JP2011196865A - 放射線画像撮影システムおよびプログラム - Google Patents

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恭義 大田
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毅 神谷
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Abstract

【課題】消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することのできる放射線画像撮影システムおよびプログラムを得る。
【解決手段】CPU92Aにより、放射線が入射されない状態で電子カセッテ32により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、電子カセッテ32における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整するヒータ部64を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、放射線画像撮影システムおよびプログラムに係り、特に、放射線源から射出されて被検者を透過した放射線により示される放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影システムおよびプログラムに関する。
近年、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス基板上に放射線感応層を配置し、放射線を直接デジタルデータに変換できるFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器が実用化されており、この放射線検出器を用いて、照射された放射線により表わされる放射線画像を撮影する可搬型放射線画像撮影装置(以下、「電子カセッテ」ともいう。)が実用化されている。なお、上記電子カセッテに用いられる放射線検出器には、放射線を変換する方式として、放射線をシンチレータで光に変換した後にフォトダイオード等の半導体層で電荷に変換する間接変換方式や、放射線をアモルファスセレン等の半導体層で電荷に変換する直接変換方式等があり、各方式でも半導体層に使用可能な材料が種々存在する。
ところで、電子カセッテはその可搬性から、1つの電子カセッテを立位台や臥位台等の複数の架台に連続的に設けて複数の放射線画像の撮影を続け様に行う場合がある。この場合、電子カセッテ本体と新たに設けられる架台との温度が異なる場合には、電子カセッテの撮影領域に温度分布の斑(むら)が発生する結果、撮影によって得られた放射線画像にも斑が発生してしまう場合がある、という問題があった。
例えば、一例として図10に示すように、TFTについては、放射線を入射しない状態での撮影によって得られる画像情報であるオフセット値が温度によって変動し、放射線検出器として間接変換方式のものを用いた場合のシンチレータについては、特に蛍光体材料としてヨウ化セシウム(CsI)を用いた場合、放射線に対する感度が温度によって変動する。
従来、放射線検出器の撮影領域における温度の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制するために適用できる技術として、特許文献1には、上下面に電極を有しX線を電荷信号に変換する半導体からなるフラットなX線変換層と、散乱X線除去用のコリメータ板で構成されたコリメータとを、一次元もしくは二次元状に配置した放射線検出器において、前記X線変換層を保持している部材にヒータと温度センサを設け、X線変換層を所定の温度に調整する温度調整手段を備えることを特徴とする放射線検出器が開示されている。
また、特許文献2には、照射された放射線の強度に応じて光導電層に生成された電荷を2次元状に配列された多数のマイクロプレートで読み出し蓄積し、蓄積された電荷量に基づき画像データを生成して読み取る撮像パネルと、上記撮像パネルの温度を測定してセンサ信号を出力する温度センサと、上記撮像パネルの温度を可変する温度可変手段と、上記温度センサからのセンサ信号に基づき上記温度可変手段を制御して、上記撮像パネルの温度を所定の温度範囲となるように制御する温度制御手段とを有することを特徴とする放射線画像読取装置が開示されている。
また、特許文献3には、所定の画像を記録し、記録した前記画像を画像情報として出力する画像検出部と、前記画像検出部の表面に配置され且つ前記画像検出部を冷却する冷却パネルと、を有し、前記冷却パネルは、前記画像検出部の表面に沿った面方向に熱伝導特性が指向するように構成されていることを特徴とする画像検出器が開示されている。
また、特許文献4には、画像情報を担持する放射線の照射を受けて前記画像情報を記録し、記録した前記画像情報を表す画像信号を出力する放射線固体検出器、および該放射線固体検出器を収容する筐体を備えた放射線検出用ケースにおいて、前記筐体内の空間の少なくとも一部に、断熱性を有する充填材を充填したことを特徴とする放射線検出用ケースが開示されている。
また、特許文献5には、被写体像を検出するための複数の画素を含むセンサ領域と、共通の出力部へ複数の画素からの信号を順次読み出すための読み出し回路と、前記センサ領域と前記読み出し回路にそれぞれ独立的に電源を供給する電源供給部とを有することを特徴とする画像撮影装置が開示されている。
さらに、特許文献6には、被写体を撮像する撮像手段と、当該撮像手段を駆動する駆動手段と、当該駆動手段を制御する制御手段とを備える撮像装置であって、上記制御手段は、外部からの撮影要求を受信する受信手段と、当該受信手段にて受信された撮影要求に対する撮像動作が完了したか否かを検出する検出手段とを含み、当該検出手段での検出結果に基づいて、上記駆動手段の状態を待機状態または撮像可能状態とすることを特徴とする撮像装置が開示されている。
特開2002−202377号公報 特開平11−231055号公報 特開2009−85630号公報 特開2006−242702号公報 特開2002−165142号公報 特開2001−66720号公報
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献2に開示されている技術では、温度制御を行うタイミングが規定されておらず、温度制御を常時行う場合には消費電力が大きく、温度制御を異常な温度範囲となったときに行う場合には温度が安定するまで撮影を行うことができず、撮影を行うまでに時間を要する、という問題点があった。
また、上記特許文献3〜特許文献6に開示されている技術では、放射線検出器の撮影領域における温度を調整するものではないため、必ずしも温度分布の斑を十分に抑制することができるとは限らない、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することのできる放射線画像撮影システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の放射線画像撮影システムは、放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置と、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段と、放射線が入射されない状態で前記放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように前記調整手段を制御する制御手段と、を備えている。
請求項1に記載の放射線画像撮影システムによれば、放射線画像撮影装置により、放射線画像の撮影が行われる。
ここで、本発明では、制御手段により、放射線が入射されない状態で前記放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段が制御される。
このように、請求項1に記載の放射線画像撮影システムによれば、放射線が入射されない状態で放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段を制御しているので、消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記調整手段が、作動することにより温度が上昇するものとしてもよい。これにより、作動の開始および停止のみにより温度調整が可能となるため、より簡易に温度調整を行うことができる。
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記調整手段が、温度の上昇および下降が制御可能とされたものとしてもよい。これにより、きめ細かく温度調整を行うことができる。
また、本発明は、請求項4に記載の発明のように、前記調整手段が、前記放射線画像撮影装置に設けられていてもよい。これにより、前記調整手段が放射線画像撮影装置とは別体で構成されている場合に比較して、放射線画像撮影装置による撮影領域の温度を直接的に制御することができるため、より消費電力を抑制することができる。
また、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記調整手段が、放射線画像を撮影する際に前記放射線画像撮影装置を保持する保持装置に設けられていてもよい。これにより、前記調整手段を放射線画像撮影装置に設ける場合に比較して、放射線画像撮影装置を軽量化することができる結果、放射線画像撮影装置の可搬性を向上させることができる。
また、本発明は、請求項6に記載の発明のように、前記制御手段が、前記放射線画像撮影装置に設けられていてもよい。これにより、前記制御手段により前記調整手段を直接的に制御することができるため、前記制御手段が放射線画像撮影装置とは別体で構成されている場合に比較して、より簡易に前記調整手段を制御することができる。
さらに、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記制御手段が、前記放射線画像撮影装置とは別体として構成されていてもよい。これにより、前記制御手段を放射線画像撮影装置に設ける場合に比較して、放射線画像撮影装置を軽量化することができる結果、放射線画像撮影装置の可搬性を向上させることができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムは、コンピュータを、放射線が入射されない状態で放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段を制御する制御手段と、として機能させるためのものである。
従って、本発明によれば、コンピュータを請求項1に記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1に記載の発明と同様に、消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
本発明の放射線画像撮影システムおよびプログラムによれば、放射線が入射されない状態で放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段を制御しているので、消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することができる、という効果が得られる。
実施の形態に係る放射線情報システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る放射線画像撮影システムの放射線撮影室における各装置の配置状態の一例を示す側面図である。 実施の形態に係る電子カセッテの内部構成を示す透過斜視図である。 実施の形態に係るヒータ部の構成を示す正面図である。 実施の形態に係る放射線画像撮影システムの電気系の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る初期情報入力画面の一例を示す概略図である。 実施の形態に係る温調処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 他の実施の形態に係る放射線画像撮影システムの放射線撮影室における各装置の配置状態の一例を示す側面図である。 従来の技術の問題点の説明に供するグラフである。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、病院における放射線科部門で取り扱われる情報を統括的に管理するシステムである放射線情報システムに適用した場合の形態例について説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る放射線情報システム(以下、「RIS(Radiology Information System)」と称する。)10の構成について説明する。
RIS10は、放射線科部門内における、診療予約、診断記録等の情報管理を行うためのシステムであり、病院情報システム(以下、「HIS(Hospital Information System)」と称する。)の一部を構成する。
RIS10は、複数台の撮影依頼端末装置(以下、「端末装置」と称する。)12、RISサーバ14、および病院内の放射線撮影室(あるいは手術室)の個々に設置された放射線画像撮影システム(以下、「撮影システム」と称する。)18を有しており、これらが有線や無線のLAN(Local Area Network)等から成る病院内ネットワーク16に各々接続されて構成されている。なお、RIS10は、同じ病院内に設けられたHISの一部を構成しており、病院内ネットワーク16には、HIS全体を管理するHISサーバ(図示省略。)も接続されている。
端末装置12は、医師や放射線技師が、診断情報や施設予約の入力、閲覧等を行うためのものであり、放射線画像の撮影依頼や撮影予約もこの端末装置12を介して行われる。各端末装置12は、表示装置を有するパーソナル・コンピュータを含んで構成され、RISサーバ14と病院内ネットワーク16を介して相互通信が可能とされている。
一方、RISサーバ14は、各端末装置12からの撮影依頼を受け付け、撮影システム18における放射線画像の撮影スケジュールを管理するものであり、データベース14Aを含んで構成されている。
データベース14Aは、患者(被検者)の属性情報(氏名、性別、生年月日、年齢、血液型、体重、患者ID(Identification)等)、病歴、受診歴、過去に撮影した放射線画像等の患者に関する情報、撮影システム18で用いられる、後述する電子カセッテ32の識別番号(ID情報)、型式、サイズ、感度、使用可能な撮影部位(対応可能な撮影依頼の内容)、使用開始年月日、使用回数等の電子カセッテ32に関する情報、および電子カセッテ32を用いて放射線画像を撮影する環境、すなわち、電子カセッテ32を使用する環境(一例として、放射線撮影室や手術室等)を示す環境情報を含んで構成されている。
撮影システム18は、RISサーバ14からの指示に応じて医師や放射線技師の操作により放射線画像の撮影を行う。撮影システム18は、放射線源130(図2も参照。)から曝射条件に従った線量とされた放射線X(図3も参照。)を被検者に照射する放射線発生装置34と、被検者の撮影対象部位を透過した放射線Xを吸収して電荷を発生し、発生した電荷量に基づいて放射線画像を示す画像情報を生成する放射線検出器60(図3も参照。)を内蔵する電子カセッテ32と、電子カセッテ32に内蔵されているバッテリを充電するクレードル40と、電子カセッテ32,放射線発生装置34,およびクレードル40を制御するコンソール42と、を備えている。
コンソール42は、RISサーバ14からデータベース14Aに含まれる各種情報を取得して後述するHDD110(図5参照。)に記憶し、当該情報に基づいて、電子カセッテ32,放射線発生装置34,およびクレードル40の制御を行う。
図2には、本実施の形態に係る撮影システム18の放射線撮影室44における各装置の配置状態の一例が示されている。
同図に示すように、放射線撮影室44には、立位での放射線撮影を行う際に用いられる立位台45と、臥位での放射線撮影を行う際に用いられる臥位台46とが設置されており、立位台45の前方空間は立位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置48とされ、臥位台46の上方空間は臥位での放射線撮影を行う際の被検者の撮影位置50とされている。
立位台45には電子カセッテ32を保持する保持部150が設けられており、立位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ32が保持部150に保持される。同様に、臥位台46には電子カセッテ32を保持する保持部152が設けられており、臥位での放射線画像の撮影を行う際には、電子カセッテ32が保持部152に保持される。
また、放射線撮影室44には、単一の放射線源130からの放射線によって立位での放射線撮影も臥位での放射線撮影も可能とするために、放射線源130を、水平な軸回り(図2の矢印A方向)に回動可能で、鉛直方向(図2の矢印B方向)に移動可能で、さらに水平方向(図2の矢印C方向)に移動可能に支持する支持移動機構52が設けられている。ここで、支持移動機構52は、放射線源130を水平な軸回りに回動させる駆動源と、放射線源130を鉛直方向に移動させる駆動源と、放射線源130を水平方向に移動させる駆動源を各々備えている(何れも図示省略。)。
一方、クレードル40には、電子カセッテ32を収納可能な収容部40Aが形成されている。
電子カセッテ32は、未使用時にはクレードル40の収容部40Aに収納された状態で内蔵されているバッテリに充電が行われ、放射線画像の撮影時には放射線技師等によってクレードル40から取り出され、撮影姿勢が立位であれば立位台45の保持部150に保持され、撮影姿勢が臥位であれば臥位台46の保持部152に保持される。
ここで、本実施の形態に係る撮影システム18では、放射線発生装置34とコンソール42との間、および電子カセッテ32とコンソール42との間で、無線通信によって各種情報の送受信を行う。
なお、電子カセッテ32は、立位台45の保持部150や臥位台46の保持部152で保持された状態のみで使用されるものではなく、その可搬性から、保持部に保持されていない状態で使用することもできる。
図3には、本実施の形態に係る電子カセッテ32の内部構成が示されている。
同図に示すように、電子カセッテ32は、放射線Xを透過させる材料からなる筐体54を備えており、防水性、密閉性を有する構造とされている。電子カセッテ32は、手術室等で使用されるとき、血液やその他の雑菌が付着するおそれがある。そこで、電子カセッテ32を防水性、密閉性を有する構造として、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの電子カセッテ32を繰り返し続けて使用することができる。
筐体54の内部には、放射線Xが照射される筐体54の照射面56側から、被検者による放射線Xの散乱線を除去するグリッド58、被検者を透過した放射線Xを検出する放射線検出器60、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板62、および放射線検出器60の撮影領域を均一に加熱するヒータ部64が順に配設されている。なお、筐体54の照射面56をグリッド58として構成してもよい。
また、筐体54の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む電子回路および充電可能で、かつ着脱可能なバッテリ96Aを収容するケース31が配置されている。放射線検出器60、ヒータ部64、および電子回路は、ケース31に配置されたバッテリ96Aから供給される電力によって作動する。ケース31内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース31の照射面56側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ32は、照射面56の形状が長方形とされた直方体とされており、その長手方向一端部にケース31が配置されている。
また、筐体54の外壁の所定位置には、‘レディ状態’,‘データ送信中’といった動作モード、バッテリ96Aの残容量の状態等の電子カセッテ32の動作状態を示す表示を行う表示部56Aが設けられている。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ32では、表示部56Aとして、発光ダイオードを適用しているが、これに限らず、発光ダイオード以外の発光素子や、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の他の表示手段としてもよい。
さらに、筐体54の外壁の所定位置には、電子カセッテ32を移動させる際に把持される把手54Bが設けられている。なお、本実施の形態に係る電子カセッテ32では、把手54Bが筐体54における照射面56の長手方向に延設された側壁の中央部に設けられているが、これに限らず、例えば、照射面56の短手方向に延設された側壁の中央部、これら側壁の中央部より電子カセッテ32の重心位置の偏りを考慮した距離だけ偏倚した位置等、他の位置に設けてもよいことは言うまでもない。
一方、図4には、本実施の形態に係るヒータ部64の構成が示されている。
同図に示すように、本実施の形態に係るヒータ部64は、熱伝導率の高い材料で構成された板状部材64Bの表面に電熱線64Aが予め定められた一方向に略等間隔で折り返し敷設されたものが適用されている。なお、図示は省略するが、電熱線64Aの両端部は、バッテリ96Aから供給された電力の印加および遮断が切り換え可能とされている。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る撮影システム18の電気系の要部構成について説明する。
同図に示すように、電子カセッテ32に内蔵された放射線検出器60は、TFTアクティブマトリクス基板66上に、放射線Xを吸収し、電荷に変換する光電変換層が積層されて構成されている。光電変換層は例えばセレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のa−Se(アモルファスセレン)からなり、放射線Xが照射されると、照射された放射線量に応じた電荷量の電荷(電子−正孔の対)を内部で発生することで、照射された放射線Xを電荷へ変換する。なお、放射線検出器60は、アモルファスセレンのような放射線Xを直接的に電荷に変換する放射線−電荷変換材料の代わりに、蛍光体材料と光電変換素子(フォトダイオード)を用いて間接的に電荷に変換してもよい。蛍光体材料としては、ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)がよく知られている。この場合、蛍光体材料によって放射線X−光変換を行い、光電変換素子のフォトダイオードによって光−電荷変換を行う。
また、TFTアクティブマトリクス基板66上には、光電変換層で発生された電荷を蓄積する蓄積容量68と、蓄積容量68に蓄積された電荷を読み出すためのTFT70を備えた画素部74(図5では個々の画素部74に対応する光電変換層を光電変換部72として模式的に示している。)がマトリクス状に多数個配置されており、電子カセッテ32への放射線Xの照射に伴って光電変換層で発生された電荷は、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積される。これにより、電子カセッテ32に照射された放射線Xに担持されていた画像情報は電荷情報へ変換されて放射線検出器60に保持される。
また、TFTアクティブマトリクス基板66には、一定方向(行方向)に延設され、個々の画素部74のTFT70をオン・オフさせるための複数本のゲート配線76と、ゲート配線76と直交する方向(列方向)に延設され、オンされたTFT70を介して蓄積容量68から蓄積電荷を読み出すための複数本のデータ配線78が設けられている。個々のゲート配線76はゲート線ドライバ80に接続されており、個々のデータ配線78は信号処理部82に接続されている。個々の画素部74の蓄積容量68に電荷が蓄積されると、個々の画素部74のTFT70は、ゲート線ドライバ80からゲート配線76を介して供給される信号により行単位で順にオンされ、TFT70がオンされた画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は、アナログの電気信号としてデータ配線78を伝送されて信号処理部82に入力される。従って、個々の画素部74の蓄積容量68に蓄積されている電荷は行単位で順に読み出される。
一方、信号処理部82は、個々のデータ配線78毎に設けられた増幅器およびサンプルホールド回路を備えており、個々のデータ配線78を伝送された電荷信号は増幅器で増幅された後にサンプルホールド回路に保持される。また、サンプルホールド回路の出力側にはマルチプレクサ、A/D(アナログ/デジタル)変換器が順に接続されており、個々のサンプルホールド回路に保持された電荷信号はマルチプレクサに順に(シリアルに)入力され、A/D変換器によってデジタルの画像データへ変換される。
信号処理部82には画像メモリ90が接続されており、信号処理部82のA/D変換器から出力された画像データは画像メモリ90に順に記憶される。画像メモリ90は複数フレーム分の画像データを記憶可能な記憶容量を有しており、放射線画像の撮影が行われる毎に、撮影によって得られた画像データが画像メモリ90に順次記憶される。
画像メモリ90は電子カセッテ32全体の動作を制御するカセッテ制御部92と接続されている。カセッテ制御部92はマイクロコンピュータを含んで構成されており、CPU(中央処理装置)92A、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ92B、HDD(ハードディスク・ドライブ)やフラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部92Cを備えている。
また、カセッテ制御部92には前述したヒータ部64が接続されており、ヒータ部64の作動は、カセッテ制御部92に設けられたCPU92Aによって制御される。
また、カセッテ制御部92には無線通信部94が接続されている。本実施の形態に係る無線通信部94は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a/b/g等に代表される無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、無線通信による外部機器との間での各種情報の伝送を制御する。カセッテ制御部92は、無線通信部94を介してコンソール42と無線通信が可能とされており、コンソール42との間で各種情報の送受信が可能とされている。
また、電子カセッテ32には電源部96が設けられており、上述した各種回路や各素子(ヒータ部64、ゲート線ドライバ80、信号処理部82、画像メモリ90、無線通信部94、カセッテ制御部92等)は、電源部96から供給された電力によって作動する。電源部96は、電子カセッテ32の可搬性を損なわないように、前述したバッテリ(二次電池)96Aを内蔵しており、充電されたバッテリ96Aから各種回路や各素子へ電力を供給する。なお、図5では、電源部96と各種回路や各素子を接続する配線の図示を省略している。
一方、コンソール42は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや撮影された放射線画像等を表示するディスプレイ100と、複数のキーを含んで構成され、各種の情報や操作指示が入力される操作パネル102と、を備えている。
また、本実施の形態に係るコンソール42は、装置全体の動作を司るCPU104と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM106と、各種データを一時的に記憶するRAM108と、各種データを記憶して保持するHDD110と、ディスプレイ100への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ112と、操作パネル102に対する操作状態を検出する操作入力検出部114と、を備えている。また、コンソール42は、無線通信により、放射線発生装置34との間で後述する曝射条件等の各種情報の送受信を行うと共に、電子カセッテ32との間で画像データ等の各種情報の送受信を行う無線通信部118を備えている。
CPU104、ROM106、RAM108、HDD110、ディスプレイドライバ112、操作入力検出部114、および無線通信部118は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU104は、ROM106、RAM108、HDD110へのアクセスを行うことができると共に、ディスプレイドライバ112を介したディスプレイ100への各種情報の表示の制御、および無線通信部118を介した放射線発生装置34および電子カセッテ32との各種情報の送受信の制御を各々行うことができる。また、CPU104は、操作入力検出部114を介して操作パネル102に対するユーザの操作状態を把握することができる。
一方、放射線発生装置34は、放射線源130と、コンソール42との間で曝射条件等の各種情報を送受信する無線通信部132と、受信した曝射条件に基づいて放射線源130を制御する線源制御部134と、を備えている。
線源制御部134もマイクロコンピュータを含んで構成されており、受信した曝射条件等を記憶する。このコンソール42から受信する曝射条件には管電圧、管電流、曝射期間等の情報が含まれている。線源制御部134は、受信した曝射条件に基づいて放射線源130から放射線Xを照射させる。
次に、本実施の形態に係る撮影システム18の作用を説明する。
まず、図6を参照して、放射線画像の撮影を行う際のコンソール42の作用を説明する。なお、図6は、この際にコンソール42のCPU104によって実行される放射線画像撮影処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM106の所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ300では、予め定められた初期情報入力画面をディスプレイ100により表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ302にて所定情報の入力待ちを行う。
図7には、上記ステップ300の処理によってディスプレイ100により表示される初期情報入力画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る初期情報入力画面では、これから放射線画像の撮影を行う被検者の氏名、撮影部位、撮影時の姿勢(本実施の形態では、臥位、立位の何れか)、および撮影時の放射線Xの曝射条件(本実施の形態では、放射線Xを曝射する際の管電圧、管電流、および曝射期間)の入力を促すメッセージと、これらの情報の入力領域が表示される。
同図に示す初期情報入力画面がディスプレイ100に表示されると、撮影者は、撮影対象とする被検者の氏名、撮影部位、撮影時の姿勢、および曝射条件を、各々対応する入力領域に操作パネル102を介して入力すると共に、電子カセッテ32を、入力した撮影時の姿勢に応じて立位台45の保持部150または臥位台46の保持部152に保持させ、かつ被検者を所定の撮影位置に位置させた後、当該初期情報入力画面の下端近傍に表示されている終了ボタンを、操作パネル102を介して指定する。撮影者によって終了ボタンが指定されると、上記ステップ302が肯定判定となってステップ304に移行する。
ステップ304では、初期情報入力画面において入力された曝射条件を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信することにより当該爆射条件を設定する。これに応じて放射線発生装置34の線源制御部134は、受信した曝射条件での曝射準備を行う一方、電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、ヒータ部64を用いて放射線検出器60の撮影領域の温度を予め定められた範囲内となるように調整する、後述する温調処理プログラム(図8も参照。)を実行し、当該温調処理プログラムの終了時に撮影の準備が終了したことを示す準備終了情報をコンソール42に送信する。
そこで、次のステップ306では、上記準備終了情報の受信待ちを行い、次のステップ308にて、曝射開始を指示する指示情報を放射線発生装置34および電子カセッテ32へ無線通信部118を介して送信する。
これに応じて、放射線源130は、放射線発生装置34がコンソール42から受信した曝射条件に応じた管電圧、管電流、および曝射期間で放射線を発生して射出する。放射線源130から曝射された放射線Xは、被検者を透過した後に電子カセッテ32に到達する。
一方、電子カセッテ32のカセッテ制御部92は、上記曝射開始を指示する指示情報を受信すると、内蔵された放射線検出器60の各画素部74の蓄積容量68への電荷の蓄積を開始し、上記曝射条件で指定された曝射期間の経過後にゲート線ドライバ80を制御してゲート線ドライバ80から1ラインずつ順に各ゲート配線76にオン信号を出力させ、各ゲート配線76に接続された各TFT70を1ラインずつ順にオンさせる。
放射線検出器60は、各ゲート配線76に接続された各TFT70を1ラインずつ順にオンされると、1ラインずつ順に各蓄積容量68に蓄積された電荷が電気信号として各データ配線78に流れ出す。各データ配線78に流れ出した電気信号は信号処理部82でデジタルの画像データに変換されて、画像メモリ90に記憶される。
カセッテ制御部92は、撮影終了後、画像メモリ90に記憶された画像データを無線通信によりコンソール42へ送信する。
そこで、次のステップ310では、当該画像データが電子カセッテ32から受信されるまで待機し、次のステップ312にて、受信した画像データに対してシェーディング補正等の各種の補正を行う画像処理を実行する。
次のステップ314では、上記画像処理が行われた画像データ(以下、「補正画像データ」と称する。)をHDD110に記憶し、次のステップ316にて、補正画像データにより示される放射線画像を、確認等を行うためにディスプレイ100によって表示させるようにディスプレイドライバ112を制御し、次のステップ318にて、補正画像データをRISサーバ14へ病院内ネットワーク16を介して送信した後、本放射線画像撮影処理プログラムを終了する。なお、RISサーバ14へ送信された補正画像データはデータベース14Aに格納され、医師が撮影された放射線画像の読影や診断等を行うことが可能となる。
次に、図8を参照して、温調処理プログラムを実行する際の電子カセッテ32の作用を説明する。なお、図8は、この際に電子カセッテ32のカセッテ制御部92におけるCPU92Aにより実行される温調処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ92Bの所定領域に予め記憶されている。
同図のステップ400では、放射線Xが入射されない状態で放射線検出器60により撮影を行うように制御することによって得られる画像データをオフセット値として取得し、次のステップ402では、取得したオフセット値と、放射線検出器60の撮影領域の温度が通常撮影時の温度で安定している状態(本実施の形態では、結果的に、撮影によって得られた放射線画像に視認される斑が生じない状態)におけるオフセット値(以下、「基準値」と称する。)との差分を放射線検出器60の画素毎に算出する。
次のステップ404では、上記ステップ402の処理によって算出した画素毎の差分の最大値が予め定められた閾値TH以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ406に移行して、この時点でヒータ部64への給電が停止されているか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ400に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ408に移行する。
ステップ408では、バッテリ96Aからヒータ部64への給電を開始させるように制御することにより、ヒータ部64の作動を開始させた後、上記ステップ400に戻る。
一方、上記ステップ404において肯定判定となった場合にはステップ410に移行し、この時点でヒータ部64への給電が行われているか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ414に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ412に移行して、バッテリ96Aからヒータ部64への給電を停止させるように制御することにより、ヒータ部64の作動を停止させた後、ステップ414に移行する。
ステップ414では、前述した準備終了情報を無線通信部94を介してコンソール42に送信し、その後に本温調処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、放射線が入射されない状態で放射線画像撮影装置(本実施の形態では、電子カセッテ32)により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段(本実施の形態では、ヒータ部64)を制御しているので、消費電力の増加や撮影開始までの期間の長期間化を招くことなく、撮影領域における温度分布の斑に起因する放射線画像の画質の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、本発明の調整手段として、作動することにより温度が上昇するヒータ部64を適用しているので、作動の開始および停止のみにより温度調整が可能となり、より簡易に温度調整を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、前記調整手段が、前記放射線画像撮影装置に設けられているので、前記調整手段が放射線画像撮影装置とは別体で構成されている場合に比較して、放射線画像撮影装置による撮影領域の温度を直接的に制御することができるため、より消費電力を抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、前記調整手段を制御する制御手段(本実施の形態では、カセッテ制御部92)が、前記放射線画像撮影装置に設けられているので、前記制御手段により前記調整手段を直接的に制御することができるため、前記制御手段が放射線画像撮影装置とは別体で構成されている場合に比較して、より簡易に前記調整手段を制御することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、本発明の調整手段としてのヒータ部を電子カセッテ32に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、立位台45の保持部150および臥位台46の保持部152の少なくとも一方に設ける形態としてもよく、この場合、電子カセッテ32に設けてもよいし、設けなくてもよい。
図9には、立位台45の保持部150にヒータ部65Aを設けると共に、臥位台46の保持部152にヒータ部65Bを設けた場合の構成例が示されている。なお、ヒータ部65Aおよびヒータ部65Bの構成はヒータ部64と同一である。
同図に示すように、この場合、ヒータ部65Aは保持部150における電子カセッテ32が保持される位置の放射線Xが入射される側とは反対側に設けられ、ヒータ部65Bは保持部152における電子カセッテ32が保持される位置の放射線Xが入射される側とは反対側に設けられる。
例えば、電子カセッテ32がヒータ部64を備えると共に、立位台45の保持部150にヒータ部65Aを備え、かつ臥位台46の保持部152にヒータ部65Bを備える場合の各ヒータ部の制御方法としては、電子カセッテ32により、前述した温調処理プログラム(図8参照。)において制御対象とするヒータ部を、ヒータ部64に加えて、自身が設置された保持部に設けられているヒータ部(上記実施の形態では、ヒータ部65Aまたはヒータ部65B)を適用する形態を例示することができる。
なお、ヒータ部を保持部150および保持部152に設ける場合には、電子カセッテ32には必ずしもヒータ部を設ける必要はなく、この場合には電子カセッテ32を軽量化することができる。
また、上記実施の形態では、放射線検出器60による撮影領域の全域に対するオフセット値を取得して用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記撮影領域における予め定められた複数の箇所のオフセット値のみを取得して用いる形態としてもよく、さらに、温度分布の斑が生じやすい領域が予め判明している場合には、当該領域におけるオフセット値のみを取得して用いる形態としてもよい。なお、後者の場合には、当該温度分布の斑が生じやすい領域のみを温度調整の対象とする調整手段を設ける形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の制御手段が電子カセッテ32に設けられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、コンソール42、または放射線発生装置34に設けられている形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の調整手段としてヒータ部64を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ペルチエ素子等の電気的に加熱および冷却が可能なものを適用する形態としてもよく、冷却用にファンを適用する形態としてもよく、さらに、これらを併用する形態としてもよい。調整手段として冷却が可能なものを適用する場合、放射線検出器60の撮影領域の温度が予め定められた通常撮影時の温度に比較して異常に高い場合に、当該調整手段を作動させることになる。この場合、上記実施の形態に比較して、きめ細かく温度調整を行うことができる。
また、上記実施の形態では、ヒータ部64として電熱線64Aが予め定められた一方向に略等間隔で折り返し敷設されたものを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電熱線64Aが複数方向に折り返し敷設されたものを適用する形態としてもよいし、一例として特開2002−202377号公報に記載されているラバーヒータを適用する形態等としてもよい。
また、上記実施の形態では、ヒータ部64を、鉛板62を隔てて放射線検出器60の近傍に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、放射線検出器60と鉛板62との間にヒータ部64を設ける形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、コンソール42により爆射条件が設定された時点で温調処理プログラムを実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子カセッテ32の不図示の電源スイッチがオン状態とされた時点、電子カセッテ32が保持部150または保持部152に保持された時点等の、放射線画像を撮影する可能性が高い他の時点で温調処理プログラムを実行する形態としてもよい。
また、上記実施の形態では、電子カセッテ32とコンソール42との間、放射線発生装置34とコンソール42との間で、無線にて通信を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの少なくとも一方を有線にて通信を行う形態としてもよい。
その他、上記実施の形態で説明したRIS10の構成(図1参照。)、放射線撮影室の構成(図2参照。)、電子カセッテ32の構成(図3参照。)、ヒータ部64の構成(図4参照。)、撮影システム18の構成(図5参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したり、接続状態等を変更したりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記実施の形態で説明した各種プログラムの処理の流れ(図6,図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
10 RIS
18 放射線画像撮影システム
32 電子カセッテ
34 放射線発生装置
42 コンソール
60 放射線検出器
64 ヒータ部
64A 電熱線
64B 板状部材
65A,65B ヒータ部
92 カセッテ制御部
92A CPU
94 無線通信部
100 ディスプレイ
102 操作パネル
104 CPU
106 ROM
110 HDD
118 無線通信部
130 放射線源

Claims (8)

  1. 放射線画像の撮影を行う放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段と、
    放射線が入射されない状態で前記放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように前記調整手段を制御する制御手段と、
    を備えた放射線画像撮影システム。
  2. 前記調整手段は、作動することにより温度が上昇するものである
    請求項1記載の放射線画像撮影システム。
  3. 前記調整手段は、温度の上昇および下降が制御可能とされたものである
    請求項1記載の放射線画像撮影システム。
  4. 前記調整手段は、前記放射線画像撮影装置に設けられている
    請求項1〜請求項3の何れか1項記載の放射線画像撮影システム。
  5. 前記調整手段は、放射線画像を撮影する際に前記放射線画像撮影装置を保持する保持装置に設けられている
    請求項1〜請求項4の何れか1項記載の放射線画像撮影システム。
  6. 前記制御手段は、前記放射線画像撮影装置に設けられている
    請求項1〜請求項5の何れか1項記載の放射線画像撮影システム。
  7. 前記制御手段は、前記放射線画像撮影装置とは別体構成されている
    請求項1〜請求項5の何れか1項記載の放射線画像撮影システム。
  8. コンピュータを、
    放射線が入射されない状態で放射線画像撮影装置により撮影することによって得られた画像情報により示されるオフセット値と予め定められた基準値との差を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された差が予め定められた閾値以上となっている場合に作動が開始されるように、前記放射線画像撮影装置における撮影領域の温度が予め定められた温度となるように調整する調整手段を制御する制御手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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