JP2011212734A - 継目無管製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】穿孔直前のプラグ温度(プラグ初期温度Tp0)を300℃以上600℃未満の範囲となるよう、使用前のプラグを加熱または冷却する。より具体的には、1本のみの素材の穿孔または順次穿孔圧延される複数本の素材うちの1本目の穿孔に使用するプラグに対し、常温程度から加熱してプラグ初期温度を300℃以上600℃未満の範囲内に収める。この加熱手段としては、炉加熱、バーナ加熱などのいずれであってもよい。また、順次穿孔圧延される複数本の素材のうちの1本目の穿孔に使用した後さらに2本目以降の穿孔にも使用するプラグに対し、1本目以降の穿孔で高温となったプラグを2本目以降の各穿孔に使用する前に冷却してプラグ初期温度を300℃以上600℃未満の範囲内に収める。
【選択図】図4
Description
また、前記内面疵は主として回転鍛造効果、いわゆるマンネスマン割れに起因するものであるが、マンネスマン割れの抑制には、例えば3ロール穿孔が有効であること(非特許文献1)や、コーンタイプロールを用いたマンネスマン穿孔(別称:交叉角穿孔)でもある程度抑制できること(非特許文献2)が知られている。
図2に概念図を示すように、穿孔圧延での内面疵は、被圧延材に加えられた加工歪ε1が回転鍛造効果限界(マンネスマン割れが発生する加工歪領域の下限)εC未満であれば発生せず、ε1がεC以上であれば発生する。
一方、被圧延材の先端部では次のような傾向が強い。(1)噛み込み時のスリップなどによる圧延方向の速度低下によりε1が高くなる。(2)通常、プラグは初期には低温であるため、被圧延材の先端部ではプラグとの接触による抜熱が大きく温度Tが下がり、延性が低下してεCは低下する。なお、素材が直鋳材であるか、あるいは直鋳材を圧延したものであってもその圧延による断面減少率が小さい場合、先端部に限らず全長にわたって、εCは低くなる。
また、図3に概念図を示すように、被圧延材には内面疵が発生しない温度域TNDが存在する。温度域TNDより低温側の温度域TD1では同じ相での温度低下に伴う延性低下によりε1≧εCとなって内面疵が発生する。例えば加工温度(プラグ先端部で穿孔されつつある被圧延材部位の温度の意、以下同じ)Twが、圧延先端からある距離までの部分において温度域TD1に入るような温度Tw1となる場合、その部分が内面疵発生域A1となる。また、温度域TNDより高温側の温度域TD2では相変態に伴うゼロ延性域に起因した加工性劣化域に到達し、ε1≧εCとなって内面疵が発生する。例えば被圧延材温度Twが、圧延後端からある距離までの部分において温度域TD2に入るような温度Tw2となる場合、その部分が内面疵発生域A2となる。一方、プラグ4は被圧延材の後端にいくほど被圧延材からの入熱が累積するから圧延先端からの距離が大きいほどプラグ温度Tpは高くなるが加工温度Twよりは低く、また、被圧延材はプラグによって先端側ほど大きく抜熱されるから圧延後端からの距離が大きいほど加工温度Twは低くなるがプラグ温度Tpよりは高い。そして、プラグ初期温度Tp0がある上限を超えない範囲で高いほどTwとTpの差は小さく、かつ圧延先端と後端でのTwの差は小さくなる。したがって、プラグ初期温度Tp0をある適正な範囲に制御することにより、加工温度Twを被圧延材全長にわたって内面疵が発生しない温度域TNDに保つことができる。
(1)丸断面鋼材を素材とする被圧延材を2つのロールで拘束し該ロールの傾動あるいは傾斜により推進して圧延しつつ、前記ロール間隙内の素材軸心部通過位置に配置したプラグで穿孔する穿孔圧延工程を有する継目無管製造方法において、プラグの先端から全長の30%以内の範囲の平均表面温度で定義されるプラグ温度を、穿孔直前におけるプラグ温度値が300℃以上600℃未満の範囲内となるように制御することを特徴とする継目無管製造方法。
(2)前記プラグ温度の制御は、1本のみの素材の穿孔または順次穿孔圧延される複数本の素材のうちの1本目の穿孔に使用するプラグに対し、使用前のプラグを加熱することにより行うことを特徴とする(1)に記載の継目無管製造方法。
(3)前記プラグ温度の制御は、順次穿孔圧延される複数本の素材のうちの1本目の穿孔に使用した後さらに2本目以降の穿孔にも使用するプラグに対し、使用前のプラグを水冷時間調整により冷却することにより行うことを特徴とする(1)または(2)に記載の継目無管製造方法。
(4)前記素材とする丸断面鋼材は、連続鋳造ままの、あるいは連続鋳造後に断面積減少率10%以下で圧延されてなる、丸断面鋼材であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の継目無管製造方法。
プラグ初期温度を300℃以上600℃未満に限定した理由は、図3から説明される。図3において、プラグ初期温度Tp0が300℃未満では、加工温度Twが温度域TNDを下回る圧延先端からの長さ部分A1が長くなって、内面疵の発生を抑制する効果に乏しくなる。プラグ初期温度Tp0が600℃以上になると、加工温度Twが温度域TNDを上回る圧延後端からの長さ部分A2が長くなって、内面疵の発生を抑制する効果に乏しくなることに加え、プラグ寿命が大幅に低下して再使用不能となる。
2 回転式加熱炉
3 ピアサー(傾斜ロール式穿孔圧延機)
4 プラグ(穿孔用)
9,11,13 プラグ(管内面拘束用)
5 マンネスマン-マンドレルミル
6 マンドレルバー
7 ウォーキングビーム式加熱炉
8 エロンゲータ
10 プラグミル
12 リーラー
14 ストレッチレデューサ
15 サイザー(サイジングミル)
16 冷却床
100 製品(継目無鋼管)
Claims (4)
- 丸断面鋼材を素材とする被圧延材を2つのロールで拘束し該ロールの傾動あるいは傾斜により推進して圧延しつつ、前記ロール間隙内の素材軸心部通過位置に配置したプラグで穿孔する穿孔圧延工程を有する継目無管製造方法において、プラグの先端から全長の30%以内の範囲の平均表面温度で定義されるプラグ温度を、穿孔直前におけるプラグ温度値が300℃以上600℃未満の範囲内となるように制御することを特徴とする継目無管製造方法。
- 前記プラグ温度の制御は、1本のみの素材の穿孔または順次穿孔圧延される複数本の素材のうちの1本目の穿孔に使用するプラグに対し、使用前のプラグを加熱することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の継目無管製造方法。
- 前記プラグ温度の制御は、順次穿孔圧延される複数本の素材のうちの1本目の穿孔に使用した後さらに2本目以降の穿孔にも使用するプラグに対し、使用前のプラグを水冷時間調整により冷却することにより行うことを特徴とする請求項1または2に記載の継目無管製造方法。
- 前記素材とする丸断面鋼材は、連続鋳造ままの、あるいは連続鋳造後に断面積減少率10%以下で圧延されてなる、丸断面鋼材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の継目無管製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010085252A JP2011212734A (ja) | 2010-04-01 | 2010-04-01 | 継目無管製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010085252A JP2011212734A (ja) | 2010-04-01 | 2010-04-01 | 継目無管製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011212734A true JP2011212734A (ja) | 2011-10-27 |
Family
ID=44943031
Family Applications (1)
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JP2010085252A Pending JP2011212734A (ja) | 2010-04-01 | 2010-04-01 | 継目無管製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011212734A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20150125630A1 (en) * | 2012-04-19 | 2015-05-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method for producing a plug for hot tube-making |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60124405A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-03 | Kawasaki Steel Corp | 中空素管の穿孔圧延方法 |
-
2010
- 2010-04-01 JP JP2010085252A patent/JP2011212734A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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JPS60124405A (ja) * | 1983-12-09 | 1985-07-03 | Kawasaki Steel Corp | 中空素管の穿孔圧延方法 |
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US20150125630A1 (en) * | 2012-04-19 | 2015-05-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Method for producing a plug for hot tube-making |
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