JP2011172238A - デジタル加入者回線システムの推定 - Google Patents

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Abstract

【課題】DSL結合装置およびその他のグループを含む、DSLシステムのモデル化を可能にし、その限られた情報から本質的により多くの情報を推測することができるシステムを提供する。
【解決手段】DSLシステムなどの通信システム構成の推定は、ネットワーク要素管理システム、プロトコル、ユーザおよび/または同類から収集する運用データに基づく。システムから収集する運用データは、要素管理システムプロトコルによりDSLシステムにおいて典型的に利用可能な性能を特徴付ける運用データを含むことができる。生成する推定および/または近似はシステム性能を評価し、直接または間接的に送信機および/または通信システムのその他の部分による運用の変更を指令/要求するか、または改良を推奨するのに使用することができる。
【選択図】図3A

Description

本発明は、全般的にデジタル通信システムを管理する方法、システムおよび装置に関する。より詳細には、本発明はDSLシステムなどの通信システムにおける1つ以上のチャネルまたは回線構成の推定に関する。
[関連出願の相互参照]
本願は、2004年4月2日出願の米国特許出願第10/817,128号(代理人整理番号第0101−p03)「DSLシステムの推定およびパラメータの推奨」の一部継続であり、米国特許法第119(e)条の下に2003年12月7日出願の米国特許仮出願第60/527,853号(代理人整理番号第0101−p01p)「通信システムの動的管理」の優先権の利益を主張するものであり、その開示を全てあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。
本願は、米国特許法第119(e)条の下に2005年7月10日出願の米国特許仮出願第60/698,113号(代理人整理番号第0101−p28p)「DSLシステム」の優先権の利益を主張するものであり、その開示を全てあらゆる目的のために参照により本明細書に組み込む。
デジタル加入者回線(digital subscriber line、DSL)技術は、既存の電話加入者回線(ループおよび/または銅設備と称する)を経るデジタル通信のために潜在的に広い帯域幅を提供する。「xDSL」および「DSL」は、一般にADSL、HDSL、SDSL、SHDSL、IDSL、VDSLおよびRADSLなど、パケットベースのアーキテクチャを含むデジタル加入者回線装置およびサービスを参照するのに使用する用語である。DSL技術は、敷設撚り対線、銅ケーブル設備を経て非常に広い帯域幅を提供し、帯域幅を中心とするアプリケーションに対する大きな可能性を提供することができる。DSLサービスは、(30MHzまでの周波数を含む帯域幅を使用するDSLサービスと比較して、約4KHzまでの周波数を含む帯域幅を典型的に使用する)これまでの電話サービスより遥かに多く回線状態(例えば、銅ループの長さ、品質および環境)に依存する。
幾つかのローカルループは(例えば、マイクロフィルタまたはスプリッタを実装し、ブリッジタップおよび不良接続を持たない短い長さから中程度の長さを有する)DSLを実装するのに非常に良い状態にあるが、多くのローカルループはそれほど適していない。例えば、ローカルループ長は大きく変動し、ローカルループ線路の口径はループ長に渡って一定ではありえず(共に接続する2つ以上の異なる口径を有し)、多くのループはマイクロフィルタまたは正しく実装されたスプリッタを持たず、多くの既存ローカルループは1つ以上のブリッジタップ(一端でループに接続し、他端で接続断にするか、または不適切に終端する、ある長さの線路対)を有する。加えて、ローカルループは不良接続または不良コネクタを有することがあるか、またはループと直列に接続する継承デバイス(パーティ回線システム、アラームシステムなど)を有することがある。このタイプの回線情報はDSLシステムの評価および構成に重要であり、DSLループが異なると、従って異なる振る舞いをすることを意味しうる。情報は個々の回線に関して存在しうるか、または以前の技術(例えば、音声帯域測定およびループ検定法を使用する評価)を使用して判断することができる。とはいえ、この情報の幾つかの精度は疑問であり、同じグループの回線の中でも回線品質は大きく変動することがわかっている。さらに、音声帯域測定はループのDSL環境を常に正確に反映しない。それ故、例えば各結合装置またはその他のグループの単一回線を評価し、次いでその情報をこのようなグループの全ての他の回線に外挿する技術は、これら他の回線または評価した回線自体に関しても正確な情報を提供することができない。
その他の技術には時間領域反射測定を使用するDSL伝送回線を特徴付けるものを含み、この測定では所定の試験信号を原点からDSL伝送回線に送信し、回線は逆に原点へ信号の一部を反射させ、反射信号を分析して、伝送回線特性を判断する。その他の状況では、参照ループを分析し、および/または特徴付けし、伝送関数を生成し、参照ループにおける信号に関する減衰、雑音などの影響をモデル化する。典型的には、各結合装置またはその他の回線のグループに1つの参照ループを選択し、および評価する。
DSL結合装置およびその他のグループを含む、DSLシステムのモデル化を可能にするシステム、方法および技術は当技術分野における大きな進歩を表すであろう。特に、管理システムは回線に関して名目上限られた情報のみを提供することができ、その限られた情報から本質的により多くの情報を推測することができるシステムは、DSLのサービス速度および関連範囲の分野におけるかなりの進歩を表すであろう。
本発明の方法、システム、装置、コンピュータプログラム製品およびその他の実施形態は、DSLシステムなどの通信システム構成の推定を使用し、この推定はネットワーク要素管理システム、プロトコル、ユーザおよび/または同類から収集する運用データに基づく。システムから収集する運用データは、要素管理システムプロトコルによりDSLシステムにおいて典型的に利用可能な性能を特徴付ける運用データを含むことができる。生成する推定および/または近似はシステム性能を評価し、直接または間接的に送信機および/または通信システムのその他の部分による運用の変更を指令/要求するか、または改良を推奨するのに使用することができる。データおよび/またはその他の情報は「内部」手段を使用して収集することができるか、または電子メールおよび/またはその他の「外部」手段を介してシステム要素および構成要素から入手することができる。モデルの確からしさは、観測する通常運用データ、試験データおよび/または抽出する運用データなどのシステム性能に関する種々のデータ、情報および/または指標に基づくことができ、これらのデータ等はシミュレーション信号に基づく運用性能を示す。このような抽出データの一例は、所与のチャネルのHlogを使用して、ブリッジタップ、不良接続およびマイクロフィルタの欠落または誤使用に関する情報を入手する。
近似しようとするシステム構成は、ループ構成、ループ長、ブリッジタップの存在、ブリッジタップ長、不良接続の存在、マイクロフィルタまたはスプリッタの欠落などを含むことができる。データは、一度かまたは時間を掛けて、例えば周期ベース、要求ベース、または任意のその他の非周期ベースで収集することができ、従って所望であれば推定装置がそのシステム構成近似を更新することを可能にする。
本発明のさらなる詳細および利点は以下の「発明を実施するための最良の形態」および関連図面において提示する。
本発明は添付する図面と共に以下の詳細な説明により容易に理解されようが、図面では同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
G.997.1規格による参照モデルシステムの概要ブロックである。 汎用で、例示的なDSL実施の概要ブロック図である。 本発明の一実施形態によるモデルベースの制御装置を含むコントローラである。 本発明の一実施形態によるDSL最適化装置である。 本発明の1つ以上の実施形態によるブリッジタップを持つDSL回線の試験ループパラメータベクトルとブリッジタップを持たないDSL回線の参照パラメータベクトルとの間の差分の図である。 本発明の1つ以上の実施形態による1つ以上の方法のフローチャートである。 DSL回線のチャネル周波数応答およびエコーの大きさを示す。 不良接続を持つ、および持たないDSLループの挿入損失の図である。 本発明の1つ以上の実施形態による1つ以上の方法の別のフローチャートである。 DSLシステムのチャネル周波数応答およびエコーの大きさの図である。 ADSLシステムの電話機対モデムのインピーダンス比を示す。 DSLループのCPEにおけるチャネル伝送関数を示す。 DSLループのCPEにおけるエコー伝送関数を示す。 本発明の1つ以上の実施形態による1つ以上の方法の別のフローチャートである。 本発明の実施形態の実装に適する典型的なコンピュータシステムのブロック図である。
以下の「発明を実施するための最良の形態」では1つ以上の本発明の実施形態を参照することとするが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。それより、最良の形態は説明することのみを意図する。本発明はこれらの限定的な実施形態を超えるので、図に関して本明細書で提示する最良の形態は、説明する目的で提示するものであることを当業者は容易に認識するであろう。
本発明の実施形態は、ネットワーク要素管理システム、プロトコルまたは同類から収集する運用データに基づき所与のxDSLシステム(等価的にDSLシステムと称することもある)の構成を推定する。このように生成する推定を使用し、例えばユーザのデータ速度、送信電力レベルなどを設定することにより、次いでコントローラは運用モードを制御する(またはモードを推奨することができる)。DSLシステムの正確な構成は判断できないが、それにもかかわらず本発明を使用して入手する全体的または部分的近似、または推定は種々の目的に極めて貴重であり、この目的にはユーザのシステム使用の最適化におけるユーザ支援、または回線構成の最小の変更により性能を大きく改善することができる回線の検出、または技術者の介入が必要な回線の特定を含むが、以上に限定されない。システムから収集する運用データは性能を特徴付ける運用データを含むことができ、この運用データは要素管理システムプロトコルによりDSLシステムにおいて利用することができる。推定装置および/またはコントローラ(例えば、動的スペクトラム管理装置またはその他の個々のエンティティ)は本発明の方法を実施し、種々の方法で本発明を実装することができる。
以下でさらに詳細に記述するように、1つ以上の本発明の実施形態を実装する推定装置はコントローラの一部(例えば、動的スペクトラム管理装置またはスペクトラム管理センタ)でありうる。これらの構成要素はコンピュータを実装するデバイス、または適する運用データを収集し、分析するデバイスの組み合わせでありうる。生成する推定を使用して、システム性能の評価およびシステムにおいて動作する送信機による運用における変更の直接または間接的指令/要求または改善の推奨を行うことができる。コントローラおよび/または推定装置はどこにでも位置することができる。幾つかの実施形態では、コントローラおよび/または推定装置はDSL COに所在し、一方その他の場合にはコントローラおよび/または推定装置をCOの外部に位置する第3者により運用することができる。本発明の実施形態と共に使用することができるコントローラおよび/または推定装置の構成、プログラムおよびその他の特定の特徴は本発明の開示を見れば当業者には明らかであろう。
本発明の実施形態に関する以下の例では例示的通信システムとしてDSLシステムを使用することとする。これらのDSLシステムの中では、一定の約束、ルール、プロトコルなどを使用して、例示的DSLシステムの動作、ユーザおよび/またはシステムにおける装置から利用可能な情報および/またはデータを記述することができる。一方当業者が認識するであろうように、本発明の実施形態を種々の通信システムに適用することができるが、本発明は特定のシステムに限定されることはない。システム構成の知見が貴重であるであろう任意のデータ伝送システムにおいて、本発明を使用することができる。
DSL物理層リソースの管理に種々のネットワーク管理要素を使用するが、ここで要素はDSLモデム対内の集約的、または個々の終端部におけるか、いずれかのパラメータまたは機能を意味する。ネットワーク管理フレームワークは構成上1つ以上の管理対象ノードを含み、そのそれぞれはエージェントを含む。管理対象ノードはルータ、ブリッジ、スイッチ、DSLモデムまたはその他でありえよう。管理装置と呼ぶことが多い、少なくとも1つのNMS(Network Management System、ネットワーク管理システム)は管理対象ノードを監視、制御し、通常一般のPCまたはその他のコンピュータを基本とする。ネットワーク管理プロトコルを管理装置およびエージェントが使用して、管理情報およびデータを交換する。管理装置の情報はオブジェクトである。関連オブジェクトの収集を管理情報ベース(Management Information Base、MIB)として定義する。
図1は、G.997.1規格(G.ploam)による参照モデルシステムを示し、この参照モデルシステムをあらゆる目的のために参照により全て本明細書に組み込む。スプリッタを含むことができるか、または含むことができない、ADSL1(G.992.1)、ADSL−Lite(G.992.2)、ADSL2(G.992.3)、ADSL2−LiteG.992.4、ADSL2+(G.992.5)およびVDSL2(G.993.2)規格、並びに結合を持つ、および持たない全てのG.991.1およびG.991.2SHDSL規格などの種々の規格を満たす全てのADSLシステムに、このモデルを適用する。このモデルは当業者にはよく知られている。
G.997.1規格は、G.997.1において定義される明確な敷設運用チャネル(embedded operation channel、EOC)に基づくDSL伝送システムの物理層管理およびG.99x規格において定義される指示ビットおよびEOCメッセージの使用を指定する。その上、G.997.1は構成、障害および性能管理のためのネットワーク管理要素の内容を指定する。これらの機能の実行において、システムはアクセスノード(access node,AN)において利用可能な種々の運用データを利用する。
図1で、ユーザ端末装置110をホームネットワーク112に連結し、ホームネットワークを次にネットワーク終端装置(network termination unit、NT)120に連結する。NT120はATU−R122(例えば、ADSL規格の1つが定義する送受信機)または任意のその他の適するネットワーク終端モデム、送受信機またはその他の通信装置を含む。NT120は、また管理エンティティ(management entity、ME)124を含む。ME124は、任意の適用可能な規格および/またはその他の標準が要求するように実行することができるマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、またはファームウェアまたはハードウェアにおける回路状態マシーンなどの、任意の適するハードウェアデバイスでありうる。ME124は性能データを収集し、そのMIBに格納するが、MIBは各MEが維持する情報データベースであり、SNMP(Simple Network Management Protocol)、即ち管理者コンソール/プログラムに提供する情報をネットワークデバイスから、またはTL1命令により集めるのに使用する管理プロトコルなどのネットワーク管理プロトコルを介してアクセスすることができ、TL1は通信ネットワーク要素間の応答および命令をプログラムするのに使用する長らく確立されたコマンド言語である。
システムにおける各ATU−RをCOまたはその他の中央位置のATU−Cに連結する。図1では、ATU−C142はCO146のアクセスノード(AN)140に位置する。ME144も同様にATU−C142に関する性能データのMIBを維持する。当業者が認識するであろうように、AN140を広帯域ネットワーク170またはその他のネットワークに連結することができる。ATU−R122およびATU−C142をループ130により共に連結するが、ループ130はADSLの場合、典型的に他の通信サービスをも担う電話撚り対線である。
図1に示す幾つかのインタフェースを性能データの判断および収集に使用する。Q−インタフェース155は運用会社のNMS150とAN140のME144との間のインタフェースを提供する。G.997.1規格に指定される全てのパラメータをQ−インタフェース155において適用する。ME144においてサポートする近端パラメータはATU−C142から導出するが、一方ATU−R122からの遠端パラメータはU−インタフェースを経る2つのインタフェースのいずれかが導出することができる。敷設チャネル132を使用して送信し、PMD層において提供する、指示ビットおよびEOCメッセージを使用して、ME144において必要なATU−R122パラメータを生成することができる。あるいはME144が必要とする場合、OAMチャネルおよび適するプロトコルを使用して、ATU−R122からパラメータを取り出すことができる。同様に、ATU−C142からの遠端パラメータはU−インタフェースを経る2つのインタフェースのいずれかが導出することができる。PMD層において提供する、指示ビットおよびEOCメッセージを使用して、NT120のME122において必要なATU−C142パラメータを生成することができる。あるいはME124が必要とする場合、OAMチャネルおよび適するプロトコルを使用して、ATU−C142からパラメータを取り出すことができる。
(本質的にループ130である)U−インタフェースには、ATU−C142(U−Cインタフェース157)に1つ、およびATU−R122(U−Rインタフェース158)に1つの、計2つの管理インタフェースがある。インタフェース157は、ATU−R122がU−インタフェース130を経て取り出すATU−C近端パラメータを提供する。同様にインタフェース158は、ATU−C142がU−インタフェース130を経て取り出すATU−R近端パラメータを提供する。適用するパラメータは、使用する送受信機規格(例えば、G.992.1またはG.992.2)に依存することができる。
G.997.1規格はU−インタフェースを横切る運用OAM通信チャネルを指定する。このチャネルを実装すれば、ATU−CとATU−Rとの対は物理層OAMメッセージの伝送にそのチャネルを使用することができる。従って、このようなシステムの送受信機122,142はそのそれぞれのMIBに維持する種々の運用および性能データを共有する。
あらゆる目的のために参照により本明細書にその全てを組み込む、「ADSLネットワーク要素管理」と題する1998年3月のADSLフォーラム技術報告TR−005に、ADSL NMSに関するより多くの情報を見ることができる。また、「CPE WAN管理プロトコル」と題する2004年5月のDSLフォーラムDSLフォーラムTR−069をあらゆる目的のために参照により本明細書にその全てを組み込む。また、「LAN−側DSL CPE構成仕様」と題する2004年5月のDSLフォーラムDSLフォーラムTR−064をあらゆる目的のために参照により本明細書にその全てを組み込む。これらの文献はCPE側管理のための種々の状況を提示する。また、2006年6月のNIPP−NAI技術報告草案、寄書番号NIPP−NAI−2006−028R2「動的スペクトラム管理技術報告」ではCOおよびCPE側管理のための幾つかの状況を提示する。
当業者が認識するであろうように、これらの文献に記述される少なくとも幾つかのパラメータは本発明の実施形態と共に使用することができる。その上、少なくとも幾つかのシステム記述も同様に本発明の実施形態に適用することができる。ADSL NMSから利用可能な種々のタイプの運用データおよび情報を以上の文献に見ることができ、その他は当業者に既知であろう。
幾つかの送受信機対が動作中、および/または利用可能であるDSL設備の典型的なトポロジーでは、各加入者ループの一部は複数対結合装置(即ち束)内の他のユーザのループと並存する。顧客宅内装置(Customer Premises Equipment、CPE)に非常に近い基線の後、ループはドロップワイヤの形式を取り、束から出る。それ故、加入者ループは2つの異なる環境を通過する。ループの一部は結合装置内に位置することができ、ここではループは時に外部の電磁的干渉から保護されるが、漏話を受ける。基線の後、ドロップワイヤは漏話に影響されないことが多いが、これはドロップワイヤが大部分のドロップワイヤのための他の対線から遠いからであるが、伝送はまた電磁的干渉によりさらに大きく障害を受けるが、これはドロップワイヤが保護されていないからである。多くのドロップワイヤはその中に2本から8本の撚り対線を有し、家庭への複数サービスか、またはこれらの回線を結合する(単一サービスの多重化および多重化解除)状況では、さらなる実質的な漏話がドロップ部のこれらの回線間に生じうる。
汎用で、例示的DSL実施シナリオを図2に示す。総計(L+M)のユーザ291、292の全加入者ループは少なくとも1つの共通結合装置を通過する。専用線を通じて各ユーザを中央局210、220に接続する。一方、各加入者ループは種々の環境および媒体を通過することがありうる。図2で、Lユーザ291を光ファイバ213と銅の撚り対線217の組み合わせを使用してCO210に接続し、この接続を一般にファイバ・ツー・ザ・キャビネット(FTTCab)またはファイバ・ツー・ザ・カーブと称する。CO210の送受信機211からの信号はその信号をCO210の光回線端末212および光ネットワーク端末215および光ネットワーク装置(optical network unit、ONU)218により変換する。ONU218のモデム216はONU218とユーザ291との間の信号に対する送受信機として動作する。
残りのMユーザ292のループ227は銅の撚り対線のみであり、ファイバ・ツー・ザ交換機(Fiber to the Exchange、FTTEx)と称するシナリオである。可能性があり、経済的に実施可能であれば何時でも、FTTCabはFTTExより好ましいが、それはこれにより加入者ループの銅部分の長さを削減し、従って達成可能な速度を高めるからである。FTTCabループの存在はFTTExループに対して問題を生じうる。その上、FTTCabは将来益々普及するトポロジーになると期待される。このタイプのトポロジーは実質的な漏話干渉に至ることがありえ、多様なユーザ回線はそれが動作する特定の環境により、種々のデータを搬送し、種々の性能の可能性を有することを意味しうる。トポロジーは、ファイバにより供給する「キャビネット」回線および交換機回線を同じ結合装置の中で混在させることができるようなものでありうる。
図2において見ることができるように、CO220からユーザ292への回線は、CO210とユーザ291との間の回線が使用しない結合装置222を共有する。その上、別の結合装置240はCO210およびCO220並びにそのそれぞれのユーザ291,292を出入りする全ての回線に共通である。
図3Aに示す本発明の一実施形態によれば、推定装置300は独立のエンティティの一部でありえ、独立のエンティティはコントローラ310(例えば、動的スペクトラム管理装置)としてDSLシステムを監視し、コントローラはユーザおよび/または1つ以上のシステム運用会社またはプロバイダのそのシステム使用の最適化を支援する。このような動的スペクトラム管理装置は正確な、または凡そのシステム構成を知ることから大いに便益を得ることができる。(動的スペクトラム管理装置を、また動的スペクトラム管理センタ、DSL最適化装置、DSMセンタ、システム保守センタ(System Maintenance Center)即ちSMCと称することができる。)幾つかの実施形態では、コントローラ310はCOまたはその他の位置から幾つかのDSL回線を運用するILECまたはCLECでありうる。図3Aにおける破線346から見るように、コントローラ310はCO146に存在することができるか、またはその外部にあり、CO146とは独立でありえ、システム内で動作する任意の会社でありうる。その上、コントローラ310を複数のCOに接続することができる、および/または複数のCOを制御することができる。図3Aの例示的システムでは、推定手段340をコントローラ310における運用モード指令信号生成手段350に連結する。この信号生成装置350を、運用モード指令信号を生成し、運用モード指令信号を通信システム(例えば、ADSL送受信機)におけるユーザへ送信するように構成する。これらの指令は受容可能なデータ速度、送信電力レベル、符号化および潜伏時間要求などを含むことができる。
近似しようとするシステム構成はループ構成、ループ長、ブリッジタップの存在、ブリッジタップの長さ、不良接続の存在、マイクロフィルタまたはスプリッタの欠落、ループにおけるある継承デバイスの存在などを含みうる。当業者が認識するであろうように、コントローラ/動的スペクトラム管理装置が完全に独立の(即ち、CO内において回線を所有する、および/または運用する会社が所有しない、および/または運用しない)エンティティであれば、多くのシステム構成情報は利用可能ではない。CLECまたはILECがコントローラ310として機能する場合でも、多くのシステム構成データは未知でありえよう。
推定装置300は収集手段と特定するデータ収集装置320および分析手段と特定するデータ分析装置340を含む。図3Aに見るように、(一般に既知のタイプのコンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュールなどでありうる)収集手段320をNMS150、AN140におけるME144および/またはME144が維持するMIB148に連結することができ、そのいずれかまたは全ては例えばADSLおよび/またはVDSLシステムの一部でありうる。広帯域ネットワーク170を通じて(例えば、所与のDSLシステム内の通常の内部データ通信外のTCP/IPプロトコルまたはその他の手段により)、データをまた収集することができる。1つ以上のこれらの接続により推定装置がシステム、および適当ならそれ以外の所から運用データを収集することを可能にする。データを一度または時間を掛けて収集することができる。幾つかの場合で、収集手段320は周期ベースで収集するであろうが、要求に応じて、または任意のその他の非周期ベース(例えば、DSLAMまたはその他の構成要素がモデルベースの制御装置にデータを送信する場合)でも、収集手段はデータを収集することができ、従って所望であれば、推定装置300がそのシステム情報、構成近似などを更新することを可能にする。
手段320が収集するデータを(また、一般に既知のタイプのコンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュールなどでありうる)分析手段340に提供し、データを伝送するのに使用する1つ以上のDSL回線を運用する、および/または所与のDSLシステムにおける1つ以上のDSL回線の運用構成法の判断に使用するシステム推定または同類に関する分析および決定を行う。
図3Aの例示的システムで、分析手段340をコントローラ310の信号生成手段350に連結する。指令信号を生成し、(例えば、システムにおけるADSLおよび/またはVDSL送受信機および/またはその他の装置、構成要素など)DSLシステムのモデムおよび/またはその他の構成要素に指令信号を送信するように、(コンピュータ、プロセッサ、IC、コンピュータモジュールなどでありうる)信号生成装置350を構成する。これらの指令は、データ速度、送信電力レベル、符号化および潜伏要求条件、再調整スケジュールおよび実装、システム構成指令などに関する指令を含むことができる。コントローラ310に連結するDSLシステムの動作の構成および/または制御のベースとして分析手段340が導出する推定システム構成とDSLシステムに関する運用仮定(例えば、ブリッジタップ、不良接続、マイクロフィルタなどの存在、欠落、位置など)が一致するかのコントローラ310の判断の後に、指令を生成することができる。
本発明の実施形態は1つ以上のデータベース、ライブラリまたは収集した運用データ、以前に構築したシステム構成/推定などに関するその他の収集データを利用することができる。例えば図3Aのコントローラ310におけるライブラリ348のように、この収集参照データを格納し、この収集参照データを分析手段340および/または収集手段320が使用することができる。
本発明の幾つかの実施形態で、推定装置300をPC、ワークステーションまたは同類などのコンピュータに実装することができる。当業者が認識するであろうように、収集手段320および推定手段340はソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールまたは両者の組み合わせでありうる。多数の回線管理のために、データベースを導入し、回線が生成する大量のデータを管理するのに使用することができる。
本発明の別の実施形態を図3Bに示す。(コントローラとして動作する)DSL最適化装置365はDSLAM385またはその他のDSLシステム構成要素(例えば、RT、ONU/LTなど)において、および/またはそれらと関連して動作し、そのいずれかまたは両者は通信会社(「テルコ」)の構内395に存在することができる。DSL最適化装置365はデータモジュール380を含み、データモジュールはDSL最適化装置365のために、および/またはDSL最適化装置365に運用データを収集、編集、条件付け、操作、供給することができる。モジュール380をPCまたは同類などの1つ以上のコンピュータに実装することができる。モジュール380のデータを分析(例えば、所与の通信回線のために収集する運用データに基づく運用データの可用性および信頼性、モデル構築、推定構成など、推定構成または推定欠陥などに基づく通信システムに対する制御および運用変更などの判断)のためにDSMサーバモジュール370に供給する。またテルコに関係しうるか、または関係しえないライブラリまたはデータベース375から、情報を利用することができる。
運用選択装置390を使用して、通信システムの運用に影響を及ぼす信号を実装することができる。当業者が認識するであろうように、このような決定をDSMサーバ370によるか、または任意のその他の適する方法により行うことができる。選択装置390が選択する運用モードをDSLAM385および/またはその他の適するDSLシステム構成装置に実装する。このような装置を顧客宅内装置399などのDSL装置に連結することができる。デバイス385を使用して、DSL最適化装置365により考察する構成、欠陥などに基づき命令する変更を実装することができる。本発明の実施形態の実装中にも相違を遂行することができるが、当業者が認識するであろうように図3Bのシステムは図3Aのシステムと同様な方法で動作することができる。
本発明の実施形態と関連してDSLシステムにおいて種々のタイプの運用データを収集することができ、そのタイプの運用データは例えば(1)チャネルの平均減衰測定結果(例えば、LATN、SATN)、(2)チャネルビット分布、(3)チャネル送信電力レベル、(4)報告された現行データ速度、(5)報告された最大達成可能データ速度、(6)報告された誤り訂正パリティおよび/またはその他のオーバヘッド、(7)トレリス符号の使用、(8)ATMまたはその他のプロトコルセル計数(これはユーザのアクティビティレベルを示す)、(9)相互影響および絶対時間に依存する回線状態を評価する時間スタンプ、(10)ベンダの特定およびシリーズ番号、(11)再調整におけるような伝送パラメータの主要な変更のための時間スタンプ、(12)パラメータの主要変更数またはパラメータの変更試行数、および/または(13)符号違反、FEC違反、および/または誤り秒計数である。
加えて、データをDSLシステムにおいて収集することができ、データは例えば以下をさらに含むことができる、(14)周波数に依存する測定したチャネル挿入損失、利得、位相および/または対数数量、(15)周波数に依存する測定した休止回線またはアクティブ回線の雑音レベル、(16)送信PSDレベル、(17)信号対雑音比、(18)ビット交換によるビットおよび利得量、(19)エコー応答および/または入力インピーダンス、(20)最悪の場合の雑音変化および関連回数、(21)詳細なFEC誤り位置指示、(22)キャリヤマスク(G.997.1のCARMASKまたは類似のもの)、(23)トーンスペクトル形成パラメータ(例えば、G.997.1におけるTSSpsds、TSSpsus、PSDMASK、DPBOSHAPED、UPBOKLEおよび/またはUPBOSHAPED要素)、(24)ベクトル化またはマトリックスチャネル特徴付けデータ、(25)最近の時間間隔における最大雑音変化の周波数/トーン指標、(26)最近の時間間隔において生じるビット交換総数、(27)動的スペクトラム管理装置がプログラムする間隔の幾つかの連続するサブ間隔に亘るか、または別の方法で判断するFEC誤り、符号違反および/または誤り秒違反の分布、(28)雑音のピーク対平均比またはMSE測定結果および/または最近の時間間隔に亘る変動および/または(29)高位レベルプロトコルの処理量測定尺度。さらに多くのタイプの運用データおよびこのようなデータの取得手段が利用可能になると、本発明の実施形態のグレードを上げ、さらに正確なシステム推定およびシステムパラメータおよび運用に関するより良い推奨を提供することができる。
本明細書では時に「試験ループ」と称するDSLループ、回線、システムなどから運用データを収集する。試験ループは通常に運用する、および/または試験するDSLシステムを実装することができるか、または試験ループに関する推定、構成近似またはその他の有用なモデルまたは情報を入手することを別途考慮するものである。本発明の実施形態では、収集するデータを使用して、試験ループパラメータベクトルの構築、生成、導出などを行い、試験ループパラメータベクトルには個別にか、または組み合わせるかのいずれかでループ構成を推定するのに使用することができる1つ以上のループ依存量、値などを含む。試験ループパラメータベクトルは、以上に概説したように1つ以上の帯域における平均減衰、トーン毎のループ減衰などの直接収集するパラメータを含むことができる。サンプル毎の大きな測定結果の変動を削減するために、このようなループ依存量を円滑化しなければならないことがありえ、この大きな変動はさもなければ本明細書に記述する幾つかの方法と矛盾することがありえうる。
あるいはトーン毎のループ減衰が直接利用できなければ、試験ループパラメータベクトルは、またブリッジタップ、不良接続、マイクロフィルタの欠落または誤使用またはその他の障害を持たない理想的ループの仮定に基づくトーン毎の雑音推定などの導出パラメータを含みえよう。このトーン毎の雑音を本明細書ではMSE雑音(Mean−Square−Error noise、平均二乗雑音)またはMSE関数と称することとする。MSE雑音は以下の公式(dBを使用する)により何時でも推定することができる。
Figure 2011172238
PSD[n]=REFPSD+G[n](ここで、G[n]は既知またはdB表示の推定利得表の値である)、およびREFPSD=NOMPSD−PCBであり、これも既知でありうるか、または推定することができる。G[n]は通常ADSL1モデムでは−2.5dB<G[n]<2.5dBを満たすが、G[n]は報告されないことがありうるので、B[n]表の変化を検索することにより、G[n]を推定することができ、2つの隣接するトーンの間で多いビット数を有するトーンでは通常−2.5dBに近く、2つの隣接するトーンの間で少ないビット数を有するトーンでは通常+2.5dBに近い。VDSL2では、PSD[n]=MREFPSD[n]+G[n]であり、ここでMREFPSD[n]は報告されるパラメータである。SNR[n]は報告されるパラメータ(例えばADSL2/2+およびVDSL2では)から直接か、または近似式SNR[n]≒10Gap/10×(2B[n]−1)(ここで、dB表示のGapは(9.5+TSNRM−CODEGAIN)により近似する)を使用して間接的に、のいずれかで入手することができ、B[n]は典型的にモデムが報告する。最後に理想的撚り対線に対応する伝送回線の減衰の既知モデルを使用し、ループ長の推定または1つ以上の帯域における平均減衰に基づき、Hlog[n]を推定することができる。トーン毎のループ減衰が直接利用できない場合、その場合理想的伝送回線に対するHlog[n]推定を使用するMSE[n]の以上の推定は、暗にブリッジタップ、不良接続、ループ障害およびマイクロフィルタの欠落または誤使用などの伝送回線の不完全性に関する情報を含む。
本発明の実施形態におけるループ構成の推定のために、1つ以上の試験ループパラメータベクトルおよび/またはDSLシステムから収集するデータを参照値(例えば、参照パラメータベクトル)と比較し、ループにおける特定の状態を検出し、さらにループにおける状態を特徴付ける。以下の説明では、本発明の実施形態を使用して、ループにおいて検出し、特徴付けすることができる多様な例示的状態のそれぞれに対する参照パラメータベクトルおよび/または値の生成および比較を詳細に記述する。
DSLループにおける1つの望ましくない状態/特性はブリッジタップの存在である。ブリッジタップは不要な線路対の長さであり、この線路対は不要な対の一方の端部でループに接続し、他の端部で終端せず/接続段にする。これが望ましくないのは、非終端ブリッジタップからの信号反射が信号損失および歪みになるからである。ブリッジタップは顧客宅内の内部および/または外部に存在しうる。
本発明の一実施形態では、(例えば、直接測定する、および/または導出する運用データおよび/または情報を含む試験ループパラメータベクトルを使用して)トーン毎に測定するループ減衰を、ブリッジタップを含まない仮想ループに対するトーン毎の減衰モデル(参照パラメータベクトル)と比較することにより、1つ以上のブリッジタップの存在を検出することができる。図4は、ブリッジタップを持つトーン毎の減衰(試験ループパラメータベクトル)の表示402と同じループ長においてブリッジタップを持たないトーン毎の減衰(参照パラメータベクトル)の表示401との間の差分を図示する表示400を示す。図4に見るように、ブリッジタップを持たないトーン毎の減衰401と比較して、ブリッジタップを持つトーン毎の減衰402は幾つかの正のピーク404を示す。その上、ブリッジタップを持つトーン毎の減衰402は幾つかの負のピーク406を示し、一方負のピークは正のピークより鋭くない。正のピーク404は、ブリッジタップの開放端部から反射する信号との信号の破壊的結合のために生じる。この破壊的結合は一定の周波数においてのみ生じ、図4のピークを引き起こす。
xの長さを持つブリッジタップに対し、破壊的結合は以下の条件の下に起こる。
Figure 2011172238
上式で、vは銅の線路における信号速度に対応し、fは信号周波数に対応する。24/26AWGの場合、v=2・10(m/秒)を使用するのが妥当である。次いで正のピークの位置を決めるために、表1を作成することができる。
Figure 2011172238
次式を使用して信号の建設的結合周波数を計算することにより、負のピークに対する表を同様に作成することができる。
Figure 2011172238
このように、トーン毎に測定した減衰における正のピークおよび負のピークを検出することにより、ブリッジタップを特定することができ、ブリッジタップ長を推定することができる。
一度本発明の実施形態を実装し、試験ループパラメータベクトルおよび参照パラメータベクトルを提供したとすれば、正または負のピークのいずれかの検出は当業者にとり簡単である。本発明の一実施形態では、ブリッジタップを含まず、実際のループ長に凡そ等しい長さを持つ、仮想ループに対するトーン毎の減衰(参照モデルループ)からトーン毎に測定する減衰を減算することにより、誤り関数を形成する。(トーングループに対する平均減衰の計算、またはトーン毎の減衰関数の傾斜の推定など、当業者にとり既知の種々の技術を通じて、ループ長を推定することができる。)誤り関数の導出を次いで計算することができ、誤り関数の導出が正から負に変わる点を見つけることにより、正のピークを検出することができる。誤り関数の導出が負から正に変わる点を見つけることにより、負のピークを検出することができる。誤りの導出が正から負に変わるか(正のピーク)、または負から正に変わる(負のピーク)点における傾斜を測定することにより、ピークサイズを推定することができる。
正および/または負のピークを特定した後、ピークの位置を使用して、1つ以上のブリッジタップの存在を宣言し、1つ以上のブリッジタップのループ長を推定することができる。例として1.64MHz、4.92MHzおよび8.2MHzの周波数において正のピークを検出し、3.28MHz、6.56MHzおよび9.84MHzの周波数において負のピークを検出すれば、その場合ブリッジタップを宣言し、その推定長は100ftである。
トーン毎に測定する減衰は測定およびその他の誤りを含むことがあり、従って正および負のピークは検出が困難でありうるか、または誤って検出することがある。間違った正の検出を削減するために、ピークの検出は誤りの導出における変化の検出、およびまた閾値を超えるピークサイズの両者に頼ることができる。一定数の正のピークおよび一定数の負のピークを観測する場合にのみ、一定長のブリッジタップを宣言する。仮想するブリッジタップ長に対する式(2)および式(3)の周波数に対応する周波数において、観測するピークが発生しなければならない。ブリッジタップの宣言の前に、検出すべきピークサイズの閾値、およびピーク数の閾値を調整することにより、上記の方法の感度を調整することができる。
本発明の別の実施形態では、トーン毎の減衰をMSE[n]により置換することができ、MSE[n]はブリッジタップ、不良接続、マイクロフィルタの欠落または誤使用またはその他の障害を持たない理想的ループの仮定により計算する(このような仮定により参照パラメータベクトルを提供する)。以上のように、誤り関数は、(参照パラメータベクトルとして、または参照パラメータベクトルにおいて使用する)全トーンまたはトーングループに亘るMSE[n]の平均から(ループ依存パラメータベクトルとして、またはループ依存パラメータベクトルにおいて提供する)MSE[n]を減算する。誤り関数の導出を次いで計算し、その手順は上記の手順に類似の方法で進むことができる。
ブリッジタップを検出し、検出したブリッジタップ長を推定する方法を図5に示す。処理500はステップ510で試験ループパラメータベクトルを入手することにより始まる。これは適する方法において、例えば式(1)によるHLOG[n]の収集/計算、MSE[n]の収集/導出および以上のようなその説明などにより行うことができる。次いでステップ520で、参照パラメータベクトルを入手する。ステップ530で、試験ループパラメータベクトルおよび参照パラメータベクトルを比較する。これは誤り量および/または以上のステップ510,520において、またはその他の適する手法で入手する2つのベクトルの間の差分の計算を含むことができる。次いでステップ540において、正および負のピークを特定することができる。特定するピークのサイズおよび数をステップ550、560において調べることができ、その後ステップ570において適当であれば、ブリッジタップを宣言することができる。点線555により注記するように、処理500を他の回線に対して繰り返し、従って本発明の実施形態を使用して、回線グループ(例えば、結合装置)を調べることができる。また回帰線555を使用して、同じ回線に関するその他の試験/推定(例えば、以下で詳細に記述するようにブリッジタップの位置の検出)を実行することができる。
本発明の別の実施形態では、ブリッジタップの位置に関する情報を推定することができる。ブリッジタップを検出した後、次いで運用データを使用して、DSLAMまたはその他のアップストリーム端部装置とブリッジタップとの間、またはCPE装置とブリッジタップとの間の距離を近似することができる。トーン毎の受信機雑音、MSE[n]、エコー結合応答、ループの複合インピーダンスまたは以上のパラメータから導出するその他のパラメータなどの収集運用データをブリッジタップ位置の推定に使用する試験ループパラメータベクトルにおいて使用することができる。
図6は、2000ftのループ長およびCPE受信機から種々の距離に位置する100ftのブリッジタップに対するチャネル周波数応答およびエコーの大きさを示す。NTから0ftにおいてブリッジタップを持つチャネルを表示601として示す。NTからブリッジタップ0ftを持つNTにおけるエコー応答を示す602により、エコー応答を示し、表示603はNTからブリッジタップ30ftを持つNTにおけるエコー応答を示し、表示604はNTからブリッジタップ100ftを持つNTにおけるエコー応答を示し、表示605はNTからブリッジタップ500ftを持つNTにおけるエコー応答を示す。特にブリッジタップがCPE受信機に非常に近く位置する場合に、ブリッジタップの位置がエコー応答に強い影響を持つことを、図6は示す。図5においても反映する本発明の一実施形態によれば、ステップ510において(試験ループパラメータベクトルの全てまたは一部として)入手する測定したエコー応答を、ステップ520において(参照パラメータベクトルの全てまたは一部として)入手するブリッジタップがない場合に対応する参照エコー応答とステップ530において比較する。測定したエコー応答と参照エコー応答との間の差分をステップ580において計算することができれば、その場合1つ以上の周波数において計算する差分を閾値レベルと比較し、ステップ590において受信機へのブリッジタップの近接度を判断することができる。大きな差分は大きなエコー応答を示し、ブリッジタップが受信機に近いことを示す。小さな差分は小さなエコー応答を示し、ブリッジタップが受信機から遠いことを示す。
本発明のその他の実施形態で、測定した受信機雑音、または測定したループインピーダンスをエコー応答の代わりに使用することができる。当業者には良く知られるように、これらの量は関係する。受信機雑音がエコー応答に依存するのは、大きなエコー応答は高い雑音レベルになるからである。また、モデムインピーダンスから大きく外れる測定したループインピーダンスは大きなエコー応答に繋がる。従って、測定したループインピーダンスまたは測定した受信機雑音を使用して、受信機からのブリッジタップの距離を推定することができる。
本発明の別の実施形態で、トーン毎に測定するループ減衰を測定したループ(参照)の平均減衰に等しい平均減衰を有する仮想ループ(参照)のトーン毎のモデルの減衰と比較することにより、不良接続の存在を検出することができる。
図7は、4.5kftの長さを持つループの挿入損失を示す。図702として示す不良接続がない場合、挿入損失は小さい。C=50pFを持つ不良接続に対し図704として示す不良接続が存在する場合、挿入損失は特に低周波数において大きな量により増加する。不良接続を有するループに対する平均アップストリーム減衰を測定すれば、その場合その平均アップストリーム減衰は、図706として示す不良接続を持たない非常に長いループの平均アップストリーム減衰に対応することが分かる。従って、不良接続が存在する場合トーン毎の減衰の形は大きく変化し、低周波数における過大な減衰となる。
同一平均アップストリーム減衰を有する仮想ループのトーン毎の参照減衰とトーン毎に測定する減衰を比較すると、比較により測定した減衰は低周波数において非常に大きく、高周波数において非常に小さいことがわかる。あるいはHlog[n]が、測定した減衰と同じ平均アップストリーム減衰を有する仮想ループに対して計算する値のセットであれば、その場合(式(1)に置けるように)計算するMSE[n]は高周波数において非常に小さいレベルになり、これは不良接続をもたない条件に対し非現実的である。このような観測を不良接続の特定に使用することができる。
不良接続を検出する方法を図8に示す。処理800はステップ810における試験ループパラメータベクトルの入手により始まる。これは適する方法において、例えば式(1)によるHLOG[n]の収集/計算、MSE[n]の収集/導出および以上のようなその説明などにより行うことができる。次いでステップ820において、参照パラメータベクトルを(例えば同一平均アップストリーム減衰または同一平均ダウンストリーム減衰を持つ理想的ループに対するHLOG[n]の計算、期待するMSEの計算などにより)入手する。ステップ830において、試験ループパラメータベクトルと参照パラメータベクトルを比較する。これは誤り量および/または以上のステップ810、820においてか、または任意のその他の適する方法で入手する2つのベクトル間の差分の計算を含む。比較の結果をステップ840において調べ(例えば、HLOG[n]の誤りが指定する周波数範囲に亘り所与の閾値を超えるかの検査、MSE[n]が、指定する周波数範囲に亘り所与の閾値より大きい分だけ、期待するMSEより小さいかの検査など)、比較の結果が不良接続の存在と一致するかを判断する。周波数セット(例えば、1つ以上の周波数)が影響を受けると特定することができる場合(例えば、試験ループと参照パラメータベクトルとの間の差分を計算する場合)、特定する周波数セットを周波数範囲と比較し、不良接続の存在および、幾つかの場合では宣言する不良接続の位置を宣言することができる。減衰の平均が全ての使用可能な周波数に基づく場合でありうるように周波数セットが特定できない場合、不良接続の特定は周波数に関係なく試験ループと参照パラメータベクトルとの間の差分に基づくことができる。
適当であればステップ850において、不良接続を宣言することができる。点線855により注記するように、処理800を他の回線に対して繰り返し、従って本発明の実施形態を使用して、回線グループ(例えば、結合装置)を調べることができる。
図9は、チャネル周波数応答およびCPE受信機から種々の距離に位置する不良接続(線路の1つと直列に接続する4.7nFのキャパシタンス)を持つ、および持たない1000ftのループ長に対するエコーの大きさを示す。特に不良接続がCPE受信機に非常に近い場合に、不良接続の位置はエコー応答に強い影響を持つ。不良接続を持たないチャネルは表示902であり、不良接続を持つチャネルは表示904である。同様に、不良接続を持たないエコー応答は表示912であり、表示914はNTから不良接続50ftを持つNTにおけるエコー応答を示し、表示916はNTから不良接続200ftを持つNTにおけるエコー応答を示し、表示918はNTから不良接続500ftを持つNTにおけるエコー応答を示す。本発明の幾つかの実施形態では、測定したエコー応答(試験ループパラメータベクトルとしてまたはその一部として)を、不良接続を持たない仮想ループから入手する参照エコー応答(参照パラメータベクトルとしてまたはその一部として)と比較することにより、不良接続の位置をこのように推定することができる。本発明のその他の実施形態では、測定した受信機雑音、または測定したループインピーダンスを試験ループパラメータベクトルにおいてまたは試験ループパラメータベクトルとしてエコー応答の代わりに使用することができる。
本発明の実施形態は、ケーブル中の水、接地障害、交差障害、DC障害、抵抗障害およびその他などのその他のループ障害を特定するために、以上で考察した技術の同様な適用を含む。全てのこのような障害検出技術は本発明の一部である。また、本発明の実施形態は、パーティ回線システム、アラームシステムおよびその他などのループと直列または並列に接続する継承デバイスを特定するために、以上で考察した技術(試験ループパラメータベクトルの参照パラメータベクトルとの比較)の適用を含む。全てのこのような継承デバイスの検出技術は本発明の一部である。
ある障害およびある継承デバイスは、電話呼または電話呼び出しなどのイベント中にDSL性能の劣化を引き起こす。例えばPOTS呼び出しを行う場合、ある継承パーティ回線システムはDSLシステムに強い干渉雑音を引き起こすことが知られている。電話呼の記録または履歴などの履歴データを利用できければ(例えば、データベース、ライブラリおよび/またはその他の情報ソースにおいて)、その場合この記録を収集する運用データと共に使用することができる。電話呼の記録は電話呼の時間および継続時間などの情報を含むであろう。符号違反、転送誤り訂正異常、再調整/停止時間情報、誤り秒、大きな誤り秒、不可用秒およびその他などのDSL誤りに関する電話呼記録および情報を次いで相関させ、電話呼または電話呼び出しイベントがDSLシステムにおいて誤りを引き起こしたかを調べることができる。相関を検出すれば、その場合対応する継承デバイスの継承を宣言することができる。
マイクロフィルタがDSL回線から欠落する場合、POTS(Plain Old Telephone Service、単純で古い電話サービス)信号またはデバイス(電話機)はDSLサービスに重大な障害を引き起こしえよう。同様にマイクロフィルタを不正に実装するか、または不正に電話回線に接続すれば、その場合DSLサービスはひどく劣化しうる。それ故、正しい修復活動を行うことができるように、運用会社がマイクロフィルタの欠落または誤使用を持つこれらの回線を検出することは重要である。本発明の実施形態は、DSL回線におけるマイクロフィルタの欠落を検出することができる技術、装置、コンピュータプログラム製品などを提供する。
マイクロフィルタを使用して、POTSが使用する低周波帯域とDSLが使用する高周波帯域を分離する。マイクロフィルタは典型的に電話回線とPOTSデバイスとの間に実装し、POTSからDSLへの高周波干渉を防止し、DSLダウンストリームへのDSLアップストリーム信号の大きなエコーを防止し、DSLモデムから見るインピーダンスの変化を防止する。防止しなければ、全てのこれらの影響はDSLの性能を劣化させる。
誤使用マイクロフィルタ(例えば、電話回線とDSLモデムとの間に不正に実装するもの)はDSL信号を強く減衰させ、従ってまたDSLの性能をひどく劣化させうる。(特許請求の範囲を含む)本発明の実施形態では、「欠落する」マイクロフィルタを、マイクロフィルタを伴う(マイクロフィルタが物理的に存在しない、マイクロフィルタを誤使用する、マイクロフィルタを誤って実装するなど)1つ以上の問題と定義する。
マイクロフィルタの欠落が引き起こす性能劣化は電話機のオンフックおよびオフフック状態に依存しうる。電話機がオンフックである場合、性能劣化は電話機がオフフックである場合と比較して異なる。ADSLシステムを伴う電話機がオンフックである場合、正しくマイクロフィルタを実装する場合と比較して、性能劣化は小さく、従ってADSLシステムは妥当なデータ速度で通常に動作することができる。これは、電話機がオンフックである場合電話機に起因するインピーダンス変化およびエコーが小さいことが多いからである。一方ADSLシステムを伴う電話機がオフフックである場合、主にダウンストリーム(down stream、DS)信号に流入する大きなアップストリーム(upstream signal、US)信号のエコーにより、DSデータ速度は最大3〜6Mbpsだけ削減されうる。電話機がオフフックである場合USデータ速度も削減されるが、削減はDSの削減より少ない。結果として電話機を取り上げる場合、速いDSデータ速度で動作するDSLモデムは遥かに低いデータ速度に再調整し、再同期する見込みであるか、または調整を完了することができず、動作不能に留まりうる。
ADSLの場合の電話機インピーダンスのモデムインピーダンスに対する比の近似を図10に示すが、図10はマイクロフィルタが欠落する場合オンフック1006とオフフック1004の電話機状態との間の劇的なインピーダンスの変化を明らかに示す。VDSLに対する影響を示すために、CPEにおけるチャネル伝送関数およびエコー伝送関数を図11および図12に示すが、これらの図はCPEモデムの直近に位置する電話機を持つ2kftのループを示す。マイクロフィルタが欠落する場合オンフックとオフフックの電話機状態間で、チャネルおよびエコーは再び大きく変化する。図11で、マイクロフィルタを持つチャネル1102とオフフック状態にある電話機を持ち、マイクロフィルタを持たないチャネル1104は、幾つかの低周波数の場合を除いてほぼ同じである。オフフック状態1106にある電話機を持ち、マイクロフィルタの欠落する回線を持つチャネルは、さらに異なる。図12で、マイクロフィルタを有する回線のエコー応答1202は、電話機がオフフック状態1204およびオンフック状態1206にある場合のマイクロフィルタを持たない回線のエコー応答と劇的に異なる。
本発明の実施形態を使用するADSLまたはVDSLに対して、電話機の状態がオンフックからオフフックへまたは逆に変化する場合にDSLシステムの運用パラメータの変化に注意することにより、マイクロフィルタの欠落を検出することができる。このような運用パラメータは以下の1つ以上を含む(が、以下に限定されない)、チャネル平均減衰の測定結果、LATN、SATN、チャネルビット分布、チャネル送信電力レベル、報告された現行データ速度、報告された最大達成可能データ速度、報告された誤り訂正パリティ、報告されたトレリス符号使用、測定したチャネル挿入損失、HLOG[n]、測定したチャネル利得、測定したチャネル位相、個々のユーザの電力レベルに関する推測データ、個々のユーザの電力レベルに関する運用データ、個々のユーザのPSDレベルに関する推測データ、個々のユーザのPSDレベルに関する運用データ、個々のユーザの符号設定に関する推測データ、個々のユーザの符号設定に関する運用データ、潜在雑音のパラメータ化形成PSDに関する推測データ、潜在雑音のパラメータ化形成PSDに関する運用データ、最近の時間間隔における最大雑音変化の周波数/トーン指標、最近の時間間隔において生じるビット交換総数、FEC誤り分布、時間間隔の幾つかの連続サブ間隔に亘る符号違反または誤り秒違反、測定した雑音電力変動、測定したピーク対平均電力比、測定したチャネル対数数量、測定した休止回線雑音レベル、測定したアクティブ回線雑音レベル、トーン毎の平均二乗誤差、MSE[n]、トーン毎の信号対雑音比、SNR[n]、ATMまたはその他のプロトコルセル計数、測定した高位レベルプロトコル処理量、再調整計数、同期試行失敗計数、報告されたキャリヤマスク、報告されたトーン形成パラメータ、ベクトル化またはマトリックスチャネル特徴付けに関する推測データ、エコー応答、受信エコー雑音、ループインピーダンス、およびその他。本発明のこれらの実施形態による方法を図13に示す。例えばデータ速度、トーン毎の減衰などに対する1つ以上のパラメータ値を収集することにより、ステップ1310で第1の時点で第1の運用パラメータベクトルを生成することにより、処理1300は始まる。ステップ1320で、この第1の運用パラメータベクトルを例えばデータベースまたは同類に格納または保持する。ステップ1330で、第2の時点で第2の運用パラメータベクトルを生成する。ステップ1340で、第1のおよび第2の運用パラメータベクトルを比較し、その後評価ステップ1350を実行し、評価回線においてマイクロフィルタが欠落することを示すに十分な変化(例えば、大きなデータ速度変化)が生じたかを判断する。十分な変化が生じれば、次いでステップ1370で、マイクロフィルタ欠落の宣言を行うことができる。線1355により示すように、処理1300は他の回線により、または同一回線についてマイクロフィルタの欠落を宣言したか、否かを繰り返すことができる。
欠落するマイクロフィルタを持つ電話機がオフフック状態に移行する場合、DSLモデムは低データ速度に再調整するであろう。電話機がオンフック状態に戻る後も、モデムは再調整せず、従って別のイベントが再調整を引き起こすまで低速に留まるであろう。それ故本発明の一実施形態では、長い時間期間(例えば、1週間または1ヶ月)に亘って大きく実データ速度が浮動する回線は、DSLネットワーク内における潜在的「マイクロフィルタが欠落する回線」として特定することができる。また、ショウタイム(SHOWTIME)の間最大達成可能データ速度を更新しないこれらのモデムに、最大達成可能データ速度を使用することができる。また、報告されたアップストリーム減衰、ダウンストリーム減衰またはトーン毎の減衰をショウタイムの間アップストリーム減衰、ダウンストリーム減衰またはトーン毎の減衰を更新しないこれらのモデムに使用することができる。最後に図10乃至図12に見るように、CPEにおけるエコー応答またはCPEから見るようなループインピーダンスの変化を使用して、マイクロフィルタの欠落を検出することができる。
以上の技術をさらに高め、例えば雑音スペクトラムの急激な変化をマイクロフィルタの欠落の影響と不正に特定する場合の誤った積極的検出を回避することができる。電話呼の記録または履歴などの(例えば、データベース、ライブラリおよび/またはその他の情報ソースにおける)履歴データを利用することができれば、その場合この記録を収集する運用データと共に使用することができる。電話呼の記録は電話呼の時間および継続時間などの情報を含むであろう。従って、電話呼の記録は暗に電話機がオンフックからオフフックへおよびその逆に変化する時間に関する情報を含む。図13のステップ1360で電話呼の記録の使用を選択することができ、ステップ1350で所望であれば、暗黙の決定の確認を行うことが可能になる。
電話呼の記録およびDSLの再調整に関する情報/停止時間情報をまた相関させ、電話呼がDSLシステムの再調整を引き起こしたかを調べることができる。ある場合には、DSLサービスはオフフックの状態における低データ速度で動作することができる。他の場合で電話機がオフフックの状態では、DSLサービスの停止が見られる。
その上、顧客はDSL運用会社のコールセンタに電話し、DSL性能の不良を報告することがある。顧客がDSLに使用するのと同じ回線を使用して電話していれば、その場合顧客の電話中の運用データおよびまた電話後の運用データも比較のために収集することができる。本発明の幾つかの実施形態では、第2のデータ収集直前に再調整を強いることがあろう。2つのデータセットの現行データ速度または最大達成可能データ速度が大きく異なれば、その場合マイクロフィルタを疑うことができる。
電話サービスがオフフック(使用中)であれば、モデムは余裕の少ない低データ速度に同期するであろう。POTS信号干渉により、電話呼の継続時間中の符号違反またはFEC訂正は多いと観測されるであろう。それ故、符号違反/再調整時間/現行データ速度/最大データ速度の1つ以上を相関させ、マイクロフィルタの欠落を検出することができる。電話呼の時間記録もまた利用できれば、符号違反(code violations、CV)または誤り秒(errored seconds、ES)の発生時間期間を電話呼の時間記録と相関させることができよう。また、ショウタイム中の継ぎ目のない速度適応または動的速度再分配を使用するDSLシステムに、この方法を適用する。
DSLモデムから見るインピーダンスまたはエコーを、またオンフックおよびオフフック中に測定し、マイクロフィルタを持つことが既知である回線の同じパラメータおよび/または性能と比較することができる。運用会社または同類に(例えば、DSMセンタ、動的スペクトラム管理装置または同類を介して)情報が利用可能になれば、マイクロフィルタの欠落を検出することができる。この情報が利用可能でなければ、ビット分布、雑音スペクトラム、SNRなどの変化を監視し、マイクロフィルタの欠落を検出することができる。
幾つかの場合で最も可能性のある(maximum likelihood、ML)方法を使用して、推定システム構成を判断することができる。当業者に良く知られ、本開示を考慮の後に本発明の実施形態と共に容易に使用するようにすることができる、このようなML方法では、1つの構成の他に対する可能性に応じて、一定の比較およびその他のデータをより重く荷重することができる。電話会社の記録から推測するループの既知特性または有望な特性、以前の回線使用において収集した以前のデータ、または時間を掛けてこのような大きな組織体のシステムに亘って収集する多量のデータから推測する一般的業務に、このような可能性は依存することができる。最も可能性のある手法と共に、または最も可能性のある手法に代わって使用することができるその他の方法も当業者に良く知られている。
近似度の測定尺度を定義する最大の可能性により、仮定するモデルセットの中で収集データから最小差分を有する、または等価的に従って最も可能性のあるシステム構成であるモデルを見つけようとする。幾つかのパラメータ化チャネル・モデル・セットと共に近似度の幾つかの測定尺度を定義し、処理の進行と共に使用することができ、最良に動作するものについてさらに多くを学習する。これは、サービスプロバイダの業務、結合装置製造会社、異なるエリアの雑音などに依存しうる。
例えば、少なくとも報告された最大速度、ビット表、現行速度、現場における最小限度の現行DSLシステムの報告からその速度余裕および減衰に、予測または推定の基礎を置くことが可能であろう。このような情報を推定装置が処理することができ、幾つかの仮定回線長、ブリッジタップの有無および種々のループ障害に関して比較する推定は報告されるダウンストリームおよびアップストリームの減衰に一般的に適合するであろう。これらの推定を、次いで報告された値と比較し、これらの推定が再作成する現行速度、余裕および最大速度の報告されたデータに対する近似度を見ることができる。特に重要なのは、現行ビット分布の形への近似性が推定装置の最良または妥当なパラメータ化モデルを評価するのに非常に役立ちうることである(例えば、空隙を伴うビット分布はブリッジタップおよび/または狭帯域無線雑音の存在を示すことができる)。
この処理の過程で、それぞれ可能性のあるモデルの確からしさを評価することができる。収集する運用データおよびその他の経験的事実に最良に適合する1つ以上のモデルを選択し、システムへの改善および/またはその他の変更を考慮するモデル(単数または複数)として役立てることができる。再度、モデルの確からしさは以下のようなシステム性能に関する種々の指標に基づくことができる。
通常の運用信号に基づく運用性能を示す(システムのユーザによる「通常」使用により
生成する)観測運用データ、および/または
運用性能を示す(システムにおいて通常行う試験により生成する)試験データ、および
/または
シミュレーション信号に基づく運用性能を示す(xDSLシステムの刺激により生成す
る)抽出運用データ。
収集し、評価するデータに応じて、このモデル(単数または複数)を連続的に/定期的に更新し、改訂することができる(または非定期的および/または抽出ベースで更新することができる)。
幾つかの例で、収集および/または報告された値またはパラメータをコントローラ(動的スペクトラム管理装置など)が使用し、モデムのタイプおよび製造会社を特定することができる。例えば、種々の報告された値の一定の組み合わせがモデムの所与の製造会社または特定のタイプに対してのみ発生することをコントローラは知ることができる。コントローラは時間を掛けて累積測定結果により、あるモデムはあるタイプの報告を行うことを学習し、従ってさらに正確に特定のモデムを予測することができる。これは推定する高雑音トーンに特に適当でありえ、この場合雑音は大幅に(または大幅に変化することを観測した)、またはFEC誤り分布の幾つかの連続報告により変化する。
一般に、本発明の実施形態は1つ以上のコンピュータシステムに格納するか、または1つ以上のコンピュータシステムを通じて伝送するデータを含む種々の処理を使用する。本発明の実施形態は、またこれらの動作を実行するハードウェアデバイスまたはその他の装置に関係する。この装置は必要な目的のために特に構築するか、またはコンピュータプログラムおよび/またはコンピュータに格納するデータ構成により選択的にアクティブにするか、または再構成する汎用コンピュータでありうる。本明細書に提示する処理は本来的に特定のコンピュータまたはその他の装置に関係しない。特に、本明細書の教示により作成するプログラムにより種々の汎用マシーンを使用するか、または必要な方法のステップを実行するさらに特化した装置を構築するのがより好都合でありうる。種々のこれらマシーンの特定の構成は以下に提示する記述に基づき通常の当業者には明らかであろう。
上記のように、本発明の実施形態はコンピュータシステムに格納するデータを含む種々の処理ステップを使用する。これらのステップは物理量の物理的操作を必要とするものである。必ずではないが通常、これらの量は格納、伝送、結合、比較およびその他の方法による操作が可能な電気的または磁気的信号形式を取る。これらの信号をビット、ビットストリーム、データ信号、制御信号、値、要素、変数、文字、データ構成または同類と称するのは主として共通使用のため時に好都合である。とはいえ、これらおよび類似の用語の全てが適する物理量と関連し、これらの量に適用する単に好都合なラベルであることを記憶すべきである。
さらに特定する、適合するまたは比較するなどの用語で実行する操作を参照することが多い。本発明の一部を形成する本明細書で記述する動作では、これらの動作はマシーン動作である。本発明の実施形態の動作を実行する有用なマシーンは、汎用デジタルコンピュータまたはその他の類似するデバイスを含む。全ての場合において、コンピュータを動作させる動作方法と計算自体の方法との間の区別を記憶すべきである。本発明の実施形態は、電気的またはその他の物理信号の処理においてコンピュータを動作させ、その他の望ましい物理信号を生成する方法のステップに関係する。
本発明の実施形態はこれらの動作を実行する装置にも関係する。この装置は必要な目的のために特に構築するか、またはコンピュータに格納するコンピュータプログラムにより選択的にアクティブにするか、または再構成する汎用コンピュータでありうる。本明細書で提示する処理は本来的に特定のコンピュータまたはその他の装置に関係しない。特に、本明細書の教示により作成するプログラムにより種々の汎用マシーンを使用するか、または必要な方法のステップを実行するさらに特化した装置を構築するのがより好都合であろう。種々のこれらマシーンに必要な構成は以上に提示する記述から明らかになるであろう。
加えて本発明の実施形態は、さらに種々のコンピュータを実装する動作を実行するプログラム命令を含むコンピュータの読み出し可能媒体に関係する。媒体およびプログラム命令は本発明のために特に設計し、構築するものであるか、またはコンピュータソフトウェア技術における当業者に良く知られ、利用することができる種類のものでありうる。コンピュータの読み出し可能媒体の例は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープなどの磁気的媒体、CD‐ROMディスクなどの光媒体、フロプティカルディスクなどの磁気光学媒体、および読み出し専用メモリデバイス(read only memory、ROM)およびランダム・アクセス・メモリ(random access memory、RAM)などのプログラム命令を格納し、実行するように特に構成するハードウェアデバイスを含むが、これらに限定されない。プログラム命令の例は、コンパイラにより生成するようなマシーンコードおよびインタプリータを使用してコンピュータが実行することができるハイ・レベル・コードを含むファイルの両方を含む。
図14は、本発明の1つ以上の実施形態によりユーザおよび/またはコントローラが使用することができる典型的なコンピュータシステムを図示する。コンピュータシステム1400は任意の数のプロセッサ1402(中央処理装置、即ちCPUとも称す)を含み、プロセッサは1次記憶装置1406(典型的にランダム・アクセス・メモリ、即ちRAM)、1次記憶装置1404(典型的に読み出し専用メモリ、即ちROM)を含む記憶デバイスに連結する。当技術分野で良く知られるように、1次記憶装置1404はデータおよび命令をCPUに単方向に伝送するように動作し、1次記憶装置1406は典型的にデータおよび命令を両方向様式で伝送するのに使用する。両方のこれら1次記憶デバイスは上記の任意の適するコンピュータの読み出し可能媒体を含むことができる。大容量記憶デバイス1408をまたCPU1402に両方向的に連結し、大容量記憶デバイス1408は追加データ格納容量を提供し、上記の任意のコンピュータの読み出し可能媒体を含むことができる。大容量記憶デバイス1408を使用して、プログラム、データおよび同類を格納することができ、大容量記憶デバイス1408は1次記憶装置より遅いハードディスクなどの典型的に2次記憶媒体である。大容量記憶デバイス1408内に保持する情報を適する場合に、バーチャルメモリのような1次記憶装置1406の一部として標準様式で組み込むことができることは理解されるであろう。CD−ROM1414などの特定の大容量記憶デバイスは、またCPUに一方向にデータを伝達することができる。
CPU1402は、またインタフェース1410に連結し、インタフェースはビデオモニタ、トラックボール、マウス、キーボード、マイクロフォン、接触感応ディスプレイ、トランスデューサ・カード・リーダ、磁気または紙テープリーダ、タブレット、スタイラス、音声または手書き認識装置、または勿論その他のコンピュータなどの他に良く知られた入力デバイスなどの1つ以上の入力/出力デバイスを含む。最後に、CPU1402は選択可能にコンピュータまたは1412において一般的に示すようなネットワーク接続を使用する通信ネットワークに連結することができる。このようなネットワーク接続により、CPUはネットワークから情報を受信することができるか、または上記の方法のステップを実行する中でネットワークに情報を出力することができると考えられる。上記のデバイスおよびデータはコンピュータハードウェアおよびソフトウェア技術における当業者にとり熟知するものであろう。上記のハードウェア要素は本発明の動作を実行する複数のソフトウェアモジュールを定義することができる。例えば、コードワードにより構成するコントローラを動作させる命令は大容量記憶デバイス1408または1414に格納し、1次メモリ1406と共にCPU1402において実行することができる。好ましい実施形態では、コントローラをソフトウェアサブモジュールに分割する。
本発明の多くの特徴および利点は記述した説明から明らかであり、従って添付する特許請求の範囲は本発明の全てのそのような特徴および利点を包含すると考えられる。さらに、多くの修正および変更は当業者には容易に思い浮かぶであろう故、本発明は図示し、説明したような正確な構築および動作に限定されない。それ故、記述した実施形態は例示するものであり、制限するものではないと取るべきであり、本発明は本明細書で提示する詳細に限定されず、添付する特許請求の範囲および、現在または将来において予見できるか、または予見できなくとも、均等物のその完全な範囲により定義されるべきである。

Claims (31)

  1. DSLシステム試験ループ構成を推定する方法であって、前記方法が、
    前記DSLシステムの前記試験ループから試験ループパラメータベクトルを入手するステップであって、前記試験ループパラメータベクトルが1つ以上のループ依存パラメータ値を含むステップと、
    参照ループ構成に対応する参照パラメータベクトルを選択するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記計算される差分に基づき前記試験ループ構成を推定するステップと
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記試験ループパラメータベクトルが、
    トーン毎のチャネル減衰、
    トーングループに対して平均化するチャネル減衰、
    ループ減衰、
    信号減衰、
    LATN、
    SATN、
    推定アップストリーム電力バックオフの電気的長さ、
    UPBOKLE、
    HLOG[n]、または
    直線ループに対応するトーン毎のチャネル減衰を仮定して推定されるトーン毎の受信機雑音、
    の少なくとも1つを含む方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、
    ブリッジタップを持たない参照ループに対応する前記参照ループ構成を選択するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分におけるピークを位置決めするステップと、
    位置が決められたピークの前記サイズを推定するステップと、
    位置が決められたピークの前記位置および推定サイズに基づき前記DSLシステム試験ループにおけるブリッジタップの前記存在を宣言するステップと
    をさらに含む方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記ピークの前記位置に基づき前記ブリッジタップの前記長さを推定するステップをさらに含む方法。
  5. 請求項3に記載の方法において、ブリッジタップの前記存在を特定するステップが、
    検出ピークの前記サイズが正のピークサイズの閾値より大きい場合正のピークを宣言するステップと、
    検出ピークの前記サイズが負のピークサイズの閾値より小さい場合負のピークを宣言するステップと、
    宣言された正のピークの前記数を計数するステップと、
    宣言された負のピークの前記数を計数するステップと、
    宣言された正のピークの前記数が正のピーク計数閾値を超え、かつ
    宣言された負のピークの前記数が負のピーク計数閾値を超えれば
    ブリッジタップの前記存在を宣言するステップと
    を含む方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、
    前記正のピークサイズ閾値、
    前記負のピークサイズ閾値、
    前記正のピーク計数閾値、または
    前記負のピーク計数閾値
    の少なくとも1つを調整するステップをさらに含む方法。
  7. 請求項4に記載の方法において、前記ブリッジタップ長を推定するステップが、
    少なくとも1つの正のピークの前記検出位置に対応する前記ブリッジタップ長を推定するステップ、または
    少なくとも1つの負のピークの前記検出位置に対応する前記ブリッジタップ長を推定するステップ
    の少なくとも1つを含む方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、前記試験ループパラメータベクトルが前記試験ループから収集される運用データから入手される試験ループエコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記参照ループ構成がブリッジタップを持たない参照ループ構成を含み、
    さらに、前記参照パラメータベクトルがブリッジタップを持たない前記参照ループ構成に対応する参照エコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記方法が、
    前記試験ループエコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップ
    をさらに含み、
    前記方法が、前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記計算される差分からブリッジタップの前記位置を推定するステップを含む
    方法。
  9. 請求項8に記載の方法において、前記エコー依存パラメータベクトルが、
    エコー応答、
    ループインピーダンス、または
    トーン毎の受信機雑音
    の少なくとも1つを含む方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、前記参照ループ構成が不良接続を持たず、
    さらに、前記方法が、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の差分を計算するステップと、
    前記計算する差分が第1の閾値より大きければ、前記試験ループにおける不良接続の前記存在を宣言するステップと
    をさらに含む方法。
  11. 請求項1に記載の方法において、前記参照ループ構成が不良接続を持たず、
    さらに、前記方法が、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分が第1の閾値より大きい周波数セットを検出するステップと、
    前記検出する周波数セットが第1の周波数の範囲内にあれば、不良接続を宣言するステップと
    をさらに含む方法。
  12. 請求項10に記載の方法において、前記試験ループパラメータベクトルが、
    トーン毎のチャネル減衰、
    トーングループに対して平均化するチャネル減衰、
    ループ減衰、
    信号減衰、
    LATN、
    SATN、
    推定アップストリーム電力バックオフの電気的長さ、
    UPBOKLE、
    HLOG[n]、または
    不良接続を持たないループを仮定して推定するトーン毎の受信機雑音、
    の少なくとも1つを含む方法。
  13. 請求項10に記載の方法において、前記試験ループパラメータベクトルが前記DSLシステムから収集される運用データに基づくエコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記参照パラメータベクトルが前記参照ループ構成に対応する参照エコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記方法が、
    前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップ、および
    前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記計算された差分から不良接続の前記位置を推定するステップと
    を含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、前記エコー依存パラメータベクトルが、
    エコー応答、
    ループインピーダンス、または
    トーン毎の受信機雑音
    の少なくとも1つを含む方法。
  15. DSLシステムループにおけるマイクロフィルタの欠落を検出する方法であって、前記方法が、

    前記DSLシステムの運用データに基づき第1の運用パラメータベクトルを生成するステップと、
    前記第1のパラメータベクトルを格納するステップと、
    前記DSLシステムの運用データに基づき第2の運用パラメータベクトルを生成するステップと、
    前記第1の運用パラメータベクトルを前記第2の運用パラメータベクトルと比較するステップと
    を含む方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、前記第1のおよび第2の運用パラメータベクトルのそれぞれが、
    チャネルの平均減衰測定結果、
    LATN、
    SATN、
    推定アップストリーム電力バックオフの電気的長さ、
    UPBOKLE、
    チャネルビット分布、
    チャネル送信電力レベル、
    報告された現行データ速度、
    報告された最大達成可能データ速度、
    報告された誤り訂正パリティ、
    報告されたトゥレリス符合の使用、
    測定したチャネル挿入損失、
    HLOG[n]、
    測定されたチャネル利得、
    測定されたチャネル位相、
    個々のユーザの電力レベルに関する推測データ、
    個々のユーザの電力レベルに関する運用データ、
    個々のユーザのPSDレベルに関する推測データ、
    個々のユーザのPSDレベルに関する運用データ、
    個々のユーザの符号設定に関する推測データ、
    個々のユーザの符号設定に関する運用データ、
    潜在雑音の前記パラメータ化形成PSDに関する推測データ、
    潜在雑音の前記パラメータ化形成PSDに関する運用データ、
    最近の時間間隔における最大雑音変化の前記周波数/トーン指標、
    最近の時間間隔において生じる前記ビット交換総数、
    時間間隔の幾つかの連続サブ間隔に亘るFEC誤り、符号違反または誤り秒違反の前記分布、
    測定された雑音電力変動、
    測定されたピーク対平均電力比、
    測定されたチャネル対数数量、
    測定された休止回線雑音レベル、
    測定されたアクティブ回線雑音レベル、
    トーン毎の平均二乗誤差、
    MSE[n]、
    トーン毎の信号対雑音比、
    SNR[n]、
    ATMまたはその他のプロトコルセル計数、
    測定された高位レベルプロトコル処理量、
    再調整計数、
    同期試行失敗計数、
    報告されたキャリヤマス、
    報告されたトーン形成パラメータ、
    ベクトル化またはマトリックスチャネル特徴付けに関する推測データ、
    エコー応答、
    受信エコー雑音、または
    ループインピーダンス、
    の少なくとも1つを含む方法。
  17. 請求項15に記載の方法において、第1の運用パラメータベクトルと前記第2の運用パラメータベクトルとの間の前記差分が一定の閾値を超えれば、マイクロフィルタの欠落を宣言するステップをさらに含む方法。
  18. 請求項17に記載の方法において、前記第1の運用パラメータベクトルと前記第2の運用パラメータベクトルとを生成するステップの間で前記電話機の状態が変化したことを、電話呼記録情報が示す場合にのみ、マイクロフィルタの欠落を宣言するステップを実行し、前記電話機の状態変化が前記電話機のオンフック状態からオフフック状態への変化、または前記電話機の前記オフフック状態から前記オンフック状態への変化を含む方法。
  19. 請求項15に記載の方法において、前記第1の運用パラメータベクトルを生成するステップと前記第2の運用パラメータベクトルを生成するステップとの間で再調整が生じたことを、前記第1の運用パラメータベクトルおよび前記第2の運用パラメータベクトルが示せば、マイクロフィルタの欠落を宣言するステップをさらに含み、
    前記電話機の状態が前記第1の収集と前記第2の収集との間で変化したことを、電話呼記録情報が示せば、前記電話機の状態変化が前記電話機のオンフック状態からオフフック状態への変化、または前記電話機の前記オフフック状態から前記オンフック状態への変化を含む方法。
  20. 請求項15に記載の方法において、前記第1の運用パラメータベクトルを生成するステップと前記第2の運用パラメータベクトルを生成するステップとの間で、
    多数の符号違反、または
    多数のFEC訂正、
    の少なくとも1つが生じたことを、前記第1の運用パラメータベクトルおよび前記第2の運用パラメータベクトルが示せば、マイクロフィルタの欠落を宣言するステップをさらに含み、
    前記電話機の状態が前記第1の収集と前記第2の収集との間で変化したことを、電話呼記録情報が示せば、前記電話機の状態変化が前記電話機のオンフック状態からオフフック状態への変化、または前記電話機の前記オフフック状態から前記オンフック状態への変化を含む方法。
  21. マシーンによる読み出し可能媒体および前記マシーンによる読み出し可能媒体に含まれるプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記プログラム命令がDSLシステム試験ループ構成を推定する方法を指定し、前記方法が、
    前記DSLシステムの前記試験ループから試験ループパラメータベクトルを入手するステップであって、前記試験ループパラメータベクトルが1つ以上のループ依存パラメータ値を含むステップと、
    参照ループ構成に対応する参照パラメータベクトルを選択するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記計算された差分に基づき前記試験ループ構成を推定するステップと
    を含むコンピュータプログラム製品。
  22. 請求項21に記載のコンピュータプログラム製品において、
    ブリッジタップを持たない参照ループに対応する前記参照ループ構成を選択するステップと、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分を表すピークを位置決めするステップと、
    位置が決められたピークの前記サイズを推定するステップ、および
    位置が決められたピークの前記位置および推定サイズに基づき前記DSLシステム試験ループにおけるブリッジタップの前記存在を宣言するステップと
    をさらに含む前記方法を持つコンピュータプログラム製品。
  23. 請求項21に記載のコンピュータプログラム製品において、前記試験ループパラメータベクトルが前記試験ループから収集する運用データから入手する試験ループエコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記参照ループ構成がブリッジタップを持たない参照ループ構成を含み、
    さらに、前記参照パラメータベクトルがブリッジタップを持たない前記参照ループ構成に対応する参照エコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記方法が、
    前記試験ループエコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップ
    をさらに含み、
    前記方法が、前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記計算する差分からブリッジタップの前記位置を推定するステップを含むコンピュータプログラム製品。
  24. 請求項21に記載のコンピュータプログラム製品において、前記参照ループ構成が不良接続を持たず、
    さらに、前記方法が、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の差分を計算するステップと、
    前記計算された差分が第1の閾値より大きければ、前記試験ループにおける不良接続の前記存在を宣言するステップと
    をさらに含むコンピュータプログラム製品。
  25. 請求項24に記載のコンピュータプログラム製品において、前記試験ループパラメータベクトルが前記DSLシステムから収集される運用データに基づくエコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記参照パラメータベクトルが前記参照ループ構成に対応する参照エコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記方法が、
    前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記差分を計算するステップと、
    前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記計算された差分から不良接続の前記位置を推定するステップと
    をさらに含むコンピュータプログラム製品。
  26. マシーンによる読み出し可能媒体および前記マシーンによる読み出し可能媒体に含まれるプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品であって、前記プログラム命令がDSLループにおけるマイクロフィルタの欠落を検出する方法を指定し、前記方法が、
    前記DSLシステムの運用データに基づき第1の運用パラメータベクトルを生成するステップと、
    前記第1のパラメータベクトルを格納するステップと、
    前記DSLシステムの運用データに基づき第2の運用パラメータベクトルを生成するステップと、
    前記第1の運用パラメータベクトルを前記第2の運用パラメータベクトルと比較するステップと
    を含むコンピュータプログラム製品。
  27. データ分析装置に連結するデータ収集装置および前記データ分析装置に連結する制御信号生成装置を含むコントローラであって、前記データ収集装置、前記データ分析装置および前記信号生成装置は、
    DSLシステムの試験ループから試験ループパラメータベクトルを入手し、前記試験ループパラメータベクトルが1つ以上のループ依存パラメータ値を含み、
    参照ループ構成に対応する参照パラメータベクトルを選択し、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分を計算し、かつ
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記計算された差分に基づき前記試験ループ構成を推定する
    ように構成されるコントローラ。
  28. 請求項27に記載のコントローラにおいて、前記データ収集装置、前記データ分析装置および前記信号生成装置は、
    ブリッジタップを持たない参照ループに対応する前記参照ループ構成を選択し、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の前記差分におけるピークの位置を決め、
    位置が決められたピークの前記サイズを推定し、かつ
    位置が決められたピークの前記位置および推定サイズに基づき前記DSLシステム試験ループにおけるブリッジタップの前記存在を宣言する

    ようにさらに構成されるコントローラ。
  29. 請求項27に記載のコントローラにおいて、前記試験ループパラメータベクトルが前記試験ループから収集する運用データから入手する試験ループエコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記参照ループ構成がブリッジタップを持たない参照ループ構成を含み、
    さらに、前記参照パラメータベクトルがブリッジタップを持たない前記参照ループ構成に対応する参照エコー依存パラメータベクトルを含み、
    さらに、前記データ収集装置、前記データ分析装置および前記信号生成装置を、
    前記試験ループエコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記差分を計算する、
    ようにさらに構成され、
    前記方法が、前記エコー依存パラメータベクトルと前記参照エコー依存パラメータベクトルとの間の前記計算された差分からブリッジタップの前記位置を推定するステップを含む
    コントローラ。
  30. 請求項27に記載のコントローラにおいて、前記参照ループ構成が不良接続を持たず、
    さらに、前記データ収集装置、前記データ分析装置および前記信号生成装置は、
    前記試験ループパラメータベクトルと前記参照パラメータベクトルとの間の差分を計算し、かつ
    前記計算された差分が第1の閾値より大きければ、前記試験ループにおける不良接続の前記存在を宣言する
    ようにさらに構成されるコントローラ。
  31. データ分析装置に連結されるデータ収集装置および前記データ分析装置に連結される制御信号生成装置を含むコントローラであって、前記データ収集装置、前記データ分析装置および前記信号生成装置は、
    DSLシステムに関係する運用データに基づき第1の運用パラメータベクトルを生成し、
    前記第1のパラメータベクトルを格納し、
    前記DSLシステムの運用データに基づき第2の運用パラメータベクトルを生成し、かつ
    前記第1の運用パラメータベクトルを前記第2の運用パラメータベクトルと比較する
    ように構成されるコントローラ。
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