JP2011215006A - マイクロチップの製造方法及びマイクロチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な流路パターンを有し、小型化、集積化したマイクロチップにおいて、未接合を防止する脱気孔を配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に配置することができ、また流路パターンに適合するように簡易に配置することができるマイクロチップの製造方法を提供すること。
【解決手段】カバー用基材22をフィルム状とすることにより、相対的に厚いカバー部材を用いる場合に比べて加工性がよく、直径が小さい脱気孔23を容易に形成することができる。また、脱気孔23を成形以外の方法で形成することにより、脱気孔23の形成が比較的容易になる。さらに、フィルム状のカバー用基材22の厚み方向に、接合の際に閉塞可能な0.3mm以下の直径を持つ脱気孔23を設けることにより、配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に所望の位置に脱気孔23を配置することができる。これにより、接合の際の位置合わせを容易にしつつ、効率的に未接合を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、部材の接合面に流路が形成されたマイクロチップの製造方法及び当該製造方法で製造されたマイクロチップに関する。
マイクロチップとして、流路が形成された第1の成形部材である基板と、第2の成形部材であるカバー部材とを接合することで作製される流路構成体が公知となっている(特許文献1参照)。このマイクロチップは、基板の第1の接合面とカバー部材の第2の接合面とを溶融及び加圧することによって接合されたものである。また、このマイクロチップには、接合の際に、第1接合面と第2接合面との間に気泡が残留して未接合となるのを防ぐために、カバー部材の厚み方向や厚み方向に垂直な方向に脱気通路としてそれぞれ貫通孔(脱気孔)や脱気溝を設けている。
特開2007−320280号公報
上記特許文献のようなマイクロチップでは、脱気通路の径の大きさや形状、配置、カバー部材の作製方法等が開示されていない。そのため、複数の流路が近接した複雑な流路パターンを有するような小型化、集積化したマイクロチップでは、カバー部材の厚み方向に垂直方向な脱気溝を設けた場合、流路上に脱気溝がはみ出る、干渉する等の問題が発生する。従って、脱気溝の配置制限やスペース制限が問題となり、カバー部材の厚み方向に脱気孔を設けることが好ましい。
しかし、カバー部材に射出成形による基板を用いる場合、成形時に基板の厚み方向に脱気通路である脱気孔を形成するためには、金型内に脱気孔形成のためのピン状の突起を入れる必要がある。この突起の径で脱気孔の径が決まるが、突起の径の下限に限界があるため、基板の厚み方向に設けた脱気孔の径は流路間隔より大きくなることがある。さらに、射出成形による基板の厚み方向に脱気孔を形成するため、成形の難易度が高くなる。金型内の突起の配置やピンの径を容易かつ自由に変更することは困難であり、所望の位置に脱気孔を自由に配置することは難しい。また、上記のような小型化、集積化したマイクロチップでは、カバー部材の厚み方向に脱気孔を設けても、その径が大きい場合、流路上に脱気孔がはみ出る可能性が考えられる。特に流路が密集した部分では、脱気孔の配置は困難となり、チップ上での配置が流路パターンにより制限される。この結果、所望の位置に脱気孔を設けることができず、このような脱気孔による未接合の防止効果が低下する。さらに、流路を避けるように脱気孔を配置させなければならないため、接合の際の位置合わせが難しくなる。
そこで、本発明は、複雑な流路パターンを有し、小型化、集積化したマイクロチップにおいて、未接合を防止する脱気孔を配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に配置することができ、また流路パターンに適合するように簡易に配置することができるマイクロチップの製造方法及びこれを用いて製造したマイクロチップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るマイクロチップの製造方法は、流路用溝と、流路用溝に連通する導入口とを有する基板を射出成形によって製作する第1工程と、流路用溝を覆うフィルム状のカバー用基材を形成する第2工程と、第2工程後、カバー用基材の厚み方向に貫通する複数の孔を穿孔する第3工程と、基板のうち流路用溝及び導入口が形成された一方の面に設けられた第1接合面と、カバー用基材の一方の面に設けられた第2接合面とを接合する第4工程と、を備える。ここで、フィルム状とは、柔軟性のある薄板を意味する。カバー用基材の厚さは、例えば200μm以下、好ましくは75μm以下である。
上記マイクロチップの製造方法では、カバー用基材をフィルム状とすることにより、相対的に厚いカバー用基材を用いる場合に比べて加工性がよく、直径が小さい脱気孔を容易に形成することができる。つまり、カバー用基材をフィルム状とすることにより、カバー用基材よりも比較的厚い基板に比べて、比較的小さい直径の脱気孔を所望の位置及び形状精度で容易に形成することができる。また、脱気孔を成形以外の方法で形成することにより、脱気孔の形成が比較的容易になる。さらに、フィルム状のカバー用基材の厚み方向に脱気孔を設けることにより、配置制限やスペース制限を受けることなく、さらには流路パターンに適合するように簡易に所望の位置に脱気孔を配置することができる。これにより、接合の際の位置合わせを容易にしつつ、効率的に未接合を防止することができる。
本発明の具体的な態様又は側面では、上記マイクロチップにおいて、第4工程において、溶融及び加圧によって第1接合面と第2接合面とを接合する。この場合、溶融及び加圧によって接合することにより、第1接合面と第2接合面とをより密着させ、安定した接合とすることができる。また、脱気孔の直径が小さいものであれば、接合の際の熱溶融、加圧、及びその後の冷却による収縮により、基板の第1接合面とカバー部材の第2接合面との間にある空気を脱気しつつ脱気孔を閉塞することができる。ここでの閉塞は液漏れが発生しない程度とする。これにより、流路用溝上に脱気孔が配置されたとしても、接合後に脱気孔が閉塞するため、脱気孔からの液漏れを防止することができる。結果的に、脱気孔を配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に配置することができる。そのため、脱気孔の配置レイアウトの自由度が高まり、流路パターンによる配置制限を考慮することなく所望のパターンで脱気孔を設けることができる。さらに、脱気孔を閉塞することを前提としているため、多数の脱気孔を設けることができ未接合を防止する効果も向上する。流路パターンによる配置制限を考慮することなく所望のパターンで脱気孔を設けることができるため、接合時に流路用溝と脱気孔の位置合わせを厳密に行う必要がなくなる。従って、接合の際に基板とカバー部材との位置合わせが簡易となり、接合工程の効率を向上させることができる。
本発明の別の側面では、脱気孔の直径は、5nm以上1mm以下である。ここで、5nmは、接合時の脱気に必要な最低限の大きさである。1mmは、隣接する流路用溝間の上限値となっており、脱気孔と隣接する両流路用溝とが略重ならないようになっている。また、脱気孔の直径が0.3mm以下の場合、溶融及び加圧による接合の際に、脱気孔が閉塞しやすい大きさとなっている。
本発明のさらに別の側面では、孔は、第2接合面側から穿孔して形成される。この場合、脱気孔を穿孔する際に穿孔する加工側の面の反対側にバリが生じても、脱気孔を穿孔する加工側の面は全体的に平坦となっており、第1及び第2接合面を接合しやすくすることができる。
本発明のさらに別の側面では、第4工程後、孔は閉塞する。この場合、流路用溝と脱気孔とが重なっていても、流路用溝上に位置する脱気孔を最終的に閉塞することにより、液漏れを防止することができる。
本発明のさらに別の側面では、カバー部材には、孔が所望のパターンで形成されている。この場合、接合の際に脱気孔を閉塞すれば、さまざまな流路パターンを有する基板のカバー部材として用いることができる。これにより、カバー部材の作製工程を単一化することができ、コストを低減することができる。
本発明のさらに別の側面では、第3工程は、第4工程における基板との接合時、基板の流路用溝上を避けて配置される位置に穿孔する。この場合、脱気孔は、流路用溝付近若しくは未接合が予想される位置に配置される。よって、流路用溝と脱気孔とが重ならず、流路用溝上に脱気孔の閉塞跡が形成されない。これにより、脱気孔の閉塞により分析等が影響を受けやすいマイクロチップの製造に対応することができる。なお、脱気孔が流路用溝上を避けて配置されているため、脱気孔は未閉塞でもよい。
本発明のさらに別の側面では、第1工程において、基板には、流路用溝に連通する液溜め用の凹部が形成される。この場合、基板に液溜め用の凹部を設けることにより、導入口から注入した試験液等の液溜まりとなり、導入口と凹部とを連通する流路用溝に試験液等を容易に満たすことができる。また、凹部において、試薬等を混ぜ合わせ、複雑な分析をすることができる。
本発明のさらに別の側面では、第3工程は、カバー用基材に対してドリリングによる切削、パンチ、レーザ加工、電子ビーム加工のいずれかを用いて孔を穿孔する。この場合、ドリリングによる切削、パンチ、レーザ加工、電子ビーム加工のいずれかを用いて、成形後のフィルム状のカバー用基材に脱気孔を形成することにより、比較的容易に、かつカバー用基材の所望の位置にさまざまな直径の脱気孔を形成することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係るマイクロチップは、流路用溝と、流路用溝に連通する導入口とを有する基板と、フィルム状のカバー用基材の厚み方向に貫通する複数の脱気孔を有するカバー部材と、を備え、基板のうち流路用溝及び導入口が形成された一方の面に設けられた第1接合面と、流路用溝を覆うカバー部材の一方の面に設けられた第2接合面とが接合されている。
上記マイクロチップでは、カバー用基材をフィルム状とすることにより、カバー部材よりも比較的厚い基板に比べて、比較的小さい直径の脱気孔を設けることができる。また、フィルム状のカバー用基材の厚み方向に脱気孔を設けることにより、簡易に所望の位置に脱気孔を配置することができる。これにより、効率的に未接合を防止することができる。
本発明の別の側面では、カバー部材は、基板の流路用溝上に脱気孔の閉塞跡を有する。この場合、流路用溝と脱気孔とが重なっていても、流路用溝上に位置する脱気孔を最終的に閉塞することにより、液漏れを防止することができる。
(A)は、第1実施形態のマイクロチップを説明する正面図であり、(B)は、(A)のマイクロチップのA−A断面図である。 (A)〜(E)は、製造工程中のマイクロチップの状態を説明する図である。 マイクロチップの接合について説明する図である。 第2実施形態のマイクロチップを説明する正面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態であるマイクロチップについて、図面を参照しつつ説明する。
図1(A)及び1(B)に示すように、マイクロチップ100は、流路101に導入された試験液又は気体の分析等を行うバイオチップ等に用いられるものであり、基板10と、カバー部材20とを備える。マイクロチップ100は、詳細は後述するが、基板10とカバー部材20とが接合することによって形成されている。マイクロチップ100は、例えば、内部に形成された流路101内に試験液等を通過させることによって、試験液中に含まれる特定物質を光学的に検出することができる。
マイクロチップ100のうち基板10は、マイクロチップ100の本体部分であり、カバー部材20の下側に配置されている。基板10は、平板状であり、カバー部材20に対向する一方の面11上に、複数の流路用溝12と、各流路用溝12に連通する複数の導入口13と、各流路用溝12に連通する液溜め用の凹部14とを有する。基板10の一方の面11のうち流路用溝12、導入口13、及び凹部14を除く部分は、略平面となっており、カバー部材20の一方の面21と接合するための第1接合面15となっている。基板10の厚さは、例えば1mm〜1.5mmとなっている。基板10の材料は、樹脂であり、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等である。なお、基板10は、射出成形等によって成形される。
流路用溝12は、略直線状であり、基板10の一方の面11上に所定のパターンで複数配置されている。図1(B)に示すように、流路用溝12は、基板10の厚み方向に形成された微小な深さの矩形断面の窪みである。具体的には、流路用溝12の幅は、例えば500μm以下であり、深さは、例えば500μm以下である。流路用溝12は、後述するカバー部材20によって覆われることにより、空洞状の流路101を形成する。
導入口13は、試験液等を流路101内に導く部分である。導入口13は、平面視で略円形であり、基板10の一方の面11上に、この場合、各流路用溝12の一方の端部にそれぞれ連通するように複数配置されている。図1(B)に示すように、導入口13は、基板10の厚み方向に形成された微小な深さの窪みである。具体的には、導入口13の深さは、例えば500μm以下である。
凹部14は、流路101に導入された試験液等を溜めておく部分である。凹部14は、平面視で略円形であり、基板10の一方の面11上に、この場合、各流路用溝12の他方の端部が全て連通するように配置されている。図1(B)に示すように、凹部14は、基板10の厚み方向に形成された窪みである。凹部14を設けることにより、例えば、各導入口13から導入された異なる試薬等を混ぜ合わせ、複雑な分析をすることができる。
カバー部材20は、基板10の流路用溝12等を覆うマイクロチップ100の蓋部分であり、基板10の上側すなわち第1接合面15側に配置されている。カバー部材20は、フィルム状すなわち柔軟性のある薄板であり、カバー用基材22と、複数の脱気孔23と、複数の貫通孔24とを有する。カバー部材20の一方の面21のうち脱気孔23及び貫通孔24を除く部分は、略平面となっており、基板10の第1接合面15と接合する第2接合面25となっている。カバー部材20は、流路用溝12を全て覆うことができるように、基板10と略同形で略同じ大きさとなっている。カバー部材20の厚さは、例えば200μm以下、好ましくは75μm以下となっている。カバー部材20の材料は、基板10と同一の樹脂であり、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等である。基板10とカバー部材20とが同一の材料で形成されていることにより、基板10とカバー部材20とが接合しやすくなっている。なお、カバー部材20は、押出成形やキャスティング成形等によってフィルム状に成形される。
脱気孔23は、基板10とカバー部材20の接合の際に、第1及び第2接合面15,25間に気泡が残留するのを防ぐためのものである。脱気孔23は、略円形であり、カバー用基材22上に略一様のパターンで複数配置されている。図1(B)に示すように、脱気孔23は、カバー用基材22の厚み方向に貫通している。脱気孔23の直径は、5nm以上0.3mm以下、好ましくは0.1μm以上0.3mm以下である。ここで、5nmは、接合時の脱気に必要な最低限の大きさであり、脱気効率と加工効率とを考慮すると、0.1μm以上が好ましい。また、好ましい上限の0.3mmは、隣接する流路用溝12間の距離よりも小さいサイズとなっている。つまり、脱気孔23と隣接する両流路用溝12とが略重ならないようになっている。さらに、脱気孔23の直径が0.3mm以下の場合、溶融及び加圧による接合の際に、フィルム状のカバー部材の溶融と冷却による収縮で脱気孔23が閉塞しやすくなっている。なお、脱気孔23は、ドリリングによる切削、パンチ、レーザ加工、電子ビーム加工等を用いて形成される。
貫通孔24は、基板10の導入口13に試験液等を導入するための開口部分である。貫通孔24は、略円形であり、基板10の導入口13の位置に対応して複数配置されている。図1(B)に示すように、貫通孔24は、カバー用基材22の厚み方向に貫通している。貫通孔24の直径は、基板10の導入口13と略同じ大きさとなっている。貫通孔24は、脱気孔23と同様に、ドリリングによる切削、パンチ、レーザ加工、電子ビーム加工等を用いて形成される。
以上において、マイクロチップ100の構成要素について詳述したが、図1に示すマイクロチップ100は、上記の基板10とカバー部材20とを後述する接合器具を用いて加熱、溶融して第1及び第2接合面15,25を接合することによって形成されている。接合前のカバー部材20には脱気孔23が流路パターンによる配置制限を考慮することなく所望のパターンで形成されているが、脱気孔23の直径が0.3mm以下で小さい場合、脱気孔23は、接合に際しての溶融と加圧により閉塞する。なお、仮に脱気孔23が接合時に閉塞しない場合でも、脱気孔23が流路用溝12上に配置していない場合は、あえて閉塞する必要ない。
以下、マイクロチップ100の製造方法について説明する。
まず、基板10を射出成形機等によって射出成形する第1工程を行う。図示は省略するが、射出成形機等に組み込まれている金型には、基板10の複数の流路用溝12、複数の導入口13、及び液溜め用の凹部14を形成するための凸状の転写面が形成されている。
次に、カバー部材20の本体部分であるフィルム状のカバー用基材22を成形する第2工程を行う。カバー用基材22は、例えば押出成形やキャスティング成形等によって一様な厚みに成形される。
第2工程後、カバー用基材22の厚み方向に貫通する複数の脱気孔23及び複数の貫通孔24を形成する第3工程を行う。これにより、カバー部材20の製作が完了する。具体的には、図1(A)に示すように、カバー用基材22の所望の位置に脱気孔23を流路パターンに配置制限を考慮することなく、所望のパターンで形成する。また、貫通孔24も基板10の導入口13に対応する位置に形成する。ここで、脱気孔23の孔径は、上述のように、例えば0.1μm以上0.3mm以下となっている。脱気孔23及び導入口13は、ドリリングによる切削、パンチ等を用いて形成される。なお、レーザ加工、電子ビーム加工等を用いれば、0.1μmより小さい脱気孔を形成することもできる。
第1、第2、及び第3工程によって基板10とカバー部材20とがそれぞれ作製された後、基板10のうち流路用溝12等が形成された第1接合面15と、カバー部材20の第2接合面25とを接合する第4工程を行う。まず、基板10とカバー部材20とを重ね合わせる。ここで、第3工程において、脱気孔23の形成の際に、脱気孔23を穿孔する加工側Bと反対の面に図2(A)に示すバリ23aが発生する場合がある。このバリ23aが生じた面を第2接合面25とすると、基板10とカバー部材20との間に気泡が発生しやすく、さらには脱気や接合に悪影響が生じる。そのため、バリ23aが生じていない面側、すなわち脱気孔23を穿孔する加工側Bの面をカバー部材20の第2接合面25とする。つまり、脱気孔23等を形成した後、図2(B)に示すように、カバー部材20を反転させ、バリ23aが立っている面を上側(基板10の第1接合面15に対向しない側)にして、基板10とカバー部材20とを貼り合わせる。次に、図3に示すように、基板10とカバー部材20とを貼り合わせた状態で両部材10,20を接合器具30に設置する。接合器具30は、加圧及び加熱が可能なローラー31を有している。ローラー31によって加えられる加重は、基板10の流路用溝12等の形状が崩れることなく、かつカバー部材20の脱気孔23から十分に脱気ができる程度である。このローラー31によって重ね合わせた基板10及びカバー部材20が加圧及び加熱され、カバー部材20の第2接合面25が基板10の第1接合面15に追従するように接合される。この際、ローラー31による加圧により、第1及び第2接合面15,25の接合界面や流路用溝12等の窪みに存在する空気は、カバー部材20に設けた脱気孔23を通じて外気に排出される。また、図2(C)に示すように、脱気と同時に、カバー部材20に生じたバリ23aは、圧力によって脱気孔23が塞がるように変形する。さらに、図2(D)に示すように、ローラー31による加熱により基板10とカバー部材20とが接合されるとともに、バリ23aが溶融し、脱気孔23の中に流れ込む。その後、図2(E)に示すように、冷却による収縮にと溶融で流れ込んだバリ23aの固化によって脱気孔23は液漏れが発生しない程度に閉塞する。脱気孔23が形成されていた部分には閉塞跡26が形成される。
なお、以上において、脱気孔23の形成時にバリ23aが発生しない場合でも、脱気孔23の直径が0.3mm以下と小さいものであれば、接合時の加圧、溶融、及びその後の冷却による収縮によって脱気孔23の閉塞は可能であり、従って流路パターンによる配置制限を考慮することなくカバー部材20に所望のパターンで脱気孔を配置することができる。
以上説明した第1実施形態のマイクロチップ100やマイクロチップ100の製造方法によれば、カバー用基材22をフィルム状とすることにより、相対的に厚いカバー部材を用いる場合に比べて加工性がよく、直径が小さい脱気孔23を容易に形成することができる。つまり、カバー用基材22をフィルム状とすることにより、カバー部材よりも比較的厚い基板に比べて、比較的小さい直径の脱気孔23を所望の位置及びパターン、形状精度で容易に形成することができる。また、脱気孔23を成形以外の方法で形成することにより、脱気孔23の形成が比較的容易になる。さらに、フィルム状のカバー用基材22の厚み方向に脱気孔23を設けることにより、流路101を考慮した配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に所望の位置に脱気孔23を配置することができる。これにより、接合の際の位置合わせを容易にしつつ、効率的に未接合を防止することができる。
また、溶融及び加圧によって接合することにより、第1接合面15と第2接合面25とをより密着させ、安定した接合とすることができる。また、脱気孔23の直径が小さいものであれば、接合の際の熱溶融、加圧、及びその後の冷却による収縮により、基板10の第1接合面15とカバー部材20の第2接合面25との間にある空気を脱気しつつ脱気孔23を閉塞することができる。これにより、流路用溝12上に脱気孔23が配置されたとしても、接合後に脱気孔23が閉塞し、脱気孔23からの液漏れを防止することができる。結果的に、流路101を考慮することなく脱気孔23を簡易に配置することができる。そのため、脱気孔23の配置レイアウトの自由度が高まり、一様なパターンで脱気孔23を設けることができる。さらに、脱気孔23を閉塞することを前提としているため、多数の脱気孔23を設けることができ未接合を防止する効果も向上する。また、接合の際に基板10とカバー部材20との位置合わせを厳密に行う必要がなくなり、接合工程の効率を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るマイクロチップについて説明する。なお、第2実施形態に係るマイクロチップは、第1実施形態を変形したものであり、脱気孔23の閉塞によって分析が影響を受ける場合の実施形態を示している。特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図4に示すように、第2実施形態に係るマイクロチップ200において、カバー部材120のうち脱気孔23は、カバー用基材22上に所定のパターンで複数配置されている。具体的には、脱気孔23は、基板10の流路用溝12上を避けて、未接合が予想される位置や流路付近等に配置される。脱気孔23の直径は、脱気効果も考慮し、各流路用溝12の間隔やスペースから決定され、例えば0.01mm以上1.0mm以下である。ここで、脱気孔23の直径が0.3mmよりも大きくなる場合は、接合時に脱気孔23が閉塞しない可能性がある。しかし、脱気孔23は、流路用溝12を避けて配置されているため、未閉塞のままでもよい。
第2実施形態では、マイクロチップ200の製造方法のうち第3工程において、図4に示すように、カバー用基材22の所望の位置、すなわち基板10の流路用溝12を避けた位置に脱気孔23を形成する。その後、第4工程において、基板10の第1接合面15とカバー部材の第2接合面25とを接合させる。
以上説明した第2実施形態のマイクロチップ200やマイクロチップ200の製造方法によれば、脱気孔23は、流路用溝12上を避けて、流路用溝12付近若しくは未接合が予想される位置に配置される。よって、流路用溝12と脱気孔23とが重ならず、流路用溝12上に脱気孔23の閉塞跡が形成されない。これにより、脱気孔23の閉塞により分析等が影響を受ける場合におけるマイクロチップ200の製造に対応することができる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、さまざまな変形が可能である。例えば、上記実施形態において、流路用溝12、導入口13、凹部14等の大きさ、形状、配置は例示であり、マイクロチップ100の用途に応じて適宜変更することができる。また、流路用溝12を複数配置したが、例えば1つの流路用溝12を蛇行させるように配置してもよい。
また、上記実施形態において、脱気孔23の形状、大きさは、例示であり、脱気が十分に行えるものであればよい。脱気孔23の直径がナノメートルオーダーであっても、第4工程における加圧のスピードを低速にする等により、脱気孔23から脱気をすることができる。
また、第1実施形態において、脱気孔23を一様なパターンで配置するとしたが、脱気孔23が接合時に閉塞し、配置制限やスペース制限を受けることなく簡易に配置できるため、脱気孔23の配置パターンは自由に設計することができる。
また、上記実施形態において、基板10とカバー部材20との接合に用いる接合器具30において、加熱、加圧、及び脱気が行えるものであれば、ローラー31以外のものを用いてもよい。また、基板10とカバー部材20とを加熱して第1及び第2接合面15,25を溶融させながら加圧して両部材10,20を接合したが、基板10とカバー部材20とに光や超音波等のエネルギー線を印加し、第1及び第2接合面15,25を溶融させながら加圧して両部材10,20を接合してもよい。
また、上記実施形態において、基板10とカバー部材20とを接合する前に、カバー用基材22に脱気孔23を穿孔したが、両部材10,20を接合後に、カバー用基材22に脱気孔23を穿孔してもよい。
10…基板、 12…流路用溝、 13…導入口、 14…凹部、 15…第1接合面、 20,120…カバー部材、 22…カバー用基材、 23…脱気孔、 24…貫通孔、 25…第2接合面、 26…閉塞跡、 30…接合器具、 100,200…マイクロチップ、 101…流路

Claims (14)

  1. 流路用溝と、前記流路用溝に連通する導入口とを有する基板を射出成形によって製作する第1工程と、
    前記流路用溝を覆うフィルム状のカバー用基材を形成する第2工程と、
    第2工程後、前記カバー用基材の厚み方向に貫通する複数の孔を穿孔する第3工程と、
    前記基板のうち前記流路用溝及び前記導入口が形成された一方の面に設けられた第1接合面と、前記カバー用基材の一方の面に設けられた第2接合面とを接合する第4工程と、
    を備えることを特徴するマイクロチップの製造方法。
  2. 前記第4工程において、溶融及び加圧によって前記第1接合面と前記第2接合面とを接合することを特徴する請求項1に記載のマイクロチップの製造方法。
  3. 前記孔の直径は、5nm以上1mm以下であることを特徴する請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  4. 前記孔は、前記第2接合面側から穿孔して形成されることを特徴する請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  5. 前記第4工程後、前記孔は閉塞することを特徴する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  6. 前記カバー部材には、前記孔が所望のパターンで形成されることを特徴する請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  7. 前記第3工程は、前記第4工程における前記基板との接合時、前記基板の前記流路用溝上を避けて配置される位置に穿孔することを特徴する請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  8. 前記第1工程において、前記基板には、前記流路用溝に連通する液溜め用の凹部が形成されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  9. 前記第3工程は、前記カバー基材に対してドリリングによる切削、パンチ、レーザ加工、電子ビーム加工のいずれかを用いて孔を穿孔することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のマイクロチップの製造方法。
  10. 流路用溝と、前記流路用溝に連通する導入口とを有する基板と、フィルム状のカバー用基材の厚み方向に貫通する複数の脱気孔を有するカバー部材と、を備え、基板のうち前記流路用溝及び前記導入口が形成された一方の面に設けられた第1接合面と、前記流路用溝を覆う前記カバー部材の一方の面に設けられた第2接合面とが接合されているマイクロチップ。
  11. 前記脱気孔の直径は、5nm以上1mm以下であることを特徴する請求項10に記載のマイクロチップ。
  12. 前記カバー部材には、前記脱気孔が所望のパターンで形成されていることを特徴する請求項10及び請求項11のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
  13. 前記脱気孔は、前記基板の前記流路用溝上を避けて配置されていることを特徴する請求項10及び請求項11のいずれか一項に記載のマイクロチップ。
  14. 前記第1工程において、前記基板には、前記流路用溝に連通する液溜め用の凹部が形成されることを特徴とする請求項10から請求項13までのいずれか一項に記載のマイクロチップ。
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CN105050942A (zh) * 2013-03-14 2015-11-11 索尼达德克奥地利股份公司 微流体装置
JP2016529116A (ja) * 2013-06-28 2016-09-23 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation 分離可能なチップを有するマイクロ流体チップ・パッケージ又は組立体の製造

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