JP2011217628A - 乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置、乾燥処理食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品が本来有する食感や風味が損なわれることを低減すると共に食品の変色を抑制し、更に食品中に含まれる食品成分の低減を防止する乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置、乾燥処理食品を提供する。
【解決手段】乾燥室5の側面23、天井面6a,6b、床面19の少なくとも一面に木製の板面を配する乾燥処理食品の製造装置1により食品を処理する乾燥処理食品の製造方法であって、乾燥室5内に食品3を配置し、乾燥室5内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、乾燥室5の板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室5内の水分を外部へ放出し、食品3を乾燥処理する。
【選択図】図2

Description

本発明は、乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置、乾燥処理食品に関するものである。
一般に、食品を乾燥処理する通常の乾燥機は、鋼板や鉄板等の壁面で形成された乾燥室を備え、更に乾燥室にヒータ等の加熱器や圧力調整器を配して内部の温度や圧力を調整可能にしており、食品を乾燥処理する際には、食品を乾燥機内に配置して種々の温度で加圧、減圧し、食品を乾燥処理している(例えば、特許文献1参照)。
また果物等の食品を乾燥処理する際には、通常の乾燥機を用いて乾燥処理する場合以外にも、風通しの良い場所にスライス状の果物を1週間〜2週間置いて乾燥処理する場合や、果物を油で素揚げして乾燥処理する場合がある。
またキノコを乾燥処理する際には、通常の乾燥機を用いて乾燥処理する場合以外にも、風通しの良い場所にキノコを5日〜7日置いて乾燥処理する場合がある。
特開2005−58027号公報
しかしながら、食品を通常の乾燥機で乾燥処理する場合には、温度や圧力の設定条件により食品から水分を強制的に除くため、食品が本来有する食感や風味が大幅に損なわれるという問題があった。また食品を風通しの良い場所に長期間をおいて乾燥処理する場合には、温度管理が非常に困難であると共に食感や風味が劣化し易いという問題があった。また食品を高圧の条件で乾燥する場合には、食品中に含まれる酵素、酵母、栄養の食品成分が失われ、更に食品が変色するという問題があった。更にまた果物等の食品を乾燥処理する際において、食品を油で素揚げした場合には乾燥食品を食す際に油のベトつきを生じるという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、食品が本来有する食感や風味が損なわれることを低減すると共に食品の変色を抑制し、更に食品中に含まれる食品成分の低減を防止する乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置、乾燥処理食品を提供しようとするものである。
本発明の乾燥処理食品の製造方法は、乾燥室の側面、天井面、床面の少なくとも一面に木製の板面を配する乾燥処理食品の製造装置によって食品を処理する乾燥処理食品の製造方法であって、前記乾燥室内に食品を配置し、乾燥室内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、前記乾燥室の板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室内の水分を外部へ放出し、食品を乾燥処理するものである。
本発明の乾燥処理食品の製造方法において、食品を乾燥処理した後、食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制することが好ましい。
本発明の乾燥処理食品の製造方法において、食品を6時間から60時間で乾燥処理することが好ましい。
本発明の乾燥処理食品の製造装置は、食品を配置し得る乾燥室と、熱を発生する加熱手段と、該加熱手段からの熱を熱風として前記乾燥室内へ送る送風手段と、木製の板面を用いて前記乾燥室の側面、天井面、床面の少なくとも一面を構成するパネル体とを備えるものである。
本発明の乾燥処理食品の製造装置において、乾燥室を囲む外室と、外室に接続され且つ乾燥処理した食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制する冷却室を備えることが好ましい。
本発明の乾燥処理食品の製造装置において、パネル体は、木製の板面で内側面と外側面を構成すると共に、内側面と外側面の間にダンボール材を隙間なく積層し、内側面と外側面の間に生じる水分を吸収、伝達し、乾燥室内の水分を外部へ放出すると共に、パネル体の乾燥回復を為し得ることが好ましい。
本発明の乾燥処理食品は、上述の乾燥処理食品の製造装置を用いて乾燥処理される乾燥処理食品であって、前記乾燥室内に食品を配置し、乾燥室内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、前記乾燥室の板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室内の水分を外部へ放出し、乾燥処理で製造されるものである。
本発明の乾燥処理食品は、乾燥処理した後、20℃以下で冷却され、吸湿を抑制して製造されるものであることが好ましい。
本発明の乾燥処理食品は、乾燥処理される食品が、野菜、穀物類、果物、キノコから選択された食品であることが好ましい。
本発明によれば、乾燥室の側面、天井面、床面に板面を配する乾燥処理食品の製造装置によって乾燥室内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室内の水分を外部へ放出するので、木の材質の吸湿速度に合わせるよう食品から水分を除去し、通常の乾燥機の如く強制的に食品から水分を除去する場合のような食品へのダメージを緩和し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。また風通しの良い場所に長期間をおいて乾燥処理する場合に比べて、安定的に乾燥処理し得るので、食感や風味の劣化、食品の変色を抑制することができる。また乾燥室内の温度を35℃以上50℃未満の常圧下で乾燥処理するので、高温や高圧で乾燥する場合と異なり、食品中に含まれる酵素、酵母、栄養の食品成分の低減を抑制することができる。更に食品を油で素揚げした場合のような油のベトつきを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明を実施する形態例を示すフローである。 本発明を実施する形態例に使用される乾燥処理食品の製造装置の構成を示す平面図である。 本発明を実施する形態例に使用される乾燥処理食品の製造装置の構成を示す正面図である。 乾燥処理食品の製造装置のパネル体の構造を示す断面図である。 パネル体により水分を外部へ放出する状態を示す概念図である。 本発明を実施する形態例に使用される他の乾燥処理食品の製造装置の構成を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明の実施の形態例である。
本発明の乾燥処理食品の製造方法の形態例は、図1に示す如く食品を乾燥するための下準備の工程(ステップS1)と、食品を乾燥処理食品の製造装置の乾燥室内に配置する工程(ステップS2)と、乾燥処理食品の製造装置で食品を乾燥処理する工程(ステップS3)と、食品を冷却して食品への吸湿を抑制する工程(ステップS4)とを備えている。
ここで、乾燥処理する食品は、野菜、穀物類、果物、キノコであり、野菜の場合には、キャベツ、クレソン、小松菜、サンチュ、シュンギク、セリ、セロリ、タマネギ、チンゲンサイ、ニラ、ネギ、ハクサイ、パセリ、フキ、ホウレンソウ、ミズナ、ミツバ、ルッコラ、レタス等の葉菜類や、カブ、ゴボウ、サツマイモ、ダイコン、ニンジン等の根菜類、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、カボチャ、ソラマメ、ゴーヤー、トウガラシ、トウガン、トウモロコシ、ナス、ピーマン、ラッカセイ等の果菜類や、アスパラガス、ウド、サトイモ、ジャガイモ、ショウガ、タケノコ、ユリ根、レンコン、ワサビ等の茎菜類、アーティチョーク、カリフラワー、菜の花、フキノトウ、ブロッコリー、ミョウガ等の花菜類や、京野菜等の地域野菜の中から選択されるものである。穀物類の場合には、米、トウモロコシ、麦類、大麦、小麦、ライ麦、ハトムギ、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、ソバ等の中から選択されるものである。果物の場合には、ナシ、リンゴ等の仁果類、アンズ、ウメ、サクランボ等の核果類、クリ、アーモンド等の殻果類、オレンジ、カボス、グレープフルーツ、スダチ、ミカン、ユズ、ライム、レモン等の柑橘類、ビワ等の常緑性果樹、ドリアン、パイナップル、バナナ、パパイヤ、マンゴー、マンゴスチン等の熱帯果樹、カキ、ブドウ等のその他の類、イチゴ等の野菜に分類される果物から選択されるものである。ここで、野菜及び果物は、乾燥処理し得るならばその種類は特に制限されるものではないが、スイカやメロンのように内部に水分が多いものは好ましくない。また果物の柑橘類は、皮のみを取り出して皮のみを乾燥処理することが好ましい。
キノコの場合には、シイタケ、ヒラタケ、マイタケ、シメジ、マツタケ、エリンギ等から選択されるものであり、いずれも乾燥処理し得るものならば特に制限されるものでない。なお肉や魚等の脂肪分の多いものは、脂肪分や臭いが乾燥室内に付着するため、好ましくない。
一方、食品を乾燥処理する乾燥処理食品の製造装置は、図2〜図5に示す如く以下のように構成されている。
乾燥処理食品の製造装置1は、移動台車2a付きの棚段2に積載した食品3を収納し得るよう開閉扉4を設けた乾燥室5を備え、乾燥室5の上部には、木製の仕切上面(天井面)6a及び頂部面(天井面)6bにより天井裏空間7が形成され、乾燥室5内の一側には、棚段2の搬出入方向に沿うよう調整ダクト8が形成されている。
天井裏空間7には、乾燥室5へ通じる吸込口9と、調整ダクト8へ通じる吹出口10とを形成するよう、乾燥室5の幅方向へ向かって延在する複数のダクト部11が配置されており、複数のダクト部11の内部には、ヒータ等の加熱手段12と、加熱手段12の上流側に配置される送風機等の送風手段13と、加熱手段12の近傍に配置されて温度を検出する過昇温防止センサ(図示せず)とが備えられ、加熱手段12及び送風手段13を駆動した際には、送風手段13により乾燥室5内の空気をダクト部11へ吸引し、加熱手段12で空気流を加熱して乾燥室5内を加熱するようにしている。ここで図中15は送風手段13のモータを示している。またダクト部11には、熱風により遠赤外線を発生させるようにセラミック体(図示せず)を備えても良い。
調整ダクト8は、乾燥室5の側面に隣接して延在する木材の仕切側面(板面)16と、仕切側面16を両側で支持するよう上下方向の溝を備える支柱17と、仕切側面16の上下方向の間の複数の隙間(図2では上位置、中央位置、下方位置の三ケ所)に配置される複数の金網面18とを備えており、熱風が調整ダクト8内にダクト部11の吹出口10より吹き出された際には、仕切側面16と金網面18の配置により熱風を下方へ誘導すると共に金網面18により熱風を分散し、乾燥室5内へ送風するようになっている。ここで図6に示す如く調整ダクト8は取り除かれた構成でも良いし、熱風を所望の位置へ誘導するように他の構成でも良い。
乾燥室5の床面19には、コンクリートの土台20に木製の板面21が敷き詰められて、コンクリートから出る強アルカリ成分、薬剤成分、冷輻射を遮断するようにしており、板面21の上面には、棚段2の移動台車2aをガイドするガイドレール(図示せず)が開閉扉4から乾燥室5の奥へ向かって配置されている。
乾燥室5の両側の側面には、木製の板面を用いたパネル体23が構成されており、パネル体23は、図4に示す如く木製の板面で内側面(一方の板面)24と外側面(他方の板面)25を構成すると共に、内側面24と外側面25の間に複数枚のダンボール材26を隙間なく積層しており、内側面24の外面に水分が付着した際には、図5に示す如く、内側面24と外側面25の間に生じた水分を、内側面24から、ダンボール材26を介して、乾いた外側面25へ水分を吸収、伝達し、乾燥室5内の水分を水蒸気として外部へ放出するようにしている。ここで、ダンボール材26は、波型に形成された中芯26aと、中芯26aを保持するように中芯26aの両面に貼り合わせたライナ26bとから構成されると共に、複数枚を積層しており、これにより、水分を吸収し、伝達し、外部へ放出し、乾燥室5内が乾燥した際には回復するようになっており、同時に断熱性を高めるようになっている。またダンボール材26は、無機質の不燃剤を塗布して難燃処理されており、熱風等の昇温に耐られると共に、防虫防蟻効果も得られるようになっている。
乾燥室5の調整ダクト8側の側面には、中央に室温センサ(図示せず)が設置され、室温センサから制御盤(図示せず)へデータを送って乾燥室5内の温度管理をするようになっている。ダクト部11の吸込口9の隣接位置には、給気ファン30aを備えた流入口30が設けられ、流入口30の下方位置には、所定口径の排出口31が備えられている。
乾燥室5の天井裏空間7を形成する側面には、乾燥室5の側面から連なるよう、外側面25及び内側面24が備えられると共に、外側面25及び内側面24の間にダンボール材26が隙間なく積層されている。
ここで乾燥室5の側面(パネル体)23、頂部面(天井面)6b、仕切上面(天井面)6a、床面19は、鋼板や鉄板等の金属製の壁面やコンクリート製の壁面を含むことなく構成されており、内部から外部への水分の伝達に影響を与えないようになっている。またパネル体23は、乾燥処理食品の製造装置1の側面に限定されるものでなく、天井面に使用しても良い。更にパネル体23の木製の板面は、調湿性を有し且つ外部からの影響を低減する無垢の木が好ましい。
また乾燥室5の外方には、乾燥室5の外部環境を調整し得るよう乾燥室5を取り囲む断熱保温壁の外室35が設けられており、外室35は、乾燥室5の開閉扉4側に対向する前方面及び側面に、開閉ドアの開閉部36,37を設け、側面及び後方面に複数の給気口38を配置している。更に乾燥室5の側面と外室35の側面との間には複数の除湿器等の除湿手段(採取手段)39を夫々配置し、乾燥室5から水分を除去するようにしている。ここで図中に示す如く外室35の壁面に制御盤40や換気用のファン(図示せず)を配置しても良い。
更に外室35の前面には、開閉部36を介して移動台車2a又は食品を搬出し得る断熱保温壁の冷却室41が設けられており、冷却室41は、上面又は側面に冷却機等の冷却手段42を備えている(図2では上面に配置)。また冷却室41の前面には開閉ドアの開閉部43を設けて移動台車2a又は食品を外部へ搬出し得るようにしている。
以下、乾燥処理食品の製造方法の手順を説明する。
食品3を乾燥するための下準備の工程(ステップS1)では、食品3の種類に応じて下準備をしており、野菜や果物の場合には、洗浄した後、乾燥可能な形状にスライスして準備し、キノコでシイタケ等の場合には、洗浄した後、石突等の柄を取り除いて傘の部分をスライスし、エノキ等の場合には、ゴミが付着した石突等の柄の部分を取り除いて所定の大きさに小分けにする。
食品3を乾燥室5内に配置する工程(ステップS2)では、食品3を配置し得る移動可能な棚段2に、食品3同士が重ならないように所定間隔のスペースを取って配置する。ここで食品3を棚段2に配置する際には、開放容器に入れた状態で配置しても良いし、食品3を金網やトレーに並べて金網やトレーごとに配置しても良い。
次に食品3を乾燥処理する工程(ステップS3)では、乾燥処理食品の製造装置1の乾燥室5内に、棚段2を入れて乾燥室5の開閉扉4を閉め、加熱手段12及び送風手段13を駆動し、最初の段階では、外気(外室35内の空気)を流入口30の給気ファン30aにより乾燥室5内へ取り込み、更に送風手段13によりダクト部11内へ取り込み、加熱手段12で加熱して熱風にして調整ダクト8内へ排出し、熱風を仕切側面16及び金網面18により振り分けて乾燥室5へ送風し、乾燥室5内に熱風を循環させると共に、湿った重い空気を排出口31から乾燥室5の外部へ排出する。次に、時間経過に伴い、乾燥室5内の湿度が少なくなった場合には、流入口30の給気ファン30aを止めると共に加熱手段12及び送風手段13の駆動を維持し、ダクト部11及び調整ダクト8を介して、熱風を乾燥室5内で循環させる。
これにより、乾燥室5内の温度を35℃以上50℃未満にすると共に圧力を外気とほぼ同じにするように常圧下(約0.86〜1.04気圧、870〜1050hPa)にし、6時間から60時間で乾燥処理する。
ここで、乾燥室5内を循環する熱風は、食品3から生じた水分や乾燥室5内に存在する水分を内側面24に付着させ、木の材質の調湿性及びダンボール材26の吸収性・伝達性・放出性・回復性により、水分を、内側面24、ダンボール材26、外側面25の順に伝達して外側面25の外部へ水蒸気として排出する。また同時に外室35は、除湿器等の除湿手段(採取手段)39により、乾燥室5と外室35の間の空間の湿度を調整し、乾燥室5からダンボール材26等を介して水分を除去することを容易にしている。
その後、食品3を冷却して吸湿を抑制する工程(ステップS4)では、乾燥処理した乾燥処理食品を乾燥室5から外室35を介して冷却室41に搬入し、20℃以下、好ましくは0℃以上15℃以下、湿度50%以下、好ましくは湿度0%以上30%以下の条件下で、数秒以上数時間以下、好ましく1分以上30分以下で放置し、乾燥後の急速な吸湿を抑制する。
このように、本発明の乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置により乾燥処理食品を製造する形態例によれば、乾燥室5の側面(パネル体)23、頂部面(天井面)6b、仕切上面(天井面)6a、床面19の全てに板面を配する乾燥処理食品の製造装置1を用いて乾燥室5内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、板面が有する木の材質の調湿性によって乾燥室5内の水分を外部へ放出するので、木の材質の吸湿速度に合わせるように食品3から水分を除去し、通常の乾燥機により食品3を強制的に乾燥する場合のような食品3へのダメージ(ストレス)を緩和し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。また風通しの良い場所に長期間をおいて乾燥処理する場合に比べて、安定的に乾燥処理し得るので、食感や風味の劣化、食品の変色を抑制することができる。また乾燥室内の温度を35℃以上50℃未満の常圧下で乾燥処理するので、高温や高圧で乾燥する場合と異なり、食品中に含まれる酵素や栄養の食品成分の低減を抑制することができる。更に食品を油で素揚げした場合ような油のベトつきを防止することができる。ここで、乾燥室5内を35℃未満にした場合には食品を適切に乾燥させることができず、乾燥処理食品に臭みや苦味を生じるという問題があり、乾燥室5内が50℃以上の場合には食品を強制的に乾燥する状態となるため、食品にダメージを与え、風味、食感が低下すると共に変色を生じるという問題がある。また圧力を常圧よりも高めた場合にも同様に、食品を強制的に乾燥する状態となるため、食品にダメージを与え、風味や食感が低下すると共に変色を生じるという問題がある。
発明の乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置により乾燥処理食品を製造する形態例において、食品を乾燥処理した後、冷却室41により食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制するので、乾燥後の吸湿を適切に抑制して食品の湿気感を防止し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。
実施の形態例において、食品3を6時間から60時間で乾燥処理するので、通常の乾燥機によって食品3を強制的に乾燥した場合のような食品3へのダメージを緩和し、食品3が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。
実施の形態例の乾燥処理食品の製造装置は、食品3を配置し得る乾燥室5と、熱を発生する加熱手段と、加熱手段からの熱を熱風として乾燥室5内へ送る送風手段と、木製の板面を用いて乾燥室5の側面を構成するパネル体23とを備えると、乾燥室5内の水分を外部へ好適に放出するので、通常の乾燥機により食品3を強制的に乾燥した場合のような食品3へのダメージを緩和し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。また乾燥室5を取り囲んで乾燥室5の外部の湿度を除湿器により調整する外室35とを備えると、雨等の外気の状態に影響を受けることなく、乾燥室5内の温度や湿度を制御して乾燥室5内の水分を外部へ好適に放出するので、通常の乾燥機により食品3を強制的に乾燥した場合のような食品3へのダメージを一層緩和し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。
実施の形態例の乾燥処理食品の製造装置において、乾燥室5を囲む外室35と、外室35に接続され且つ乾燥処理した食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制する冷却室41を備えると、乾燥後の吸湿を適切に抑制して食品の湿気感を防止し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。
実施の形態例の乾燥処理食品の製造装置において、パネル体23は、木製の板面で内側面(一方の板面)24と外側面(他方の板面)25を構成すると共に、内側面24と外側面25の間にダンボール材26を隙間なく積層し、内側面24と外側面25の間に水分を溜めることなく乾燥室5内の水分を外部へ放出し得るよう構成されると、パネル体23の木の材質の調湿性及びダンボール材26の吸収性・伝達性・放出性・回復性を用いて乾燥室5内の水分を外部へ最適に放出するので、通常の乾燥機によって食品3を強制的に乾燥した場合のような食品3へのダメージを一層緩和し、食品が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品を製造することができる。
実施の形態例において、乾燥処理される食品3が、野菜、穀物類、果物、キノコから選択された食品3であると、食品3が本来有する食感や風味に近い状態で乾燥処理食品にすることができる。また野菜、穀物類、果物、キノコの場合には旨味を増すことができる。更に乾燥処理食品は水分を除去して重量を軽減するので、保存、保管、運送が容易になる。また豊作の場合であっても廃棄処分する必要がなくなる。また野菜の乾燥処理食品は、粉末加工が容易であると共に薄味で煮付けられるので、老人食にも適している。
[実施例1]
以下本実施例について、野菜を乾燥処理した具体例を説明する。
野菜は、根菜類のダイコン、ニンジンや、葉菜類のハクサイ、キャベツ、ホウレンソウを使用しており、ダイコン、ニンジン、ハクサイ、キャベツ、ホウレンソウを下準備する際には洗浄の後、ダイコン、ニンジンを厚さ数mmの輪切り若しくは千切りにし、ハクサイ、キャベツ、ホウレンソウを所定の大きさに切り揃える(ステップS1)。次に下準備したものを金網に載せ、金網ごと棚段2に配置する(ステップS2)。続いて棚段2を乾燥室5内に配置して、乾燥室5内の温度を40℃から50℃、好ましくは42℃にすると共に圧力を常圧にし、12時間から60時間、好ましくは24時間から48時間乾燥処理し(ステップS3)、その後、乾燥処理したダイコン、ニンジン、キャべツ、ハクサイ、ホウレンソウを冷却室41に入れ、0℃以上15℃以下の条件下で冷却して吸湿を抑制する(ステップS4)。
ここで、ダイコンは乾燥処理前に1136gあったものが乾燥処理後に64gとなり、ニンジンは乾燥処理前に645gあったものが乾燥処理後に69gとなった。またハクサイ、キャベツ、ホウレンソウは乾燥処理後に数分の一から数十分の一の重量となった。
次にこれらの乾燥処理食品をモニタ数名に試食してもらったところ、ダイコン、ニンジン、ハクサイ、キャベツ、ホウレンソウともに漢方薬のように滋味ある風味になって旨味が増すと共にパリパリの食感を有し、単独でもお菓子の如く食することができた。また同じ条件で通常の乾燥機により乾燥処理した場合には苦味を生じると共にパリパリの食感が少なくなり、単独で食するものとはならなかった。更に通常の乾燥機では、ニンジン、ホウレンソウ等の色素が落ち、見た目も非常に悪いものになった。また、その他の乾燥方法では、乾燥中の温度差等により、風味、食感ともに劣るものとなった。
[実施例2]
以下本実施例について、果物を乾燥処理した具体例を説明する。
果物は、リンゴ、カキを使用しており、リンゴを下準備する際には芯を取り除いて適度な大きさの輪切りにし、カキを下準備する際には皮を剥いで適度な大きさの薄切りにする(ステップS1)。次に下準備したものを金網に載せ、金網ごと棚段2に配置する(ステップS2)。続いて棚段2を乾燥室5内に配置して、乾燥室5内の温度を40℃から50℃、好ましくは42℃にすると共に圧力を常圧にし、12時間から60時間、好ましくは24時間から48時間乾燥処理し(ステップS3)、その後、乾燥処理したリンゴ、カキを冷却室41に入れ、0℃以上15℃以下の条件下で冷却して吸湿を抑制する(ステップS4)。
ここで、リンゴは乾燥処理前に1766gあったものが乾燥処理後に315gとなり、カキは乾燥処理前に702gあったものが乾燥処理後に151gとなった。
次にこれらの乾燥処理食品をモニタ数名に試食してもらったところ、リンゴ、カキともに本来の風味を維持して旨味が増すと共にパリパリの食感を有し、単独でもお菓子の如く食することができた。また同じ条件で通常の乾燥機により乾燥処理した場合には本来の風味が低下すると共にパリパリの食感が低下した。
[実施例3]
以下本実施例について、キノコを乾燥処理した具体例を説明する。
キノコは、シイタケ、マイタケ、シメジを使用しており、シイタケを下準備する際には石突等の柄の部分を切り離してスライスし、マイタケ、シメジを下準備する際にはゴミの付いた柄の部分を切り離して小分けにする(ステップS1)。次に下準備したものを金網に載せ、金網ごと棚段2に配置する(ステップS2)。続いて棚段2を乾燥室5内に配置して、乾燥室5内の温度を40℃から50℃、好ましくは42℃にすると共に圧力を常圧にし、12時間から60時間、好ましくは12時間から48時間乾燥処理し(ステップS3)、その後、乾燥処理したシイタケ、マイタケ、シメジを冷却室41に入れ、0℃以上15℃以下の条件下で冷却して吸湿を抑制する(ステップS4)。
ここで、シイタケは乾燥処理前に95gあったものが乾燥処理後に9gとなり、マイタケは乾燥処理前に159gあったものが乾燥処理後に26gとなり、シメジは乾燥処理前に142gあったものが乾燥処理後に16gとなった。
次にこれらの乾燥処理食品をモニタ数名に試食してもらったところ、シイタケ、マイタケ、シメジともに滋味ある風味になって旨味が増し、単独でもお菓子の如く食することができた。また同じ条件で通常の乾燥機により乾燥処理した場合には、乾燥を十分に行うことができず、キノコの臭みを生じた。
尚、本発明の乾燥処理食品の製造方法及びその製造装置、乾燥処理食品は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、乾燥処理する手順を食品に応じて変更しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 乾燥処理食品の製造装置
2 棚段
3 食品
5 乾燥室
6a 仕切上面(天井面)
6b 頂部面(天井面)
12 加熱手段
13 送風手段
19 床面
23 パネル体(側面)
24 内側面
25 外側面
26 ダンボール材
35 外室
41 冷却室

Claims (9)

  1. 乾燥室の側面、天井面、床面の少なくとも一面に木製の板面を配する乾燥処理食品の製造装置によって食品を処理する乾燥処理食品の製造方法であって、前記乾燥室内に食品を配置し、乾燥室内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、前記乾燥室の板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室内の水分を外部へ放出し、食品を乾燥処理することを特徴とする乾燥処理食品の製造方法。
  2. 食品を乾燥処理した後、食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制することを特徴とする請求項1に記載の乾燥処理食品の製造方法。
  3. 食品を6時間から60時間で乾燥処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の乾燥処理食品の製造方法。
  4. 食品を配置し得る乾燥室と、熱を発生する加熱手段と、該加熱手段からの熱を熱風として前記乾燥室内へ送る送風手段と、木製の板面を用いて前記乾燥室の側面、天井面、床面の少なくとも一面を構成するパネル体とを備えたことを特徴とする乾燥処理食品の製造装置。
  5. 乾燥室を囲む外室と、外室に接続され且つ乾燥処理した食品を20℃以下で冷却して食品への吸湿を抑制する冷却室を備えたことを特徴とする請求項4に記載の乾燥処理食品の製造装置。
  6. パネル体は、木製の板面で内側面と外側面を構成すると共に、内側面と外側面の間にダンボール材を隙間なく積層し、内側面と外側面の間に生じる水分を吸収、伝達し、乾燥室内の水分を外部へ放出すると共に、パネル体の乾燥回復を為し得ることを特徴とする請求項4又は5に記載の乾燥処理食品の製造装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の乾燥処理食品の製造装置を用いて乾燥処理される乾燥処理食品であって、前記乾燥室内に食品を配置し、乾燥室内を35℃以上50℃未満の常圧下にし、前記乾燥室の板面が有する木の材質の調湿性により乾燥室内の水分を外部へ放出し、乾燥処理で製造されたことを特徴とする乾燥処理食品。
  8. 乾燥処理した後、20℃以下で冷却され、吸湿を抑制して製造されたことを特徴とする請求項7に記載の乾燥処理食品。
  9. 乾燥処理される食品が、野菜、穀物類、果物、キノコから選択された食品であることを特徴とすることを特徴とする請求項7又は8に記載の乾燥処理食品。
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