JP2011171349A - 配線基板およびそれを用いた電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実装基板にねじで固定される配線基板のクラックの発生を防止して、長期信頼性を向上させた配線基板およびそれを用いた電子装置を提供することにある。
【解決手段】 電子部品が搭載される側の第1の面2A、実装基板に対向する側の第2の面2Bおよび第1の面2Aから第2の面2Bへ貫通した、ねじを通すための基板貫通孔2aを有する絶縁基板2に対して、第1貫通孔3aを有する第1金属板3を第1の面2Aに、第2貫通孔4aを有する第2金属板4を第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定した配線基板1において、第1貫通孔3aの径は、基板貫通孔2aの径よりも大きく、接着層5は、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bのそれぞれにおいて基板貫通孔2aの開口周縁を被覆している配線基板1である。ねじにより配線基板1を実装基板に固定する際に配線基板1にクラックが発生するのを有効に防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線基板およびそれを用いた電子装置に関するものである。
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体素子を搭載した
パワーモジュール用基板やスイッチングモジュール用基板等の配線基板をヒートシンクなどの実装基板に接合した電子装置が多く用いられるようになってきている。このような半導体素子は大きな電流を流すことができるが、発生した熱が半導体素子を劣化させる場合がある。このため、半導体素子を搭載する配線基板として、電気絶縁性と熱伝導性に優れた窒化アルミニウムや窒化珪素等からなるセラミック絶縁基板を用い、その両面に銅やアルミニウム等の金属板を接合したセラミック配線基板が用いられている。また、このセラミック配線基板に用いられる絶縁基板は、電子装置の小型化および低背化の要求から、例えば0.2〜1mm程度の厚みの薄いものが用いられるようになってきている。
従来の電子装置における配線基板と実装基板との接合は、配線基板の裏面に位置する金属板と実装基板間をろう材で接合することで行なわれており、最近では、さらに接合の信頼性を高めるために、配線基板に貫通孔を形成し、この貫通孔を利用してねじで固定する方法が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2003−197824号公報
従来の配線基板は、図8に断面図で示す例のように、絶縁基板12の外周部にねじ止め用の貫通孔12aを形成しておき、絶縁基板12を実装基板17上に載置させるとともに絶縁基板12の上面側より貫通孔12a内にねじ16を挿入し、そのねじ16の先端を実装基板17に設けたねじ溝(図示せず)に螺着させることによって実装基板17上に固定されるようになっている。
この固定方法では、ねじ16を締め付ける力が絶縁基板12の貫通孔12a周縁部に集中して加わるため、電子装置の小型化および低背化の要求により、絶縁基板12の厚みを薄くしたことによって絶縁基板12の機械的強度が低くなっていることから、絶縁基板12にクラックや割れが発生するという問題があった。
この問題を回避すべく、図9に断面図で示す例のように、ねじ16を締め付ける力を受ける金属板13に形成する貫通孔13aの径を絶縁基板12に形成する貫通孔12aの径より大きくし、ねじ16を締め付ける力が絶縁基板12の貫通孔12a周縁部より外の領域に加わるようにして、絶縁基板12に発生するクラックや割れを防止する方法が考えられる。
しかしながら、この方法では、ねじ16を締め付ける力は絶縁基板12の貫通孔12a周縁部より外の領域に加わることになり、絶縁基板12の貫通孔12a周縁部に直接力が加わることはなくなるが、絶縁基板12が、その厚みを薄くして機械的強度が低くなった場合には、絶縁基板12に形成された貫通孔12aに存在する微小クラックや傷、特に絶縁基板12の貫通孔12a開口周縁部に多く存在している微小クラックや傷が起点となって絶縁基板12にクラックや割れが発生するという問題が残る。
本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、実装基板にねじで固定される配線基板のクラックの発生を防止して、長期信頼性を向上させた配線基板およびそれを用いた電子装置を提供することにある。
本発明の配線基板は、電子部品が搭載される側の第1の面、実装基板に対向する側の第2の面および前記第1の面から前記第2の面へ貫通した、ねじを通すための基板貫通孔を有する絶縁基板に対して、前記基板貫通孔に対応した第1貫通孔を有する第1金属板を前記第1の面に、前記基板貫通孔に対応した第2貫通孔を有する第2金属板を前記第2の面にそれぞれ接着層を介して接着固定した配線基板において、前記第1貫通孔の径は、前記基板貫通孔の径よりも大きく、前記接着層は、前記絶縁基板の前記第1の面および前記第2の面のそれぞれにおいて前記基板貫通孔の開口周縁を被覆していることを特徴とするものである。
また、本発明の配線基板は、好ましくは、前記接着層は、前記絶縁基板の前記基板貫通孔の前記開口周縁から前記基板貫通孔の内壁面まで連続して被覆していることを特徴とするものである。
また、本発明の配線基板は、好ましくは、前記接着層は、前記絶縁基板の表面に形成されたメタライズ層および該メタライズ層の表面に形成されたろう材層からなり、前記メタライズ層は、前記基板貫通孔と前記第1貫通孔との間に位置する領域にろう材流れ止め部が形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の配線基板は、好ましくは、前記第2貫通孔の径は、前記基板貫通孔の径よりも大きく、かつ前記第1貫通孔の径以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の電子装置は、本発明の配線基板を、前記第1の面側に電子部品を搭載して、前記第1貫通孔、前記基板貫通孔および前記第2貫通孔に通されたねじの頭部で前記第1金属板を押さえて実装基板に固定していることを特徴とするものである。
本発明の配線基板によれば、電子部品が搭載される側の第1の面、実装基板に対向する側の第2の面および第1の面から第2の面へ貫通した、ねじを通すための基板貫通孔を有する絶縁基板に対して、基板貫通孔に対応した第1貫通孔を有する第1金属板を第1の面に、基板貫通孔に対応した第2貫通孔を有する第2金属板を第2の面にそれぞれ接着層を介して接着固定した配線基板において、第1貫通孔の径は、基板貫通孔の径よりも大きく、接着層は、絶縁基板の第1の面および第2の面のそれぞれにおいて基板貫通孔の開口周縁を被覆していることから、配線基板を実装基板に固定するために絶縁基板の上面側から第1貫通孔,基板貫通孔および第2貫通孔内にねじを挿入し、そのねじの先端を実装基板に設けたねじ溝に螺着させる際に、第1貫通孔の径は基板貫通孔の径より大きいことから、ねじを締め付ける力が絶縁基板の基板貫通孔の開口周縁より外の領域に加わることになり、絶縁基板の基板貫通孔の開口周縁に直接力が加わることはなくなる。また、接着層が絶縁基板の第1の面および第2の面のそれぞれにおいて基板貫通孔の開口周縁を被覆していることから、絶縁基板の基板貫通孔の開口周縁に多く存在している微小クラックや傷が接着層により覆われているため、基板貫通孔の開口周縁に存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板にクラックや割れが発生することが有効に防止され、配線基板の長期信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板によれば、上記構成において、接着層は、絶縁基板の基板貫通
孔の開口周縁から基板貫通孔の内壁面まで連続して被覆しているときには、絶縁基板に基板貫通孔を形成する際に生じる微小クラックや傷のうち基板貫通孔の開口周縁に存在している微小クラックや傷だけでなく、絶縁基板の基板貫通孔の内壁面に存在している微小クラックや傷も絶縁基板の基板貫通孔の開口周縁から基板貫通孔の内壁面まで連続して被覆している接着層により覆われているため、絶縁基板の基板貫通孔の内壁面に存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板にクラックや割れが発生することもより有効に防止され、配線基板の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板によれば、上記構成において、接着層は、絶縁基板の表面に形成されたメタライズ層およびこのメタライズ層の表面に形成されたろう材層からなり、メタライズ層は、基板貫通孔と第1貫通孔との間に位置する領域にろう材流れ止め部が形成されているときには、絶縁基板に第1金属板を接着層を介して接着固定する際、配線基板を加熱してろう材層を溶融させても、メタライズ層に形成されたろう材流れ止め部により第1金属板を接着固定するろう材層が第1貫通孔内のメタライズ層の表面にまで濡れ広がって薄くなることがなく、第1金属板を接着固定するろう材層の厚みが薄くなって絶縁基板と第1金属板との接合強度が劣化することがより有効に防止され、配線基板の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板によれば、上記構成において、第2貫通孔の径は、基板貫通孔の径よりも大きく、かつ第1貫通孔の径以下であるときには、配線基板を実装基板に固定するために絶縁基板の上面側から第1貫通孔,基板貫通孔および第2貫通孔内にねじを挿入し、そのねじの先端を実装基板に設けたねじ溝に螺着させる際に、第1貫通孔の径を基板貫通孔の径よりも大きくしたことから、ねじを締め付ける力が、絶縁基板の第1の面の基板貫通孔の開口周縁に直接加わることがなくなり、また、第2貫通孔の径を基板貫通孔の径よりも大きくしたことから、ねじを締め付ける力が、絶縁基板の第2の面の基板貫通孔の開口周縁にも直接加わることがなくなるので、絶縁基板の基板貫通孔の開口周縁に存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板にクラックや割れが発生することがより有効に防止される。それとともに、例えば、第2貫通孔の径を第1貫通孔の径よりも大きくした場合には、第1金属板の面積に比べ第2金属板の面積が小さくなることから、絶縁基板の第1の面にかかる単位面積当たりのねじを締め付ける力に比べて絶縁基板の第2の面にかかる単位面積当たりのねじを締め付ける力が大きくなり、絶縁基板の第2の面に過剰な力が加わることから、絶縁基板にクラックや割れが発生する場合があるのに対して、第2貫通孔の径を第1貫通孔の径以下としたことから、絶縁基板の第2の面にかかる単位面積当たりのねじを締め付ける力が大きくなることはなく、絶縁基板にクラックや割れが発生することがより有効に防止され、配線基板の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の電子装置によれば、本発明の配線基板を、第1の面側に電子部品を搭載して、第1貫通孔、基板貫通孔および第2貫通孔に通されたねじの頭部で第1金属板を押さえて実装基板に固定していることから、ねじによって配線基板を実装基板に固定する際に、配線基板にクラックが発生することが有効に防止され、長期信頼性を向上させた電子装置とすることができる。
本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 (a)は図1のA部の一例を示す要部拡大平面図であり、(b)は(a)のX−X線で切断した断面の一例を示す断面図である。 (a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、(b)は(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。 (a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、(b)は(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図4(b)のB部を拡大して示す要部拡大断面図である。 (a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、(b)は(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。 本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 従来の電子装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。
本発明の配線基板および電子装置について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。図2(a)は図1のA部の一例を示す要部拡大平面図であり、図2(b)は図2(a)のX−X線で切断した断面の一例を示す断面図である。図1ならびに図2(a)および(b)において、1は配線基板、2は絶縁基板、2Aは絶縁基板2の電子部品搭載側である第1の面、2Bは絶縁基板2の実装基板7側である第2の面、2aは絶縁基板2に設けられた基板貫通孔、3は第1金属板、3aは第1金属板3に設けられた第1貫通孔、4は第2金属板、4aは第2金属板4に設けられた第2貫通孔、5は接着層、8は第3金属板である。図1ならびに図2(a)および(b)は、基板貫通孔2aが設けられた絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bに、それぞれ基板貫通孔2aに対応した第1貫通孔3aが形成された第1金属板3および基板貫通孔2aに対応した第2貫通孔4aが形成された第2金属板4が接着層5を介して接着固定された状態を示している。
次に、図3(a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、図3(b)は図3(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。図3(a)および(b)において、2bは基板貫通孔2aの内壁面である。図3(a)および(b)は、接着層5が絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bまで連続して被覆した例を示している。
次に、図4(a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、図4(b)は図4(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。図4(a)および(b)において、5aはメタライズ層、5bはろう材層、5cはろう材流れ止め部である。図4(a)および(b)は、接着層5が絶縁基板2の表面に形成されたメタライズ層5aおよびこのメタライズ層5aの表面に形成されたろう材層5bからなり、メタライズ層5aには基板貫通孔2aと第1貫通孔3aとの間に位置する領域にろう材流れ止め部5cが形成された例を示している。
次に、図5(a)〜(c)は、それぞれ図4(b)のB部を拡大して示す要部拡大断面図である。図5(a)〜(c)は、それぞれろう材流れ止め部5cの断面形状の種々の形状の例を示している。
次に、図6(a)は図1のA部の他の例を示す要部拡大平面図であり、図6(b)は図6(a)のX−X線で切断した断面の他の例を示す断面図である。図6(a)および(b)は、第2貫通孔4aの径を基板貫通孔2aの径よりも大きく、かつ第1貫通孔3aの径以下とした例を示している。
次に、図7は本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図7において、6はねじ、7は実装基板である。図7は、本発明の配線基板1を、第1の面2A側に電子部品を搭載して、第1貫通孔3a、基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4aに通されたね
じ6の頭部で第1金属板3を押さえて実装基板7に固定した電子装置の例を示している。
本発明の配線基板1は、図1ならびに図2(a)および(b)に示す例のように、電子部品が搭載される側の第1の面2A、実装基板7に対向する側の第2の面2Bおよび第1の面2Aから第2の面2Bへ貫通した、ねじ6を通すための基板貫通孔2aを有する絶縁基板2に対して、基板貫通孔2aに対応した第1貫通孔3aを有する第1金属板3を第1の面2Aに、基板貫通孔2aに対応した第2貫通孔4aを有する第2金属板4を第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定した配線基板1において、第1貫通孔3aの径は、基板貫通孔2aの径よりも大きく、接着層5は、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bのそれぞれにおいて基板貫通孔2aの開口周縁を被覆していることを特徴とするものである。このような構成としたことから、配線基板1を実装基板7に固定するために絶縁基板2の上面側から第1貫通孔3a,基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4a内にねじ6を挿入し、そのねじ6の先端を実装基板7に設けたねじ溝に螺着させる際に、第1貫通孔3aの径は基板貫通孔2aの径より大きいことから、ねじ6を締め付ける力が絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁より外の領域に加わることになり、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁に直接力が加わることはなくなる。また、接着層5が絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bのそれぞれにおいて基板貫通孔2aの開口周縁を被覆していることから、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁に多く存在している微小クラックや傷が接着層5により覆われているため、基板貫通孔2aの開口周縁に存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板2にクラックや割れが発生することが有効に防止され、配線基板1の長期信頼性を向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板1は、上記構成において、図3(a)および(b)に示す例のように、接着層5は、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bまで連続して被覆していることが好ましい。このような構成としたときには、絶縁基板2に基板貫通孔2aを形成する際に生じる微小クラックや傷のうち基板貫通孔2aの開口周縁に存在している微小クラックや傷だけでなく、絶縁基板2の基板貫通孔2aの内壁面2bに存在している微小クラックや傷も絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bまで連続して被覆している接着層5により覆われているため、絶縁基板2の基板貫通孔2aの内壁面2bに存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板2にクラックや割れが発生することもより有効に防止され、配線基板1の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板1は、上記構成において、図4(a)および(b)に示す例のように、接着層5は、絶縁基板2の表面に形成されたメタライズ層5aおよびこのメタライズ層5aの表面に形成されたろう材層5bからなり、メタライズ層5aは、基板貫通孔2aと第1貫通孔3aとの間に位置する領域にろう材流れ止め部5cが形成されていることが好ましい。このような構成としたときには、絶縁基板2に第1金属板3を接着層5を介して接着固定する際に、配線基板1を加熱してろう材層5bを溶融させても、メタライズ層5aに形成されたろう材流れ止め部5cによって第1金属板3を接着固定するろう材層5bが第1貫通孔3a内のメタライズ層5a表面にまで濡れ広がって薄くなることがなく、第1金属板3を接着固定するろう材層5bの厚みが薄くなって絶縁基板2と第1金属板3との接合強度が劣化することがより有効に防止され、配線基板1の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の配線基板1は、上記構成において、図6(a)および(b)に示す例のように、第2貫通孔4aの径は、基板貫通孔2aの径よりも大きく、かつ第1貫通孔3aの径以下であることが好ましい。このような構成としたときには、配線基板1を実装基板7に固定するために絶縁基板2の上面側から第1貫通孔3a,基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4a内にねじ6を挿入し、そのねじ6の先端を実装基板7に設けたねじ溝に螺着さ
せる際に、第1貫通孔3aの径を基板貫通孔2aの径よりも大きくしたことから、ねじ6を締め付ける力が絶縁基板2の第1の面2Aの基板貫通孔2aの開口周縁に直接加わることがなくなり、また、第2貫通孔4aの径を基板貫通孔2aの径よりも大きくしたことから、ねじ6を締め付ける力が絶縁基板2の第2の面2Bの基板貫通孔2aの開口周縁にも直接加わることがなくなるので、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁に存在する微小クラックや傷が起点となって絶縁基板2にクラックや割れが発生することがより有効に防止される。それとともに、例えば、第2貫通孔4aの径を第1貫通孔3aの径よりも大きくした場合には、第1金属板3の面積に比べて第2金属板4の面積が小さくなることから、絶縁基板2の第1の面2Aにかかる単位面積当たりのねじ6を締め付ける力に比べて絶縁基板2の第2の面2Bにかかる単位面積当たりのねじ6を締め付ける力が大きくなり、絶縁基板2の第2の面2Bに過剰な力が加わることから、絶縁基板2にクラックや割れが発生する場合があるが、第2貫通孔4aの径を第1貫通孔3aの径以下としたことから、絶縁基板2の第2の面2Bにかかる単位面積当たりのねじ6を締め付ける力が大きくなることはなく、絶縁基板2にクラックや割れが発生することがより有効に防止され、配線基板1の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
また、本発明の電子装置は、図7に示す例のように、本発明の配線基板1を、第1の面2A側に電子部品を搭載して、第1貫通孔3a、基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4aに通されたねじ6の頭部で第1金属板3を押さえて実装基板7に固定していることを特徴とするものである。このような構成としたことから、ねじ6によって配線基板1を実装基板7に固定する際に、配線基板1にクラックが発生することが有効に防止され、長期信頼性を向上させた電子装置とすることができる。
配線基板1は、絶縁基板2と第1金属板3と第2金属層4とを有するものである。図1ならびに図2(a)および(b)に示す例のように、絶縁基板2には電子部品が搭載される側の第1の面2A側に第1金属板3が、実装基板7に対向する側の第2の面2B側に第2金属層4がそれぞれ接着層5を介して接着固定されている。なお、第1金属板3,絶縁基板2および第2金属層4には、それぞれ連通するように第1貫通孔3a,基板貫通孔2a,第2貫通孔4aが形成されている。第1貫通孔3a,基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4aは配線基板1を実装基板7に固定するためのねじ6を挿通する挿通孔となるものであり、実装基板7上に載置された配線基板1を第1貫通孔3a,基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4aを挿通させたねじ6で実装基板7に設けられたねじ溝に螺着させてねじ締めし固定することによって、図7に示す例のような電子装置となる。
絶縁基板2は、略四角形状であり、第1の金属板3および第2の金属板4を支持する支持部材として機能する。絶縁基板2は電気絶縁材料からなり、例えば、酸化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,窒化珪素質焼結体等のセラミックスからなる。これらの中では熱伝導性(放熱性)の点からは炭化珪素質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,窒化珪素質焼結体が好ましく、強度の点からは窒化珪素質焼結体が好ましい。厚みは、薄い方が熱伝導性の点ではよいが、配線基板1の大きさや用いる材料の熱伝導率や強度に応じて選択すればよく、0.3mm〜3mm程度
である。絶縁基板2が例えば、窒化珪素質焼結体から成る場合は、窒化珪素,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化イットリウム等の原料粉末に適当な有機バインダ,可塑剤,溶剤を添加混合して得た泥漿物にドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を形成し、次にこのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して所定形状にするとともに、必要に応じて複数枚を積層して成形体とし、しかる後、これを窒素雰囲気等の非酸化性雰囲気にて1600〜2000℃の温度で焼成することによって製作される。
絶縁基板2のねじ6を通すための基板貫通孔2aの径は、用いるねじ6の軸径よりも大
きく、ねじ6の頭部の径よりも小さく製作される。その平面視の形状は、特に制限はなく、三角形や四角形またはそれ以上の多角形、あるいは円形や楕円形でもよい。基板貫通孔2aを起点としたクラックの発生を防止するためには応力の集中しにくい形状が好ましい。例えば、応力の集中しにくい角の角度が直角より大きくなる六角形以上の多角形が好ましく、より好ましくは応力の集中しにくい角部を有さない楕円形や円形がよく、曲率半径が一定で応力の集中しやすい部分のない円形が最適である。例えば、ねじ6の軸径が4〜4.5mmで、ねじ6の頭部の径が8〜10mmの場合であれば、ねじ6を通すための基板貫
通孔2aの径は、用いるねじ6の軸径よりも大きく、ねじ6の頭部の径よりも小さく製作して、基板貫通孔2aの径を4.7〜5mmとすればよい。
絶縁基板2の基板貫通孔2aは、絶縁基板2を作製する際にセラミックグリーンシートに打ち抜き加工やレーザー加工等によって貫通孔を形成しておき、焼成することによって形成してもよいし、基板貫通孔2aを有さない絶縁基板2を作製した後、例えば、二酸化炭素レーザーを用いたレーザー加工や研削加工等の機械加工によって形成してもよい。絶縁基板2を作製する際に複数のセラミックグリーンシートを積層して作製する場合は、貫通孔を形成したセラミックグリーンシートを位置合わせして積層してもよいし、複数のセラミックグリーンシートを積層した成形体を貫通するような貫通孔を金型等の打ち抜き加工法を用いて形成してもよい。積層位置ずれにより基板貫通孔2aの縦断面において角部が形成されると、そこに応力が集中しやすくなるので、成形体に貫通孔を形成する方が好ましい。また、同様の理由で、基板貫通孔2aを有さない絶縁基板2を作製した後に基板貫通孔2aを形成するのが好ましく、この場合は焼成収縮ばらつきによる基板貫通孔2aの絶縁基板2内での位置ずれもないのでより好ましい。
絶縁基板2の基板貫通孔2aの配置(数および位置)は、配線基板1の大きさや絶縁基板2の中央部に固定される第3金属板8の形状等により適宜設定すればよいが、四角形の配線基板1であれば、絶縁基板2の外周部の少なくとも4隅に設けられる。
第1金属板3および第2金属板4は、銅やアルミニウム等の金属から成り、例えば銅のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の機械的加工やエッチング等の化学的加工のような従来周知の金属加工法を施すことによって、例えば厚さが0.05〜1mmの平板状で、所定パターンに形成される。絶第1金属板3および第2金属板4をエッチング等の化学的加工を施すことによって形成する場合は、絶縁基板2と同じ外形寸法の厚みが0.05〜1mmの金属板を絶縁基板2の表面に接合した後にエッチングで所定のパターン形状に加工することで製作することができる。具体的には、絶縁基板2上に接着固定された金属板の表面にエッチングレジストインクをスクリーン印刷法等の技術を採用して第1金属板3および第2金属板4のパターン形状に印刷塗布してレジスト膜を形成した後、塩化第2鉄や塩化第2銅溶液等のエッチング液に浸漬したり、エッチング液を吹き付けたりして第1金属板3および第2金属板4のパターン以外の部分を除去し、レジスト膜を除去すればよい。
絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bの中央部には、図1および図7に示す例のように、第3金属板8が接着層5を介して固定される。絶縁基板2の第1の面2A上の第3金属板8は、配線パターン形状であり、配線基板1の配線として機能する。絶縁基板2の第2の面2B上の第3金属板8は、必ずしも必要ではないが、例えば、第2の面2Bの中央部のほぼ全面に形成して、図7に示す例のように、配線基板1を実装基板7に固定する際に第2の面2Bに固定された第3金属板8を実装基板7に密着させて、配線基板1から実装基板7へ熱を伝えるための伝熱板として機能するようにして、配線基板1に搭載された電子部品の放熱性を高めるようにするのが好ましい。
第3金属板8は、上述した第1金属板3および第2金属板4と同じ材料の銅やアルミニ
ウム等の金属から成り、第1金属板3および第2金属板4の形成方法と同様の方法で所定の形状に形成され、後述する第1金属板3および第2金属板4の接着層5による絶縁基板2への固定方法と同様の方法で所定の形状に形成される。絶縁基板2の第1の面2A上の第1金属板3と第3金属板8、第2の面2B上の第2金属板4と第3金属板8とは同時に形成すればよい。例えば、第1金属板3および第3金属板8をエッチングで所定のパターン形状に加工する場合であれば、絶縁基板2の大きさと同程度の大きさの金属板を絶縁基板2の第1の面2Aに接合し、第1金属板3および第3金属板8のパターン形状にレジスト膜を形成してエッチングすることで、第1金属板3と第3金属板8とを同時に形成することができる。
第1金属板3,第2金属板4および第3金属板8は、その表面にニッケルからなる良導電性で、かつ耐蝕性およびろう材との濡れ性が良好な金属をめっき法により被着させておくと、第1金属板3に半導体素子等の電子部品を半田を介して強固に接着させることができるとともに、第2金属板4と外部電気回路との電気的接続を良好なものとすることができる。この場合は、内部に燐を8〜15質量%含有させてニッケル−燐のアモルファス合金としておくと、ニッケルからなるめっき層の表面酸化を良好に防止してろう材との濡れ性等を長く維持することができるので好ましい。ニッケルに対する燐の含有量が8質量%未満となると、あるいは15質量%を超えると、ニッケル−燐のアモルファス合金を形成するのが困難となってめっき層に半田を強固に接着させることが困難となりやすい。このニッケルからなるめっき層は、その厚みが1.5〜3μmであることが好ましい。ニッケルから
なるめっき層の厚みが1.5μm未満の場合には、第1金属板3,第2金属板4および第3
金属板8の表面を完全に被覆することができず、第1金属板3,第2金属板4および第3金属板8の酸化腐蝕を有効に防止することができなくなる傾向がある。また、ニッケルからなるめっき層の厚みが3μmを超えると、絶縁基板2の厚さが700μm以下の薄いもの
になった場合には、めっき層の内部に内在する内在応力が大きくなって絶縁基板2に反りや割れ等が発生しやすくなってしまう。
図1ならびに図2(a)および(b)に示す例のように、配線基板1は、絶縁基板2に対して、第1金属板3を絶縁基板2の第1の面2Aに、第2金属板4を絶縁基板2の第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定したものであり、第1貫通孔3aの径は、基板貫通孔2aの径よりも大きく、接着層5は、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bのそれぞれにおいて基板貫通孔2aの開口周縁を被覆している。例えば、基板貫通孔2aの径が5mmの場合であれば、第1貫通孔3aの径を基板貫通孔2aの径よりも0.5mm以上大きい5.5mm以上の径とするのがよく、また、絶縁基板2と第1金属板3との接合時のずれを考慮すると、第1貫通孔3aの径を基板貫通孔2aの径よりも0.8mm以
上大きい5.8mm以上の径とするのがよい。より好適には、第1貫通孔3aを形成する際
のエッチング条件のばらつきによる第1貫通孔3aの径の寸法ばらつきも考慮すると、第1貫通孔3aの径を基板貫通孔2aの径よりも1mm以上大きい6mm以上の径とすることによって、絶縁基板2と第1金属板3との接合時のずれや第1貫通孔3aの径の寸法ばらつきが発生したとしても、基板貫通孔2aの開口周縁に直接力が加わることがなくなる。また、接着層5は、その厚みが30〜50μmであり、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bのそれぞれにおいて基板貫通孔2aの開口周縁を被覆していることから、基板貫通孔2aの径が5mmの場合の上述した第1貫通孔3aの径の寸法を考慮して、接着層5が被覆している基板貫通孔2aの開口周縁の寸法は、0.25〜0.5mmとするのが好まし
い。
第1貫通孔3aの径を基板貫通孔2aの径よりも大きくなるように形成する方法としては、上述した第1貫通孔3aを形成する方法で、第1貫通孔3aの径が基板貫通孔2aの径よりも大きくなるように形成する。例えば、第1貫通孔3aの径が基板貫通孔2aの径よりも大きくなるように形成する方法として、絶縁基板2と同じ外形寸法の厚みが0.05〜
1mmの金属板を絶縁基板2の第1の面2Aに接合した後にエッチングで所定のパターン形状に加工する場合には、以下のようにすればよい。まず、絶縁基板2と金属板とを、間に接着層5を介して真空中で約800℃まで加熱することで、絶縁基板2の第1の面2Aに
接着層5を介して金属板を接合する。その後、金属板の表面にエッチングレジストインクをスクリーン印刷法等の技術を採用して所定の配線パターン形状および第1貫通孔3aの形状に印刷塗布してレジスト膜を形成した後、塩化第2鉄や塩化第2銅溶液等のエッチング液に浸漬し、またはエッチング液を吹き付けて第1金属板3の所定の配線パターン以外の部分および第1貫通孔3aに相当する部分を除去し、さらに、絶縁基板2の基板貫通孔2aに相当する部分を除去して、レジスト膜を除去すればよい。このとき、第1貫通孔3aの径を6mmとし、基板貫通孔2aの径を5mmとする場合であれば、レジスト膜の第1貫通孔3aに相当する部分の内径を6mmとして、第1金属板3の第1貫通孔3aに相当する部分を除去してからレジスト膜を除去することによって、径が6mmの第1貫通孔3aを形成することができる。さらに、第1貫通孔3aを形成した後に、再度エッチングレジストインクを印刷塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜の基板貫通孔2aに相当する部分の内径を5mmとして、絶縁基板2の基板貫通孔2aに相当する部分を除去してからレジスト膜を除去することによって、径が5mmの基板貫通孔2aを形成することができる。
また、接着層5は、以下に詳述する方法で形成する。
絶縁基板2と第1金属板3,第2金属板4との接着層5を介した接合は、後述する図4(a)および(b)に示す例のように、絶縁基板2の表面にメタライズ層5aを形成し、このメタライズ層5aの表面にろう材層5bを形成して接着層5となし、この接着層5を介して絶縁基板2と第1金属板3,第2金属板4とを接着固定することができる。また、接着層5として活性金属ろう材を用いて接合してもよい。
絶縁基板2に対して、第1金属板3を絶縁基板2の第1の面2Aに、第2金属板4を絶縁基板2の第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定する際に、例えば第1金属板3および第2金属板4として銅を用い、接着層5として活性金属ろう材を用いて絶縁基板2上に第1金属板3および第2金属板4を接合する場合は、例えば、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bにそれぞれ活性金属ろう材ペーストをスクリーン印刷法を用いて、例えば30〜50μmの厚さで所定パターンに印刷塗布するとともに、第1の面2Aおよび第2の面2B上に所定パターンに印刷塗布された活性金属ろう材ペーストをそれぞれ第1金属板3および第2金属板4で挟んで載置した後、金属板に5〜10kPaの荷重をかけながら真空中または水素ガス雰囲気や水素・窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で780〜900℃、10〜120分間加熱し、金属ろう材ペーストの有機溶剤や溶媒・分散剤を気体に
変えて発散させるとともに活性金属ろう材を溶融させることによって行なわれる。接着層5となる活性金属ろう材ペーストは、銀および銅粉末,銀−銅合金粉末,またはこれらの混合粉末から成る銀ろう材(例えば、銀:72質量%−銅:28質量%)粉末に対してチタン,ハフニウム,ジルコニウムまたはその水素化物等の活性金属を2〜5質量%加えてなる活性金属ろう材粉末と、適当な有機溶剤・溶媒とを添加混合し、混練することによって製作される。
第1金属板3および第2金属板4としてアルミニウムを用いる場合は、上記銀ろう材に換えてアルミニウムろう材(例えば、アルミニウム:88質量%−シリコン:12質量%)を用い、約600℃で加熱する。
また、絶縁基板2に対して、第1金属板3を絶縁基板2の第1の面2Aに、第2金属板4を絶縁基板2の第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定する際に、第1金属板3および第2金属板4として銅を用い、第1金属板3および第2金属板4と絶縁基板2
との接合を活性金属ろう材を用いて行なう場合は、これを無酸素銅で形成しておくことが好ましい。無酸素銅は、活性金属ろう材を介して絶縁基板2に取着する際に銅の表面が銅中に存在する酸素により酸化されることがなく、活性金属ろう材との濡れ性が良好となるので、第1金属板3および第2金属板4の絶縁基板2への活性金属ろう材を介しての接合が強固となる。
図3(a)および(b)に示す例のように、接着層5は、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bまで連続して被覆していることが好ましい。接着層5を、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bまで連続して被覆させるには、絶縁基板2の第1の面2Aおよび第2の面2Bから絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁にかけて接着層5を所定パターンに印刷塗布する際に、従来周知のスクリーン垂れ込み印刷法を用いて印刷塗布することによって、活性金属ろう材ペーストを基板貫通孔2aの内壁面2bに被覆させることができる。絶縁基板2に発生するクラックや割れを防ぐためには、接着層5は、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bの開口部付近の領域にまで連続して被覆していることが好ましく、図3(b)に示す例のように、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bの全面にわたって連続して被覆していることがより好ましい。このように、接着層5が絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bの全面にわたって連続して被覆している場合は、基板貫通孔2aの開口周縁および基板貫通孔2aの内壁面2bの開口部付近の領域に存在している微小クラックや傷だけでなく、基板貫通孔2aの内壁面2bの全面に存在する微小クラックや傷も接着層5によって被覆されることとなり、微小クラックや傷が起点となって絶縁基板2にクラックや割れが発生することがより有効に防止されるので、配線基板1の長期信頼性をより向上させることが可能となる。なお、接着層5が、絶縁基板2の基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bの開口部付近の領域にまで連続して被覆している場合は、接着層5を基板貫通孔2aの開口周縁から基板貫通孔2aの内壁面2bの上部の1/4〜1/3の領域まで被覆させておくことが好ましい。絶縁基板2に基板貫通孔2aを形成する際に発生する微小クラックや傷は、基板貫通孔2aの内壁面2bの上部の1/4〜1/3の領域に多く存在するので、この領域を接着層5で被覆することにより、微小クラックや傷が起点となって絶縁基板2にクラックや割れが発生することをより有効に防止し、配線基板1の長期信頼性をより向上させることが可能となる。
図4(a)および(b)に示す例のように、絶縁基板2に対して、第1金属板3を絶縁基板2の第1の面2Aに、第2金属板4を絶縁基板2の第2の面2Bにそれぞれ接着層5を介して接着固定する際に、接着層5が絶縁基板2の表面に形成されたメタライズ層5aおよびこのメタライズ層5aの表面に形成されたろう材層5bからなり、メタライズ層5aは、基板貫通孔2aと第1貫通孔3aとの間に位置する領域にろう材流れ止め部5cが形成されていることが好ましい。接着層5が絶縁基板2の表面に形成されたメタライズ層5aおよびこのメタライズ層5aの表面に形成されたろう材層5bからなる場合は、第1金属板3および第2金属板4として銅を用い、上記活性金属ろう材ペーストに換えて金属ろう材ペーストを用いて同様に行なえばよい。金属ろう材ペーストは、活性金属を含まない銀ろう材を用いればよい。絶縁基板2上のメタライズ層5aは、絶縁基板2を作製する際にセラミックグリーンシート上にメタライズペーストを所定パターン形状に印刷塗布しておき、焼成することによって形成してもよいし、絶縁基板2を作製した後、絶縁基板2上にメタライズペーストを所定パターン形状に印刷塗布しておき、焼き付けることによって形成してもよい。メタライズペーストは、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)またはこれらの混合粉末から成る金属粉末と、適当な有機溶剤・溶媒とを添加混合し、混練することによって製作される。また、第1金属板3および第2金属板4としてアルミニウムを用いる場合は、上記銀ろう材に代えてアルミニウムろう材(例えば、アルミニウム:88質量%−シリコン:12質量%)を用い、約600℃で加熱する。
ろう材流れ止め部5cは、絶縁基板2に第1金属板3と第2金属板4とを接着層5を介して接着固定する際、第1金属板3を接着固定するろう材層5bが加熱して溶融し、この溶融したろう材が第1貫通孔3a内のメタライズ層5aの表面にまで濡れ広がることを防止する機能を有する。
ろう材流れ止め部5cは、例えば図5(a)〜(c)に示す例のような形状が用いられる。図5(a)および(b)は、メタライズ層5aの一部を部分的に隆起させ、ろう材流れ止め部5cとしたものであり、この隆起したろう材流れ止め部5cは、例えば高さが30〜50μmで幅が0.1〜0.5mmで、基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域に形成されている。図5(c)は、メタライズ層5aの一部に凹部を形成してこの凹部をろう材流れ止め部5cとしたものであり、例えば深さが30〜50μmで幅が0.1〜0.5mmに形成されている。
図5(a)および(b)に示す例のように、ろう材流れ止め部5cを、メタライズ層5aの基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域において、底面から頂面にかけて暫時細くなるように部分的にメタライズ層5aが隆起した形状とした場合には、この隆起した部分で溶融したろう材が止まることによって、溶融したろう材が第1貫通孔3a内のメタライズ層5aの表面にまで濡れ広がって薄くなることを有効に防止することができる。このとき、図5(a)に示す例のように、ろう材流れ止め部5cを、基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域において、基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間から基板貫通孔2aの開口周縁にかけて、高さが30〜50μm,幅が0.1〜0.5mmで、断面形状で見て頂部が平坦になった形状に形成してもよく、また、図5(b)に示す例のように、基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域の内側に、高さが30〜50μm,幅が0.1〜0.5mmで、断面形状で見てドーム状に形成してもよい。ろう材流れ止め部5cの高さは、第1金属板3の下面よりも高く形成されていると、溶融したろう材が第1貫通孔3a内のメタライズ層5aの表面にまで濡れ広がって薄くなることをより有効に防止することができるので好ましい。
また、図5(c)に示す例のように、ろう材流れ止め部5cを、断面形状で見てメタライズ層5aの基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域の一部に凹部が形成された形状とした場合には、溶融したろう材が凹部に溜まることによって、溶融したろう材が第1貫通孔3a内のメタライズ層5aの表面にまで濡れ広がって薄くなることを有効に防止することができる。図5(c)に示す例のように、ろう材流れ止め部5cを、メタライズ層5aの基板貫通孔2aと第1貫通孔3bとの間に位置する領域の内側の一部に、例えば深さが15〜25μmで幅が0.1〜0.5mmの溝状の凹部が形成された形状とした場合には、溶融したろう材が、ろう材流れ止め部5cとしての凹部に溜まり、この凹部に溜まったろう材は、その表面に表面張力が作用することによって、凹部の外側に漏れ出すことが抑制されるので、溶融したろう材が第1貫通孔3a内のメタライズ層5aの表面にまで濡れ広がって薄くなることを有効に防止することができる。
ろう材流れ止め部5cを、図5(a)および(b)に示す例のように、部分的に隆起した形状とする場合は、上記メタライズ層5aを作製するときに、メタライズペーストを所定のパターン形状に印刷塗布した後、そのパターン上にろう材流れ止め部5cとなるように所望のパターン形状に印刷塗布することによって、部分的に隆起した形状のろう材流れ止め部5cが作製される。また、ろう材流れ止め部5cを、図5(c)に示す例のように、凹部が形成された形状とする場合は、メタライズペーストを所定のパターン形状に印刷塗布する際、例えばメタライズパターンにろう材流れ止め部5cのパターンを非形成パターンとしてパターン形成した印刷製版を最後の印刷製版としてメタライズペーストを所定のパターン形状に印刷塗布することによって作製される。
さらに、ろう材流れ止め部5cは、ろう材の濡れ広がりを防止するという観点から、ろう材流れ止め部5cの表面に、ろう材との濡れ性の悪い金属層を被着させることが好ましい。ろう材との濡れ性の悪い金属層としては、例えばクロム(Cr),白金(Pt),チタン(Ti),アルミニウム(Al)等が用いられる。ろう材流れ止め部5cの表面に、ろう材との濡れ性の悪い金属層を被着させる方法としては、上述した方法でろう材流れ止め部5cを形成した後、スパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成法により0.1〜2μmの
厚みで形成することが好ましい。また、ろう材流れ止め部5cの表面には、ろう材との濡れ性の悪い金属層に代えて、例えばポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等の耐熱性を有した、ろう材と濡れない有機樹脂を用いることもできる。この有機樹脂は、ろう材流れ止め部5cの表面にスクリーン印刷法等の従来周知の印刷法で形成することができる。
図6(a)および(b)に示す例のように、第2貫通孔4aの径は、基板貫通孔2aの径よりも大きく、かつ第1貫通孔3aの径以下であることが好ましい。例えば、基板貫通孔2aの径が5mmで、第1貫通孔3aの径が7mmの場合であれば、第2貫通孔4aの径を基板貫通孔2aの径よりも0.1mm以上大きい5.1mm以上とするのがよく、絶縁基板2と第2金属板4との接合時のずれを考慮すると、第2貫通孔4aの径を基板貫通孔2aの径よりも0.4mm以上大きい5.4mm以上とするのがよい。より好適には、第2貫通孔4aを形成する際のエッチング条件のばらつきによる第2貫通孔4aの径の寸法ばらつきも考慮すると、第2貫通孔4aの径を基板貫通孔2aの径よりも0.6mm以上大きい5.6mm以上とし、第1貫通孔3aの径である7mmを超えない範囲で形成することが好ましい。このように、第2貫通孔4aの径が、基板貫通孔2aの径よりも大きく、かつ第1貫通孔3aの径以下であるときには、ねじ6を締め付ける力が絶縁基板2の第2の面2Bの基板貫通孔2aの開口周縁にも直接加わることがなくなり、絶縁基板2にクラックや割れが発生することをより有効に防止することができる。
第2貫通孔4aの形成方法としては、第2貫通孔4aの径が基板貫通孔2aの径よりも大きく、かつ第1貫通孔3aの径以下となるように、上述した第1金属板3に第1貫通孔3aを形成する方法と同様の方法で、第2金属板4に第2貫通孔4aを形成することができる。
図7に示す例のように、上記のようにして作製した配線基板1に電子部品を搭載し、第1貫通孔3a、基板貫通孔2aおよび第2貫通孔4aに通されたねじ6の頭部で第1金属板3を押さえて実装基板7に固定することで電子装置となる。電子部品としては、トランジスタ,CPU(Central Processing Unit)用のLSI(Large Scale Integrated circuit),IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor - Field Effect Transistor)等の半導体素子が挙げられる。電子部品
は、半田やAu−Si合金等の金属接合材あるいは導電性樹脂で固定されて配線基板1に搭載され、電子部品の端子と配線基板1の配線(第1の面2A上の第3金属板8)とがワイヤボンディング等の接続手段により電気的に接続される。
本発明の配線基板1をヒートシンク等の実装基板7に固定するためのねじ6としては、第1金属板3および第2金属板4を押えるための頭部を有するねじ6であれば特に制限はない。
1・・・配線基板
2・・・絶縁基板
2A・・第1の面
2B・・第2の面
2a・・基板貫通孔
2b・・内壁面
3・・・第1金属板
3a・・第1貫通孔
4・・・第2金属板
4a・・第2貫通孔
5・・・接着層
5a・・メタライズ層
5b・・ろう材層
5c・・ろう材流れ止め部
6・・・ねじ
7・・・実装基板
8・・・第3金属板

Claims (5)

  1. 電子部品が搭載される側の第1の面、実装基板に対向する側の第2の面および前記第1の面から前記第2の面へ貫通した、ねじを通すための基板貫通孔を有する絶縁基板に対して、前記基板貫通孔に対応した第1貫通孔を有する第1金属板を前記第1の面に、前記基板貫通孔に対応した第2貫通孔を有する第2金属板を前記第2の面にそれぞれ接着層を介して接着固定した配線基板において、前記第1貫通孔の径は、前記基板貫通孔の径よりも大きく、前記接着層は、前記絶縁基板の前記第1の面および前記第2の面のそれぞれにおいて前記基板貫通孔の開口周縁を被覆していることを特徴とする配線基板。
  2. 前記接着層は、前記絶縁基板の前記基板貫通孔の前記開口周縁から前記基板貫通孔の内壁面まで連続して被覆していることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記接着層は、前記絶縁基板の表面に形成されたメタライズ層および該メタライズ層の表面に形成されたろう材層からなり、前記メタライズ層は、前記基板貫通孔と前記第1貫通孔との間に位置する領域にろう材流れ止め部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
  4. 前記第2貫通孔の径は、前記基板貫通孔の径よりも大きく、かつ前記第1貫通孔の径以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線基板。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の配線基板を、前記第1の面側に電子部品を搭載して、前記第1貫通孔、前記基板貫通孔および前記第2貫通孔に通されたねじの頭部で前記第1金属板を押さえて実装基板に固定していることを特徴とする電子装置。
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