JP2000053565A - 遺伝的に改良された家畜・家禽の生産病の予防および改善 - Google Patents

遺伝的に改良された家畜・家禽の生産病の予防および改善

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JP2000053565A
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遺伝的に改良された家畜や家禽において、暑
熱や寒冷ストレスなどによる生産病の予防剤および改善
剤の提供。 【解決手段】 キノン類、特に補酵素Q6 〜補酵素Q10
よりなる、遺伝的に改良された家畜・家禽の暑熱や寒冷
ストレスなどによる生産病の予防剤および改善剤。キノ
ン類をペレットの形態で飼料添加物として飼料に混合、
あるいはキノン類を混合した飼料をペレット状に加工給
与すると飼料中での安定性が高く、効果的に各種生産病
を予防、改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝的に改良され
た家畜および家禽の各種生産病の予防剤および改善剤、
ならびに生産病の予防方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の畜産業は家畜・家禽の増体重、産
子数、産卵数、卵重、卵質、乳量、乳質、肉質および飼
料要求率の改善等の生産目的に合わせて、遺伝的な育種
改良が行われてきた。また、これらの遺伝能力を生産目
的に合わせて最大限に引き出すため、飼料、畜舎、飼育
管理技術、衛生コントロール等の改善、改良が行われて
きた。特に飼料の成分および衛生コントロールによる管
理は目を見張るものがある。衛生コントロールはワクチ
ン・プログラムの徹底、消毒の徹底により病原菌による
疾病は年々低下している。
【0003】しかし、遺伝的な改良に伴って、家畜・家
禽は環境による影響を受け易くなり、生産病(Productio
n Disease)と呼ばれる疾病が年々増加している。
【0004】例えばブロイラーでは増体能力の向上を目
指した育種および飼養管理技術の開発が進展し、毎年約
6%の割合で体重が増加し、脂肪の過剰蓄積がみられる
ようになった(表1、図1)。一方、予想されなかった
弊害が種々発生しており、例えば脂肪肝、脚弱、ポック
リ病、夏期の熱死、飼料摂取量と増体重の減少などの代
謝、循環、呼吸器の異常による疾病、冬期の飼料要求率
の上昇、腹水症(WaterbellyまたはAscites )と呼ばれ
る疾病、呼吸器病の発生の多発が経済的に大きな損失を
もたらしている。
【0005】
【表1】
【0006】産卵鶏では産卵率の向上を目指した育種お
よび飼養管理技術の改良に伴い、夏期の熱死、産卵率の
減少および卵質の低下等が問題となっている。豚では増
体能力の向上(表2)、産子数の増加を目指した育種が
進展したが、抗病性の低下 (肺炎、下痢等) 、肉質の低
下をもたらしている。乳牛では泌乳能力の向上を目指し
た(表3)結果、抗病性の低下 (乳房炎、肺炎、下痢
等) 、乳質の低下を引き起こしている。また、肉牛にお
いては新生牛の死亡率の高さが問題となっている。
【0007】
【表2】
【0008】
【表3】
【0009】以上の生産病を防止するために、夏期は畜
舎構造を変えたり、散水、送風、制限給餌、給与飼料の
改善および管理技術の改善等が行われている。冬期は防
風、断熱、給温等の防寒対策や制限給餌等技術の改善が
行われている。また、暑熱、寒冷などのストレス対策と
してビタミンCを与えることなどが検討されてきたが、
期待されるほどの効果はないとされている。
【0010】特開平6-287136号公報および特開平7-1239
28号公報には、キノン類をブロイラーの腹水症、突然死
症候群の予防に使用することが記載されている。しか
し、それ以外の生産病の予防および治療については何ら
開示していない。例えば、遺伝的に改良された家畜や家
禽における暑熱による生産病の予防もしくは改善、感染
症に対する抵抗性の低下の防止、産卵鶏における産卵率
の低下の防止、あるいは暑熱、寒冷ストレスによる生産
性の低下防止に関して示唆されていない。
【0011】また、上記公報記載の方法では、ブロイラ
ーの腹水症の予防にキノン類を長期間投与するか、ある
いは3週令以上のブロイラーに投与しているので多量の
キノン類が必要となり、高価なキノン類を用いる方法と
しては実用的でない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遺伝的に改
良された家畜や家禽の各種生産病、特に、暑熱および寒
冷ストレスによる生産病の予防剤および改善剤を提供す
ることを目的とする。また、遺伝的に改良された家禽の
寒冷ストレスによる生産病の効果的かつ経済的な予防方
法を提供することも目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために研究を重ねた結果、キノン類が遺伝的に
改良された家畜・家禽の各種生産病、特に暑熱または寒
冷ストレスによる生産病の予防および改善に有用である
ことを見出し、本発明を完成した。
【0014】本発明は、下記式で表されるキノン類から
選択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含
有する、遺伝的に改良された家畜の生産病の予防剤およ
び改善剤を提供する。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、YおよびZはそれぞれH、CH3
または一緒になって二重結合の一方の共有結合を表し、
nは1〜11の整数である) 上記生産病には、暑熱または寒冷ストレスによる生産
病、暑熱または寒冷ストレスによる生産性低下や新生牛
の高率の死亡が含まれる。
【0017】本発明はまた、上記キノン類から選択され
る少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、
遺伝的に改良された家禽の暑熱ストレスによる生産病の
予防剤および改善剤も提供する。上記生産病には、熱死
病、暑熱ストレスによる生産性低下、および産卵鶏にお
ける産卵率の低下が含まれる。
【0018】さらに、本発明は、上記のキノン類から選
択される少なくとも1種の化合物を有効成分として含有
する、遺伝的に改良された家畜または家禽の感染症に対
する抵抗性の低下防止剤、および遺伝的に改良された家
畜または家禽の腹腔内脂肪の改善剤も提供する。
【0019】また、本発明は、上記キノン類から選択さ
れる少なくとも1種の化合物を、遺伝的に改良された家
禽に孵化から約3週間の間、経口投与することからな
る、該家禽の寒冷ストレスによる生産病を予防する方法
にも関する。この方法においてはキノン類をビタミンE
と共に投与することができ、またキノン類をペレットの
形態で投与することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明で使用するキノン類は、上
記式で表され、動植物界に広く存在することが知られて
いる物質である。上記式で表されるキノン類のうち、本
発明においてはnが6〜10、あるいはこれらの混合であ
るのが好ましい。さらにYおよびZが一緒になって、二
重結合の一方の共有結合を表すユビキノン(補酵素Q)
が好ましく、特に、nが8である補酵素Q9 およびnが
9である補酵素Q10(ユビデカレノン)が好ましい。
【0021】ユビキノンは生体のミトコンドリア内の電
子伝達系に関与する補酵素として作用し、細胞呼吸を賦
活し、それと共役的にATPの産生を高め、生体各組織
を活性化するために重要な役割を果しているものと考え
られる。このような生理的作用に基づき、現在、ユビデ
カレノンが虚血による心筋の障害を改善するためのうっ
血性心不全の治療剤として用いられている。また、その
他の医薬用途しては、けいれんの治療、予防剤(特公平
1-33082 号公報)、膵機能亢進剤(特公平58-45403号公
報)、前立腺肥大症治療、予防剤(特公昭63-20804号公
報)が知られている。
【0022】また、ユビキノンを鶏の成長促進剤として
飼料に添加して給与することが知られている (英国特許
第918409号) 。しかし、これは家畜・家禽の遺伝的な改
良が現在程進展したものではなく、暑熱や寒冷などのス
トレスによる生産病が問題となる以前のものであり、本
発明における課題の解決を示唆するものではない。
【0023】本発明で用いるキノン類は合成法、植物体
からの抽出または発酵法など、いかなる方法で製造され
たものでも使用できる。植物体から抽出し、粗精製物あ
るいは精製物として得られたキノン類を使用することが
できる。また、発酵法による製造では、得られた微生物
菌体からキノン類を抽出するか、あるいは微生物菌体を
そのまま用いてもよい。
【0024】本発明においては、キノン類と共にビタミ
ンEを用いれば、同等の効果を発揮させるのに必要なキ
ノン類の量を減らすことができ、キノン類が高価格であ
ることを考慮すると非常に経済的である。
【0025】本発明の予防剤、改善剤は、前記式で表さ
れるキノン類を有効成分とし、必要に応じて適宜担体や
賦形剤、またビタミンやミネラルなどの添加剤を加え、
粉末、顆粒あるいはペレット等としたものである。本発
明予防剤あるいは改善剤の剤型は限定されないが、光に
対する安定性の点からペレットとするのが望ましい。本
発明で使用するキノン類は熱には安定であるが光に対す
る安定性に問題があり、粉末または顆粒の状態で飼料に
添加しても光により分解され易い。そこで、キノン類を
必要に応じ他のビタミン、ミネラルや賦形剤などと混合
してペレット状にして飼料に混合し動物に給与したり、
飼料に所定量を混合してペレット状に加工して給与する
と、光に対する安定性が増すことが判明した。従って、
キノン類を有効成分として含有するペレット、もしくは
該キノン類を含有する飼料からなるペレットを、遺伝的
に改良された家畜もしくは家禽に投与することにより、
暑熱および寒冷ストレス等による各種生産病をより有効
に予防、改善することができる。
【0026】本発明薬剤の投与時期あるいは投与期間
は、投与の目的、対象動物の種類、週令等により異な
る。ただし、遺伝的に改良された家禽の寒冷ストレスに
よる生産病の予防または改善には、家禽の孵化から約3
週間の間投与すれば、それ以降の投与を行わなくても効
果的に生産病を予防できる。キノン類の高価格を考慮す
ると、体重の少ない時期に短期間の投与で十分に効果を
発揮しうることは非常に経済的メリットがある。
【0027】キノン類の投与量は、投与の目的、対象動
物の種類、体重、週令、供与飼料、飼育環境等により異
なる。キノン類を飼料に添加して投与する場合は、飼料
に1〜100 mg/kg程度含有させるのが好ましく、より好
ましくは5〜50mg/kg程度含有させる。
【0028】
【実施例】
【0029】
【実施例1】ブロイラーにおける暑熱環境が熱死病の発
生に与える影響とキノン類添加による効果について試験
した。
【0030】供試鶏は成長が著しく速い鶏を用い、35日
令の雄を体重を揃えて各群約300 羽ずつ用いた。供試飼
料は市販飼料 (伊藤忠製、CP18%、ME3230Kcal) を自由
摂取させた。試験区は、後期市販飼料にキノン類のみの
場合は20ppm 添加し、ビタミンEとの併用の場合はキノ
ン類5ppm およびビタミンE25ppm を添加した。試験は
35日令から60日令にかけて真夏に実施し、舎内の最高気
温は38℃に達した。結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】以上の結果より、試験区は対照区に比べて
斃死率が半分以下であり、その結果育成率が向上するこ
とが明らかである。従って、夏場の暑熱感作時にキノン
類を給与することにより、熱死病の発生が抑えられ、育
成率の向上が期待できる。
【0033】
【実施例2】ブロイラーにおける暑熱環境が生産性に与
える影響とキノン類添加による効果について試験した。
【0034】供試鶏としては重種鶏と呼ばれる成長が著
しく速い鶏種の33日令の雄を用い、各群10羽で実施し
た。試験はズートロン (環境実験室) で1週間行い、18
℃区を1群(CoQ 無添加) 、33℃区を2群 (CoQ 無添加
およびCoQ 添加) 設定した。
【0035】供試飼料は伊藤忠社の市販ブロイラー用飼
料 (CP19.0%、ME3,290kcal)であり、自由摂取とした。
CoQ 添加群には後期飼料にCoQ9およびCoQ10 の混合物を
20ppm 添加し、ビタミンEとの併用の場合はCoQ10 5pp
m およびビタミンE25ppm を添加した。観察項目は増
体、飼料摂取量、飼料要求率とし、結果を以下の表5に
示す。
【0036】
【表5】
【0037】表2に示す実験結果から、キノン類をブロ
イラーの飼料に添加した場合、暑熱感作による生産性の
低下を防止できることが判明した。キノン類とビタミン
Eの併用により、添加するキノン類の量を減らすことが
できる。
【0038】
【実施例3】産卵鶏における暑熱環境が産卵率および卵
質に与える影響とキノン類添加による効果について試験
を実施した。
【0039】供試鶏は白色レグホーン種で274 日令の産
卵鶏を用い、各群25羽とした。試験はズートロン (環境
実験室) で行い、20℃区を1群(CoQ 無添加)、30℃区
を3群(CoQ 無添加、CoQ 添加、CoQ およびビタミンE
添加)設定した。
【0040】供試飼料は市販配合飼料 (CP18%、ME2850
kcal) を用いCoQ 添加群はCoQ9およびCoQ10 の混合物を
飼料に20ppm 添加し、ビタミンEとの併用群ではCoQ10
5ppmおよびビタミンE 25 ppm を添加し、1日1羽当た
り120 gの制限給餌した。室内の照明を1日当たり16時
間点灯した。ハウユニットは産卵当日に測定した。30日
後に産卵率、平均卵重、ハウユニット、卵殻厚、飼料摂
取量を評価した。
【0041】
【表6】
【0042】産卵鶏に対する暑熱環境は明らかに飼料摂
取量、産卵率および卵重を減少させ、卵殻も薄くなっ
た。しかし、CoQ 添加群では暑熱による影響は少なく、
鶏の産卵率および卵質の改善効果が認められた。
【0043】
【実施例4】肥育豚に対する暑熱環境が豚の生産性に及
ぼす影響とキノン類添加による効果について試験した。
【0044】供試豚は約30kg前後の同腹豚を各群10頭ず
つ用いた。供試飼料は伊藤忠社製の肥育飼料 (前期用:
CP16.0%、TDN78.0 %、後期用:CP15.0%、TDN77.0
%) を不断給餌した。試験区では飼料にユビデカレノン
を10ppm 添加 (CoQ 添加群) およびユビデカレノンを 5
ppm 、ビタミンEを25ppm 添加 (CoQ +VitE 添加群)
して給与した。試験はズートロン (環境実験室) にて実
施し、温度感作は30℃として調整した。結果を表7に示
す。
【0045】
【表7】
【0046】以上の結果より、暑熱時に肥育豚飼料にキ
ノン類を添加することは豚の生産性改善効果があること
が認められた。
【0047】
【実施例5】ブロイラーにおける寒冷環境でのascites
の発生にキノン類が及ぼす効果を試験した。
【0048】供試鶏として成長が著しく速いブロイラー
の雄を、各群48羽用い、試験は、ブロイラーの孵化から
約7週令 (出荷時) にかけて行った。ブロイラーを14日
令から21日令までの1週間の間ズートロン内で5℃に暴
露した。
【0049】供試飼料としては、市販飼料(前記用:CP
21.0 %、ME 3,150kcal、後期用:CP 18.0 %、ME 3,2
70kcal) を用い、出荷まで不断給餌とした。試験区 (試
験区I〜V) では、市販飼料にCoQ910をそれぞれ5pp
m 、10ppm 、20ppm 添加した飼料、およびCoQ10 5ppmお
よびビタミンE 25ppmを添加した飼料を、0〜21日令の
間給与し、その後出荷時まではCoQ を与えなかった。結
果は以下の表8に示す通りである。
【0050】
【表8】
【0051】
【実施例6】ブロイラーの腹腔内脂肪に及ぼすユビデカ
レノンの効果について試験した。供試鶏は重種鶏と呼ば
れる成長の著しく速い鶏種の雌雄を用いて、各群約10,0
00羽ずつ試験した。
【0052】供試飼料は伊藤忠社製の肥育飼料( 前期用
飼料:CP22.0%、ME3,130kcal 、後期用飼料:CP18.0
%、ME3,230kcal)を自由摂取させた。試験区Iは前期お
よび後期飼料にユビデカレノン (CoQ10)を20ppm 添加
し、試験区IIは前期および後期飼料にユビデカレノンを
5ppmおよびビタミンEを25ppm 添加した。試験は3月末
から5月にかけて、0〜54日令の間実施した。結果は以
下の表9に示す。
【0053】
【表9】
【0054】胸、腿、ササミを合計した正肉歩留は、雌
雄とも試験区が対照区を上回り、ユビデカレノン添加に
よる正肉歩留改善の可能性を示した。また、腹腔内脂肪
蓄積率についても、試験区の雌雄とも対照区に比較して
著しく低かった。
【0055】
【実施例7】肥育豚に対する寒冷環境が豚の生産性に及
ぼす影響とキノン類添加による効果について試験した。
供試豚は約30kg前後の同腹豚を各群10頭づつ用いた。供
試飼料は伊藤忠社製の肥育用飼料 (前期用:CP16.0%、
TDN78.0 %、後期用:CP15.0%、TDN77.0 %) を不断給
餌した。試験区にはキノン類を飼料にそれぞれ5ppm、1
0ppm 添加して給与した。試験はズートロンにて実施
し、温度感作は5℃とした。試験結果を表10に示す。
【0056】
【表10】
【0057】以上の結果、寒冷時に肥育飼料にキノン類
を添加すると豚の生産性改善効果が認められた。
【0058】
【実施例8】ブロイラーの微生物感染に対するユビデカ
レノン添加効果について試験した。供試鶏は重種鶏と呼
ばれる成長の著しく速い鶏種を用いて各群30羽試験し
た。試験区は飼料にユビデカレノンをそれぞれ5ppm 、
10ppm および20ppm 添加して初生時から給与した。ま
た、ユビデカレノン5ppm にビタミンE 50ppm を添加し
た群も設けた。大腸菌を3週令の鶏の腹腔内に接種し
て、1週間観察した。
【0059】
【表11】
【0060】以上の結果よりユビデカレノンを添加した
飼料をブロイラーに給与することによる大腸菌の感染防
御効果が確認できた。
【0061】
【実施例9】本実施例は、新生牛における死亡率に対す
るキノン類の効果を示すものである。新生牛の高い死亡
率は大きな経済的損失を招き、米国において問題となっ
ており、種々の対策が検討されたが、現在までに効果的
な対策は見出されていない。
【0062】試験は、米国カリフォルニア州の農場にお
いて、新生牛8,721 頭を用いて4月から5月にかけて35
日間行った。試験区では試験開始からCoQ10 を1頭当た
り50mg経口投与した。試験区および対照区における死亡
率を以下の表12に示す。
【0063】
【表12】
【0064】表11より明らかなように、試験区の死亡率
は対照区に比べて約50%低下している。従って、CoQ10
の投与は新生牛の死亡率を低下させるのに極めて効果的
である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
種々の育種改良が行われ、遺伝的に改良された家畜およ
び家禽において増加してきた種々の生産病を予防および
改善することができる。より具体的には、遺伝的に改良
された家畜および家禽において、キノン類を含有する薬
剤もしくは飼料を給与することにより、暑熱による生産
病の予防および改善、暑熱または寒冷ストレスによる生
産性の低下の防止、耐病性の低下防止、腹腔内脂肪の改
善、産卵鶏における暑熱による産卵率の低下防止、ある
いは新生牛の死亡率の低下が可能となる。遺伝的に改良
された家禽における寒冷ストレスによる生産病に関して
は、孵化から約3週間という短期間、キノン類を投与す
るだけで効果的に予防することができ経済的である。
【0066】キノン類を含有するペレット、あるいはキ
ノン類を含有する飼料をペレットに加工したものを用い
ると、これらの効果がより一層顕著なものとなる。ま
た、ビタミンEを共に投与すると、必要なキノンの量を
少なくすることができ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブロイラーにおける腹腔内脂肪蓄積の年次推
移を表す図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式で表されるキノン類から選択され
    る少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、
    遺伝的に改良された家畜の生産病の予防剤および改善
    剤。 【化1】 (式中、YおよびZはそれぞれH、CH3 または一緒に
    なって二重結合の一方の共有結合を表し、nは1〜11の
    整数である)
  2. 【請求項2】 生産病が、暑熱または寒冷ストレスによ
    る生産病である請求項1記載の予防剤および改善剤。
  3. 【請求項3】 生産病が、暑熱または寒冷ストレスによ
    る生産性低下である請求項1記載の予防剤および改善
    剤。
  4. 【請求項4】 生産病が、新生牛の高率の死亡である請
    求項1記載の予防剤および改善剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のキノン類から選択され
    る少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、
    遺伝的に改良された家禽の暑熱ストレスによる生産病の
    予防剤および改善剤。
  6. 【請求項6】 生産病が、熱死病である請求項5記載の
    予防剤および改善剤。
  7. 【請求項7】 生産病が、暑熱ストレスによる生産性低
    下である請求項5記載の予防剤および改善剤。
  8. 【請求項8】 生産病が、産卵鶏における暑熱ストレス
    による産卵率の低下である請求項5記載の予防剤および
    改善剤。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のキノン類から選択され
    る少なくとも1種の化合物を有効成分として含有する、
    遺伝的に改良された家畜または家禽の感染症に対する抵
    抗性の低下防止剤。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のキノン類から選択さ
    れる少なくとも1種の化合物を有効成分とする、遺伝的
    に改良された家畜または家禽の腹腔内脂肪の改善剤。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のキノン類から選択さ
    れる少なくとも1種の化合物を、遺伝的に改良された家
    禽に孵化から約3週間の間、経口投与することからな
    る、該家禽の寒冷ストレスによる生産病を予防する方
    法。
  12. 【請求項12】 前記化合物をビタミンEと共に投与す
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記化合物をペレットの形態で投与す
    る請求項11または12記載の方法。
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