JP2011167308A - う蝕測定装置、及び、う蝕測定方法 - Google Patents

う蝕測定装置、及び、う蝕測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歯牙のう蝕を測定するのに好適なう蝕測定装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係る歯牙のう蝕を測定するう蝕測定装置100は、赤外光を発生する発生部110と、赤外光を臨界角以上の入射角で歯牙に照射し、当該歯牙からの反射光を測定する測定部120と、反射光を検出し、当該反射光に基づいて、歯牙の吸光度を測定する検出部130と、吸光度に基づいて、歯牙にう蝕があるかを判定する判定部と、を備える。判定部は、波数が、(1)700cm−1〜750cm−1、(2)940cm−1〜1140cm−1、(3)1470cm−1〜1680cm−1、もしくは、(4)3200cm−1〜3400cm−1における吸光度が、所定の吸光度より高い場合、歯牙にう蝕があると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯牙のう蝕を測定するのに好適なう蝕測定装置、及び、う蝕測定方法に関する。
赤外域の光を用いて物質の定量、定性分析を行う赤外吸収スペクトル測定法は、様々な分野で利用されはじめており、最近では生体計測分野において非侵襲、無害の測定手法として注目されている。
歯科分野においては、歯科医師が視診により歯牙のう蝕診断を行うのが一般的である。しかし、視診では、歯科医師ごとに診断結果が異なる場合があり、診断が困難となる場合が多い。そこで、特許文献1は、赤外吸収スペクトル測定法等を用いて、歯牙のう蝕を測定する技術を開示している。
特開2004−049577号公報
しかしながら、特に、初期段階の歯牙のう蝕の場合、う蝕を測定することが困難な場合がある。従って、歯牙のう蝕を測定するのに好適な新たな手法が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、歯牙のう蝕を測定するのに好適なう蝕測定装置、及び、う蝕測定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るう蝕測定装置は、
歯牙のう蝕を測定するう蝕測定装置であって、
赤外光を発生する発生部と、
前記発生された赤外光を臨界角以上の入射角で前記歯牙に照射し、当該歯牙からの反射光を測定する測定部と、
前記測定された反射光を検出し、当該反射光に基づいて、前記歯牙の吸光度を測定する検出部と、
前記測定された吸光度に基づいて、前記歯牙にう蝕があるかを判定する判定部と、を備え、
前記判定部は、波数が、(1)700cm−1〜750cm−1、(2)940cm−1〜1140cm−1、(3)1470cm−1〜1680cm−1、もしくは、(4)3200cm−1〜3400cm−1における吸光度が、所定の吸光度より高い場合、前記歯牙にう蝕があると判定する、
ことを特徴とする。
前記所定の吸光度は、前記測定された歯牙のうち、正常な部位の吸光度、もしくは、あらかじめ測定された正常な部位の吸光度である、ことも可能である。
前記判定部は、前記波数における吸光度から示される、波形、ピーク値、面積値、もしくは、それらの平均値に基づいて、前記歯牙のう蝕を判定する、ことも可能である。
前記判定部は、波数が700cm−1〜750cm−1、1040cm−1〜1090cm−1、もしくは、1068cm−1における、波形、ピーク値、面積値、もしくは、それらの平均値に基づいて、う蝕の進行度が、「CO」か「C1」かを判定する、ことも可能である。
上記の目的を達成するため、本発明のその他の観点に係るう蝕測定方法は、
発生部と、測定部と、検出部と、判定部と、を有する歯牙のう蝕を測定するう蝕測定装置にて実行されるう蝕測定方法であって、
前記発生部が、赤外光を発生する発生工程と、
前記測定部が、前記発生された赤外光を臨界角以上の入射角で前記歯牙に照射し、当該歯牙からの反射光を測定する測定工程と、
前記検出部が、前記測定された反射光を検出し、当該反射光に基づいて、前記歯牙の吸光度を測定する検出工程と、
前記判定部が、前記測定された吸光度に基づいて、前記歯牙にう蝕があるかを判定する判定工程と、を備え、
前記判定工程では、前記検出部が、波数が、(1)700cm−1〜750cm−1、(2)940cm−1〜1140cm−1、(3)1470cm−1〜1680cm−1、もしくは、(4)3200cm−1〜3400cm−1における吸光度が、所定の吸光度より高い場合、前記歯牙にう蝕があると判定する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、歯牙のう蝕を好適に測定することができる。
う蝕測定装置の概略構成図である。 歯牙のう蝕を測定する方法を説明するための図である。 う蝕測定処理を説明するためのフローチャートである。 歯牙の吸光度を示す測定結果の一例を示す図である。 分子結合と赤外スペクトルの吸収位置を示す波数との関係を示す図である。 COを有する大臼歯の隣接面を拡大した拡大図である。 図6のA−A’線の断層画像を示す図である。 赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。 C1を有する犬歯の隣接面を拡大した拡大図である。 図9のB−B’線の断層画像を示す図である。 赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。
以下では、本発明のう蝕測定装置の実施形態の一つについて説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
う蝕測定装置は、減衰全反射法(ATR法;Attenuated Total Reflection)により、測定試料の測定を行う。ATR法では、測定試料を屈折率の大きい媒質結晶(プリズム)に密着させ、入射角を臨界角より大きくとることにより、測定試料とプリズムと間で全反射が起きるように設定される。全反射が生じる場合、測定試料の界面において、光は測定試料側に少しだけもぐり込んで反射される。また、測定試料に吸収される場合、吸収の強さに応じて反射光のエネルギーが減少する。この反射光を測定することによりスペクトルが得られる。そして、当該スペクトルから、分子結合や赤外吸収が判定され、歯牙のう蝕測定を行うことができる。
(う蝕測定装置の構成)
本実施形態に係るう蝕測定装置の各部の構成について、図面を参照して説明する。図1は、う蝕測定装置100の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態に係るう蝕測定装置100は、発生部110、測定部120、検出部130、制御部140、記憶部150、表示部160等を備える。発生部110、測定部120、及び、検出部130等は、例えば、光ファイバーによりそれぞれ接続され、当該光ファイバーを介して、光が伝達される。また、検出部130、制御部140、記憶部150、及び、表示部160等は、所定のケーブルにより接続され、当該ケーブルを介して、データの転送が行われる。
発生部110は、赤外光源111、干渉計112、及び、ミラー113から構成され、赤外光を発生させて、当該赤外光を測定部120に入射する。
赤外光源111は、波長が、例えば約0.7μm〜1mmの波長の赤外光を発生させて、当該赤外光を干渉計112に入射する。なお、赤外光源111を置き換える、または、切り替えることにより、任意の波長の光を発生させることもできる。
干渉計112は、例えば、プリズム分光器、回折格子分光器、フーリエ変換分光器等を備え、入射された赤外光を干渉光として、ミラー113に入射する。
ミラー113は、光を反射する任意の物質から構成され、干渉計112から後述するATRプリズム122へ至る光路上に設置される。また、ミラー113は、制御部140により角度が制御され、干渉計112から入射される入射光を反射することにより、ATRプリズム122及び測定試料に照射される光の入射角を制御する。
測定部120、対物鏡121、及び、ATRプリズム122から構成され、測定試料に光を照射し、当該測定試料から反射された光を測定する。
対物鏡121は、例えば、カセグレン鏡やシュバルツシルト鏡等から構成され、ATRプリズム122と測定試料との接触面に光を集光させ、また、当該接触面からの反射光を集光する。
ATRプリズム122は、透明な高屈折率媒質から構成され、測定試料とATRプリズム122の界面において全反射するように光を透過させて、測定試料面上に透過光を入射させる。ATRプリズム122の形状は、測定試料との接触面と反対側の面(光の入射面又は出射面)とが半球状となるのが典型的であるが、これらの形状に限定されない。また、ATRプリズム122の材質は、Ge、ZnSe、ダイヤモンドなどが典型的であるが、これらの材質に限定されない。
検出部130は、ミラー131、アパーチャー132、及び、検出器133から構成され、測定部120が測定した光を検出する。
ミラー131は、光を反射する任意の物質から構成され、ATRプリズム122からアパーチャー132へと至る光路上に設置される。また、ミラー131は、制御部140により角度が制御され、測定部120からの入射光を反射することにより、アパーチャー132への入射角を制御する。
アパーチャー132は、検出器133へ向う光を接触面内の特定部位からの光に制限する。アパーチャー132は、例えば、測定部位の範囲を調節できるように開口の大きさや形が変更可能に構成されており、測定部位以外からの反射光、全反射光を遮断し、測定部位からの光のみを選択的に通過させる。
検出器133は、例えば、単素子や一次元多素子、及び、集光鏡を備え、測定試料から反射された光を検出する。
制御部140は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、ミラー113及びミラー131の角度、赤外光源111の波長、アパーチャー132の開口度等を制御することにより、う蝕測定装置100全体の動作を制御する。また、制御部140は、検出部130により検出された光を処理し、当該処理データを記憶部150に記憶させ、また、表示部160に表示させる。
記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等から構成され、制御部140により処理されたデータ等を記憶する。
表示部160は、例えば、液晶ディスプレイ等から構成され、制御部140により処理されたデータや、記憶部150に記憶されるデータを表示する。
(う蝕測定方法)
次に、本実施形態に係るう蝕測定装置100による歯牙のう蝕測定方法について、図面を用いて説明する。図2は、歯牙のう蝕を測定する方法を説明するための図である。また、図3は、う蝕測定装置100が実行するう蝕測定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、図2に示すように、う蝕が疑われる歯牙の部位に測定部120を接触させることにより、う蝕の測定を行う。測定を高感度に行うためには、歯牙表面に対して、測定部120を垂直に密着させることが好ましい。
なお、測定部120を接触させる部位、接触角度、及び、接触圧力等は任意である。また、測定する前に、歯牙を洗浄して、歯牙の汚れを除去し、歯牙表面の水分量を一定にしておくことが好ましい。
制御部140は、発生部110を動作させて、赤外光を射出させ、当該赤外光を測定部120に入射させる(ステップS101)。発生部110が備える赤外光源111は、赤外光を射出し、当該赤外光を干渉計112に入射する。干渉計112では、入射された赤外光が、例えば、フーリエ変換可能な純粋な光に変換され、当該光がミラー113に射出される。ミラー113に射出された光は、ミラー113によって反射され、測定部120が備える対物鏡121へと送られる。
なお、干渉計112では、フーリエ変換による分光だけでなく、プリズムや回折格子によっても分光することができ、任意の手法により分光することができる。
また、検出部130が干渉計112を備えることもできる。
次に、制御部140は、測定部120を動作させて、測定部120に入射された光を、ATRプリズム122を通して、ATRプリズム122と測定試料との接触面内の特定微小部位に、臨界角以上の入射角で照射させる(ステップS102)。対物鏡121に入射された光は、対物鏡121によって集光され、当該集光された光が、ATRプリズム122を通して、測定試料に照射される。このとき、制御部140によりミラー113の反射面の向きが制御され、測定部120により照射される光は、測定試料の特定位置に来るようになる。
次に、制御部140は、測定部120及び検出部130を動作させて、測定試料からの全反射光を受光して、当該光を検出部130に検出させる(ステップS103)。測定試料からの全反射光は、ATRプリズム122を通り、再び対物鏡121によって集光され、検出部130が備えるミラー131へと送られる。ミラー131では、測定試料からの全反射光が反射されて、アパーチャー132へと送られる。このとき、制御部140によりミラー131の反射面の向きが制御されて、測定試料の特定の測定部位からの光のみがアパーチャー132の開口に向かうように調整される。アパーチャー132では、測定部位以外からの反射光を遮断し、測定部位からの光のみが通過する。アパーチャー132を通過した光は、集光鏡を備える検出器133で集光されて検出される。
ATR法では、測定部120が備えるATRプリズム122に測定試料を密着させ、ATRプリズム122から測定試料内部にわずかにもぐり込んで反射する全反射光を測定することにより、測定試料の表層部の吸収スペクトルを得ることができる。このとき、赤外光は、測定試料の表面から数μm程度の領域までもぐり込むが、このもぐり込み深さは、赤外光の波長、入射角、高屈折率媒質及び測定試料の屈折率に依存している。
全反射が生じる場合、測定試料の界面において、光は測定試料側に少しだけもぐり込んで反射される。また、測定試料に吸収される場合、吸収の強さに応じて反射光のエネルギーが減少する。この反射光を測定することによりスペクトルが得られる。
次に、制御部140は、検出部130で検出された光を、公知の手法により処理して、測定試料の吸光度(スペクトル)を算出する(ステップS104)。制御部140は、ミラー113及びミラー131の反射面の向きを変更して測定を繰り返すことにより、ATRプリズム122と測定試料面との接触面領域のマッピング測定を行うことができる。測定試料の吸光度から、当該測定試料の分子結合や赤外吸収が判定され、歯牙のう蝕測定を行うことができる。制御部140は、測定結果を、記憶部150に適宜記憶させ、また、表示部160に表示させる。
図4は、歯牙の吸光度を示す測定結果の一例を示す図である。同図に示すように、制御部140は、例えば、波数=700cm−1(波長:14.29μm)〜4600cm−1(波長:2174nm)の範囲において、吸光度を測定する。そして,当該吸光度から、測定試料である歯牙の分子結合や赤外吸収が判定される。
次に、制御部140は、所定の波数において、測定結果である歯牙の吸光度と、歯牙のう蝕を判定するための所定の吸光度と、を比較することにより、歯牙にう蝕があるか否かを判定する(ステップS105)。また、制御部140は、吸光度を比較することにより、う蝕の進行度についても判定することができる。
ここで、歯牙のう蝕の進行度は、CO〜C4の五段階で示される。
COは、歯牙のエナメル質の表面が一時的に溶けている状態、いわゆる脱灰状態であり、う蝕による穴がないため、治療が行われなくても、再石灰化という自己修復(自然治癒)により、う蝕が治る可能のある状態をいう。また、エナメル質の軟化や実質欠損が確認できない状態をいう。
C1は、脱灰がエナメル質に留まっている状態をいう。
C2は、脱灰が象牙質にまで進行している状態をいう。
C3は、脱灰が歯髄にまで進行している状態をいう。
C4は、歯牙の頭部分(歯冠部)が崩壊して、根部分(歯根部)だけが残った状態をいう。
なお、CO〜C4の進行度に対応する部分を、う蝕部といい、う蝕部に該当しない部分は、正常部という。
図5は、分子結合と赤外スペクトルの吸収位置を示す波数との関係を示す図である。同図に示すように、波数=1040cm−1は、P=O伸縮に対応し、波数=1577cm−1は、OH変角及びC=O伸縮に対応し、波数=3300cm−1は、OH伸縮に対応している。う蝕部は、正常部より含水率が低く、リン酸カルシウム由来のPOが分解され、また、C−C結合の存在比が増大しているため、これらの分子結合に対応する波数において吸光度が変化すると考えられる。このため、制御部140は、波数=1040cm−1、1577cm−1、及び、3300cm−1における吸光度や波形を比較することにより、歯牙にう蝕があるか否か、また、う蝕の進行度を判定する。
なお、図5に示される分子結合と赤外スペクトルの吸収位置を示す波数との関係については、「粟津邦男:”赤外レーザー医工学”、大阪大学出版会(2008), 35ページ」、及び、「尾崎幸洋、岩崎秀夫:”生体分子分光学入門”、共立出版(1992), 67ページ」に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
制御部140は、例えば、正常部を測定した測定結果と、任意の部分を測定した測定結果と、を比較することにより、当該任意の部分にう蝕があるか否かを判定する。また、制御部140は、吸光度の値が、所定の範囲内にある場合、う蝕があると判定することもできる。
比較を行う波数は、700cm−1〜750cm−1、940cm−1〜1140cm−1、1470cm−1〜1680cm−1、3200cm−1〜3400cm−1であり、好ましくは、990cm−1〜1090cm−1、1527cm−1〜1627cm−1、3250cm−1〜3350cm−1であり、より好ましくは、1040cm−1、1068cm−1、1577cm−1、3300cm−1である。これらの波数のうち、1つの波数について比較することもでき、また、複数の波数について比較することもできる。
また、上述する波数における吸光度の値から、う蝕を測定することもできる。例えば、波数=1040cm−1における吸光度が、(1)0.020以下の場合、歯牙は正常と測定し、(2)0.036〜0.045の範囲内である場合、う蝕の進行度をCOと判定し、(3)0.026〜0.035の範囲内である場合、C1と判定することもできる。また、波数=3300cm−1における吸光度が、(1)0.015以下の場合、正常もしくはCOと判定し、(2)0.029〜0.041の範囲内である場合、C1と判定することもできる。
また、上述する波数の範囲で示される面積を比較することにより、う蝕を測定することもできる。例えば、波数=990cm−1〜1090cm−1の範囲で示される面積が、一定値以上の場合、CO以上のう蝕があると判定することもできる。
上述する波数において、正常部とう蝕部とを比較する方法は任意であり、例えば、所定の範囲内の波数や波長における吸光度、吸光度のピーク値、波形、面積、及び、それらの平均値等を比較することもできる。
また、制御部140は、う蝕の進行度がCOかC1かを判定することもできる。う蝕の進行度がCOかC1かを判定する場合、比較する波数は、700cm−1〜1150cm−1であり、好ましくは700cm−1〜1100cm−1、より好ましくは、750cm−1〜1000cm−1である。
例えば、波数=750cm−1から1000cm−1にかけて、吸光度が上昇し、傾きのある波形の場合、COと判定され、吸光度の変化幅が小さく、傾きのない波形の場合、C1と判定される。また、吸光度比(例えば、1000cm−1の吸光度/750cm−1の吸光度)に基づいて、COとC1とを判定することもできる。吸光度比が、例えば、2以上の場合、COと判定し、2未満の場合、C1と判定することもできる。また、上述する波数において、波形、ピーク値、及び、面積比等を比較することにより、COとC1とを判定することもできる。
そして、制御部140は、上述する波数において、測定結果である吸光度が上述の条件を満たすか否かを判定することにより(ステップS106)、測定が行われた歯牙にう蝕があるか否かを判定する。
上述の条件を満たす場合(ステップS106;Yes)、制御部140は、う蝕部位を特定し、当該特定されたう蝕部位をモニタ等に表示する(ステップS107)。
一方、上述の条件を満たさない場合(ステップS106;No)、ステップS101に遷移する。制御部140は、測定が行われた範囲ではう蝕部位がないものとして、測定を続ける。
以上の処理を繰り返すことにより、歯牙のう蝕を測定することができる。また、う蝕の進行度を測定することにより、う蝕部の治療方法を決定することもできる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
光ファイバーには、波数や吸光度の特性があるため、測定を行う波数や吸光度によって、任意の光ファイバーを使用することができる。また、任意のケーブルや光ファイバーにより、各構成要素を接続することもできる。
測定部120の形状やサイズ等は、任意である。例えば、対物鏡121から測定試料まで、光ファイバーにより引き延ばすこともできる。また、複数の光ファイバーを束ね、当該光ファイバーの束を、測定試料に接触させることにより、吸光度を測定することもできる。
反射回数は任意であり、1回の単反射型や複数回の多重反射型のどちらを選択することもできる。単反射型の場合、半筒型プリズムによる入射角を変えた測定も可能だが、多重反射型の場合は固定入射角の台形(または平行四辺形)プリズムが用いられるのが典型的である。全反射条件を守るため、プリズムの屈折率と測定試料の屈折率があらかじめ調べられ、臨界角より十分大きな入射角が設定される。
ATR法により、上述する波数を測定できる任意の装置を、う蝕測定装置100として用いることもできる。
ATR法、FT−IR(Fourier Transform - InfraRed spectroscopy)法、及び、OCT(Optical Coherence Tomography)による断層画像の撮影法を組み合わせることにより、う蝕部を画像化及び数値化することもできる。
測定試料である歯牙は、ヒトに限定されず、例えば、イヌ、ウシ等の哺乳動物等、任意の動物の歯牙を測定試料とすることもできる。また、動物から生えている歯牙だけでなく、抜去歯牙を測定試料とすることもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
まず、う蝕の進行度がCOとして診断されたヒトの抜去歯牙について、赤外吸収スペクトル測定を行った。また、当該抜去歯牙について、OCTによる断層画像を撮影した。
なお、当該抜去歯牙は、生理食塩水中に保存され、測定前に当該生理食塩水を拭き取ることにより、測定を行った。このため、当該抜去歯牙は、ヒトから生えている歯牙と同様の状態であるといえる。
図6は、COを有する大臼歯の隣接面を拡大した拡大図である。また、図7は、図6のA−A’線の断層画像を示す図である。図6及び図7に示されるA領域の位置とB領域の位置とは、それぞれ対応している。図6及び図7に示されるA領域は、視診により、蝕の進行度がCOと診断されており、また、B領域は、正常と診断されている。そこで、A領域及びB領域のそれぞれの領域について、本発明に係るう蝕測定方法により、赤外吸収スペクトルを測定した。う蝕を測定するために、FT−IR装置(島津製作所製;IR Affinity-1)、及び、ATR測定装置(島津製作所製;DuraSamp 1 IR II (SMITH))を用いて、測定波数=700cm−1〜4600cm−1、重畳回数=20、分解能=8cm−1、プリズムのエレメント=ZnSe、として測定した。図8は、赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。
図8に示すように、正常部であるB領域を測定した吸光度と比較して、う蝕部であるA領域を測定した吸光度は、波数=1040cm−1、1577cm−1、3300cm−1(波長=9615nm、6341nm、3030nm)において、高くなっていた。図5に示すように、波数=1040cm−1は、P=O伸縮に対応し、波数=1557cm−1は、OH変角及びC=O伸縮に対応し、波数=3300cm−1は、OH伸縮に対応している。う蝕部であるA領域では、正常部であるB領域より含水率が低く、リン酸カルシウム由来のPOが分解され、また、C−C結合の存在比が増大しているため、これらの分子結合に対応する波数において吸光度が変化したと考えられる。従って、波数=1040cm−1、1577cm−1、及び、3300cm−1における吸光度や波形を比較することにより、COを示す歯牙のう蝕を測定することができた。
次に、う蝕の進行度がC1として診断されたヒトの抜去歯牙について、赤外吸収スペクトル測定を行った。また、当該抜去歯牙について、OCTによる断層画像を撮影した。
図9は、C1を有する犬歯の隣接面を拡大した拡大図である。また、図10は、図9のB−B’線の断層画像を示す図である。図9及び図10に示されるC領域の位置とD領域の位置とは、それぞれ対応している。図9及び図10に示されるC領域は、視診により、う蝕の進行度がC1と診断されており、また、D領域は、正常と診断されている。そこで、C領域及びD領域のそれぞれの領域について、本発明に係るう蝕測定方法により、赤外吸収スペクトルを測定した。図11は、赤外吸収スペクトルの測定結果を示す図である。
図11に示すように、正常部であるD領域を測定した吸光度と比較して、う蝕部であるC領域を測定した吸光度は、波数=1040cm−1、1577cm−1、3300cm−1(波長=9615nm、6341nm、3030nm)において、図8と同様に、高くなっていた。従って、波数=1040cm−1、1557cm−1、及び、3300cm−1における吸光度や波形を比較することにより、C1を示す歯牙のう蝕を測定することができた。
次に、う蝕の進行度が、COであるA領域とC1であるC領域との赤外吸収スペクトルの測定結果を比較した。
まず、波数=750cm−1〜1000cm−1における波形を比較した。図8に示すようにA領域の波形は、波数=750cm−1から1000cm−1にかけて、吸光度が上昇しているため、傾きのある波形となった。一方、図11に示すようにC領域の波形は、波数=750cm−1〜1000cm−1では、吸光度の変化幅が小さいため、傾きのない波形となった。従って、波形が750cm−1〜1000cm−1の範囲の波形を比較することにより、う蝕の進行度を示すCOとC1との測定することができた。
また、吸光度比(=1000cm−1の吸光度/750cm−1の吸光度)を比較した。COであるA領域では、吸光度比≒2.9、C1であるC領域では、吸光度比≒0.9、であった。従って、波数=750cm−1〜1000cm−1で示される範囲の波形、ピーク値、吸光度比、面積比、及び、それらの平均値等を比較することにより、う蝕の進行度を示すCOとC1とを測定することができた。
次に、25本のう蝕抜去歯牙について、スペクトルデータの特徴的な波数を測定した。その結果、リン酸基由来の赤外吸収ピークは、波数=1040cm−1〜1090cm−1の範囲で検出された。これは、波数=1068cm−1において、リン酸化部位がトレオニンの場合だと推定される。また、波数=1577cm−1、3300cm−1付近においても、水分由来の赤外吸収ピークが検出された。
なお、波数=700cm−1〜750cm−1付近にも、リン酸基由来の赤外吸収ピークと思われるものが検出された。
100 う蝕測定装置
110 発生部
111 赤外光源
112 干渉計
113 ミラー
120 測定部
121 対物鏡
122 ATRプリズム
130 検出部
131 ミラー
132 アパーチャー
133 検出器
140 制御部
150 記憶部
160 表示部

Claims (5)

  1. 歯牙のう蝕を測定するう蝕測定装置であって、
    赤外光を発生する発生部と、
    前記発生された赤外光を臨界角以上の入射角で前記歯牙に照射し、当該歯牙からの反射光を測定する測定部と、
    前記測定された反射光を検出し、当該反射光に基づいて、前記歯牙の吸光度を測定する検出部と、
    前記測定された吸光度に基づいて、前記歯牙にう蝕があるかを判定する判定部と、を備え、
    前記判定部は、波数が、(1)700cm−1〜750cm−1、(2)940cm−1〜1140cm−1、(3)1470cm−1〜1680cm−1、もしくは、(4)3200cm−1〜3400cm−1における吸光度が、所定の吸光度より高い場合、前記歯牙にう蝕があると判定する、
    ことを特徴とするう蝕測定装置。
  2. 前記所定の吸光度は、前記測定された歯牙のうち、正常な部位の吸光度、もしくは、あらかじめ測定された正常な部位の吸光度である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のう蝕測定装置。
  3. 前記判定部は、前記波数における吸光度から示される、波形、ピーク値、面積値、もしくは、それらの平均値に基づいて、前記歯牙のう蝕を判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のう蝕測定装置。
  4. 前記判定部は、波数が700cm−1〜750cm−1、1040cm−1〜1090cm−1、もしくは、1068cm−1における、波形、ピーク値、面積値、もしくは、それらの平均値に基づいて、う蝕の進行度が、「CO」か「C1」かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のう蝕測定装置。
  5. 発生部と、測定部と、検出部と、判定部と、を有する歯牙のう蝕を測定するう蝕測定装置にて実行されるう蝕測定方法であって、
    前記発生部が、赤外光を発生する発生工程と、
    前記測定部が、前記発生された赤外光を臨界角以上の入射角で前記歯牙に照射し、当該歯牙からの反射光を測定する測定工程と、
    前記検出部が、前記測定された反射光を検出し、当該反射光に基づいて、前記歯牙の吸光度を測定する検出工程と、
    前記判定部が、前記測定された吸光度に基づいて、前記歯牙にう蝕があるかを判定する判定工程と、を備え、
    前記判定工程では、前記検出部が、波数が、(1)700cm−1〜750cm−1、(2)940cm−1〜1140cm−1、(3)1470cm−1〜1680cm−1、もしくは、(4)3200cm−1〜3400cm−1における吸光度が、所定の吸光度より高い場合、前記歯牙にう蝕があると判定する、
    ことを特徴とするう蝕測定方法。
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