JP2011182299A - Memsトランスデューサとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】MEMSとして構成される超音波変換装置においてQ値と音圧の設計自由度を高め製造コストを低減する。
【解決手段】超音波振動を発生させる超音波素子と、前記超音波素子と一体の隔膜と、前記隔膜を底とする孔が形成された第一基板と、前記第一基板の前記孔の開口が形成された面に接合され、前記孔の開口を閉塞する領域に凹部または凸部が形成された閉塞部材と、を備え、MEMSとして構成された超音波変換装置。
【選択図】図1
【解決手段】超音波振動を発生させる超音波素子と、前記超音波素子と一体の隔膜と、前記隔膜を底とする孔が形成された第一基板と、前記第一基板の前記孔の開口が形成された面に接合され、前記孔の開口を閉塞する領域に凹部または凸部が形成された閉塞部材と、を備え、MEMSとして構成された超音波変換装置。
【選択図】図1
Description
本発明はMEMSトランスデューサ(Micro Electro Mechanical Systems)とその製造方法に関する。
従来、隔膜を超音波域の2つの周波数で振動させることによって指向性の高い音を発生させるMEMSトランスデューサとして超音波変換装置が知られている。超音波変換装置の隔膜の後方には、後方への音漏れを防止するための構造体が設けられている(特許文献1参照)。このような構造体と隔膜との間に形成される空洞の容積と形状は超音波変換装置が発生させる音圧の大きさやQ値に影響する。
このようなMEMSトランスデューサにおいて、隔膜の後方に形成される空洞の設計自由度はウエハの厚さに支配される。具体的には例えば、シリコンウエハを異方的にエッチングすることによって隔膜を底とするストレート孔を形成し、ストレート孔の開口をパッケージの基板で閉塞することによって空洞を形成する場合、空洞の容積はウエハの厚さとストレート孔の開口面積によってほぼ決まる。ところが、市場に供給されるウエハの厚さの選択肢は限定的である。特にウエハの厚みによってQ値が過大になると、音波の非線形吸収によって効率が低下したり、異なる周波数の超音波の音圧をそろえることができなくなるという問題が生ずる。
また、MEMSトランスデューサにおいて、隔膜後方の空洞はダイシング後の工程で孔の開口を閉塞することによって構成される。しかし、ダイシング後の工程では一製品あたりの工程コストが増大するとともに製造公差も増大する。
本発明は、MEMSトランスデューサにおいてQ値と音圧の設計自由度を高め製造コストを低減することを目的とする。
(1)前記目的を達成するためのMEMSトランスデューサは、主面に開口を有する非貫通孔が形成された基板と、前記非貫通孔の底部と結合した圧電変換部と、前記基板の前記主面に接合され、前記開口を閉塞する領域に凹部または凸部が形成された閉塞部材と、を備える。
本発明によると、閉塞部材に形成された凹部または凸部によって隔膜後方の空洞の容積と形状を調整することができる。したがって本発明によると隔膜後方の空洞の設計自由度を高め、これによりQ値と音圧の設計自由度を高めることができる。
本発明によると、閉塞部材に形成された凹部または凸部によって隔膜後方の空洞の容積と形状を調整することができる。したがって本発明によると隔膜後方の空洞の設計自由度を高め、これによりQ値と音圧の設計自由度を高めることができる。
(2)前記目的を達成するためのMEMSトランスデューサにおいて、前記閉塞部材は前記基板と結合している無機質基板と前記無機質基板と結合している感光性樹脂膜とを含み、前記感光性樹脂膜からなる前記凸部が前記開口を閉塞している領域に形成されていてもよい。
この場合、感光性樹脂膜からなる凸部をウエハ工程での感光性樹脂膜の形成と露光と現像によって形成できるため、隔膜後方に所定の形状と容積の空洞を低いコストで精度よく形成することができる。
この場合、感光性樹脂膜からなる凸部をウエハ工程での感光性樹脂膜の形成と露光と現像によって形成できるため、隔膜後方に所定の形状と容積の空洞を低いコストで精度よく形成することができる。
(3)前記目的を達成するためのMEMSトランスデューサの製造方法は、第一基板を準備する工程と、前記第一基板の主面に非貫通孔を形成する工程と、前記第一基板の前記主面の裏面の前記非貫通孔上に圧電変換部を形成する工程と、第二基板を準備する工程と、前記第二基板の主面に凹部または凸部を形成する工程と、前記非貫通孔の底部と前記凹部または前記凸部とが対向するように前記第一基板の主面と前記第二基板の主面とを接合する工程と、を含む。
本発明によると、隔膜後方の空洞の設計自由度を高め、これによりQ値と音圧の設計自由度を高めることができる。
本発明によると、隔膜後方の空洞の設計自由度を高め、これによりQ値と音圧の設計自由度を高めることができる。
(4)前記目的を達成するためのMEMSトランスデューサの製造方法において、前記第二基板は無機質基板であって、フォトリソグラフィを用いて前記無機質基板をエッチングすることによって前記凹部または前記凸部を形成してもよい。
この場合、隔膜後方の空洞の容積と形状を精度よく形成することができる。
この場合、隔膜後方の空洞の容積と形状を精度よく形成することができる。
(5)前記目的を達成するためのMEMSトランスデューサの製造方法において、前記第二基板は無機質基板であって、前記無機質基板上に感光性樹脂膜を形成し、前記感光性樹脂膜を露光し現像することによって前記感光性樹脂膜からなる前記凸部を形成してもよい。
この場合、隔膜後方の空洞の容積と形状を精度よく形成することができる。
なお、請求項に記載された各工程の実施順序は、記載順に限定されず、技術的な阻害要因がない限りにおいて逆順に実施されても良いし、複数の工程が同時に実施されても良い。
この場合、隔膜後方の空洞の容積と形状を精度よく形成することができる。
なお、請求項に記載された各工程の実施順序は、記載順に限定されず、技術的な阻害要因がない限りにおいて逆順に実施されても良いし、複数の工程が同時に実施されても良い。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下の順に説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
図1に本発明によるMEMSトランスデューサの第一実施形態としてのパラメトリックスピーカー1を示す。パラメトリックスピーカー1は半導体製造プロセスを用いて製造されるMEMSトランスデューサであって、図示しないケースに収容され、博物館等の施設での音声ガイド装置、AV機器、IT機器などに組み込まれる超指向性スピーカーとして用いられる。パラメトリックスピーカー1は第二基板160と第一基板10と圧電変換部として第一基板10上に形成された圧電素子11を備えている。第一基板10に形成された複数の隔膜12を圧電素子11によって駆動することによって2つの周波数成分を持つ超音波を送波すると、パラメトリックアレイ効果によって極めて指向性の高い可聴域の音を発生させることができる。
(構成)
図1に本発明によるMEMSトランスデューサの第一実施形態としてのパラメトリックスピーカー1を示す。パラメトリックスピーカー1は半導体製造プロセスを用いて製造されるMEMSトランスデューサであって、図示しないケースに収容され、博物館等の施設での音声ガイド装置、AV機器、IT機器などに組み込まれる超指向性スピーカーとして用いられる。パラメトリックスピーカー1は第二基板160と第一基板10と圧電変換部として第一基板10上に形成された圧電素子11を備えている。第一基板10に形成された複数の隔膜12を圧電素子11によって駆動することによって2つの周波数成分を持つ超音波を送波すると、パラメトリックアレイ効果によって極めて指向性の高い可聴域の音を発生させることができる。
複数の隔膜12は第一基板10に形成された複数の孔10aのそれぞれの底を構成している部分である。第一基板10は相対的に厚い単結晶珪素層101と相対的に薄い単結晶珪素層103とこれらに挟まれた絶縁層102とからなる。厚い単結晶珪素層101の厚さは例えば100〜2000μmとし、薄い単結晶珪素層103の厚さは例えば0.5〜10μmとし、絶縁層102は例えば厚さ0.05〜10μmの二酸化珪素とする。隔膜12は薄い単結晶珪素層103からなり、厚さは0.5〜100μmとする。孔10aは厚い単結晶珪素層101と絶縁層102とを貫通している。孔10aは断面が直径10〜10000μmの円形とし、深さが100〜2000μmのストレート孔とする。隔膜12の振動端は孔10aの断面形状によって決まる。
圧電変換部としての圧電素子11は各隔膜12上において第一基板10の薄い単結晶珪素層103の表面に接合されている。圧電素子11は複数の隔膜12のそれぞれを同相で駆動する。圧電素子11は下電極層111、上電極層113およびこれらの間に挟まれた圧電層112とからなる。圧電層112は例えば厚さ0.1〜100μmとしチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる。下電極層111、上電極層113はそれぞれ例えば厚さ0.05〜10μmとし、白金、金などからなる。
下電極層111は薄い単結晶珪素層103の全面に形成されている。圧電層112と上電極層113には下電極層111に導線を接続するための通孔11bが形成されている。また圧電層112と上電極層113には隔膜12の中央部と重なる部分において通孔11cが形成されている。第一基板10は隔膜12以外の部分においては十分な厚さを有するため実質的に剛体として振る舞う。したがって圧電素子11と一体に撓むのは第一基板10のうち隔膜12の部分のみである。また上電極層113と下電極層111とに駆動電圧が印加されることによって撓むのは圧電素子11のうち隔膜12と重なっている部分のみである。圧電層112が面内方向に収縮するとそれぞれの隔膜12は中央部が圧電素子11側に盛り上がるように変形する。圧電層112が面内方向に膨張するとそれぞれの隔膜12は中央部が孔10a側に盛り上がるように変形する。したがって圧電素子11に超音波振動を発生させると、圧電素子11と一体に振動する隔膜12から超音波が送波される。
第二基板160の主面は第一基板10の孔10aの開口が形成された面(主面)に接合され、孔10aの開口を気密に閉塞している。第二基板160と第一基板10とはポリイミドやエポキシ系の樹脂材料からなる接着層150を介して接合してもよいし、直接接合してもよい。第二基板160は単結晶珪素、ガラス、セラミックス等の無機材料からなる。
第二基板160の主面の複数の孔10aの開口を閉塞している領域にはそれぞれ凸部161が形成されている。凸部161は孔10aの内側に突出し、孔10aが構成している空洞Cを狭めている。凸部161の形状を調整することによって、空洞Cの容積と形状を調整することができる。具体的には凸部161を孔10aの内側に突出させることによって、孔10aの断面と第一基板10の厚さ(具体的には厚い単結晶珪素層101と絶縁層102の厚さ)によって決まる容積よりも空洞Cの容積を縮小することができる。空洞Cの容積を縮小するとQ値が下がり、その結果、2つの周波数の超音波の音圧が揃うように隔膜12を駆動することが容易になる。
このように構成されたパラメトリックスピーカー1は次のように作動する。図示しない導線を介して圧電素子16の下電極層111と上電極層113に超音波域の搬送波を可聴域の音声波によって振幅変調した変調波の駆動電圧を印加すると圧電素子16と一体に振動する隔膜12から前記変調波の超音波が送波され、超音波の強い指向性により隔膜12の振動軸線近傍の狭い範囲においてパラメトリックアレイ効果によって可聴音が発生する。パラメトリックアレイ効果とは、音波の非線形性に起因して、自己復調によってもとの音声波に相当する可聴音の空中音源が振動軸線近傍の直線的な領域に連続的に発生する現象である。このようなパラメトリックアレイ効果によって、比較的小型のパラメトリックスピーカー1であっても指向性が極めて強く実用的な可聴音の音圧が得られる。なお、可聴域の音声波に相当する周波数差を有する2つの超音波を隔膜12から送波させ、2つの超音波の間に生じるうなり現象により可聴域の音声波を復調してもよい。この場合、独立して駆動電圧が入力可能な2つの圧電素子16によって2個以上の隔膜12を互いに異なる周波数で振動させる必要がある。
パラメトリックスピーカー1のQ値と音圧は、隔膜12の後方に形成された空洞Cの容積と形状に相関する。本実施形態によると、第二基板160の凸部161の体積と形状を調整することによって、第一基板10の厚さや隔膜12の面積や形状から独立にQ値と音圧の調整をすることができる。
次に図2から図8を参照しながらパラメトリックスピーカー1の製造方法を説明する。
はじめに第一基板10となるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用意し、薄い単結晶珪素層103の表面上に下電極層111、圧電層112、上電極層113を図2に示すように順に形成する。下電極層111および上電極層113は例えば白金をスパッタ法によって積層することによって形成する。圧電層112は例えばチタン酸ジルコン酸鉛をスパッタ法によって積層することによって形成する。
はじめに第一基板10となるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用意し、薄い単結晶珪素層103の表面上に下電極層111、圧電層112、上電極層113を図2に示すように順に形成する。下電極層111および上電極層113は例えば白金をスパッタ法によって積層することによって形成する。圧電層112は例えばチタン酸ジルコン酸鉛をスパッタ法によって積層することによって形成する。
次に図3に示すように上電極層113の表面にフォトレジストからなる保護膜R1のパターンを形成し、保護膜R1を用いたイオンミリングによって上電極層113と圧電層112をエッチングする。このとき下電極層111を露出させない程度に圧電層112のエッチング深さを制御する。
次に前工程のイオンミリングによって形成された圧電層112の側壁を図4に示すように覆うとともに隔膜12の中央部と下電極層111の導線接続領域とにおいて開口しているフォトレジストからなる保護膜R2のパターンを上電極層113の表面に形成する。続いて、保護膜R2を用いたウエットエッチングによって圧電層112をエッチングして下電極層111を露出させる。これにより、圧電素子11が形成される。
次に図5に示すように第一基板10の厚い単結晶珪素層101の表面(主面)にフォトレジストからなる保護膜R3のパターンを形成し、保護膜R3を用いたDeep−RIE(Reactive Ion Etching)によって、薄い単結晶珪素層103を底とする非貫通孔としての孔10aを厚い単結晶珪素層101と絶縁層102とに形成する。これにより、薄い単結晶珪素層103からなる隔膜12と隔膜12を底とする孔10aが第一基板10に形成される。
次に第一基板10となるSOIウエハとは別に第二基板160となるウエハを用意し、フォトレジストからなる保護膜R4を第二基板160の主面に形成する。続いて図6に示すように、保護膜R4を露光し現像することによって凸部161を残存させるための保護膜R4のパターンを形成する。続いて保護膜R4を用いて第二基板160の主面をエッチングすることによって第二基板160の主面に凹部162および凸部161を形成する。第二基板160のエッチングはウエットプロセスでもドライプロセスでもよい。このようにダイシング前のウエハ工程におけるフォトリソグラフィを用いて凸部161を形成することによって、高い寸法精度の凸部161を低いコストで形成することができる。
次に、前工程で凸部161と凹部162が形成された面に感光性ポリイミドからなる接着層150を形成し、図7に示すように露光し現像することによって凸部161の表面から接着層150を除去する。
次に図8に示すように第一基板10の主面と第二基板160の主面とを接着層150を介して圧着し加熱することによって第一基板10と第二基板160とを接合する。これにより、第一基板10のウエハに形成された多数の孔10aの開口が第二基板160によって同時に閉塞され、それぞれの隔膜12と第二基板160との間に空洞Cが構成され、第二基板160の凸部161と隔膜12とが対向する。
以上のウエハ工程が終了した後に、ダイサーによって第一基板10と第二基板160とを個片へと切り分け、パッケージングなどの後工程を実施するとパラメトリックスピーカー1が完成する。
このようにダイシング前に空洞Cを形成するとき、多数の空洞Cの形状と容積が第二基板160のウエハに予め形成された凸部161によって同時に調整される。したがって以上説明した製造方法によると、第一基板10の厚さや隔膜12の形態とは独立に空洞Cの容積と形状を調整するコストを低減することができる。
2.第二実施形態
図9に本発明による超音波変換装置の第二実施形態としてのパラメトリックスピーカー2を示す。図9に示すように第二基板160に形成する凹部163によって隔膜12後方の空洞Cの容積を拡大してもよい。すなわち、第一基板10に形成された複数の孔10aの開口を閉塞する領域において第二基板160に凹部163を形成してもよい。隔膜12後方の空洞Cの容積を拡大するとQ値が高くなる。適正なQ値を得られる程度に厚い第一基板10を用意できない場合には、第二基板160の凹部163によって空洞Cの容積を拡大してQ値を最適化することができる。このような凹部163は第一実施形態と同様にフォトリソグラフィを用いて第二基板160をエッチングすることによって形成することができる。
図9に本発明による超音波変換装置の第二実施形態としてのパラメトリックスピーカー2を示す。図9に示すように第二基板160に形成する凹部163によって隔膜12後方の空洞Cの容積を拡大してもよい。すなわち、第一基板10に形成された複数の孔10aの開口を閉塞する領域において第二基板160に凹部163を形成してもよい。隔膜12後方の空洞Cの容積を拡大するとQ値が高くなる。適正なQ値を得られる程度に厚い第一基板10を用意できない場合には、第二基板160の凹部163によって空洞Cの容積を拡大してQ値を最適化することができる。このような凹部163は第一実施形態と同様にフォトリソグラフィを用いて第二基板160をエッチングすることによって形成することができる。
3.第三実施形態
図10に本発明による超音波変換装置の第三実施形態としてのパラメトリックスピーカー3を示す。図10に示すように第二基板160上に感光性樹脂膜からなる凸部165を結合することによって、隔膜12後方の空洞Cを狭めてもよい。すなわち、第二基板160のウエハの表面にフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜を露光し現像することによって感光性樹脂膜からなる凸部165を形成してもよい。このように凸部165をウエハ工程で形成した後に、凸部165が結合した第二基板160を第一基板10と接合する場合も、寸法精度が高い凸部165を低いコストで形成することができる。
図10に本発明による超音波変換装置の第三実施形態としてのパラメトリックスピーカー3を示す。図10に示すように第二基板160上に感光性樹脂膜からなる凸部165を結合することによって、隔膜12後方の空洞Cを狭めてもよい。すなわち、第二基板160のウエハの表面にフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜を露光し現像することによって感光性樹脂膜からなる凸部165を形成してもよい。このように凸部165をウエハ工程で形成した後に、凸部165が結合した第二基板160を第一基板10と接合する場合も、寸法精度が高い凸部165を低いコストで形成することができる。
4.他の実施形態
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば前記実施形態で示した材質や寸法や形状や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば前記実施形態で示した材質や寸法や形状や成膜方法やパターン転写方法はあくまで例示であるし、当業者であれば自明である工程の追加や削除や工程順序の入れ替えについては説明が省略されている。
隔膜12はポリイミド、PVDF(PolyVinylidene DiFluoride)、ゴム等の有機材料から構成してもよいし、酸化珪素、多結晶珪素、セラミック(ジルコニア(ZrO2)、アルミナ(Al2O3)など)、金属(Cuなど)等の無機材料で構成してもよい。隔膜12をこれらの材料で形成する場合、隔膜12となる層と隔膜12を支える下地層とが積層された板材が本発明にかかる非貫通孔が形成される基板を構成する。そしてこの基板を構成する板材は、SOIウエハのように一体的に形成される物であっても、単結晶珪素ウエハに膜材料が接合されたものであってもよい。また隔膜12の外周形態は円形に限らず、矩形であってもよいし、隔膜12に通孔が形成されていてもよいし、隔膜12が帯形状であってもよい。隔膜12の中央部と重なる部分において圧電素子11の下電極層111に通孔を形成してもよい。また上電極層113のパターンを変更し隔膜12の中央部を圧電素子11によって駆動してもよい。
空洞Cを狭める凸部161、165、空洞Cを広げる凹部163の形状は、台形であってもよいし、柱形であってもよいし、ドーム形であってもよいし、表面積を拡大するような多数の凹凸を含む形状であってもよいし、多孔質形状であってもよい。また第二基板160に接合される凸部165に吸音性の高い材料を用いてもよい。また凸部161、凹部163をサンドブラスト加工やレーザー加工等の機械的な加工方法によって形成してもよい。また凸部165を樹脂材料の印刷によって形成してもよい。また凸部161、165、凹部163のパターンを隔膜12毎に異ならせてもよい。これにより隔膜12毎にQ値と音圧の調整をすることができるとともに、低いコストで隔膜12毎にQ値と音圧を調整することができる。また凸部161、165、凹部163のパターンを隔膜12毎に異ならせることによって、1つの圧電素子11を用いて複数の隔膜12からそれぞれ異なる超音波を送波することも可能である。
また隔膜12後方の空洞Cと外部空間とを接続する通孔を第二基板160に形成してもよい。
また本発明によるMEMSトランスデューサをソナーなどのセンサに応用してもよい。
また本発明によるMEMSトランスデューサをソナーなどのセンサに応用してもよい。
1:パラメトリックスピーカー、2:パラメトリックスピーカー、3:パラメトリックスピーカー、10:第一基板、10a:孔、11:圧電素子、11b:通孔、11c:通孔、12:隔膜、16:圧電素子、101:単結晶珪素層、102:絶縁層、103:単結晶珪素層、111:下電極層、112:圧電層、113:上電極層、150:接着層、150:接着層、160:第二基板、161:凸部、162:凹部、163:凹部、165:凸部、C:空洞、R1:保護膜、R2:保護膜、R3:保護膜、R4:保護膜
Claims (5)
- 主面に開口を有する非貫通孔が形成された基板と、
前記非貫通孔の底部と結合した圧電変換部と、
前記基板の前記主面に接合され、前記開口を閉塞する領域に凹部または凸部が形成された閉塞部材と、
を備えるMEMSトランスデューサ。 - 前記閉塞部材は前記基板と結合している無機質基板と前記無機質基板と結合している感光性樹脂膜とを含み、
前記感光性樹脂膜からなる前記凸部が前記開口を閉塞している領域に形成されている、
請求項1に記載のMEMSトランスデューサ。 - 第一基板を準備する工程と、
前記第一基板の主面に非貫通孔を形成する工程と、
前記第一基板の前記主面の裏面の前記非貫通孔上に圧電変換部を形成する工程と、
第二基板を準備する工程と、
前記第二基板の主面に凹部または凸部を形成する工程と、
前記非貫通孔の底部と前記凹部または前記凸部とが対向するように前記第一基板の主面と前記第二基板の主面とを接合する工程と、
を含むMEMSトランスデューサの製造方法。 - 前記第二基板は無機質基板であって、
フォトリソグラフィを用いて前記無機質基板をエッチングすることによって前記凹部または前記凸部を形成する、
請求項3に記載のMEMSトランスデューサの製造方法。 - 前記第二基板は無機質基板であって、
前記無機質基板上に感光性樹脂膜を形成し、前記感光性樹脂膜を露光し現像することによって前記感光性樹脂膜からなる前記凸部を形成する、
請求項3に記載のMEMSトランスデューサの製造方法。
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JP2010046414A JP2011182299A (ja) | 2010-03-03 | 2010-03-03 | Memsトランスデューサとその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-03-03 JP JP2010046414A patent/JP2011182299A/ja not_active Withdrawn
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