JP2011206050A - 豚用飼料及びその給与方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】豚の分娩成績の改善あるいは出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法及びそのための飼料を提供する。
【解決手段】補酵素Qを豚に投与する、豚の分娩成績の改善方法あるいは出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法。好ましくは、妊娠の特定期間、特に、交配後1ヶ月及び/または妊娠後期の母豚に少なくとも1ヶ月間補酵素Qを投与することで、豚の分娩成績の改善または、出生以降の子豚の成長・生産性の向上が期待できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、補酵素Qを用いた、豚の分娩成績を改善させる方法又は出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法、そのための飼料、または飼料の給与方法に関する。
豚の分娩成績を改善させる方法、あるいは出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法については、既にいくつかの報告がある。例えば、L−トリプトファンを必要要求量よりも0.001〜0.1重量%多く添加した配合飼料を母豚に与えた場合、死産、未熟豚の減少及び離乳頭数の増加、さらに離乳時の子豚の平均体重に有意差が見られ、発情再起日数も約3日短縮され、発情状態も良好となっているとの報告がある(特許文献1)。
また有機酸及び/または有機酸含有物を母豚に給与すると、子豚が順調に成育し、育成率、離乳後の増体重が向上し、最終的な出荷日数の短縮も図れ、母豚の次回の発情再起日数も短縮できるとの報告もある(特許文献2)。さらに、グアーガム酵素分解物を飼料に添加することにより、妊娠豚の健康を増進させ、生まれる子豚の生存率やその成長を高める効果があるという報告もある(特許文献3)。また、還元型葉酸を含有した飼料により、血漿中の活性型葉酸値が増大し、受精により母豚胎内の胎児を出産させる繁殖効率が改善されるという報告もある(特許文献4)。
一方、補酵素Qは、細菌から哺乳動物まで広く生体に分布する必須成分であり、生体内の細胞中におけるミトコンドリアの電子伝達系構成成分として知られている。補酵素Qの生理的作用としては、ミトコンドリア賦活作用による生体のエネルギーであるアデノシントリ燐酸(ATP)の生合成、心機能の活性化、細胞膜の安定化効果、抗酸化作用による細胞の保護効果等が知られている。
補酵素Qは種々の用途での使用が知られており、例えば、酸化型補酵素Q10はその心臓に対する効果から鬱血性心不全薬として用いられている。医薬用途以外でも、ビタミン類同様、栄養剤、栄養補助剤として経口的に使用されている。
補酵素Qを家畜・家禽等経済動物の飼料成分として用いるという試みは、1960年代より報告されている。例えば、補酵素Qを飼料、特に鶏の飼料として用いることで、鶏の体重増加が認められたとの報告がある(特許文献5)。さらに、補酵素Qは飼料添加剤として有用な化合物としても報告されている(特許文献6)。また、補酵素Qにはブロイラー用の腹水防止効果も知られており、具体的には飼料・飲料中に補酵素Q9を20ppm含有させることで腹水症の発生率を低下させ、育成率も高いことが示されている(特許文献7)。
特開昭58−201950号公報 特許第2915166号公報 特開平7−8183号公報 特許第3417084号公報 英国特許第918409号公報 特許第1150424号公報 特許第3515140号公報
上記のような、豚の分娩成績の改善や出生以降の子豚の成長・生産性向上に関する従来の報告では、その効果が不十分であったり、実用的な方法でないなど、要求される課題を総合的に解決しうるものではなく、そのため、実農場でコンスタントに採用されるような完成された技術とは言い難いものであった。従って、生存頭数や離乳頭数で母豚1頭あたり、少しでも多くの数の子豚を確実に出産させ、さらには離乳まで確実に生存させる技術が強く求められていた。
本発明が解決しようとしている課題は、豚の分娩成績の改善や出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法及びそのための飼料を提供することである。
上記課題を解決するために検討した結果、補酵素Qを母豚の妊娠中の特定の時期に投与することにより、豚の分娩成績が改善できるだけでなく、出生以降の子豚の成長や生産性をも確実に向上させることができることがわかった。すなわち、本発明は、補酵素Qを母豚に投与することを特徴とする、豚の分娩成績の改善または出生以降の子豚の成長・生産性の向上方法に関する。また本発明は、補酵素Qを20ppm以上含有する母豚用飼料にも関する。
本発明により、従来、多産でかつ未熟な状態で出産を行うために死産や出産後の子豚の死亡率が高かった養豚の分娩成績を向上させ、また、生まれた子豚の成長速度や離乳率を高めることができ、さらには母豚の利用率をも高めることができる。本発明の方法及び飼料は、豚の生産性の向上に寄与し、豚の健康状態の改善に伴う福利厚生(アニマルウェルフェア)にも寄与することができる。
以下、実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明は、補酵素Qを豚に投与することを特徴とする、豚の分娩成績の改善、または出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法である。
本発明における豚の分娩成績の改善とは、発情再帰日数、受胎率、産子数、泌乳量、生まれた子豚の生存率(あるいは生存頭数)等の、母豚に対する総合的な分娩成績の改善成果のことをいう。具体的には、補酵素Qを母豚に投与することによって、母豚の発情再帰日数の短縮、受胎率の向上、産子数の増加、生存頭数の増加、泌乳量の増加、生産性が低下しない妊娠の回数の増加、出産回転数の向上や、生まれた新生児豚の白子・ミイラ数の減少、出生時体重の増加等が期待できる。
また、本発明における出生以降の子豚の成長・生産性の向上とは、生まれた子豚の哺乳開始数の増加、離乳頭数の増加、離乳後事故頭数の減少、離乳後淘汰頭数の減少、飼料要求率の向上、増体重の向上及びそれに付随する離乳時体重の向上、下痢回数の減少等、生まれた子豚に対するその成長や生産性の成績の改善効果のことをいう。
本発明において補酵素Qを投与する対象となる豚とは、その生産物を人が利用するために飼育管理している経済動物、及び実験動物としての豚をいう。本発明においては、補酵素Qを、好ましくは母豚に投与することを特徴とする。この場合の母豚としてはいわゆる繁殖用として飼育されている、最初の種付け(交配)が行われた全ての雌豚をさす。投与時期としては特に限定されないが、妊娠前(交配前)及び妊娠中の特定の時期に投与するのが好ましく、妊娠中の特定の時期に投与するのがより好ましく、なかでも交配後(妊娠初期)または妊娠後期がさらに好ましい。種付け前後に補酵素Qを投与する場合、例えば、交配前の少なくとも3日、好ましくは1週間、交配後の少なくとも1週間、好ましくは2週間、さらに好ましくは1ヶ月間などの期間が適宜選択できる。なかでも交配後の1ヶ月間、すなわち妊娠初期に相当する時期の母豚に、補酵素Qを投与することで、生まれた子豚の成長・生産性の向上、特に離乳頭数を増加させることができるため好ましく、その場合の投与期間としては1ヶ月以上がより好ましい。また、妊娠後期に投与する場合は、例えば、少なくとも出産1ヶ月前〜出産時、好ましくは出産2ヶ月前〜出産時、より好ましくは出産3ヶ月前〜出産時等の時期が選択できる。少なくとも妊娠中期または妊娠後期のいずれか、特に妊娠後期にあたる出産1ヶ月前〜出産時の母豚に補酵素Qを投与することで、生まれた子豚の成長・生産性の向上、特に離乳時体重を増加させることができるため好ましい。
本発明においては、後述する実施例に示されるように、授乳中の母豚や出生した子豚に補酵素Qを投与しなくとも、妊娠時期の母豚に補酵素Qを投与するだけで、その後の生まれた子豚の成長や生産性を向上されることができるという驚くべき効果を有しているが、もちろん授乳中の母豚や出生した子豚に補酵素Qを投与する事を制限するものではない。授乳中の母豚に補酵素Qを投与することでも、投与された母豚の母乳を摂取している子豚の成長・生産性を向上させることもできるし、補酵素Qを投与された母豚より出生した子豚に、さらに補酵素Qを投与することでもより高い子豚の成長・生産性の向上を図ることもできる。この場合の投与時期としては特に限定されず、離乳前(哺乳期)、離乳後のいずれであってもよい。子豚としては、概ね出産後3ヶ月までの時期をいうが、その後の肥育時期にも続けて補酵素Qを投与しても構わない。
本発明において用いられる補酵素Qは、化学合成品、発酵品、天然物からの抽出物等、形態を問わず使用することができる。例えば補酵素Qを含有する微生物(酵母、細菌等)そのもの、あるいはその粗精製物でもよく、また、これらから補酵素Qを精製したものでもよく、精製の程度も制限されない。最終的に飼料に混合される補酵素Qが一定量以上あればよい。補酵素Qには、酸化型と還元型が存在するが、本発明で用いられる補酵素Qは、酸化型、還元型のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。混合物の場合、それらの混合割合は特に制限されない。また、本発明で使用する補酵素Qとしては、補酵素Q10が好ましい。
本発明において、補酵素Qを豚に投与する方法としては特に限定されず、補酵素Qを飼料に添加・混合する方法や、飲料に添加する方法、あるいは別途補酵素Qを含有する製剤などを直接豚に摂取させる方法などが挙げられる。このなかでも補酵素Qを飼料に添加・混合し、該飼料を豚に給餌する方法が簡便で好ましい。すなわち、補酵素Qを含有する飼料、特に、補酵素Qを含有する母豚用飼料または補酵素Qを含有する子豚用飼料も本発明の態様の一つである。
本発明で補酵素Qを添加混合するための、豚用飼料の原料は、特に制限されることがなく、一般に用いられている原料が使用される。そのような原料として、例えば、穀類(とうもろこし、マイロ、大麦、小麦等)、糟糠類(ふすま等)、植物性油粕類(大豆油粕、菜種油粕等)、動物性飼料(魚粉、骨肉粉等)、食塩、オリゴ糖類、ケイ酸、各種ビタミン類、ミネラル類(炭酸カルシウム、第2リン酸カルシウム等)、アミノ酸類及び有機酸類等が挙げられる。またこれら原料があらかじめ混合された市販の混合飼料を用いることもできる。
上記豚用飼料原料への補酵素Qの添加方法については、特に制限されるものではない。補酵素Qを直接飼料原料に添加混合してもよく、また、必要に応じて補酵素Qを添加あるいは含有する飼料添加物やプレミックスを、飼料原料に添加して、本発明の補酵素Q含有飼料としてもよい。この場合の飼料添加物やプレミックスの主原料としては、生菌剤(例えば、エンテロコッカス類、バチルス類、ビフィズス菌類)、抗酸化剤(例えば、エトキシン、ジブチルヒドキシトルエン等)、防かび剤(例えば、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム等)、粘結剤(例えば、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロース等)、乳化剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等)、アミノ酸(例えば、DL−アラニン、L−アルギニン、塩酸L−リジン等)、ビタミン類(例えば、L−アスコルビン酸、β−カロチン等)、ミネラル(例えば、塩化カリウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウム等)、色素(例えばアスタキサンチン、カンタキサンチン等)、酵素(例えばアミラーゼ、フィターゼ、リパーゼ等)が挙げられるが、これらに限定されない。
上記本発明の飼料中における補酵素Qの含有量は、本発明の効果を得られる量であれば特に限定されないが、例えば10ppm以上、好ましくは20ppm以上、より好ましくは40ppm以上、さらに好ましくは60ppm以上、特に好ましくは100ppm以上である。上限は特に限定されないが、経済的観点からは、400ppm程度が妥当であり、300ppm程度でも十分に効果は得られる。また、投与時期や投与対象によって、これら含有量を調整することもできる。例えば、交配後の妊娠初期及び/または妊娠後期における飼料中の補酵素Qの含有量を多く(例えば60ppm以上、好ましくは100ppm以上)、それ以外の時期は少なく(例えば20ppm程度)することもできる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(1)試験方法
実生産農場の母豚約160頭を用い、試験群については、補酵素Q10を通常の母豚用飼料(妊娠期は「エコブリード」、授乳期には「エコリター」)に添加したもの(全飼料中の補酵素Q10濃度は60ppm)を給与した。該飼料の試験期間は8ヶ月間とし、該期間中すべての母豚に一斉に給与し、一斉に給与を停止し、試験期間前後については、通常の母豚用飼料のみを与えた。妊娠期の母豚への給与では、豚の妊娠期間が114日間、出産後次の妊娠までの期間が約31日であることから、該試験により、例えば妊娠後半の特定時期、妊娠期間中通期、及び交配時前後や交配時から妊娠前半などの、妊娠期や授乳期等の異なる様々な母豚のステージで補酵素Q10が投与されたことになる。母豚の飼育管理は通常通りの方法で行った。
また、補酵素Q10が母豚用飼料と混合できているか否かを確認するために、試験期間において、試験用の補酵素Q10含有飼料を調製してから1週間後に、別々の餌箱3箇所から100g程度ずつ飼料のサンプリングを行い、飼料中の補酵素Q10の分析を行った。
さらに、授乳時期の母豚の母乳中のQ10含量を調べるために、50mlのディスポチューブに、補酵素Q10を与えている時期と与えていない時期の授乳中の母豚6頭から豚乳の初乳(1日目)約15mlを採取し、補酵素Q10の分析及び補酵素Q10の還元型と酸化型の比率の分析を、HPLCを用いて行った。
(2)試験結果
試験期間中の餌箱の補酵素Q10含有飼料中の補酵素Q10の分析を、HPLCを用いて行った結果、飼料中の補酵素Q10濃度は、少なくとも40ppm以上含有されていることが確認できた。一方補酵素Qを添加しない通常の飼料中の補酵素Q濃度は0ppmであった。このことから、補酵素Q10は母豚用飼料に確実に混合されていると判断した。
また分析の結果、補酵素Q10を給餌した母豚の初乳中のQ10含量は、補酵素Q10を投与しない時期に比べて明らかに高い数字を示した。
また、補酵素Q10を母豚に投与しない時期と比べて、補酵素Q10を投与した時期では、産子数の向上、白子・黒子率の低下、生まれた子豚の哺乳開始数と離乳頭数の増加が確認できた。
さらに、本試験の母豚から生まれた子豚は、通常の飼育の場合と比べて、生後3週目での体重が重く、かつ、下痢も少なく順調に育っていた。
補酵素Q10を給与された母豚産子の離乳後子豚及びその後の肥育期を通した生産性向上に関する実施例を以下に示した。
(1)試験方法
実施例1の試験において補酵素Q10を給与された母豚が産んだ子豚に、離乳期(人工乳期、中期)までは、約80ppm分の補酵素Q10を通常飼料(人工乳期では「ヘルシーピッグ」、中期では「ウィニーダッシュ」)に添加し、子豚期から出荷まででは、40ppm分の補酵素Q10を通常飼料(子豚前期では「テイクファイブ」、子豚後期では「のびたくん」、肥育期では「NIC肉豚EX」)に添加した。豚の飼育管理は通常通りの方法で行った。いずれの場合も、補酵素Q10を添加しない対照群を取り、通常通りの飼育管理を行った。
(2)試験結果
補酵素Q10を投与された子豚の母豚1頭当りの離乳頭数は、対照群に比べて増加した。
(1)試験方法
実生産農場の母豚を用いて、妊娠中期及び後期に補酵素Q10を投与した場合の出生以降の子豚の成長・生産性向上に対する影響について評価を行った。試験群A〜Dについては、通常の母豚用飼料(粗たん白質15.0%以上、粗脂肪2.0%以上、粗繊維5.0%以下、粗灰分8.0%以下、カルシウム0.6%以上、りん0.4%以上、TDN74.0%以上)に補酵素Q10を100ppmまたは400ppmの濃度となるように添加したものをそれぞれ妊娠中期(試験群A、B)と妊娠後期(試験群C、D)に給与し、それ以外の時期には通常の母豚用飼料のみを給与した。対照群については、妊娠全期を通じて通常の母豚用飼料のみを給与した。ここで、妊娠中期とは、種付け後39日目から76日目までの期間とし、妊娠後期とは、種付け後77日目から出産までの期間(約38日間)とした。試験は約5ヶ月半の期間で実施した。なお、授乳時の母豚及び生まれた子豚に対しては補酵素Q10を給与しなかった。母豚頭数としては、対照群及び各試験群で、1回の試験で5頭を用い、同一試験を3回繰り返すことで、各群において合計15頭ずつをその試験対象とした。試験対象となる母豚は初産豚を用いず、産次数で2産から10産までの母豚を用いた。補酵素Q10は株式会社カネカ製の酵母由来の純品を用い、脱脂米糠に1/60の濃度となるように混合したものを補酵素Q10含有プレミックスとして用いて、上記濃度となるように大さじスプーン(15g/杯)を使って通常の母豚用飼料に添加、混合したものを常法通り給与した。母豚への給与飼料量は各群とも平均2.5kg/日であった。そのほか、母豚や生まれた子豚の管理方法は、実生産農場の工程管理基準に従って行い、各群について生まれた子豚の出生時体重と離乳時体重等について、評価した。
(2)試験結果
各群の生まれた子豚の1頭あたりの離乳時体重の結果を表1に示す。その結果、補酵素Q10を妊娠中期や後期に100〜400ppm給与することで、離乳時体重を着実に増加させることができること、さらにその効果は妊娠後期に補酵素Q10を給与した場合に特に優れていることが確認された。なお、今回、これら各試験群において出生時の体重は対照群とあまり変わりなかったことから、妊娠期の母豚に補酵素Q10を給与し、出生後は通常の条件で飼育しても離乳時の子豚の体重を増加させ得ることは、これまでに全く知られていない驚くべき効果といえる。なお、補酵素Q10を妊娠中期や後期のみに給与するだけでなく、妊娠通期に補酵素Q10を給与することでもよりよい効果が期待できると考えられる。
Figure 2011206050
(1)試験方法
実生産農場の母豚を用い妊娠初期に補酵素Q10を投与した場合の分娩成績の改善及び出生以降の子豚の成長・生産性向上に対する影響について評価を行った。試験群E〜Gについては、通常の母豚用飼料(粗たん白質15.0%以上、粗脂肪2.0%以上、粗繊維5.0%以下、粗灰分8.0%以下、カルシウム0.6%以上、りん0.4%以上、TDN74.0%以上)に補酵素Q10を100ppmの濃度となるように添加したものを、それぞれ妊娠初期(試験群E)、妊娠中期(試験群F)、妊娠後期(試験群G)に給与し、それ以外の時期には通常の母豚用飼料のみを給与した。対照群については、妊娠全期を通じて通常の母豚用飼料のみを給与した。ここで、妊娠初期とは種付けから38日目までの期間、妊娠中期とは種付け後39日目から76日目までの期間、妊娠後期とは、種付け後77日目から出産までの期間(約38日間)とした。なお、妊娠の有無は通常種付け後25日ないし26日でエコー検査により確認できるが、今回の試験では、種付け後妊娠を確認することなく試験給与を開始し、後日、妊娠の有無を確認して妊娠していない豚を試験から除外した。なお、授乳時の母豚及び生まれた子豚に対しては補酵素Q10を給与しなかった。母豚頭数としては、対照群及び試験群で、1回の試験で5頭を用い、同一試験を3回繰り返すことで、各群において合計15頭ずつをその試験対象とした。試験対象となる母豚は初産豚を用いず、産次数で2産から10産までの母豚を用いた。補酵素Q10は株式会社カネカ製の酵母由来の純品を用い、脱脂米糠に1/60の濃度となるように混合したものを補酵素Q10含有プレミックスとして用いて、上記濃度となるように大さじスプーン(15g/杯)を使って通常の母豚用飼料に添加、混合したものを常法通り給与した。母豚への給与飼料量は各群とも平均2.5kg/日であった。そのほか、母豚や生まれた子豚の管理方法は、実生産農場の工程管理基準に従って行い、各群の母豚1頭あたりの生まれた子豚の数(産子数)、うち生きて生まれた子豚の数(生存頭数)、離乳時まで生存した子豚の数(離乳頭数)について、評価した。
(2)試験結果
各群の生まれた子豚の離乳頭数の結果を表2に示す。その結果、補酵素Q10を妊娠中に給与することで、離乳頭数を増加させることができること、さらにはその効果は妊娠初期に投与した場合に特に顕著であり、母豚1頭あたりの平均値として1頭以上の増加が確認された。ここで離乳頭数の1頭増加という効果は、養豚産業において、十分に経済的メリットが見込める驚くべき結果である。なお、妊娠初期に補酵素Q10を100ppm投与した群では、離乳頭数の増加という出生以降の子豚の成長・生産性の向上だけでなく、産子数、生存頭数においても、対照群に比べて1頭以上頭数が多い結果となり、分娩成績の改善効果も確認された。
Figure 2011206050

Claims (12)

  1. 補酵素Qを豚に投与することを特徴とする、豚の分娩成績の改善または出生以降の子豚の成長・生産性を向上させる方法。
  2. 母豚に補酵素Qを投与する、請求項1記載の方法。
  3. 妊娠時期に補酵素Qを投与する、請求項2の方法。
  4. 少なくとも交配後1ヶ月間、妊娠中の母豚に補酵素Qを投与する請求項2記載の方法。
  5. 少なくとも出産前の1ヶ月間、母豚に補酵素Qを投与する請求項2記載の方法。
  6. 授乳中の母豚に補酵素Qを投与する請求項2記載の方法。
  7. さらに出産後の子豚に補酵素Qを投与する請求項2〜6いずれか1項記載の方法。
  8. 分娩成績の改善が、産子数の増加または生存頭数の増加である請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
  9. 出生以降の子豚の成長・生産性の向上が、離乳頭数の増加、増体重の向上、または離乳時体重の増加である請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
  10. 補酵素Qを含有する飼料を母豚に投与する請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
  11. 補酵素Qが酵母由来である請求項1〜10いずれか1項記載の方法。
  12. 補酵素Qを20ppm以上含有する母豚用飼料。
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