JP2011185947A - 5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンを使用する、細胞および組織サンプルにおける前がん症状を検出するための組成物および方法 - Google Patents

5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンを使用する、細胞および組織サンプルにおける前がん症状を検出するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 哺乳動物の細胞および組織サンプルにおける前がん状態を検出する方法、TCPPを可溶化する新規な、そしてより有効な方法、ならびにこの方法によって可溶化されたTCPPを含んでなる組成物の提供。
【解決手段】 サンプルを可溶化された5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)とともにインキュベートし、サンプルにおけるTCPP蛍光を測定し、そして細胞のそれぞれの状態と相関するTCPP蛍光に基づいて、サンプルを非がん性、前がん性もしくはがん性と分類。
【選択図】 なし

Description

関連出願
本出願は、「5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンを使用するヒト組織サンプルにおける前がん症状を検出する方法」と題して2000年11月17日提出の係属中の暫定特許出願第60/249,505号の優先権を請求するものであり、これのすべては本明細書に引用によって組み入れられている。
発明の分野
本発明は、両イン・ビトロおよびイン・サイチューの種々の組織サンプル由来の、異形成、前がんおよびがん細胞を検出するためのある種のポルフィリンの使用に関する。
発明の背景
種々の科学的および学問的論文は、明細書をとおして挿入語句において言及されている。これらの論文は、本発明が属する技術の状態を記述するために引用によって本明細書に組み入れられている。
疾病の進行を検査し、そしてがんを含む異常について組織サンプルを分析する病理学者は、細胞の異常な形成もしくは成熟を指す異形成と呼ばれる細胞の状態が、前がん症状における細胞を潜在的に同定できることを決定した。チェックされなかった異形成は、軽度、中等度および重度の段階をとおって、最後にはがんにまで進行することがある。異形成の7つの中等の症例について約1症例ががんにまで進行し、そして重度の異形成をもつ症例の83%が、伴われる細胞のタイプに応じてがんに進行すると報告されている。しかしながら、弱および中等度の異形成の除去は、一般にがんの発生を低下させる。肺においては、異形成細胞の除去はがん細胞の形成を一般に低下させるだけでなく、若干の症例では、肺組織は正常な形態に復帰できる。
一般に、より早くがんが検出されるほど、予後は患者の生存についてより良好である。乳がんが、まだ1個の塊に局在している早期に検出されれば、5年後の生存率は96%以上である。それが離れた場所に拡散した場合、5年後の生存率は20%未満である。肺がんでは、それが1個の塊として検出される場合、5年後の生存率は46%以上である。それが拡散した場合、5年後の生存率は14%未満である。頸がんでは、前がん変化が発見され、そしてより重い段階に進展する前に治療された場合に、生存におけるさらなる改善が生じる(非特許文献1および非特許文献2)。
肺がん腫は、現在、米国における男女の中でがんによる死亡率の第1の原因である(非特許文献3)。1997年には、肺がんによると評価された死亡者は160,000人であり、このことは、米国の男性における全がん死亡の12%、そして米国の女性では2%と計算される(非特許文献1)。また、肺がんは、5年後の生存率わずか14%に反映されているように、もっとも致死性のがんタイプの1つである。他のタイプのヒトのがんに比較して、肺がん患者に関する不幸な予後は、多くは有効な早期の検出方法の欠如による。臨床的な(症候の)提示の時点で、全患者の3分の2以上が、1領域の小結節の併発または遠方への転移を有し、この両方は通常は治癒不能である。しかしながら、局在性(病期0もしくは1)肺がんをもつ患者の研究では、5年後の生存率は40%から70%の範囲であった(非特許文献1;非特許文献2)。
歴史的には、症候が生じる前に肺がんを検出するために使用される唯一の診断試験は、喀痰細胞法および胸部放射線写真法であった。その結果、大量のスクリーニングの道具としてのこれらの有効性は、過去数十年にわたる研究において広く評価されてきた。両試験は、前兆の、早期のがん腫、特に扁平上皮細胞のがん腫を検出する。
スクリーニング法の改良は、多くは、検鏡における技術的進歩をとおして喀痰細胞法の利用を改良することに集中した。喀痰細胞法は細胞サンプルの肉眼的検査を必要とし、そこでは、細胞の大きさ、形状、組織および細胞の核と細胞質のサイズ間の比が、細胞の形態を決定するために使用される。細胞形態のこの調査は肉眼的点検と分類を必要とするので、その技術は臨床観察者の代わりにかなりの専門知識量を要する。種々の研究が実施されて、コンピュータに助けられる高分解能画像解析が、数種の組織タイプに関する肉眼的に正常な核における肉眼では見られない変化の検出を可能にすることを示唆する結果を得た(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)。細胞サンプルにおけるDNA分布のコンピュータ補助の解析は、標準の細胞学的試験と比較した場合、材料のヒトによる検査もなく、そして肉眼的に異常な核の存在を必要とせずに、核の74%の正確な形態学的分類を与えた。
また、細胞標本の形態学的調査は、肺腫瘍病理学の知識における進歩により改善した。この仕事の多くは、「バイオマーカー(biomarker)」の同定に集中した。バイオマーカーは、悪性腫瘍に完全に転換する気管支上皮についての潜在力を決定するのに使用できる呼吸粘膜の広範な進行性の表現型および遺伝子の異常を指す。マーカーは、形態学的変化、別々に発現したタンパク質についての免疫/組織化学的マーカー、遺伝的不安定性についてのマーカー、後成的発現変化のマーカー(例えば、異常なメチル化)および遺伝子突然変異として広く分類された(非特許文献7)。
これらのマーカーの発現レベルは、今日、高い危険集団から収集された異形成および新形成の細胞/組織学的組織サンプルにおいて評価されつつある。それらの中でも、調査的マーカー解析のために近年標的とされている標本は喀痰である。バイオマーカー研究のための喀痰サンプルに関する関心は、肺がんがもっともしばしば気管支上皮において発生するので、喀痰中に回収される剥脱細胞が初期がん腫のもっとも早期の可能な指標であるという長い間の信念から生れていた。高度に洗練された分子遺伝子工学の応用(例えば、PCRに基づくアッセイ)をとおしての研究は、選ばれたバイオマーカーが喀痰中に検出できる証拠を提供しつつある(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12)。
商業的に利用できるがんスクリーニングまたは検出業務は、各サンプルを観察し、そして異常細胞タイプの程度および同定を決定する訓練された臨床医による細胞形態学的診断に基づく試験によっている。この方法は、高価な、そして時間を費やすのみならず、また、それはヒトの判断と、したがって操作への過誤を導入する。近年、5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)の使用による肺のがん細胞を検出するための方法が開発された(特許文献1)。この方法は、非がん細胞より多量にそれらの環境からTCPPを蓄積するがん細胞の性質に頼る。TCPP200μg/mlとともに6−24時間細胞サンプルをインキュベートすることにより、TCPPが細胞に侵入し、そして新形成細胞の核周辺膜およびミトコンドリアに結合する。それによって、紫外線下でのTCPP蛍光が、形態に関係なく蛍光の強度によってのみ診断できる。前がん組織症状(例えば、異形成細胞)を同定するためのこの化合物の使用の拡大は、高い危険集団において、組織が浸潤性がん症状へと進行しつつあるそれらの個々を同定するためのスクリーニングを可能にし、それによってもっとも治療可能な病期におけるがんもしくは異形成を捕らえることを容易にする。そのようなスクリーニング方法の望ましい特性
は、急速、安価であり、そして最小の専門技術だけを必要とする操作である。
前記理由から、異形成細胞をそれらのもっとも早期において検出するための技術および方法に対するニーズがある。さらに、高度に信頼できる診断結果を提供でき、そして診断を行う臨床医の主観的な解析に頼らない技術に対するニーズが存在する。
Coleら、米国特許第5,162,231号
Boring and Squires 1993,CA Cancer J Clin 43:7−26 Ferguson 1990,Hematol Oncol Clin N Am 4:1053−1168 Wingo et al.1995,CA Clinical J Clin 45:8−30 Montag et al.1991,Anal Quant Cytol Histol 13:159−167 Haroske et al.1988,Arch Geschwulstforsch,58:159−068 Huntchinson et al.1992,Anal Quant Cytol Estol 4:330−334 Hirsh et al.1997,Lung Cancer 17:163−174 Mao et al.1994,Cancer Res 54:1634−1637 Mao et al.1994,Proc Natl Acad Sci USA 91:9871−9875 Sidransky 1995,J Natl Cancer Inst 87:1201−1202 Tockman et al.1988,J Clin Oncol,11:1685−1693 Tockman et al.1994,Chest,106:385s−390s
発明の概要
本発明は、TCPPを可溶化する新規な、そしてより有効な方法、改良された染色操作、および種々の細胞分類戦略と同時に、TCPPが異形成および前がん、ならびにがん細胞を検出するために使用できるという発見に由来する。TCPPは、生きている、または固定された前がんならびにがん細胞の成分に、それらが由来した細胞および組織の状態を疾病進行の連続体において分類できる方式で、結合することがここに発見された蛍光化合物である。前がん組織の検出のこの方法は、組織もしくは細胞サンプルのイン・ビトロ診断ならびにイン・サイチュー診断に好適である。
本発明の1つの態様は、前がん細胞を検出する方法であって、そのもっとも単純な形態では、生存もしくは固定(すなわち、死滅)細胞を、細胞成分に結合するのに十分な時間TCPP溶液中でインキュベートし、そして結合したTCPPを蛍光測定法により検出することを含む方法である。この方法は多くの変法を有する。1つの変法では、細胞は、表
面、好ましくは顕微鏡スライド上に、そしてもっとも好ましくはモノレアーにおいて固定される。その他の変法では、細胞は、ホルマリンまたはその他の適当な固定液で処理され、懸濁液中に維持され、TCPPとともに処理され、細胞は未結合のTCPPから分離され、次いで解析され、そしてフローサイトメトリーによって選別される。
インキュベーション段階の好適な実施態様は、TCPP約4μg/ml〜400μg/mlを含有するTCPP溶液、温度約23℃〜約42℃、および時間約0.2分〜2時間を用いることを含む。未結合TCPPが除去され、そして残っているTCPPが蛍光測定法により検出される。好適な実施態様では、TCPPは、アッセイが実施された後約1〜24時間に検出される。
本発明のその他の実施態様では、細胞サンプル中の蛍光細胞のパーセントが算出される。好適な実施態様は、蛍光強度および他の細胞形態学的特徴についての蛍光細胞の解析を含む。特に好適な実施態様では、蛍光細胞は、予定された蛍光強度および細胞形態学的特徴のセットにしたがって分類され、これが、正常から化生ないし異形成(軽度〜重度)ないしがん腫(軽度〜重度)までの連続範囲に沿った細胞の特徴付けを可能にし、そして本発明の方法を用いて作成した診断および予後の有効性および信頼性を増大する。本発明の他の実施態様は、蛍光強度の基準を用いて(例えば、蛍光フローサイトメトリーを介して)、サンプル中の正常もしくは化生細胞を異形成もしくはがん腫細胞から分別することを含む。
前記検出方法の実行を容易にするために、本発明のその他の態様は、約pH8.5を超え約pH12.5未満のpHにおいて約50%〜約90%のアルコール中にTCPPを溶解することを含む、TCPP溶液の作成方法を提供する。1つの好適な実施態様では、アルコールはイソプロパノールであり、そしてその他の実施態様では、溶液のpHは重炭酸ナトリウムもしくは水酸化アンモニウムにより調整される。
本発明のその他の態様は、約pH8.5を超え約pH12未満のpHにおいて約50%〜約90%のアルコール中にTCPPを含有する組成物である。1つの好適な実施態様では、アルコールはイソプロパノールであり、そしてその他の実施態様では、溶液のpHは重炭酸ナトリウムもしくは水酸化アンモニウムにより調整される。1つの実施態様では、組成物はTCPP溶液を作成する方法によって作成される。関連する実施態様では、検出方法において使用されるTCPP溶液は希釈される。
本発明のその他の態様では、細胞は哺乳動物患者内にイン・サイチューに存在する。細胞はTCPP溶液にさらされ、そして蛍光が内視鏡技術を用いて検出される。
本発明のその他の態様は、容器中に本発明の組成物を含有する前がん細胞を検出するためのキットである。その他の実施態様では、キットは1種以上のさらなる構成要素、例えば、本発明の検出方法を実施するための指図書および試薬、またはポジティブおよびネガティブ対照を含有する。
本発明の他の特徴および長所は、以下に示す図面、詳細な記述および実施例を参照して、より良く理解することができる。
発明の詳細な記述
本発明は、5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン(TCPP)を用いるヒト細胞における前がん症状を検出するための組成物および方法を含む。本発明は、TCPPが、がん細胞に加えて前がん性異常細胞に特異的に結合するが、正常(非がん性)細胞には結合しないという発見に由来する。さらに、この異なる結合は、
固定された細胞ならびに生存細胞において観察される。TCPPのこの新しい、そして有用な性質に加えて、さらに本発明は、その活性をより大きい程度に保持するTCPPを可溶化する改良法、ならびにこの方法をスクリーニングおよび自動化に良好に適合させるいくつかの新規な態様を組み入れている。本発明の方法を使用すれば、米国特許第5,162,231号に記述されている方法と比較した場合、細胞がTCPPを結合するために、より少ない時間(例えば、24時間に対して0.2分−2時間)ですみ、そしてまたより低い濃度のTCPP(例えば、200μg/mlに対して40μg/ml)ですむ。さらに、細胞の溶液がまた使用されてもよいが、細胞のモノレアーが細胞の溶液よりもむしろ使用できる。
検出方法の便宜性および効率に対するキーは、TCPPを可溶化する新規な方法である。従来の方法は、ポルフィリンを溶解するために1MNaOHを使用した。この方法は、不正確である1MHClによる滴定を必要とし、そして各溶液が未溶解のTCPPについてチェックされることが必要であった。さらに、NaOH法は、pH13.0のような高いpHによる酸化的環境下にポルフィリンを置くので、ポルフィリンは分解という高い危険にさらされる。本発明の可溶化法は、より完全な、そして信頼できる可溶化を実施するために、新規な90%アルコールの添加と同時にpH9.1を使用する。最後に、本発明の方法は、最終の実行TCPP溶液のpHを好適な範囲5.8〜6.8において安定化するためにバッファーを使用する。
本発明は、健全な細胞よりも多量にTCPPを結合するこれらの細胞の独特な性質を用いるヒト組織のサンプルにおける前がんおよびがん細胞の検出を伴う。本明細書で使用されるように、用語「前がん性」もしくは「異常な前がん性」は、軽度ないし重度の異形成を表す細胞を指し、そして用語「がん性」は、軽度ないし重度のがん腫を表す細胞を指す。これらの細胞学的状態は、Papanicalou染色(「PAP染色」)細胞学を用いて細胞の形態を決定するために使用される基準によって、本明細書では形態学的に定義される。また、それらは、特定の細胞もしくは組織について技術的に通常使用される他の指標によって定義されてもよい(例えば、肺もしくは喀痰サンプルにおける肺の炎症の指標)。「正常」から「重度にがん腫」までの細胞の状態は、ここでは、(1)正常(有意な異常なし)、(2)化生(扁平上皮化生)、(3)軽度異形成(扁平上皮の非定型性)、(4)中等度異形成(扁平上皮の非定型性)、(5)重度異形成(顕著な扁平上皮の非定型性)、(6)扁平上皮内がん(CIS、非浸潤性)(また、軽度〜中等度がん腫とも呼ばれる)、および(7)扁平上皮がん(十分に分化し角質化しているタイプ−浸潤性)(また、中等度〜重度のがん腫とも呼ばれる)として分類される。TCPPへの暴露後、異形成およびがん腫細胞はTCPP蛍光を示すが、一方正常細胞はTCPP蛍光をほとんどまたは全く示さないことが、本発明によって決定された。若干の化生細胞が低いか中くらいのTCPP蛍光を示すこともあるが、多くの例では、それらは蛍光を示さない;それ故、TCPP蛍光は、それが異形成およびがん腫についての指標と同様な化生についての信頼しうる指標ではない。
本方法は、(1)異常な前がんもしくはがん細胞がサンプル中に存在していれば、いずれかそれらの細胞成分にTCPPを結合させるのに十分な時間、固定もしくは生存細胞のサンプルをTCPPとともにインキュベートし、(2)組み入れられなかったTCPPを除去し、(3)もしいずれか存在すれば、サンプル中に残っているTCPP量を蛍光測定法によって定量し;そして場合によっては段階(3)の結果に応じて、(4)正常(または異常化生であるが異形成ではない)状態からがんに向かって逸脱しているそれらの状態について,TCPP蛍光細胞を評価することを含む。具体的には、上記のように、本発明の方法は、細胞サンプルが、異形成(軽度〜重度)またはがん腫(軽度〜重度)である細胞を含有しているという決定を可能にする。
1つの例では、実施態様を限定するものではないが、検出方法は、次の段階:
1.顕微鏡スライド上にモノレアーにおいて細胞を固定し;
2.下記のように、約pH6.1におけるバッファー溶液中約40μg/mlにおけるTCPP溶液に(例えば、溶液中にスライドを浸漬するか、またはスライド上に溶液の滴を置くことによって)、約36℃で一定時間、細胞をさらし;
3.約pH6.1のバッファー溶液によってスライドを洗浄し;
4.少なくとも1時間、しかし24時間未満待機し;そして
5.約380−450nmの光線で励起した場合約610−740nmにおいて細胞からの蛍光を定量すること;
を含む。
この代表的方法の変法が以下により詳細に記述される。
本発明のアッセイ混合液の成分または他のパラメーターを記述する際に本明細書で使用される場合、用語「約」は、標準方法を用いて実施される決定について普通に許容できる誤差の限界内を意味する。
細胞を固定液とともにインキュベートする第1段階は、この代表的実施態様および他の実施態様において、インキュベーションに要する時間、ならびに実行溶液中のTCPP濃度を低下させることが見い出されたので、最適であるが好適である。
以下の節では本発明の種々の他の実施態様が記述される。
本発明の方法は、下記のような種々の細胞タイプにおいて使用でき、そしてさらに家畜ならびにヒトの診断および予後の適用に応用可能である。したがって、本明細書で使用される用語「患者」もしくは「被験者」は、ヒトまたは動物に適用することを意図する。
本検出方法は、イン・ビトロにおいて細胞サンプル中の前がんおよびがん細胞を検出するために使用できる。細胞サンプルは、細胞病理学の分野において現在使用されるいずれかの方法によって獲得できる。例えば、細胞は、喀痰サンプル(実施例1参照)、頸部スワブ、気管支洗液、甲状腺および乳腺の微細針吸引およびコアの生検、膀胱洗液、尿、口腔洗液、浣腸液、および当該技術分野において既知の他の生検から収集されてもよい。細胞サンプルの他の起源は、いくつか名をあげれば、血液もしくはその画分、リンパ液、脳脊髄液、骨および骨髄を含む。本発明の方法は、体内のいかなる組織もしくは器官からのいかなる細胞サンプルにも応用することができる。
場合によっては、細胞は、限定されるものではないが、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノールもしくはイソプロパノールを含有する溶液を含む、TCPPにさらされる前に、標準の操作によって固定されてもよい。1つの実施態様では、細胞は95%エタノール中で固定される。
アッセイは、細胞濃度当たりの総蛍光を測定することによって溶液において、または表面上に細胞を付着することによって実施されてもよい。細胞は固定液で処理されなくてもよいが、固定細胞は、ある実施態様、特に、細胞が固形支持体に付着される実施態様において好適である。1つの実施態様では、細胞はスライドにモノレアーとして付着される。他の実施態様では、液体に基づくスライド調製システムMonoPrep2もしくはMonoPrepG(MonoGen,Inc.,Herndon,Va.)またはThinprep Processor(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)が使用される。
また、本発明の方法は、イン・サイチューにおいて前がんおよびがん細胞を検出するため、ならびにそれぞれの手術を補助するために使用されてもよい。例えば、本方法は、適当な媒質におけるTCPPの注射と、それに続く蛍光気管支鏡によってイン・サイチューで肺における異形成細胞を検出するために使用されてもよい。また、類似の方法が、手術中の切除のために異常細胞を検出するために使用されてもよい。イン・サイチューの適用は、類似の内視鏡具の使用によって、限定されるものではないが、乳腺、前立腺、肺、頸管、咽喉、膀胱、口腔咽頭、皮膚および胃腸管を含む、体のいづれかの器官について見いだされる。この実施態様における使用のために好適なTCPP量は、投与方式および送達部位によって決定される。例えば、TCPPが血流中に注射される場合は、TCPPの有効濃度は、生理食塩水もしくは血液中のその最高溶解度(例えば、約100μg/ml)に依存する。罹患組織中への直接注射では、TCPPの有効濃度は、標的組織およびその組織への注射の接近具合(例えば、約1−20mg)に依存する。肺では、例えば、濃度20−50μg/mlにおいて5−10mlのエアゾル送達が適当であろう。診断薬剤として投与されるためのそのようなTCPP量の決定方法は、薬化学者および関連分野における他の技術者には周知である。
実行溶液におけるTCPP濃度および細胞がTCPP溶液にさらされる時間は、整合様式で変えられてもよい2つの変数である。TCPP濃度は、好ましくは、4−100μg/ml、より好ましくは4−40μg/ml、そしてもっとも好ましくは20−40μg/mlである。暴露時間は、1つの実施態様では約0.2分〜約2時間、そしてより好適な実施態様では10〜60分まで変えられる。低濃度のTCPP溶液が使用される場合は、より長い暴露時間が適当であり、そして高濃度のTCPPが使用される場合は、より短い時間が適当である。例えば、好適な実施態様では、スライドは、TCPP40μg/ml中で10分間、さもなくばTCPP4μg/ml中で60分間さらされる。実行溶液におけるTCPPの濃度および暴露時間を最適化する方法は、細胞学の熟達者には周知であり、その目的は、バックグラウンドおよび他の非特異的な吸収および蛍光を最小化しつつ、細胞成分へのTCPPの最高の特異的結合を達成することである。
TCPP溶液は約36℃においてバッファー水性媒質中にTCPPを含んでなる。1つの実施態様では、緩衝能は100mMMESによるが;しかし、20〜200mMの濃度範囲は同等の効力をもってこの方法で使用することができる。1つの実施態様では、溶液はpH約6.1を有するが;pH範囲5.8〜6.7は十分な効力をもって使用できる。また、範囲5.8〜6.7において効果のある他の緩衝化合物が使用されてもよい。暴露段階が特に温度に敏感ではなければ、やや室温以上の温度が最適化のために望ましい。暴露段階の適当な温度範囲は、好適な実施態様では約23℃〜約42℃、そしてより好適な実施態様では約30℃〜約40℃である。
他の化合物が、バックグラウンドの蛍光を減少させ、安定性を増大させ、または自己蛍光もしくは消光を減少させるために実行溶液に添加されてもよい。例えば、洗剤はバックグラウンドの蛍光を低下させるために使用でき、そして還元剤、抗酸化剤、および他の活性酸素種の発生もしくは拡散のインヒビターが、TCPPの酸化を防止するか、または光脱色を低下させるために使用されてもよい。興味ある化合物は、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、トリトン、ジチオトレイトール、ジチオエリトリトール、2−メルカプトエタノール、またはMolecular Probes,Inc.(Eugene,OR,P−7481,S−2828,S−7461)によって供給される「Antifade kits」を含む。さらに、ヘマトキシリンがTCPPとともに含有されてもよく、対比染色として作用し、そして白色光検鏡を容易にする。
洗浄溶液は、一般に、TCPP実行溶液のために使用される水溶液に類似しているがTCPPを含有しない。顕微鏡スライドが使用される場合、スライドは、少なくとも1回、
もっとも好ましくは3回、そして好ましくは過剰の洗浄溶液において撹拌しながら洗浄する必要がある。アッセイが溶液において実施される場合、未結合TCPPは、細胞を遠心分離し、上澄液をデカントし、そして新鮮なバッファー中に細胞を再懸濁することによって除去される。この段階は必要ならば反復されてもよい。また、染色溶液から細胞を分離する別の手段が使用されてもよい、例えば、膜における細胞の捕捉による濾過または急速透析(スピン透析を含む)。適当な洗浄条件は、細胞の蛍光をモニターすることによって決定できる。洗浄は、バックグラウンドと他の非特異的結合を除去するのに十分でなければならないが、特異的に結合したTCPPを細胞成分から除去するほど過剰であってはならない。洗浄段階の最適化は細胞学の習熟者には周知である。効力または安定性を改良するために洗浄溶液に添加されてもよい組成物は、限定されるものではないが、アルコール、洗剤もしくは低モル濃度の塩溶液を含む。
検出方法における重要な段階は、スライドがTCPP実行溶液にさらされた時からスライドが解読される時まで、1時間以上であるが24時間未満放置することである。スライドが24時間より後に解読される場合、正確な結果を得るためにはTCPPにおける劣化があまりに多すぎる。細胞が1時間より前に読まれる場合、バックグラウンドの蛍光レベルは極端に高くなるかもしれない。
検出段階で使用される波長は、特異的なピーク範囲がもっとも効果的である広い範囲によって包含される。pH5.0−7.0の水溶液におけるTCPPの励起のピークは約415nmにおいて生じるが、一方、発光の1つのピークは約645nmにおいて起き、そして第2の発光のピークは約706nmにおいて起きる。一般に、TCPPは、サンプルに紫外線(UV)を照射し、そしてサンプルから発光する光を約500nm以上で検出することによって検出できる。本発明の方法においてTCPPを励起するために使用される波長は、好ましくは、範囲約380〜約450nmの1部もしくは全部、そしてもっとも好ましくは約415nm近傍の狭い波長帯を含んでもよい。同様に、検出される波長は、範囲約610nm〜約740nmの1部もしくは全部、そしてもっとも好ましくは約650nm近傍の狭い範囲を含んでもよい。ある環境下では、約706nm近傍の狭い範囲における発光を検出することが好ましいことは、蛍光検鏡法の習熟者には明らかである。波長の選択は光学フィルターによってもっとも容易に達成できる。一般的な蛍光染料用のフィルターセットは、例えばMolecular Probes(Eugene,OR)から容易に得ることができる。本発明の方法においてTCPPを励起し、検出するための適当な波長選択は、フルオレセインイソシアネート(これ以降「FITC」)を検出するために設計されたフィルターセットを用いてもっとも容易に得ることができ、これは一般に、400〜490nmの励起フィルターおよび500nm以上の発光のためのバリヤーフィルターを有する。他のフィルター系の選択も検鏡法の習熟者には周知である。
蛍光は、肉眼的もしくは機械的、手作業もしくは自動的手段によって検出されてもよい。非蛍光細胞に比較して適度の蛍光でも有する細胞は、ヒトの肉眼によって容易に区別することができる。したがって、本発明のある実施態様は、蛍光顕微鏡下でTCPP処理した細胞を簡単に観察し、そして手作業でサンプル中の蛍光を発する細胞のパーセントを定量することを含む。しかしながら、好適な実施態様は、当該技術分野において周知の自動的方法、および当該技術分野において周知であるように、細胞がカウント機器中にプログラムされた予定の閾値レベル以上の蛍光を示せば、蛍光を発するとして「カウント」される機械的定量を含む。例えば、顕微鏡スライドに付着された細胞のモノレアーを含む実施態様では、自動スライドリーダーは、標準の統計的方法によって決定されるように、等価の正常な細胞に比較して統計的に有意であると予め決定された蛍光を有するすべての細胞を蛍光を発するとしてカウントするようにプログラムすることができる(そのような機器は、前がんもしくはがん性異常の第2の指標を提供できるある種の形状をもつ細胞をカウントするようにプログラムすることもできる)。あるいはまた、溶液に基づくアッセイを
含む実施態様では、TCPP染色され、そして洗浄された細胞サンプルは、蛍光標示式セルソーティング(FACS)によって解析されてもよく、ここでは、正常細胞と比較して統計的に決定できるように、FACSが、蛍光の予定レベルを有する細胞を分離するようプログラムされる。
サンプル中に存在する細胞の総数は、TCPP−蛍光性である全部のパーセントを算出するために決定される。この決定は当該技術分野において既知の種々の方法において達成できる。1つの実施態様では、全細胞がヘマトキシリンにより染色され、そして白色光顕微鏡測定下でカウントされる。その他の実施態様では、細胞が、TCPPとは異なる波長で蛍光を発する適当な蛍光対比染色(例えば、細胞の外部もしくは内部膜を染色するもの)により染色される。この後者の実施態様では、細胞のマーカー蛍光に対するTCPP蛍光の比が定量される。
上記のように、本発明の方法の新規性は、TCPP染色が、既に知られているようながん細胞を同定するのみならず、また前がん性の異形成細胞も同定するという本発明者の出願にある。この理由により、上記方法は、従来可能であると信じられているよりも広い範囲の多くの情報をもたらす。したがって、TCPP蛍光定量の結果は、その後の解析段階がとられるか否か、そして何が形成されているかの決定因子になる。
例えば、本方法は、TCPP蛍光性であるサンプルにおける細胞のパーセントを特定できる。サンプル中の細胞の約1−3%、より特別には約2−3%が蛍光性である場合には、サンプルは少なくとも異常な前がん性(異形成)もしくはがん性である細胞を含有している。したがって、単純な解析スキームは、サンプルが少なくとも約1%のTCPP−蛍光細胞を含有しているか否かを決定することを伴う。そうでなかった場合には、サンプルはネガティブ(正常)として診断される。そうであれば、さらなる試験が患者のために推奨される。サンプルが1%より少ない蛍光細胞を含有している場合でも、他の因子(例えば、がんに対する患者の素質、またはその他の組織における既存のがん)が、さらなる試験が実施されることを示唆できることが、この実施態様と合わせて注目されるべきである。以下に非常に詳細に記述される本発明の1つの利点は、蛍光細胞の集積された集団がFACSを介して患者から得られることである。
さらに、サンプル中の特定の細胞の蛍光レベルが、その細胞のがんに伴う症状と相関することが見い出された(実施例1参照)。したがって、個々の細胞もしくは細胞群が、それらの全部の蛍光強度について評価でき、そして、さらなる試験が必要か否かの決定はこの評価に一部基づいてもよい。
本明細書で使用される用語「高い」、「中くらい」および「低い」蛍光、および関連する用語は、試験サンプル中の単一細胞もしくは細胞群の蛍光強度が、がんに関して正常であることが分かっている等価の起源(例えば、喀痰)からの細胞(ネガティブ対照)と少なくとも比較される、比較用語であることを当業者には理解できる。この比較は、肉眼的評価によっても、また自動システムにおいても達成でき、それは、実施例2に記述されるように、サンプル集団の中央値の蛍光からの偏差のような統計的パラメーターを用いてプログラムされてもよい。好適な実施態様では、試験サンプルからの細胞は、がん状態が既に決定され、そしてTCPP蛍光強度と既に相関されているさらなる対照細胞と、蛍光強度について比較される(例えば、実施例1に記述されるように)。
用語「蛍光性」および「非蛍光性」もまた本明細書で使用される。蛍光強度の種々のレベルの上記定義を守りながら、用語「非蛍光性」および「蛍光性」は比較の用語として使用され、ここでは、蛍光は、等価起源からの正常細胞に対して、および/または蛍光の検出において使用される試薬もしくは装置から起こる一般的バックグラウンドの蛍光に対し
て比較される。それ故、細胞もしくは細胞サンプルが「蛍光性」と決定される場合、蛍光は、バッググラウンドの蛍光または既知の正常細胞において観察される蛍光以上のある強度において存在する。細胞もしくは細胞サンプルが「非蛍光性」と決定される場合、観察された蛍光は、バッググラウンドの蛍光または正常細胞において観察される蛍光以上においては、最小であるかまたは全く存在しない。この比較は関連する技術分野における習熟者によっては理解できる。
標準の評価技術による細胞の肉眼的評価が、わずかに蛍光を発する化生(非がん性)細胞を異形成(前がん)細胞から区別できるので、TCPP蛍光と組み合わせた細胞形態学的評価は、低レベルの蛍光を有する細胞培養物に関して特に有用である。本方法の1つの実施態様は、蛍光の定量に加えて、特に、細胞および核輪郭の可視化を助けるヘマトキシリンのような標準の細胞学的染色を用いる、細胞形態学的評価のさらなる段階を含む。その他の実施態様は、ある閾値要件が合致する場合、例えばサンプルが1%以上の蛍光細胞を含有する場合には、その後の段階として細胞形態学的評価を用いる。
本発明の特に好適な実施態様では、選ばれた細胞形態学的特徴が、細胞サンプル中に存在しているかもしれない種々の段階の化生、異形成およびがん腫の効率的な、再現性のある診断のために非常に有用である分類システムを作成するために、蛍光強度と組み合わされる。そのような分類システムは実施例1において詳細に記述されている。この実施態様では、TCPP蛍光細胞は、蛍光強度、ならびに細胞の形状と大きさ、核の数と大きさ、細胞集塊の存在と細胞もしくは細胞集塊の退行変性、不規則な不同の(anisoid)細胞の存在、細胞膜の可視性、および核破片の存在と性質を含む単純な形態学的特徴に基づく、1つ以上の数字で示したクラスに指定される。TCPP蛍光細胞の細胞形態学的評価を行う技術者もしくは科学者は、チェックリストとしてこの分類を使用することができる、すなわち、検査される細胞は、数字で示したクラスの各々に関して「プラス」もしくは「マイナス」としてチェックされる。特定の細胞に指定された数字で示したクラスの数字および細胞に指定された特定のクラスのパターンが、共に、その細胞のがんもしくは前がん症状に関する情報を伝える。実例によれば、実施例1は、14の数字で示したクラスを含んでなる分類システムを記述している。喀痰サンプルの存在をアッセイするその実施例の表2において示されるように、ネガティブもしくは化生細胞は、一般に、ごくわずかのクラスにしか指定できず、一方重度のがん腫細胞はいくつかのクラスに指定できる。さらなる実例として、ネガティブもしくは化生細胞は、しばしばクラス11に指定されるのに対して、中等度の異形成ないしがん腫細胞は指定されず、そしてがん腫細胞が、しばしばクラス6に指定されるのに対して、化生および異形成細胞は指定されない。
本発明のその他の実施態様では、がん腫を有すると決定された1人の患者からの溶液におけるTCPP処理された細胞は、それらの蛍光レベルに基づくフローサトメトリーによって分離できる。高レベルの蛍光を示す細胞は、がん性であるとみなされ、一方、中ないし低レベルの蛍光は異形成とみなされ、そして蛍光をもたない細胞は正常であるとみなされる。この種の分別は、患者の異形成もしくはがん細胞を患者自身の正常細胞に対して比較することができるので、これにより理想の「内部」対照集団を提供する。
その他の実施態様では、同じ患者からのがん細胞と正常細胞を分離することによって、種々の化学療法剤が、有効性について試験するためにアッセイされることができる。分離された細胞は一定分量に分配される。選ばれた治療剤が、次に、高度に蛍光性の細胞の一定分量および低レベルの蛍光性細胞の一定分量と、同濃度において混合できる。この段階は、新しい分量および異なる治療剤を用いて繰り返される。細胞死滅率は当該技術分野で既知の技術を用いてアッセイすることができる。次いで、治療についてもっとも好適な治療剤が、がん性であると決定された細胞(すなわち、高度に蛍光性の細胞)の最多数を殺傷し、そして正常細胞(すなわち、TCPP処理後ほとんどもしくは全く蛍光をもたない
細胞)の最少数しか殺傷しない化学療法剤を選択することによって決定することができる。
本発明のスクリーニングまたは診断検出法と同時に、本方法ならびに他の応用における使用のためにTCPPを溶解する方法が開発された。この方法は、約pH8.5を超え,そしてpH12.5未満のpHを有する約50%〜約90%アルコール中にTCPPを溶解することを含む。本発明における使用のためには、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−プロパノールが好適である。より好ましくは、アルコールはイソプロパノールであり、そしてそのpHは、pH8.5を超え,そして重炭酸ナトリウムもしくは水酸化アンモニウムによってpH10.0未満のpHに調整される。ある実施態様では、イソプロパノールの濃度は50%〜90%であってもよく、そして重炭酸ナトリウムは20mM〜100mMであってもよい。TCPPの濃度は約2mg/mlまでであってもよい。1つの実施態様では、TCPP溶液は、50%イソプロパノールおよび50mM重炭酸ナトリウムの溶液中に1mg/mlにおいて溶解される。
また本発明は、pH7超のアルコール中にTCPPを含有するTCPPを利用するすべての方法での使用のために有用な組成物を含む。この溶液は、好ましくは、先に詳述されたTCPPを溶解する方法によって作成できる。この組成物は、好ましくは、暗所において約4℃で保存しなければならない。
さらに、本発明は、場合によっては指図書とともに、容器中にTCPPを含有してなる、前がんおよびがん細胞を検出するためのキットを包含する。1つの実施態様では、キットは本発明の検出法によって使用されるように設計されている。1つの実施態様では、キットは、容器中に塩基性アルコール中に溶解されたTCPPを含有する本発明の組成物を含む。このTCPP溶液は、前がんおよびがん細胞を検出する目的でバッファー水溶液中に希釈される保存溶液として使用されてもよい。キットは、実施例1の喀痰回収容器におけるような、細胞サンプルを収集するための構成要素を含有してもよく、あるいはまた、既に得たサンプルにおける前がん細胞の検出のための品目を含有してもよい。キットは、スライド調製システム、例えば3種の名を示すと、MonoPrep2もしくはMonoPrepG(MonoGen,Inc.,Herndon,VA)またはThinprep Processor(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)による使用のために整備されてもよい。また、これらのキットは、顕微鏡スライド以外のフォーマット、例えばミクロタイタープレートまたはフローサイトメトリー器具により使用されるように設計されてもよい。いかなる前記実施態様においても、キットは、本発明のアッセイを実施する際に当業者によって用いられるような、ポジティブもしくはネガティブ対照または両者を含有してもよい。
次の実施例は、本発明を一層詳細に記述するために提供される。それらは、具体的に説明することを意図し、本発明を限定することを意図しない。
TCPPを用いる前がんおよびがん細胞の検出のためのガラススライドアッセイ
この実施例は、PAP染色された喀痰スライドの標準の細胞形態学的解析をとおして達成された診断結果を、TCPPで処理され、そして蛍光検鏡法によって解析されたスライドに対して比較する。結果は、本発明のTCPP検出技術が、新形成細胞(イン・サイチューの異形成およびがん腫)および真性がん腫の検出において慣用の喀痰細胞法と同等であることを示している。また結果は、当該技術分野における習熟した者が、組織サンプルに存在する異形成の程度を評価するために、単純な分類法則と同時に本方法を使用することができることを示している。
方法
モノレアースライドの作成において使用される喀痰処理操作.この研究における解析のために選ばれたすべてのモノレアースライドは、早朝、自然な咳きの手段を行う患者を通じて収集された喀痰サンプルから作成された。具体的には、患者が、リファンピン(rifampin)0.03−0.05mg/mlを含有する50%アルコール/50%Saccomanno液中2%Carbowaxからなる固定液で満たされた容器中に3日連続の朝に咳きをしていかなるものでも吐き出すよう教育された。リファンピンは、M.チュバキュローシス(M.tuberculosis)を保持している患者またはN.メニンギチス(N.meningitis)の無症候性のキャリヤーであるかもしれない患者に対する予防薬剤として役立つよう固定液に添加された。
2%Carbowax溶液は、50%エタノール98mlに融解Carbowax(150)2mlを添加し、そして30分間混合することによって作成された。溶液を作成するために使用されるガラス容器は、不正確な計量を引き起こす作成中の表面上のワックスの固化を予防するために暖め続けた。Carbowaxは、TCPP実行溶液にさらす前に、少なくとも15分間95%アルコール中に浸漬して除去された。
リファンピン溶液(3mg/ml)は、エチルアルコール100ml中にリファンピンの300mgカプセル剤を溶解し、そしてWaringブレンダーにおいて高速で混合することによって作成された。この溶液1mlがSaccomanno溶液各30mlに添加されるかまたはSaccomanno溶液1リットル当たり20ml添加され、そして十分に混合された。Saccomanno溶液の調製は、細胞学の分野の技術者には周知の標準方法にしたがった。
2枚のthin−prep顕微鏡スライドおよび50mlプラスチック遠心管1本が患者の情報について標識された。喀痰標本が50mlプラスチック遠心管に注入され、そして必要ならば容積を50mlにするために、さらなる50%エチルアルコール溶液が添加された。遠心管の内容物が250ml容Eberbachセミミクロブレンダー容器に注入され、そしてその標本および粘液様内容物の肉眼検査に応じて10〜60秒間ホモジナイズされた。濃い粘液様標本は、ある場合には、より長い混合時間を要した。標本が遠心管に再び注入され、そして1850rpmで10分間遠心された。上澄液がデカントされ、遠心管中に1〜2mlを残して沈降物(遠心物)と混合された。チューブは回転ミキサー上で約10秒間撹拌された。沈殿物の1〜3滴がPreservCytバイアル(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)中に入れられた。標本は5分間インキュベートされて、全微生物およびウイルス生物を失活させた。
サンプルの単細胞層が、Thinprep Processor(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)を用いて製造者の指示にしたがってスライド上に固定された。Thinprep Processorにおいて、細胞がポリカーボネートフィルター(孔径0.5mm)上に回収され、そしてガラススライドに移された。次いで、Thinprep Processorが、直ちに、95%エタノールを含有する固定液浴中にスライドを沈めた。
TCPP保存溶液.重炭酸ナトリウム400mgを50%イソプロパノール約90mlに添加し(50mM重炭酸ナトリウム)、そして完全に溶解するまで混合して塩基性50%イソプロパノールを作成した。TCPP100mgをこの塩基性50%イソプロパノール(50mM重炭酸ナトリウム)に徐々に添加し、そして溶解するまで3〜5分間混合した。TCPP溶液は塩基性50%イソプロパノールにより容積100mlにされ、よく混合し、そして冷蔵庫内にフォイルで覆った褐色試薬瓶に保存した。保存溶液中のTCPPの最終濃度は1mg/mlであった。
TCPP実行溶液.新鮮なTCPP実行溶液は各日に調製された。濃度1mg/mlのTCPP保存溶液約10mlを室温にもたらした。TCPP保存溶液(1mg/ml)の8mlを200ml容メスフラスコに入れ、そしてMESバッファー約100mlを徐々に添加した。溶液を静かに混合した。さらなるMESバッファーを添加して溶液を容積200mlにした。溶液を3〜5分間混合し、そして褐色びん中2−4℃で保存した。実行溶液におけるTCPPの最終濃度は40μg/mlであった。
TCPP暴露操作.スライドを95%アルコール中、室温で30分間固定した。スライドを固定後直ちに、または3日後までにTCPPに暴露した。スライドを40μg/mlのTCPP溶液に36℃で10分間浸漬し、次いで100mMMESバッファー中で3回、各1分、室温で撹拌しつつ洗浄した。スライドを1時間以上24時間未満後に観察した。
顕微鏡情報.TCPP処理した喀痰細胞スライドの観察に利用した顕微鏡は、反射光蛍光顕微鏡測定のために載物台下の照明装置と台上の水銀ランプをもつOlympus model BH−1顕微鏡であった。水銀ランプは365nm,405nm,436nmおよび545nmにおける1次発光線を有した。蛍光フィルターアッセンブリーは2つのジクロティックキューブ(dichrotic cube)からなった。グリーンキューブ(490nm)は、400−490nmを透過する励起フィルターと500nm以上の発光を透過する遮蔽フィルターをもつフィルターシステムを含有した。
改変PAP染色技術による喀痰スライド染色操作.操作配列(no.)、試薬および時間(分:秒)は次のとおりであった:(1)95%アルコール 15:00;(2)水道水
1:00;(3)gil−i hemotox 2:30;(4)水道水 1:00;(5)青染色(bluing)試薬 :30;(6)水道水 1:00;(7)95%アルコール :10;(8)og−6 1:30;(9)95%アルコール :10;(10)95%アルコール :10;(11)ea−50 1:15;(12)95%アルコール :20;(13)95%アルコール :30;(14)100%アルコール 1:00;(15)100%アルコール 1:00;(16)100%アルコール 1:30;(17)キシレン 1:00;(18)キシレン 1:00;および(19)キシレン
1:00。
Papanicolaou染色したスライドの日常の細胞形態学的解析の方法.PAP染色したスライドを半定量的細胞形態学的評価にかけた。(1)異形成および新形成細胞を伝統的な形態学的基準の使用により同定し、そして(2)肺性炎症の7つの基本的指標(肺胞のマクロファージ、好中球、柱状細胞、粘液、粘膜螺線(mucous spiral)、着色マクロファージ、化生細胞)の発現レベルを定量した。これらの炎症指標を定量化する方法は、既に文献で議論されている(Roby et al.,1989,Acta Cytol 34:147−154;Roby et al.,1990,Acta Cytol 34:140−146;Schumann et al.,1989,Am Rev Respr Dis 139:601−603)。PAP染色した細胞を用いて細胞形態を決定するために使用される基準が以下に議論される。
有意な異常性なし.次の基準が満たされた場合、細胞は有意な異常性をもたないと同定された:
1.炎症細胞のほかにグレード1−2の色素をもつマクロファージと混じり合った好塩基性の繊毛のある上皮細胞;
2.基礎的に定位置にある上皮の丸い核;
3.平均に分散した染色質;
4.不明瞭な核膜;
5.不明瞭な核小体;および
6.化生細胞および異形成細胞の不在。
扁平上皮化生(異形成なし).次の基準が満たされた場合、細胞は異形成のない扁平上皮化生と同定された:
1.繊毛のない好塩基性細胞の集塊;
2.均一な細胞および核の大きさ;
3.低い核/細胞質(N/C)比;
4.細かく顆粒状の核染色質;および
5.小さい丸い核小体(通常1個)が存在することがある。
軽度の異形成(扁平上皮異型).次の基準が満たされた場合、細胞は軽度の異形成と同定された:
1.化生細胞より小さい;
2.凝集した塊、または単独で見られる;
3.細胞は両核と細胞質をはっきりと平らに(シート状に)存在している;
4.細胞は大きさにおいて変化は少ない;
5.細胞質は好エオシン性または好塩基性である;
6.鋭い細胞質の縁;
7.細胞は大きさにおいて変化は少なく、通常は丸ないし卵形、分割の場合、核の2つの半分は鏡像的であり、N/C比は変化が少ない;
8.核膜は平滑;
9.細かく顆粒状の核染色質(やや増加)、場合によっては染色中心;および
10.繊維状細胞、広がった細胞質と核膜の明瞭な核をもつ長い細胞−細かい網目状ないし顆粒状細胞質は通常明るい黄橙色−角質化して単独、は、ケラチンの中心コアの回りに渦巻きを形成して上皮パールを形成することがある。
中等度の異形成(扁平上皮異型).次の基準が満たされた場合、細胞は中等度の異形成と同定された:
1.大きさにおいて変化があり、通常は比較的大きいが軽度の異形成より小さいこともある;
2.形状およびN/C比において軽度異形成よりも変化がある:
3.細胞質は濃く、好酸性成分が著しく多い;非定型細胞数の増大;
4.核は半分ずつ等しくないこともある(鏡像的ではない);
5.核の小葉、間隙および小節が存在する;
6.核質(nuclear material)は多くの点彩を伴う過染色性を示す−染色質パターンに類似;
重度の異形成(顕著な扁平上皮異型).次の基準が満たされた場合、細胞は重度の異形成と同定された:
1.細胞は大きさおよび形状において著しく変化する;
2.通常は中等度異形成よりやや大きい細胞サイズ;
3.N/C比は高いが変化しうる(極端に):
4.単独の細胞が著しく多い;核はCISより中心的である;
5.核は細胞質の形状にしたがうことがある;核はCISより少ないゆがみを示す;
6.核の多形性は、存在する粗い染色質および核エンベロープに沿った濃厚さとともに増大する;
7.パラクロマチン、大きい核、集中的に厚くなったマルチ−ヌクラスタード(multi−nuclustered)核膜;
8.細胞は顕著に好酸性細胞質を示す。
扁平上皮内がん(CIS、非浸潤性).次の基準が満たされた場合、細胞は扁平上皮内がんであると同定された:
1.単独または凝集体(塊)の細胞;
2.細胞の大きさは変化する−顕著な異形成細胞より小さいか大きい 通常は浸潤性扁平上皮がんよりも小さい;
3.細胞は対称に位置する核とともに大きく、丸い;
4.細胞の退化が存在する;
5.乏しい細胞質、核の周囲は分散して均一に角質化しているかまたは同心的に角質化していない(orangeophilicまたは好塩基性);
6.N/C比は変化しうる−正常より高いか低い:
7.粗い濃い核染色質顆粒は明瞭なゾーンによって隔離されている;
8.核膜の起伏をもつ均一に厚くなった染色質の縁;
9.核の小葉が見られる;
10.cannibalismが見られるが、常にではない;
11.多核細胞が存在することもある;
12.核内に核小体なし;有糸分裂細胞が存在することがある;および
13.きれいなバックグラウンド。
扁平上皮がん(十分に分化した角質化タイプ−浸潤性).次の基準が満たされた場合、細胞は扁平上皮がんであると同定された:
1.通常は単独のorangeophilicであるが、集塊で存在することもあり、そして退化した細胞;
2.細胞は大きいか小さい、角がある、よく保存された核と明確な細胞境界を有する;
3.細胞はイン・サイチューよりも通常は大きい そして多形で、大きさと形状とも広範囲;
4.パール形成が見られる(がんパール);
5.異常な「テーリング」(浸潤と合致する)を有する適当量の細胞質;異様な細胞形状−オタマジャクシ、星、紡錘型;過染色性を有する予測できない凝集および明確なパラクロマチンおよび明確に定まった染色質、パラクロマチン境界面を有する角ばった核染色質;
6.染色質は、特に核膜に沿って粗く凝集している;
7.核は、存在する場合大きくそして好酸性である;
8.核膜自体は厚く、そして不規則である;核染色質縁の厚さの不規則性;
9.N/C比は非常に高い:
10.形状、サイズ、数において顕著な核小体の不規則性(娘核小体);異常有糸分裂、多核化;
11.cannibalismおよび多核化が普通;および
12.壊死性バックグラウンド物質が共通している。
結果
60サンプルを試験したブラインド研究では、結果は、異常細胞(軽度、中等度もしくは重度の異形成またはがん性)がPAP染色操作に比較してTCPP検出操作により正確に検出できることを示している(表1)。TCPP暴露細胞の2−3%が蛍光性であった場合は、サンプルは少なくとも軽度に異形成の診断と確実に相関した。標準の細胞形態学的PAP染色操作によって軽度に異形成ないしがん性であると決定された50の喀痰中50が、また、TCPP検出によって異常であると同定された。PAP染色操作に基づいて正常もしくは化生であると特徴付けられた10サンプル中、4サンプルが、TCPP法を用いて同じ形態を例証した。正常と診断されたサンプルは、TCPPの最少の取り込みを示したかまたは取り込みを示さなかった。
細胞形態学的にネガティブまたは化生であると決定された細胞におけるTCPPの取り込みは、認識可能な、そして診断できる特徴的な蛍光強度とパターンを有した。表2は、それぞれPAP染色細胞形態学およびTCPP技術によって決定される細胞形態と蛍光の間の比較を提示している。TCPP処置サンプルにおける蛍光強度とパターンに基づいて、細胞は、形態的記述に関する14の可能な数字分類の1つに分類された。細胞が、TCPP決定を用いてクラス11であり、そしてスライド上の細胞の2−3%以下がバックグラウンドレベル以上の蛍光性であった場合、その時は、サンプルは化生であり、そして異形成ではないと決定された。化生細胞は、ほとんど見ることができない細胞膜によるそれらの適度の蛍光によって正常細胞とは容易に区別された。PAP染色によってネガティブもしくは化生であると決定された10の細胞サンプルについて6つは、TCPP蛍光に基づいてクラス11の細胞記述により指定された。クラス11の指定をもつ6TCPP細胞については、また3つが核デブリからの蛍光を示し(すなわち、クラス13もしくは14)、そして2つがクラス11の指定を示した(核のみからの蛍光)。
表2に示されたその他のパターンは、数字で示した分類6−不規則な不同の細胞、低〜中間レベルの蛍光に関する。比較的わずかな異形成細胞だけがこの分類に指名されたのに対して、ほとんどのがん腫細胞は分類6を得たことは注目される。それ故、この分類は、本発明の方法を用いて異形成からがん腫を区別する上で特に重要性をもつと期待される。
表2において示されたその他の重要な観察は、正常から重度のがん腫へと進行した細胞形態につれて、各試験された細胞に割り当てられた数字分類の総数もまた増大したことである。具体的に示せば、ネガティブまたは化生形態をもつ細胞は、2という数字分類の平均を割り当てられたのに対して、腺がん、扁平上皮細胞および小細胞がん腫を示す細胞は、5という数字分類の平均を割り当てられた。数字分類が異なる種類の細胞の異常性の記述を含有するので、異形成もしくはがん腫の程度と、細胞において観察された異なる異常性の数字との間のポジティブな相関関係は合理的である。しかしながら、そのような相関関係は、従来、細胞のサンプルにおける前がんおよびがん症状を診断するために、体系化されていなかったし、そして使用されていなかった。
Figure 2011185947
Figure 2011185947
TCPPを用いる前がんおよびがん細胞の検出および分離のための懸濁液アッセイ
この実施例は、喀痰サンプル中に見いだされる細胞の異常を検出するために、細胞形態学的スライド検鏡法と組み合わせて、蛍光フローサイトメトリーと同時のTCPP染色の使用を開示する。TCPP染色の特異性のために、フローサイトメトリーとそれに続くスライド検鏡法の組み合わせは、特に威力があり、細胞形態学的なスライドの比較に関して内面的対照を提供する。
方法
懸濁液およびモノレアースライドの作成において使用される喀痰処理操作.すべての懸濁液およびモノレアースライドは、早朝、自然な咳きの手段を行う患者を通じて収集された喀痰サンプルから作成された。具体的には、患者は、リファンピン0.03−0.05mg/mlを含有する50%アルコール/50%Saccomanno液中2%Carbowaxからなる固定液で満たされた容器中に3日連続の朝に咳きをしていかなるものでも吐き出すよう教育される。リファンピンは、M.チュバキュローシスを保持している患者またはN.メニンギチスの無症候性のキャリヤーであるかもしれない患者に対する予防薬剤として役立つよう固定液に添加される。
2%Carbowax溶液は、50%エタノール98mlに融解Carbowax(150)2mlを添加し、そして30分間混合することによって作成される。溶液を作成するために使用されるガラス容器は、不正確な計量を引き起こす作成中の表面上のワックスの固化を防ぐために暖め続ける。Carbowaxは、TCPP実行溶液にさらす前に、少なくとも15分間95%アルコール中に浸漬して除去された。
リファンピン溶液(3mg/ml)は、エチルアルコール100ml中にリファンピンの300mgカプセル剤を溶解し、そしてWaringブレンダーにおいて高速で混合することによって作成された。この溶液1mlがSaccomanno溶液各30mlに添加されるかまたはSaccomanno溶液1リットル当たり20ml添加され、そして十分に混合された。Saccomanno溶液の調製は、細胞学の分野の技術者には周知の標準方法にしたがった。
喀痰標本が50mlプラスチック遠心管に注入され、そして必要ならば容積を50mlにするために、さらなる50%エチルアルコール溶液が添加された。遠心管の内容物が250ml容Eberbachセミ・ミクロブレンダー容器に注入され、そしてその標本および粘液様内容物の肉眼検査に応じて10〜60秒間ホモジナイズされた。濃い粘液様標本は、ある場合には、より長い混合時間を要した。標本が遠心管に再び注入され、そして低速で10分間遠心された。上澄液がデカントされ、遠心管中に1〜2mlを残して細胞ペレットと混合された。チューブは回転ミキサー上で約10秒間撹拌された。サンプルは100mMMESバッファー、pH〜6.15中に再懸濁される。細胞が回転され、そして100mMMESバッファーを用いて2回以上洗浄され、最後に、細胞を再懸濁するために遠心管中に〜1mlを残す。次いで、細胞は、室温で(〜20℃)で30分間静かに撹拌しながら95%エタノール(5%100mMMESバッファー)中に再懸濁される。次いで、遠心管を低速で10分間遠心する。上澄液の全部1−2mlを除去する。
TCPP保存溶液.重炭酸ナトリウム400mgを50%イソプロパノール約90mlに添加し(50mM重炭酸ナトリウム)、そして完全に溶解するまで混合して塩基性50%イソプロパノールを作成した。TCPP100mgをこの塩基性50%イソプロパノール(50mM重炭酸ナトリウム)に徐々に添加し、そして溶解するまで3〜5分間混合する。TCPP溶液は塩基性50%イソプロパノールにより容積100mlにして、よく混合し、そして冷蔵庫内にフォイルで覆った褐色試薬瓶に保存した。保存溶液中のTCPPの
最終濃度は1mg/mlである。
TCPP実行溶液.新鮮なTCPP実行溶液は各日に調製された。濃度1mg/mlのTCPP保存溶液約10mlを室温にもたらした。TCPP保存溶液(1mg/ml)の8mlを200ml容メスフラスコに入れ、そしてMESバッファー約100mlを徐々に添加した。溶液を静かに混合した。さらなるMESバッファーを添加して溶液を容積200mlにした。溶液を3〜5分間混合し、そして褐色びん中2−4℃で保存した。実行溶液におけるTCPPの最終濃度は40μg/mlである。
TCPP暴露操作.予め、室温で30分間95%アルコールにさらされた懸濁液細胞を、固定後直ちにまたは3日後までにTCPPに暴露する。細胞を40μg/mlのTCPP溶液に36℃で10分間、静かに撹拌しながら再懸濁し、次いで室温の100mMMESバッファー20mlを用いて3回、10分内に細胞をゆるいペレットにする最低速度の遠心を用いて洗浄する。洗浄した細胞ペレットをMESバッファー15−10mlに再懸濁する。これらの懸濁液、またはその一定分量を、蛍光フローサイトメトリー装置を通過させる。
蛍光フローサイトメトリー.第1回通過.最少10,000個の細胞を、細胞選別能をもつフローサイトメーターを通過させる。フローサイトメーターは、約390nm〜490nmの光線を透過させるフィルターを有する、約415nmにおいて放射する光源を備えてなければならない。蛍光発光は約630nm〜730nm(645nm〜706nmで発光最大)においてモニターすべきである。500nm以上の光線を透過する遮蔽フィルターが満足できる。第1回通過において、個々の細胞がカウントされ、そしてそれらの特定の蛍光が測定される。平均蛍光が算出され、そして平均からの標準偏差が算出される。また、中央値が決定される(半分がその値より小さく、そして半分がその値より大きい特定の蛍光値)。
細胞選別を伴う蛍光フローサイトメトリー.第2回通過.最少100,000個の細胞を、第1回通過と同様に装備された細胞選別能をもつ蛍光フローサイトメーターを通過させる。中央値の蛍光未満の蛍光+平均値からの標準偏差1.3を有する細胞(細胞の約90%)が、操作上、低い蛍光を有すると定義され、そして1つの試験管に保存され、そして中央値の蛍光を超えるかまたは等しい特定の蛍光+平均値からの標準偏差1.3を有する細胞(細胞の約10%)が、操作上、高い蛍光を有すると定義され、そしてその他の試験管に保存される。あるいはまた、細胞は、第1回の通過において見い出された中央値の特定の蛍光に関して、それらの蛍光にしたがってチューブ中に選別することもできる。中央値の特定の蛍光の2倍未満をもつ細胞は「正常」または低い蛍光であり、次いで、細胞は、中央値の蛍光の2−4倍、4−6倍、および中央値の蛍光の6倍超とともにプールすることができる。より高い強度の蛍光プールの各々は、異常な細胞に非常に富んでいることが予測できる。細胞の2−3%以上が中央値の蛍光の3倍以上を保持する場合は、少なくとも進行した前がん症状の予測を支持できる。
モノレアースライドの作成.低および高蛍光細胞サンプルを低いrpmで10分間遠心して細胞を沈降させる。上澄液を除去し、遠心管中に1〜2mlを残して細胞ペレットと混合する。チューブを回転ミキサー上で約10秒間撹拌する。沈殿物の1〜3滴をPreservCytバイアル(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)中に入れる。標本を5分間インキュベートして、全微生物およびウイルス生物を失活させる。
サンプルの単細胞層が、Thinprep Processor(Cytyc Corporation,Marlborough,MA)を用いて製造者の指示にしたがって
スライド上に固定される。Thinprep Processorにおいて、細胞がポリカーボネートフィルター(孔径0.5mm)上に回収され、そしてガラススライドに移される。次いで、Thinprep Processorが、直ちに、95%エタノールを含有する固定液浴中にスライドを沈める(30分間維持)。
改変PAP染色技術による喀痰スライド染色操作.操作配列(no.)、試薬および時間(分:秒)は次のとおりである:(1)95%アルコール 15:00;(2)水道水 1:00;(3)gil−i hemotox 2:30;(4)水道水 1:00;(5)青染色(bluing)試薬 :30;(6)水道水 1:00;(7)95%アルコール :10;(8)og−6 1:30;(9)95%アルコール :10;(10)95%アルコール :10;(11)ea−50 1:15;(12)95%アルコール :20;(13)95%アルコール :30;(14)100%アルコール 1:00;(15)100%アルコール 1:00;(16)100%アルコール 1:30;(17)キシレン 1:00;(18)キシレン 1:00;および(19)キシレン 1:00。
Papanicolaou染色したスライドの日常的細胞形態学的解析の方法.PAP染色したスライドを半定量的細胞形態学的評価にかける。(1)異形成および新形成細胞を伝統的な形態学的基準の使用により同定し、そして(2)肺性炎症の7つの基本的指標(肺胞のマクロファージ、好中球、柱状細胞、粘液、粘膜螺線、着色マクロファージ、化生細胞)の発現レベルを定量する。これらの炎症指標を定量化する方法は、既に文献で議論されている(Roby et al.,1989,Acta Cytol 34:147−154;Roby et al.,1990,Acta Cytol 34:140−146;Schumann et al.,1989,Am Rev Respr Dis 139:601−603)。PAP染色した細胞を用いて細胞形態を決定するために使用される基準が以下に議論される。
有意な異常性なし.次の基準が満たされた場合、細胞は有意な異常性をもたないと同定される:
1.炎症細胞のほかにグレード1−2の色素をもつマクロファージと混じり合った好塩基性の繊毛のある上皮細胞;
2.基礎的に定位置にある上皮の丸い核;
3.平均に分散した染色質;
4.不明瞭な核膜;
5.不明瞭な核小体;および化生細胞および異形成細胞の不在。
扁平上皮化生(異形成なし).次の基準が満たされた場合、細胞は異形成のない扁平上皮化生と同定される:
1.繊毛のない好塩基性細胞の集塊;
2.均一な細胞および核の大きさ;
3.低い核/細胞質(N/C)比;
4.細かく顆粒状の核染色質;および
5.小さい丸い核小体(通常1個)が存在することがある。
軽度の異形成(扁平上皮異.次の基準が満たされた場合、細胞は軽度の異形成と同定される:
1.化生細胞より小さい;
2.凝集した集塊、または単独で見られる;
3.細胞には両核と細胞質がはっきりと平らに(シート状に)存在している;
4.細胞は大きさにおいて変化は少ない;
5.細胞質は好エオシン性または好塩基性である;
6.鋭い細胞質の縁;
7.細胞は大きさにおいて変化は少なく、通常は丸ないし卵形、分割の場合、核の2つの半分は鏡像的であり、N/C比は変化が少ない;
8.核膜は平滑;
9.細かく顆粒状の核染色質(やや増加)、場合によっては染色中心;および
10.繊維状細胞、広がった細胞質と核膜の明瞭な核をもつ長い細胞−細かい網目状ないし顆粒状細胞質は通常明るい黄橙色−角質化して単独、は、ケラチンの中心コアの回りに渦巻きを形成して上皮パールを形成することがある。
中等度の異形成(扁平上皮異.次の基準が満たされた場合、細胞は中等度の異形成と同定される:
1.大きさにおいて変化があり、通常は比較的大きいが軽度の異形成より小さいこともある;
2.形状およびN/C比において軽度異形成よりも変化がある:
3.細胞質は濃く、好酸性成分が著しく多い;非定型細胞数の増大;
4.核は半分ずつ等しくないこともある(鏡像的ではない);
5.核の小葉、間隙および小節が存在する;および
6.核質は多くの点彩を伴う過染色性を示す−染色質パターンに類似;
重度の異形成(顕著な扁平上皮異.次の基準が満たされた場合、細胞は重度の異形成と同定される:
1.細胞は大きさおよび形状において著しく変化する;
2.通常は中等度異形成よりやや大きい細胞サイズ;
3.N/C比は高いが変化しうる(極端に):
4.単独の細胞が著しく多い;核はCISより中心にある;
5.核は細胞質の形状にしたがうことがある;核はCISより少ないゆがみを示す;
6.核の多形性は、存在する粗い染色質および核エンベロープに沿った濃厚さとともに増大する;
7.パラクロマチン、大きい核、集中的に厚くなったマルチ−ヌクラスタード(multi−nuclustered)核膜;
8.細胞は顕著に好酸性細胞質を示す。
扁平上皮内がん(CIS、非浸潤性).次の基準が満たされた場合、細胞は扁平上皮内がんであると同定される:
1.単独または凝集体(集塊)の細胞;
2.細胞の大きさは変化する−顕著な異形成細胞より小さいか大きい 通常は浸潤性扁平上皮がんよりも小さい;
3.細胞は対称に位置する核とともに大きく、丸い;
4.細胞の退化が存在する;
5.乏しい細胞質、核の周囲は分散して均一に角質化しているかまたは同心的に角質化していない(orangeophilicまたは好塩基性);
6.N/C比は変化しうる−正常より高いか低い:
7.粗い濃い核染色質顆粒は明瞭なゾーンによって隔離されている;
8.核膜の起伏をもつ均一に厚くなった染色質の縁;
9.核の小葉が見られる;
10.cannibalismが見られるが、常にではない;
11.多核細胞が存在することもある;
12.核内に核小体なし;有糸分裂細胞が存在することがある;および
13.きれいなバックグラウンド。
扁平上皮がん(十分に分化した角質化タイプ−浸潤性).次の基準が満たされた場合、細胞は扁平上皮がんであると同定される:
1.細胞は、通常単独のorangeophilicであるが、集塊で存在することもあり、そして退化している;
2.細胞は大きいか小さい、角がある、よく保存された核と明確な細胞境界を有する;
3.細胞はイン・サイチューよりも通常は大きい そして多形で、大きさと形状とも広範囲;
4.パール形成が見られる(がんパール);
5.異常な「テーリング」(浸潤と合致する)を有する適当量の細胞質;異様な細胞形状−オタマジャクシ、星、紡錘型;過染色性を有する予測できない凝集および明確なパラクロマチンおよび明確に定まった染色質、パラクロマチン境界面を有する角ばった核染色質;
6.染色質は、特に核膜に沿って粗く凝集している;
7.核は、存在する場合大きくそして好酸性である;
8.核膜自体は厚く、そして不規則である;核染色質縁の厚さの不規則性;
9.N/C比は非常に高い:
10.形状、サイズ、数において顕著な核小体の不規則性(娘核小体);異常有糸分裂、多核化;
11.cannibalismおよび多核化が普通;および
12.壊死性バックグラウンド物質が共通している。
細胞病理学的解析.喀痰サンプルは、互いに点々と配置された肺における多くの場所からの細胞を含有しているので、特定の細胞(薄層切片染色とは異なり)の正常性または異常性を判定するための背景はほとんどない。低蛍光細胞のコレクションの利用性は、高い蛍光TCPP染色細胞と比較するために、正常もしくは正常に近い患者の細胞の内部対照サンプルを提供する。標準PAP染色を用いて、当該分野に習熟した細胞病理学者は、分画されてないモノレアーと比較して異常細胞について10倍集積されている高い蛍光TCPP細胞の異常性の程度を容易に決定することができる。
本発明は、先に記述され、そして例示された実施態様に限定されるものではなく付随する請求項の範囲内で変更および修飾をすることが可能である。
以下に本発明の主な特徴と態様を列挙する。
1.細胞サンプルが、異形成またはがん腫細胞を含有しているか否かを決定する方法であって、
a)いずれかが存在していれば、異常な前がんまたはがん細胞の成分へのTCPPの結合を可能にする条件下で、サンプルをTCPP溶液と接触させ;
b)未結合のTCPPをサンプルから除去し;そして
c)サンプルにおけるTCPP蛍光を検出して、TCPP蛍光の存在が、サンプルが異形成またはがん腫細胞を含有することを表す:
段階を含む、方法。
2.サンプルが、喀痰サンプル、頸部スワブ、気管支洗液、甲状腺および乳腺の微細針吸引およびコア生検、膀胱洗液、尿、口腔洗液、便サンプル、血液もしくはその画分、リンパ液、脳脊髄液、骨および骨髄からなる群から選ばれる、上記1の方法。
3.サンプルが、ホルムアルデヒド、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびそれらのすべての組み合わせ液からなる群から選ばれる固定液中で固定される、上記1の方法。
4.固定液が95%エタノールである、上記3の方法。
5.サンプルが固形支持体に付着される、上記1の方法。
6.固形支持体が顕微鏡スライドである、上記5の方法。
7.サンプルが液体中に懸濁される、上記1の方法。
8.TCPPの溶液が、塩基性アルコール中に予め溶解され、そしてバッファー水溶液中に希釈されたTCPPを含有する、上記1の方法。
9.TCPPの溶液がpH約5.8〜約6.7に緩衝化される、上記8の方法。
10.溶液が、バックグラウンドの蛍光を減少させ、TCPPの酸化を防止するか、またはTCPP蛍光の消光を防止する1種以上の試薬をさらに含有する、上記8の方法。
11.サンプルにおけるTCPPの濃度が約4〜約100μg/mlである、上記1の方法。
12.サンプルが約0.2分〜約2時間TCPPと接触される、上記1の方法。
13.接触の間、サンプルが温度約23℃〜約42℃において維持される、上記1の方法。
14.サンプルにおけるTCPP蛍光が肉眼的に検出される、上記5の方法。
15.サンプルにおけるTCPP蛍光がスライドリーダーにより検出される、上記5の方法。
16.TCPP蛍光が蛍光フローサイトメーターにより検出される、上記7の方法。
17.検出段階が、除去段階後約1時間〜約24時間に実施される、上記1の方法。
18.TCPP−蛍光性であるサンプル中の細胞のパーセントを決定する段階をさらに含む、上記1の方法。
19.約1%以上の蛍光細胞を含有するサンプルが、異常な前がんまたはがん細胞を含有するとして分類される、上記18の方法。
20.TCPP−蛍光性であるサンプル中の細胞のパーセントを決定する段階が、TCPPを含有しているサンプル中の細胞のパーセントと蛍光強度を相関させる方式で、サンプル中のTCPP蛍光強度を定量することを含む、上記18の方法。
21.TCPP蛍光が、サンプル中のすべての細胞に結合している検出可能なマーカーとサンプルを接触させ、未結合の検出可能なマーカーを除去し、そしてサンプルにおけるTCPP蛍光と検出可能なマーカー量の比率を確定することによって定量される、上記20の方法。
22.検出可能なマーカーが蛍光化合物である、上記21の方法。
23.サンプルにおけるTCPP蛍光を検出することにより、化生、異形成もしくはがん腫について蛍光細胞を特徴決定することをさらに含む、上記1の方法。
24.特徴決定が、蛍光細胞の蛍光強度を分類し、そして蛍光強度を細胞の化生、異形成もしくはがん腫状態と相関させることを含む、上記23の方法。
25.特徴決定が、細胞形状、細胞の大きさ、細胞の集塊、細胞もしくは細胞集塊の変性量、核の数、核の大きさ、細胞膜の可視性および核破片の存在からなる群から選ばれる1つ以上の形態学的特徴について蛍光細胞を分類し、そして形態学的特徴を細胞の化生、異形成もしくはがん腫状態と相関させることを含む、上記23の方法。
26.特徴決定が、蛍光強度について、ならびに細胞形状、細胞の大きさ、細胞の集塊、細胞もしくは細胞集塊の変性量、核の数、核の大きさ、細胞膜の可視性および核破片の存在からなる群から選ばれる1つ以上の形態学的特徴について蛍光細胞を分類し、そして蛍光強度および形態学的特徴を細胞の化生、異形成もしくはがん腫状態と相関させることを含む、上記23の方法。
27.蛍光細胞によって示される形態学的特徴と蛍光強度の総数が、化生、異形成もしくはがん腫について蛍光細胞を特徴決定する際のファクターとして使用される、上記26の方法。
28.形態学的特徴と蛍光強度のパターンが、化生、異形成もしくはがん腫について蛍光細胞を特徴決定する際のファクターとして使用される、上記26の方法。
29.サンプル中の蛍光細胞が、同じサンプルまたは同じ患者由来の第2のサンプルからの非蛍光細胞と比較される、上記23の方法。
30.蛍光細胞が、蛍光フローサイトメトリーによって非蛍光細胞から分離される、上記
29の方法。
31.選ばれた組織もしくは器官の早期がんまたは前がん症状について患者を診断する方法であって、
a)選ばれた組織もしくは器官から細胞のサンプルを得て;そして
b)細胞のサンプルが異常な前がんもしくはがん細胞を含有しているか否かを上記1の方法によって決定して、その陽性の決定が、患者の選ばれた組織もしくは器官の早期がんまたは前がん症状の陽性診断を表す:
ことを含む方法。
32.がん治療に対する患者の応答の予後を判定する方法であって、
a)治療の前に、がんについて治療される患者の組織もしくは器官からの細胞のサンプルにおいて上記1の方法を実施し;
b)治療中一定間隔でおよび治療に続いて、がんについて治療されている患者の組織もしくは器官からの細胞の別のサンプルにおいて上記1の方法を実施し;そして
c)治療中および治療後に試験されたサンプルにおける異常な前がんまたはがん細胞のパーセントが、治療前に試験されたサンプルと比較して低下されたか否かを決定して、低下が、がん治療に対する患者の応答の予後を判定する:
ことを含む方法。
33.蛍光フローサイトメトリーによって細胞を、正常細胞を含有する集団と異常な前がんおよびがん細胞を含有する集団とに分別することをさらに含む、上記32の方法。
34.がん治療に対する患者の応答の予後を判定する方法であって、
a)治療の前に、がんについて治療される患者の組織もしくは器官からの細胞の非固定サンプルにおいて上記1の方法を実施し;
b)蛍光フローサイトメトリーによって細胞を、低い蛍光または非蛍光集団は正常または化生、高い蛍光集団は異形成またはがん腫である、低い蛍光または非蛍光の集団と高い蛍光集団とに分離し;
c)分離した細胞集団を可能性のあるがん治療剤によってイン・ビトロで処理し;そしてd)2つの細胞集団の各々において薬剤の効果を観察して、薬剤が、異形成またはがん腫細胞集団では所望のネガティブ効果を発揮し、そして正常細胞では効果を発揮しないか、または低い量において発揮するという観察が、がん治療に対する患者の応答の予後を判定する:
段階を含む方法。
35.患者の選ばれた標的組織において異形成またはがん腫細胞を検出する方法であって、
a)いずれかが存在していれば、異形成またはがん腫細胞の成分へのTCPPの結合を可能にする条件下で、TCPP溶液を標的組織中に導入し;
b)未結合のTCPPを標的組織から除去し;そして
c)標的組織の細胞におけるTCPP蛍光を検出して、そこでのTCPP蛍光の存在が、標的組織が異形成またはがん腫細胞を含有することを表す:
段階を含む、方法。
36.標的組織が、肺、乳腺、前立腺、頸部、咽喉、膀胱、口腔咽頭、皮膚および胃腸管からなる群から選ばれる、上記35の方法。
37.pH約8.5〜約pH12.0における、約50%〜約90%のアルコールを含有するアルコール水溶液中にTCPPを溶解することを含む、TCPP溶液を作成する方法。
38.アルコールがイソプロパノールである、上記37の方法。
39.pHが重炭酸ナトリウムもしくは水酸化アンモニウムにより調整される、上記37の方法。
40.溶解されるTCPPが約2mg/ml以下である、上記37の方法。
41.約8.5〜約12.0のpHにおける約50%〜約90%アルコールのアルコール水溶液中に溶解されたTCPPを含有する組成物。
42.溶液中のTCPPの濃度が約2mg/ml以下である、上記41の組成物。
43.アルコールがイソプロパノールである、上記41の組成物。
44.重炭酸ナトリウムもしくは水酸化アンモニウムにより調整されるpHを有する、上記41の組成物。
45.50%イソプロパノールおよび50mM重炭酸ナトリウム中にTCPP1mg/mlを含有する、上記41の組成物。
46.サンプル中の異形成またはがん腫細胞を検出するキットであって、サンプル中の異常な前がんまたはがん細胞の検出に使用するために、容器中のTCPPおよび指図書を含有するキット。
47.上記41の組成物を含有する、上記46のキット。
48.a)細胞のサンプルを収集するための構成要素;
b)固形支持体にサンプルを付着させるための構成要素;
c)既知のがん、異形成、化生または正常状態の対照細胞サンプル;および
d)TCPP蛍光を定量するための構成要素:
の1つ以上をさらに含む、上記46のキット。

Claims (3)

  1. サンプル中の異形成またはがん腫細胞を検出するキットであって、サンプル中の異常な前がんまたはがん細胞の検出に使用するために、容器中の5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンおよび指図書を含有するキット。
  2. 8.5〜12.0のpHにおける50%〜90%アルコールのアルコール水溶液中に溶解された5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンを含有する組成物を含有する、請求項1のキット。
  3. a)細胞のサンプルを収集するための構成要素;
    b)固形支持体にサンプルを付着させるための構成要素;
    c)既知のがん、異形成、化生または正常状態の対照細胞サンプル;および
    d)5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン蛍光を定量するための構成要素:
    の1つ以上をさらに含む、請求項1のキット。
JP2011108317A 2000-11-17 2011-05-13 5,10,15,20−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィンを使用する、細胞および組織サンプルにおける前がん症状を検出するための組成物および方法 Pending JP2011185947A (ja)

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