JP2011199691A - 帯域制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
通信装置間の通信帯域を,ネットワーク上の中継装置で制御する際,誤り率が高いネットワークにおいて,トランスポートレイヤーの通信速度が,制御した帯域よりも著しく低下することを防ぐ。
【解決手段】
中継装置が,通信装置から受信したデータに含まれるSIDとデータサイズに基づいて,同通信において次に受信を期待するSIDを予測し,予測したSIDと,次に受信したデータが含むSIDとを比較し,予測したSID未満なら該データに対して制御帯域を解除する。また,予測したSIDを超えるデータを一定数以上連続して受信すれば,それらのデータに対しても制御帯域を解除する。
【選択図】 図1
通信装置間の通信帯域を,ネットワーク上の中継装置で制御する際,誤り率が高いネットワークにおいて,トランスポートレイヤーの通信速度が,制御した帯域よりも著しく低下することを防ぐ。
【解決手段】
中継装置が,通信装置から受信したデータに含まれるSIDとデータサイズに基づいて,同通信において次に受信を期待するSIDを予測し,予測したSIDと,次に受信したデータが含むSIDとを比較し,予測したSID未満なら該データに対して制御帯域を解除する。また,予測したSIDを超えるデータを一定数以上連続して受信すれば,それらのデータに対しても制御帯域を解除する。
【選択図】 図1
Description
本発明はWWW(World Wide Web)等,サーバと端末間で通信するネットワークシステムにおいて,サーバ装置,または端末とサーバ装置との間の通信路上に設置される中継装置が備える帯域制御技術に関する。
ネットワークを利用予定帯域ごとに契約し,契約帯域内では,一定料金で利用可能,という契約方法がある。
このような契約では,ネットワーク提供者にとっては,契約帯域を超えないように通信が制御され,また,ユーザにとっては,契約帯域内では,契約上限の帯域で通信できることが望ましい。
帯域制御装置の例として,特許文献1では中継装置がデータの送信タイミングをトークンバケットアルゴリズム,またはリーキーバケットアルゴリズムにより決定し,それぞれ最低保証帯域の保証と,最大許容帯域以下への制限を実現する方法を提案している。
TCP/IPなどのプロトコルでは,端末が送信したセグメント(トランスポートレイヤーにおけるデータの固まりの呼称)がネットワーク上で紛失した場合,端末はセグメントの紛失を検知して該セグメントを再送する。
一般的に帯域制御は,前述の特許文献1のように,一定期間に中継するデータ量を規定値以下に抑えることで,ネットワークレイヤーでの通信帯域を制限するので,帯域制御装置はセグメントが再送されたものかどうかに関わらずデータの送出を制限帯域以下に抑える。
そのため,セグメントの紛失による再送が頻発する,品質の良くないネットワークでは,トランスポートレイヤーにおける通信帯域は,規定(契約)帯域よりも低下する。
また,受信側装置は,順番通りでないセグメントを受信すると重複確認応答を応答し,送信側装置はこの重複確認応答を一定数以上受信するとセグメントを紛失したと判定する(高速再転送と呼称)。しかし,帯域制御装置が通信帯域を制限すると,順序どおりでないセグメントを受信側装置が受信するのも遅れる。その結果,送信側装置が重複確認応答を遅れて受信するため,セグメント紛失の検知も遅くなり,トランスポートレイヤーの通信帯域はさらに低下する。
このため,ユーザにとって,契約の上限の帯域での通信ができなくなる可能性がある。
TCPでは,送信側装置は,セグメントにその順序を表す情報を含めて送信し,受信側装置は,次に送信側装置からの受信を期待するセグメントの順序情報を含む確認応答を送信する。
以下に開示される帯域制御機能の一例では,送信側装置が,予め定めた数以上連続して同じ順序情報(Sequence ID,以下,SIDと略す)を含む確認応答を受信した場合は,当該SID以降のセグメントを再送する場合を前提とする。
中継装置は,次に受信すると予測するセグメントのSIDをコネクション毎に計算し,予測SIDとして記憶する。
帯域制御機能が同コネクションの次のセグメントを受信すると,該予測SIDと受信したセグメントのSIDとを比較し,該SIDが予測SID未満ならば,該セグメントを再送されたセグメントと判断して,その帯域を制御せずに,受信側装置へ送信する。これにより,帯域制御装置が再送されたセグメントに対しても帯域を制御して,通信帯域を必要以上に制御することを防ぐ。
また,予測SIDを超えるSIDを有するセグメントを一定数以上連続で受信した場合,予測SIDを持つセグメントが失われたものと判断し,それら予測SIDを超えるSIDを有するセグメントに対して帯域を制御せずに受信側装置へ送信する。
開示される帯域制御機能の他の一例では,送信側装置が,予め定めた数以上連続して同じSIDを含む確認応答を受信した場合は,当該SIDのセグメントを再送し,その後は,再送前に送信したセグメントの次のセグメントからの送信を再開する場合を前提とする。
中継装置は,コネクション毎に受信したセグメントのSIDとそのサイズとを参照して,受信したセグメントの範囲を受信済区間として算出し,それまでの受信済区間と連結して記憶する。
帯域制御機能が同コネクションの次のセグメントを受信すると,該受信済区間と受信したセグメントのSIDとを比較し,該SIDが受信済区間内ならば,該セグメントを再送されたセグメントと判断して,その帯域を制御せずに,受信側装置へ送信する。これにより,帯域制御装置が再送されたセグメントに対しても帯域を制御して,通信帯域を必要以上に制御することを防ぐ。
また,受信セグメントのSIDが受信済区間外でかつ,受信済区間以下の場合,該セグメントを再送されたセグメントかつ帯域制御の対象と判断し,保留キューの他のセグメントより優先して受信側装置へ送信する。
これらにより,受信側装置による,失われたセグメントを要求する確認応答が,速やかに送信側装置へ送信されることになるので,送信側装置によるセグメント紛失の検知と再送が,帯域制御によって遅れ,結果的に通信帯域を必要以上に制御することを防ぐ。
上記態様により,誤り率の高いネットワークでの通信において,トランスポートレイヤーにおける通信帯域を,規定帯域に近づけることが可能になる。
本発明により,契約帯域により近い帯域での通信が可能になる。
以下,本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
以下の各実施例では,帯域制御機能をネットワーク上の中継装置が備えた場合について説明するが,サーバ装置が本帯域制御機能を備えてもよい。
以下の各実施例では,トランスポートレイヤーのプロトコルがTCPであり,SIDとしてTCPのシーケンス番号を利用する場合について説明するが,TCPと同様に,コネクション型の通信であり,各セグメントが,SIDとして,TCPのシーケンス番号に相当するデータの順序情報を有するその他のプロトコルであってもよい。
たとえば,TCPでは,送信側装置は,セグメントにSIDを含めて送信し,受信側装置は,次に送信側装置からの受信を期待するセグメントのSIDを確認応答番号として含む確認応答を送信する。
さらに,以下の各実施例では,帯域制御機能をネットワーク上の一つの中継装置が備えた場合について説明するが,帯域制御機能が備える各処理部や記憶部は,それぞれネットワークで接続された物理的に異なる装置が備えても良い。
さらに,以下の各実施例では,中継装置はサーバから端末への通信に対して帯域を制御する(すなわち,サーバが送信側装置となり,端末が受信側装置となる)が,逆に,端末からサーバへの通信を制御してもよく,また,その両方向に対してであってもよい。
図1に示すように,本実施形態の通信システムは,トランスポートレイヤーの通信プロトコルにTCPを使用してサーバからデータを受信する端末102と,同通信プロトコルを使用して端末にデータを送信するサーバ104と,端末102とサーバ104との間の,例えばインターネットなどのネットワーク106上で通信の中継と制御をおこなう中継装置100を含んで構成される。端末102と,サーバ104と,中継装置100はそれぞれ複数台あってもよい。
なお,本実施例では,端末102は,受信データに対する確認応答(ACK)として,受信したセグメントに含まれるSIDとそのサイズとを参照して,次に受信を期待するセグメントのSIDを含む確認応答を,サーバ104へ送信するものとし,サーバ104は,予め定めた数以上連続して同じSIDを含む確認応答を受信した場合は,当該SID以降のセグメントを再送するものとする。
中継装置100において,保留キュー130は,後述の受信機能112が受信したセグメントを,後述の送信機能114が送信するまで保持するFIFO(First In First Out)キューである。FIFOキューは,後述のコネクション管理機能116が管理するコネクションと同数だけ生成され,各コネクションに対応する。
受信機能112は,ネットワーク106を介して,サーバ104,または端末102からセグメントを受信し,保留キュー130にエンキュー(enqueue)する。ただし,後述するユーザ管理機能124によって該セグメントが帯域制御の対象でないと判定された場合などは,保留キューにエンキューせず,後述の送信機能114が該セグメントを直ぐに送信する。
送信機能114は,受信機能112が受信した,または保留キュー130からデキュー(dequeue)したセグメントを,後述の帯域制御機能110が決定するタイミングで,端末102,またはサーバ104に送信する。
コネクション管理機能116は,受信したセグメントが新規のコネクションに属するか,確立済みのコネクションに属するかどうかを判定する。また,既存のコネクションに属する場合,どのコネクションに属するかを管理する。本機能は公知技術であり,コネクションの特定には,例えば通信プロトコルがTCP/IPならば宛先IPアドレス,送信元IPアドレス,宛先ポート番号,送信元ポート番号の組み合わせを用いる。
ユーザ管理機能124は,受信したセグメントがどのユーザに属するかを判定し,該ユーザの通信に対する帯域制御の要否,制御帯域値を決定する機能で,公知の技術である。ユーザの判定のキーには,例えばセグメントの送信元IPアドレスを使用する。ユーザの情報は,ユーザ管理機能124が記憶しても良いし,外部のデータベースに問い合わせても良い。
帯域制御機能110は,ユーザ管理機能124が決定した制御帯域に従って,受信機能112が受信したセグメント,または保留キュー130で保留中のセグメントを送信するタイミングを決定する。本技術は公知であり,送信タイミングの決定のアルゴリズムには,例えばトークンバケットなどがある。本実施例において,帯域制御のアルゴリズムは問わない。ただし,帯域制御機能110は,後述する解除フラグがONであるセグメントに対しては,制御帯域内には含めず,帯域を制御しない。
次SID予測機能118は,受信したセグメントのSID(以下,受信SIDと呼称)と,該セグメントのサイズを参照し,該セグメントの通信コネクションにおいて次に受信するセグメントのSIDを計算により予測し,予測SIDとする。予測SIDは,TCPにおいて,端末102が,受信したセグメントに対して送信する確認応答に含める値と同様に,以下の通り計算する。
(予測SID)=(受信SID)+(セグメントのサイズ) (式1)
セグメントのSIDとサイズは,例えば通信プロトコルTCP,UDPでは,それぞれヘッダの情報から取得できる。
(予測SID)=(受信SID)+(セグメントのサイズ) (式1)
セグメントのSIDとサイズは,例えば通信プロトコルTCP,UDPでは,それぞれヘッダの情報から取得できる。
予測SID記憶機能126は,次SID予測機能118が計算した予測SIDを通信コネクション毎に記憶する。
セグメント情報記憶機能120は,セグメントが保留キュー130に存在する間,セグメント毎に予約フラグと解除フラグを記憶する。予約フラグと解除フラグの初期値はOFFであり,後述のSID判定機能122が変更する。
SID判定機能122は,コネクション管理機能116がセグメントを既存のコネクションに属すると判定した場合,受信SIDと,予測SID記憶機能126が記憶する同コネクションの予測SIDとを比較する。比較の結果に応じて,以下の3通りのいずれかの処理を行う。
(1)受信SIDが予測SID未満の場合,該セグメントに対して,帯域制御を解除する(帯域制御対象から外す)ための解除フラグをONにする。
(2)受信SIDが予測SIDを超える場合,後述の順序外SID数記憶機能128が記憶する順序外SID数に1を加算し,該セグメントを帯域制御対象から外す候補とするための予約フラグをONにする。順序外SID数は新たな概念であり,「コネクション毎に,受信SIDが予測SIDを連続して超えた回数」と定義する。
(1)受信SIDが予測SID未満の場合,該セグメントに対して,帯域制御を解除する(帯域制御対象から外す)ための解除フラグをONにする。
(2)受信SIDが予測SIDを超える場合,後述の順序外SID数記憶機能128が記憶する順序外SID数に1を加算し,該セグメントを帯域制御対象から外す候補とするための予約フラグをONにする。順序外SID数は新たな概念であり,「コネクション毎に,受信SIDが予測SIDを連続して超えた回数」と定義する。
加算の結果,順序外SID数が予め定めた値(例えば2)以上になった場合,該セグメントと,同コネクションで予約フラグがONである保留キュー130内のセグメントの解除フラグをONにする。
なお,あるセグメントがあて先に届いていないとサーバ104が判断する「同じ確認応答番号の連続受信数」と「順序外SID数Nについて予め定めた値」との関係を,例えば以下のように定める。
「順序外SID数Nについて予め定めた値」=「同じ確認応答番号の連続受信数」−1
(3)受信SIDが予測SIDと等しければ,同コネクションの順序外SID数を0に設定し,保留キュー130内で同コネクションの全てのセグメントの予約フラグをOFFにする。
「順序外SID数Nについて予め定めた値」=「同じ確認応答番号の連続受信数」−1
(3)受信SIDが予測SIDと等しければ,同コネクションの順序外SID数を0に設定し,保留キュー130内で同コネクションの全てのセグメントの予約フラグをOFFにする。
順序外SID数記憶機能128は,順序外SID数をコネクション毎に記憶する。各コネクションの順序外SIDの初期値は0であり,SID判定機能122が更新する。
図2は本実施形態の中継装置100を実現する電子計算機の物理構成を示した図である。本実施形態の中継装置100は,プログラムを実行し,図1に示す各機能を実現するプロセッサH201と,実行するプログラムやデータを一時的に保持するメモリ装置H202と,外部からの指示や情報を入力するための入力装置H203と,プログラムの実体,指示,情報等を格納し,データの記憶装置として使用されるディスク装置H204と,中継装置100の内部と外部装置とのデータのやり取りを制御する通信制御装置H205と,中継装置100の内部でデータのやり取りをおこなうためのバスなどの内部通信線H206と,中継装置100の内部と外部装置とのデータのやり取りするための外部通信回線H207(図1のネットワーク106に相当)を備える。
上記プログラムは予め,中継装置100内のメモリ装置H201またはディスク装置H204に格納されていても良いし,必要なときに,上記中継装置100が利用可能な,着脱可能な記憶媒体から,または通信媒体(ネットワーク,または,ネットワークを伝播する搬送波またはデジタル信号)を介して他の装置から,導入されてもよい。
また,以下に説明する各機能とその処理内容は,ディスク装置H204に格納されているプログラムを,プロセッサH201が読み出して実行することにより,具現化されるものである
図3は,中継装置100が一つのセグメントを受信した場合の動作を示すフローチャートである。
図3は,中継装置100が一つのセグメントを受信した場合の動作を示すフローチャートである。
まず,受信機能112が,端末102またはサーバ104から,セグメントを受信する(F100)。
次に,ユーザ管理機能124が該セグメントの属するユーザ情報から,該セグメントが帯域制御対象かどうか判定する(F102)。
受信したセグメントが帯域制御対象でない場合,送信機能114がセグメントを中継する(F130)。
該セグメントが帯域制御対象である場合,コネクション管理機能116が,該セグメントが新規のコネクションかどうか判定する(F104)。
該セグメントが確立済みのコネクションに属する場合,予測SID記憶機能126が記憶する同コネクションの予測SIDと,受信SIDを比較する(F106)。
新規のコネクションの場合,またはF106の比較で予測SIDと受信SIDが等しい場合,次SID予測機能118が予測SIDの値を更新し(F108),順序外SID数の値を0に設定し,保留キュー130内で同コネクションの全てのセグメントの予約フラグをOFFにする(F110)
帯域制御機能110が,受信したセグメントが属するコネクションのFIFOキューに以前に受信されたセグメントが存在するかどうか判定し(F122),存在すれば,該セグメントを同コネクションのFIFOキュー末尾につなぐ(F128)。
新規のコネクションの場合,またはF106の比較で予測SIDと受信SIDが等しい場合,次SID予測機能118が予測SIDの値を更新し(F108),順序外SID数の値を0に設定し,保留キュー130内で同コネクションの全てのセグメントの予約フラグをOFFにする(F110)
帯域制御機能110が,受信したセグメントが属するコネクションのFIFOキューに以前に受信されたセグメントが存在するかどうか判定し(F122),存在すれば,該セグメントを同コネクションのFIFOキュー末尾につなぐ(F128)。
保留キュー130の同コネクションのFIFOキューに以前に受信したセグメントが存在しなければ,帯域制御機能110が,受信したセグメントの解除フラグがONかどうか判定する(F124)。
解除フラグがON(F124でYes)ならば,帯域制御を解除し(すなわち,制御帯域を考慮せず),送信機能114に該セグメントを中継させる(F130)。
解除フラグがOFFならば,帯域制御機能110が該セグメントを制御帯域内で送信可能かどうか判定する(F126)。
送信可能ならば,送信機能114に該セグメントを中継させる(F130)。
送信可能でないならば,帯域制御機能110は,該セグメントを保留キュー130の末尾につなぐ(F128)。
また,F106で受信SIDが予測SIDより小さい場合,送信機能114に該セグメントを中継させる(F130)。
また,F106で受信SIDが予測SIDより大きい場合,該セグメントの予約フラグをONにし(F114),順序外SID数の値を1増加させる(F116)。
順序外SID数が予め定めた値N(例えば2)以上であれば,保留キュー130の同コネクションにおいて,予約フラグがONであるセグメントの解除フラグをONにする(F120)。
以降の処理はF122以下に従う。
また,帯域制御機能110は,並行して,保留キュー130の各コネクションのFIFOキューの先頭のセグメントが,制御帯域内で送信可能かどうか,または解除フラグがONであるかどうかを繰り返し,例えば定期的に,判定する(F132)。
セグメントが送信可能,または解除フラグがONである場合,F124以下の処理に従う。
図4は,サーバ104が中継装置100を介して端末102にデータを送信する際,端末102と中継装置100との間でセグメントが失われた場合のシーケンス例である。図4の通信は1つのコネクションとし,説明に必要のない確認応答は省略する。
D00は,サーバ104が送信するセグメントD01からD04までのSIDとサイズを示す。サーバ104が,ある新規のコネクションにおいてセグメントD01を送信すると,中継装置100の受信機能112が該セグメントD01を受信し(F104でYes,S201とS210),中継装置100の帯域制御機能110は,セグメントD01を制御帯域内で送信可能と判断すると(F126でYES),該セグメントD01を端末102へと中継する(F108〜。ただし,解除フラグはOFF,S210)。ここで,次SID予測機能118が,上記の式1により,予測SIDを下記の通り200と計算する(F108)。
100(受信SID)+100(サイズ)= 200
端末102は,セグメントD01を受信すると,確認応答番号が200の確認応答A01をサーバ104に送信する(S221)。
100(受信SID)+100(サイズ)= 200
端末102は,セグメントD01を受信すると,確認応答番号が200の確認応答A01をサーバ104に送信する(S221)。
サーバ104が,S201と同様にセグメントD02,D03,D04を送信すると(S202),中継装置100の受信機能112は該セグメントを順に受信し(F104でNO),受信SIDが予測SIDと等しいため(F106で「等しい」),次SID予測機能118が,式1により,予測SIDを300(200+100),400(300+100),500(400+100)と順に変更する(F108,S211)。
帯域制御機能110は,セグメントD02を制御帯域内で送信可能でないと判断すると(F126でNO),保留キュー末尾につなぐ(F128)。また,セグメントD03,D04受信時も,保留キューにセグメントD02が存在するため(F122),セグメントD03,D04も保留キュー末尾につなぐ(F128)。
一定期間経過後に,帯域制御機能110が制御帯域内でセグメントD02を送信可能と判定すると,セグメントD02を端末102に送信する(F132〜。ただし,解除フラグはOFF,S212)が,セグメントD02が,中継装置100から端末102の間で失なわれ,端末102に到達しないとする(S222)。
一定期間経過後に,帯域制御機能110が制御帯域内でセグメントD02を送信可能と判定すると,セグメントD02を端末102に送信する(F132〜。ただし,解除フラグはOFF,S212)が,セグメントD02が,中継装置100から端末102の間で失なわれ,端末102に到達しないとする(S222)。
中継装置100はS212と同様に,一定期間の経過によりセグメントD03が送信可能になると,該セグメントD03を端末102に送信する(F132〜。ただし,解除フラグはOFF,S213)。
端末102はセグメントD03を受信すると,セグメントD02を未受信のため,確認応答番号が200の確認応答A02をサーバ104に応答する(S223)。
中継装置100はS213と同様に,一定期間の経過によりセグメントD04が送信可能になると,該セグメントD04を端末102に送信する(F132〜。ただし,解除フラグはOFF,S214)。
端末102は,セグメントD02を未受信のため,S223と同様に,確認応答番号が200の確認応答A03をサーバ104に応答する(S224)。
サーバ104は,確認応答番号が200の確認応答A02,A03を受信すると,先に受信した確認応答A01と合わせて確認応答番号200の確認応答を連続して3回受信したことになる。サーバ104は,同じ確認応答番号を連続して一定数(本実施例では3とする)受信したため,その確認応答番号のセグメント(ここではD02)が端末102に到達していないと判断し,セグメントD02以降のセグメントを再送する(S203)。
中継装置100の受信機能112が,セグメントD02,D03,D04を受信し(F104でNO),各セグメントのSIDが200,300,400と,最新の予測SIDの500未満であるため(F106で「<」),SID判定機能122が,これらは再送されたセグメントと判断して,これらのセグメントに対しては帯域を制御せず,送信機能114が直ぐに該セグメントを送信する(S215)。
サーバ104が,S203に続いて,再送ではないセグメントD05を送信し(S204),中継装置100の受信機能112が該セグメントを受信した場合(F104でNO),受信SIDと予測SIDは500で等しいため(F106で「等しい」),帯域制御機能110は制御帯域内で該セグメントD05を中継する(F108〜。ただし,解除フラグはOFF,S216)。
以上説明したように,中継装置100と送信先の端末102の間で失われたセグメントがあってセグメントが再送される場合,中継装置100は,受信SIDが予測SID未満であるセグメントについては,帯域制御を行わないので,予定帯域により近い帯域で送信することが可能になる。
図5は,サーバ104が中継装置100を介して端末102にデータを送信する際,サーバ104と中継装置100との間でセグメントが失なわれた場合のシーケンスの例である。図4の通信は1つのコネクションとし,説明に必要のない確認応答は省略する。
D10は,サーバ104が送信するセグメントD11からD14までのSIDとサイズを示す。
まず,サーバ104が,あるコネクションにおいてセグメントD11を送信すると(F104でYes,S301),中継装置100は制御帯域内で該セグメントD11を端末102へと中継する(F108〜。ただし,解除フラグはOFF,S310)。ここで,図4のS210と同様に,次SID予測機能118が上記式1により,予測SIDを200と計算する。
端末102は,セグメントD11を受信すると,確認応答番号が200の確認応答A11をサーバ104に送信する(S321)。
次に,サーバ104がセグメントD12を送信するが(S302),中継装置100に到達する前にセグメントD12が失なわれたとする(S323)。
S302と同様にサーバ104がセグメントD13を送信する(S303)。
中継装置100の受信機能112が該セグメントを受信すると,SID判定機能122が,予測SIDと,受信SIDを比較する(S313)。ここで,受信SIDが300,予測SIDが200と,受信SIDが予測SIDを超えているため(F106で「>」),SID判定機能122は該セグメントの予約フラグをONにし(F114),順序外SID数を0から1に変更する(F116)。F118のNを本実施例では2とすると,該セグメントD13については,順序外SID数<Nとなり(F118で「NO」),帯域制御されるために直ぐには中継されず,保留キュー130で送信待ちとなる(F128)。
次に,サーバ104がセグメントD14を送信する(S304)。
中継装置100の受信機能112が該セグメントD14を受信すると,SID判定機能122が,予測SIDと,受信SIDを比較する(F106,S312)。ここで,受信SIDが400,予測SIDが200と,受信SIDが予測SIDを超えているため(F106で「>」),SID判定機能122は該セグメントの予約フラグをONにし(F114),順序外SID数を1から2に変更する(F116)。ここで,順序外SID数が予め定めた値(本実施例では2とする)以上になるため(F118で「YES」),予約フラグがONであるセグメント(保留キュー130に格納されているセグメントを含む。ここではD13とD14)の解除フラグをONにする(F120)。
帯域制御機能110は,セグメントD13とD14の解除フラグがONであるため(F124で「YES」,帯域を制御せずに,送信機能114がセグメントD13とD14を端末102へ送信する(F130)。D14より後に受信するセグメントについても「受信SID>予測SID」となるため,同様に処理される。
端末102は,D13とD14を受信するが,D12を未だ受信していないので,それぞれに確認応答番号200の確認応答A12とA13をサーバ104に応答する(S322)(D14より後に受信するセグメントについても同様)。
S305で,サーバ104は確認応答A12,A13を受信すると,A11と合わせて確認応答番号が同じ200である確認応答を,連続して一定回数(ここでは3)受信したことになる。
サーバ104は,同じ確認応答番号を一定回数以上(上述の定義例に従えば3)連続受信し,そのセグメント(ここではD12)が端末102に届いていないと判断するので,D12以降のセグメントを端末102に再送する。
中継装置100は,以降の失なわれることなく届くセグメントD12,D13,D14については,「受信SID=予測SID」となるので,これらに対しては,通常通り帯域制御内で端末102に送信する(S313,S314)。
以上説明したように,中継装置にセグメントが届かなかった場合,その後に受信するセグメントの帯域制御を行わないので,端末102から,失われたセグメントに関する確認応答が速やかにサーバ104に届く。この結果,サーバ104に,失われたセグメントD12の再送を速やかに行わせることが可能になり,予定帯域により近い帯域で送信することが可能になる。
以上説明したように,中継装置にセグメントが届かなかった場合,その後に受信するセグメントの帯域制御を行わないので,端末102から,失われたセグメントに関する確認応答が速やかにサーバ104に届く。この結果,サーバ104に,失われたセグメントD12の再送を速やかに行わせることが可能になり,予定帯域により近い帯域で送信することが可能になる。
以上,本実施例によれば,中継装置が,トランスポートレイヤーにおける通信帯域を制御した帯域よりも著しく低下させることなく,帯域を制御することができる。
また,本実施例においては,サーバ104と端末102は,変更を必要とせず,既存の装置を使用可能である。
第2の実施例は,端末とサーバ間の通信コネクションにおいて,RFC2018で規定されている,TCPのSACK(Selective ACKnowledgement)オプションが有効であり,具体的にどのセグメントが送達しているかを詳細に通知することが可能である場合に,トランスポートレイヤーにおける通信帯域が,帯域制御によって指定した帯域よりも著しく低下することを防ぐ実施形態である。
すなわち,サーバ104は,予め定めた数以上連続して同じSIDを含む確認応答を受信した場合は,実施例1とは異なり,当該SIDのセグメントを再送し,その後は,再送前に送信したセグメントの次のセグメントからの送信を再開するものとする。
なお,本実施例ではTCPのSACKオプションが有効である場合について説明するが,失なわれたセグメントを再送し失われていないセグメントは再送しない通信プロトコルであれば,本実施例は適用可能である。
図6は実施例2の通信システムの一構成例である。中継装置200は,実施例1の中継装置100に加えて,SACK判定機能202と,SID区間記憶機能204とを備える。また,中継装置200は,実施例1の中継装置100の次SID予測機能118と,予測SID記憶機能126と,順序外SID数記憶機能とを備えなくてよい。また,セグメント情報記憶機能220と,コネクション管理機能216と,SID判定機能222は,それぞれ実施例1のセグメント情報記憶機能120,SID判定機能122,コネクション管理機能116と異なる。
SACK判定機能202は,サーバ104と端末102との間の通信コネクション確立時に,TCPプロトコルのSACKオプションが有効かどうか判定する。SACKオプションが有効かどうかの判定は,セグメントのTCPヘッダの情報を参照すれば可能であり,公知の技術である。なお,SACKオプションが有効であると,セグメントが失われた場合に,送信側装置は失われたセグメント以降の,失われていないセグメントは再送しない。
コネクション管理機能216は,実施例1のコネクション管理機能116の機能に加え,SACK判定機能202が判定したコネクション毎のSACKオプションの有効・無効を管理する機能を備える。
SID判定機能222は,コネクション毎に受信したセグメントのSIDとそのサイズとから受信したセグメントの範囲(以下,受信済区間と呼称)を
受信済区間=受信データのセグメント+受信データサイズ−1
で算出し,それまでの受信済区間と連結する。
受信済区間=受信データのセグメント+受信データサイズ−1
で算出し,それまでの受信済区間と連結する。
また,SID判定機能222は,受信したセグメントのSIDが同コネクションの受信済区間内かどうか,受信済区間より大きいかどうかを判定する。該SIDが受信済区間内であれば,該セグメントは送信機能114により中継され,該SIDが受信済区間よりも大きければ,該セグメントに対して後述の優先フラグがONにされる。
SID区間記憶機能204は,SID判定機能222が計算した受信済区間をコネクション毎に記憶する。
例えば,SIDが100で,セグメントのサイズが200のセグメントを受信した場合,SIDが100から299の範囲を受信したと考える。図6の例は,中継装置200がコネクションAにおいて,SIDが100から199までと,300から500までのセグメントを受信済みであることを示す。
セグメント情報記憶機能220は,実施例1のセグメント情報記憶機能120に加え,セグメント毎に優先フラグを記憶する機能を備える。優先フラグの初期値はOFFである。また,実施例1の情報記憶機能120が記憶する予約フラグは必要としない。
図7は,中継装置200がセグメントを受信した場合の動作を示すフローチャートである。
まず,受信機能112が,端末102またはサーバ104から,セグメントを受信する(F200)。
受信したセグメントが属するコネクションが,後述のF205によりSACKオプションが有効でないと判定されていれば(F201でNO),実施例1(図3のF102以降)の処理に従う(F234)。なお,F102以降の処理に従う代わりに,送信機能114が該セグメントを端末102に送信する(F230)実施例と,F102以降の処理に従う代わりに,F222以降の処理に従い,従来の帯域制御装置として機能するように構成しても良い。
SACKオプションが有効である,またはSACK判定機能202によって未だ判定されていなければ(F201でYES),F202以降の処理に従う。なお,SACKオプションが有効である場合,F202以降の処理に代わり,送信機能114が該セグメントを端末102に送信する(F230)実施例と,F102以降の処理に従う代わりに,F222以降の処理に従い,従来の帯域制御装置として機能するように構成しても良い。
F202,F204の処理は実施例1のF102,F104の処理に等しい。
新規のコネクションである場合(F204でYES),SACK判定機能202が,該セグメントのTCPヘッダ情報に基づいて,SACKオプションが有効かどうかを判定する(F205)。
新規のコネクションでない場合(F204でNO),SID判定機能222が,SID区間記憶機能204が記憶する受信済区間に受信SIDが含まれるかどうか判定する(F206)。
受信SIDが受信済区間に含まれない場合(F206でYES),受信済区間の最大のSIDより,受信SIDが大きいかどうかを判定する(F208)。
受信SIDが受信済区間の最大SID以下の場合(F208でNO),該セグメントの優先フラグをONにする(F210)。
F205の処理の後,またはF210の処理の後,またはF208で受信SIDが受信済区間より大きい場合(F208でYES),SID区間記憶機能204が,受信したセグメントが属するコネクションの受信済区間を更新する。例えば図6のように,受信済区間が「100〜199,300〜500」の場合に,SIDが200,サイズが50のセグメントを受信したとすると,受信済区間を「100〜249,300〜500」に更新する(F212)。
F206で,受信SIDが受信済区間に含まれる場合(F206でNO),送信機能114が該セグメントを中継する(F230)。 F212の処理の後,帯域制御機能110が,セグメントが属するコネクションのFIFOキューに受信済のセグメントが存在するかどうか判定する(F222)。
保留キューにセグメントが存在しない場合(F222でNO)は,F226以降の処理に従う。F226,F228,F230,F232の処理は,それぞれ実施例1のF126,F128,F130,F132の処理に等しい。
保留キューにセグメントが存在する場合(F222でYES),帯域制御機能110が,セグメントの優先フラグを判定する(F218)。
優先フラグがOFFの場合(F218でNO),該セグメントを保留キューの末尾につなぐ(F228)。
優先フラグがONの場合(F218でYES),該セグメントを保留キューの先頭につなぐ(F220)。ただし,保留キューに優先フラグがONのセグメントが既に存在する場合,それら優先フラグがONのセグメントの最後尾かつ,優先フラグがOFFのセグメントの先頭に挿入する。
図10は,図4と同様のサーバ104が中継装置200を介して端末102にデータを送信する際,端末102と中継装置200との間でセグメントが失われた場合における,実施例2のシーケンス例である。図10の通信は1つのコネクションとし,説明に必要のない確認応答は省略する。
図10では,以下の点で実施例1の図4と異なる。また,サーバ104が送信するセグメントD01からD04までのSIDとサイズは実施例1のD00と等しい。
端末102が送信した,3つ目の確認応答番号が200の確認応答A03をサーバ104が受信したとき(S402),サーバ104は,SACKオプションが有効であるから,失われたセグメントD02を再送し,既に送信済みのセグメントD03,D04を再送しない。
中継装置200の受信機能112は,サーバ104が再送したセグメントD02を受信すると(S410),SID区間記憶機能204が記憶する受信済区間が100〜499で,該セグメントD02のSIDが200であるため,該SIDは受信済区間に含まれ(F206でNO),帯域制御機能110は,該セグメントD02を帯域制御の非対象とする。セグメントD02は,以下,実施例1と同様に端末102に送信される(F230)。
図11は,図5と同様のサーバ104が中継装置200を介して端末102にデータを送信する際,サーバ104と中継装置200との間でセグメントが失われた場合における,実施例2のシーケンスの例である。図11の通信は1つのコネクションとし,説明に必要のない確認応答は省略する。
図11では,以下の点で実施例1の図5と異なる。
D40は,サーバ104が送信するセグメントD11からD15までのSIDとサイズを示す。説明のため,図11ではサーバ104が送信するセグメントが実施例1の図5よりも1つ多い例を挙げる。
中継装置200の受信機能112が,サーバ104が送信したセグメントD14を受信すると(S411),該セグメントD14のSIDが受信済区間のSIDより大きく(F206とF208でYES),保留キューに既にセグメントが存在するため(F222でYES),帯域制御機能110は,セグメントD14を保留キュー末尾につなぐ(F218でNO,F228)。
同様に,中継装置200はセグメントD15を受信すると,セグメントD15を保留キュー末尾につなぐ(S412)。
失われたセグメントD12を要求するために端末102が応答する確認応答番号200の確認応答A12を,実施例1と同様に,連続して一定回数(ここでは3),サーバ104が受信すると,サーバ104はセグメントD12が失われたと判断してセグメントD12を再送する(S402)。
中継装置200の受信機能112がセグメントD12を受信すると(S413),SID区間記憶機能204が記憶する受信済区間が100〜199,300〜599で,該セグメントD12のSIDが200であるため,帯域制御機能110は,受信SIDが受信済区間外(F206でYES),受信SIDが受信済区間以下(F208でNO)と判断し,該セグメントD12に優先フラグをたて(F210),保留キューの先頭につなぐ(F220)。
保留キューにはセグメントD12の以前からセグメントD15が存在するが,優先フラグのついたセグメントD12はセグメントD15よりもキューの前方につながれるため,一定期間経過後にセグメントが送信可能になると(F232),セグメントD15よりも先にセグメントD12が送信される(F230,S414)。
以上,本実施例によれば,失なわれたセグメントを再送し失われていないセグメントを再送しない通信プロトコルを使用した通信においても,中継装置が,トランスポートレイヤーにおける通信帯域を制御した帯域よりも著しく低下させることなく,帯域を制御することができる。
第3の実施例は,中継装置300が,順序どおりでないセグメントをサーバ104から一定数以上受信した場合に,端末102に該セグメントを中継するのではなく,中継装置300がサーバ104に応答し,セグメントの再送を促す実施例である。
図8は実施例3の通信システムの一構成例である。中継装置300は,実施例1の中継装置100に加えて,応答生成機能302を備える。
応答生成機能302は,受信機能112が受信したセグメントに対する確認応答を生成する。セグメントに対して応答を生成する技術は公知である。ただし,応答生成機能302は,公知技術とは異なり,生成する応答の確認応答番号として,予測SID記憶機能126が記憶する該セグメントが属するコネクションの予測SIDを使用する。
中継装置300が,セグメントを受信した場合の動作を示すフローチャートは,実施例1の図3とF120以外において等しい。
中継装置300では,F120において,保留キュー130が記憶する同コネクションのFIFOキューに存在し,予約フラグがONであるセグメントに対する確認応答を,応答生成機能302が生成する。このとき,各確認応答の確認応答番号には,予測SID記憶機能126が記憶する同コネクションの予測SIDの値を使用する。
次に送信機能114が,応答生成機能302が生成した確認応答を,サーバ104に送信する。また,生成した確認応答と対応する予約フラグがONのセグメントは破棄する。
図12は,サーバ104が中継装置300を介して端末102にデータを送信する際,サーバ104と中継装置300との間でセグメントが失われた場合のシーケンスの例である。
実施例3の図12は,以下の点で実施例1の図5と異なる。また,サーバ104が送信するセグメントD11からD14までのSIDとサイズは実施例1のD10と等しい。
中継装置300の受信機能112が,失われたセグメントD12以外のセグメントD11,D13,D14を受信する(S310〜S312)と,順序外SID数が2で,F118のNを2とすると,「順序外SID≧N」となるため(図3のF118でYES),実施例3のF120において,応答生成機能302が,D13,D14に対応し,同コネクションの予測SIDである200を確認応答番号とする確認応答A31,A32を生成し,サーバ104に応答する(S510)。
サーバ104は,確認応答番号が同じ200である確認応答を,連続して一定回数(ここでは3)受信したことになるため,セグメントD12が失われたと判断し,実施例1と同様に,セグメントD12を再送する。
以上,本実施例によれば,中継装置300が順序どおりでないセグメントを一定数受信した場合に,中継装置が確認応答を返すことで,より早いセグメントの再送を期待できる。
第4の実施例は,サーバ104が送信した再送セグメントに対して,中継装置400が新たに制御帯域を設けることができる実施例である。
図9は,実施例4の通信システムの一構成例である。中継装置400は,実施例1の中継装置100とは,ユーザ管理機能424と,帯域制御機能410とにおいて異なる。
ユーザ管理機能424は,実施例1の機能に加え,ユーザ毎に,再送セグメントの制御帯域を記憶する。再送セグメントの制御帯域は予め定めておいてもよいし,過去一定期間に受信したセグメントの受信SIDが予測SIDと異なった回数に基づいてユーザ管理機能424が決定してもよい。
帯域制御機能410は,解除フラグがONであるセグメントの制御帯域を,解除するのではなく,ユーザ管理機能424が記憶する再送セグメントの制御帯域に変更する。
中継装置400が,セグメントを受信した場合の動作を示すフローチャートは,実施例1の図3とF124,F126以外において等しい。
中継装置400では,F124において,解除フラグがONでも,F130の処理には移らず,F126において,解除フラグがONならば,帯域制御機能410が,ユーザ管理機能424が記憶する再送セグメントの制御帯域内で該セグメントを送信可能かどうか判定する。
該セグメントを制御帯域内で送信可能でないと判定すると(F126でNO),該セグメントを保留キューの末尾ではなく,保留キューの先頭につなぐ。ただし,保留キューに優先フラグがONのセグメントが既に存在する場合,それら優先フラグがONのセグメントの最後尾かつ,優先フラグがOFFのセグメントの先頭に挿入する。
以上,本実施例によれば,中継装置400は,サーバ104が再送したセグメントに対しても,帯域制御を行うことができる。
100:中継装置(実施例1),102:端末,104:サーバ,106:ネットワーク,110:帯域制御機能(実施例1),112:受信機能,114:送信機能,116:コネクション管理機能(実施例1),118:次SID予測機能,120:セグメント情報記憶機能(実施例1),122:SID判定機能(実施例1),124:ユーザ管理機能(実施例1),126:予測SID記憶機能,128:順序外SID数記憶機能,130:保留キュー,200:中継装置(実施例2),202:SACK判定機能,204:SID区間記憶機能,216:コネクション管理機能(実施例2)220:セグメント情報記憶機能(実施例2),222:SID判定機能(実施例2),300:中継装置(実施例3),302:応答生成機能,400:中継装置(実施例4),410:帯域制御機能(実施例4),424:ユーザ管理機能(実施例4),H201:プロセッサ,H202:メモリ装置,H203:入出力装置,H204:ディスク装置,H205:通信制御装置,H206:内部バス,H207:外部通信回線
Claims (7)
- 送信側装置と受信側装置とを接続するネットワーク上に設けられた中継装置であって,
前記送信側装置と前記受信側装置との間の通信コネクションにおけるデータの順序情報であるSIDについて,前記送信側装置が,予め定めた数以上連続して受信した確認応答に同じSIDが含まれていれば,当該SID以降のセグメントを再送する場合,
前記中継装置は,
前記送信側装置から,前記受信側装置をあて先とするデータを受信する受信部と,
前記受信側装置を宛先として前記データを送信する送信部と,
受信した前記受信データに含まれるSIDとデータサイズとを抽出するSID判定部と,
前記送信側装置と前記受信側装置との間の通信コネクションにおける,前記受信側装置への前記受信データの送信が,ネットワークレイヤーにて予め定めた帯域以下で行われるように,前記送信部を制御する帯域制御部と,を備え,
前記帯域制御部は,一つの前記通信コネクションにおいて,
前記SID判定部が抽出した前記SIDと前記データサイズとに基づいて,次に受信すると予測するデータの前記SIDを予測SIDとして算出し,
算出した前記予測SIDと次に受信した受信データのSIDを比較し,等しくなければ,当該データを前記帯域制御の非対象,または,非対象の候補とする
ことを特徴とする中継装置。 - 請求項1に記載の中継装置において,さらに,
前記帯域制御部は,
前記SID判定部による比較の結果,
前記受信データのSIDが,前記予測SIDより小さい場合,前記受信データを前記帯域制御の非対象とし,
前記受信データの順序番号が,前記予測SIDを超える場合,前記受信データを帯域制御の非対象の候補とする
ことを特徴とする中継装置。 - 請求項2に記載の中継装置において,
前記帯域制御部は,
前記受信データのSIDが,前記予測SIDを連続して超えた超過数を記憶し,該超過数が予め定めた値以上となった場合に,前記帯域制御の非対象の候補とした前記受信データを,前記帯域制御の非対象とする
ことを特徴とする中継装置。 - 前記請求項2に記載の中継装置において,
前記受信データに対する確認応答を,前記受信データと,前記予測SIDとに基づいて生成する応答生成部を備え,
前記応答生成部は,連続して非対象の候補とした前記受信データ数が予め定めた値以上になった場合,前記受信データに対する前記確認応答を生成し,
前記送信部は,
前記帯域制御の非対象の候補とした前記受信データを破棄し,
前記応答生成部が生成した前記確認応答を,該送信側装置宛に送信する
ことを特徴とする中継装置。 - 送信側装置と受信側装置とを接続するネットワーク上に設けられた中継装置であって,
前記送信側装置が,前記受信側装置との間の通信コネクションにおけるデータの順序情報であるSIDについて,前記送信側装置が,予め定めた数以上連続して受信した確認応答に同じSIDが含まれていれば,当該SIDのセグメントを再送する場合,
前記中継装置は,
前記送信側装置から,前記受信側装置をあて先とするデータを受信する受信部と,
前記受信側装置を宛先として前記データを送信する送信部と,
受信した前記受信データに含まれるSIDとデータサイズとを抽出するSID判定部と,
前記送信側装置と前記受信側装置との間の通信コネクションにおける,前記受信側装置への前記受信データの送信が,ネットワークレイヤーにて予め定めた帯域以下で行われるように,前記送信部を制御する帯域制御部と,
前記送信側装置からの通信コネクション毎に,前記受信データの受信済区間を算出し記憶するSID区間記憶部と,を備え,
前記帯域制御部は,
前記受信済みSIDの区間と,前記受信データのSIDとを比較し,
前記比較結果に基づき,当該受信データを前記帯域制御の対象とするか否かを決定する
ことを特徴とする中継装置。 - 請求項5に記載の中継装置において,
前記帯域制御部は,
前記SIDが前記受信済みSID区間に含まれる場合は,当該受信データを帯域制御の非対象とし,
前記SIDが前記受信済みSID区間に含まれず,かつ,前記受信済みSID区間の最大値以下の場合は,前記帯域制御部は当該受信データを同コネクションの他のデータよりも優先して送信すべき,かつ,前記帯域制御の対象とする
ことを特徴とする中継装置。 - 請求項1ないし6のいずれか一に記載の中継装置において,
帯域制御の非対象とされたデータに対して,データ送信者毎に新たな制御帯域を記憶し,
前記の帯域制御の非対象とされたデータ対して,前記の新たな制御帯域内にて送信する
ことを特徴とする中継装置。
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