JP2011179345A - ファンモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受の耐久性を確保できるファンモータを提供すること。
【解決手段】ファンモータ1では、バックヨーク20の筒状部18が軸受16を収容しているので、オイルを閉じ込めることができ、オイル漏れを可能な限り少なくして、インペラ部15の円滑な回転を可能にし、軸受16の耐久性を高めている。さらに、筒状部18の底部24により軸受16はベース板10から浮いた状態に保持されているので、インペラ部15の回転時に軸受16とベース板10や回路基板12との間に摩擦が生じることがなく、軸受16の磨耗劣化を防止できる。よって、軸受16の耐久性が確保される。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノートパソコン、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションなどに利用されるファンモータに関するものである。
従来、このような分野の技術として、特開2006−34055号公報がある。この公報に記載されたファンモータは、扁平型のブラシレスファンモータであり、回路基板及びコイルを有するステータと、ステータの中央に圧入された軸と、この軸に対して回転自在な軸受が固定されていると共に、外周部にインペラを有するロータとを備えている。ロータは磁性板からなるロータケースを有しており、バックヨークをなすロータケースには、その中心において軸受が接着により固定されると共に、ステータのコイルに対面するようにリング状マグネットが接着により固定されている。さらに、この軸受は、ロータケースの中央からステータ側に突出しており、軸受の端面はステータ上に配置されたスラストワッシャに当接している。
特開2006−34055号公報
しかしながら、上記した従来のファンモータでは、軸受がロータケースからステータ側に突出し、軸受の端面がスラストワッシャに当接しているので、ロータの回転に伴い軸受とスラストワッシャとの間に摩擦が生じる。そして、この摩擦により軸受が磨耗するため、軸受の劣化が早くなり、軸受の耐久性を確保することが難しかった。
本発明の目的は、軸受の耐久性を確保できるファンモータを提供することにある。
本発明に係るファンモータは、ベース板上の回路基板に固定されたコイルと、このコイルに対面するように配置されたマグネットが裏面側に固定されたインペラ部と、を有するファンモータにおいて、ベース板に立設されたシャフトと、マグネットとインペラ部の裏面との間に配置された板状のバックヨークと、バックヨークに固定されて、シャフトに対して回転自在な筒状の油含浸軸受と、を備え、バックヨークは、マグネットとインペラ部の裏面との間に配置された平板部と、平板部の内端からベース板側に膨出して、軸受が収容されると共に、シャフトが貫通するリング状の底部をもったカップ状の筒状部と、を有し、筒状部の底部は、軸受をベース板から浮いた状態に保持していることを特徴とする。
このファンモータに適用されるバックヨークの筒状部が油含浸軸受を収容しているので、オイルを閉じ込めることができ、オイル漏れを可能な限り少なくして、インペラ部の円滑な回転を可能にし、軸受の耐久性を高めている。さらに、筒状部の底部により軸受はベース板から浮いた状態に保持されているので、インペラ部の回転時に軸受とベース板や回路基板との間に摩擦が生じることがなく、軸受の磨耗劣化を防止できる。よって、軸受の耐久性が確保される。しかも、ベース板上のシャフト周りのエリアまで回路基板を延在させることができるので、回路基板を大型化でき、回路配線スペースを広くとることができる。そして、回路基板の大型化により、配線のし易さは言うに及ばず、回路基板の放熱効果を高め、電子部品の安定した動作を向上させることができる。さらに、軸受の重心がインペラ部側に寄っているので、回転時におけるインペラ部の振れを小さくでき、インペラ部の回転安定性の向上が図られている。また、バックヨークの一部として形成された筒状部内に軸受を落とし込むような組立作業を可能にし、軸受の組み付けを容易にしている。
また、軸受のインペラ部側の端部には、ドーナツ状のマグネットの開口内に配置されたフランジ部が形成され、筒状部は、フランジ部とマグネットとの間に環状に配置された第1の筒部と、第1の筒部より縮径されると共に、軸受の周面に沿って延在する第2の筒部と、を有すると好適である。この場合、軸受のインペラ部側の端部にはフランジ部が形成されるので、その分、軸受を大型化できる。よって、ファンモータを薄型化して軸受が短くなっても、フランジ部を採用することで、軸受の含油量を増大させることができ、ファンモータの薄型化と軸受の長寿命化とを両立することができる。
また、マグネットの内周面と前記第1の筒部の外周面とは圧着によって連結されていると好適である。この場合、ドーナツ状のマグネットとバックヨークの筒状部を利用して、マグネットの圧入化を可能とし、これによって、マグネットを容易且つ確実にバックヨークに固定させることができる。
また、筒状部の底部に軸受の端面が当接していると好適である。この場合、軸受の端面から油が漏れ出ることを筒状部の底部で堰き止めることができ、これによって、油が回路基板に付着するのを防止することができる。
本発明によれば、軸受の耐久性を確保できる。
本発明の実施形態に係るファンモータを正面側から見た分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るファンモータを背面側から見た分解斜視図である。 ファンモータの縦断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るファンモータについて、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、ファンモータ1は、例えばノートパソコン、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションなどの機器に内蔵されて、これらの冷却に利用される小型で軸流タイプのブラシレスファンモータである。ファンモータ1は、扁平型の筺体であって、対向する前後面の位置に吸込側及び吐出側の開口2a,2bを有するハウジング2と、ハウジング2に固定されたステータ3と、ステータ3の中央に立設されたシャフト4に対して回転可能なロータ6とを備えている。ステータ3及びロータ6は、ハウジング2内に形成された空間に収容されている。
ハウジング2には、吐出側の開口2bの中央に円形状のベース板10が配置され、このベース板10は、3本のブラケット9により、ハウジング本体9aに連結されている。ステータ3は、ベース板10の中央に形成された孔部10aに基端4aが圧入されることによりベース板10に垂直に立設されたシャフト4と、ベース板10上に重ねて固定され、ベース板10と略等しい外形形状をなす回路基板12と、回路基板12上において、シャフト4を挟んで対称に並置された2個のコイル13とを有している。
回路基板12の中央には、シャフト4を通す孔部12aが形成されており、この孔部12aの直径は、ベース板10の孔部10aの直径よりも多少大きくされている(図3参照)。すなわち、回路基板12は、シャフト4の周辺まで延在している。また、ベース板10と回路基板12との間には、ロータ6の停止位置を規制するためのフラックスプレート14が配置されている。さらに、回路基板12には、磁気を検知するホール素子(図示せず)などが搭載され、ホール素子からの電気信号に基づいて各コイル13への給電が制御される。
ロータ6は、回路基板12からシャフト4の軸線Aに沿う方向(以下、軸線A方向という)に所定距離離間し、回路基板12に対面するように配置されている(図3参照)。ロータ6は、回転によりハウジング2の吸込側の開口2aから空気を取り入れるインペラ部15と、インペラ部15の裏面側(ステータ3側)に配置された金属製で板状のバックヨーク20と、コイル13に対面するようにしてバックヨーク20の裏面側に固定されたドーナツ状のマグネット21と、バックヨーク20に固定されて、軸孔16aを貫通するシャフト4に対して回転自在な筒状の油含浸軸受16とを有している。
インペラ部15は、磁性体からなるバックヨーク20の表面側に固定されると共にシャフト4の先端4bを中心として回転自在に支持されている。インペラ部15は、これに固定されたリング状のクリップ31と、シャフト4の頭部4cとによって抜けが防止されている。
インペラ部15は、シャフト4の頭部4cを収容するための凹部32aを裏面の中心に有して、シャフト4の先端4bにより支持されると共に、先端4bを中心として回転自在なボス部32と、ボス部32の周縁で一体成形された5枚の羽根33とにより構成されている。ボス部32の裏面には、凹部32aを中心とする円周上に等間隔に配置されたカシメ用の4本の突起34が設けられている。
クリップ31の中央には、シャフト4の頭部4cよりも直径が小さくされた孔部31aが形成されている。このクリップ31は、シャフト4の頭部4cが孔部31aに強く押し当てられると、弾性的に変形して孔部31aへの頭部4cの通過を許容し、頭部4cが孔部31aを通過して凹部32a内に進入すると、元の形状に戻って孔部31aからの頭部4cの抜けを防止する。
バックヨーク20は、マグネット21とインペラ部15の裏面との間に配置された平板部19と、平板部19の内端からベース板10側に膨出して、軸受16が収容されると共に、シャフト4が貫通するリング状の底部24をもったカップ状の筒状部18とを有している。
平板部19は、ボス部32の裏面及びマグネット21のボス部32側の面21aに当接するマグネット当接部26と、マグネット21の外周縁と内周縁との中間位置において、マグネット当接部26から円筒状に立ち上がるようにしてインペラ部15に向けて突出するインペラ連結部27とを有している。インペラ連結部27には、ボス部32の突起34に対応する位置に4個のインペラ固定孔28が形成されている。そして、各インペラ固定孔28に突起34が挿入されて、突起34を潰すことにより、バックヨーク20に対してインペラ部15が固定される。
ここで、筒状部18に収容された軸受16は、バックヨーク20の筒状部18内に圧入された円柱形状の胴部16bと、この胴部16bのインペラ部15側に位置し胴部16bよりも拡径されたフランジ部16cとを有している。フランジ部16cは、マグネット21の開口21b内に配置されている。
バックヨーク20の筒状部18は、フランジ部16cとマグネット21との間に環状に配置された第1の筒部22と、第1の筒部22より縮径されると共に、軸受16の胴部16bの周面に沿って延在する第2の筒部23と、第1の筒部22と第2の筒部23とを連結するドーナツ状の段部25と、シャフト4が貫通するシャフト貫通孔24aが中央に形成されたリング状の底部24とを有している。
第1の筒部22は、コイル13から軸線A方向に離間すると共に、軸線A方向でコイル13に多少重なる位置にまで広がっている。第1の筒部22の外径は、マグネット21の開口21bの内径と略等しくされており、第1の筒部22の外周面とマグネット21の内周面とは、圧着によって連結されている。また、第1の筒部22内には、軸受16のフランジ部16cが収容されている。そして、フランジ部16cにより、軸受16の体積を大きくしているので、ファンモータ1の薄型化により軸受16の軸線A方向の長さが短くなる場合であっても、軸受16の体積を確保することができ、軸受16の含油量を確保できる。
第2の筒部23は、コイル13から径方向に離間し、第2の筒部23の端面は、回路基板12から軸線A方向に若干離間している。第2の筒部23の内径は、胴部16bの外径と略等しくされており、第2の筒部23内には、胴部16bが圧入されている。また、一方のコイル13と他方のコイル13との間の限られた空間内において、第2の筒部23が金属ゆえに薄くし易く、その結果として、胴部16bの直径を大きくでき、軸受16の体積を増やすことができる。従って、直径を大きくした分だけ、軸受16の含油量を増大できる。
筒状部18の底部24は、回路基板12から軸線A方向に所定距離離間して回路基板12に対面している。底部24には、第2の筒部23に圧入された軸受16の端面16dが突き当てられている。このようにして、底部24は、軸受16をベース板10及び回路基板12から浮いた状態に保持している。なお、軸受16のフランジ部16cは、バックヨーク20の段部25には当接せずに、段部25から若干浮いた状態になっている。
上述したように、バックヨーク20の筒状部18はカップ状になっているので、軸受16は、胴部16bから筒状部18内に落とし込まれるようにしてバックヨーク20に対して組み付けられる。
このようなファンモータ1の動作においては、コイル13への給電によりシャフト4に対してロータ6のインペラ30が回転し、このインペラ30の回転により、ノートパソコンなどの機器内で暖められた空気がハウジング2内を通り機器外へと排出される。ここで、バックヨーク20の筒状部18は、軸受16を回路基板12から浮かせた状態に保持しながら、軸受16と共に回転する。
以上説明した本実施形態のファンモータ1によれば、バックヨーク20の筒状部18が軸受16を収容しているので、オイルを閉じ込めることができ、オイル漏れを可能な限り少なくして、インペラ部15の円滑な回転を可能にし、軸受16の耐久性を高めている。さらに、筒状部18の底部24により軸受16はベース板10から浮いた状態に保持されているので、インペラ部15の回転時に軸受16とベース板10や回路基板12との間に摩擦が生じることがなく、軸受16の磨耗劣化を防止できる。よって、軸受16の耐久性が確保される。しかも、ベース板10上のシャフト4周りのエリアまで回路基板12が延在しているので、回路基板12を大型化でき、回路配線スペースを広くとることができる。そして、回路基板12の大型化により、配線のし易さは言うに及ばず、回路基板12の放熱効果を高め、電子部品の安定した動作を向上させることができる。さらに、軸受16の重心がインペラ部15側に寄っているので、回転時におけるインペラ部15の振れを小さくでき、インペラ部15の回転安定性の向上が図られている。また、バックヨーク20の一部として形成された筒状部18内に軸受16を落とし込むような組立作業を可能にし、軸受16の組み付けを容易にしている。
さらに、軸受16のインペラ部15側の端部にはフランジ部16cが形成されるので、その分、軸受16を大型化できる。よって、ファンモータ1を薄型化して軸受16が短くなっても、フランジ部16cを採用することで、軸受16の含油量を増大させることができ、ファンモータ1の薄型化と軸受16の長寿命化とを両立することができる。
また、マグネット21と第1の筒部22とは圧入によって連結されているので、ドーナツ状のマグネット21とバックヨーク20の筒状部18を利用して、マグネット21の圧入化を可能とし、これによって、マグネット21を容易且つ確実にバックヨーク20に固定させることができる。
また、筒状部18の底部24に軸受16の端面16dが当接しているので、軸受16の端面16dから油が漏れ出ることを筒状部18の底部24で堰き止めることができ、これによって、油が回路基板12に付着するのを防止することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、シャフト4の軸線Aに直交する方向に空気を送り出すインペラ部を備えたサイドフロー型の小型ファンモータに適用してもよい。
1…ファンモータ、4…シャフト、10…ベース板、12…回路基板、13…コイル、15…インペラ部、16…油含浸軸受、16c…フランジ部、16d…端面、18…筒状部、19…平板部、20…バックヨーク、21…マグネット、21b…開口、22…第1の筒部、23…第2の筒部、24…底部。

Claims (4)

  1. ベース板上の回路基板に固定されたコイルと、このコイルに対面するように配置されたマグネットが裏面側に固定されたインペラ部と、を有するファンモータにおいて、
    前記ベース板に立設されたシャフトと、
    前記マグネットと前記インペラ部の裏面との間に配置された板状のバックヨークと、
    前記バックヨークに固定されて、前記シャフトに対して回転自在な筒状の油含浸軸受と、を備え、
    前記バックヨークは、
    前記マグネットと前記インペラ部の裏面との間に配置された平板部と、
    前記平板部の内端から前記ベース板側に膨出して、前記軸受が収容されると共に、前記シャフトが貫通するリング状の底部をもったカップ状の筒状部と、を有し、
    前記筒状部の前記底部は、前記軸受を前記ベース板から浮いた状態に保持していることを特徴とするファンモータ。
  2. 前記軸受の前記インペラ部側の端部には、ドーナツ状の前記マグネットの開口内に配置されたフランジ部が形成され、
    前記筒状部は、
    前記フランジ部と前記マグネットとの間に環状に配置された第1の筒部と、
    前記第1の筒部より縮径されると共に、前記軸受の周面に沿って延在する第2の筒部と、を有することを特徴とする請求項1記載のファンモータ。
  3. 前記マグネットの内周面と前記第1の筒部の外周面とは圧着によって連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファンモータ。
  4. 前記筒状部の前記底部に前記軸受の端面が当接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のファンモータ。
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