JP2011190837A - 超電導磁気軸受・磁気浮上装置における制振制御機構 - Google Patents

超電導磁気軸受・磁気浮上装置における制振制御機構 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、上記課題を解決するために、超電導磁気軸受・磁気浮上装置の振れ回りや振動を能動的に制御して、振れ回りや振動を低減又は抑制することができる制振制御機構を提供することを目的とする。
【解決手段】 超電導体により非接触支持される被支持体の変位を検知する変位センサーと、前記超電導体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記変位センサーが検知した前記被支持体の変位量に基づく変位信号を前記制御手段に伝達し、前記制御手段は、前記変位信号に基づいて前記駆動装置の駆動を制御することにより、前記被支持体の振れ回り及び振動を抑制することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、超電導磁気軸受・磁気浮上装置における制振制御機構に関し、より詳しくは、例えば電力貯蔵用超電導フライホイール等の超電導磁気軸受装置や非接触搬送装置等に使用することができる制振制御機構に関する。
磁気軸受・磁気浮上機構は、対象物を非接触で支持できるため、機械的な接触がなく塵埃が発生しないこと、また軸の回転損失が極めて少ないことが利点として挙げられる。従って、磁気軸受機構は回転損失を防止することが必要なフライホイール蓄電装置等に利用され、磁気浮上機構は半導体製造、バイオテクノロジー、材料製造等の分野におけるクリーン環境での非接触搬送装置に利用されている。
浮上体支持、或いは回転軸支持のために常電導磁石(永久磁石)を用いた場合、その制振制御機構は永久磁石の吸引力を制御することにより行われる。しかしながら、浮上体及び回転体の位置決め精度が悪いため、装置の大型化や回転速度の高速化に問題があった。
これに対して、特許文献1及び特許文献2は、スラスト方向及びラジアル方向を超伝導体で支持することにより、回転損失を低減すると共に高速回転を可能とする超電導磁気軸受を開示している。超電導体を利用した磁気軸受は、磁束によるピン止め効果が高いことから、従来の能動的な磁気軸受(永久磁石磁気軸受)とは異なり、無制御で、磁界内での安定浮上が得られる。従って、従来の能動的な磁気軸受では難しい装置の大型化、回転速度の高速化及び低消費電力化が可能となる。
しかしながら、超電導磁気軸受及び浮上機構は、外力に対するラジアル方向への制御が十分でないため、高速回転する回転軸の振れ回りや外力を加えられた際の浮上体の振動を十分に抑制することができない。特に超電導磁気軸受が使用されるフライホイール蓄電器の場合は、回転軸の傾きが発生しやすく、安定性が悪いことから、振れ回りが起こりやすい。この振れ回りは、回転軸が軸受部分に接触するいわゆるタッチダウンを発生させたり、振れ回りが長く続くと回転損失を発生させることが大きな問題となっている。また、超電導浮上機構を使用するリニアモータカー等の非接触搬送装置の場合は、外力による振動が長く続くと、物を搬送させる能力が著しく減損するという問題が発生する。
ここで、振れ回りとは、図11で示されるように、回転体の重心に遠心力が加わることにより、回転体が回転中心軸からぶれてしまう現象をいい、回転速度が速いと振れ回りが発生しやすくなる。
特開2003−49836号公報 特開平9−242755号公報
本発明は、上記課題を解決するために、超電導磁気軸受・磁気浮上装置の振れ回りや振動を能動的に制御して、振れ回りや振動を低減又は抑制することができる制振制御機構を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は以下の構成からなる。
請求項1に係る発明は、超電導体により非接触支持される浮上体及び/又は回転体からなる被支持体の振れ回り及び振動を抑制する制振制御機構であって、前記被支持体の変位を検知する変位センサーと、前記超電導体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記変位センサーが検知した前記被支持体の変位量に基づく変位信号を前記制御手段に伝達し、前記制御手段は、前記変位信号に基づいて前記駆動装置の駆動を制御することにより、前記被支持体の振れ回り及び振動を抑制することを特徴とする制振制御機構に関する。
請求項2に係る発明は、前記制御手段がノイズカットフィルターとPID調節器を有することを特徴とする請求項1記載の制振制御機構に関する。
請求項3に係る発明は、前記回転体が超電導磁気軸受装置の回転体であることを特徴とする請求項1又は2記載の制振制御機構に関する。
請求項4に係る発明は、前記浮上体が超電導磁気浮上装置の浮上体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振制御機構に関する。
請求項5に係る発明は、前記超電導磁気軸受装置が前記超電導体を備える超電導磁気軸受と、永久磁石磁気軸受とを備え、前記超電導磁気軸受及び前記永久磁石磁気軸受が前記回転軸を囲繞するようにリング状に形成され、前記永久磁石磁気軸受は前記回転軸の上端部をラジアル方向に支持し、前記超電導磁気軸受は前記回転軸の中間部をラジアル方向に支持し、前記駆動手段は、前記超電導磁気軸受と前記永久磁石磁気軸受を互いに逆方向のラジアル方向に駆動することを特徴とする請求項3に記載の制振制御機構に関する。
請求項1に係る発明によれば、超電導体により非接触支持される浮上体及び/又は回転体からなる被支持体の振れ回り及び振動を抑制する制振制御機構であって、前記被支持体の変位を検知する変位センサーと、前記超電導体を駆動させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、前記変位センサーが検知した前記被支持体の変位量に基づく変位信号を前記制御手段に伝達し、前記制御手段は、前記変位信号に基づいて前記駆動装置の駆動を制御することにより、前記被支持体の振れ回り及び振動を抑制することができるため、浮上体を安定して浮上させることができるとともに、回転体の場合は、高速回転が可能となるとともに回転損失を低減することもできる。
請求項2に係る発明によれば、前記制御手段がノイズカットフィルターとPID調節器を有することから、被支持体の振れ回り及び振動の抑制をさらに確実なものとすることができる。
請求項3に係る発明によれば、前記回転体が超電導磁気軸受装置の回転体であることから、回転軸は、上下左右方向に位置決めされ、回転軸の振れ回り及び振動の制御をさらに確実なものとすることができる。
請求項4に係る発明によれば、前記浮上体が超電導磁気浮上装置の浮上体であることから、浮上体は、上下左右方向に位置決めされ、浮上体の振動制御をさらに確実なものとすることができる。
請求項5に係る発明によれば、前記超電導磁気軸受装置が前記超電導体を備える超電導磁気軸受と、永久磁石磁気軸受とを備え、前記超電導磁気軸受及び前記永久磁石磁気軸受が前記回転軸を囲繞するようにリング状に形成され、前記永久磁石磁気軸受は前記回転軸の上端部をラジアル方向に支持し、前記超電導磁気軸受は前記回転軸の中間部をラジアル方向に支持し、前記駆動手段は、前記超電導磁気軸受と前記永久磁石磁気軸受を互いに逆方向のラジアル方向に駆動することとなる。従って、永久磁石磁気軸受と超電導軸受が互いに回転軸に対して反発力を発生させることとなり、回転軸の復元力が効果的に発生し、回転軸の振れ回りを確実に抑制することができる。
本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置を示した概略断面図である。 本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置のラジアル方向及びスラスト方向の軸受けを説明する概略断面図である。 本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置のピン止め効果を説明した概略断面図である。 本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置の構成を示した概略断面図である。 本発明に係る制振制御機構の変位センサー、制御手段及び駆動手段の関係を示した図である。 本発明に係る制振制御機構を利用した超電導磁気軸受の回転軸の振れ回りが発生した際の制御方法を説明した図である。 本発明に係る制振制御機構に関する試験例の構成を示した概略図である。 本発明に係る制振制御機構に関する試験例の制振制御法を示した概略図である。 本発明に係る制振制御機構に関する試験例の浮上体及び超電導体の動きを示したグラフである。 本発明に係る制振制御機構に関する試験例の試験結果を示したグラフである。 従来の磁気軸受に発生する振れ回りを説明する図である。
本発明は、電力貯蔵用超電導フライホイール等の超電導磁気軸受装置やリニアモータ等の磁気浮上装置に使用することができる超電導磁気軸受・磁気浮上装置における制振制御機構である。
以下に、本発明に係る制御機構を利用した超電導磁気軸受装置を詳述する。
以下、超電導磁気軸受装置について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施例に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置の構造の概略を示す断面図であり、図2は本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置のラジアル方向及びスラスト方向の軸受けの内容を説明する概略断面図であり、図3は本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置に超電導体を使用した場合のピン止め効果を説明した概略断面図であり、図4は本発明に係る制振制御機構を利用する超電導磁気軸受装置の構成を示した概略断面図であり、図5は本発明に係る制振制御機構の変位センサー、制御手段及び駆動手段の制御の関係を示した図であり、図6は回転軸の振れ回りが発生した際に本発明に係る制振制御機構の制御方法の概略を説明した図であり、図7は本発明に係る制振制御機構の超電導磁気浮上に関する試験例の制振機構の構成を示した概略図であり、図8は本発明に係る制振制御機構の超電導磁気浮上に関する試験例の制振制御方法を説明した概略図であり、図9は本発明に係る制振制御機構の超電導磁気浮上に関する試験例の浮上体及び超電導体の動きを示したグラフであり、図10は本発明に係る制振制御機構に関する試験例の試験結果を示したグラフである。
図1に示す磁気軸受(1)は、回転軸(2)をラジアル方向(R)に支持するラジアル磁気軸受手段及び回転軸(2)をスラスト方向(S)に支持するスラスト磁気軸受手段により構成されている。ラジアル磁気軸受手段は、回転軸(2)の上端部をラジアル方向(R)に支持する永久磁石磁気軸受(3)と、回転軸(2)をラジアル方向(R)に支持する位置決め用超電導磁気軸受(4)とで構成されている。スラスト磁気軸受手段は、回転軸(2)の下端部をスラスト方向(S)に支持する浮上用の永久磁石磁気軸受(5)により構成されている。これら磁気軸受手段によりラジアル方向(R)及びスラスト方向(S)に対する回転軸(2)の安定化を図っている。図1は、磁気軸受装置の断面図であることから、ラジアル磁気軸受手段は四角く図示されているが、実際のラジアル磁気軸受手段は、回転軸を囲繞するようにリング状に形成されている。
回転軸(2)は、図2に示されるように地面(G)に対して垂直に配置されている。回転軸(2)方向の下端側に取付けられた浮上用の永久磁石磁気軸受(5)は、回転軸(2)の下端部に設けられた永久磁石(6a)と、回転軸(2)の下端と軸方向に対して対向して地面(G)上に配される永久磁石(6a)とで構成され、その反発力により回転軸(2)はスラスト方向に浮上する。回転軸(2)方向の上端側に取付けられた位置決め用永久磁石磁気軸受(3)は、回転軸の上端部に設けられた永久磁石(6b)と、回転軸(2)の上端とラジアル方向に対向して配される永久磁石(6b)とで構成されている。
超電導磁気軸受(4)は、図3に示されるように、回転軸(2)の中間部に設けられている永久磁石(6c)と、これに対向して設けられた超電導体(7)によって構成されている。超電導体(7)は、そのマイナス効果及びピン止め効果により、回転軸(2)をラジアル方向及びスラスト方向に安定させて浮上させることができる。
超電導磁気軸受(4)の回転軸(2)は、平衡状態である中心軸(2)からずれると磁力線がピン止めされているため、復元力で元の中心軸に戻ろうとする。しかし、この受動的な復元力の制御のみでは、振れ回りが発生した際に、回転軸(2)が軸受部分に接触するいわゆるタッチダウンが発生したり、振れ回りにより振動が長く続いて回転損失が発生したりする。従って、本発明は、ラジアル磁気軸受手段を能動制御して、回転軸(2)の振れ回りを能動的に制御し、振動を速やかに抑制するものである。
本発明に係る制振制御機構を応用可能な磁気軸受装置は、図4に示されるように、回転軸(2)のラジアル方向への振れ回り(変位)を検出するための変位センサー(8)と、回転軸(2)の振れ回りを抑制するラジアル磁気軸受手段とを備えている。
変位センサー(8)は、回転軸(2)の変位を検出し、回転軸(2)との距離に比例した変位信号を、後述する制御手段に出力する。
変位センサー(8)の設置位置は、ラジアル磁気軸受手段の近傍であって、回転軸(2)の外周外側に位置するように配置することができるが、回転軸(2)がフライホイールを備える場合、変位センサー(8)は、フライホイールの外周の上面及び下面に対向するように配置しても良い(図示せず)。これにより変位センサー(8)は、フライホイールの変位を検出することができる。
ラジアル磁気軸受手段は、位置決め用の永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)と、位置決め用の磁気軸受(3)(4)をラジアル方向に駆動させる駆動手段(9)と、変位センサー(8)からの回転軸(2)の変位信号に基づいて駆動手段(9)を駆動させる制御手段(10)(図5参照)を備えている。
駆動手段(9)は、永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)をラジアル方向に駆動させるものであり、一次元的に(一方向に)駆動させるものでも良いが、複数個の駆動手段を用いて回転軸(2)に対してラジアル方向の垂直面上に永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)を駆動させることが好ましい。これにより、回転軸(2)の振れ回りを効果的に抑制することができる。
本発明に係る回転軸(2)の制御方法は、回転軸(2)の振れ回りに対して、永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)の反発力を利用して回転軸(2)の復元力を発生させ、回転軸(2)が中心軸に戻るように永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)を駆動手段(9)により駆動させることである。
制御手段(10)は、図5に示されるように、ノイズカットフィルター(11)と、PID調節器(12)を備える。ノイズカットフィルター(11)は、変位センサー(8)から出力された変位信号から回転軸(2)の変位信号以外の信号をカットするものである。PD調節器(12)は、変位センサー(8)により検出された回転軸(2)の変位信号を変位量に演算し、回転軸(2)の変位量が0となるように永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)を駆動させるための制御値を演算し、更に、永久磁石磁気軸受(3)と超伝導磁気軸受(4)各々の制御値を算出してそれぞれの駆動手段(9)に出力する。これにより、駆動手段(9)は、回転軸(2)の変位量が0となるように永久磁石磁気軸受(3)及び超伝導磁気軸受(4)を駆動させる。従って、回転軸(2)は、磁気軸受との反発力により復元力が発生し、中心軸に戻り、高速回転が維持される。
図6は、回転軸(2)に振れ回りが発生した際の制御方法を示した概念図であり、回転軸(2)の中心軸(A)を破線で示している。図面の説明の便宜上、図面に対して右側を右方向と、左側を左方向とする。
回転軸(2)が右に傾いた場合、変位センサー(8)が回転軸の変位を検出し、制御手段(10)に変位信号を出力する。制御手段(10)は、変位信号に基づいて制御値を算出し、駆動手段(9)に出力して、制御を行う。駆動手段(9)は、ラジアル方向の永久磁石磁気軸受(3)を左方向に駆動させるとともに超電導磁気軸受(4)を右方向に駆動させる。これにより、回転軸(2)と、永久磁石磁気軸受(3)及び超電導磁気軸受(4)の間に反発力が発生し、回転軸(2)に、中心軸(A)への復元力が発生する。
永久磁石磁気軸受(3)と超電導磁気軸受(4)は、図6に示されるように、ラジアル方向において互いに逆方向となるように、駆動制御されることが好ましい。特に中心軸(2)が長くなればなるほど、中心軸(2)の上端部を位置決めする永久磁石磁気軸受(3)と下端側を位置決めする超電導磁気軸受(4)とがラジアル方向に対して逆方向に駆動することにより、回転軸(2)を中心軸方向に効果的に復元し、振れ回りを防止することができる。
超電導磁気軸受(4)は、超電導体(7)と対向して設けられている回転軸(2)の永久磁石(6c)の代わりに、超電導バルク体を用いることもできる。これにより、超伝導磁気軸受(4)は、その磁束のピン止め効果がさらに高まり、回転軸(2)の振れ回りをさらに抑制することができる。
(試験例)
図7は、超電導磁気浮上装置の振動を防止するための試験装置を示している。
永久磁石(浮上体)(13)には、直径25mm、厚み10mmのネオジム磁石を用いた。超電導体は、直径50mm、厚み10mmのものを使用している。試験例では、工業分野で使用されることが多く、比較的安定した浮上が得られる第二種超電導体(14)を使用している。第二種超電導体(14)は、液体窒素(15)で冷却し、スライダ(16)に固定されている。スライダ(16)は、モータ(17)により一軸で制御され、浮上体(13)とスライダの変位量は、変位センサー(18)により変位量(mm)が測定される。
浮上体(13)を第二種超電導体(14)上で浮上させ、自由振動を与える。次いで、浮上体(13)の振動を変位センサー(18)で検出し、スライダ(16)を浮上体(13)と逆の方向に制御する。モータ(17)の制御には、デジタルコントローラを用いている(図5参照)。
図8は、振動が発生した浮上体(13)の制御方法を示した図であり、図を参照しながら説明すると、自由振動を与えられた浮上体(13)が右方向に動いた場合(a)、第二種超電導体(14)を浮上体(13)とは逆の方向である左方向に動かす(b)。すると、浮上体(13)の中心軸への復元力が発生し(c)、元の位置に戻ろうとする(d)。次に、浮上体(13)が左方向に振れた場合(e)、第二種超電導体(14)を浮上体(13)とは逆方向である右方向に動かす(f)。すると、浮上体(13)の中心軸への復元力が発生(g)し、元の位置に戻ろうとする。これを繰り返すことにより浮上体(13)は元の位置に戻る(h)。
図9は、第二種超電導体(14)を動かして制御した場合の浮上体(13)の動き及びスライダ(16)に固定した第二種超伝導体(14)の動きを示したグラフである。浮上体(13)の動きを示すグラフの横軸は、経過時間(秒)を、縦軸は振幅(mm)を表し、スライダ(16)の動きを示すグラフの横軸は、経過時間(秒)を、縦軸は変位量(mm)を表している。
グラフの破線は、浮上体(13)とスライダ(16)の同一時間における動きを表している。浮上体(13)の動きとスライダ(16)の動きを比較すると、浮上体(13)と第二種超電導体(14)を保持しているスライダ(16)が逆方向に動いていることが確認される。
図10は第二種超電導体(14)を用いて振動制御を行った場合の浮上体(13)の動きと(C)、振動制御を行わなかった場合の浮上体(13)の動き(N)をグラフで比較したものである。浮上体(13)の動きを示すグラフの横軸は経過時間(秒)を、縦軸は振幅(mm)を表している。
振動制御を行った場合と振動制御を行わない場合における、浮上体の振動の振れ幅を比較すると、図10に示されるように、振動制御を行った場合(C)は、浮上体(13)の振動を速やかに抑制することが示された。
超電導磁気浮上装置は、外力により発生した振動が超電導体のピン止め効果よりも大きい場合、超電導体上で浮上体の振動が長く続いて非接触搬送等に大きな問題となる。
また、超電導磁気軸受の場合も、振れ回りが超電導体のピン止め効果よりも大きい場合は、回転軸が軸受部分に接触するいわゆるタッチダウン等の問題が発生する。
本試験例で示した制振効果は、大きな振動を速やかに抑制する効果が認められ、上記問題を解決し得るものである。
本発明に係る超電導磁気軸受・磁気浮上装置における制振制御機構は、フライホイール蓄電機等の大型超電導磁気軸受装置や、非接触搬送装置等の超電導浮上装置に好適に利用することができる。
1・・・・磁気軸受
2・・・・回転軸
3・・・・永久磁石磁気軸受
4・・・・超電導磁気軸受
5・・・・浮上用の永久磁石磁気軸受
6・・・・永久磁石
7・・・・超電導体
8・・・・変位センサー
9・・・・駆動手段
10・・・制御手段
11・・・ノイズカットフィルター
12・・・PID調節器
13・・・浮上体
14・・・第二種超電導体
15・・・液体窒素
16・・・スライダ
17・・・モータ
18・・・変位センサー

Claims (5)

  1. 超電導体により非接触支持される浮上体及び/又は回転体からなる被支持体の振れ回り及び振動を抑制する制振制御機構であって、
    前記被支持体の変位を検知する変位センサーと、
    前記超電導体を駆動させる駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを有し、
    前記変位センサーは、検知した前記被支持体の変位量に基づく変位信号を前記制御手段に伝達し、
    前記制御手段は、前記変位信号に基づいて前記駆動装置の駆動を制御することにより、前記被支持体の振れ回り及び振動を抑制することを特徴とする制振制御機構。
  2. 前記制御手段がノイズカットフィルターとPID調節器を有することを特徴とする請求項1記載の制振制御機構。
  3. 前記回転体が超電導磁気軸受装置の回転体であることを特徴とする請求項1又は2記載の制振制御機構。
  4. 前記浮上体が超電導磁気浮上装置の浮上体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振制御機構。
  5. 前記超電導磁気軸受装置が前記超電導体を備える超電導磁気軸受と、永久磁石磁気軸受とを備え、
    前記超電導磁気軸受及び前記永久磁石磁気軸受が前記回転軸を囲繞するようにリング状に形成され、
    前記永久磁石磁気軸受は前記回転軸の上端部をラジアル方向に支持し、
    前記超電導磁気軸受は前記回転軸の中間部をラジアル方向に支持し、
    前記駆動手段は、前記超電導磁気軸受と前記永久磁石磁気軸受を互いに逆方向のラジアル方向に駆動することを特徴とする請求項3に記載の制振制御機構。
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