大量に含まれているが、これらの色素には吸収率が高いヘム鉄が含まれている。血合肉にはヘム鉄が豊富に含まれているので鉄の供給源として大変優れている。
また鉄分だけでなく、ビタミンA・B・E・タウリンなども豊富に含まれている。また、普通肉に比べてイコサペンタエンサン(IPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)も多く含まれている。IPAやDHAは二重結合が5個以上で、高度不飽和脂肪酸ともいわれる。
これらには、リノール酸以上の強力な血清脂質改善作用があり、魚の資質の優秀さが注目される。またIPAには血液を固まりにくくする、血栓を予防する、コレステロールや中性脂肪を減らす作用があるといわれる。以上のことから、過剰な脱血処理を行うことは、これらの貴重な栄養素が抜けてしまい、また食品としての旨みと味の深みが軽減される。
近年の1本釣りカツオ漁では、水揚げされたカツオは漁船内での急速冷凍された状態を維持する為に、−60℃で厳重な鮮度管理のもと保管されることが多い。通常、家庭用の冷凍庫は−20℃であるが、カツオの細胞が凍りつく温度は−55℃前後で、−60℃を維持していれば鮮度を保ったまま安心して保管することができる。−18℃で活動が停止されるのは、食中毒菌などの微生物だけで、血合肉の酸化などの化学反応は止まらない。しかし家庭用の冷凍庫は、−20℃であるが、たびたび開け閉めすることから、品質を保持することは困難である。冷凍貯蔵中の著しい温度変動が、解凍後の色調劣化に影響する可能性が示唆されている上、販売業者でさえ−30℃以下の冷凍条件を、備えているところは少ないのが現状である。また、凍結現象には科学的にも謎が多く、冷凍技術もまだまだ発展途上の段階である。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑み、有していた問題を解決しようとするものであり、魚肉加工食品の製造において、カツオの普通肉と血合肉に含まれる栄養素と旨みを残しながら、カツオ特有の臭い、色、水分を改善し実現することを目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するため、魚肉加工食品の製造方法は、第1工程でロイン加工された冷凍カツオを、上部からテラヘルツ波を照射し、次に第2工程にてステンレスのレーン上で振動作用をもたらし、振動作用を与えられたカツオは魚肉中の臭み成分の粒子を皮側へ移動させ、第3工程で冷凍カツオの上部からテラヘルツ波を放射する機能水を霧状に散布し、焙焼工程にて表面を焙焼することを特徴とする。
上記の課題解決手段による作用は次の通である。すなわち、メト化を防ぐために冷凍状態のまま4等分にロイン形成されたカツオを、上部照射部(番号)からテラヘルツ波をカツオ全体に照射する。この場合、水分は吸収されるが氷は透過するというテラヘルツ波の性質を利用し、完全凍結状態にあるカツオ肉の工程段階で照射する必要がある。
また、第2工程では、第1工程での皮側を上部にしたカツオを、ステンレスの素材からなるレーン上に並べ、ステンレスの性質を利用した振動を与える。振動作用を与えられたカツオは、カツオ肉内部の臭み成分の粒子を上部の皮側へ移行させる。
その後第2工程を終えたカツオに、機械上部に取付けられた散布部(番号)から、テラヘルツ波を放射する機能水を全体に霧状に散布させ、焙焼工程にて表面を焙焼し、焼くことにより、カツオ肉の皮を含む表面部分のタンパク質を変質させ、焙焼工程内の燻煙成分を吸着させる。
上述したように本発明の魚肉加工食品の製造方法及び装置では、第1工程でテラヘルツ波をカツオ全体に照射する。テラヘルツ波は、光と電波の中間に位置する遠赤外線と、同域波長のテラヘルツ(10の12乗Hz)の波長を持つ。遠赤外線は浸透波長の性質であり、ほとんどの物質に対して吸収自体は表面近傍で起こることに比べ、テラヘルツ波は電波のように物質を透過し、光のように直進する性質を持つ。一般に透過型の波長の場合、細胞を通過する際、放射線などのように細胞核を破壊、または傷つけるような動きをするが、テラヘルツ波は非侵襲で細胞の核・遺伝子を傷つけない上、透過の際に物質の生体細胞のバランスを整え、活性化させる作用がある。それにより透過された物質は、細胞賦活作用、鮮度保持作用、消臭機能、熟成作用、抗酸化作用、殺菌作用などをもたらす。
第1工程で冷凍カツオにテラヘルツ波を照射することにより、凍結過程でまわりの氷によりダメージを受けた細胞膜は細胞賦活作用により修復されるため、解凍時のドリップを最小限に抑えることが出来るので、テラヘルツ波を照射されていないものとの違いを発揮させることになる。また照射により、上記の作用からカツオに含まれるトリメチルアミンの分解とアルデヒド類の生成を抑制し、またヒスタミン生成菌の増殖を抑えることで、解凍後の生臭みを軽減することが可能になる。テラヘルツ波は抗酸化作用をもたらすので、ヘモグロビンとミオグロビン中に含まれる鉄イオンの酸化を抑制することで、肉質が暗褐色への変化を防ぎ紅鮮色を保ち、解凍後のメト化率の上昇が抑制される。第1工程では、4等分にロイン形成された完全凍結状態にあるカツオ肉の段階で使用することについては、テラヘルツ波が、水分は吸収されるが氷は透過するという性質を利用したものである。
第1工程で冷凍カツオにテラヘルツ波を照射することにより、凍結過程でまわりの氷によりダメージを受けた細胞膜は細胞賦活作用により修復されるため、解凍時のドリップを最小限に抑えることが出来るので、テラヘルツ波を照射されていないものとの違いを発揮させることになる。また照射により、上記の作用からカツオに含まれるトリメチルアミンの分解とアルデヒド類の生成を抑制し、またヒスタミン生成菌の増殖を抑えることで、解凍後の生臭みを軽減することが可能になる。テラヘルツ波は抗酸化作用をもたらすので、ヘモグロビンとミオグロビン中に含まれる鉄イオンの酸化を抑制することで、肉質が暗褐色への変化を防ぎ紅鮮色を保ち、解凍後のメト化率の上昇が抑制される。第1工程では、4等分にロイン形成された完全凍結状態にあるカツオ肉の段階で使用することについては、テラヘルツ波が、水分は吸収されるが氷は透過するという性質を利用したものである。
第2工程では、ステンレスに超微振動作用をもたらし、その振動がカツオに伝わることにより、カツオ肉中の臭みの原因になる成分の粒子が、振動エネルギーの進む方向である皮側へと移動する。また振動させることにより、魚肉内の氷の粒径を細かくし、第3工程でのテラヘルツ波を放射する機能水で、細胞の組織部分を修復しやすくさせる。
再度、カツオにテラヘルツ波を照射するが、第3工程では、機械上部からテラヘルツ波を放射する機能水を全体に霧状に10秒間程度散布させ、焙焼工程にて、臭み成分の粒子が集中したカツオの皮側を焙焼させ、カツオの臭みを消す。
本発明により、臭みがなくなり、血合いも含めて美味しく食べやすいカツオを提供することで、カツオに含まれる栄養素が積極的に摂ることができ、健康的な生活に役立てることが出来る。
赤身の魚はDHAやEPAといった抗酸化物質を多く持っている。DHAは、血管障害を予防する効果があるので脳血管型痴呆症の予防に有効である。アルツハイマー型痴呆症は、脳内の海馬の神経突起が破壊されることによるものである。シナプスは脳の学習記憶と密接な関係がある。シナプスをのばすためにはDHAが必要不可欠であるため、カツオを食することはアルツハイマー型痴呆症にも有効である。
また、目には血液網膜関門があり、ここを通る栄養素は限定されていて、DHAはその栄養素の1つである。DHAは網膜に対し、細胞を柔らかくし網膜の反射を良くする等の働きがあり、これらのことが視力の低下を防いでいると考えられている。
さらに、カツオに含まれる成分で注目すべき栄養素はタウリンであり、タウリンは血中コレステロールを低下させる作用があるとされ、さらに血圧も低下させると言われていることで、最近では動脈硬化の発症を予防、または改善するとも考えられている。
赤身の魚はDHAやEPAといった抗酸化物質を多く持っている。DHAは、血管障害を予防する効果があるので脳血管型痴呆症の予防に有効である。アルツハイマー型痴呆症は、脳内の海馬の神経突起が破壊されることによるものである。シナプスは脳の学習記憶と密接な関係がある。シナプスをのばすためにはDHAが必要不可欠であるため、カツオを食することはアルツハイマー型痴呆症にも有効である。
また、目には血液網膜関門があり、ここを通る栄養素は限定されていて、DHAはその栄養素の1つである。DHAは網膜に対し、細胞を柔らかくし網膜の反射を良くする等の働きがあり、これらのことが視力の低下を防いでいると考えられている。
さらに、カツオに含まれる成分で注目すべき栄養素はタウリンであり、タウリンは血中コレステロールを低下させる作用があるとされ、さらに血圧も低下させると言われていることで、最近では動脈硬化の発症を予防、または改善するとも考えられている。
また、魚介類の呈味成分のうち最も重要なものは,グルタミン酸(MSG)とイノシン酸(IMP)である。これらの相互作用で旨味が増強されることが知られている。実際には他のアミノ酸、ヌクレオチド、無機イオンなどが関わりあってそれぞれの魚介類に特徴的な味を形成する。本発明により、品質の変化を防ぐための酸化防止剤、添加物、味を補正する旨味調味料の添加は不要であり、栄養素と旨みを残した完全無添加製品の製造を可能にした。それにより、臭みがなく旨みのあるカツオタタキは、塩のみであっても美味しく食することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図2に基づいて説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明装置の実施例の横から見た側面図、図2は図1中の7を下から見た底面図である。
図1は本発明装置の実施例の横から見た側面図、図2は図1中の7を下から見た底面図である。
図1においては、12は製造機全体のコンベアであり、ロイン形成されたカツオはロイン送りレーン5の上に載せられ照射トンネル2へ送られる。照射トンネル2へ送られたカツオは、照射コントロールシステム1により、上部からテラヘルツ波が照射される。ロイン送りレーンに直接触れた振動板4は、振動板コントロールシステム3により常に振動が送られ、それによってロイン送りレーン5上も常に振動状態になる。
振動状態にあるロイン送りレーン5上に載せられたカツオは、レーン上においてその振動を受けることになり、それによって魚肉中の臭みの成分は皮側へ移動する。
次なる工程として、振動を受けたカツオは、放射散布部7の下へ移動する。機能水散布口13からテラヘルツ波を放射する機能水が霧状に散布されることで、カツオ全体に機能水が付着される。
機能水が付着されたカツオは、上部の燃焼炉10の下へと移動し、下部の炭火9と上部の燃焼炉10により、表面を焙焼する。
振動状態にあるロイン送りレーン5上に載せられたカツオは、レーン上においてその振動を受けることになり、それによって魚肉中の臭みの成分は皮側へ移動する。
次なる工程として、振動を受けたカツオは、放射散布部7の下へ移動する。機能水散布口13からテラヘルツ波を放射する機能水が霧状に散布されることで、カツオ全体に機能水が付着される。
機能水が付着されたカツオは、上部の燃焼炉10の下へと移動し、下部の炭火9と上部の燃焼炉10により、表面を焙焼する。
図2は、図1中の7を下から見た底面図であるが、放水官8から放水散布部7を伝ってきたテラヘルツ波を放射する機能水が、機能水散布口13より霧状に散布される。
図1において、ロイン送りレーン5はステンレス製であることが望ましい。
また、上記の実施形態として冷凍カツオを用いているが、魚臭を低減させる為の使用目的として、その他の魚肉を用いることも有効である。
また、上記の実施形態として冷凍カツオを用いているが、魚臭を低減させる為の使用目的として、その他の魚肉を用いることも有効である。
1 照射コントロールシステム
2 照射トンネル
3 振動板コントロールシステム
4 振動板
5 ロイン送りレーン
6 駆動ローラー
7 放水散布部
8 放水官
9 炭火
10 燃焼炉
11 ガス管
12 コンベア
13 機能水散布口
2 照射トンネル
3 振動板コントロールシステム
4 振動板
5 ロイン送りレーン
6 駆動ローラー
7 放水散布部
8 放水官
9 炭火
10 燃焼炉
11 ガス管
12 コンベア
13 機能水散布口
Claims (3)
- 冷凍カツオを、上部からテラヘルツ波を照射することを特徴とする魚肉加工食品の製造方法及び装置。
- 冷凍カツオに、ステンレスのレーン上で起こる振動作用の影響を与えることを特徴とする請求項1記載の魚肉加工食品の製造方法及び装置。
- 冷凍カツオ上部から、テラヘルツ波を放射する機能水を霧状に散布することを特徴とする請求項3記載の魚肉加工食品の製造方法及び装置。
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014217348A (ja) * | 2013-05-10 | 2014-11-20 | 岡 進 | テラヘルツ波を用いた食品の加工方法 |
CN113974097A (zh) * | 2021-10-09 | 2022-01-28 | 大连工业大学 | 一种快速嫩化南极磷虾肉的方法 |
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2010
- 2010-04-24 JP JP2010113647A patent/JP2011229510A/ja active Pending
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