JP2011166365A - 圧電型発音装置およびその製造方法 - Google Patents

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正浩 杉浦
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Abstract

【課題】振動膜と圧電素子が剥離しにくく音圧特性に優れた圧電型発音装置を提供する。
【解決手段】樹脂からなる振動膜と、前記振動膜の端部を支持する支持部と、平面視で前記支持部と重ならない前記振動膜上の領域に接着剤を介さずに前記振動膜と結合され、少なくとも圧電素子を含む振動膜駆動手段と、を備える圧電型発音装置。
【選択図】図1

Description

本発明は圧電型発音装置に関する。
従来、振動膜と一体の圧電素子を駆動することによって音を発生させる圧電型発音装置が知られている。樹脂からなる振動膜に圧電素子を結合して圧電型発音装置を構成すると、最低次モードを含む複数の低次モードで低い周波数帯域の共振が得られるため、低い周波数帯域での音圧レベルが高くなる。特許文献1には樹脂からなる振動膜に圧電素子を熱硬化性接着剤によって接着した圧電型発音装置が開示されている。特許文献2には樹脂からなる振動膜の一方に予め感圧性粘着剤からなる粘着層を形成しておき、振動膜の粘着層に圧電素子を貼り付けるとともに圧電素子の外周部を熱硬化性接着剤によって結合した圧電型発音装置が開示されている。特許文献2に開示された圧電型発音装置においては、振動膜と圧電素子の間に介在させる熱硬化性接着剤のはみ出しや膜厚のばらつきや接着剤の硬化による音圧特性の劣化を予め形成される粘着層によって解決するとともに、粘着層のみで樹脂膜と圧電素子を結合する際の結合力の不足を少量の熱硬化性接着剤によって補われている。
特開2002−112391号公報 特許4203911号公報
しかし、特許文献2に記載されているようにたとえ熱硬化性接着剤の使用量を低減することによって音圧特性の低下を抑制できるとしても、熱硬化性接着剤を樹脂からなる振動膜に付する以上、音圧特性の低下を避けることはできず、また、熱硬化性接着剤の量のばらつきによって音圧特性がばらつくことも否めない。
本発明は、振動膜と圧電素子が剥離しにくく音圧特性に優れた圧電型発音装置を提供することを目的とする。
(1)前記目的を達成するための圧電型発音装置は、樹脂からなる振動膜と、前記振動膜の端部を支持する支持部と、平面視で前記支持部と重ならない前記振動膜上の領域に接着剤を介さずに前記振動膜と結合され、少なくとも圧電素子を含む振動膜駆動手段と、を備える。
本発明によると、接着剤を用いずに圧電素子と樹脂からなる振動膜とを接着剤を介さずに直接結合するため音圧特性に優れた圧電型発音装置を実現できる。また粘着性接着剤を用いない直接結合であるため圧電素子が剥離しにくい圧電型発音装置を実現することができる。
(2)前記目的を達成するための圧電型発音装置において、前記振動膜駆動手段は、無機材料からなる補強膜と前記圧電素子とが積層された構造体であって、前記補強膜が接着剤を介さずに前記振動膜と結合していてもよい。
振動膜とその中央部に結合された振動膜駆動手段の全体で1つの腹(antinode)が現れる最低次モードでは、樹脂からなる振動膜のヤング率が共振周波数を決定する支配的要素となる。次の低次モードでは、振動膜において2つの腹と振動膜駆動手段において1つの腹が現れ、最低次モードに比べると振動膜駆動手段のヤング率が共振周波数に与える影響が大きくなる。そして、ヤング率が大きな物体ほど共振周波数は高くなるため、振動膜駆動手段のヤング率と振動膜のヤング率との差が大きくなるほど最低次モードの共振周波数と次の低次モードの共振周波数との差が大きくなる。本発明によると、樹脂からなる振動膜の中央部に結合されている振動膜駆動手段において圧電素子と無機材料からなる補強膜が積層しているため、振動膜駆動手段が圧電素子のみからなる場合に比べると最低次モードの共振周波数と次の低次モードの共振周波数との差が大きくなる。したがって本発明によると、最低次モードと次の低次モードの間で最も振幅が落ち込む周波数が、振動膜駆動手段が圧電素子のみからなる場合に比べて高くなる。音圧は周波数の二乗に比例し振幅に比例するため、振幅が落ち込む周波数が高くなるほど、振幅の落ち込みによる音圧レベルの落ち込みは小さくなる。また振動膜を樹脂から構成する場合には、最低次モードの共振周波数が低くなるため、低い周波数帯域での音圧レベルを上げることができる。一方、最低次モードの共振周波数が低くなるほど次の低次モードまでの帯域での振幅の落ち込みによる音圧レベルの落ち込みは顕著になる。しかし本発明によると、最低次モードの共振周波数と次の低次モードの共振周波数との差が大きくなるため、最低次モードの共振周波数から次の低次モードの共振周波数までの帯域で振幅が最も落ち込む周波数が高くなり、音圧レベルのばらつきを低い周波数帯域で小さくすることができる。
(3)前記目的を達成するための圧電型発音装置において、前記振動膜駆動手段の少なくとも一部は、前記振動膜に埋め込まれていてもよい。
振動膜駆動手段を振動膜に埋め込むことによって圧電素子を含む振動膜駆動手段がさらに剥離しにくくなる。
(4)前記目的を達成するための圧電型発音装置の製造方法は、基板層の表面上に熱硬化性の樹脂層を形成するステップと、支持基板上において振動膜駆動手段を形成するステップと、前記樹脂層の表面に前記振動膜駆動手段が接した状態において前記樹脂層を加熱するステップと、平面透視において前記振動膜駆動手段を内包する通孔を有する保護膜を前記基板層の裏面に形成するステップと、前記通孔から露出している前記基板層を前記裏面からエッチングすることにより前記樹脂層を露出させるステップと、前記保護膜を除去するステップと、を含む。
本発明によると、圧電素子が剥離しにくく音圧特性に優れた圧電型発音装置を簡素な工程によって製造することができる。なお表面と裏面の関係は、いうまでもなく相対的なものである。例えば基板層の一方の主面(層界面)を表面とすると他方の主面(層界面)が基板層の裏面に相当する。また樹脂層の一方の主面を表面とすると他方の主面が樹脂層の裏面に相当する。
(6)前記目的を達成するための圧電型発音装置の製造方法は、基板層の表面上に振動膜駆動手段を形成するステップと、前記基板層と前記振動膜駆動手段の表面に熱硬化性の樹脂層を形成するステップと、前記樹脂層を加熱するステップと、平面透視において前記振動膜駆動手段を内包する通孔を有する保護膜を前記基板層の裏面に形成するステップと、前記保護膜から露出している前記基板層を前記裏面からエッチングすることにより前記樹脂層と前記振動膜駆動手段とを露出させるステップと、前記保護膜を除去するステップと、を含む。
本発明によると、圧電素子がさらに剥離しにくく音圧特性に優れた圧電型発音装置を簡素な工程によって製造することができる。
図1Aは本発明の第一実施形態にかかる断面図であって、図1Bに示す1A−1A線断面図である。図1Bは本発明の第一実施形態にかかる平面図である。 本発明の第一実施形態にかかる折れ線グラフである。 本発明の第一実施形態にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例にかかる平面図である。 本発明の第一実施形態の変形例にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例にかかる断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例にかかる断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる断面図である。 本発明の第二実施形態にかかる断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる断面図である。 本発明の第三実施形態にかかる折れ線グラフである。 本発明の第三実施形態にかかる折れ線グラフである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら以下の順に説明する。尚、各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
1.第一実施形態
(構成)
図1に本発明の第一実施形態にかかる圧電型発音装置1を示す。圧電型発音装置1は半導体製造プロセスを用いて製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)であって、図示しないケースに収容され、携帯型電子機器のスピーカーとして用いられる。このため圧電型発音装置1はダイナミックスピーカーに比べて薄く構成される。圧電型発音装置1は支持部10と振動膜12と圧電素子16とを備える。
支持部10は基板層100からなる。基板層100には断面が矩形の孔10aが形成されているため、支持部10は矩形枠の形態を有する。支持部10は振動膜12が振動することによっては変形しない程度の十分な剛性を備えている。孔10aの断面は円形でもよい。基板層100は単結晶珪素、多結晶珪素、二酸化珪素、セラミックス(ジルコニア、アルミナなど)、ガラス、ガラスセラミックス、金属(銅、ステンレス)、樹脂などからなる。
振動膜12は樹脂層101からなる。樹脂層101の外周部は支持部10に対して環状に直接結合している。すなわち振動膜12は樹脂層101のうち支持部10の内側に張り渡されている部分であって、振動膜12の振動端(端部)は、支持部10によって支持され、孔10aの断面形状によってその形状が決まる。振動膜12は支持部10の孔10aの底を構成している。振動膜12は、厚さ0.5μm以上100μm以下のポリイミド、SBR(スチレンブタジエン系ゴム)、シリコンエラストマー、PVDF(PolyVinylidene DiFluoride)等の熱硬化性樹脂からなり、ヤング率が0.01GPa以上5GPa以下に設定される。
振動膜駆動手段としての圧電素子16は図示しない2層の電極間に圧電層が挟み込まれた構造を有し、外周が矩形の板状である。圧電素子16は下層の電極において振動膜12に接着剤を介さずに直接結合している。圧電層はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)などの圧電材料からなり、厚さは例えば3μm程度に設定する。電極層はそれぞれが例えば白金(Pt)からなり、厚さは例えば0.1μm程度に設定する。
(作動)
このように構成された圧電型発音装置1は次のように作動する。図示しない導線を介して圧電素子16に音声波の駆動電圧を印加すると圧電素子16が面内方向(図1Bにおいて紙面と平行な方向)に伸縮する。すると、圧電素子16と一体に振動膜12が振動し、振動膜12から音が送波される。
図2は振動膜12の厚さと最低次の共振周波数fとの関係を示すグラフである。実線の折れ線(1)は振動膜12に圧電素子16が接着剤を介さずに直接結合された本発明の実施例である。破線の折れ線(2)は振動膜12と圧電素子16とが熱硬化性接着剤によって結合された比較例である。比較例において接着剤が硬化した接着層は、厚さが30μm、ヤング率が0.1GPaである。それぞれ折れ線(1)、(2)の特性を示す実施例と比較例において、接着層の有無以外の構成は次のように一致させている。
圧電層の厚さ:3μm
圧電層のヤング率:90GPa
圧電素子の外周寸法:9mm×9mm
振動膜の振動端寸法:10mm×10mm
振動膜12に圧電素子16が直接結合している実施例では、折れ線(1)が示すように振動膜12の厚さに関わらず、振動膜12に圧電素子16が接着剤によって結合している比較例に比べてfが低くなる。そして振動膜12に圧電素子16が直接結合している実施例では、振動膜12の厚さを10μm以下に設定することによってfが500Hz以下になる。音圧レベルの落ち込みは周波数が低くなるほど顕著になるため、fを500Hz以下に調整できると、低音域でも実用的な音圧を得ることができる。また振動膜12に圧電素子16が直接結合している実施例では、振動膜と圧電素子の間に介在させる接着剤のはみ出しや膜厚のばらつきや接着剤の硬化による音圧特性の劣化を防止できる。また振動膜12に圧電素子16が直接結合している実施例では、振動膜12に圧電素子16を粘着性接着剤によって結合する場合に比べて振動膜12と圧電素子16との結合力が強いため、圧電素子16の外周と振動膜12とを接着剤によって結合しなくても振動膜12から圧電素子16が剥離しにくい。
(製造方法)
次に図3から図6に基づいて上述した圧電型発音装置1の製造方法を説明する。
はじめに図3に示すように単結晶珪素からなる基板層100の表面上に液状の樹脂層101を形成し、加熱によって半硬化させる。具体的には例えば、塗布、スピンコーティング、ディッピング、スプレー、蒸着、印刷等によって液状のポリイミド膜を形成した後に250℃から300℃に加熱し、樹脂層101を部分的にイミド化して半硬化させることによって、半硬化したポリイミド膜を形成する。半硬化したポリイミドフィルムを基板層100の表面にラミネートして半硬化した樹脂層101を形成してもよい。
次に、半硬化した樹脂層101に図4に示すように圧電素子16を押し付け、圧電素子16が押し付けられた状態で樹脂層101をさらに加熱することによって完全に硬化させる。具体的には例えば、直径4インチのウエハあたりに1tの加重で圧電素子16を樹脂層101に押し付けた状態で350℃で10分間加熱することによって樹脂層101を完全にイミド化して硬化させる。
圧電素子16は、下層の電極となる白金層、圧電層、上層の電極となる白金層をスパッタ法などを用いて支持基板上に順に積層し、保護膜を用いたエッチングによってパターニングすることによって形成される。圧電素子16が単体で取り扱えないほどに薄い場合には、支持基板と相対的に弱い結合力で結合している圧電素子16を相対的に強い結合力で樹脂層101に結合し、樹脂層101に結合した圧電素子16から支持基板を剥離すればよい。
次に図5に示すようにフォトレジストからなる所定パターンの保護膜R1を基板層100の裏面上に形成する。続いて図6に示すように、基板層100の保護膜R1から露出している部分をウェットエッチングやDeep−RIEによって除去することによって孔10aを形成し、樹脂層101の振動膜となる部分を孔10aから露出させる。続いて保護膜R1をアセトンにより剥離させるか、Oプラズマによるアッシングによって除去する。その後にダイシングによって基板層100および樹脂層101をダイ毎に分断する等の後工程を実施すると図1に示す圧電型発音装置1が完成する。
(変形例)
樹脂層101の材料に感光性ポリイミドを用い、樹脂層101を図7、図8に示すようにパターニングしてもよい。すなわち図7に示す圧電型発音装置2のように樹脂層101に通孔12e、12f、12g、12hを形成することによって、振動膜を圧電素子16の4辺と支持部10とをそれぞれ独立して接続している4つの部分12a、12b、12c、12dに分断してもよい。また図8に示す圧電型発音装置3のように振動膜12の中央部に通孔12jを形成し、通孔12jの周囲において振動膜12と圧電素子16とを直接結合してもよい。
樹脂層101の材料としてシリコンエラストマーを用いる場合には、基板上でシリコンエラストマーを半硬化させる工程は必要はなく、シリコンエラストマーを基板層100に塗布することによって半硬化した樹脂層101を形成し、樹脂層101に圧電素子16を押し付けた後に150℃程度に加熱して樹脂層101を完全硬化させればよい。
また図9に示す圧電型発音装置4のように振動膜12に圧電素子16を埋め込んでもよい。このとき振動膜12の表面と圧電素子16の表面とが平坦に連続するまで圧電素子16の全体を振動膜12に埋め込んでもよいし、振動膜12の表面から圧電素子16の表面が突出するように圧電素子16の一部を振動膜12に埋め込んでもよい。圧電素子16の一部または全部を振動膜12に埋め込むことによって圧電素子16と振動膜12との接触面積が増大するため、圧電素子16と振動膜12との結合力を増大させることができる。振動膜12に圧電素子16を埋め込む深さは、樹脂層101に圧電素子16を押し付ける前に樹脂層101を半硬化させるための加熱条件によって調整することができる。すなわち、半硬化した樹脂層101の硬度を加熱温度および加熱時間によって調整することによって、振動膜12に圧電素子16を埋め込む深さを調整することができる。また半硬化した樹脂層101に圧電素子16を押し付ける加重を調整することによっても、振動膜12に圧電素子16を埋め込む深さを調整することができる。
また樹脂層101を形成する前に、図10に示すように基板層100に孔10aを形成するとともに孔10aに犠牲材105を埋め込んでおいてもよい。例えばまず、ステンレス鋼からなる基板層100に孔10aを形成する。続いて、孔10aに犠牲材105として銅(Cu)を埋め込む。続いて犠牲材105の表層を除去することによって犠牲材105の表面と基板層100の表面とを平坦に連続させる。続いて基板層100と犠牲材105の表面上に樹脂層101を形成し、樹脂層101に圧電素子16を結合する。その後、犠牲材105を選択的にエッチングすることによって孔10aを再構成すればよい。
また基板層100を多層構造にしてもよい。例えば単結晶珪素からなるウエハの表面を熱酸化することによって厚さ100nmの二酸化珪素層を形成することによって、図11に示す圧電型発音装置5のように単結晶珪素からなる半導体層100aと二酸化珪素からなる絶縁層100bとから基板層100を構成してもよい。
2.第二実施形態
第一実施形態では振動膜を構成する樹脂層を基板層の表面上に形成し、樹脂層の表面に圧電素子を結合する圧電型発音装置の製造方法について説明したが、基板層に圧電素子を結合した後に圧電素子に樹脂層を結合させてもよい。以下、基板層に圧電素子を結合した後に圧電素子に樹脂層を結合させる製造方法について図12から図16を参照しながら説明する。
はじめに図12に示すように基板層100の表面上に圧電素子16を形成する。具体的には、単結晶珪素、セラミックス(ジルコニア、アルミナ等)などからなる基板層100の表面上に下層の電極となる白金層、圧電層、上層の電極となる白金層をスパッタ法などを用いて順に積層し、保護膜を用いたエッチングによってパターニングする。あらかじめ形成しておいた圧電素子16を基板層100の表面に接着剤を用いて結合してもよい。基板層100に圧電素子16を接着する場合には、ガラス、ガラスセラミックス、金属、樹脂等によって基板層100を構成してもよい。
次に図13に示すように圧電素子16を覆い完全硬化した樹脂層106を基板層100と圧電素子16の表面上に形成する。具体的には、塗布、スピンコーティング、ディッピング、スプレー、蒸着、印刷等によって液状のポリイミド膜を形成した後に350℃で10分間加熱することによって完全硬化した樹脂層106を形成する。このとき樹脂層106の材料として感光性ポリイミドを用い、圧電素子16の中央部を露出させる通孔を樹脂層106に形成してもよい。また半硬化したポリイミドフィルムを基板層100と圧電素子16の表面にラミネートして半硬化した樹脂層106を形成した後に、樹脂層106を圧電素子16に押し付けた状態において、加熱によって樹脂層106を完全硬化させるとともに圧電素子16と樹脂層106とを完全に結合してもよい。
次に図14に示すように第一実施形態と同様に保護膜R1を形成する。続いて、図15に示すように保護膜R1を用いて基板層100に孔10aを形成し、樹脂層106の振動膜12を孔10aから露出させる。続いて第一実施形態と同様に保護膜R1を除去する。
その後にダイシングによって基板層100および樹脂層106をダイ毎に分断する等の後工程を実施すると図16に示す圧電型発音装置7が完成する。このように製造される圧電型発音装置6においては、圧電素子16が振動膜12よりも基板層100側に位置することになる。
3.第三実施形態
第一実施形態および第二実施形態では、圧電素子そのものを振動膜駆動手段として振動膜に直接結合する構成を説明したが、図17に示す圧電型発音装置8のように無機材料からなる補強膜14と圧電素子16とを直接結合した積層構造体を振動膜駆動手段15として振動膜12に直接結合してもよい。
振動膜駆動手段15は、振動膜12を振動させる駆動要素であって、矩形の板または膜の形態を有し、支持部10から離れた振動膜12の中央部に直接結合している。振動膜駆動手段15は、それぞれの厚さ方向に積層された補強膜14と圧電素子16とからなり、補強膜14において振動膜12と直接結合している。補強膜14は矩形の板形態を有し、圧電素子16の下層の電極と振動膜12とに結合している。補強膜14は、硬くかつ軽く構成することが好ましい。具体的には例えば、厚さは1μm以上100μm以下、ヤング率は50Gpa以上300GPa以下の範囲において、単結晶珪素、酸化珪素、多結晶珪素、セラミック(ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)など)、金属(Cuなど)などから補強膜14を形成する。補強膜14は振動膜12よりも圧電素子16よりもヤング率が大きく圧電素子16よりも密度が小さくなることが好ましい。またセラミック系の材料は耐熱性が高いため補強膜14の材料にすると製造時に扱いやすくなる。
図18は圧電型発音装置1の周波数特性を示す折れ線グラフであって横軸に周波数をとり縦軸に音圧レベルをとっている。最低次の共振周波数をf、次の低次の共振周波数をf、fとfの間で最も音圧レベルが落ち込む周波数をf01として記した。折れ線(1)、(2)、(3)の特性を示した圧電型発音装置1の寸法はそれぞれ下の表1のように設定した。
Figure 2011166365
図19は振動膜駆動手段15において補強膜が積層されている実施例と補強膜が積層されていない比較例とで圧電型発音装置の周波数特性を示した折れ線グラフであって横軸に周波数をとり縦軸に音圧レベルをとっている。折れ線(4)、(5)の特性を示した圧電型発音装置の寸法は下の表2のように設定した。なお、表2に記載されていない事項については、折れ線(1)、(2)、(3)の特性を示した圧電型発音装置1と、折れ線(4)、(5)の特性を示した圧電型発音装置のその他の形態や寸法や駆動電圧などは一致させている。
Figure 2011166365
折れ線(1)、(2)、(3)の特性を比較すると、補強膜14が厚くなるほど最低次の共振周波数fと次の低次の共振周波数fとの差dが大きくなることがわかる。その結果、折れ線(1)と折れ線(3)の特性のように、最低次の共振周波数がほぼ一致している場合にはfとfの間で最も音圧レベルが落ち込む周波数f01は補強膜14が厚くなるほど高くなる。また折れ線(4)、(5)の特性を比較すると、補強膜を追加することによって周波数f01が高くなることがわかる。これらのことから、振動膜駆動手段15に補強膜14を追加することによってfとfの間における音圧レベルの落ち込みが抑制されることがわかる。
音圧レベルの落ち込みは周波数が低いほど顕著になるため、fとfの間における音圧レベルの落ち込みを抑制すると、より高い周波数での音圧レベルの落ち込みも抑制される傾向にある。すなわち、fとfの間における音圧レベルの落ち込みを抑制すると、全体としても音圧レベルのばらつきを小さくすることができ、フラットな周波数特性を得ることができる。
また、材料特性が異なる圧電素子16と補強膜14の形態を別々に設計できるため圧電素子16のみで振動膜駆動手段15を構成する場合に比べて設計自由度が高く周波数特性の最適化が可能である。そして圧電素子16より密度が小さくヤング率が大きな単結晶珪素などを補強膜14の材質とすることにより振動膜12に対する振動膜駆動手段15の強度的負担を抑制しつつ振動膜駆動手段15全体のヤング率を大きくすることができる。
なお、振動膜駆動手段15は圧電素子16において振動膜12と直接結合してもよい。
1:圧電型発音装置、2:圧電型発音装置、3:圧電型発音装置、4:圧電型発音装置、5:圧電型発音装置、6:圧電型発音装置、7:圧電型発音装置、8:圧電型発音装置、10:支持部、10a:孔、12:振動膜、12e:通孔、12f:通孔、12g:通孔、12h:通孔、12j:通孔、14:補強膜、15:振動膜駆動手段、16:圧電素子、100:基板層、100a:半導体層、100b:絶縁層、101:樹脂層、105:犠牲材、106:樹脂層、R1:保護膜

Claims (5)

  1. 樹脂からなる振動膜と、
    前記振動膜の端部を支持する支持部と、
    平面視で前記支持部と重ならない前記振動膜上の領域に接着剤を介さずに前記振動膜と結合され、少なくとも圧電素子を含む振動膜駆動手段と、
    を備える圧電型発音装置。
  2. 前記振動膜駆動手段は、無機材料からなる補強膜と前記圧電素子とが積層された構造体であって、前記補強膜が接着剤を介さずに前記振動膜と結合している、
    請求項1に記載の圧電型発音装置。
  3. 前記振動膜駆動手段の少なくとも一部は、前記振動膜に埋め込まれている、
    請求項1または2に記載の圧電型発音装置。
  4. 基板層の表面上に熱硬化性の樹脂層を形成するステップと、
    支持基板上において振動膜駆動手段を形成するステップと、
    前記樹脂層の表面に前記振動膜駆動手段が接した状態において前記樹脂層を加熱するステップと、
    平面透視において前記振動膜駆動手段を内包する通孔を有する保護膜を前記基板層の裏面に形成するステップと、
    前記通孔から露出している前記基板層を前記裏面からエッチングすることにより前記樹脂層を露出させるステップと、
    前記保護膜を除去するステップと、
    を含む圧電型発音装置の製造方法。
  5. 基板層の表面上に振動膜駆動手段を形成するステップと、
    前記基板層と前記振動膜駆動手段の表面に熱硬化性の樹脂層を形成するステップと、
    前記樹脂層を加熱するステップと、
    平面透視において前記振動膜駆動手段を内包する通孔を有する保護膜を前記基板層の裏面に形成するステップと、
    前記保護膜から露出している前記基板層を前記裏面からエッチングすることにより前記樹脂層と前記振動膜駆動手段とを露出させるステップと、
    前記保護膜を除去するステップと、
    を含む圧電型発音装置の製造方法。
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