JP2011171161A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ニッケル水素電池を有し、周囲温度の上昇によりニッケル水素電池の充電受入性の低下および放電容量の減少を充電制御の切り替えにより抑制することができる照明装置を提供する。
【解決手段】
光源27を有し、ニッケル水素電池22をトリクル充電により充電するトリクル充電制御とトリクル充電より大充電電流値により充電する大電流充電制御を適宜切り替えて充電することにより、ニッケル水素電池22の充電受入性の低下による放電容量の減少を抑制するとともにニッケル水素電池22の充電効率化が可能な照明装置100を提供する。
【選択図】図2
ニッケル水素電池を有し、周囲温度の上昇によりニッケル水素電池の充電受入性の低下および放電容量の減少を充電制御の切り替えにより抑制することができる照明装置を提供する。
【解決手段】
光源27を有し、ニッケル水素電池22をトリクル充電により充電するトリクル充電制御とトリクル充電より大充電電流値により充電する大電流充電制御を適宜切り替えて充電することにより、ニッケル水素電池22の充電受入性の低下による放電容量の減少を抑制するとともにニッケル水素電池22の充電効率化が可能な照明装置100を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ニッケル水素電池を用いた照明装置に関する。
電池を搭載した照明装置として、例えば、非常灯や誘導灯がある。これら誘導灯や非常灯のような照明装置は、停電等の非常時に確実に点灯する高い信頼性が求められる。
従来、照明装置の非常時の電源として、ニッケルカドミウム電池が用いられてきた。ニッケルカドミウム電池は廃棄時に環境に対する負荷が大きいため、近年、ニッケルカドミウム電池と比較して小型化が可能で、廃棄時に負荷の少ないニッケル水素電池が用いられるようになってきている。
ニッケル水素電池を用いる照明装置として、2つの充電電流値による充電制御により充電を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の照明装置は、ニッケル水素電池の容量を1CmA(以下、特に断らない限り「C」は放電率を表す。)としたときに、充電電源投入後、1/10CmA±10%にて10時間以上24時間以内の所定の時間ニッケル水素電池を充電する第1の充電工程と、その後引き続き1/100CmA以上1/30CmA未満にて充電する第2の充電工程とを有している。
そして、特許文献1のニッケル水素電池に対する第2の充電工程では、例えば、約1/20CmA以下の充電電流値で連続して充電を行うことによってニッケル水素電池を絶えず満充電状態を維持するトリクル充電制御を行っていた。
ここで、ニッケル水素電池の特性について図面を参照して説明する。図7はニッケル水素電池の充電特性を表すグラフである。
図7において、横軸はニッケル水素電池の電池温度を示す。縦軸は充電受入性すなわちニッケル水素電池が蓄電可能な最大容量に対して、実際にニッケル水素電池から放電可能な容量の割合を示す。なお、充電受入性の定義は、ニッケル水素電池の一般的な充電特性を表すことができればこの限りではない。
ニッケル水素電池は、図7に示すように装置の周囲温度が上昇し、電池温度が高い状態で充電電流値が小さくなる程充電受入性が低下する。すなわち、電池温度がある閾値を上回る高温状態においては、ニッケル水素電池からの自己放電量を充電電流値の小さいトリクル充電により補って、満蓄電を略維持するための充電制御を行っているとしても、実際にはニッケル水素電池は満蓄電とはならず、ニッケル水素電池から放電可能な容量は、ニッケル水素電池が蓄電可能な最大容量から低下する。この低下は、ニッケル水素電池の種類にも依るが、電池温度が40℃から増加するほど顕著になる。
そして、特許文献1の技術は、2つの充電工程を備え、ニッケル水素電池を効率的に充電することができるが、第1の充電工程後は第2の充電工程で充電をするのみであるため、上記の様に周囲温度が高い場合は充電受入性が低下することにより、照明装置を所定の時間点灯させるために必要な容量に対して、実際にニッケル水素電池から放電可能な容量は不足してしまう虞がある。このような状態となると、非常時にニッケル水素電池からの電源供給による非常点灯時間が短くなってしまう虞があった。
したがって、本発明は、充電受入性低下による放電容量減少の抑制およびニッケル水素電池の充電を効率化することを目的とする。
請求項1記載の照明装置は、光源と;ニッケル水素電池と;外部電源からニッケル水素電池をトリクル充電するトリクル充電制御およびトリクル充電よりも大充電電流値で充電する大電流充電制御をニッケル水素電池の蓄電量に応じて切り替え可能に制御する充電制御手段と;外部電源またはニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させる点灯制御手段とを具備していることを特徴とする。
本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
光源は、線状光源、点状光源または平面状光源であってもよく、例えば、蛍光ランプ、低圧ナトリウムランプおよび高圧ナトリウムランプなどの放電ランプ、発光ダイオードおよびエレクトロルミネッセンスなどの半導体発光素子、一般用白熱電球、ハロゲン電球などの各種光源を所望により選択使用することができる。また、光源は、非常点灯専用でもよいし、常用点灯と兼用であってもよく、その構成は特に限定しない。
ニッケル水素電池は、非常時に光源を点灯させるための所望の機能を満たすように構成されていればその構成および個数は限定しない。
「ニッケル水素電池の蓄電量に応じて」とは、ニッケル水素電池の充電受入性の低下による蓄電量の減少量を検出することにより蓄電量の減少量を大電流充電制御により補う態様またはニッケル水素電池の充電受入性の低下による蓄電量の減少を抑制するために予め定められた大電流充電制御時間または大充電電流値で大電流充電制御を任意にまたは定期的に行うことにより蓄電量の減少量を補う態様を意味するものである。
充電制御手段は、ニッケル水素電池へ充電電流を供給している状態で、切り替えが連続して行われるものでもよいし、切り替えの間にニッケル水素電池への充電電流が休止している状態も含むものである。要するに、切り替えの間のニッケル水素電池への充電の有無に関しては、特に限定しない。
点灯制御手段は、光源を点灯させるための所望の機能を満たすように構成されていればその構成は限定しない。
請求項1記載の発明によれば、外部電源からニッケル水素電池への充電休止の有無に関わらず、ニッケル水素電池に対して2つの充電制御を切り替え可能にすることにより、照明装置の状態または照明装置の周囲環境に依らずに、満蓄電状態を維持することができる。
請求項2記載の照明装置は、請求項1記載の照明装置において、照明装置の周囲温度を検知する温度検知手段、計時手段またはニッケル水素電池の蓄電量を検知する蓄電量検知手段のうち少なくとも一つを有する検知手段を備え、充電制御手段は、検知手段から出力される検知結果に基づいて、トリクル充電制御および大電流充電制御を切り替え可能に制御することを特徴とする。
周囲温度を検知する温度検知手段は、照明器具の周囲温度を検知するように設けられることが好適であるが、ニッケル水素電池の周囲温度や照明器具内の周囲温度を検知するように設けられてもよく、周囲温度を検知するための所望の機能を満たすように構成されていればその構成および個数は限定しない。
また、温度検知手段は、照明器具に設けられてもよいし、照明器具から分離され別置であっても構わない。
計時手段またはニッケル水素電池の蓄電量を検知する蓄電量検知手段は、所望の機能を満たすように構成されていればその構成は限定しない。
請求項2記載の発明によれば、検知手段に設けられた温度検知手段がニッケル水素電池の充電受入性低下による放電容量減少が懸念される周囲温度を検出した場合に、検知手段は充電制御手段に指示し、充電制御をトリクル充電制御と大電流充電制御に切り替えることができる。また、計時手段を検知手段に設けた場合、照明装置に外部電源が接続された時点からの時間、充電制御を切り替えてからの経過時間または光源の点灯時間を計時することにより、充電制御をトリクル充電制御と大電流充電制御に切り替えることができる。さらにまた、蓄電量を検知する蓄電量検知手段を検知手段に設けた場合、実際にニッケル水素電池の蓄電量を検出し、充電受入性を算出することにより、充電制御をトリクル充電制御と大電流充電制御に切り替えることができる。
請求項3記載の照明装置は、請求項1又は2記載の照明装置において、外部からの制御信号を入力するための信号入力手段を有し、点灯制御手段は、信号入力手段が受信した制御信号に基づきニッケル水素電池への充電休止を行うとともにニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた後に、大電流充電制御により充電再開を行うものであり、かつ、充電制御手段は、ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間、信号入力手段の制御信号受信から充電再開までにニッケル水素電池から減少した蓄電量または信号入力手段が受信した制御信号に応じて、充電再開時の大電流充電制御における大電流充電制御時間または大充電電流値の少なくともいずれか一方を可変とすることを特徴とする。
外部からの制御信号を入力するための信号入力手段は、外部信号の受信形態が有線か無線かを問わず、所望の機能を満たすように構成されていればその構成は限定しない。
「ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間」とは、ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間、信号入力手段が外部からの制御信号を受信してから充電制御手段がニッケル水素電池への充電を再び開始するまでに要する時間またはニッケル水素電池への充電休止時間に基づいて、予め定められた大電流充電制御時間または予め定められた大充電電流値で大電流充電制御を行うことを意味する。
また、「信号入力手段の制御信号受信から充電再開までにニッケル水素電池から減少した蓄電量」とは、信号入力手段が外部からの制御信号を受信してから、充電制御手段がニッケル水素電池への充電を再び開始するまでにニッケル水素電池から減少した蓄電量を何らかの検出手段で検出して、検出された蓄電量の減少量とニッケル水素電池に入力するエネルギーが略同一になるように大電流充電制御により充電することを意味する。
また、「信号入力手段が受信した制御信号」とは、信号入力手段が受信した制御信号に基づいて、予め定められた大電流充電制御時間または大充電電流値で大電流充電制御を行うことを意味する。
充電休止および充電再開とは、ニッケル水素電池への充電を行わない状態およびニッケル水素電池への充電を再び行う状態をそれぞれ表す。
請求項3記載の発明によれば、まず、外部から出力された制御信号を信号入力手段により受信し、信号入力手段が受信した制御信号に基づいて、点灯制御手段はニッケル水素電池への充電を休止するとともに、光源の電源を外部電源からニッケル水素電池に切り替えて、所定の時間光源の点灯を行う。そして、例えば、所定の時間の経過後または外部から充電再開を指示する信号が入力されると、充電制御手段はニッケル水素電池に対して大電流充電制御を行う。充電再開時の大電流充電制御における大電流充電制御時間または大充電電流値は、ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間、信号入力手段が外部からの制御信号を受信してから充電制御手段がニッケル水素電池への充電を再び開始するまでに要する時間、ニッケル水素電池への充電休止時間、ニッケル水素電池への充電休止時間、ニッケル水素電池による光源の点灯によりニッケル水素電池から減少する蓄電量または信号入力手段が受信した制御信号に応じて定められるため、大電流充電制御とトリクル充電制御を外部からの制御信号を用いて任意にまたは定期的に切り替えることができる。
請求項4記載の照明システムは、請求項3記載の照明装置と;ニッケル水素電池からの電源供給により光源を短時間点灯させる簡易点検信号を照明装置の信号入力手段に出力する制御盤とを備える照明装置点検システムにおいて、照明装置は、制御盤からの簡易点検信号を信号入力手段により受信後、簡易点検を実施するとともに、簡易点検終了後、予め定められた所定の時間大電流充電制御を行うことを特徴とする。
制御盤は、何らかの通信手段により照明装置と接続されているが、この通信手段の形態は有線か無線かを問わない。また、制御盤の電源は、照明装置の外部電源と別に設けられることが好適であるが、照明装置の外部電源と共用であっても構わない。さらにまた、制御盤が照明装置に出力する信号は、簡易点検信号のみに限定されるものではない。
ここで、消防庁や建築基準法の規定では、2次電池からの電力供給により誘導灯の場合には20分間又は60分間、非常灯の場合には30分間、それぞれ光源を有効に非常点灯させなければならないと定められている。また、この非常点灯が正常に行われるか否かの点検を定期的に行うように消防庁告示及び建築基準法等で義務づけられている。
点検は、法令等により定められた期間ごとに行う定期点検と定期点検より短い周期で実施される簡易点検に大別される。定期点検においては、20分間や60分間など法令で定められた時間、2次電池からの電力供給により光源を点灯させることで照明装置の状態を判断する。一方、簡易点検では、照明装置の状態を判断するために、2次電池からの電力供給により光源を点灯させる時間は法令で定められた時間よりも短い時間で行われる。
よって、「ニッケル水素電池からの電源供給により光源を短時間点灯させる簡易点検信号」とは、ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させる時間が、定期点検よりも短い時間で行われる簡易点検に関する信号であることを意味する。
「予め定められた所定の時間」とは、大電流充電制御時間が簡易点検実施前から事前に定められていることを意味する。
請求項1記載の発明によれば、大電流充電制御とトリクル充電制御とをニッケル水素電池の蓄電量に応じて切り替えることができるので、周囲温度の上昇に伴う電池温度の上昇時にトリクル充電制御を行った場合に生じうる充電受入性低下による放電容量の減少を抑制することができるとともに、効率的な充電を行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の効果に加えて、照明装置に設けられた検知手段の検知結果に基づいて大電流充電制御を行うことにより充電受入性低下による放電容量の減少を抑制することができるので、ニッケル水素電池の状態に応じた好適な制御を行うことができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の効果に加えて、点灯制御手段は信号入力手段が受信した制御信号に基づきニッケル水素電池への充電休止を行うとともに電池からの電源供給により光源を点灯させた後に、充電制御手段はニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間、信号入力手段が外部からの制御信号を受信してから充電制御手段がニッケル水素電池への充電を再び開始するまでに要する時間または信号入力手段が受信した制御信号に応じて、充電再開後の大電流充電制御において大電流充電制御時間または大充電電流値の少なくともいずれか一方を可変するので、特に複雑な構成としなくとも定期的または任意にニッケル水素電池の充電受入性の低下による放電容量の減少を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3記載の効果に加えて、比較的短い周期で実施される簡易点検時に所定の時間大電流充電制御を実施するので、ニッケル水素電池の充電受入性の低下による放電容量の減少を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態である照明装置について図面を参照して説明する。
なお、本発明の実施形態において特に断らない限り、トリクル充電とは、外部電源供給時に自己放電を補う小電流で絶えず充電し、常にニッケル水素電池を充電状態にし、ニッケル水素電池の満蓄電を維持する方式を表す。
また、蓄電とは、ニッケル水素電池に電気エネルギーが蓄えられた状態を表し、蓄電量とはニッケル水素電池に蓄えられた電気エネルギー量を表し、満蓄電とは、ニッケル水素電池の蓄電量がニッケル水素電池に蓄電可能な最大の電気エネルギー量と実質的に同等であることを表す。
さらにまた、自己放電とは、ニッケル水素電池が他の要素から全く独立した状態にあっても、ニッケル水素電池の蓄電量が減少することを表し、自己放電量とは、自己放電により減少するニッケル水素電池の蓄電量を表す。
図1は本発明の第一の実施形態を示す照明装置100の斜視図、図2は同じく照明装置100における点灯装置101の構成図、図3は同じく図2の充電制御手段20による充電電流値の変化状態を示した説明図である。
本実施形態の照明装置100の要素および構成について、図1を参照して説明する。
照明装置100は、器具本体1、周枠部2、表示部3等を具備しているものであって、天井または壁面に取付けられるものである。
器具本体1は、周枠部2を有しており、周枠部2に形成された図示しない開口部を覆うように表示部3が設けられる。周枠部2および表示部3により器具本体1の内部に形成された空間に点灯装置101等、照明装置100の所望の機能を満たすための装置が設けられる。
表示部3の上方には、図示しない光源および光源ホルダが設けられている。なお、この光源ホルダは、両端部に図示しないソケットを具備し、さらに光源の一部を覆うように図示しない反射板が形成されているものである。
表示部3は、表面に避難方向を示すシンボルが表示されるように形成されるものであって、本実施形態においては、その内部に図示しない導光板を有し、その導光板と重なるようにシンボルが印刷等された表示板を設けているものである。そして、上記導光板の一端部側から上記した光源27の出射光を入射させてシンボルを照明/表示させるものである。
本実施形態の照明装置100の点灯装置101の構成要素および回路構成について、図2を参照して説明する。
点灯装置101は、外部電源11に整流回路12の入力側が接続され、この整流回路12の出力側にトランス13が接続される。また、整流回路12とトランス13間には、平滑用コンデンサ17aが整流回路12およびトランス13に対して並列に接続される。常用点灯回路14および充電回路15は、トランス13の出力側に接続され、このトランス13を介して外部電源11、整流回路12、平滑用コンデンサ17aからの電力が供給されるようになっている。
常用点灯回路14において、整流ダイオード16bおよび点灯回路25は直列に接続されている。平滑用コンデンサ17cおよび光源27は、それぞれ点灯回路25に並列に接続されている。
充電回路15において、充電ダイオード16a、充電抵抗器18aおよび充電抵抗器18bが直列に接続されている。切替用トランジスタ19は、充電抵抗器18bに並列に接続されている。また、充電制御手段20、検知手段21およびニッケル水素電池22は、充電回路15の出力側に接続されている。
本実施形態においては、検知手段21に照明装置100の周囲温度を検知する温度検知手段を用いた場合を例に説明する。温度検知手段は、サーミスタ等の温度を検知することができるものであればよい。
また、制御手段23は、充電回路15に直列に接続され、常用点灯回路14と接続されている。そして、常用点灯回路14と充電回路15は、切替用トランジスタ24を介して接続されている。点灯制御手段26は、制御手段23、切替用トランジスタ24および点灯回路25から構成されている。
そして、整流回路12は外部電源11から供給される電力を整流化するために設けられる。充電ダイオード16aおよび整流ダイオード16bは、電流の逆流を防ぐために設けられている。また、平滑用コンデンサ17a、平滑用コンデンサ17b、平滑用コンデンサ17cは、それぞれ外部電源11、常用点灯回路14の電源、充電回路15の電源が平滑化手段を備えていない場合に用いられる。
次に、点灯装置101の動作について、図2および図3を参照して説明する。
図2に示すように、常用時において、照明装置100の点灯装置101は外部電源11から電力が供給されている。外部電源11から供給された電力は、整流回路12に入力され、トランス13を介して常用点灯回路14および充電回路15に入力される。
常用点灯回路14は、外部電源11から点灯回路25に電力を供給し、点灯回路25が光源27の点灯を行う。
また、点灯制御手段26の制御手段23は、外部電源11から常用点灯回路14に電力が供給されていることを検出し、制御手段23は切替用トランジスタ24をオフする。
充電回路15は、トランス13を介して供給された電力により、ニッケル水素電池22を充電するように構成されており、充電回路15はニッケル水素電池22の充電を行う。
外部電源11から常用点灯回路14および充電回路15への電力供給が停止すると、制御手段23は、常用点灯回路14への給電停止を検出することで、切替用トランジスタ24をオンし、ニッケル水素電池22、点灯回路25および光源27を接続し、光源27の電源を外部電源11からニッケル水素電池22に切り替える。光源27は、点灯回路25を介してニッケル水素電池22から供給される電力により点灯する。
ここで、充電回路15によるニッケル水素電池22の充電動作について、図2および図3を用いて説明する。
図3おいて、縦軸は充電電流値、横軸は時間を表す。時間軸の0点は、照明装置100の点灯装置101に外部電源11が接続された時点である。
充電回路15において、充電抵抗器18aおよび充電抵抗器18bは、所定の充電電流を得るための限流手段として機能する。そして、検知手段21から得られた入力信号に基づき、充電制御手段20は切替用トランジスタ19をオンオフし、充電抵抗器18bの充電回路15への接続の有無を選択する。充電抵抗器18aおよび充電抵抗器18bが充電回路15に接続される場合、図3に示す充電電流値j11でトリクル充電制御によるニッケル水素電池22への充電が行われる。充電抵抗器18aのみが充電回路15に接続される場合、トリクル充電制御の充電電流値j11と比較して充電電流値が増加したj12による大電流充電制御が行われる。
次に、検知手段21と充電制御手段20とによる充電制御について説明する。
検知手段21によりニッケル水素電池22の充電受入性の低下による放電容量の減少が懸念されるような状態を検知すると、検知手段21の検知結果が充電制御手段20に入力され、充電制御手段20は入力信号に基づいて切替用トランジスタ19をオンし、充電抵抗器18bを充電回路15から切り離すことにより、図3に示すt1の時点から充電電流値がj12となって大電流充電制御による充電が行われる。
本実施形態においては、充電受入性の低下による放電容量の減少が懸念されるような状態を照明装置の周囲温度が上昇し、図7に示す充電受入性の低下による放電容量の減少が顕著になる温度、例えば、40℃を上回るような温度が検知手段21により検出された場合、トリクル充電制御から大電流充電制御への切り替えが行われる。なお、大電流充電制御を行った後は、トリクル充電制御への切り替えが行われる。切り替えは、再び周囲温度を検出手段21により検出してもよいし、予め定められた時間、例えば、図3のt2の時点のようにt1から数時間の経過後に行われてもよい。また、検知手段21が40℃以上の周囲温度を検出し続ける場合であっても、所定の時間の経過後、トリクル充電制御に切り替え、再び大電流充電制御に切り替えられるサイクルを繰り返すように充電制御が行われるようにしてもよい。
本実施形態の充電制御手段20は、トリクル充電制御による充電がニッケル水素電池22に行われている常用時において、検知手段21に設けられた温度検知手段が40℃以上のニッケル水素電池22の充電受入性の低下による放電容量の減少が懸念される周囲温度を検出すると、充電制御手段20が充電抵抗器18bを充電回路15から切り離すように切替用トランジスタ19を制御して、充電制御をトリクル充電制御から大電流充電制御に切り替える。
このように本実施形態によれば、充電制御をトリクル充電制御から大電流充電制御に切り替えることにより、照明装置100の周囲温度の上昇に伴う電池温度の上昇による充電受入性の低下による放電容量の減少を抑制することができる。
また、ニッケル水素電池22の充電受入性が低下すると、充電によりニッケル水素電池22に与えられた電気エネルギーは熱エネルギーに変換される。この熱エネルギーによりニッケル水素電池22の電池温度が上昇し、更なるニッケル水素電池22の充電受入性の低下を招く。さらに、電池温度の上昇は、電極板の劣化や電解液の減少を引き起こし、ニッケル水素電池22の寿命が短くなる可能性もある。
よって、充電受入性の低下を抑制することにより、電池温度の上昇を抑制し、ニッケル水素電池22に与える悪影響を除去することができるのでニッケル水素電池22の寿命が短くなることを抑制することができる。
なお、照明装置100の検知手段21に計時手段を設けた場合には、照明装置100または点灯装置101に外部電源11が接続されてからの経過時間、トリクル充電制御から大電流充電制御に切り替え後の経過時間または光源27の点灯時間を計時することにより、トリクル充電制御と大電流充電制御の切り替えを行うことで、照明器具100の周囲環境に左右されずに充電受入性の低下の抑制が可能となる。
また、蓄電量を検知する蓄電量検知手段を照明装置100の検知手段21に設けた場合、実際にニッケル水素電池22の蓄電量を検出し、充電受入性を算出することにより、トリクル充電制御と大電流充電制御の切り替えを行い、更なる充電受入性低下の抑制を行うことができる。
次に、本発明の第二の実施形態について図を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同一部分に同一番号を付してその説明は省略する。
図4は本発明の第二の実施形態における照明システム102の構成図、図5は同じく照明システム102を構成する照明装置100における点灯装置103の構成図、図6は同じく図5の充電制御手段20による充電電流値の変化状態(6A)およびニッケル水素電池22からの放電量の変化状態(6B)を示した説明図である。
本実施形態の照明システム102の要素および構成について、図4を参照して説明する。
図4において、照明装置100は外部電源11に接続され、通信手段31を介して集中制御盤32に接続されている。集中制御盤32は、外部電源12により給電されている。
集中制御盤32は、通信手段31を通じて照明装置100に点検に関する指示や様々な指示を与えることができる。また、点検中に照明装置100に発生した不具合に関して、通信手段31を介して集中制御盤32に情報を送信または表示することもできる。
本実施形態の照明装置100の点灯装置103の構成要素および回路構成について、図5を参照して説明する。
図5において、照明装置100の点灯装置103の構成要素は、図2における検知手段21が信号入力手段41に置換され、信号入力手段41に通信手段接続部42が設けられたこと以外第一の実施形態の点灯装置101と同一である。また、信号入力手段41は、例えば、マイコン等を用いて形成されており、外部電源11から整流回路12およびトランス13を介して給電される充電回路15に並列に接続され、外部から入力された信号に基づき、充電制御手段20および制御手段23に指示を与える。
信号入力手段41は、通信手段接続部42を介して、図4に示した照明システム102の通信手段31に接続され、通信手段31を介して集中制御盤32に接続されている。集中制御盤32より出力された制御信号は、通信手段31および通信手段31に接続された通信手段接続部42を介して、信号入力手段41に入力される。
次に、点灯装置103の動作について、図4、図5および図6を参照して説明する。
図5に示すように、第一の実施形態と同様に、点灯装置103の常用点灯回路14は、外部電源11から点灯回路25を通じて光源27に電源を供給し、光源27の点灯を行う。
また、制御手段23は、外部電源11から常用点灯回路14に電力が供給されていることを検出し、切替用トランジスタ24がオフされ、充電回路15によりニッケル水素電池22の充電が行われる。
以下では、簡易点検信号が、図4に示した集中制御盤32から通信手段31を介して、図5に示した信号入力手段41に入力される場合を例にとって説明する。
図6おいて横軸は時間を表し、図6Aおよび図6Bにおいて縦軸は、それぞれ充電電流値およびニッケル水素電池22からの放電量すなわちニッケル水素電池22の蓄電量の減少量を時間軸に対して上方を正として定める。時間軸の0点は、照明装置100または点灯装置103に外部電源11が接続された時点とする。
一定時間t23経過後の常用時において、切替用トランジスタ19はオフされており、充電抵抗器18aと充電抵抗器18bとが充電回路15に接続され、充電電流値j21のトリクル充電制御によるニッケル水素電池22への充電が行われる。充電抵抗器18aおよび充電抵抗器18bが充電回路15に接続されることにより、トリクル充電制御の充電電流値j21は、大電流充電制御の充電電流値j22より小さくなっている。
集中制御盤32から簡易点検信号が出力されると、信号入力手段41は、充電制御手段20および制御手段23に信号を出力する。信号入力手段41の出力信号に基づき、充電制御手段20は図6に示すt21の時間充電回路15によるニッケル水素電池22への充電を停止する。一方、制御手段23は、信号入力手段41により、切替用トランジスタ24をオンさせ、充電回路15と常用点灯回路14を接続する。よって、時間T21の間光源27の電源は、外部電源11からニッケル水素電池22に切り替えられる。
なお、簡易点検において、T21は、定期点検時にニッケル水素電池22により電源供給され、光源27が点灯する時間よりも短く定められ、例えば1分間とするのが好適である。
T21の時間経過後、または、集中制御盤32から信号入力手段41に入力される制御信号により、制御手段23は切替用トランジスタ24をオフし、充電回路15と常用点灯回路14を切り離し、点灯回路25および光源27の電源をニッケル水素電池22から外部電源11に切り替える。ニッケル水素電池22による光源27の点灯において、図6Bの斜線部分Q20に示すように、ニッケル水素電池22から自己放電により蓄電量が減少する。
一方で、充電制御手段20は切替用トランジスタ19をオンさせ、充電抵抗器18bを充電回路から切り離し、充電抵抗器18aのみを充電回路15に接続させる。充電回路15に接続される充電抵抗器が充電抵抗器18aのみとなったことにより、図6に示す充電電流値j22による大電流充電制御によりニッケル水素電池22への充電が行われる。
図6に示す大電流充電制御時間T22は、簡易点検においてニッケル水素電池22からの電源供給により光源27を点灯させた時間T21、信号入力手段41が外部からの制御信号を受信してから充電制御手段20がニッケル水素電池22への充電を再び開始するまでに要する時間T21、充電休止時間T21、簡易点検中のニッケル水素電池22からの放電量Q20(図6Bのハッチング部分)または信号入力手段41が受信した制御信号すなわち本実施形態においては簡易点検信号のいずれかに基づいて予め定められる。
ここでは、大電流制御時間が、信号入力手段41が受信した制御信号すなわち簡易点検信号に応じて、予め定められている場合を例にとって説明する。
予め定められた大電流充電制御時間T22の経過後、充電制御手段20は切替用トランジスタ19をオンし、充電抵抗器18bを充電回路15に接続する。充電回路15に充電抵抗器18aおよび充電抵抗器18bが接続されたことにより、充電電流値がj22の大電流充電制御から充電電流値j21に減少させたトリクル充電制御により充電が行われる。以降、照明装置100は、一定時間T23経過後の動作と同様の常用時の動作を行う。
そして、外部電源11から常用点灯回路14および充電回路15への電力供給が停止するような非常時において、照明装置100は、第一の実施形態と同様の動作を実施し、制御手段23は、外部電源11の停止を検出し、制御手段23は切替用トランジスタ24をオンし、ニッケル水素電池22と点灯回路25および光源27を接続する。光源27は、点灯回路25を介してニッケル水素電池22から供給される電力により点灯する。
本実施形態によれば、集中制御盤32から出力された簡易点検信号を信号入力手段41により受信し、信号入力手段41は、ニッケル水素電池22への充電を休止するとともに光源27の電源を外部電源11からニッケル水素電池22に切り替えて光源27の点灯を1分間行った後、充電を再開するとともに充電制御手段20を制御し、充電抵抗器18bを充電回路15から分離することにより、ニッケル水素電池22への大電流充電制御を、信号入力手段41による簡易点検信号の受信に対してニッケル水素電池22の電源供給により光源27を点灯時間から予め定められた時間、すなわち、72分間行うため、大電流充電制御を定期的に比較的短い周期で短時間実施することができるので、充電受入性の低下による放電容量の減少を定期的に抑制することができる。したがって、非常時にニッケル水素電池22による電源供給で光源27が法令等に定められた時間点灯することに対する信頼性を容易に高めることができる。
なお、放電量Q20に基づいて、大電流充電制御時間T22が定められる場合、放電量を検知するための検知手段(図示しない)が、点灯装置103に設けられる。
また、T22をT21に基づいて定める場合、例えばニッケル水素電池22が未充電の状態から、満蓄電となるまでの大電流充電制御時間をT23として定めることができる。具体的には、T23が24時間で、ニッケル水素電池22の電源供給により光源27が20分間点灯可能であるとすると、大電流充電制御による24時間の充電で20分間の光源27の点灯が可能であるから、T21が1分のとき、T22は72分と予め定められる態様である。
また、本実施形態によれば、集中制御盤32に請求項3記載の照明装置100が複数接続されていたとしても、集中制御盤32がニッケル水素電池22からの電源供給により光源27を定期点検より短い時間で点灯させる簡易点検に関する制御信号を送信する場合に、簡易点検信号を送信する照明装置100を集中制御盤32が一元管理しているので、集中制御盤32に接続された照明装置100全てが同時に、照明装置100に設けられた信号入力手段41により簡易点検信号を受信し、照明装置100の簡易点検終了後、大電流充電制御を予め定められた所定の時間実施することを避けることができる
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。なお、第一および第二の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。図を参照した詳細な説明はしないが、大電流充電制御を照明装置に設けられた検知手段または外部から入力された制御信号に基づいて行えばよい。なお、照明装置は、照明装置点検システムの一部としてもよいし、照明装置単独で用いられても構わない。
このような回路構成により、ニッケル水素電池の状態に応じた大電流充電制御による充電受入性低下による放電容量の減少の抑制および外部から照明装置に入力される制御信号に応じた定期的な大電流制御による充電受入性低下による放電容量減少の抑制が可能になる。
ニッケル水素電池の状態のみに基づく大電流制御では、ニッケル水素電池の状態によっては大電流充電制御を長期間行わない状態が生じる可能性がある。また一方で、外部制御信号のみによる大電流充電制御では、ニッケル水素電池の状態を考慮せずに大電流充電制御が行われる可能性がある。ニッケル水素電池の状態および外部制御信号の両方に基づいて大電流充電制御を行うことにより、ニッケル水素電池の状態に基づく大電流充電制御と定期的な大電流充電制御を両立し、充電受入性の低下による放電容量の減少および充電受入性の低下による電池温度の上昇により生じるニッケル水素電池の短寿命化を更に抑制することが可能になる。
22…ニッケル水素電池
27…光源
100…照明装置
27…光源
100…照明装置
Claims (4)
- 光源と;
ニッケル水素電池と;
外部電源からニッケル水素電池をトリクル充電するトリクル充電制御およびトリクル充電よりも大充電電流値で充電する大電流充電制御をニッケル水素電池の蓄電量に応じて切り替え可能に制御する充電制御手段と;
外部電源またはニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させる点灯制御手段と;
を具備していることを特徴とする照明装置。 - 照明装置の周囲温度を検知する温度検知手段、計時手段またはニッケル水素電池の蓄電量を検知する蓄電量検知手段のうち少なくとも一つを有する検知手段を備え、
充電制御手段は、検知手段から出力される検知結果に基づいて、トリクル充電制御および大電流充電制御を切り替え可能に制御することを特徴とする請求項1記載の照明装置。 - 外部からの制御信号を入力するための信号入力手段を有し、
点灯制御手段は、信号入力手段が受信した制御信号に基づきニッケル水素電池への充電休止を行うとともにニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた後に、大電流充電制御により充電再開を行うものであり、かつ、
充電制御手段は、ニッケル水素電池からの電源供給により光源を点灯させた時間、信号入力手段の制御信号受信から充電再開までにニッケル水素電池から減少した蓄電量または信号入力手段が受信した制御信号に応じて、充電再開時の大電流充電制御における大電流充電制御時間または大充電電流値の少なくともいずれか一方を可変とすることを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。 - 請求項3記載の照明装置と;
ニッケル水素電池からの電源供給により光源を短時間点灯させる簡易点検信号を照明装置の信号入力手段に出力する制御盤と;
を備える照明装置点検システムにおいて、
照明装置は、制御盤からの簡易点検信号を信号入力手段により受信後、簡易点検を実施するとともに、簡易点検終了後、予め定められた所定の時間大電流充電制御を行うことを特徴とする照明装置点検システム。
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