JP2011225528A - ロキソプロフェン又はその塩を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する医薬組成物。
【選択図】なし
Description
また、コデイン類は、咳中枢の機能を抑制することによる鎮咳作用を有する麻薬性鎮咳成分であることが知られており、当該作用に基づき、総合感冒薬、鎮咳去痰薬等に用いられている薬物である(非特許文献3)。
ロキソプロフェン又はその塩と抗ヒスタミン剤の2成分の組合わせによる作用については、具体的には、ロキソプロフェンと、エピナスチン塩酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩やメキタジンとを組合わせることによる鼻閉症状の改善作用(特許文献4)、ロキソプロフェンと、アゼラスチン塩酸塩やメキタジンとを組み合わせることによる杯細胞過形成抑制作用(特許文献5)、ロキソプロフェンと、カルビノキサミンマレイン酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩とを組合わせることによる鎮痛作用の増強作用、ロキソプロフェンと、カルビノキサミンマレイン酸塩とを組合わせることによる抗炎症作用及び解熱作用の増強作用、ロキソプロフェンと、クレマスチンフマル酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩とを組合わせることによる抗ヒスタミン作用の増強作用(特許文献6)が知られている。
また、ロキソプロフェン又はその塩とコデイン類の2成分の組合わせによる作用については、具体的には、ロキソプロフェンとリン酸ジヒドロコデインとを組合わせることによる抗炎症作用の増強作用(特許文献6)や、ロキソプロフェンとリン酸コデインとを組合わせることによる杯細胞過形成抑制作用(特許文献7)が知られている。
また、抗ヒスタミン剤は、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害に対して抑制作用を有する。
従って、本発明によれば、優れた薬理作用を有し、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害が抑制された安全性に優れる医薬組成物を提供することができる。
本発明の医薬組成物に用いられる「ロキソプロフェン又はその塩」には、ロキソプロフェンのみならず、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩、さらにはロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物が含まれる。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
本発明の医薬組成物に用いられる「抗ヒスタミン剤」としては、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には例えば、アゼラスチン、アリメマジン、イソチペンジル、イプロヘプチン、エバスチン、エピナスチン、エメダスチン、オキサトミド、オロパタジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、シプロヘプタジン、セチリジン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、フェキソフェナジン、フェネタジン、プロメタジン、ベポタスチン、ホモクロルシクリジン、メキタジン、メトジラジン、メブヒドロリン及びロラタジン並びにこれらの塩からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。なお、塩としては、無機酸や有機酸、無機塩基や有機塩基等との塩が挙げられ、例えば、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、ベシル酸塩、ナパジシル酸塩、リン酸塩等が挙げられる。また、抗ヒスタミン剤の化学構造中、不斉炭素が存する場合は、種々の光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。さらに、抗ヒスタミン剤は溶媒和物の状態にあってもよく、上記各種化合物やその塩と水やアルコール等との溶媒和物も「抗ヒスタミン剤」に含まれる(従って、「各種化合物又はその塩」には、当該化合物やその塩の溶媒和物も包含される。)。
上述の抗ヒスタミン剤は、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてアリメマジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてイソチペンジル又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜30mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜7.5mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてイプロヘプチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、5〜400mg服用できる量が好ましく、10〜300mg服用できる量がより好ましく、15〜200mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてエピナスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜50mg服用できる量が好ましく、1〜35mg服用できる量がより好ましく、2.5〜25mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてエメダスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.01〜10mg服用できる量が好ましく、0.03〜7.5mg服用できる量がより好ましく、0.1〜5mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてオキサトミド又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてカルビノキサミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜60mg服用できる量が好ましく、0.5〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜16mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてクレマスチン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、クレマスチンのフリー体換算で、0.01〜5mg服用できる量が好ましく、0.05〜3mg服用できる量がより好ましく、0.1〜2mg服用できる量がさらに好ましい。なお、クレマスチンフマル酸塩1.34mgはクレマスチンのフリー体として1mgに相当するものである。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてクロルフェニラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.6〜12mg服用できる量がより好ましい。なお、クロルフェニラミン又はその塩として、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜15mg服用できる量が好ましく、0.6〜6mg服用できる量がより好ましく、1〜5mg服用できる量がさらに好ましい。dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.5〜20mg服用できる量が好ましく、1〜12mg服用できる量がより好ましく、2〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェテロール又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜100mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェニルピラリン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。なお、ジフェニルピラリン又はその塩として、ジフェニルピラリン塩酸塩を用いる場合、1日あたり、0.1〜12mg服用できる量が好ましく、1〜4mg服用できる量がより好ましい。ジフェニルピラリンテオクル酸塩を用いる場合は、1日あたり、0.1〜13.5mg服用できる量が好ましく、1〜4.5mg服用できる量がより好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてジフェンヒドラミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、5〜200mg服用できる量がより好ましく、15〜150mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてセチリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜50mg服用できる量が好ましく、0.3〜30mg服用できる量がより好ましく、1〜20mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてトリプロリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜20mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてトリペレナミン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜400mg服用できる量が好ましく、3〜200mg服用できる量がより好ましく、10〜100mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてフェキソフェナジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、6〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてフェネタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、1〜300mg服用できる量が好ましく、3〜150mg服用できる量がより好ましく、10〜75mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてプロメタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.5〜200mg服用できる量が好ましく、1〜100mg服用できる量がより好ましく、5〜75mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてホモクロルシクリジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.3〜180mg服用できる量が好ましく、1〜90mg服用できる量がより好ましく、3〜60mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてメキタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.05〜20mg服用できる量が好ましく、0.1〜12mg服用できる量がより好ましく、0.6〜6mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてメトジラジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜40mg服用できる量が好ましく、0.3〜20mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明の医薬組成物において、抗ヒスタミン剤としてロラタジン又はその塩を用いる場合、その含有量は、1日あたり、0.1〜30mg服用できる量が好ましく、0.3〜15mg服用できる量がより好ましく、1〜10mg服用できる量がさらに好ましい。
本発明において、「コデイン類」とは、コデイン、ジヒドロコデイン及びこれらの塩並びにこれらの溶媒和物からなる群より選ばれる1種以上のものを意味する。この群にはコデインやジヒドロコデインそのもののほか、コデインやジヒドロコデインの薬学上許容される塩やこれらの溶媒和物も含まれる。コデイン類の具体例としては例えば、コデイン、ジヒドロコデイン、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩等が挙げられる。この中でも、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩が好ましく、ジヒドロコデインリン酸塩が特に好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
本発明においては、コデイン類を医薬組成物全質量に対して0.08〜4質量%含有するのが好ましい。また、コデイン類がコデインリン酸塩水和物である場合、鎮痛作用の観点から、医薬組成物全質量に対して0.15〜4質量%含有するのが好ましく、0.3〜3質量%含有するのがより好ましく、0.5〜2.5質量%含有するのが特に好ましい。さらに、コデイン類がジヒドロコデインリン酸塩である場合、鎮痛作用の観点から、医薬組成物全質量に対して0.08〜2質量%含有するのが好ましく、0.16〜1.5質量%含有するのがより好ましく、0.24〜1.5質量%含有するのが特に好ましい。
本発明においては、服用の簡便性や薬物服用量の管理等の点で、ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類の3成分を含む固形製剤であるのが好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤及び細粒剤からなる群より選ばれる固形製剤であるのがより好ましく、錠剤又はカプセル剤であるのが特に好ましい。
気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
また、本発明の医薬組成物の好適な具体例としては、下記組成物(A)〜(C)からなる群より選ばれる1種以上:
(B)ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する、のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の緩和(かぜの諸症状としてののどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和を含む)用組成物、並びに
(C)ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する、のどの痛みの緩和(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状としてののどの痛みの緩和を含む)用組成物
が挙げられ、上記組成物(B)が特に好ましい。
従って、ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する本発明の医薬組成物は、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害が抑制されるため安全性に優れるという有利な効果を有する。
また、従来、ロキソプロフェンを含有する医薬においては投与禁忌とされている消化性潰瘍の罹患者や、慎重投与とされている消化性潰瘍の既往歴のある患者であっても安全に服用することができ、ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する本発明の医薬組成物は、消化性潰瘍の罹患者及び/又は消化性潰瘍の既往歴のある者に投与するための医薬組成物としても好適に利用できる。
さらに、本発明によれば、抗ヒスタミン剤を有効成分として含有する、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド、テノキシカム、トルフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、プログルメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロキソプロフェン及びロルノキシカム並びにこれらの塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤(好適にはロキソプロフェン又はその塩)に起因する消化管障害(例えば、NSAID潰瘍)の軽減又は抑制剤を提供できる。
[試験例1]鎮痛試験
試験例1−1 ロキソプロフェン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩及びコデイン類の3成分の組合わせによる鎮痛作用の検討
5〜6週齢のWistar系雄性ラット(体重102.7〜120.5g)の右後肢足の疼痛閾値を測定し、「炎症惹起前疼痛閾値」とした。
炎症惹起前疼痛閾値の測定後、右後肢足蹠に20%酵母液を100μL皮下投与して炎症を惹起した。炎症惹起3時間後に疼痛閾値を測定し、「薬物投与前疼痛閾値」とした。
薬物投与前疼痛閾値の測定直後に被験薬物を経口投与し、当該薬物投与の3時間後を測定ポイントとして疼痛閾値を測定し、「薬物投与後疼痛閾値」とした。
得られた疼痛閾値から、以下の式に従い、疼痛改善率を算出した。
1:ロキソプロフェンナトリウム水和物 単独投与群(以下、「LX単独」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
2:d−クロルフェニラミンマレイン酸塩 単独投与群(以下、「CM単独」と表記する。)
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
3:ジヒドロコデインリン酸塩 単独投与群(以下、「DP単独」と表記する。)
ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて同時に投与した。
5:ロキソプロフェンナトリウム水和物とジヒドロコデインリン酸塩の2成分併用投与群(以下、「LX+DP」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて同時に投与した。
6:ロキソプロフェンナトリウム水和物、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩の3成分併用投与群(以下、「LX+CM+DP」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を1mg/kg体重の用量で、ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて同時に投与した。
結果を表1に示す。なお、疼痛改善率は、各群当りの平均値±標準誤差で表示した。
特に、その疼痛改善率(約60%)は、鎮痛作用の増強作用が知られるロキソプロフェンナトリウム水和物とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の2成分の組み合わせの疼痛改善率(第4群:約0%)、抗炎症作用の増強作用が知られるロキソプロフェンナトリウム水和物とジヒドロコデインリン酸塩の2成分の組合わせの疼痛改善率(第5群:約32%)と比較しても格段に大きく、当該2成分の組合わせからも予想できないほど格別に優れたものであった。
被験薬物を以下の群構成に従い投与したほかは試験例1−1と同様の方法により鎮痛試験を行なった。
1:ロキソプロフェンナトリウム水和物 単独投与群(以下、「LX単独」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
2:クレマスチンフマル酸塩 単独投与群(以下、「CF単独」と表記する。)
クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
3:ジヒドロコデインリン酸塩 単独投与群(以下、「DP単独」と表記する。)
ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて同時に投与した。
5:ロキソプロフェンナトリウム水和物、クレマスチンフマル酸塩及びジヒドロコデインリン酸塩の3成分併用投与群(以下、「LX+CF+DP」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、ジヒドロコデインリン酸塩を0.1g/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて同時に投与した。
結果を表2に示す。なお、疼痛改善率は、各群当たりの平均値±標準誤差で表示した。
特に、その疼痛改善率(約54%)は、抗炎症作用の増強作用が知られるロキソプロフェンナトリウム水和物とジヒドロコデインリン酸塩の2成分の組合わせの疼痛改善率(第4群:約32%)と比較しても格段に大きく、当該2成分の組合わせからも予想できないほど、格別に優れたものであった。
試験例2−1 クロルフェニラミン又はその塩による、ロキソプロフェン誘発消化管障害の抑制作用の検討
8週齢のWistar系雄性ラットを用い、被験薬物投与群、及び溶媒投与群(対照群)それぞれ1群当り6匹として試験を実施した。ラットは、試験開始の16時間以上前より絶食とした。水の摂取は試験開始前1時間までは自由摂取とし、以後絶水とした。
被験薬物として、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩(以下、「CM」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(5、40mg/5mL/kg体重)を経口投与した。また、溶媒投与群には0.5%メチルセルロース溶液のみ(以下、「0.5%MC」と表記する。)をそれぞれ同容量(5mL/kg)経口投与した。
被験薬物又は溶媒の投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kg体重を経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。
被験薬物としてクレマスチンフマル酸塩(以下、「CF」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(1mg/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例2−1と同様に試験を実施した。結果を表4に示す。なお、潰瘍指数は各群当たりの平均値±標準誤差で表示した。
被験薬物としてカルビノキサミンマレイン酸塩(以下、「CAM」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(0.75、75mg/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例2−1と同様に試験を実施した。結果を表5に示す。なお、潰瘍指数は各群当たりの平均値±標準誤差で表示した。
被験薬物としてジフェニルピラリン塩酸塩(以下、「PP」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(3、10mg/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例2−1と同様に試験を実施した。結果を表6に示す。なお、潰瘍指数は各群当たりの平均値±標準誤差で表示した。
被験薬物としてメキタジン(以下、「MQ」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(1、3、10mg/5mL/kg体重)を経口投与することにより、試験例2−1と同様に試験を実施した。結果を表7に示す。なお、潰瘍指数は各群当たりの平均値±標準誤差で表示した。
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物) 204.3mg
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩(金剛化学製:商品名 D−マレイン酸クロルフェニラミン) 3.5mg
ジヒドロコデインリン酸塩(塩野義製薬製:商品名 リン酸ジヒドロコデイン「シオノギ」) 24mg
ヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1858mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
6錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物) 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩) 1.34mg
ジヒドロコデインリン酸塩(塩野義製薬製:商品名 リン酸ジヒドロコデイン「シオノギ」) 24mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
トラネキサム酸 750mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
トレハロース 600mg
結晶セルロース 467.36mg
マクロゴール6000 60mg
クロスカルメロースナトリウム 80mg
ポリビニルアルコール 1mg
軽質無水ケイ酸 24mg
硬化油 65mg
ステアリン酸マグネシウム 44mg
Claims (9)
- ロキソプロフェン又はその塩、抗ヒスタミン剤及びコデイン類を含有する医薬組成物。
- ロキソプロフェン又はその塩が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である請求項1記載の医薬組成物。
- ロキソプロフェンナトリウム水和物を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で、10〜300mgを1日量として含有する請求項2記載の医薬組成物。
- 抗ヒスタミン剤が、アゼラスチン、アリメマジン、イソチペンジル、イプロヘプチン、エバスチン、エピナスチン、エメダスチン、オキサトミド、オロパタジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、シプロヘプタジン、セチリジン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、フェキソフェナジン、フェネタジン、プロメタジン、ベポタスチン、ホモクロルシクリジン、メキタジン、メトジラジン、メブヒドロリン及びロラタジン並びにそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 抗ヒスタミン剤を、0.01〜400mgを1日量として含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- コデイン類が、コデインリン酸塩水和物及びジヒドロコデインリン酸塩からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- コデインリン酸塩水和物を、4〜60mgを1日量として含有する請求項6記載の医薬組成物。
- ジヒドロコデインリン酸塩を、2〜30mgを1日量として含有する請求項6記載の医薬組成物。
- 鎮痛用である請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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