JP2011217705A - 慢性疲労症候群の判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】慢性疲労症候群に罹患しているか否かを正確に安定して行うことができる方法を提供する。
【解決手段】生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する工程と、前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する工程と、前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する工程。
【選択図】図5
【解決手段】生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する工程と、前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する工程と、前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する工程。
【選択図】図5
Description
本発明は、被験者が慢性疲労症候群に罹患しているかを判定するための方法に関する。より具体的には、本発明は、被験者から採取された生体試料中のある特定の遺伝子の遺伝子転写産物の発現量の測定に基づいて、該被験者が慢性疲労症候群に罹患しているかを判定できる方法に関する。
現代社会において、多くの人が慢性的な疲労を感じている。1999年の厚生労働省の調査では、国民の約3分の1が慢性的な疲労を感じており、その疲労により引き起こされる経済的損失は、約1.2兆円と試算され、大きな社会的問題となりうることが示唆されている。
慢性疲労症候群は、原因不明の回復しない強度の疲労が半年以上続く疾患であり、罹患者は日本に約30万人、全世界では約300万人、また、その予備軍は約3000万人とも言われている。
現時点では、慢性疲労症候群の診断は、患者の申告による生活の障害の程度の認定と、他の疲労を伴う疾患を精密な検査により除外していくことによってしか行うことができず、客観的な判定方法が確立されていない。
現時点では、慢性疲労症候群の診断は、患者の申告による生活の障害の程度の認定と、他の疲労を伴う疾患を精密な検査により除外していくことによってしか行うことができず、客観的な判定方法が確立されていない。
特表2000−516818号公報(特許文献1)は、血液中のタンパク質であるRNase Lを検出することにより、慢性疲労症候群を診断する方法を開示している。
特開2005−13147号公報(特許文献2)は、被験者のゲノム中のセロトニントランスポーター遺伝子の多型に基づいて、慢性疲労症候群の発症リスクを判定する方法を開示している。
特開2005−13147号公報(特許文献2)は、被験者のゲノム中のセロトニントランスポーター遺伝子の多型に基づいて、慢性疲労症候群の発症リスクを判定する方法を開示している。
特開2007−228878号公報(特許文献3)は、慢性疲労症候群の患者において発現が変化している遺伝子の発現量に基づいて、慢性疲労症候群の診断を行う方法を開示している。
さらに、米国特許出願公開第2009/0010908号明細書(特許文献4)は、慢性疲労症候群の診断に用い得るバイオマーカー(遺伝子)を多数列挙している。
また、Gowら(非特許文献1)も、慢性疲労症候群の患者において発現量が特異的な遺伝子を同定している。
さらに、米国特許出願公開第2009/0010908号明細書(特許文献4)は、慢性疲労症候群の診断に用い得るバイオマーカー(遺伝子)を多数列挙している。
また、Gowら(非特許文献1)も、慢性疲労症候群の患者において発現量が特異的な遺伝子を同定している。
John W Gowら, "A gene signature for post-infectious chronic fatigue syndrome", BMC Medical Genomics 2009, 2:38
しかし、従来技術の方法では、精度の高い慢性疲労症候群の診断を安定して行うことが困難であった。
そこで、本発明は、慢性疲労症候群に罹患しているか否かの判定を正確に安定して行うことができる方法を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、慢性疲労症候群に罹患しているか否かの判定を正確に安定して行うことができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、被験者からの生体試料中のある特定のカテゴリー(遺伝子群)に属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定し、健常者から得られる生体試料中の対応する遺伝子転写産物の発現量からの偏差を表す値を算出し、この偏差を表す値をカテゴリー内で平均化し、少なくとも2つのカテゴリーについて求めた平均化された値を用いることにより、慢性疲労症候群に罹患している患者を、健常者から明確に安定して区別できることを見出して、本発明を完成した。
よって、本発明は、
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する工程と、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出する工程と、
選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する工程と、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する工程と
を含む、慢性疲労症候群の判定方法を提供する。
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する工程と、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出する工程と、
選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する工程と、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する工程と
を含む、慢性疲労症候群の判定方法を提供する。
また、本発明は、コンピュータを、
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより得られる発現量を受け付ける受付手段、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する平均値取得手段、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるための慢性疲労症候群の判定用プログラムも提供する。
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより得られる発現量を受け付ける受付手段、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する平均値取得手段、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるための慢性疲労症候群の判定用プログラムも提供する。
本発明の方法によると、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを、被験者からの生体試料を用いて簡便に判定できるとともに、客観的な判定手段を提供できる。また、本発明の方法は、従来の方法に比較して、慢性疲労症候群の診断の助けとなるより精度の高い指標を提供することを可能にする。
本発明の慢性疲労症候群の判定方法では、まず、被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する。
生体試料は、そこから遺伝子転写産物を抽出可能な生体から採取される試料であれば特に限定されず、被験者の血液(全血、血漿、血清を含む)、唾液、尿、体毛などを用いることができる。
生体試料は、そこから遺伝子転写産物を抽出可能な生体から採取される試料であれば特に限定されず、被験者の血液(全血、血漿、血清を含む)、唾液、尿、体毛などを用いることができる。
本明細書において、「遺伝子転写産物」とは、遺伝子が転写されることにより得られる産物のことであり、リボ核酸(RNA)、具体的にはメッセンジャーRNA (mRNA)である。
また、本明細書において、「遺伝子転写産物の発現量」とは、上記の生体試料中の遺伝子転写産物の存在量又は該存在量を反映する物質の量のことである。よって、本発明の方法では、遺伝子転写産物(mRNA)の量、又はmRNAから得られる相補デオキシリボ核酸(cDNA)若しくは相補RNA (cRNA)の量を測定できる。通常、生体試料中のmRNAの量は微量であるので、そこから逆転写及びインビトロ転写(IVT)などにより得られるcDNA又はcRNAの量を測定することが好ましい。
また、本明細書において、「遺伝子転写産物の発現量」とは、上記の生体試料中の遺伝子転写産物の存在量又は該存在量を反映する物質の量のことである。よって、本発明の方法では、遺伝子転写産物(mRNA)の量、又はmRNAから得られる相補デオキシリボ核酸(cDNA)若しくは相補RNA (cRNA)の量を測定できる。通常、生体試料中のmRNAの量は微量であるので、そこから逆転写及びインビトロ転写(IVT)などにより得られるcDNA又はcRNAの量を測定することが好ましい。
生体試料から遺伝子転写産物を抽出する方法は、当該技術において知られるRNA抽出法を用いて行うことができる。例えば、生体試料を遠心分離して、RNAを含む細胞を沈殿させ、物理的又は酵素的に細胞を破壊し、細胞破片を除去することによりRNA抽出物を得ることができる。RNAの抽出は、市販のRNA抽出キットなどを用いて行うこともできる。
上記のようにして得られた遺伝子転写産物の抽出物から、遺伝子転写産物の発現量の測定時に混入していないことが好ましい生体試料由来の混入成分、例えば生体試料が血液である場合はグロビンのmRNAなどを除去するための処理を行うこともできる。
上記のようにして得られた遺伝子転写産物の抽出物について、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する。
遺伝子転写産物の発現量の測定は、それ自体公知の方法に従って行うことができるが、多数の遺伝子転写産物の発現解析を行うことができる点で、定量PCRや核酸チップを用いる測定方法が好ましい。
核酸チップを用いて遺伝子転写産物の発現量を測定する場合、例えば、基板上に固定された20〜25 mer程度の核酸プローブに、遺伝子転写産物の抽出物又は遺伝子転写産物から作製したcDNA若しくはcRNAを接触させ、ハイブリッドの形成の有無を蛍光、発色、電流などの指標の変化を測定することにより、目的の遺伝子転写産物の発現量を測定できる。
上記の核酸プローブは、1つの遺伝子転写産物に対して少なくとも1つ用いればよく、遺伝子転写産物の長さなどに応じて、複数のプローブを用いることもできる。プローブの配列は、測定しようとする遺伝子転写産物の配列に応じて当業者が適宜決定できる。
核酸チップを用いる遺伝子転写産物の発現量の測定方法としては、例えば、Affymetrix社により提供されるGeneChipシステムを用いることができる。
核酸チップを用いて遺伝子転写産物の発現量を測定する場合、例えば、基板上に固定された20〜25 mer程度の核酸プローブに、遺伝子転写産物の抽出物又は遺伝子転写産物から作製したcDNA若しくはcRNAを接触させ、ハイブリッドの形成の有無を蛍光、発色、電流などの指標の変化を測定することにより、目的の遺伝子転写産物の発現量を測定できる。
上記の核酸プローブは、1つの遺伝子転写産物に対して少なくとも1つ用いればよく、遺伝子転写産物の長さなどに応じて、複数のプローブを用いることもできる。プローブの配列は、測定しようとする遺伝子転写産物の配列に応じて当業者が適宜決定できる。
核酸チップを用いる遺伝子転写産物の発現量の測定方法としては、例えば、Affymetrix社により提供されるGeneChipシステムを用いることができる。
核酸チップを用いる場合、遺伝子転写産物又はそのcDNA若しくはcRNAは、核酸プローブとのハイブリッド形成を容易にするために、断片化することが望ましい。断片化は、当該技術において公知の方法により行うことができ、例えば、金属イオン存在下で加熱する方法やリボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼなどの核酸分解酵素を用いて行うことができる。
核酸チップにおいて核酸プローブと接触させる遺伝子転写産物又はそのcDNA若しくはcRNAは、通常、5〜20μg程度であればよい。接触条件は、通常、45℃で16時間程度である。
核酸プローブと接触させてハイブリッドを形成した遺伝子転写産物又はそのcDNA若しくはcRNAは、そのハイブリッド形成の有無及びハイブリッド形成した量について、蛍光物質、色素又はハイブリッド形成したことによる核酸チップ上を流れる電流量の変化などに基づいて検出することができる。
ハイブリッドの形成を、蛍光物質又は色素の検出により測定する場合、遺伝子転写産物又はそのcDNA若しくはcRNAが、蛍光物質又は色素の検出のための標識物質で標識されていることが好ましい。このような標識物質は、当該技術において通常用いられるものを用いることができる。通常、ビオチン化ヌクレオチド又はビオチン化リボヌクレオチドを、cDNA又はcRNAを合成するときのヌクレオチド又はリボヌクレオチド基質として混合しておくことにより、得られるcDNA又はcRNAがビオチンで標識されることができる。cDNA又はcRNAがビオチン標識されていると、核酸チップ上で、ビオチンに対する結合パートナーであるアビジン又はストレプトアビジンが結合できる。アビジン又はストレプトアビジンが、適切な蛍光物質と結合していることにより、ハイブリッドの形成が検出できる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェリン、フィコエリスリンなどが挙げられる。通常、フィコエリスリン−ストレプトアビジンのコンジュゲートが市販されているので、これを用いることが簡便である。
また、アビジン又はストレプトアビジンに対する標識抗体を、アビジン又はストレプトアビジンと接触させ、標識抗体の蛍光物質又は色素を検出することもできる。
ハイブリッドの形成を、蛍光物質又は色素の検出により測定する場合、遺伝子転写産物又はそのcDNA若しくはcRNAが、蛍光物質又は色素の検出のための標識物質で標識されていることが好ましい。このような標識物質は、当該技術において通常用いられるものを用いることができる。通常、ビオチン化ヌクレオチド又はビオチン化リボヌクレオチドを、cDNA又はcRNAを合成するときのヌクレオチド又はリボヌクレオチド基質として混合しておくことにより、得られるcDNA又はcRNAがビオチンで標識されることができる。cDNA又はcRNAがビオチン標識されていると、核酸チップ上で、ビオチンに対する結合パートナーであるアビジン又はストレプトアビジンが結合できる。アビジン又はストレプトアビジンが、適切な蛍光物質と結合していることにより、ハイブリッドの形成が検出できる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、ルシフェリン、フィコエリスリンなどが挙げられる。通常、フィコエリスリン−ストレプトアビジンのコンジュゲートが市販されているので、これを用いることが簡便である。
また、アビジン又はストレプトアビジンに対する標識抗体を、アビジン又はストレプトアビジンと接触させ、標識抗体の蛍光物質又は色素を検出することもできる。
上記の6つの遺伝子群は、遺伝子オントロジー(Gene Ontology; GO)プロジェクトにより定義されたカテゴリー(GO Term)に従う分類である。GO Termは、http://www.geneontology.org/index.shtmlから閲覧可能である。
本発明の方法においては、上記の6つの遺伝子群のうち、少なくとも2つの群に属するそれぞれ少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する。
本発明の方法においては、上記の6つの遺伝子群のうち、少なくとも2つの群に属するそれぞれ少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する。
(A)エネルギー産生関連遺伝子群
エネルギー産生関連遺伝子群は、生体内のエネルギー源であるアデノシン3リン酸(ATP)に関連する遺伝子からなるカテゴリーである。本発明の方法において遺伝子転写産物の発現量が測定されるエネルギー産生関連遺伝子群は、(A-1)ATP合成酵素関連遺伝子、(A-2)ミトコンドリアリボソームタンパク質関連遺伝子、(A-3)NADH脱水素酵素関連遺伝子及び(A-4)ミトコンドリアDNA合成関連遺伝子を含むことが好ましい。
エネルギー産生関連遺伝子群は、生体内のエネルギー源であるアデノシン3リン酸(ATP)に関連する遺伝子からなるカテゴリーである。本発明の方法において遺伝子転写産物の発現量が測定されるエネルギー産生関連遺伝子群は、(A-1)ATP合成酵素関連遺伝子、(A-2)ミトコンドリアリボソームタンパク質関連遺伝子、(A-3)NADH脱水素酵素関連遺伝子及び(A-4)ミトコンドリアDNA合成関連遺伝子を含むことが好ましい。
(A-1)ATP合成酵素関連遺伝子は、GO Termにおいて「ミトコンドリアプロトン輸送ATP合成酵素複合体(Mitochondrial proton-transporting ATP synthase complex)」(GO: 0005753)に分類される遺伝子である。
(A-2)ミトコンドリアリボソームタンパク質関連遺伝子は、ミトコンドリアのリボソームを構成するか又はミトコンドリアに存在するタンパク質の遺伝子である。
(A-3)NADH脱水素酵素関連遺伝子は、GO Termにおいて「NADH脱水素酵素(ユビキノン)活性(NADH dehydrogenase (ubiquinone) actitity)」(GO Term: 0008753)に分類される遺伝子である。
(A-4)ミトコンドリアDNA合成関連遺伝子は、GO Termにおいて「ミトコンドリアDNA合成(Mitochondrial DNA replication)」(GO: 0006264)に分類される遺伝子である。
(A-2)ミトコンドリアリボソームタンパク質関連遺伝子は、ミトコンドリアのリボソームを構成するか又はミトコンドリアに存在するタンパク質の遺伝子である。
(A-3)NADH脱水素酵素関連遺伝子は、GO Termにおいて「NADH脱水素酵素(ユビキノン)活性(NADH dehydrogenase (ubiquinone) actitity)」(GO Term: 0008753)に分類される遺伝子である。
(A-4)ミトコンドリアDNA合成関連遺伝子は、GO Termにおいて「ミトコンドリアDNA合成(Mitochondrial DNA replication)」(GO: 0006264)に分類される遺伝子である。
(B)ウイルス感染関連遺伝子群
ウイルス感染関連遺伝子群は、インターフェロン誘導タンパク質の遺伝子を含むことが好ましい。これらの遺伝子は、ウイルスに感染するとインターフェロンが産生されることから、ウイルス感染関連遺伝子群として分類される。
ウイルス感染関連遺伝子群は、インターフェロン誘導タンパク質の遺伝子を含むことが好ましい。これらの遺伝子は、ウイルスに感染するとインターフェロンが産生されることから、ウイルス感染関連遺伝子群として分類される。
(C)細胞死関連遺伝子群
細胞死関連遺伝子群は、細胞死に関連することが知られているカスパーゼ及びスフィンゴミエリンに関連する遺伝子を含むことが好ましい。具体的には、細胞死関連遺伝子群は、カスパーゼ関連遺伝子及びスフィンゴミエリン合成酵素関連遺伝子を含むことが好ましい。
カスパーゼ関連遺伝子は、カスパーゼの遺伝子である。
スフィンゴミエリン合成酵素関連遺伝子は、スフィンゴミエリンの合成に関連する酵素の遺伝子である。
細胞死関連遺伝子群は、細胞死に関連することが知られているカスパーゼ及びスフィンゴミエリンに関連する遺伝子を含むことが好ましい。具体的には、細胞死関連遺伝子群は、カスパーゼ関連遺伝子及びスフィンゴミエリン合成酵素関連遺伝子を含むことが好ましい。
カスパーゼ関連遺伝子は、カスパーゼの遺伝子である。
スフィンゴミエリン合成酵素関連遺伝子は、スフィンゴミエリンの合成に関連する酵素の遺伝子である。
(D)抗酸化関連遺伝子群
抗酸化関連遺伝子群は、抗酸化物質であることが知られているグルタチオンS転移酵素関連遺伝子を含むことが好ましい。
グルタチオンS転移酵素関連遺伝子は、GO Termにおいて「グルタチオン転移酵素活性(Glutathione transferase activity)」(GO: 0004364)に分類される遺伝子である。
抗酸化関連遺伝子群は、抗酸化物質であることが知られているグルタチオンS転移酵素関連遺伝子を含むことが好ましい。
グルタチオンS転移酵素関連遺伝子は、GO Termにおいて「グルタチオン転移酵素活性(Glutathione transferase activity)」(GO: 0004364)に分類される遺伝子である。
(E)免疫機能関連遺伝子群
免疫機能関連遺伝子群は、免疫系に関連する遺伝子群であり、T細胞受容体関連遺伝子及びNK細胞受容体関連遺伝子を含むことが好ましい。
T細胞受容体関連遺伝子は、T細胞受容体α、β、γなどの遺伝子である。
NK細胞受容体関連遺伝子は、NK細胞受容体の遺伝子である。
免疫機能関連遺伝子群は、免疫系に関連する遺伝子群であり、T細胞受容体関連遺伝子及びNK細胞受容体関連遺伝子を含むことが好ましい。
T細胞受容体関連遺伝子は、T細胞受容体α、β、γなどの遺伝子である。
NK細胞受容体関連遺伝子は、NK細胞受容体の遺伝子である。
(F)鉄調節関連遺伝子
鉄調節関連遺伝子は、鉄応答性エレメント結合タンパク質関連遺伝子を含むことが好ましい。
鉄応答性エレメント結合タンパク質関連遺伝子は、GO Termにおいて「鉄応答性エレメント結合(Iron-responsive element binding)」(GO: 0030350)に分類される遺伝子である。
上記の各遺伝子群に属する遺伝子の例を、以下の表1に示す。
鉄調節関連遺伝子は、鉄応答性エレメント結合タンパク質関連遺伝子を含むことが好ましい。
鉄応答性エレメント結合タンパク質関連遺伝子は、GO Termにおいて「鉄応答性エレメント結合(Iron-responsive element binding)」(GO: 0030350)に分類される遺伝子である。
上記の各遺伝子群に属する遺伝子の例を、以下の表1に示す。
本発明の方法では、上記の表1の遺伝子のうち、以下の表2に示す遺伝子の少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を、少なくとも2つの遺伝子群について測定することがより好ましい。
なお、表2において、「プローブセットID」は、Affymetrix社のGeneChip (登録商標)で用いられる遺伝子認識のためのプローブの組を特定するためのID番号であり、各プローブの配列については、http://www.affymetrix.com/analysis/index.affxなどから得ることができる。
また、これらの遺伝子の配列はすでに公知であり、表2に示すEntrez、Ensemble及びUnigeneのID番号を用いて、これらのデータベースから容易に入手できる。
なお、表2において、「プローブセットID」は、Affymetrix社のGeneChip (登録商標)で用いられる遺伝子認識のためのプローブの組を特定するためのID番号であり、各プローブの配列については、http://www.affymetrix.com/analysis/index.affxなどから得ることができる。
また、これらの遺伝子の配列はすでに公知であり、表2に示すEntrez、Ensemble及びUnigeneのID番号を用いて、これらのデータベースから容易に入手できる。
この工程で得られる遺伝子転写産物の発現量は、生体試料中の各遺伝子転写産物の存在量を相対的に表す値であれば、特に限定されない。上記の核酸チップにより測定を行う場合、発現量は、蛍光強度、発色強度、電流量などに基づく核酸チップから得られるシグナルであり得る。
これらのシグナルは、核酸チップ用の測定装置を用いて測定できる。
これらのシグナルは、核酸チップ用の測定装置を用いて測定できる。
次いで、測定された発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出する。
本明細書において、「対応する遺伝子転写産物」とは、被験者について発現量を測定したのと同じ遺伝子転写産物を意味する。
健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量は、上記の被験者からの生体試料について行ったのと同様の方法に従って、健常者から採取された生体試料を用い、測定対象の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより、得ることができる。
本明細書において、「健常者」とは、医師の問診および一般血液検査により健常であることが確認できる人のことである。また、本明細書において、「慢性疲労症候群の患者」とは、専門医による診断により慢性疲労症候群に罹患していることが確認できる人のことである。
「健常者の集団」とは、統計学的に充分に大きいサイズの集団であればよく、30名以上、好ましくは40名以上の集団であればよい。
本明細書において、「対応する遺伝子転写産物」とは、被験者について発現量を測定したのと同じ遺伝子転写産物を意味する。
健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量は、上記の被験者からの生体試料について行ったのと同様の方法に従って、健常者から採取された生体試料を用い、測定対象の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより、得ることができる。
本明細書において、「健常者」とは、医師の問診および一般血液検査により健常であることが確認できる人のことである。また、本明細書において、「慢性疲労症候群の患者」とは、専門医による診断により慢性疲労症候群に罹患していることが確認できる人のことである。
「健常者の集団」とは、統計学的に充分に大きいサイズの集団であればよく、30名以上、好ましくは40名以上の集団であればよい。
上記の偏差を表す値は、次の式により求めることができる。
偏差を表す値=(被験者での遺伝子転写産物の発現量−健常者の集団での対応する遺伝子転写産物の発現量の平均値)/健常者の集団での対応する遺伝子転写産物の発現量の標準偏差
上記の偏差を表す値は、Zスコアとしても知られる値であり、健常者の集団における遺伝子転写産物の発現量から、被験者の遺伝子転写産物の発現量がどの程度かけ離れているかを示す値である。
偏差を表す値=(被験者での遺伝子転写産物の発現量−健常者の集団での対応する遺伝子転写産物の発現量の平均値)/健常者の集団での対応する遺伝子転写産物の発現量の標準偏差
上記の偏差を表す値は、Zスコアとしても知られる値であり、健常者の集団における遺伝子転写産物の発現量から、被験者の遺伝子転写産物の発現量がどの程度かけ離れているかを示す値である。
次いで、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、該1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得するか、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、該2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する。
すなわち、本明細書において、「平均値」とは、平均値を取得しようとする遺伝子群の中で1つの遺伝子についての偏差を表す値しか得られていない場合は、その1つの遺伝子についての偏差を表す値を意味し、2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、それらの偏差を表す値を平均した値を意味する。
すなわち、本明細書において、「平均値」とは、平均値を取得しようとする遺伝子群の中で1つの遺伝子についての偏差を表す値しか得られていない場合は、その1つの遺伝子についての偏差を表す値を意味し、2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、それらの偏差を表す値を平均した値を意味する。
上記の平均値は、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群について取得する。好ましくは、少なくとも3つの遺伝子群についての平均値を取得し、より好ましくは少なくとも4つの遺伝子群について、さらに好ましくは少なくとも5つの遺伝子群について、最も好ましくは6つの遺伝子群の全てについての平均値を取得する。
上記のようにして得られた平均値を用いて、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する。
この判定は、上記のようにして被験者から取得された平均値を、健常者から採取された生体試料を用いて上記の各工程と同様にして予め得られた平均値と、慢性疲労症候群の患者から採取された生体試料を用いて上記の各工程と同様にして予め得られた平均値とに基づいて得られる判定式に入力することにより行うことができる。この判定式は、それ自体公知のソフトウェアであるサポートベクターマシン(SVM)を用いて作成できる。
上記のような健常者からの平均値と、慢性疲労症候群の患者からの平均値とが予め入力され、判定式が作成されたSVMに、被験者から採取された生体試料から求めた平均値を入力することにより、この被験者が慢性疲労症候群に罹患しているか否かを判定することができる。
この判定は、上記のようにして被験者から取得された平均値を、健常者から採取された生体試料を用いて上記の各工程と同様にして予め得られた平均値と、慢性疲労症候群の患者から採取された生体試料を用いて上記の各工程と同様にして予め得られた平均値とに基づいて得られる判定式に入力することにより行うことができる。この判定式は、それ自体公知のソフトウェアであるサポートベクターマシン(SVM)を用いて作成できる。
上記のような健常者からの平均値と、慢性疲労症候群の患者からの平均値とが予め入力され、判定式が作成されたSVMに、被験者から採取された生体試料から求めた平均値を入力することにより、この被験者が慢性疲労症候群に罹患しているか否かを判定することができる。
本発明の方法は、慢性疲労症候群の患者を「陽性」であると判定する感度が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。また、本発明の方法は、健常者を「陰性」であると判定する特異度が、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明の方法は、このように高い感度及び特異度を有するので、正確な診断を安定して行うことができる。
本発明の方法は、このように高い感度及び特異度を有するので、正確な診断を安定して行うことができる。
上記の本発明の方法をコンピュータにより行うための慢性疲労症候群の判定用プログラムも、本発明の1つである。すなわち、本発明のプログラムは、コンピュータを、
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより得られる発現量を受け付ける受付手段、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する平均値取得手段、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるための慢性疲労症候群の判定用プログラムである。
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより得られる発現量を受け付ける受付手段、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する平均値取得手段、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるための慢性疲労症候群の判定用プログラムである。
図1に、本発明のプログラムが用いられる慢性疲労症候群の判定用装置の一例を示す。慢性疲労症候群の判定用装置は、遺伝子転写産物発現量測定装置1と、コンピュータ2と、これらを接続するケーブル3とから構成される。遺伝子転写産物発現量測定装置1で測定される蛍光強度、電流量などに基づくシグナルなどの発現量のデータは、ケーブル3を介してコンピュータ2に送ることができる。また、遺伝子転写産物発現量測定装置1は、コンピュータ2と接続されていなくてもよく、この場合、発現量のデータをコンピュータに入力して上記のプログラムを作動させることができる。
コンピュータ2では、得られた発現量から、上記の偏差を表す値を算出し、得られた偏差を表す値を、少なくとも2つの遺伝子群のそれぞれにおける平均値として取得し、該平均値に基づいて、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する。
コンピュータ2では、得られた発現量から、上記の偏差を表す値を算出し、得られた偏差を表す値を、少なくとも2つの遺伝子群のそれぞれにおける平均値として取得し、該平均値に基づいて、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する。
本発明のプログラムは、中央処理装置、記憶部、コンパクトディスクやフロッピー(登録商標)ディスクなどの読取装置やキーボードなどの入力部、及びディスプレイなどの出力部を備えるコンピュータ2と協働して、上記の本発明の方法を実現することができる。
本発明のプログラムによる手段としてのより具体的なコンピュータ2の動作のフローチャートを、図2に示す。
まず、遺伝子転写産物発現量測定装置で測定された遺伝子転写産物の発現量が、コンピュータ2のCPUに入力される(ステップS11)。
次いで、CPUは、入力された発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、得られた偏差を表す値について、少なくとも2つの遺伝子群のそれぞれにおける平均値を取得する処理を行う(ステップS12)。
そして、CPUは、得られた平均値を用いて、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定は、好ましくは、平均値を、健常者から採取された生体試料を用いて求められる予め得られた平均値と、慢性疲労症候群の患者から採取された生体試料を用いて求められる予め得られた平均値とに基づいて得られる判定式に入力して、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定することにより行うことができる。
すなわち、コンピュータ2のハードディスクには、予め取得された健常者における平均値と、慢性疲労症候群の患者における平均値とが記憶されていることが好ましい。より好ましくは、コンピュータ2のハードディスクには、サポートベクターマシンがインストールされ、このSVMに上記の平均値が記憶されていることである。
CPUは、これらの予め記憶された平均値に基づいて得られる判定式に、被験者から得られる平均値を入力して、該被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定した結果を、コンピュータのディスプレイなどの表示装置に表示する(ステップS14)。
まず、遺伝子転写産物発現量測定装置で測定された遺伝子転写産物の発現量が、コンピュータ2のCPUに入力される(ステップS11)。
次いで、CPUは、入力された発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、得られた偏差を表す値について、少なくとも2つの遺伝子群のそれぞれにおける平均値を取得する処理を行う(ステップS12)。
そして、CPUは、得られた平均値を用いて、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定は、好ましくは、平均値を、健常者から採取された生体試料を用いて求められる予め得られた平均値と、慢性疲労症候群の患者から採取された生体試料を用いて求められる予め得られた平均値とに基づいて得られる判定式に入力して、被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定することにより行うことができる。
すなわち、コンピュータ2のハードディスクには、予め取得された健常者における平均値と、慢性疲労症候群の患者における平均値とが記憶されていることが好ましい。より好ましくは、コンピュータ2のハードディスクには、サポートベクターマシンがインストールされ、このSVMに上記の平均値が記憶されていることである。
CPUは、これらの予め記憶された平均値に基づいて得られる判定式に、被験者から得られる平均値を入力して、該被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定した結果を、コンピュータのディスプレイなどの表示装置に表示する(ステップS14)。
以下の実施例において、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、以下の態様に限定されることを意図しない。
実施例1 本発明の方法の確立
(1)用いた血液試料
以下の対象者から採取された血液試料を生体試料として用いて、本実施例を行った。
健常者1の血液(平均年齢38.3歳) 63検体
慢性疲労症候群(CFS)患者の血液(平均年齢36.7歳) 100検体
なお、健常者であるか慢性疲労症候群であるかの判定は、SVMにより行った。
実施例1 本発明の方法の確立
(1)用いた血液試料
以下の対象者から採取された血液試料を生体試料として用いて、本実施例を行った。
健常者1の血液(平均年齢38.3歳) 63検体
慢性疲労症候群(CFS)患者の血液(平均年齢36.7歳) 100検体
なお、健常者であるか慢性疲労症候群であるかの判定は、SVMにより行った。
(2)血液からのRNAの抽出
シリンジ採血した血液5 mlから、以下の手順に従ってPAXgene Blood RNAシステム(PreanalytiX社製)を用いてトータルRNAを抽出した。以下に用いた試薬及びカラムは、全てPAXgene Blood RNAシステムに含まれている。
シリンジ採血した2.5 mLの血液を、RNA抽出用採血管であるPAXgene Blood RNA Tube (PreanalytiX社製)に移し、10回程度転倒混和し、室温に2時間以上放置した。すぐに用いない場合は、その後、-80℃にて保存する。次いで、血液を含有するRNA抽出用採血管を4000×gで10分間遠心し、上清を除去した。4 mLのリボヌクレアーゼ フリー水を加えて懸濁し、4000×gで10分間遠心し、上清を除去した。ここに、350μlのBRIバッファーを加えて、懸濁した。
内容物を1.5 mLのチューブに移し、300μlのBR2バッファー及び40μlのProtein Kinase溶液を加えた。5秒間ボルテックスした後に、55℃のサーモシェーカー上で、1000 rpmにて10分間インキュベートした。内容物をPSCカラムにアプライし、14000 rpmで3分間遠心し、得られたろ液を1.5 mLのチューブに移した。ここに、350μLのエタノールを加え、ボルテックスした後にスピンダウンし、上清700μlをPRCカラムにアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。さらに、残りの上清も同様にPRCカラムを通過させた。PRCカラムに350μlのBR3バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。70μlのRDD+10μlのDNaseをPRCカラムにアプライし、室温に15分間放置した後に、ろ液を廃棄した。PRCカラムに350μlのBR3バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。次いで、PRCカラムに500μlのBR4バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄し、この手順をもう一度繰り返した(3分間の遠心)。PRCカラムを、空のまま、12000 rpmで1分間遠心した。新しい1.5 mLチューブをセットして、40μlのBR5バッファーをカラムに添加して、12000 rpmで1分間遠心し、この手順をもう一度繰り返し、得られたろ液を65℃にて5分間インキュベートした後に、氷上に置いた。
シリンジ採血した血液5 mlから、以下の手順に従ってPAXgene Blood RNAシステム(PreanalytiX社製)を用いてトータルRNAを抽出した。以下に用いた試薬及びカラムは、全てPAXgene Blood RNAシステムに含まれている。
シリンジ採血した2.5 mLの血液を、RNA抽出用採血管であるPAXgene Blood RNA Tube (PreanalytiX社製)に移し、10回程度転倒混和し、室温に2時間以上放置した。すぐに用いない場合は、その後、-80℃にて保存する。次いで、血液を含有するRNA抽出用採血管を4000×gで10分間遠心し、上清を除去した。4 mLのリボヌクレアーゼ フリー水を加えて懸濁し、4000×gで10分間遠心し、上清を除去した。ここに、350μlのBRIバッファーを加えて、懸濁した。
内容物を1.5 mLのチューブに移し、300μlのBR2バッファー及び40μlのProtein Kinase溶液を加えた。5秒間ボルテックスした後に、55℃のサーモシェーカー上で、1000 rpmにて10分間インキュベートした。内容物をPSCカラムにアプライし、14000 rpmで3分間遠心し、得られたろ液を1.5 mLのチューブに移した。ここに、350μLのエタノールを加え、ボルテックスした後にスピンダウンし、上清700μlをPRCカラムにアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。さらに、残りの上清も同様にPRCカラムを通過させた。PRCカラムに350μlのBR3バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。70μlのRDD+10μlのDNaseをPRCカラムにアプライし、室温に15分間放置した後に、ろ液を廃棄した。PRCカラムに350μlのBR3バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄した。次いで、PRCカラムに500μlのBR4バッファーをアプライし、12000 rpmで1分間遠心して、ろ液を廃棄し、この手順をもう一度繰り返した(3分間の遠心)。PRCカラムを、空のまま、12000 rpmで1分間遠心した。新しい1.5 mLチューブをセットして、40μlのBR5バッファーをカラムに添加して、12000 rpmで1分間遠心し、この手順をもう一度繰り返し、得られたろ液を65℃にて5分間インキュベートした後に、氷上に置いた。
(3)全血由来トータルRNAからのグロビンRNAの除去
上記のようにして得られたトータルRNAから、以下の手順により、GLOBINclear-Humanキット(Ambion社製)を用いてグロビンRNAを除去した。
トータルRNAの溶液に、0.1容量の5M NH4OAc、5μgのグリコーゲン及び2.5容量のエタノールを加え、-80℃にて30〜60分間放置した。14000 rpm、4℃にて30分間遠心し、上清を除去した。ペレットに1 mLの冷80%エタノールを加えて軽く混和し、14000 rpm、4℃にて10分間遠心し、上清を除去した。この手順をもう一度繰り返し、ペレットを15分間乾燥させ、ヌクレアーゼフリー水20μlを加えて溶解させた。
上記のようにして得られたトータルRNAから、以下の手順により、GLOBINclear-Humanキット(Ambion社製)を用いてグロビンRNAを除去した。
トータルRNAの溶液に、0.1容量の5M NH4OAc、5μgのグリコーゲン及び2.5容量のエタノールを加え、-80℃にて30〜60分間放置した。14000 rpm、4℃にて30分間遠心し、上清を除去した。ペレットに1 mLの冷80%エタノールを加えて軽く混和し、14000 rpm、4℃にて10分間遠心し、上清を除去した。この手順をもう一度繰り返し、ペレットを15分間乾燥させ、ヌクレアーゼフリー水20μlを加えて溶解させた。
このようにして濃縮されたRNA溶液(1〜10μg、最大14μl)を、GLOBINclear-Humanキットに付属のチューブに入れ、キットに付属のCapture Oligo Mix 1μlを加え、合計容量が15μlとなるようにヌクレアーゼフリー水を加えた。キットに付属の2x Hybridization Buffer 15μlを加え、ボルテックスした後にスピンダウンし、50℃にて15分間インキュベートした。
キットに付属のStreptavidin Magnetic Beads、Streptavidin Bead Buffer及び2x Hybridization Bufferから、キットの使用説明に従って準備したStreptavidin Magnetic Beads 30μlを加え、ボルテックスした後にスピンダウンし、指ではじいて軽く混合した後に、50℃にて30分間インキュベートした。その後、ボルテックス、スピンダウンした後にマグネットスタンド上で3〜5分間放置し、上清を回収した。
キットに付属のStreptavidin Magnetic Beads、Streptavidin Bead Buffer及び2x Hybridization Bufferから、キットの使用説明に従って準備したStreptavidin Magnetic Beads 30μlを加え、ボルテックスした後にスピンダウンし、指ではじいて軽く混合した後に、50℃にて30分間インキュベートした。その後、ボルテックス、スピンダウンした後にマグネットスタンド上で3〜5分間放置し、上清を回収した。
ここに、RNA Binding Buffer 100μlを加え、ボルテックスしたBeads Suspension Mix 20μlを加え、10秒間ボルテックスした。スピンダウンし、マグネットスタンド上に3〜5分間放置し、上清を除去した後に、RNA Wash Solution 200μlを加え、10秒間ボルテックスし、スピンダウンした。マグネットスタンド上に3〜5分間放置し、上清を除去した後に、ペレットを乾燥させ、58℃に温めたElution Buffer 20μlを加え、10秒間ボルテックスし、58℃にて5分間インキュベートした。10秒間ボルテックスし、マグネットスタンド上に3〜5分間放置して、上清を回収することにより、グロビンRNAが除去されたRNAが得られた。
(4)GeneChip (登録商標)に用いるためのターゲットの作製
得られたトータルRNAから、以下の手順に従って、GeneChip One-Cycle Target Labeling and Control Reagents (Affymetrix社製)を用いて、遺伝子転写産物の発現量の測定のためにGeneChipに用いるためのビオチン標識ターゲットcRNAを作製した。
(4-1)1st鎖cDNAの合成
PCR用のチューブに、以下の試薬を入れ、70℃にて10分、次いで4℃にて2分以上インキュベートした。
トータルRNA(1μg) 3μl
RNアーゼフリー水 5μl
20倍希釈されたPoly-A RNA Control 2μl
T7-Oligo (dT) Primer 50μM 2μl
合計 12μl
ここに、以下の試薬をさらに添加してタッピングした。
5×First Strand Reaction Mix 4μl
DTT 0.1M 2μl
dNTP 10 mM 1μl
合計 7μl
42℃にて2分間インキュベートし、Super Script II 1μlを加えて42℃にて1時間、次いで4℃にて2分以上インキュベートして、1st鎖のcDNAを合成した。
得られたトータルRNAから、以下の手順に従って、GeneChip One-Cycle Target Labeling and Control Reagents (Affymetrix社製)を用いて、遺伝子転写産物の発現量の測定のためにGeneChipに用いるためのビオチン標識ターゲットcRNAを作製した。
(4-1)1st鎖cDNAの合成
PCR用のチューブに、以下の試薬を入れ、70℃にて10分、次いで4℃にて2分以上インキュベートした。
トータルRNA(1μg) 3μl
RNアーゼフリー水 5μl
20倍希釈されたPoly-A RNA Control 2μl
T7-Oligo (dT) Primer 50μM 2μl
合計 12μl
ここに、以下の試薬をさらに添加してタッピングした。
5×First Strand Reaction Mix 4μl
DTT 0.1M 2μl
dNTP 10 mM 1μl
合計 7μl
42℃にて2分間インキュベートし、Super Script II 1μlを加えて42℃にて1時間、次いで4℃にて2分以上インキュベートして、1st鎖のcDNAを合成した。
(4-2)2nd鎖cDNAの合成
合成された1st鎖のcDNAに、以下の試薬を追加し、タッピングした。
RNaseフリー水 91μl
5×2nd Strand Reaction Mix 30μl
dNTP 10mM 3μl
E. coli DNAリガーゼ 1μl
E. coli DNAポリメラーゼI 4μl
RNaseH 1μl
合計 130μl
混合物を16℃にて2時間インキュベートし、T4 DNAポリメラーゼI 2μlを加え、16℃にて5分間インキュベートした後に、0.5M EDTAを10μl加えて、2nd鎖のcDNAを合成した。
合成された1st鎖のcDNAに、以下の試薬を追加し、タッピングした。
RNaseフリー水 91μl
5×2nd Strand Reaction Mix 30μl
dNTP 10mM 3μl
E. coli DNAリガーゼ 1μl
E. coli DNAポリメラーゼI 4μl
RNaseH 1μl
合計 130μl
混合物を16℃にて2時間インキュベートし、T4 DNAポリメラーゼI 2μlを加え、16℃にて5分間インキュベートした後に、0.5M EDTAを10μl加えて、2nd鎖のcDNAを合成した。
(4-3)cDNAの洗浄
合成された2nd鎖のcDNAを、1.5 mLのチューブに移し、600μlのcDNA Binding Bufferを加え、ボルテックスにて混和した。500μlを、cDNA Cleanup Spin Columnにいれ、10000 rpmで1分間遠心し、ろ液を捨てる。残りのcDNAもカラムに載せ、同様にして遠心した。カラムを新しい2 mLチューブに移し、750μlのcDNA Wash Bufferを絡むに載せ、遠心し、ろ液を捨て、カラムを14000 rpmで5分間遠心した。カラムを新しい1.5 mLチューブに移し、14μlのcDNA Elution Bufferをカラムに載せ、1分間放置した後に、14000 rpmで1分間遠心して、cDNAを洗浄した。
合成された2nd鎖のcDNAを、1.5 mLのチューブに移し、600μlのcDNA Binding Bufferを加え、ボルテックスにて混和した。500μlを、cDNA Cleanup Spin Columnにいれ、10000 rpmで1分間遠心し、ろ液を捨てる。残りのcDNAもカラムに載せ、同様にして遠心した。カラムを新しい2 mLチューブに移し、750μlのcDNA Wash Bufferを絡むに載せ、遠心し、ろ液を捨て、カラムを14000 rpmで5分間遠心した。カラムを新しい1.5 mLチューブに移し、14μlのcDNA Elution Bufferをカラムに載せ、1分間放置した後に、14000 rpmで1分間遠心して、cDNAを洗浄した。
(4-4)IVTラベリング
得られたcDNAを、以下の手順により、インビトロ転写(IVT)にてビオチン標識cRNAに変換した。
PCR用チューブに、以下の各試薬を入れ、軽く混合して、37℃にて16時間インキュベートして、cRNAを得た。以下の各試薬は、One-Cycle Target Labeling and Control Reagentsキットに含まれる。
工程(4-3)からのcDNA 12μl
RNaseフリー水 8μl
10×IVT Labeling Buffer 4μl
IVT Labeling NTP Mix 12μl
IVT Labeling Enzyme Mix 4μl
合計 40μl
得られたcDNAを、以下の手順により、インビトロ転写(IVT)にてビオチン標識cRNAに変換した。
PCR用チューブに、以下の各試薬を入れ、軽く混合して、37℃にて16時間インキュベートして、cRNAを得た。以下の各試薬は、One-Cycle Target Labeling and Control Reagentsキットに含まれる。
工程(4-3)からのcDNA 12μl
RNaseフリー水 8μl
10×IVT Labeling Buffer 4μl
IVT Labeling NTP Mix 12μl
IVT Labeling Enzyme Mix 4μl
合計 40μl
(4-5)cRNAの洗浄
得られたcRNAを、1.5 mLのチューブに移し、60μlのRNaseフリー水を加え、ボルテックスで混合した。350μlのIVT CRNA Binding Bufferを加え、ボルテックスで混合し、250μlの100% EtOHを加えてピペットで混合した。cRNA Cleanup Spin Columnに載せ、1000 rpmで15秒間遠心し、カラムを新しいチューブに移した。500μlのIVT cRNA Wash Bufferをカラムに入れ、10000 rpmで15秒間遠心し、ろ液を廃棄した。80% EtOHを500μl入れ、10000 rpmで15秒間遠心し、ろ液を廃棄した。14000 rpmで5分間遠心してカラムを乾燥させた後に、新しいチューブにカラムを移し、RNaseフリー水11μlをカラムに載せて1分間放置し、14000 rpmで1分間遠心した。さらに、RNaseフリー水10μlをカラムに載せて1分間放置し、14000 rpmで1分間遠心した。得られたろ液を200倍希釈して吸光度を測定し、cRNAの量を測定した。
得られたcRNAを、1.5 mLのチューブに移し、60μlのRNaseフリー水を加え、ボルテックスで混合した。350μlのIVT CRNA Binding Bufferを加え、ボルテックスで混合し、250μlの100% EtOHを加えてピペットで混合した。cRNA Cleanup Spin Columnに載せ、1000 rpmで15秒間遠心し、カラムを新しいチューブに移した。500μlのIVT cRNA Wash Bufferをカラムに入れ、10000 rpmで15秒間遠心し、ろ液を廃棄した。80% EtOHを500μl入れ、10000 rpmで15秒間遠心し、ろ液を廃棄した。14000 rpmで5分間遠心してカラムを乾燥させた後に、新しいチューブにカラムを移し、RNaseフリー水11μlをカラムに載せて1分間放置し、14000 rpmで1分間遠心した。さらに、RNaseフリー水10μlをカラムに載せて1分間放置し、14000 rpmで1分間遠心した。得られたろ液を200倍希釈して吸光度を測定し、cRNAの量を測定した。
(4-6)cRNAのフラグメント化
以下の試薬をチューブに入れ、混合して94℃にて35分間インキュベートしてcRNAをフラグメント化した後に、4℃にて保存した。なお、以下の試薬は、One-Cycle Target Labeling and Control Reagentsキットに含まれるものである。
(4-5)からのcRNA 10μl
5×Fragmentation Buffer 8μl
RNaseフリー水 22μl
合計 40μl
以下の試薬をチューブに入れ、混合して94℃にて35分間インキュベートしてcRNAをフラグメント化した後に、4℃にて保存した。なお、以下の試薬は、One-Cycle Target Labeling and Control Reagentsキットに含まれるものである。
(4-5)からのcRNA 10μl
5×Fragmentation Buffer 8μl
RNaseフリー水 22μl
合計 40μl
(5)GeneChip (登録商標)による遺伝子の発現量の測定
(4)で得られた断片化されたビオチン標識cRNAを用いて、GeneChip (登録商標)でのハイブリダイゼーションにより、遺伝子の発現量の測定を行った。用いた核酸チップは、Human Genome U133 Plus 2.0 Arrayであった。また、ハイブリダイゼーションの条件は、以下のとおりであった。
<ハイブリダイゼーション溶液>
断片化されたcRNA 15又は12.6又は12.1μg
Control Oligo B2 5μl
20×Eukaryotic Hyb control 15μl
2×Hybridization Mix 150μl
DMSO 30μl
ヌクレアーゼフリー水 合計300μlまで
<ハイブリダイゼーション温度条件>
99℃、5分→45℃、5分→14000 rpm、5分
(4)で得られた断片化されたビオチン標識cRNAを用いて、GeneChip (登録商標)でのハイブリダイゼーションにより、遺伝子の発現量の測定を行った。用いた核酸チップは、Human Genome U133 Plus 2.0 Arrayであった。また、ハイブリダイゼーションの条件は、以下のとおりであった。
<ハイブリダイゼーション溶液>
断片化されたcRNA 15又は12.6又は12.1μg
Control Oligo B2 5μl
20×Eukaryotic Hyb control 15μl
2×Hybridization Mix 150μl
DMSO 30μl
ヌクレアーゼフリー水 合計300μlまで
<ハイブリダイゼーション温度条件>
99℃、5分→45℃、5分→14000 rpm、5分
チップの染色及び洗浄は、Fluidic Station 450 (Affymetrix)装置を用い、ハイブリッド形成したターゲットcRNAをストレプトアビジン-フィコエリスリンコンジュゲートにより染色するGeneChip Hybridization Wash and Stain kit (Affymetrix)のキットを使用説明書に従って用いて行った。
スキャニングは、GeneChip Scanner 3000 (Affymetrix)を用いて行った。
スキャニングは、GeneChip Scanner 3000 (Affymetrix)を用いて行った。
(6)発現データの抽出
DNAマイクロアレイ解析ソフトであるGeneChip Operating Software (GCOS; Affymetrix)を用いて、スキャニングした画像データをCELファイルに変換し、ArrayAssist (Stratagene)ソフトウェアで正規化し、各対象者からの試料における測定結果間の相関係数を算出した。正規化のアルゴリズムは、MAS5.0を用いた。
DNAマイクロアレイ解析ソフトであるGeneChip Operating Software (GCOS; Affymetrix)を用いて、スキャニングした画像データをCELファイルに変換し、ArrayAssist (Stratagene)ソフトウェアで正規化し、各対象者からの試料における測定結果間の相関係数を算出した。正規化のアルゴリズムは、MAS5.0を用いた。
(7)データ解析
(7-1)プローブセットの絞込み
上記のようにして解析された約56000個のプローブセットに対応する遺伝子について、同一の遺伝子に対する複数のプローブセットが含まれるものについては、最大のシグナル値を示したもののみを抽出した。さらに、シグナル値が100以下の遺伝子は、除外した。この結果、約17000個のプローブセットに対応する遺伝子について、以下の解析を行った。
(7-1)プローブセットの絞込み
上記のようにして解析された約56000個のプローブセットに対応する遺伝子について、同一の遺伝子に対する複数のプローブセットが含まれるものについては、最大のシグナル値を示したもののみを抽出した。さらに、シグナル値が100以下の遺伝子は、除外した。この結果、約17000個のプローブセットに対応する遺伝子について、以下の解析を行った。
(7-2)発現量のZスコア化
上記のようにして選択された約17000個のプローブセットに対応する遺伝子転写産物について、健常者1(63検体)から得られたシグナル値全てを用いて平均値及び標準偏差を算出した。この値を用いて、約17000個の遺伝子それぞれについて、以下の式を用いて、該遺伝子それぞれの偏差を表す値(Zスコア)を求めた。
Zスコア=(各遺伝子転写産物のシグナル値−健常者(63検体)の対応する遺伝子転写産物のシグナル値の平均値)/健常者(63検体)の対応する遺伝子転写産物のシグナル値の標準偏差
上記のようにして選択された約17000個のプローブセットに対応する遺伝子転写産物について、健常者1(63検体)から得られたシグナル値全てを用いて平均値及び標準偏差を算出した。この値を用いて、約17000個の遺伝子それぞれについて、以下の式を用いて、該遺伝子それぞれの偏差を表す値(Zスコア)を求めた。
Zスコア=(各遺伝子転写産物のシグナル値−健常者(63検体)の対応する遺伝子転写産物のシグナル値の平均値)/健常者(63検体)の対応する遺伝子転写産物のシグナル値の標準偏差
(7-3)遺伝子のグループ分け及び各グループでの平均値の算出
Gene Ontology(http://www.geneontology.org/index.shtml)での分類に基づいて、上記の約17000個の遺伝子をGO Termに分け、各GO Term内の遺伝子について(7-2)で求めたZスコアを平均して、平均値を求めた。
また、CFS患者の100検体についても、上記と同様にして、各GO Termでの平均値を求めた。
Gene Ontology(http://www.geneontology.org/index.shtml)での分類に基づいて、上記の約17000個の遺伝子をGO Termに分け、各GO Term内の遺伝子について(7-2)で求めたZスコアを平均して、平均値を求めた。
また、CFS患者の100検体についても、上記と同様にして、各GO Termでの平均値を求めた。
(7-4)健常者と慢性疲労症候群患者との間で変化する遺伝子群の選択
上記のようにして得られた健常者とCFS患者の各GO Termについての平均値を用いてT検定を行い、P値を算出した。
用いたGO Termを、機能や細胞内局在に基づいていくつかの群にまとめ、P値<1.0E-05であるGO Termを多く含む群を抽出した。
次に、抽出した群に含まれる全ての遺伝子についてのZスコアを用いて階層型クラスタリングを行い、同調して変動する遺伝子のクラスタを選択した。
各クラスタに含まれる遺伝子のZスコアの平均値をクラスタのスコアとし、健常者(63検体)と、CFS患者(100検体)とについてT検定を行った。P値<1.0E-05であるクラスタとして、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群を選択した。これらの遺伝子群は、健常者とCFS患者とを区別できるパラメータであると考えられた。これらの遺伝子群及びそれに属する遺伝子は、表2に示したものである。
上記のようにして得られた健常者とCFS患者の各GO Termについての平均値を用いてT検定を行い、P値を算出した。
用いたGO Termを、機能や細胞内局在に基づいていくつかの群にまとめ、P値<1.0E-05であるGO Termを多く含む群を抽出した。
次に、抽出した群に含まれる全ての遺伝子についてのZスコアを用いて階層型クラスタリングを行い、同調して変動する遺伝子のクラスタを選択した。
各クラスタに含まれる遺伝子のZスコアの平均値をクラスタのスコアとし、健常者(63検体)と、CFS患者(100検体)とについてT検定を行った。P値<1.0E-05であるクラスタとして、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群を選択した。これらの遺伝子群は、健常者とCFS患者とを区別できるパラメータであると考えられた。これらの遺伝子群及びそれに属する遺伝子は、表2に示したものである。
上記のようにして選択された各遺伝子群における健常者とCFS患者とについて、(7-3)で求めたZスコアの平均値を、図3に示す。これらの結果から、上記の遺伝子群についての平均値を用いることにより、健常者とCFS患者との区別が可能になることがわかる。
実施例2
実施例1で特定された6つの遺伝子群のうち、
(A)エネルギー産生関連遺伝子群及びウイルス感染関連遺伝子群、
(B)エネルギー産生関連遺伝子群及び抗酸化関連遺伝子群、
(C)ウイルス感染関連遺伝子群及び免疫機能関連遺伝子群、
(D)エネルギー産生関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群、
(E)エネルギー産生関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、及び免疫機能関連遺伝子群、
(F)抗酸化関連遺伝子群、鉄調節関連遺伝子群、及び免疫機能関連遺伝子群、
(G)エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群
のそれぞれにおける健常者1(63検体)及びCFS患者(100検体)についての平均値を、それぞれ、サポートベクターマシン(SVM;解析ソフトArrayAssistの機能に含まれる)に入力し判別式を作成した。そして、これらの163検体の平均値が入力されたSVMを用いて、各検体が陽性(CFSである)と判定されるか、又は陰性(健常である)と判定されるかについて、判別性能の評価を行った。
実施例1で特定された6つの遺伝子群のうち、
(A)エネルギー産生関連遺伝子群及びウイルス感染関連遺伝子群、
(B)エネルギー産生関連遺伝子群及び抗酸化関連遺伝子群、
(C)ウイルス感染関連遺伝子群及び免疫機能関連遺伝子群、
(D)エネルギー産生関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群、
(E)エネルギー産生関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、及び免疫機能関連遺伝子群、
(F)抗酸化関連遺伝子群、鉄調節関連遺伝子群、及び免疫機能関連遺伝子群、
(G)エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群
のそれぞれにおける健常者1(63検体)及びCFS患者(100検体)についての平均値を、それぞれ、サポートベクターマシン(SVM;解析ソフトArrayAssistの機能に含まれる)に入力し判別式を作成した。そして、これらの163検体の平均値が入力されたSVMを用いて、各検体が陽性(CFSである)と判定されるか、又は陰性(健常である)と判定されるかについて、判別性能の評価を行った。
結果を、それぞれ図4A〜図4Gに示す。図4A〜図4Gは、それぞれ、上記の遺伝子群(2つ、3つ又は6つ)についての平均値を入力したSVMを用いた場合の結果を示す。
図4において、「感度」とは、CFS患者を「陽性」であると判定する割合であり、「特異度」とは、健常者を健常者であると判定する割合である。「一致率」とは、CFS患者を「陽性」であると判定し、健常者を健常者であると判定する割合である。
これらの結果から、本発明の方法によると、80%以上の感度、及び60%以上の特異度で、CFS患者を同定することが可能になることがわかる。
また、測定する遺伝子群の数を増加させることにより、判定の精度がより向上することもわかる。
図4において、「感度」とは、CFS患者を「陽性」であると判定する割合であり、「特異度」とは、健常者を健常者であると判定する割合である。「一致率」とは、CFS患者を「陽性」であると判定し、健常者を健常者であると判定する割合である。
これらの結果から、本発明の方法によると、80%以上の感度、及び60%以上の特異度で、CFS患者を同定することが可能になることがわかる。
また、測定する遺伝子群の数を増加させることにより、判定の精度がより向上することもわかる。
実施例3
健常者2の血液(平均年齢20.4歳)200検体に対して、実施例2で作成した判別式を適用して判定性能を評価した。結果を、図5に示す。
図5の結果から、本発明の方法によると、安定して健常者と慢性疲労症候群患者とを区別できることがわかる。
健常者2の血液(平均年齢20.4歳)200検体に対して、実施例2で作成した判別式を適用して判定性能を評価した。結果を、図5に示す。
図5の結果から、本発明の方法によると、安定して健常者と慢性疲労症候群患者とを区別できることがわかる。
1 遺伝子転写産物発現量測定装置
2 コンピュータ
3 ケーブル
2 コンピュータ
3 ケーブル
Claims (9)
- 被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定する工程と、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出する工程と、
選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する工程と、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する工程と
を含む、慢性疲労症候群の判定方法。 - 測定工程において、少なくとも3つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子転写産物の発現量を測定する請求項1に記載の方法。
- エネルギー産生関連遺伝子群の遺伝子が、ATP合成酵素関連遺伝子、ミトコンドリアリボソームタンパク質関連遺伝子、NADH脱水素酵素関連遺伝子及びミトコンドリアDNA合成関連遺伝子を含み、
ウイルス感染関連遺伝子群の遺伝子が、インターフェロン関連遺伝子を含み、
細胞死関連遺伝子群の遺伝子が、カスパーゼ関連遺伝子及びスフィンゴミエリン合成酵素関連遺伝子を含み、
抗酸化関連遺伝子群の遺伝子が、グルタチオンS転移酵素関連遺伝子を含み、
免疫機能関連遺伝子群の遺伝子が、T細胞受容体関連遺伝子及びNK細胞受容体関連遺伝子を含み、
鉄調節関連遺伝子群の遺伝子が、鉄応答性エレメント結合タンパク質関連遺伝子を含む
請求項1又は2に記載の方法。 - エネルギー産生関連遺伝子群の遺伝子が、Entrez Gene IDで表して506、518、517、516、513、63931、6182、6183、6150、51081、60488、54948、51021、51373、65003、26589、64981、63875、64951、64978、64928、219927、116540、122704、4706、4717、4695、4718、4710 /// 727762、54539、51079、4715、4716、55967、126328及び5428で表される遺伝子からなる群より選択され、
細胞死関連遺伝子群の遺伝子が、Entrez Gene IDで表して114769 /// 834、22900、836、842、838、837、834、839、841、84674、259230、81537及び166929で表される遺伝子からなる群より選択され、
ウイルス感染関連遺伝子群の遺伝子が、Entrez Gene IDで表して3428及び64135で表される遺伝子からなる群より選択され、
抗酸化関連遺伝子群の遺伝子が、Entrez Gene IDで表して2950、9446、2947、2946、2944、2949、2948、373156、79807及び2941で表される遺伝子からなる群より選択され、
免疫機能関連遺伝子群の遺伝子が、Entrez Gene IDで表して28755 /// 6955、28663 /// 28738 /// 28755 /// 6955、6955、28663 /// 28738 /// 28755 /// 6955 /// 6964、445347 /// 6967、6955 /// 6964、28595、3812 /// 727787、3808、3804、3806、3802、3811 /// 3813、57292、100132285 /// 3806 /// 3809、3811、3809及び115653で表される遺伝子からなる群より選択され、
鉄調節関連遺伝子が、Entrez Gene IDで表して3658で表される遺伝子である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 生体試料が、血液である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 判定工程が、前記被験者から取得された平均値を、健常者から採取された生体試料を用いて前記測定工程、算出工程及び取得工程と同様にして予め得られた平均値と、慢性疲労症候群の患者から採取された生体試料を用いて前記測定工程、算出工程及び取得工程と同様にして予め得られた平均値とに基づいて得られる判定式に入力することにより行われる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 判定式が、サポートベクターマシンを用いて作成される請求項6に記載の方法。
- コンピュータを、
被験者から採取された生体試料中の、エネルギー産生関連遺伝子群、ウイルス感染関連遺伝子群、細胞死関連遺伝子群、抗酸化関連遺伝子群、免疫機能関連遺伝子群、及び鉄調節関連遺伝子群から選択される少なくとも2つの遺伝子群にそれぞれ属する少なくとも1つの遺伝子の遺伝子転写産物の発現量を測定することにより得られる発現量を受け付ける受付手段、
前記測定された遺伝子転写産物の発現量から、健常者の集団における対応する遺伝子転写産物の発現量に基づいて、偏差を表す値を算出し、選択された遺伝子群に属する1つの遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記1つの遺伝子についての偏差を表す値を平均値として取得し、又は選択された遺伝子群に属する2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値が得られている場合は、前記2つ以上の遺伝子についての偏差を表す値の平均値を取得する平均値取得手段、
前記平均値を用いて、前記被験者が慢性疲労症候群であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段の判定結果を出力する出力手段
として機能させるための慢性疲労症候群の判定用プログラム。 - 前記判定手段がサポートベクターマシンを含む請求項8に記載のプログラム。
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