JP2011215104A - 光学式センサー装置 - Google Patents

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JP2011215104A JP2010085823A JP2010085823A JP2011215104A JP 2011215104 A JP2011215104 A JP 2011215104A JP 2010085823 A JP2010085823 A JP 2010085823A JP 2010085823 A JP2010085823 A JP 2010085823A JP 2011215104 A JP2011215104 A JP 2011215104A
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Daisuke Nakanishi
大介 中西
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Abstract

【課題】検出光が対象物体で反射した光を受光した結果に基づいて対象物体の傾きを検出
することのできる光学式センサー装置を提供すること。
【解決手段】光学式センサー装置10において、検出用光源12が検出光L2を出射した
際に対象物体Obで反射した検出光を光検出器30で検出して対象物体Obの座標を検出
する。光源駆動部14は、複数の検出用光源12を第1出射強度をもって順次点灯させる
第1モード、および複数の検出用光源12を第1出射強度よりも大の第2出射強度をもっ
て順次点灯させる第2モードを行ない、その間、光検出器30は、対象物体Obで反射し
た検出光L3を受光する。従って、監視部50は、対象物体Obの異なる範囲で反射した
検出光L3の2つの受光結果を用いて対象物体Obの傾きを検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、対象物体を光学的に検出する光学式センサー装置に関するものである。
対象物体を光学的に検出する光学式センサー装置としては、例えば、図11に示すよう
に、2つの検出用光源12(検出用光源12A、12B)の各々から透光部材40を介し
て対象物体Obに向けて検出光L2(検出光L2a、L2b)を出射し、対象物体Obで
反射した検出光L3(検出光L3a、L3b)が透光部材40を透過して共通の光検出器
30で検出されるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる光学式センサー装置では、検出用光源12Aと検出用光源12Bとの差動を利用
して対象物体Obの位置を検出する。より具体的には、検出用光源12Aから検出光L2
aが出射された際の光検出器30の受光強度と、検出用光源12Bから検出光L2bが出
射された際の光検出器30の受光強度とが等しくなるように検出用光源12A、12Bを
制御した際の駆動電流の比に基づいて対象物体Obの位置を検出する
特表2003−534554号公報
しかしながら、図11に示す構成では、対象物体Obの位置は検出することはできるが
、対象物体Obの傾きを検出することができないという問題点がある。
そこで、本発明の課題は、検出光が対象物体で反射した光を受光した結果に基づいて対
象物体の傾きを検出することのできる光学式センサー装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を検出するための検出光を出射
する複数の検出用光源を備えた光学式センサー装置であって、前記検出光の出射側空間に
位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、前記複数の検出用光
源を第1出射強度をもって順次点灯させる第1モード、および前記複数の検出用光源を前
記第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第2モードを行なう光源
駆動部と、前記第1モードでの前記光検出器の受光結果、および前記第2モードでの前記
光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の傾きを検出する監視部と、を有することを
特徴とする。
本発明では、光源駆動部は、複数の検出用光源を第1出射強度をもって順次点灯させる
第1モード、および複数の検出用光源を前記第1出射強度よりも大の第2出射強度をもっ
て順次点灯させる第2モードを行ない、その間、光検出器は、対象物体で反射した検出光
を受光する。従って、光検出器は、第1モードでは、対象物体において検出用光源に対し
て比較的近い部分で反射した検出光を検出し、検出器は、第2モードでは、対象物体にお
いて検出用光源に対して比較的近い部分から離間した部分までを含む広い部分で反射した
検出光を検出する。従って、監視部は、第1モードでの光検出器の受光結果と、第2モー
ドでの光検出器の受光結果という、対象物体の異なる範囲で反射した検出光の受光結果を
取得することができる。すなわち、監視部は、第1モードでの光検出器の受光結果に基づ
いて、検出用光源に対して比較的近い部分の位置を示す情報と、対象物体において検出用
光源に対して比較的近い部分から離間した部分までを含む広い部分の位置を示す情報を得
ることができる。それ故、監視部は、対象物体の異なる範囲で反射した検出光の2つの受
光結果を用いれば、対象物体の2箇所の位置情報を得ることができ、対象物体の傾きを検
出することができる。
本発明において、前記監視部は、前記第1モードでの前記光検出器の受光結果および前
記第2モードでの前記光検出器の受光結果のうちの少なくとも一方の受光結果に基づいて
前記対象物体の位置を検出することが好ましい。このように構成すれば、監視部は、第1
モードでの光検出器の受光結果を用いれば、対象物体において検出用光源に対して比較的
近い部分の位置を検出でき、第2モードでの光検出器の受光結果を用いれば、対象物体に
おいて検出用光源に対して比較的近い部分から離間した部分までを含む広い部分の中心位
置を検出することができる。
本発明において、前記監視部は、前記対象物体の位置として、前記第1モードでの前記
光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の第1座標を検出するとともに、前記第2モ
ードでの前記光検出器の受光結果に基づいて前記対象物体の第2座標を検出し、前記第1
座標と前記第2座標との比較結果に基づいて前記対象物体の傾きを検出することが好まし
い。
本発明において、前記監視部は、前記光検出器での受光結果に基づいて、前記複数の検
出用光源のうちの一部の検出用光源と、他の一部の検出用光源とを差動させた結果により
前記対象物体の位置を検出することが好ましい。このような差動を用いれば、外光等とい
った環境光の影響を緩和することができる。
本発明において、前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する
参照用光源を備え、前記監視部は、前記光検出器での受光結果に基づいて、前記複数の検
出用光源のうちの一部の検出用光源と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動させた
結果により前記対象物体の位置を検出することが好ましい。このような差動を用いれば、
外光等といった環境光の影響を緩和することができる。
本発明において、前記監視部は、前記複数の検出用光源の全てが同時、あるいは順次点
灯したときの前記光検出器での受光結果に基づいて、前記検出光の出射方向における前記
対象物体の位置を検出する構成を採用してもよい。
本発明において、前記検出光は赤外光であることが好ましい。かかる構成によれば、検
出光が視認されないので、表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式センサ
ー装置を各種機器に用いることができる。
本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置の主要部を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置で用いた座標検出の基本原理を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置において、参照光と検出光との差動を利用して対象物体の位置を検出する原理を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置において、監視部で行なわれる処理内容等を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置において、対象物体の傾きを検出する方法を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る光学式センサー装置の全体構成を示す説明図である。 本発明の実施の形態2に係る光学式センサー装置において、対象物体の傾きを検出する方法を模式的に示す説明図である。 本発明を適用した光学式センサー装置をハンド装置に設けたロボットアームの説明図である。 本発明を適用した光学式センサー装置を入力装置として備えた位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図である。 従来の光学式センサー装置の説明図である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説
明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、検出光の出射方向をZ軸
方向として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、
他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある
。また、以下の説明では、図11に示す構成との対応がわかりやすいように、対応する構
成要素については同一の符号を付して説明する。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置の主要部を模式的に示す説明
図であり、図1(a)、(b)は、光学式センサー装置の構成要素の立体的な配置を示す
説明図、および光学式センサー装置の構成要素の平面的な配置を示す説明図である。図2
は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置の全体構成を示す説明図である。
図1および図2において、本形態の光学式センサー装置10は、ロボットハンド装置で
の触覚センサーや入力装置等として利用される光学装置であり、Z軸方向の一方側に向け
て検出光L2を出射する検出用光源12を備えた光源装置11と、対象物体Obで反射し
た検出光L3を検出する光検出器30とを備えている。また、本形態の光学式センサー装
置10は、シート状あるいは板状の透光部材40を有している場合があり、この場合、透
光部材40の第1面41側に位置する対象物体Obの位置を検出する。従って、検出用光
源12は、透光部材40において第1面41側とは反対側の第2面42側から第1面41
側に検出光L2を出射しし、光検出器30は、対象物体Obで反射して透光部材40の第
2面42側に透過してきた検出光L3を検出する。このため、光検出器30の受光部31
は、透光部材40の第2面42に対向している。
本形態において、光源装置11は、複数の検出用光源12として、発光部120a〜1
20dを透光部材40に向けた4つの検出用光源12A〜12Dを備えており、かかる検
出用光源12A〜12Bは、光検出器30の中心光軸の周りに配置されている。本形態に
おいて、検出用光源12A〜12Bは、Z軸方向からみたとき、光検出器30を中心とす
る仮想の円上に配置され、光検出器30から検出用光源12A〜12Bまでの距離はいず
れも等しく設定されている。また、検出用光源12A〜12Bは、光検出器30の周りで
等角度間隔に配置されている。
複数の検出用光源12において、検出用光源12Aと検出用光源12BとはX軸方向で
離間し、検出用光源12Cと検出用光源12DとはY軸方向で離間している。なお、検出
用光源12Aからみれば、検出用光源12C、12DもX軸方向で離間し、検出用光源1
2Bからみれば、検出用光源12C、12DもX軸方向で離間している。同様に、検出用
光源12Cからみれば、検出用光源12A、12BもY軸方向で離間し、検出用光源12
Dからみれば、検出用光源12A、12BもY軸方向で離間している。
本形態では、後述する第1期間では、複数の検出用光源12のうち、X軸方向で離間す
る検出用光源12A、12Bのうちの一方(検出用光源12A)を第1検出用光源として
利用し、他方(検出用光源12B)を第2検出用光源として利用する。また、後述する第
2期間では、Y軸方向で離間する検出用光源12C、12Dのうち、一方(検出用光源1
2C)を第1検出用光源として利用し、他方(検出用光源12D)を第2検出用光源とし
て利用する。
本形態において、検出用光源12A〜12Dは、LED(発光ダイオード)等の発光素
子により構成され、本形態において、検出用光源12A〜12D、ピーク波長が840〜
1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a〜L2d)を発散光と
して放出する。その結果、検出用光源12から出射された検出光L2は、透光部材40を
透過して、第1面41側(光源装置11からの検出光L2の出射側空間)に出射され、本
形態では、かかる出射側空間(第1面41側の空間)によって、対象物体Obの位置が検
出される検出空間10Rが構成されている。
また、光源装置11は、光検出器30に発光部120rを向けた参照用光源12Rも備
えている。参照用光源12Rも、検出用光源12(検出用光源12A〜12B)と同様、
LED(発光ダイオード)等により構成され、検出用光源12Rは、ピーク波長が840
〜1000nmに位置する赤外光からなる参照光Lrを発散光として放出する。但し、参
照用光源12Rから出射される参照光Lrは、参照用光源12Rの向きや、参照用光源1
2Rに設けられる遮光カバー(図示せず)等によって、透光部材40の第1面41側(検
出空間10R)に入射せず、検出空間10Rを介さずに光検出器30に入射するようにな
っている。
光検出器30は、透光部材40に受光部31を向けたフォトダイオードやフォトトラン
ジスター等からなり、本形態において、光検出器30は赤外域の感度ピークを備えたフォ
トダイオードである。
(監視部等の構成)
図2に示すように、光源装置11は複数の検出用光源12と光源駆動部14とを備えて
いる。光源駆動部14は、検出用光源12および参照用光源12Rを駆動する光源駆動回
路140と、光源駆動回路140を介して複数の検出用光源12の各々の点灯パターンを
制御する光源制御部145とを備えている。光源駆動回路140は、検出用光源12A〜
12Dを駆動する光源駆動回路140a〜140dと、参照用光源12Rを駆動する光源
駆動回路140rとを備えている。光源制御部145は、光源駆動回路140a〜140
d、140rの全てを制御する。
光検出器30には監視部50が電気的に接続されており、光検出器30での検出結果は
監視部50に出力される。監視部50は、増幅器や比較器等を備えた信号処理部55を備
えている。また、監視部50は、対象物体ObのX座標およびY座標を検出するXY座標
検出部52を備えている。また、監視部50は、XY座標検出部52で得られた対象物体
ObのX座標およびY座標を比較して、対象物体ObのXY平面内における方位(傾き)
を検出する傾き検出部54も備えている。このように構成した監視部50と光源駆動部1
4とは連動して動作し、後述する位置検出や傾き検出を行なう。
(差動を利用した座標検出の原理)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置10で用いた座標検出の基本
原理を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、対象物体Obの位置と光検出器30で
の受光強度との関係を模式的に示す説明図、および検出器30での受光強度が等しくなる
ように検出光L2の出射強度を調整する様子を模式的に示す説明図である。
本形態の光学式センサー装置10において、透光部材40の第1面41側(光源装置1
1からの検出光L2の出射側の空間)には検出空間10Rが設定されている。また、2つ
の検出用光源12A(第1検出用光源)と検出用光源12B(第2検出用光源)はX軸方
向で離間している。このため、検出用光源12Aが点灯して検出光L2aを出射すると、
検出光L2aは、図3に示すように、透光部材40を透過して第1面41側(検出空間1
0R)に、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向けて強度が単調減少する第1光強度
分布L2Xaを形成する。また、検出用光源12Bが点灯して検出光L2bを出射すると
、検出光L2aは、透光部材40を透過して第1面41側(検出空間10R)に、X軸方
向の一方側X1から他方側X2に向けて強度が増大する第2光強度分布L2Xbを形成す
る。なお、図3では、光強度分布を直線的に表してあるが、光強度分布は直線的に変化し
ていなくても本発明を適用することができる。
このような検出光L2a、L2bの差動を利用してX座標を検出する際には、図3(a
)に示すように、まず、検出用光源12Aを点灯させる一方、検出用光源12Bを消灯さ
せ、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって強度が単調減少していく第1光強度
分布L2Xaを形成する。また、検出用光源12Aを消灯させる一方、検出用光源12B
を点灯させ、X軸方向の一方側X1から他方側X2に向かって強度が単調増加していく第
2光強度分布L2Xbを形成する。従って、検出空間10Rに対象物体Obが配置される
と、対象物体Obにより検出光L2が反射され、その反射光の一部が光検出器30により
検出される。その際、対象物体Obでの反射強度は、対象物体Obが位置する個所での検
出光L2の強度に比例し、光検出器30での受光強度は対象物体Obでの反射強度に比例
する。従って、光検出器30での受光強度は、対象物体Obの位置に対応する値となる。
それ故、図3(b)に示すように、第1光強度分布L2Xaを形成した際の光検出器30
での検出値LXaと、第2光強度分布L2Xbを形成した際の光検出器30での検出値L
Xbとが等しくなるように、検出用光源12Aに対する制御量(駆動電流)を調整した際
の駆動電流と、検出用光源12Bに対する制御量(駆動電流)を調整した際の駆動電流と
の比や差等の比較結果を用いれば、検出用光源12Aと検出用光源12Bとの間のいずれ
の位置に対象物体Obが存在するかを検出できることになる。
同様に、2つの検出用光源12C(第1検出用光源)と検出用光源12D(第2検出用
光源)はY軸方向で離間している。このため、検出用光源12Cが点灯して検出光L2c
を出射すると、検出光L2cは、透光部材40を透過して第1面41側(検出空間10R
)に、Y軸方向の一方側Y1から他方側Y2に向けて強度が単調減少する第1光強度分布
を形成する。また、検出用光源12Dが点灯して検出光L2dを出射すると、検出光L2
dは、透光部材40を透過して第1面41側(検出空間10R)に、Y軸方向の一方側Y
1から他方側Y2に向けて強度が単調増加する第2光強度分布を形成する。従って、検出
光L2c、L2dの差動を利用すれば、検出用光源12Aと検出用光源12Bとの間のい
ずれの位置に対象物体Obが存在するかを検出できることになる。それ故、対象物体Ob
のX座標およびY座標を検出することができる。
(参照光Lrと検出光L2との差動)
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置10において、参照光Lrと
検出光L2との差動を利用して対象物体Obの位置を検出する原理を示す説明図であり、
図4(a)、(b)は、検出用光源12から対象物体Obまでの距離と検出光L2等の受
光強度との関係を示す説明図、および光源への駆動電流を調整した後の様子を示す説明図
である。
本形態の光学式センサー装置10においては、検出光L2aと検出光L2bとの直接的
な差動に代えて、検出光L2aと参照光Lrとの差動と、検出光L2bと参照光Lrとの
差動とを利用し、最終的に図3(a)、(b)を参照して説明した原理と同様な結果を導
く。ここで、検出光L2aと検出光L2bとの差動、および検出光L2aと参照光Lrと
の差動は、以下のようにして実行される。
図4(a)に示すように、検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態においては、
検出用光源12Aから対象物体Obまで距離と、光検出器30での検出光L2aの受光強
度Dxとは、実線SXで示すように単調に変化する。これに対して、参照用光源12Rか
ら出射された参照光Lrの光検出器30での検出強度は、実線SRで示すように、対象物
体Obの位置にかかわらず、一定である。従って、光検出器30での検出光L2aの受光
強度Dxと、光検出器30での参照光Lrの検出強度Drとは、相違している。
次に、図4(b)に示すように、検出用光源12Aに対する駆動電流、および参照用光
源12Rに対する駆動電流のうちの少なくとも一方を調整し、光検出器30での検出光L
2aの受光強度Dxと、参照光Lrの光検出器30での検出強度Drとを一致させる。この
ような差動は、参照光Lrと検出光L2aとの間で行なわれるとともに、参照光Lrと検
出光L2bとの間でも行なわれる。従って、光検出器30での検出光L2a、L2b(対
象物体Obで反射した検出光L3a、L3b)の検出結果と、光検出器30での参照光L
rの検出結果とが等しくなった時点での検出用光源12Aに対する駆動電流と、検出用光
源12Bに対する駆動電流との比や差等を用いることができ、検出用光源12Aと検出用
光源12Bとの間のいずれの位置に対象物体Obが存在するかを検出できることになる。
上記の検出原理を光路関数を用いて数理的に説明すると、以下のようになる。まず、各
パラメータを以下
T=対象物体Obの反射率
t=検出用光源12Aから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
A=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で検出用光源12Aが
点灯したときの光検出器30の検出強度
t=検出用光源12Bから出射された検出光L2が対象物体Obで反射して
光検出器30に到る距離関数
B=検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で検出用光源12Bが
点灯したときの光検出器30の検出強度
s=参照用光源12Rから光検出器30に到る光路係数
R=参照用光源12Rのみが点灯したときの光検出器30の検出強度
とする。なお、検出用光源12A、検出用光源12Bおよび参照用光源12Rの発光強度
は、駆動電流と発光係数との積で表されるが、以下の説明では、発光係数を1とする。ま
た、上記の差動において、光検出器30での受光強度が等しくなったときの検出用光源1
2Aに対する駆動電流をIAとし、検出用光源12Bに対する駆動電流をIBとし、参照用
光源12Rに対する駆動電流をIRとする。また、差動の際、参照用光源12Rのみが点
灯したときの光検出器30の検出強度については、検出用光源12Aとの差動と、検出用
光源12Bとの差動とにおいて同一と仮定する。
検出空間10Rに対象物体Obが存在する状態で、前記した差動を行なうと、
A=T×At×IA+環境光 ・・式(1)
B=T×Bt×IB+環境光 ・・式(2)
R=Rs×IR+環境光 ・・式(3)
の関係が得られる。
ここで、差動の際の光検出器30の検出強度は等しいことから、式(1)、(3)から
下式
T×At×IA+環境光=Rs×IR+環境光
T×At×IA=Rs×IR
T×At=Rs×IR/IA・・式(4)
が導かれ、式(2)、(3)から下式
T×Bt×IB+環境光=Rs×IR+環境光
T×Bt×IB=Rs×IR
T×Bt=Rs×IR/IB・・式(5)
が導かれる。
また、距離関数At、Btの比PABは、下式
AB=At/Bt・・式(6)
で定義されることから、式(4)、(5)から、比PAB
AB=IB/IA・・式(7)
で示すように表される。かかる式(7)では、環境光の項、対象物体Obの反射率の項が
存在しない。それ故、距離関数At、Btの比PABには、環境光、対象物体Obの反射率が
影響しない。なお、上記の数理モデルについては、対象物体Obで反射せずに入射した検
出光L2の影響等を相殺するための補正を行なってもよい。また、参照用光源12Rに対
する駆動電流IRについては、検出用光源12Aとの差動と、検出用光源12Bとの差動
とにおいて異なる値であっても、略同様な方法で比PABを求めることができる。
ここで、検出用光源12は点光源であり、ある地点での光強度は、光源からの距離の2
乗に反比例する。従って、検出用光源12Aと対象物体Obとの離間距離P1と、検出用
光源12Bと対象物体Obとの離間距離P2との比は、下式
AB=(P1)2:(P2)2
により求められる。それ故、対象物体Obは、検出用光源12Aと検出用光源12Bとを
結ぶ仮想線をP1:P2で分割した位置を通る等比線上に対象物体Obが存在することが
わかる。従って、検出用光源12Aと参照用光源12Rとの差動、検出用光源12Bと参
照用光源12Rとの差動、検出用光源12Cと参照用光源12Rとの差動、検出用光源1
2Dと参照用光源12Rとの差動を行なえば、対象物体ObのX座標およびY座標を検出
することができる。
(差動のための監視部50の構成例)
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置において、監視部で行なわれ
る処理内容等を示す説明図である。
上記の差動を実施するにあたっては、監視部50としてマイクロプロセッサーユニット
(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに
従って処理を行う構成を採用することができる。また、図5を参照して以下に説明するよ
うに、論理回路等のハードウェアを用いた信号処理部で処理を行う構成を採用することも
できる。なお、図5には、図4を参照して説明した差動を示してあるが、参照用光源12
Rを検出用光源12Bに置き換えれば、図3を参照して説明した差動に適用することがで
きる。
図5(a)に示すように、本形態の光学式センサー装置10において、光源駆動回路1
40は、可変抵抗111を介して検出用光源12Aに所定電流値の駆動パルスを印加する
一方、可変抵抗112および反転回路113を介して参照用光源12Rに所定電流値の駆
動パルスを印加する。このため、検出用光源12Aと参照用光源12Rには逆相の駆動パ
ルスが印加されるので、検出用光源12Aと参照用光源12Rとは交互に点灯することに
なる。そして、検出用光源12Aが点灯した時、検出光L2aのうち、対象物体Obで反
射した光は光検出器30で受光され、参照用光源12Rが点灯した時、参照光Lrが光検
出器30で受光される。光強度信号生成回路150において、光検出器30には、1kΩ
程度の抵抗30rが直列に電気的接続されており、それらの両端にはバイアス電圧Vbが
印加されている。
かかる光強度信号生成回路150において、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1
には、監視部50が電気的に接続されている。光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1
から出力される検出信号Vcは、下式
Vc=V30/(V30+抵抗30rの抵抗値)
V30:光検出器30の等価抵抗
で表される。従って、環境光Lcが光検出器30に入射しない場合と、環境光Lcが光検
出器30に入射している場合とを比較すると、環境光Lcが光検出器30に入射している
場合には、検出信号Vcのレベルおよび振幅が大きくなる。
監視部50は概ね、位置検出用信号抽出回路190、位置検出用信号分離回路170、
および発光強度補償指令回路180を備えている。位置検出用信号抽出回路190は、1
nF程度のキャパシタからなるフィルター192を備えており、かかるフィルター192
は、光検出器30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された信号から直流成分を除去す
るハイパスフィルターとして機能する。このため、フィルター192によって、光検出器
30と抵抗30rとの接続点Q1から出力された検出信号Vcからは、光検出器30によ
る位置検出信号Vdのみが抽出される。すなわち、検出光L2aおよび参照光Lrは変調
されているのに対して、環境光Lcはある期間内において強度が一定であると見なすこと
ができるので、環境光Lcに起因する低周波成分あるいは直流成分はフィルター192に
よって除去される。
また、位置検出用信号抽出回路190は、フィルター192の後段に、220kΩ程度
の帰還抵抗194を備えた加算回路193を有しており、フィルター192によって抽出
された位置検出信号Vdは、バイアス電圧Vbの1/2倍の電圧V/2に重畳された位置
検出信号Vsとして位置検出用信号分離回路170に出力される。
位置検出用信号分離回路170は、検出用光源12Aに印加される駆動パルスに同期し
てスイッチング動作を行なうスイッチ171と、比較器172と、比較器172の入力線
に各々、電気的接続されたキャパシタ173とを備えている。このため、位置検出信号V
sが位置検出用信号分離回路170に入力されると、位置検出用信号分離回路170から
発光強度補償指令回路180には、検出用光源12Aが点灯した時の位置検出信号Vsの
実効値Veaと、参照用光源12Rが点灯した時の位置検出信号Vsの実効値Vebとが
交互に出力される。
発光強度補償指令回路180は、実効値Vea、Vebを比較して、図5(b)に示す
処理を行ない、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効値Vebとが
同一レベルとなるように光源駆動回路140に制御信号Vfを出力する。すなわち、発光
強度補償指令回路180は、位置検出信号Vsの実効値Veaと位置検出信号Vsの実効
値Vebとを比較して、それらが等しい場合、現状の駆動条件を維持させる。これに対し
て、位置検出信号Vsの実効値Veaが位置検出信号Vsの実効値Vebより低い場合、
発光強度補償指令回路180は、可変抵抗111の抵抗値を下げさせて検出用光源12A
からの出射光量を高める。また、位置検出信号Vsの実効値Vebが位置検出信号Vsの
実効値Veaより低い場合、発光強度補償指令回路180は、可変抵抗112の抵抗値を
下げさせて参照用光源12Rからの出射光量を高める。
このようにして、光学式センサー装置10では監視部50の発光強度補償指令回路18
0によって、第1検出用光源点灯動作中および参照用光源点灯動作中での光検出器30に
よる検出量が同一となるように、検出用光源12Aおよび参照用光源12Rの制御量(駆
動電流)を制御する。従って、発光強度補償指令回路180には、第1検出用光源点灯動
作中および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となるような検出
用光源12Aおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報が存在し、かかる情
報は、位置検出信号Vgとして監視部50に出力される。
同様な処理は、第2検出用光源12Bと参照用光源12Rとの間でも行なわれ、発光強
度補償指令回路180から出力される位置検出用信号Vgは、第2検出用光源点灯動作中
および参照用光源点灯動作中での光検出器30による検出量が同一となるような検出用光
源12Bおよび参照用光源12Rに対する駆動電流に関する情報である。
(傾き検出の方法)
図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式センサー装置100において対象物体Ob
の傾きを検出する方法を模式的に示す説明図であり、図6(a)、(b)は、検出用光源
12を第1出射強度をもって順次点灯させる第1モードの説明図、および検出用光源12
を第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第2モードの説明図であ
る。
図2を参照して説明したように、監視部50は、XY座標検出部52で得られた対象物
体ObのX座標およびY座標を比較して、対象物体ObのXY平面内における方位(傾き
)を検出する傾き検出部54も備えている。かかる傾き検出部54によって、対象物体O
bのXY平面内における方位(傾き)を検出するにあたって、本形態では、光源駆動部1
4は、X座標およびY座標を検出する際、検出用光源12を第1出射強度をもって順次点
灯させる第1モードと、検出用光源12を第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって
順次点灯させる第2モードとを行なう。
このような第1モードおよび第2モードのうち、第1モードを行なった際には、図6(
a)に示すように、検出用光源12からの出射強度が小であるため、光検出器30は、対
象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分で反射した検出光L3を検出
することになる。従って、第1モードでは、XY座標検出部52は、対象物体Obにおい
て検出用光源12に対して比較的近い部分P1の第1XY座標(x1,y1)を検出するこ
とになる。
これに対して、第2モードを行なった際には、図6(b)に示すように、検出用光源1
2からの出射強度が大であるため、光検出器30は、対象物体Obにおいて検出用光源1
2に対して比較的近い部分から離間した部分を含む広い部分で反射した検出光L3を検出
することになる。従って、第2モードでは、XY座標検出部52は、対象物体Obにおい
て検出用光源12に対して比較的近い部分から離間した部分を含む広い部分の中心P2
第2XY座標(x2,y2)を検出することになる。
従って、傾き検出部54において、第1XY座標(x1、,y1)と第2XY座標(x2
,y2)とを比較すれば、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分
1と、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分から離間した部分
を含む広い部分の中心P2とを結んだ線のXY関数を求めることができ、対象物体Obの
傾きを検出することができる。
より具体的には、第1XY座標(x1,y1)と第2XY座標(x2,y2)とを検出した
後、傾き検出部54において、(y2−y1)/(x2−x1)を求めれば、対象物体Obが
X軸方向に対して成す角度Θ(図1(b)参照)を求めることができる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、光源駆動部14は、複数の検出用光源12を第1出
射強度をもって順次点灯させる第1モード、および複数の検出用光源12を第1出射強度
よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第2モードを行ない、その間、光検出器
30は、対象物体Obで反射した検出光L3を受光する。従って、光検出器30は、第1
モードでは、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分P1で反射し
た検出光L3を検出し、光検出器30は、第2モードでは、対象物体Obにおいて検出用
光源12に対して比較的近い部分から離間した部分までを含む広い部分で反射した検出光
L3を検出する。従って、監視部50は、第1モードでの光検出器30の受光結果と、第
2モードでの光検出器30の受光結果という、対象物体Obの異なる範囲で反射した検出
光L3の受光結果を取得することができる。それ故、監視部50は、対象物体Obの異な
る範囲で反射した検出光L3の2つの受光結果を用いれば、対象物体Obの2箇所の位置
情報を得ることができ、対象物体Obの傾きを検出することができる。また、光源駆動部
14が複数の検出用光源12を第1出射強度をもって順次点灯させた第1モードで得られ
た第1XY座標(x1,y1)は、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近
い部分P1で反射した検出光L3を検出するので、対象物体Obの位置を精度よく検出す
ることができる。
また、本形態では、光検出器30での受光結果が等しくなったときの光源に対する駆動
電流に基づいて対象物体Obの座標を検出する。かかる差動を用いれば、外光等といった
環境光の影響を緩和することができる。
さらに、検出光L2は赤外光であるため、視認されない。従って、本形態の光学式セン
サー装置10を表示装置に適用した場合でも表示を妨げない等、光学式センサー装置10
を各種機器に用いることができる。
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式センサー装置100の全体構成を示す説明
図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式センサー装置100において対象
物体Obの傾きを検出する方法を模式的に示す説明図であり、図8(a)、(b)は、検
出用光源12を第1出射強度をもって順次点灯させる第1モードの説明図、および検出用
光源12を第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第2モードの説
明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する
部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7に示すように、本形態の光学式センサー装置10も、実施の形態1と同様、Z軸方
向の一方側に向けて検出光L2を出射する検出用光源12を備えた光源装置11と、対象
物体Obで反射した検出光L3を検出する光検出器30とを備えている。また、光源装置
11は、複数の検出用光源12として、発光部120a〜120dを透光部材40に向け
た4つの検出用光源12A〜12Dを備えている。このため、監視部50において、XY
座標検出部52は、対象物体ObのX座標およびY座標を求めることができる。
ここで、検出用光源12A〜12Dが同時に点灯すると、透光部材40の第1面41側
(検出空間10R)には、第1面41に対する法線方向で強度が単調減少するZ座標検出
用光強度分布が形成される。かかるZ座標検出用光強度分布では、透光部材40の第1面
41から離間するに従って強度が単調に低下する。従って、参照用光源12Rと検出用光
源12A〜12Dとを交互に点灯させたときの光検出器30での検出値の差や比に基づい
て対象物体ObのZ座標を検出することができる。また、参照用光源12Rと検出用光源
12A〜12Bとを交互に点灯させたときの光検出器30での検出値が等しくなったとき
の参照用光源12Rに対する駆動電流と検出用光源12A〜12Bに対する駆動電流との
差や比に基づいて対象物体ObのZ座標を検出することができる。それ故、本形態の光学
式センサー装置10は、監視部50にZ座標検出部53を備えている。
本形態では、実施の形態1と同様、光源駆動部14は、X座標、Y座標およびZ座標を
検出する際、検出用光源12を第1出射強度をもって順次点灯させる第1モードと、検出
用光源12を第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第2モードと
を行なう。
このような第1モードおよび第2モードのうち、第1モードを行なった際には、図8(
a)に示すように、検出用光源12からの出射強度が小であるため、光検出器30は、対
象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分で反射した検出光L3を検出
することになる。従って、第1モードでは、XY座標検出部52およびZ座標検出部53
は、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的近い部分P1の第1XYZ座標
(x1,y1,z1)を検出することになる。
これに対して、第2モードを行なった際には、図8(b)に示すように、検出用光源1
2からの出射強度が大であるため、光検出器30は、対象物体Obにおいて検出用光源1
2に対して比較的近い部分から離間した部分を含む広い部分で反射した検出光L3を検出
することになる。従って、第2モードでは、XY座標検出部52およびZ座標検出部53
は、XY座標検出部52は、対象物体Obにおいて検用光源12に対して比較的近い部分
から離間した部分を含む広い部分の中心P2の第2XYZ座標(x2,y2,z2)を検出す
ることになる。
従って、監視部50の傾き検出部54において、第1XYZ座標(x1,y1,z1)と
第2XYZ座標(x2,y2,z2)とを比較すれば、対象物体Obにおいて検出用光源1
2に対して比較的近い部分P1と、対象物体Obにおいて検出用光源12に対して比較的
近い部分から離間した部分を含む広い部分の中心P2とを結んだ線のXYZ関数を求める
ことができ、対象物体Obの傾きを検出することができる。
より具体的には、第1XYZ座標(x1,y1,z1)と第2XYZ座標(x2,y2,z2
)とを検出した後、傾き検出部54において、(z2−z1)/(x2−x1)を求めれば、
対象物体ObをXZ面に投影した際の対象物体Obの傾き角Θx(図8(b)参照)を求
めることができ、(z2−z1)/(y2−y1)を求めれば、対象物体ObをYZ面に投影
した際の対象物体Obの傾き角Θy(図8(b)参照)を求めることができる。
[実施の形態3]
上記実施の形態1、2では、光学式センサー装置10に透光部材40が存在していたが
、透光部材40を備えていない光学式センサー装置10においても、対象物体Obで反射
せずに周辺で反射した検出光L2が光検出器30に入射するような場合に本発明を適用す
ればよい。
[光学式センサー装置10の利用例1]
図9を参照して、本発明を適用した光学式センサー装置10を触覚センサーとして用い
たロボットハンド装置を説明する。図9は、本発明を適用した光学式センサー装置10を
触覚センサーとしてハンド装置に備えたロボットアームの説明図であり、図9(a)、(
b)は、ロボットアーム全体の説明図、およびハンド装置の説明図である。
図9(a)に示すロボットアーム200は、数値制御工作機械等に対してワークや工具
の供給および取り出し等を行う装置であり、基台290から直立する支柱220と、アー
ム210とを備えている。本形態において、アーム210は、支柱220の先端部に第1
関節260を介して連結された第1アーム部230と、第1アーム部230の先端部に第
2関節270を介して連結された第2アーム部240とを備えている。支柱220は、基
台290に対して垂直な軸線H1周りに回転可能であり、第1アーム部230は、支柱2
20の先端部で第1関節260によって水平な軸線H2周りに回転可能であり、第2アー
ム部240は、第1アーム部230の先端部で第2関節270によって水平な軸線H3周
りに回転可能である。第2アーム部240の先端部にはハンド装置400のハンド450
が連結されており、ハンド450は、第2アーム部240の軸線H4周りに回転可能であ
る。
図9(b)に示すように、ハンド装置400は、複数の把持爪410(把持具)を備え
たハンド450を有しており、ハンド450は、複数の把持爪410の根元を保持する円
盤状の把持爪保持体420を備えている。本形態において、ハンド450は、複数の把持
爪410として、第1把持爪410Aおよび第2把持爪410Bを備えている。2つの把
持爪410はいずれも、矢印H4で示すように、互いに離間する方向および接近する方向
に移動可能である。
このように構成したロボットアーム200において、対象物体Obを把持する際には、
支柱220、第1アーム部230および第2アーム部240が所定方向に回転してハンド
450を対象物体Ob(ワーク)に接近させた後、2つの把持爪410が互いに接近する
方向に移動して対象物体Obを把持する。
ここで、対象物体Ob(ワーク)を把持する際に対象物体Obに接する把持爪410の
内面は、実施の形態1、2で説明した光学式センサー装置10の透光部材40の第1面4
1からなる。従って、把持爪410が対象物体Obを把持する際、光学式センサー装置1
0は、対象物体Obと把持爪410との相対位置や傾きを検出し、かかる検出結果は、把
持爪410の駆動制御部にフィードバックされる。それ故、把持爪410を対象物体Ob
に高速で接近させることができ、ワーク把持動作の高速化を実現することができる。
[光学式センサー装置10の利用例2]
図10を参照して、本発明を適用した光学式センサー装置10を入力装置として用いた
表示装置を説明する。図10は、本発明を適用した光学式センサー装置10を入力装置と
して備えた位置検出機能付き表示装置の構成を模式的に示す説明図であり、図10(a)
、(b)は、位置検出機能付き表示装置の要部を斜め上からみた様子を模式的に示す説明
図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。
図10(a)、(b)に示す位置検出機能付き表示装置100は、投射型表示装置であ
り、液晶プロジェクター、あるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画
像投射装置1200を備えている。かかる画像投射装置1200は、筐体1250の前面
部1201に設けられた投射レンズ1210からスクリーン部材1290に向けて画像表
示光L1を拡大投射する。
本形態の位置検出機能付き表示装置100は、画像が投射される前方空間(スクリーン
部材1290の前方)に設定された検出空間10R内の対象物体Obの位置を光学的に検
出する機能を備えており、検出空間10Rと重なる領域に画像を表示する。本形態の位置
検出機能付き表示装置100では、かかる対象物体ObのXY座標を投射された画像の一
部等を指定する入力情報として扱い、かかる入力情報に基づいて画像の切り換え等を行な
う。
かかる位置検出機能を実現することを目的に、本形態の位置検出機能付き表示装置10
0では、実施の形態1、2を参照して説明した光学式センサー装置10を入力装置として
用い、光学式センサー装置10の透光部材40によってスクリーン部材1290を構成す
る。従って、スクリーン部材290において画像が視認されるスクリーン面は、透光部材
40の第1面41により構成された入力面として利用され、スクリーン部材1290の裏
面側(透光部材40の第2面42)の側には、検出光用の検出用光源12を備えた光源装
置11や光検出器30が配置される。
このように構成した位置検出機能付き表示装置100においては、スクリーン部材12
90に表示された画像を指先等の対象物体Obで指示すると、対象物体Obの座標や傾き
等が検出され、かかる対象物体Obの検出結果を入力情報として扱うことができる。
10・・光学式センサー装置、10R・・検出空間(検出光の出射側空間)、11・・光
源装置、12、12A〜12D・・検出用光源、12R・・参照用光源、30・・光検出
器、40・・透光部材、50・・監視部、51・・XY座標検出部、53・・Z座標検出
部、54・・傾き検出部、Ob・・対象物体

Claims (7)

  1. 対象物体の位置を検出するための検出光を出射する複数の検出用光源を備えた光学式セ
    ンサー装置であって、
    前記検出光の出射側空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する光検
    出器と、
    前記複数の検出用光源を第1出射強度をもって順次点灯させる第1モード、および前記
    複数の検出用光源を前記第1出射強度よりも大の第2出射強度をもって順次点灯させる第
    2モードを行なう光源駆動部と、
    前記第1モードでの前記光検出器の受光結果、および前記第2モードでの前記光検出器
    の受光結果に基づいて前記対象物体の傾きを検出する監視部と、
    を有することを特徴とする光学式センサー装置。
  2. 前記監視部は、前記第1モードでの前記光検出器の受光結果および前記第2モードでの
    前記光検出器の受光結果のうちの少なくとも一方の受光結果に基づいて前記対象物体の位
    置を検出することを特徴とする請求項1に記載の光学式センサー装置。
  3. 前記監視部は、前記対象物体の位置として、前記第1モードでの前記光検出器の受光結
    果に基づいて前記対象物体の第1座標を検出するとともに、前記第2モードでの前記光検
    出器の受光結果に基づいて前記対象物体の第2座標を検出し、前記第1座標と前記第2座
    標との比較結果に基づいて前記対象物体の傾きを検出することを特徴とする請求項2に記
    載の光学式センサー装置。
  4. 前記監視部は、前記光検出器での受光結果に基づいて、前記複数の検出用光源のうちの
    一部の検出用光源と他の一部の検出用光源とを差動させた結果に基づいて前記対象物体の
    位置を検出することを特徴とする請求項3に記載の光学式センサー装置。
  5. 前記出射側空間を介さずに前記光検出器に入射する参照光を出射する参照用光源を備え

    前記監視部は、前記光検出器での受光結果に基づいて、前記複数の検出用光源のうちの
    一部の検出用光源と前記参照用光源とを組み合わせを変えて差動させた結果に基づいて前
    記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項3に記載の光学式センサー装置。
  6. 前記監視部は、前記複数の検出用光源の全てが同時、あるいは順次点灯したときの前記
    光検出器での受光結果に基づいて、前記検出光の出射方向における前記対象物体の位置を
    検出することを特徴とする請求項4または5に記載の光学式センサー装置。
  7. 前記検出光は赤外光であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学
    式センサー装置。
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