JP2011199427A - 画像読取装置、画像形成装置及び変換画像出力調整方法 - Google Patents

画像読取装置、画像形成装置及び変換画像出力調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イメージセンサのシェーディング補正において、AGCの所要時間を短縮しかつ精度の低下を防ぐ。
【解決手段】CCDが有する複数のセンサの中のGセンサによって基準白板が読み取られ、白レベルのアナログ信号に変換され(S104)、更にデジタルデータに変換される。このデータをもとに、基準白板を読み取ったときのA/D変換器の出力を所定の目標値とするGセンサの補正ゲイン係数を演算する(S105)。この後、光源の発光量の,環境温度や経時変化に対応し、センサの特性を加味したセンサ出力レベルプロファイルを選択する(S106)。センサ出力レベルプロファイルは、R/G及びB/Gを数値で表しているので、この値を白レベルアナログ信号に適用して、R及びBセンサのアナログ出力レベルを推測し(S107)、この結果を用いて補正ゲイン係数を算出する(S108)。
【選択図】図6

Description

本発明は、原稿を光源により照明して、その反射光をイメージセンサ(CCD)で受光することにより原稿を読み取る原稿読取装置に関し、より詳しくは、複数構成のイメージセンサの出力を調整するゲインの初期設定に要する時間を短縮化するための手段を備えた画像読取装置、画像読取装置を装備した画像形成装置及び変換画像出力調整方法に関する。
従来から、複写機、ファクシミリ、複写・ファクシミリ・スキャナ配信機能等を複合させたMFP(Multi-Function Peripherals)等の画像形成装置における画像入力には、装置の構成ユニットとしてのスキャナ、或いは単機能機としてのスキャナが広く用いられている。
こうした画像入力に用いられるスキャナでは、原稿の画像を2次元(主・副)走査し、画素信号を得る読取方法が一般的に採用されている。2次元走査は、CCD(Charge Coupled Device)を用いるラインイメージセンサ(以下、「CCD」ともいう)で主走査ラインの画像信号へ変換する主走査と、原稿画像とCCDを走査機構によって相対変位させる副走査による。つまり、この主・副走査により、ライン画像信号をサンプリングし、原稿面の2次元画像を表す。
ラインイメージセンサによって読取られる原稿面は、光源によりミラーを介して照明され、イメージセンサは、原稿面からの反射光を受光し、その強さに応じた信号を出力する。
また、ラインイメージセンサから出力される画像信号は、光源が発光する光の変動等の影響を受けても、基準体からの反射光を受光したときに一定の出力となるように、ゲインによって信号レベルを調整して出力される。
このため、電源投入(ON)時等に行う初期設定では、光源により基準白板を照射し、その反射光を読取ったCCDからの出力レベルがAFE(Analog Front End)でA/D変換されデジタル値で出力されるときには、一定となっているように、基準白板を読取った画像信号を変換する際のゲインを制御し、その制御において調整したゲイン係数により補正ゲイン係数を決定している(以下、「AGC」という)。
ところで、電源投入(ON)時又は省電力モードから復帰した際、原稿画像読取り可能となるまでの待ち時間は初期設定時間の長さに依存する。初期設定開始から原稿読取可能となるまでの所要時間は、上記AGCにかかる時間が大きく影響する。
従来技術では、初期設定において画像読取装置に搭載されているCCDが有するラインイメージセンサが複数あれば、その数だけAGCによる調整を行う必要があった。
従って、Bk(Black)/R(Red)/G(Green)/B(Blue)のセンサ構成の場合には、4ラインイメージセンサ分の調整時間が必要になり、初期設定に要する時間を長期化させる。
初期設定に要する時間の長期化という問題を解決するために提案された従来技術として、特許文献1を挙げることができる。特許文献1には、RGB各色の読取信号を出力するCCDにおいて、その内の1色の読取信号に対する白レベル調整のみを行い、その調整値を求め、他の色に対しては、求めた1色の調整値と各色について初期調整で得た初期調整値の比をもとに調整値を算出する、という方法が提案されている。この方法をとることで、他の色に対する調整時間の短縮化を可能にしている。
特許文献1で提案された方法によりAGCの所要時間を短縮することができる。
ただ、特許文献1で提案された方法は、調整精度に欠ける、という問題が生じる。というのは、特許文献1では、1色の読取信号に対してのみAGCを行い、他の色に対しては、求めた1色の調整値から推測した値を算出するが、その際、光量変動やR/G/Bバランスを考慮し、初期調整結果を基にした対策を行ってはいるものの、光量変動やR/G/Bバランスが一律であることを前提としている。しかしながら、実際には、光源の光量変動は環境温度や経時によりR/G/Bで一律に変動しないので、この点が調整精度を低下させる原因となる。
本発明の目的は、1色の読取信号に対してのみAGCを行い、他の色に対しては、求めた1色の調整値から推測した値を算出することによりAGCの所要時間を短縮する上記従来技術における調整精度の問題に鑑みなされたもので、イメージセンサの一部で変換した画像信号に対しAGCを実行して調整し、他部に対しては、調整精度を低下させる要因を考慮した推測を行うことにより、AGCの所要時間を短縮し、かつ精度の低下を防ぐことにある。
本発明は、光源と、前記光源により照明される原稿からの反射光を複数のイメージセンサにより受光し画像信号に変換する画像変換手段と、ゲインを変更することにより前記画像変換手段によって変換された各画像信号を所定値に調整して出力する画像信号調整手段と、前記画像信号調整手段で各画像信号に対して設定するゲインとして白レベルの出力を所定の目標値にするゲインを決定する調整ゲイン決定手段を有する画像読取装置であって、前記調整ゲイン決定手段は、ゲインの再設定時に、複数の画像変換手段の一部を実際に動作させることによって変換した白レベルの出力をもとに、前記画像信号調整手段からの白レベルの出力を前記所定の目標値にするゲイン補正値を求める第1のゲイン補正値取得手段と、前記光源の発光量を変化させる変量に対応付けて、複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報を保管する変換出力情報保管手段と、ゲインの再設定時に前記光源の発光量を変化させる変量を求める変量取得手段と、複数の画像変換手段の他の画像変換手段の画像信号に適用するゲイン補正値を、前記第1のゲイン補正値取得手段が得た白レベルの出力から、前記変換出力情報保管手段に保管された白レベルの変換出力の関係を表す情報中の前記変量取得手段の得た変量に対応する情報に基づいて推測し、推測された白レベルの変換出力をもとに、前記画像信号調整手段からの白レベルの出力を前記所定の目標値にするゲイン補正値を求める第2のゲイン補正値取得手段を備えたことを特徴とする。
本発明は、光源により照明される原稿からの反射光を複数の画像変換手段により受光し画像信号に変換し、変換された各画像信号を、白レベルの画像信号を所定の目標値にするために設定されたゲインで調整する変換画像出力調整方法であって、前記ゲインの再設定時に、複数の画像変換手段の一部を実際に動作させることによって変換した白レベルの出力をもとに、この白レベル出力を前記所定の目標値にするゲインの補正値を求める第1のゲイン補正値取得工程と、前記ゲインの再設定時に前記光源の発光量を変化させる変量を求める変量取得工程と、複数の画像変換手段の他の画像変換手段の画像信号に適用するゲイン補正値を、前記第1のゲイン補正値取得工程で得た白レベルの出力から、光源の発光量を変化させる変量に対応付けて保管された、複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報中の前記変量取得手段の得た変量に対応する情報に基づいて推測し、推測された白レベルの変換出力をもとに、この白レベル出力を前記所定の目標値にするゲインの補正値を求める第2のゲイン補正値取得工程を有することを特徴とする。
本発明によると、AGCを短時間で済ませ、AGCを省いた読取(画像)信号に対しては、精度低下を防ぐことができるゲイン補正を行うことにより、信号レベルを調整するためのゲインの設定に要する時間を短縮し、初期設定から読み取り開始となるまでの待ち時間の短縮化が図られ、かつ調整精度の低下を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る画像読取装置の1例の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置の他の例の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置における制御系の1例の概略構成を示す図である。 光源A及びBの光量変動をR/G/Bの色ごとに示す線図である。 本発明の実施形態に係る画像読取装置におけるイメージセンサの出力処理系の概略構成を示す図である。 本発明の1実施形態に係るイメージセンサの出力調整動作の制御フローを示す図である。 本発明の他の実施形態に係るイメージセンサの出力調整動作の制御フローを示す図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本発明は、画像読取装置におけるイメージセンサの出力を調整するための手段を特徴構成とし、この特徴構成について後記で詳細な説明をするが、その前に、前提とする画像読取装置の概略を図1〜3の構成例にもとづいて説明する。
[機械系の構成(1)]
図1は、本発明の実施形態に係る画像読取装置の1例の概略構成を示す図である。
図1に示す画像読取装置100は、読取原稿を原稿台12から1枚ずつ分離して読取位置(後述の読み取り窓6の位置)へ搬送する自動原稿搬送ユニット(ADF)100aと、読取位置の原稿画像を1ラインずつ読み取る画像読取ユニット100bからなる。
画像読取ユニット100bは、シートスキャン型の原稿読取機能(シートスキャンモード)と、ブックスキャン型の原稿読取機能(ブックスキャンモード)の2つの原稿読取機能を備える。
自動原稿搬送ユニット100aにおいて、原稿台12に載置された読取原稿Pは、その最上部に位置するものがピックアップコロにより取り出されて、分離ユニット13で1枚ずつに分離され、送り出しコロ14によって1枚の読取原稿を搬送方向へガイド部材を通して送り出す。
この後、読取原稿Pは、搬送ローラと搬送ドラム5に挟持され、また、搬送ドラム5の表面に密着した状態で搬送され、読取位置を通過して、排出ローラにより、排紙トレイ15へと排紙される。
また、画像読取ユニット100bでは、読取位置に対応して、シートスキャン用のコンタクトガラスとしての読み取り窓6が配設されている。
また、読み取り窓6とほぼ同一面で図示の右側には、ブックスキャン用のコンタクトガラス1が配設されている。また、基準白板9は、後述するイメージセンサの出力調整(シェーディング補正)において白基準画像として用いるものである。
ランプ2は、読取原稿Pの原稿面を照明するものであり、読取原稿Pからの反射光は、第1ミラー3、第2ミラー21及び第3ミラー22の順に反射されて、レンズ7によって基板に設けたCCDラインイメージセンサ8の受光面で結像し、原稿画像を生成する。
また、ランプ2と第1ミラー3は、第1キャリッジ4に搭載されて副走査方向A(図中矢示する)へ往復移動されるとともに、第2ミラー21および第3ミラー22は、第2キャリッジ20に搭載されて副走査方向Aへ往復移動する。また、コンタクトガラス1からCCDラインイメージセンサ8までの光路長を維持するために、第2キャリッジ20は、第1キャリッジ4の1/2の速度で移動される。
また、自動原稿搬送ユニット100aは、全体がコンタクトガラス1に対して開閉する構造となっており、コンタクトガラス1に対向する部分を、ブック原稿等をコンタクトガラス1に圧接するための圧板部材としている。
また、読み取り窓6に対向する搬送ドラム5の表面は、後述する出力調整(シェーディング補正)において白基準画像として用いる面とされている。
また、ブックスキャンモードでは、第1キャリッジ4を副走査方向Aへ移動しながら、CCDラインイメージセンサ8の受光面にコンタクトガラス1上の原稿画像を結像し、その画像を読み取る。
また、シートスキャンモードでは、連続して複数枚の原稿を読み取ることが可能であり、この場合は、第1キャリッジ4は移動せず、ランプ2は読取位置の読み取り窓6で停止された状態となる。第1キャリッジ4のこの停止位置は、HPS(ホームポジションセンサ)10によって検知される。
[機械系の構成(2)]
図2は、本発明の実施形態に係る画像読取装置の他の例の概略構成を示す図である。なお、同図において、図1と同一部分には、同一符号を付しており、該当部分は上記[機械系の構成(1)]で説明している。よって、上記説明を参照することとし、ここでは記載を省略する。
図2に示す画像読取装置100は、図1の構成から自動原稿搬送ユニット100aを除いた構成となっており、画像読取ユニット100bは、ブックスキャン型の原稿読取機能のみを備える。また、読取原稿をコンタクトガラス1に圧接する圧板部材19が設けられている。
また、ブックスキャン型の原稿読取機能のみを持つこの画像読取装置100は、後述するイメージセンサの出力調整(シェーディング補正)において白基準画像として用いるものは、基準白板9だけである。
[制御系の構成]
図3は、本発明の実施形態に係る画像読取装置の制御系の1例の概略構成を示す図である。
図3に示す制御系30は、この原稿読取装置を制御するコントローラとして機能するコンピュータを有する。このコンピュータは、ソフトウェアプログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)31と、CPU31の制御下で動作する、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、操作表示部34、外部インターフェース(I/F)35、入出力制御部36等の要素よりなる。なお、これらの要素は、内部バス43を介してデータの送受を行う。
ROM32は、CPU31によって使用される制御プログラム、制御用データ等を記憶し、RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に必要なデータを保存するワークメモリとして使用される。
操作表示部34は、ユーザーがこの原稿読取装置を操作するための操作キーや、ユーザーにこの原稿読取装置の状態等を表示する表示装置などからなり、ユーザーI/Fとして機能する要素である。
外部I/F35は、外部装置(例えば、ホスト装置など)と接続し、外部装置との間で各種のデータを交換するためのものである。
入出力制御部36は、コントローラによって制御される要素がコントローラとの間でやり取りするデータ、指令等を仲介する手段である。
入出力制御部36を介して、上記コントローラによって制御される要素は、コンタクトガラス1に載置された原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知センサ37、自動原稿搬送ユニット100a又は圧板部材19がコンタクトガラス1に密着しているか否か(開閉)を検出するためのADF(圧板)開閉センサ38、キャリッジを移動させるスキャナモータ21や搬送ドラム5を回転させるモータなどを駆動するためのモータ駆動部39、ランプ2を点灯駆動するためのランプ駆動部40、CCDラインイメージセンサ8を駆動して、原稿画像を受光して画像データに変換し(読み取り)、変換された画像データに調整(補正)処理を施し、デジタル出力用データを生成する原稿読み取り部41、キャリッジが所定のホームポジションに位置しているか否かを検出するためのHPS10等よりなる。
また、電源ユニット45は、原稿読取装置の制御系30を構成する各要素へ電源を供給すると共に、省電力モード(電力消費を低減するために、所定の制限条件に従い電力供給を行う動作モード)と通常動作モードで電源供給の切換を行う機能を備えている。
CPU31(コントローラ)は、通常動作モードから省電力モードへの移行と、省電力モードから通常動作モードへの復帰を原稿読取装置の機器状態をもとに判断し、動作モードの移行又は復帰が判断されたときに、電源ユニット45にその指示を与えることにより、電力消費が低減可能な電源供給動作を行わせる。
[イメージセンサの出力調整]
本実施形態の画像読取装置は、電源投入(ON)及び省電力モードから復帰した場合には、初期化処理としてイメージセンサ(CCD)で基準白板を読み取り、得られる画像データをもとに白レベル調整を行い、補正ゲイン係数を決定する初期設定処理を行う。なお、この実施形態では、電源ON時等のタイミングで行う例を示すが、電源ON時等に限らず、光源の発光特性の変化が想定されるときに実行する。
この白レベル調整は、光源2による基準白板9の反射光を受光したCCD8が出力するアナログ画像信号をA/D変換する際、変換後のデジタル出力レベルが所定の目標値となるように、CCD8からの出力信号に対するゲインを制御し、その制御において調整したゲイン係数を、この初期化後にCCD8の出力調整に用いる補正ゲイン係数として決定する(以下、この操作を「AGC」という)。
初期設定処理を行った後に、白レベル調整されたCCD8で原稿読み取りが可能となるが、この調整が済むまで原稿読み取りが開始できないので、その間ユーザーを待たせることになる。従来、複数のイメージセンサよりなるCCD8を装備している場合、各々調整を実施する必要があり、センサ数分の時間を調整に要していた。
このため、例示した従来技術(特許文献1)では、複数のイメージセンサのうちの1つのイメージセンサに対するAGCを行い、その結果から残りのイメージセンサの補正ゲイン係数を決定する、という方法を提案している。
ただ、上記[発明が解決しようとする課題]でR/G/Bイメージセンサを例にして述べたように、光量変動やR/G/Bバランスが一律であることを前提とする推測によって、AGCを実行しないイメージセンサに対する補正ゲイン係数を決定しているので、調整精度に限界が生じてしまう。
この点は、光源の光量変動をR/G/Bの色ごとに示す図4の特性データに表されている。同図における(A)、(B)は、異なる光源A、Bそれぞれの点灯開始から経時(横軸:分)のR/G/Bごとの光源変動(縦軸:低下率)を示している。
同図(A)、(B)の特性データは、光源ごと、R/G/Bごとに光量や光量変動が異なることを示しており、各色の光量を変換するR/G/Bイメージセンサの出力は、この光源の特性の違いに、さらにセンサ特性の違いが加わることになるので、光量変動やR/G/Bバランスが一律であるという前提は実際には無理があって、調整精度に無視できない影響を与えることが分かる。
そこで、この実施形態では、光源の光量変動の現れ方はR/G/Bごとに違って、一律ではない上に、使用する光源そのもののばらつきがある、という実際の光源の特性にもとづく条件を考慮した推測を行うことにより、従来技術の問題を解決する。
上記の推測を可能にするためには、光源の発光量が変化するときにR/G/Bそれぞれに現れる変動量の違いを使用中の光源に固有の特性として予め求め、光源の発光量が変化した時にそれを参照できるように用意しておく必要がある。
ところで、光源の特性は、光源が製品としてメーカーからユーザーに提供されるときに、ユーザーが知り得る情報である。光源の発光量を変化させる要因には環境温度や経時的劣化があり、変量として把握される環境温度及び経時に対する光量の変動を表す情報(以下「光量変動プロファイル」という)がここでは必要な情報となる。
ただ、メーカーの提供する光量変動プロファイルは、通常、減衰率或いは変動率といった形で示されるので、実際にR/G/Bの各イメージセンサ(CCD8)間の変換出力の関係を求めるためには、R/G/Bそれぞれのイメージセンサの感度のばらつき等の変換特性による変化を加味する必要がある。即ち、R/G/Bそれぞれのイメージセンサ出力レベルの降下率の変化を表す情報(以下「センサ出力レベルプロファイル」という)に置き換えなければならない。さらに、このセンサ出力レベルプロファイルは、実際にAGCを行い求めたイメージセンサの白レベル出力から、他のイメージセンサの白レベル出力を推測するので、このためにR/G/Bイメージセンサ間の白レベルの変換出力の関係を数値で表すことが求められる。
このセンサ出力レベルプロファイルは、光源を画像読取装置に搭載し、製品として出荷する際に行う白レベル調整により得られるR/G/Bそれぞれのイメージセンサ出力レベルに基づいて求めることができる。
複数のイメージセンサに対する補正ゲイン係数を決定する初期設定処理では、複数のイメージセンサのうちの1つのイメージセンサに対するAGCを行い、その結果から残りのイメージセンサの補正ゲイン係数を推測する際に、上記のようにして求めたセンサ出力レベルプロファイルを用いることにより、環境温度及び経時変化により変動する光量変動やR/G/Bバランスの変化に対しても調整精度を維持することを可能にする。
なお、環境温度及び経時変化は、前者については、環境温度を検知するための温度センサを装備し、後者については、光源の点灯時間を累算する手段を備え、それぞれの手段によって得られる光源の状態に対応したセンサ出力レベルプロファイルを用いる。
[イメージセンサ出力系の構成]
図5は、イメージセンサの出力処理系の概略構成を示す図である。
同図に示すイメージセンサの出力処理系は、原稿読み取り部41(図3、参照)の内部に構成される。
図5において、タイミング発生部18は、CCDラインイメージセンサ8を駆動するための種々のタイミング信号を出力するもので、このタイミング信号に従いCCDラインイメージセンサ8で原稿画像を受光し、変換されるアナログ画像信号は、アナログ信号処理部16に出力される。
また、アナログ信号処理部16およびA/D(アナログ/デジタル)変換器17には、CCDラインイメージセンサ8の駆動に同期してぞれぞれの処理を行うために必要なタイミング信号がタイミング発生部18から出力される。
アナログ信号処理部16は、CCDラインイメージセンサ8から1ライン毎に出力されるアナログ画像信号を入力し、アナログ画像信号に対して、オフセットクランプ、サンプル/ホールド(S/H)、黒オフセット補正、および、信号増幅などのアナログ信号処理を施す手段を有し、これらの処理を経たアナログ信号は、A/D変換器17に出力される。
A/D変換器17は、アナログ信号処理部16からのアナログ信号の入力を受け、その信号を対応するデジタル画像信号(デジタルデータ)に変換するが、その際に出力調整(シェーディング補正処理)におけるAGC(ゲインコントロール)や補正ゲイン係数を決定し、ゲイン係数を設定する処理(シェーディングデータの生成)に必要な動作を制御系30の指示に従って行う。補正ゲイン係数を決定する処理は、上記で説明した調整方法によって、光源の発光特性が変化する初期設定処理等のタイミングで行う。
なお、A/D変換器17で行う、イメージセンサの出力調整におけるAGCや補正ゲイン係数を決定する初期設定処理については、後述するこの処理の制御フローで説明する。
上記[イメージセンサの出力調整]で説明した調整方法に従ってイメージセンサ出力系(図5、参照)で行われるイメージセンサの出力調整動作を実施形態にもとづいて説明する。以下には、出力調整動作(1)及び(2)の2形態を例示する。
[出力調整動作(1)]
図6は、この実施形態のイメージセンサの出力調整動作の制御フローを示す図である。ここでは、電源ON又は省電力モードから復帰した場合に、初期化処理として行う動作を例示する。
画像読取装置の電源スイッチが入れられるか又は省電力モードからの復帰条件が満たされたことを制御系30が判断すると、この制御フローが起動され、先ず、電源ON又は省電力モードから復帰の指令が発行され(ステップS101)、初期化処理として、白レベル調整(AGC)を行い、補正ゲイン係数を決定する初期設定処理を開始する(ステップS102)。
制御系30は、初期設定処理の始めに基準白板9を読み取るために、ランプ2を点灯する(ステップS103)。
次に、CCD8が有する複数のイメージセンサの中の1つであるGreenイメージセンサによって基準白板9が読み取られ、アナログ信号処理部16によって白レベルのアナログ画像信号に変換される(ステップS104)。なお、本実施例では、AGCにより出力調整を実行する複数のイメージセンサの中の1つをGreenイメージセンサとして以下、説明を行う。
次いで、基準白板9を読み取り、アナログ信号処理部16で処理されたGreenイメージセンサのアナログ出力レベルがA/D変換器17によってA/D変換され、白レベルのデジタルデータが出力される。この白レベルの出力データをもとに、Greenイメージセンサの補正ゲイン係数の演算を行う(ステップS105)。補正ゲイン係数の演算は、Greenイメージセンサによって基準白板9を読み取ったときのA/D変換器17の出力が所定の目標値となるように、A/D変換器17に設定するゲイン係数の補正値(即ち、シェーディング補正データ)を算出する処理である。
この後、例えば、LUT(ルックアップテーブル)の形式で保管されたセンサ出力レベルプロファイルをこのとき使用しているメモリに読み込む(ステップS106)。このとき、上述のように、光源の発光量を変化させる環境温度や経時変化に対応するセンサ出力レベルプロファイルのテーブル群を用意しており、このテーブル群から現在の光源の状態に適用するテーブルを選択する。例えば、この画像読取装置の環境温度を検知するセンサ(不図示)によって検知された温度と、光源の累積点灯時間を管理しておくことで、この時間によって表される光源の経時変化を推定し、現在の環境温度及び光源の劣化状態に適用するテーブルを選択し、次段の処理で利用する。なお、光源の管理は、後述する制御(図7、参照)の動作を可能にするためにも、光源の交換の有無や現行の光源の累積点灯時間等を含め装着された光源の履歴情報を記録しておく光源管理手段を必要とする。
前段で選択されたセンサ出力レベルプロファイルは、現在の光源の発光量において、適用するR/G/Bイメージセンサ間の白レベルの変換出力の関係、即ちRed/Green及びBlue/Greenを数値で表しているので、この値をステップS104で変換された白レベルのアナログ画像信号に適用して、Red及びBlueのアナログ出力レベルを演算する(ステップS107)。
次に、前段で求めたRed及びBlueのアナログ出力レベルをA/D変換器17によってA/D変換し、この出力白レベルの出力データをもとに、Red及びBlueの各イメージセンサ補正ゲイン係数をそれぞれ演算する(ステップS108)。補正ゲイン係数の演算方法は、ステップS105で行った処理と同様に行う。
この後、ステップS105及びステップS108で演算したRed/Green/Blueイメージセンサ各々の補正ゲイン係数によって各々の白レベルの出力データを補正し(積をとる)、得られるデジタル出力レベルが目標値になっているか否かを判定する(ステップS109)。
ここで、Red/Green/Blueイメージセンサ各々のデジタル出力が目標値になっていれば(ステップS109-YES)、求めた値で補正ゲイン係数を決定し、白レベル調整(AGC)を終了とする(ステップS110)。
この後、白レベル調整(AGC)が正常に終了したことを確認し、基準白板9の読み取る位置にある第1キャリッジ4にホーミング動作を行わせて、HPS10によって検知されるホームポジションへ移動させる(ステップS111)。
第1キャリッジ4がホームポジションに戻れば、スキャンの準備が整うので(ステップS112)、この状態でユーザーインターフェース(操作表示部34)から原稿の読み取り等の次処理が指示されるまで待機する(ステップS113)。
他方、ステップS109でRed/Green/Blueイメージセンサのいずれかのデジタル出力が目標値になっていなければ、即ち目標値とのずれが許容できない場合には(ステップS109-NO)、調整エラーがあったとみなして、通常AGCを実行する。この実施形態では、AGCを実行していないRed、Blueイメージセンサで、先にGreenイメージセンサで行ったと同様に基準白板9を読み取り、アナログ信号処理部16によって白レベルのアナログ出力への変換を行う(ステップS114)。
また、ステップS114で得た白レベルのアナログ出力をもとに、Red、Blueイメージセンサそれぞれの補正ゲイン係数の演算を行う(ステップS115)。なお、この時はセンサ出力レベルプロファイルを参照することはない。
次に、再び、ステップS115で算出されたRed、Blueイメージセンサの補正ゲイン係数を加えて、Red/Green/Blueイメージセンサ各々の補正ゲイン係数によって各々の白レベルの出力データを補正し(積をとる)、得られるデジタル出力レベルが目標値になっているか否かを判定する(ステップS116)。
ここで、Red/Green/Blue各々のデジタル出力が目標値になっていれば(ステップS116-YES)、求めた値で補正ゲイン係数を決定し、白レベル調整(AGC)を終了とする(ステップS110)。ステップS110以降の処理は、上述のとおりである。
他方、ステップS109でRed/Green/Blueイメージセンサのいずれかのデジタル出力が目標値になっていなければ、即ち目標値とのずれが許容できない場合には(ステップS116-NO)、調整エラーがあったとみなして、この場合には、ユーザーインターフェース(操作表示部34)への警告表示等のエラー処理を行い(ステップS117)、この制御フローを終了する。
[出力調整動作(2)]
この実施形態は、上記出力調整動作(1)の実施形態で考慮されていない、ランプ交換がある場合に適応することができる形態を示す。
図7は、この実施形態のイメージセンサの出力調整動作の制御フローを示す図である。この実施形態でも、上記出力調整動作(1)と同様に、電源ON又は省電力モードから復帰した場合に、初期化処理として行う動作を例示する。
なお、ランプ交換がある場合に適応すること以外は、図6を参照して説明した上記出力調整動作(1)と変わらないので、付加した部分の処理についてのみ説明する。
図7の制御フローにおけるステップS201〜S205は、図6の制御フローにおけるステップS101〜S105と同様である。
ステップS205までの処理で、GreenイメージセンサのAGCを実行し、Greenイメージセンサの補正ゲイン係数の演算を行った後、使用している光源(ランプ)が工場出荷時から交換が無かったか、否かを判定する(ステップS206)。
ステップS206の判定の結果、ランプ交換が無かった場合には(ステップS206-YES)、工場出荷時にLUTに記憶されたセンサ出力レベルプロファイルをこのとき使用しているメモリに読み込む(ステップS207)。
他方、ランプ交換が有った場合には(ステップS206-NO)、ランプ交換時に保管されているセンサ出力レベルプロファイルを交換したランプに対応するものに更新しているので、交換後のセンサ出力レベルプロファイルを、このとき使用しているメモリに読み込む(ステップS208)。
このようにして、ランプ交換が有ったとしても、現行のランプに対応するセンサ出力レベルプロファイルにもとづいて、Greenイメージセンサのアナログ出力レベルからRed、Blueの各イメージセンサのアナログ出力レベルの推測を誤り無く行えるようにする。
また、この実施形態の制御フローにおけるステップS209以降、即ち、ステップS209〜S219は、図6の制御フローにおけるステップS107〜S117と同様である。
[センサ出力レベルプロファイル]
この実施形態でセンサ出力レベルの調整に用いるセンサ出力レベルプロファイルは、上記したように、実際にAGCを行い求めた補正ゲイン係数から、他の補正ゲイン係数を推測するために、R/G/B間の補正ゲイン係数の関係を数値で表現したもので、光源との関係で画像読取装置に固有の値を持つ。
従って、光源等を交換する場合には、センサ出力レベルプロファイルを新たに作成し(上記[イメージセンサの出力調整]の説明、参照)、センサ出力レベルプロファイルを保管する記憶装置に記憶されたこのプロファイルデータを、作成したデータで書き換え、更新することが必要であり、このようにすることで、補正ゲイン係数の推測を適正化することができ、センサ出力レベルの調整を高精度に保つことができる。
また、光源の交換は、製品としての画像読取装置が市場へ出荷された後であるから、サービスマンを含むユーザーが外部I/F35を通して、例えば、管理サーバとしてのPCからセンサ出力レベルプロファイルのデータの書き換え、更新を行えるようにするとよい。この場合、画像読取装置側から使用しているイメージセンサの感度等の特性等の情報を管理サーバ側に知らせることが必要になる。
[画像形成装置]
上記実施形態で示した画像読取装置は、原稿画像を画像信号の形態として利用する各種の画像機器で利用される。利用機器の1つは、画像読取装置を入力手段として装備した複写機、ファクシミリ、MFP等の画像形成装置である。
これらの画像形成装置は、画像読取装置が出力する画像データをそれぞれの画像出力に用いる出力用のデータに処理する手段と、処理された出力用のデータを用いて画像出力を行う手段を有する。
複写機の場合、出力用のデータは、記録用紙に記録材によって画像を形成する処理に用いるデータとしてさらに処理され、画像形成部で出力に用いられる。
ファクシミリの場合、出力用のデータは、ファクシミリ送信用のデータに処理され、回線を通じて出力される。また、外部から受信したデータに対しては、画像形成部で出力に用いるデータに処理し、処理したデータを用いて出力を行う。
MFPの場合、複写機能においては、上記複写機と同様であり、ファクシミリ機能においては、上記ファクシミリと同様であるが、スキャナ機能においては、データ圧縮等の配信用のデータに変換する処理を行った後、データ送信を行う。
なお、上記各種の画像形成装置で行う出力の処理過程は、それぞれの機器においては、公知の技術であり、この公知技術を適用することにより実施することができるので、詳細な記載は省略する。
1・・コンタクトガラス、2・・ランプ、4・・第1キャリッジ、5・・搬送ドラム、6・・読み取り窓、8・・CCDラインイメージセンサ、9・・基準白板、10・・ホームポジションセンサ、16・・アナログ信号処理部、17・・A/D変換器、18・・タイミング発生部、30・・制御系、31・・CPU、34・・操作表示部、35・・外部インターフェース、41・・原稿読み取り部、100・・画像読取装置、100a・・自動原稿搬送ユニット(ADF)、100b・・画像読取ユニット。
特許第3936909号公報

Claims (6)

  1. 光源と、前記光源により照明される原稿からの反射光を複数のイメージセンサにより受光し画像信号に変換する画像変換手段と、ゲインを変更することにより前記画像変換手段によって変換された各画像信号を所定値に調整して出力する画像信号調整手段と、前記画像信号調整手段で各画像信号に対して設定するゲインとして白レベルの出力を所定の目標値にするゲインを決定する調整ゲイン決定手段を有する画像読取装置であって、
    前記調整ゲイン決定手段は、
    ゲインの再設定時に、複数の画像変換手段の一部を実際に動作させることによって変換した白レベルの出力をもとに、前記画像信号調整手段からの白レベルの出力を前記所定の目標値にするゲイン補正値を求める第1のゲイン補正値取得手段と、
    前記光源の発光量を変化させる変量に対応付けて、複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報を保管する変換出力情報保管手段と、
    ゲインの再設定時に前記光源の発光量を変化させる変量を求める変量取得手段と、
    複数の画像変換手段の他の画像変換手段の画像信号に適用するゲイン補正値を、前記第1のゲイン補正値取得手段が得た白レベルの出力から、前記変換出力情報保管手段に保管された白レベルの変換出力の関係を表す情報中の前記変量取得手段の得た変量に対応する情報に基づいて推測し、推測された白レベルの変換出力をもとに、前記画像信号調整手段からの白レベルの出力を前記所定の目標値にするゲイン補正値を求める第2のゲイン補正値取得手段
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1に記載された画像読取装置において、
    前記光源の発光量を変化させる変量は、少なくとも環境温度、経時変化のいずれかを表す量であることを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項1又は2に記載された画像読取装置において、
    前記複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報は、光源との関係で画像読取装置に固有の情報として用意されることを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された画像読取装置において、
    前記複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報を前記変換出力情報保管手段で保管するために、外部インターフェースを介して該情報の入力を行う操作手段を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された画像読取装置と、
    前記画像読取装置によって処理された画像信号をもとに画像出力に用いるデータを作成する出力用データ処理部と、
    画像出力用データを用いて記録用紙に記録材によって画像を形成する画像形成部と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 光源により照明される原稿からの反射光を複数の画像変換手段により受光し画像信号に変換し、変換された各画像信号を、白レベルの画像信号を所定の目標値にするために設定されたゲインで調整する変換画像出力調整方法であって、
    前記ゲインの再設定時に、複数の画像変換手段の一部を実際に動作させることによって変換した白レベルの出力をもとに、この白レベル出力を前記所定の目標値にするゲインの補正値を求める第1のゲイン補正値取得工程と、
    前記ゲインの再設定時に前記光源の発光量を変化させる変量を求める変量取得工程と、
    複数の画像変換手段の他の画像変換手段の画像信号に適用するゲイン補正値を、前記第1のゲイン補正値取得工程で得た白レベルの出力から、光源の発光量を変化させる変量に対応付けて保管された、複数の画像変換手段間の白レベルの変換出力の関係を表す情報中の前記変量取得手段の得た変量に対応する情報に基づいて推測し、推測された白レベルの変換出力をもとに、この白レベル出力を前記所定の目標値にするゲインの補正値を求める第2のゲイン補正値取得工程と、
    を有することを特徴とする変換画像出力調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016152563A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像読取装置及び画像形成装置

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