JP2011191909A - 環境管理装置、環境管理装置制御プログラム、貨幣価値付与システムおよび環境管理装置の制御方法 - Google Patents

環境管理装置、環境管理装置制御プログラム、貨幣価値付与システムおよび環境管理装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】共通の指標により環境状態を把握する。
【解決手段】排出量管理サーバ10は、計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定部21と、指定された範囲に含まれる場所に設置されている各種計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得部22と、計測値取得部22が取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値に換算する換算部23と、を備える構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は複数の計測器から計測値を取得する環境管理装置等に関する。
近年、エネルギー資源の枯渇、温暖化等の環境問題に対する注目度が高まっており、これらの問題に対して何らかの施策を打ち出すことが強く望まれている。具体的な施策としては、例えば、各個人が所有するガソリン車の利用を抑えて公共交通機関の利用を促すようなものが考えられる。つまり、ガソリン車の交通量を削減することによりガソリン車から排出される排気ガスを削減するという施策である。そこで、従来、このような施策を実現するための技術が提案されている(特許文献1)。特許文献1には、公共交通機関の利用実績に応じてその利用者に特典を付与する公共交通機関利用促進システムが開示されている。特許文献1では、このシステムにより利用者に公共交通機関の利用に対するインセンティブを与えることが提案されている。
特開2002−230385号公報(2002年8月16日公開)
上述の技術はガソリン車から排出される排気ガスを削減するための施策を実現するものであるが、環境に対する施策はこの他にも多数考えられる。例えば、電力使用量を低減するというものであったり、環境に優しいクリーンなエネルギーである太陽光発電による電力発電量を増加させたりするものが考えられる。しかしながら、これらの施策の有効性を相互に比較するための指標はこれまでになかった。また、このため複数の施策全体でどれだけの効果があったかを総合的に評価することもできなかった。本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施策の有効性を相互に比較しまた環境の状態を総合的に評価するための統一的な情報を提供するための環境管理装置等を実現することにある。
本発明に係る環境管理装置は、上記課題を解決するために、計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定手段と、指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得手段と、上記計測値取得手段が取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値に換算する換算手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る環境管理装置の制御方法は、上記課題を解決するために、計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定ステップと、指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得ステップと、上記計測値取得ステップにおいて取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値に換算する換算ステップと、を含むことを特徴とする。
上記構成では、地理的な範囲を指定して、その範囲に含まれる場所に設置されている計測器から電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうち複数種類の計測値を取得する。そして、取得した複数種類の計測値をそれぞれ共通の指標値に換算することができる。
このため、ある地理的な範囲における複数種類の計測値を、共通の指標で比較することができ、また換算後の指標値をそれぞれ足し合わせて全体でどれだけの値になるかを把握できるようになるという効果を奏する。なお、計測器は、1つの計測器で複数種類の計測値を得られるのであれば1つであってもよい。また、ある計測器である1つの種類の計測値を得られるのであれば、他の計測器では他の種類の計測値を得られるように構成すればよい。
本発明に係る環境管理装置では、上記共通の指標値は、CO(二酸化炭素)排出量であることが好ましい。
CO排出量は、温室効果ガスの一つとして地球温暖化に関連が深いと考えられており、地球環境の状態を把握するのに適している。よって本発明では、上記共通の指標値としてCO排出量を好ましく適用でき、これにより計測値を地球環境の状態と深く関連付けて把握することが可能となる。
本発明に係る環境管理装置では、上記施策決定手段は、上記指標値の合計値が所定以上であれば、上記指標値の合計値を所定以下にするために削減すべき電力の使用量、削減すべき交通量、および増やすべき電力の生産量のうちの少なくとも1つを算出することが好ましい。
上記構成によれば、上記指標値の合計値が所定以上であったときに、上記指標値の合計値を所定以下にするための施策を決定することができる。
すなわち、指標値の合計を所定以下にするため、電力の使用量の削減、交通量の削減、および電力の生産量の増加、の少なくとも1つを施策として決定することができる。
本発明に係る環境管理装置では、ユーザから範囲の入力を受け付ける範囲入力受付手段を備え、上記範囲指定手段は、上記受け付けた範囲を指定範囲とし、上記計測値取得手段は、上記計測器に付与されている位置情報を用いて、上記指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器を特定することが好ましい。
上記構成によれば、ユーザから指定された範囲に設置されている計測器で計測された計測値を共通の指標に換算することができる。例えば、表示部を設けて地図を表示するなどして、その地図に対する範囲指定を受け付けることができる。
よって、直感的で簡便な操作により、或る一定の範囲の地域における共通の指標値を確認するのに役立つという効果を奏することができる。
本発明に係る環境管理装置では、上記指標値の合計値が所定以上であれば、ガソリン車の交通量と、削減できる上記指標値との対応関係から、上記指標値の合計値を所定以下にするのに必要なガソリン車の交通量の規制台数を決定する施策決定手段を備えることが好ましい。
上記構成によれば、指標値の合計値が所定以上であるとき、当該指標値の合計値を所定以下にするのに必要なガソリン車の交通量の規制台数を決定することができる。
これにより、指標値を低減させるための具体的な施策を得ることができるという効果を奏する。
本発明に係る環境管理装置では、上記規制するガソリン車の台数と、上記規制により代替交通手段を必要とする人の数との対応関係および代替交通手段の1台あたりの輸送可能人数とに応じて、必要な代替交通手段の台数を決定する台数決定手段を備えることが好ましい。
上記構成によれば、ガソリン車の交通量を規制することにより代替交通手段を必要とする人数から必要な代替交通手段の台数を決定することができる。
これにより、ガソリン車の交通量を規制し、指標値またはCO排出量を削減しつつ、代替交通手段を必要とする人に対して交通の便宜を図ることができる。
本発明に係る環境管理装置では、複数の範囲を指定して、範囲ごとに算出した指標値を比較する比較手段を備えることが好ましい。
上記構成によれば複数の範囲を指定して範囲ごとの指標を算出して、指定した範囲それぞれの間で指標を比較することが可能となる。
なお、範囲が広いと、その分計上される指標は単純に増加傾向を示すことが考えられる。よって範囲ごとに算出した指標を正規化することにより、範囲ごとの指標を公平に比較するようにしてもよい。さらに付言しておくと、正規化というのは、比較するための基準をそろえることであり、例えば、指標を、指定された範囲における人口や面積で割った値を求めることである。つまり一人当たりの指標や単位面積あたりの指標を求めるということである。
本発明に係る環境管理装置は、上記課題を解決するために、計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定手段と、指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から複数種類の物理量の計測値を取得する計測値取得手段と、上記計測値取得手段が取得した上記複数種類の物理量の計測値をCO排出量に換算する換算手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成では、地理的な範囲を指定して、その範囲に含まれる場所に設置されている複数の計測器から、CO排出量に換算可能な複数種類の物理量を取得する。そして、取得した複数種類の計測値を、CO排出量に換算することができる。
このため、指定した範囲における複数種類の計測値を、CO排出量という共通の指標で比較することができ、また換算して得られたCO排出量をそれぞれ足し合わせたら全体でどれだけのCO排出量になるかを把握できるという効果を奏する。
なお、上記環境管理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより環境管理装置をコンピュータにて実現させる環境管理装置制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
また、本発明を、上記環境管理装置、貨幣的価値を付与する貨幣的価値管理サーバとを有する貨幣価値付与システムであって、上記貨幣的価値管理サーバは、上記環境管理装置の換算手段が換算した共通の指標値を貨幣的価値に換算することを特徴とする貨幣価値付与システムとして構成することも可能である。
上記構成によれば、環境管理装置の上記換算手段が換算した共通の指標値を貨幣的価値に換算して貨幣的価値を付与できる。
ここで、貨幣的価値とは、いわゆるポイントサービスにおけるポイントのように、商品、電子マネーなどに交換可能なものをいう。
付与する対象としては、例えば、共通の指標値の増減に影響を与えた者が挙げられる。共通の指標値の増減に影響を与えた者とは、より具体的には、計測器が住宅に設置されているような場合、その住宅の世帯主のことを指し、ビルなどの建物に設置されている場合、そのビルの管理者あるいは団体等のことを指す。
共通の指標値の増減によって環境状態にとって好ましい行動をとっている者を把握できるので、このような好ましい行動をとっている者に対して貨幣的価値を付与できる。これにより、継続してこのような行動をとり続けるためのインセンティブをこのような好ましい行動をとっている者に与えることができるという効果を奏する。
本発明によれば、ある地理的な範囲における複数種類の計測値を、共通の指標で比較することができ、また換算後の指標値をそれぞれ足し合わせて全体でどれだけの値になるかを把握できるようになるという効果を奏することができる。
また、複数種類の計測値を、共通の指標に換算するので、各計測値をどのように増減させれば有効な施策となり得るか、あるいはどのような施策を打ち出すべきかを検討する材料としても役立てることが可能である。
本発明の一実施形態に係る排出量管理サーバの概略的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る環境管理システムの機能について示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る環境管理システムを概略的に説明する模式図である。 範囲指定の手法の一例について示す図である。 上記排出量管理サーバにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。 CO排出量と交通量との関係を示すグラフである。 表示部における画面表示の例について示す図である。 本発明の他の実施形態に係る環境管理システムの概略的構成を示す機能ブロック図である。 上記環境管理システムの詳細構成について示す機能ブロック図である。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
(環境管理システムの概要)
図2に示すように、A市(図3にて後述)の環境を管理する環境管理システム1は、排出量管理サーバ(環境管理装置)10と、住宅121、オフィス・店舗122、工場130および各種のサブシステムとが、通信ネットワーク(不図示)を介して接続されている構成である。住宅121、オフィス・店舗122、工場130および各種のサブシステムには各種計測器が設置されており、計測値を排出量管理サーバ10に送信可能となっている。計測器の種類としては、電力の使用量を計測する電力使用量計測器(計測器)M1、車両の交通量等を計測する車両計測器(計測器)M2、および電力の生産量を計測する電力生産量計測器(計測器)M3などがある。つまり、これらの計測器は、CO(二酸化炭素)の排出量に換算可能な物理量を計測するためのものである。また、各計測器には個別識別子が付されており、さらに通信ネットワークを介して計測値を送信可能となっている。
電力使用量計測器M1は、当該計測器の個別識別子と計測した電力使用量とを通信ネットワークを介して排出量管理サーバ10に送信する。また、電力生産量計測器M3は、当該計測器の個別識別子と計測した電力生産量とを通信ネットワークを介して排出量管理サーバ10に送信する。車両計測器M2は、より具体的には、車の交通量をはじめとして車両計測器M2が設置されている場所を通過する車両の速度を計測し、さらに車両を撮影して画像データを生成する。そして、計測器の個別識別子と計測した車両の交通量およびその速度と画像データとを通信ネットワークを介して交通制御システム124に送信する。
住宅121、オフィス・店舗122、工場130には、電力使用量計測器M1および/または電力生産量計測器M3が設置されており、電力使用量および/または電力生産量が計測できるようになっている。より具体的には、電力使用量計測器M1は、例えば住宅121や、オフィス・店舗122における照明や空調などによる電力使用量を計測する。電力生産量計測器M3は、例えば太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを利用した発電量を電力生産量として計測する。
環境管理システム1は、各種サブシステムとして鉄道施設111、電力売買システム120、EVバスシステム123、交通制御システム124、電力ステーション125、およびEVカーシェアリングシステム126を備えている。鉄道施設111は、鉄道関連の公共施設であり、例えば、駅などが挙げられる。鉄道施設111には、電力使用量計測器M1が設置されており、施設内の照明や空調などによる電力使用量を計測する。
電力売買システム120は、A市で生産された電力を売電したり、A市で消費するための電力を電力会社から買電したりするためのシステムである。住宅121およびオフィス・店舗122は、生産した余剰電力を電力売買システム120に売電したり、電力売買システム120から電力を買電したりすることができる。
EVバスシステム123は、電気により駆動する、いわゆるEV(Electric Vehicle)バスを運行するためのシステムであり、EVバスの運行状況・現在位置等を管理する。また、EVバスシステム123は電力使用量計測器M1を備え、EVバスの電力使用量を計測する。また、電力使用量計測器M1は、EVバスの電力使用量をEVバスの走行距離と速度、冷暖房設備の稼動状況から計算によって算出しても良い。
交通制御システム124は、A市の交通基盤を制御するためのものであり、交通量を監視したり、信号機を制御したり、あるいは通行規制等を行うことができる。また、交通制御システム124は、車両計測器M2から交通量、速度および画像データを受信し、受信した画像データを解析して、車両の外観から車両の車種および型式を判定する。なお、車種とは、大型車・小型車といった車両の大きさのことをいう。また、型式とは、ガソリン車、ハイブリッド車、およびEV車など駆動型式の区別である。なお、交通制御システム124は、一例として、車両の車種および型式を画像データの解析により車両の外観から判定することとしているが、これに限られない。例えば、交通制御システム124は、各車両において、当該車両の車種および型式を特定するための車載識別装置を設置し、車両計測器M2が車載識別装置から車種および型式の情報を受信してもよい。また、ETC(electronic toll collection system)等において、ゲートを通過する車両に設置されている車載識別装置から車種および型式の情報を受信するようにしてもよい。また、交通制御システム124は、画像データの解析により車両に取り付けられているナンバープレートに記載されている車両の登録番号を認識して、認識した登録番号から車種および型式を判定してもよい。例えば、交通制御システム124は、車両の登録番号と、車種、型式等の情報を対応付けて管理している車両番号データベースシステム(不図示)と通信して、登録番号に基づいて車両番号データベースを照会することで、当該登録番号に対応付けられている車種および型式の情報を受信してもよい。なお、この車両番号データベースシステムは、例えば陸運局等の機関によって管理される。そして、交通制御システム124は、車種ごとの交通量およびその速度、型式ごとの交通量およびその速度を算出する。交通制御システム124は、総交通量およびその速度、車種ごとの交通量およびその速度、型式ごとの交通量およびその速度を排出量管理サーバ10に送信する。
電力ステーション125は、地域の電力を集約して活用するものである。A市の太陽光発電パネルで生産された電力は電力ステーション125に集約される。集約された電力は蓄電されたり分配されたりして活用される。電力ステーション125は、電力使用量計測器M1を備え、電力ステーション125において消費される電力、例えば分配される電力の量を計測する。また、後述のEV車の蓄電池を充電することも可能である。
EVカーシェアリングシステム126は、蓄電池に蓄電した電気により駆動するEV車を共用できるシステムである。EVカーシェアリングシステム126は電力使用量計測器M1を備え、EV車の電力使用量を計測する。なお、EVカーシェアリングシステム126では、電力使用量以外にも、利用者ごとの利用履歴、利用時間、移動距離などをさらに計測して、データベースに履歴データとして蓄積してもよい。また、EVカーシェアリングシステム126では、EV車の電力使用量を計測する手法として、EV車の蓄電池を充電するための施設、例えば電力ステーション125において、EV車の蓄電池に充電を行ったとき充電した電力の量をEV車の電力使用量として計測する手法を採用している。しかしながら、これに限られず、EVカーシェアリングシステム126では、EV車が実際に走行して蓄電池の電力を消費したとき、消費した電力の量をEV車の電力消費量として計測する手法を適宜採用することも可能である。EVカーシェアリングシステム126では、EV車の電力使用量の計測において、上記の手法のうちいずれかを択一的に採用する。2重計測とならないようにするためである。
(A市について)
図3を用いて、A市について具体的に説明すると次のとおりである。A市は、第1地区R1、第2地区R2、および第3地区R3の3つの地区に分かれている。
また、A市では、道路AVE1〜AVE4が市内を横断している。道路AVE1では、EVバスE1が第1地区R1のバス停103および第2地区のバス停103の間を運行している。EVバスE1は、急速充電可能なキャパシタを搭載した電気バスである。EVバスE1には、電力使用量を計測するための計測器(不図示)が取り付けられており、EVバスE1の電力使用量を排出量管理サーバ10に送信することができる。バス停103は、EVバスシステム123(図2)とネットワーク接続可能に構成されており、EVバスシステム123から各種情報を受信することができる。また、バス停103は、各種情報を表示するための表示部(不図示)を備えており、例えばEVバスシステム123から受信したEVバスE1の運行状況・現在位置を表示可能になっている。また、バス停103は、EVバスE1とEVバスシステム123を経由して通信可能に接続されており、バス停103とEVバスE1との間で、各種情報を送受信可能になっている。また、バス停103には、充電装置102が設置されており、EVバスE1がバス停103に停車しているときは、充電装置102によってEVバスE1が備えるキャパシタに充電を行うことができる。
また、A市の道路AVE1〜AVE4の各交差点には、車両計測器M2が設けられている。A市を走行する車両の種類としては、ガソリン車C1、ハイブリッド車C2、およびEV車C3などがある。なお、EV車C3はEVカーシェアリングシステム126(図2)において提供されているものである。A市では、道路AVE4において、多数の車両が走行中である。また、A市では、鉄道が道路AVE3からみて道路AVE4の向こう側に敷設されている。第1地区R1および第3地区R3には、それぞれ鉄道施設111の駅110Aおよび駅110Bがある。これにより鉄道の利用者は、第1地区R1−第3地区R3間を移動することができるようになっている。駅110A、110Bには、電力使用量計測器M1が設置されており、駅110A、110Bで使用される電力使用量を計測して、計測した電力使用量を排出量管理サーバ10に送信することができる。
第3地区R3において、道路AVE4沿いにタクシー乗り場105が設けられている。タクシー乗り場105には、そこに乗り入れているタクシーC4を検出するためのセンサが設けられており(不図示)、検出したタクシーC4の情報を交通制御システム124(図2)に送信することができるようになっている。これにより交通制御システム124では所定の位置に停車してタクシーC4が客待ちをしているか否かを把握できるようになっている。所定外の位置でタクシーC4が客待ちをしている場合、タクシーC4の停車位置によっては一般車両の円滑な交通を阻害するおそれもある。よって、このような場合、交通制御システム124はタクシーC4に対して警告の通知を行う。このような警告の通知を行うための構成としては、例えば、タクシーC4において通信装置および表示装置を設けておいて、交通制御システム124がタクシーC4の通信装置に対して警告メッセージを送信し、タクシーC4の表示装置に警告メッセージを表示させるようなものが挙げられる。
第1地区R1には、住宅B11〜B13、およびオフィス・店舗ビルB23がある。また、第2地区R2には、学校B21、オフィス・店舗ビルB24、工場B31、B32がある。そして、第3地区R3には、オフィス・店舗ビルB22、B25、B26、および工場B33がある。住宅B11〜B13、学校B21、オフィス・店舗ビルB22〜B26および工場B31〜B33には、それぞれの建物で消費された電力を計測するべく電力使用量計測器M1が設置されている。また、住宅B11、B12、学校B21、オフィス・店舗ビルB22、B24、B25には、太陽光発電パネルP1が設けられており発電を行うことができ、この発電量を計測するべく電力生産量計測器M3が設置されている。電力生産量は、負のCOの排出量として表すことができる。また、住宅B11、B12等に設けられている太陽光発電パネルP1で発電した電力は、電力売買システム120に売電することができる。一方、住宅B11、B12等は、電力売買システム120から電力を買電することもできる。上記の各種計測器M1〜M3は、通信ネットワーク50に接続されており、排出量管理サーバ10は、通信ネットワーク50を介して、各種計測器M1〜M3から各種計測値を取得することができる。また、A市では学校B21に電力ステーション125としての機能を持たせている。学校B21には、A市の各太陽光発電パネルP1で発電された電力の余剰分を蓄えておくための充電設備101が設置されている。学校B21はA市において緊急避難所となっており、地震等の非常時にも電力を確保できるように、このような充電設備101が設けられている。また、充電設備101は、周辺地域の建物に対して電力を分配することも可能である。例えば、同じ第2地区にあるオフィス・店舗ビルB24に対して電力供給を行ってもよい。
(排出量管理サーバの詳細について)
図1を用いて、排出量管理サーバ10の詳細について説明すると次のとおりである。図1に示すように、排出量管理サーバ10は、通信部11、入力部12、制御部20、および記憶部30を備える構成である。
通信部11は、外部と通信するためのインターフェースであり、通信ネットワーク50を介した通信を実現するものである。入力部12は、ユーザからの指示入力、情報入力などを受け付けるものであり、例えばキーボードやボタンなどのキー入力デバイスや、マウスなどのポインティングデバイスなどによって構成される。入力部12は、受け付けた入力に応じた入力データを制御部20に送信する。制御部20は、排出量管理サーバ10内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、記憶部30は情報を記憶するものである。また、排出量管理サーバ10は表示部13に接続されている。表示部13は、制御部20から送信される画像データに基づいて各種情報を表示出力するものである。表示部13は、LCD(液晶表示素子)、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイなどの表示デバイスによって構成することができる。また、表示部13は、入力部12と一体となったタッチパネルとして構成されていてもよい。表示部13と排出量管理サーバ10とは、周辺機器を接続するためのケーブルによって接続されていてもよいし、通信ネットワークにより接続されていてもよい。例えば、表示部13を公共の場に設けて、排出量管理サーバ10から送信される情報をA市の市民に対して提供をできるようにしてもよい。また、表示部13を、通信機能を有するプロジェクタ、大型液晶画面等により実現し、駅110前等の人通りが多いと見込まれるスペースに設置して、排出量管理サーバ10から情報提供を行えるようにしてもよい。また、表示部13は、1つだけでなく複数設けることも可能であり、排出量管理サーバ10から複数の表示部13に対して同時に情報提供を行えるように構成することもできる。
(記憶部の詳細)
記憶部30は、計測器情報記憶部31、計測値記憶部32、換算方式記憶部33、換算値記憶部34、および施策情報記憶部35を含む構成である。計測器情報記憶部31は、各計測器M1〜M3を個別に識別する個別識別子と、その設置位置を示す位置情報とが対応付けられた計測器情報を記憶している。位置情報とは、具体的には計測器情報が設置されている地区を示す情報(例えば、“第1地区R1”など)や、緯度・経度を示す情報である。なお、計測器情報には、個別識別子および位置情報のほか、計測器に付随する情報等を含んでいてもよい。例えば、計測器が設置された年月日等の設置日情報などが含まれる。
換算方式記憶部33は、各計測値をCO排出量に換算するための換算式を記憶している。換算方式記憶部33が記憶している具体的な換算式について説明する。
[1]電力使用量−CO排出量および電力生産量−CO排出量の換算式
電力使用量をCO排出量に換算する換算式は、公知のものを用いることができ、例えば、次の式(1)を使用することができる。
CO排出量 = 電力使用量(kWh)× 排出係数(tCO/kWh)・・(1)
ここで、式(1)において排出係数としては、“0.000555”を用いることができる。
また、電力生産量は、電力使用量の逆の意味、すなわち負の電力使用量ととらえることができるので、電力生産量についても上記式(1)に準じて負のCO排出量に換算することができる。
[2]交通量−CO排出量の換算式
交通量をCO排出量に換算する換算式は、公知のものを用いることができる。例えば、次の式(2)によりCO排出係数原単位EF(gCO/km)を算出して、EF、車両計測器M2に対応する距離L(km)および交通量Nを式(3)に適用することによりCO排出量を求めることができる。
CO排出係数原単位EF=A・1/V+A・V+A・V+A ・・(2)
CO排出量 = EF×L×N ・・(3)
ここで、Vは車両の速度である。また、距離Lとしては車両計測器M2の設置間隔を用いることができる。また、A、A、A、Aは回帰パラメータであるが、このパラメータの値は車種により異なる。すなわち、大型車および小型車のそれぞれについて上記式(2)、(3)を適用することで、車種ごとにCO排出量を求めることができる。
換算値記憶部34は、各計測値がCO排出量に換算された換算値を記憶している。
施策情報記憶部35は、CO排出量に対して都市機能をどのように調整すべきかを示す施策情報を記憶している。施策情報は、例えばガソリン車の交通量(台数)と、CO2排出量との間に成立する対応関係を示す情報である。また、施策情報は、例えば、太陽光発電パネルによる電力生産量と、CO排出量との間に成立する対応関係を表す情報である。施策情報の詳細については後述する。
(制御部の詳細)
制御部20は、範囲指定部(範囲指定手段、範囲入力受付手段)21、計測値取得部(計測値取得手段)22、換算部(換算手段)23、集計部24、および施策決定部(施策決定手段)25を備える構成である。
範囲指定部21は、入力部12において指定された範囲に設置されている計測器を特定するものである。範囲指定は、例えば各地区を個別に指定することもできるし、組み合わせて指定することもできる。範囲指定部21における範囲指定の具体例については後述する。計測値取得部22は、通信ネットワーク50を介して、範囲指定部21によって特定された計測器から計測値を取得するものである。計測値取得部22は、取得した計測値を換算部23に送信するとともに、計測値記憶部32に記憶する。換算部23は、換算方式記憶部33を参照し、計測値取得部22が取得した各種計測値をCO排出量に換算するものである。より具体的には、換算部23は、電力使用量をCO排出量に換算する電力使用量−CO換算部23a、交通量をCO排出量に換算する交通量−CO換算部23b、および電力生産量をCO排出量に換算する電力生産量−CO換算部23cを有している。また、換算部23は計測値を換算して得られた換算値を集計部24に送信する。
集計部24は、換算部23が換算したCO排出量を集計するためのものである。集計部24は集計結果を表示部13に表示する。施策決定部25は、換算値記憶部34に記憶されている換算値に基づいて、施策情報記憶部35の施策情報を参照して、打ち出すべき施策を決定する。施策決定部25の施策の詳細については後述する。
ここで、交通量−CO換算部23bが交通量をCO排出量に換算する手法についてより詳細に説明する。交通量−CO換算部23bは、交通制御システム124から送信される総交通量およびその速度、車種ごとの交通量およびその速度、型式ごとの交通量およびその速度を換算に用いることができる。交通量−CO換算部23bが交通量をCO排出量に換算する手法としては、例えば、次の3つが挙げられる。
第1に、総交通量およびその速度をそのまま用いる手法が挙げられる。これはつまり、総交通量およびその速度を前述の式(2)および(3)に代入することでCO排出量を求めることができる。第2に、車種ごとの交通量およびその速度を用いる手法が挙げられる。これは、車種ごとに定められているA、A、A、Aは回帰パラメータを用いて、大型車および小型車について前述の式(2)および(3)を適用する手法である。大型車および小型車それぞれについて求めたCO排出量を合算することで総CO排出量を求めることができる。第3に、型式ごとの交通量およびその速度を用いる手法が挙げられる。まず、ガソリン車、ハイブリッド車、およびEV車の型式のうち、ガソリン車のみを前述の式(2)および(3)の適用対象とする。そして、ハイブリッド車は、固定値あるいは所定の係数と交通量を掛け合わせるなどしてCO排出量を求める。EV車については、上述のとおり充電時の電力使用量でCO排出量を求めるので、交通量をCO2排出量に換算する際には二重計上とならないように対象外とする。このように、型式ごとにCO排出量を求めてこれらを合算することで総CO排出量を求めることができる。
(施策決定の間隔について)
施策決定部25は、所定の間隔で施策を決定する。例えば、次のような単位の集計結果に基づいて、施策決定部25は施策を決定する。
[午前・午後]
施策決定部25は、ある日の午前中に集計したCO排出量に基づいて午後の交通量に関する施策を決定する。つまり、ある日の午前中に集計したCO排出量が多ければ、午後のCO排出量が少なくなるよう午後の交通量を規制する施策を決定する。
[日単位]
施策決定部25は、ある日に集計したCO排出量に基づいて、次の日の施策を決定する。例えば、A市の市民が個別にガソリン車C1で移動するよりも、鉄道をはじめとする公共交通機関を利用して移動したほうがCO排出量は抑えられるので、施策決定部25は、ある日に集計したCO排出量が多ければ、次の日のCO排出量が少なくなるよう公共交通機関を利用した利用者に対してポイントなどの特典を付与する施策を決定する。ここで、施策決定部25は、CO排出量が少ない場合に付与しているポイント数よりも多いポイント、いわゆる割り増しポイントを付与する施策を決定してもよい。
施策決定部25は、このように決定した施策を通信ネットワーク50を介して各サブシステムや各公共交通機関の運営事務所に通知してもよい。
[週単位・月単位]
施策決定部25は、週単位または月単位で集計したCO排出量に基づいて、次の週または次の月の施策を決定する。例えば、施策決定部25は、週単位または月単位で集計したCO排出量が多ければ、次の週または次の月において各住宅に電力消費量を削減するよう、通信ネットワーク50を介して通知する。また、施策決定部25は、次の週または次の月において、所定以上の電力を消費した住宅に対して電子メール等で警告を行ってもよい。また、例えば、施策決定部25は、通信ネットワーク50を介して各オフィス・店舗(例えば、コンビニエンスストア等)において電力消費量を削減する旨の通知を行ってもよい。施策決定部25は、各オフィス・店舗において音声アナウンスを行うように指示してもよい。
[年単位]
施策決定部25は、年単位のCO排出量の集計結果に基づいて、CO排出量を所定以下にするのに必要な太陽光発電パネルの設置数を算出する。よって、例えば、ある市において、次の年度において太陽光パネルの新規設置数をどのくらい増やせばよいかということを予測するのに役立つ。以上の間隔は飽くまで一例であり長期的または短期的の施策の目安である。例えば、“午前・午後”として説明した施策を“日単位”で決定することも可能である。
(範囲指定の具体例)
次に、図4を用いて、範囲指定部21における範囲指定の具体例について説明する。
図4に示すように、排出量管理サーバ10(図1等)には入力部12および表示部13が接続されている。同図に示す例では、入力部12は、キーボードおよびマウスにより構成しており、また表示部13はディスプレイにより構成している。
範囲指定部13は、表示部13に、第1地区R1、第2地区R2、および第3地区R3の3つの地区に区分けしてA市の地図を表示する。ここで、排出量管理サーバ10では、入力部12においてユーザの範囲指定を受け付ける。ユーザは、キーボードおよびマウスにより、カーソルH1を操作して、指定範囲を決定する。図4では、第1地区R1をポイントすることにより範囲が指定されている。
範囲指定部13は、第1地区R1の範囲指定を受け付けて、計測器情報記憶部31に記憶される計測器情報を参照しつつ、当該範囲に含まれる計測器を特定する。すなわち、範囲指定部13が、計測器情報記憶部31を参照して、各計測器M1〜M3を個別に識別する個別識別子と、それに対応付けられた計測器の設置位置を示す位置情報を取得する。そして、範囲指定部13は、位置情報に“第1地区R1”が設定されている計測器の個別識別子を抽出する。これにより、駅110A、住宅B11〜B13、オフィス・店舗ビルB23に設置される電力使用量計測器M1が特定される。また、第1地区に設置されている車両計測器M2および住宅B11、B12に設置されている電力生産量計測器M3が特定される。範囲指定部13が、このようにして特定した各計測機器M1〜M3の個別識別子を計測値取得部22に送信すると、これに応じて、計測値取得部22が送信された個別識別子が付された各計測器M1〜M3から計測値を取得する。
なお、表示部13において、A市の地図を表示させるとともに、入力部12においてマウスによるドラッグ操作やタッチパネルによる入力操作を受け付けて地図内の所望の範囲を選択させてもよい。この場合、ドラッグ操作により選択された矩形範囲またはタッチパネル入力操作において描かれる曲線の閉曲線内の範囲に含まれるオフィス・店舗ビル、住宅、工場等が計測対象となる。
(集計・施策決定の具体例)
再び図3を参照して、各地区を範囲指定した場合の集計・施策決定について説明すると次のとおりである。
第1地区R1では、ハイブリッド車C2が走っており、若干の交通量がある。また、EV車C3が走っており、EV車C3のバッテリ充電による電力使用量も若干ある。また、第1地区R1では、住宅B11、B12において太陽光発電パネルP1が設置され、これにより電力が生産されている。また、第1地区R1にある建物は住宅が多いので、電力を大量に使用するような建物も少ないといえる。また、駅110Aにおける電力消費量もある。よって、第1地区R1を範囲指定した場合、交通量をCO排出量に換算した換算値もさほど高くなく、電力生産量をCO排出量に換算した換算値による削減効果がある。また、電力使用量をCO排出量に換算した換算値は他の地区と比べれば低い。よって、第1地区R1におけるCO排出量換算値の合計は、他の地区と比べれば比較的小さくなる。ここで、さらなるCO排出量の削減が要求される場合、CO排出量を削減するには、住宅B11〜B13、およびオフィス・店舗ビルB23の電力使用量を削減することが考えられる。そこで、施策決定部25は、住宅B11〜B13、およびオフィス・店舗ビルB23において、削減すべき電力使用量を算出する。
また、長期的に見れば、CO排出量を削減するには、第1地区R1における電力生産量を増やすことが考えられる。電力生産量を増やすには、例えば、住宅B13およびオフィス・店舗ビルB23に太陽光発電パネルを設置することが考えられる。よって、CO排出量の削減が要求される場合、施策決定部25は、増やすべき電力生産量を算出するとともに、設置すべき太陽光発電パネルの設置数を算出する。
第2地区R2では、学校B21およびオフィス・店舗ビルB24に太陽光発電パネルP1が設置されているので、若干の電力生産量がある。しかしながら、工場B31、B32において多くの電力を使用しているので他の地区に比べて電力使用量が高い。従って、第2地区R2を範囲指定した場合、電力生産量をCO排出量に換算した換算値による削減効果があるものの、電力使用量をCO排出量に換算した換算値が高くなり、CO排出量換算値の合計は、他の地区に比べて高めである。CO排出量を削減するには、長期的に見れば、第1地区R2における電力生産量を増やすことが考えられる。また、電力生産量を増やすには、工場B31および工場B32に太陽光発電パネルを設置することが考えられる。よって、CO排出量の削減が要求される場合、施策決定部25は、増やすべき電力生産量を算出するとともに、設置すべき太陽光発電パネルの設置数を算出する。
第3地区R3は、ガソリン車C1が多数走っており交通量が多い。また、工場B33があるので電力使用量が若干高めである。また、オフィス・店舗ビルB22およびオフィス・店舗ビルB25には太陽光発電パネルが設置されているので若干の電力生産量がある。また、駅110Bにおける電力消費量もある。従って、第3地区R3を範囲指定した場合、交通量をCO排出量に換算した換算値が高く、電力使用量をCO排出量に換算した換算値もある程度高くなる。また、電力が生産されているのでこれによるCO排出量換算値の削減効果がある。
以上のことから、短期的には、交通量を削減することにより、CO排出量換算値の低減が見込める。また、長期的には、電力生産量を増やすこと、すなわち太陽光発電パネルを設置することにより、CO排出量換算値の低減が見込める。CO排出量換算値の合計が、所定以上である場合、施策決定部25は、施策情報を用いて、削減すべき交通量を算出する。また、移動手段を、ガソリン車C1から公共交通機関へ変更するべき人数を算出する。さらなるCO排出量の削減が要求される場合、施策決定部25は、増やすべき電力生産量を算出するとともに、設置すべき太陽光発電パネルの設置数を算出する。
なお、上記では、EVバスE1の電力使用量について計算していなかったが、これについて計算する場合は次のとおりである。すなわち、EVバスE1は、第1地区R1から第2地区R2にかけて運行しているが、その電力使用量は指定された地区における運行区間を走っている車両ついて計算すればよい。さらにいえば、施策決定部25は、電力使用量の実測値から換算したCO排出量換算値だけでなく、EVバスE1の運行時刻表に基づいて、集計する時間帯におけるCO排出量換算値を推定してもよい。例えば、集計する時間帯に、指定された地区における運行区間を走行しているEVバスの台数を、EVバスE1の運行時刻表から推計することができる。よって、施策決定部25は、このように推計されたEVバスの台数と平均的なEVバスの電力使用量から電力使用量を推定し、この推定値をCO排出量に換算してもよい。
次に、図6を用いて、交通量を削減することによりCO排出量を削減する施策についてより具体的に説明する。図6は、ガソリン車の交通量とCO排出量との関係について例示するグラフである。すなわち施策情報記憶部35に記憶されている施策情報が、ガソリン車全体の交通量とCO排出量との関係が線形関係(図6の総合計の直線グラフ)を示す情報である場合の例について以下では説明する。
いま、集計部24が集計したCO排出量がEm1であったとする。Em1という値は、CO排出量の基準値Thを上回る値であるので、施策決定部25は、施策情報を用いて基準値Thを下回る値Em2までCO排出量を削減できるような交通量を算出する。すなわち、施策決定部25は、施策情報が示す線形関係により交通量削減台数をTr1台と算出する。そして、施策決定部25は、算出結果に従って、“交通量削減台数 Tr 1台”を施策として決定する。また、大型車は、一般的に小型車よりもCO排出量が多いと考えられる。よって施策決定部25が大型車・小型車を選択的に交通量削減対象として施策を決定することも可能である。もちろん、施策決定部25は、“大型車を何台削減して、小型車を何台削減する”というように大型車および小型車の組み合わせでそれぞれ何台の削減対象が必要かを算出してもよい。
ところで、上記のように車両の交通量を制限すると、制限した分だけ車両で移動していた人の交通手段がなくなってしまう。そこで、車両の交通量を制限した分、代替の交通手段を準備することが望ましい。例えば、ガソリン車よりもCO排出量の少ないEVバスを代替手段として提供することが考えられる。この場合、交通量削減台数と増発するべきEVバス台数との関係を示す施策情報を用いて施策決定部25は、増発するべきEVバス台数を決定する。この場合、まず、削減台数Tr1と平均的な車両搭乗員数とを乗じることにより代替の交通手段を必要となる人の数が推測できるので、このうちの何割が特定の路線を利用するかをさらに予測する。そして、予測した利用人数と、特定の路線におけるEVバスの平均的な輸送力(人数)とに基づいて増発するべきEVバス台数を決定することができる。
(表示部による情報提供)
次に、図7を用いて、表示部13における情報提供について説明する。図7に例示するように、表示部13において、集計部24が集計したA市のCO排出量に関する情報をグラフ形式で表示することができる。表示部13に表示する表示画面150には、グラフ表示領域151と施策情報表示領域152とが含まれている。グラフ表示領域151には、集計部24がある年度の1月〜6月におけるA市のCO排出量を月別に集計したグラフが表示されている。各月のグラフは4つのパートに分かれている。すなわち、交通量をCO排出量に換算した値を示すL1と、電力使用量をCO排出量に換算した値を示すL2と、電力生産量をCO排出量に換算した値を示すL3、およびその月のCO排出量の総計を示すL4である。つまり、このグラフは、L1とL2との和からL3を差し引いた値がL4であることを示している。
グラフ表示領域151に表示するグラフについて、より詳しく説明すると、まず、交通量をCO排出量に換算した値は、1月から2月にかけて一端低下するものの、3月から6月までは徐々に増加傾向にある。また、電力使用量をCO排出量に換算した値は、1月から6月にかけて、おおむね増加傾向である。そして、電力使用量をCO排出量に換算した値は、日照時間が徐々に長くなる影響から3月あたりから大きく伸びている。しかしながら、CO排出量の総計は、1月から2月にかけて一端低下するものの、3月から6月までは徐々に増加する傾向となっている。6月において、CO排出量の総計が、所定の基準値Thを超えた値となっているため、施策決定部25は、CO排出量を所定基準Th以下に削減するために必要な交通量削減台数を計算して、計算結果に基づいた交通量削減施策を今月の施策として施策情報表示領域152に表示している。また、施策決定部25は、代替交通手段として必要なEVバスの台数を計算しており、上記の交通量削減施策とともにEVバス増発施策を施策情報表示領域152に表示している。
図5を用いて、排出量管理サーバ10における処理の流れの一例を説明すると以下のとおりである。まず、処理を開始すると、範囲指定部21が、計測値を取得すべき計測器を特定する(S1)。そして、計測値取得部22は、通信ネットワーク50を介して、範囲指定部21によって特定された計測器から計測値を取得する(S2)。続いて、換算部23は、取得された計測値を、CO排出量に換算する(S3)。
以上のように、排出量管理サーバ10は、計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定部21と、指定された範囲に含まれる場所に設置されている各種計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得部22と、計測値取得部22が取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値(CO排出量)に換算する換算部23と、を備える構成である。これにより、ある地理的な範囲における複数種類の計測値を、CO排出量という共通の指標で比較することができ、また換算後の指標値をそれぞれ足し合わせて全体でどれだけの値になるかを把握できるようになるという効果を奏することができる。
以下において、環境管理システム1のより好ましい変形例について説明する。
[地形情報の取得]
A市の地理情報および走行中の車両の走行速度・位置情報を排出量管理サーバ10において取得して、当該車両にCO排出量が少なくなるような運転方法を提案してもよい。
例えば、地理情報が、A市のある道路が下り坂であるという情報を含み、車両の走行速度・位置情報を交通制御システム124から取得できるように構成した場合について説明する。なお、車両、排出量管理サーバ10、および交通制御システム124は、相互に通信ネットワーク接続可能とする。
排出量管理サーバ10は、車両の位置情報を取得する。排出量管理サーバ10は、車両の位置情報と地理情報とに基づいて、車両が走行中の道路が下り坂か否かを判定する。車両が下り坂を走行中であると判定した場合、排出量管理サーバ10は、さらに車両の走行速度を交通制御システム124から取得し、所定以上のスピードが出ていないか否かを判定する。所定以上のスピードが出ている場合、排出量管理サーバ10は当該車両に対して「下り坂ならばギアをニュートラルにしましょう」という提案を行う。この提案は、車両に設置されたカーナビゲーションシステムの画面に表示できるように構成してもよいし、ラジオ受信機等の車載の音声出力装置から音声アナウンスによって行ってもよい。また、この提案を車両が走行中の位置の周辺に設置された電工掲示版において表示してもよい。
さらには、排出量管理サーバ10は、この提案を車両の運転者が所有する携帯電話機に対して通知してもよい。
[施策効果の推定]
排出量管理サーバ10において、施策決定部25が決定した施策の効果を評価してもよい。例えば、施策決定部25が決定した交通量削減の施策に従い交通量規制を行って、交通量削減を行ったとき、所定期間、CO排出量の推移を算出する。このとき、CO排出量が所定の基準以下まで下がっていれば、排出量管理サーバ10はその施策の有効性が認められる。その施策の有効性が認められない場合、排出量管理サーバ10は、交通量削減の目標値を修正したり、交通量削減の施策を変更するよう指示したりしてもよい。
さらに付言すれば、本発明では、CO排出量という共通の指標を求めることができるので施策の効果を相互に比較することも可能である。例えば、電力消費量を削減することができる或る施策と、交通量を削減することができる他の施策とについて説明すると次のとおりである。或る施策を実施したことによる電力消費量の削減値と、他の施策を実施したことによる交通量の削減値とは、排出量管理サーバ10においてCO排出量の削減量に換算することができる。よって、或る施策によるCO排出量の削減量と、他の施策によるCO排出量の削減量とを比較することができ、或る施策と他の施策との有効性および重要度を評価することができる。
[地域ごとのランキング]
排出量管理サーバ10は、A市の第1地区R1〜第3地区R3までのCO排出量をそれぞれ算出して、CO排出量が少ない順にランキング一覧として、表示部13に表示してもよい。この際、排出量管理サーバ10は、公平な比較ができるように算出したCO排出量を正規化してもよい。正規化とは、CO排出量を人口や面積で割ることにより人口当たり、面積当たりのCO排出量を算出することである。
この構成によれば、CO排出量の観点から、環境に優しい地区を特定することができるので、どの地区に住めば環境に優しい暮らしができるかを判断する目安となる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図8および図9を参照して説明すると以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、前記実施形態に係る環境管理システム1において、さらにポイント制度を導入するためのポイント管理サーバを追加することにより、CO排出量低減の観点から好ましい行動を促すためのインセンティブとして、ポイントを付与する例について説明する。CO排出量低減の観点から好ましい行動には、直接的な行動と、間接的な行動とがある。直接的な行動とは、各計測機器において計測される計測値をCO排出量に換算した値を、直接的に減少させることができるような行動である。
例えば、住宅またはオフィス・店舗に設置された太陽光発電パネルによって発電された発電量は、上記排出量管理サーバ10においてCO排出量の削減量に換算される。このため、太陽光発電パネルを設置している住宅の世帯主または太陽光発電パネルを設置しているオフィス・店舗の管理者は、CO排出量低減の観点から好ましい直接的な行動をとっていると考える。
他にも、ある住宅の世帯主が電力使用量を削減した場合、電力使用量をCO排出量に換算した換算値を低減することになるので、CO排出量低減の観点から好ましい直接的な行動をとっていると考える。また、間接的な行動とは、相対的にCO排出量が少ない代替手段をとる行動である。例えば、移動に、ガソリン車ではなく、公共の交通機関を利用する行動が挙げられる。上記のような行動をとった者には、ポイントが付与され、また、ポイントを付与された者は、ポイントを消費してさまざまな特典を受けることができる。
図8に示すように、環境管理システム(貨幣価値付与システム)1Aは、図2等を用いて示した環境管理システム1に、さらにポイント管理サーバ(貨幣的価値管理サーバ)200およびポイント端末T1を追加した構成となっている。
環境管理システム1Aでは、一例として、利用者500を、ID認証機能を備えるICチップを内蔵したポイントカード501により特定する構成としている。
ポイント端末T1はポイントカード501を読み書きすることができ、ポイントカード501から利用者ID情報を読み出すことができる。ポイント端末T1は、各公共交通機関を特定するための特定情報を付与されて、当該公共交通機関に設置されている。特定情報は、各公共交通機関に割り当てられた固有の識別子であり、例えば、駅110Aに設置されたポイント端末T1については“駅110A”といった識別子が割り当てられる。また、ポイント端末T1は、公共交通機関を利用する利用者500が提示するポイントカード501から利用者ID情報を読み取る。そして、読み取った利用者ID情報と、自端末に付与されている特定情報とを、通信ネットワーク50を介してポイント管理サーバ200に送信する。
ポイント管理サーバ200は、いわゆるポイントサービスを実現するためのものである。ポイント管理サーバ200は、貨幣的価値を有するポイントを利用者に対して付与することができる。利用者500は、付与されているポイントを消費することにより、様々な特典を受けたり、買い物をしたりすることができる。
ポイント管理サーバ200は、より詳細には、通信部201、制御部202、およびポイント管理データベース210を備える構成である。通信部201は、通信ネットワーク50を介した通信を実現するネットワークインターフェースである。ポイント管理データベース210は、ポイントを管理するための情報を記憶するものである。ポイント管理データベース210には、利用者を特定するための利用者ID情報と、当該利用者に付与されているポイントとが対応付けられて格納されている。制御部202は、ポイントを管理するためのプログラムを実行するものであり、より詳細には、ポイント換算部203およびポイント付与部204を含む構成である。ポイント換算部203は、CO排出量の換算値を排出量管理サーバ10から取得して取得したCO排出量の換算値をポイントに換算するものである。ポイント換算部203は、例えば、住宅121の電力生産量による負のCO排出量の換算値、すなわちCO削減量を、正のポイントに換算する。また、ポイント換算部203は、CO削減量が大きいほど、多くのポイントに換算してもよい。ポイント付与部204は、CO排出量低減の観点から好ましい行動をとった利用者に対して、ポイント換算部203が換算したポイントを付与するためのものである。
ポイント換算部203およびポイント付与部204によるポイント付与の具体的手法について説明する。まず、住宅121の世帯主に利用者ID情報を割り当てておき、この利用者ID情報と、電力生産量計測器M3のID情報とを対応付けてポイント管理データベース210において事前に登録しておく。そして、ポイント換算部203が、電力生産量計測器M3のID情報と住宅121の電力生産量のCO削減量換算値とを、排出量管理サーバ10から取得して、CO削減量をポイントに換算する。次に、ポイント付与部204は、ポイント管理データベース210を参照して、電力生産量計測器M3のID情報に対応付けられている世帯主の利用者ID情報を特定し、特定した利用者ID情報に対してポイント換算部203が換算したポイントを付与する。また、ポイント付与部204は、太陽光発電パネルを設置している住宅121の世帯主またはオフィス・店舗122の管理人に対してポイントを付与してもよい。オフィス・店舗122の管理人にポイントを付与する場合も上述のとおりである。なお、ポイント付与部204は、公共交通機関の利用者に利用した公共交通機関に応じたポイントを付与してもよい。より具体的には、ポイント付与部204は、ポイント端末T1から利用者ID情報および特定情報を受信し、受信した利用者ID情報に対して、特定情報により特定される公共交通機関に応じたポイントを付与する。
(ポイントの流れについて)
次に、図9を用いて、環境管理システム1Aにおけるポイントの流れについて説明する。図9において点線で示す線は、ポイントの流れを示している。
[CO削減量に対するポイント]
住宅121またはオフィス・店舗122の電力生産量計測器M3から電力使用量が排出量管理サーバ10に送信され、排出量管理サーバ10が電力使用量をCO削減量に換算する。ポイント管理サーバ200は、排出量管理サーバ10からCO削減量を取得して住宅121の世帯主またはオフィス・店舗122の管理人に対してポイントを付与する。
[公共機関利用によるポイント]
駅110A、110B、EVバスシステム123、およびEVカーシェアリングシステム126においてポイント端末T1を設ける。利用者500は、これらの公共交通機関を利用する際にポイントカードをポイント端末T1に読み取らせる。例えば、利用者500は、駅110A、110Bを利用する場合は、駅110A、110Bに設けられているポイント端末T1にポイントカードを読み取らせる。これにより鉄道施設111からポイント管理サーバ200に対して、利用者500の利用者ID情報および利用した公共交通機関の特定情報が送信され、ポイント管理サーバ200において、駅110A、110Bの利用に応じたポイントが利用者500の利用者ID情報に対して付与される。EVバスシステム123およびEVカーシェアリングシステム126についても同様である。なお、付与されたポイントをこれらの公共交通機関を利用する料金として使用できるようにしてもよい。
また、上記のようにポイント端末T1にポイントカードを読み取らせて公共機関利用によるポイントを付与する構成に限られず、GPS機能の測位情報に基づいてポイントを付与する構成としてもよい。具体的には、まず、GPS(Global Positioning System)機能を備える携帯端末からGPS機能により測定した測位情報をポイント管理サーバ200に送信させる。そして、ポイント管理サーバ200は、携帯端末から送信される測位情報に基づいて、携帯端末の利用者が公共交通機関を利用したか否かを推測する。この結果、携帯端末の利用者が公共交通機関を利用したと推測できた場合、利用者が間接的な行動をとったものとして、ポイント管理サーバ200が当該利用者の利用者ID情報に対してポイントを付与する。
以下に、環境管理システム1Aの好ましい変形例について説明する。
[オフィス・店舗利用によるポイント]
太陽光発電パネルを設置している店舗(オフィス・店舗122)は、CO削減量に寄与しているため、このような店舗で買い物をするごとに利用者500にポイントを付与してもかまわない。すなわち、利用者500は、このような店舗で買い物をする際に、ポイントカードを、店舗に設置されているポイント端末T1に読み取らせる。これにより、ポイント管理サーバ200が当該利用者500の利用者ID情報に対してポイントを付与する。また、利用者500が、自己のポイントを消費して店舗で買い物をできるようにしてもよい。
[ポイントの付与や通知]
ポイント管理サーバ200は、さらに、サーバ管理者や、ポイント制度の運営者等のサーバ側関係者からの指示入力、情報入力などを受け付けるための入力部を備えていてもよいし、各種情報を表示出力するための表示部を備えていてもよい。そして、ポイント管理サーバ200は、入力部において、サーバ管理者から指示入力を受け付けて、特定の利用者500の利用者ID情報に対してポイントを付与できるようになっていてもよい。また、ポイント管理サーバ200は、表示部において、各利用者500に付与されているポイントを表示できるようになっていてもよい。また、ポイント端末T1において表示部および入力部等を設けて、利用者500の操作に応じて、ポイント端末T1から当該利用者500に付与されているポイントを照会できるようになっていてもよい。また、ポイント管理サーバ200は、利用者500に付与されているポイントを、利用者500に通知するための通知部を備えていてもよい。例えば、利用者500の電子メールアドレスをポイント管理サーバ200にて記憶しておき、定期的に、または、ポイントを付与するたびに、利用者500に電子メールで通知してもよい。
[排出量管理サーバおよびポイント管理サーバの統合]
上記環境管理システム1Aは飽くまで一例であり、よって、排出量管理サーバ10とポイント管理サーバ200とを統合して一つのサーバ装置として実現するのも、排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200それぞれを複数のサーバ装置から構成することで実現するのも任意である。
〔その他〕
最後に、排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200の各ブロック、特に排出量管理サーバ10の範囲指定部21、計測値取得部22、換算部23、集計部24、および施策決定部25、ならびに、ポイント管理サーバ200のポイント換算部203およびポイント付与部204は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、排出量管理サーバ10およびポイント管理サーバ200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、CO排出量を把握して管理することができるので、市町村レベルで適用することで環境にやさしい街づくりを支援することができる。また、全国レベルで適用することで各都道府県のCO排出量を管理して、環境改善に役立てることができる。
1 環境管理システム
1A 環境管理システム(貨幣価値付与システム)
10 排出量管理サーバ(環境管理装置)
11 通信部
12 入力部
13 表示部
20 制御部
21 範囲指定部(範囲指定手段、範囲入力受付手段)
22 計測値取得部(計測値取得手段)
23 換算部(換算手段)
23a 電力使用量−CO換算部
23b 交通量−CO換算部
23c 電力生産量−CO換算部
24 集計部
25 施策決定部(施策決定手段)
30 記憶部
31 計測器情報記憶部
32 計測値記憶部
33 換算方式記憶部
34 換算値記憶部
35 施策情報記憶部
50 通信ネットワーク
200 ポイント管理サーバ(貨幣的価値管理サーバ)
203 ポイント換算部
204 ポイント付与部
M1 電力使用量計測器(計測器)
M2 車両計測器(計測器)
M3 電力生産量計測器(計測器)
P1 太陽光発電パネル

Claims (11)

  1. 計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定手段と、
    指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得手段と、
    上記計測値取得手段が取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値に換算する換算手段と、を備えることを特徴とする環境管理装置。
  2. 上記共通の指標値は、CO(二酸化炭素)排出量であることを特徴とする請求項1に記載の環境管理装置。
  3. 上記指標値の合計値が所定以上であれば、上記指標値の合計値を所定以下にするために削減すべき電力の使用量、削減すべき交通量、および増やすべき電力の生産量のうちの少なくとも1つを算出する施策決定手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境管理装置。
  4. ユーザから範囲の入力を受け付ける範囲入力受付手段を備え、
    上記範囲指定手段は、上記受け付けた範囲を指定範囲とし、
    上記計測値取得手段は、上記計測器に付与されている位置情報を用いて、上記指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器を特定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の環境管理装置。
  5. 上記施策決定手段は、上記指標値の合計値が所定以上であれば、ガソリン車の交通量と、削減できる上記指標値との対応関係から、上記指標値の合計値を所定以下にするのに必要なガソリン車の交通量の規制台数を決定することを特徴とする請求項3に記載の環境管理装置。
  6. 上記施策決定手段は、上記規制するガソリン車の台数と、上記規制により代替交通手段を必要とする人の数との対応関係および代替交通手段の1台あたりの輸送可能人数とに応じて、必要な代替交通手段の台数を決定することを特徴とする請求項5に記載の環境管理装置。
  7. 複数の範囲を指定して、範囲ごとに算出した指標値を比較する比較手段を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の環境管理装置。
  8. 計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定手段と、
    指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から複数種類の物理量の計測値を取得する計測値取得手段と、
    上記計測値取得手段が取得した上記複数種類の物理量の計測値をCO排出量に換算する換算手段と、を備えることを特徴とする環境管理装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の環境管理装置を動作させる環境管理装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための環境管理装置制御プログラム。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の環境管理装置と、
    貨幣的価値を付与する貨幣的価値管理サーバとを有する貨幣価値付与システムであって、
    上記貨幣的価値管理サーバは、上記環境管理装置の上記換算手段が換算した共通の指標値を貨幣的価値に換算することを特徴とする貨幣価値付与システム。
  11. 計測値を取得すべき場所の範囲を指定する範囲指定ステップと、
    指定された範囲に含まれる場所に設置されている計測器から、電力の使用量、交通量、および電力の生産量のうちの複数種類の計測値を取得する計測値取得ステップと、
    上記計測値取得ステップにおいて取得した上記複数種類の計測値を共通の指標値に換算する換算ステップと、を含むことを特徴とする環境管理装置の制御方法。
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