JP2011164973A - 救命救急シミュレーション装置、救命救急シミュレーションシステム、プログラムおよびその記録媒体 - Google Patents

救命救急シミュレーション装置、救命救急シミュレーションシステム、プログラムおよびその記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の傷病者に対して各傷病者の重症度および緊急度を考慮した優先順位で処置を行うことにより、限られた医療資源を有効に用いて最善の処置を行うための訓練に適した救命救急シミュレーションシステムを提供する。
【解決手段】サーバー装置10に、傷病者の経過時間に応じた症状、処置が施された場合の傷病者の症状の変化を示すシナリオを記憶する傷病者情報記憶部107と、処置に要する医療資源の利用時間を記憶する資源情報記憶部108と、参加者用端末30に入力された操作内容に応じて現時刻における傷病者の症状を解析する傷病者情報解析部105と、上記操作内容に応じて現時刻における医療資源の配置状況・利用状況を解析する資源情報解析部106と、これら両解析部の解析結果に応じた現況情報を参加者用端末30に送信させるサーバー制御部101とを設け、参加者用端末30の表示部303に上記現況情報に応じた画像を表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の傷病者に対して各傷病者の症状等を考慮した優先順位で搬送や治療を行うことにより、限られた医療資源を有効に用いた最善の処置を行うための訓練を行う救急救命シミュレーション装置および救急救命シミュレーションシステムに関するものである。
近年、各地域の拠点病院やDMAT(Disaster Medical Assistant Team)などを中心に、大事故や災害時の救命救急活動の訓練を目的として、傷病者の搬送・治療のプロセスをシミュレートするトリアージ訓練が行われている。トリアージとは、多数の傷病者が同時に発生した場合に、より多くの傷病者を救命するための適切な処置や搬送を行うために、傷病者を重症度と緊急度とに応じて分別して傷病者の治療優先順位を決定することである。
また、大事故や災害時の救命救急活動に限らず、多数の傷病者が来院する一般病院の救急外来等においてもトリアージの重要性が指摘されている。
従来のトリアージ訓練では、多数の模擬傷病者による実地訓練が行われることもあるが、コスト面などの制約からエマルゴ・トレーニング・システム(非特許文献1参照)などの机上シミュレーション濱習が行われる場合が多い。
また、非特許文献2には、救命救急処置をコンピュータ上で訓練するためのシミュレータとして、1人の傷病者に対して治療を施した場合のこの傷病者の反応を3Dグラフィックや音声を用いてリアルに表現するシミュレータが開示されている。
Emergo Train System、[online]、[平成22年2月1日検索]、インターネット<URL: http://www.emergotrain.com/>. RTI INTERNATIONAL、[online]、[平成22年2月1日検索]、インターネット<URL: SimPatient(http://www.rti.org/page.cfm?nav=213)>.
しかしながら、非特許文献1等の従来の机上シミュレーションでは、各傷病者の症例が記載された札(あるいは患者人形)や院内の医療資源(医師、看護士、医療器具、医薬品等)が書かれたホワイトボードなどを用いて訓練が行われるため、各傷病者の症状や脈拍、呼吸数、血中酸素濃度などの生体情報(バイタルサイン)の時間的変化を訓練にリアルタイムに反映させることが困難であるという問題がある。
また、訓練の時間的なログ(履歴)を取ることが出来ないので、訓練結果を再現したり、検証したりすることが困難であり、訓練結果を訓練参加者の資質向上のための教育に利用することが難しいという問題がある。
また、非特許文献2の技術は、1人の傷病者に対する救命治療のシミュレーションに関するものであり、多数の傷病者が同時に存在する場合に治療の優先順位を決定することについては考慮されていない。このため、非特許文献2の技術では、多数の傷病者に対して各傷病者の重症度や緊急度を考慮した優先順位で搬送や治療を行うための訓練を行うことができない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、多数の傷病者に対して各傷病者の重症度および緊急度を考慮した優先順位で処置を行うことにより、限られた医療資源を有効に用いて最善の処置を行うための訓練に適した救命救急シミュレーション装置および救命救急シミュレーションシステムを提供することにある。
本発明の救命救急シミュレーション装置は、複数の傷病者に対して各傷病者の症状に応じた優先順位で処置を行うためシミュレーションを行う救急救命シミュレーションシステムに備えられ、ネットワークを介して通信可能に接続される1台以上の参加者用端末に対して上記シミュレーションに関する情報を送信する救命救急シミュレーション装置であって、上記ネットワークを介して接続された他の装置との通信を行う送受信部と、傷病者の経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、シミュレーション上の現時刻における傷病者の位置および症状を示す情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部と、シミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部と、傷病者に対して行う処置および医療資源の利用に関する処置とこれら各処置に要する時間とを対応付けた処置時間情報を記憶した設定情報記憶部と、上記救命救急シミュレーション装置および上記各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるための時刻情報を生成する同期処理部と、シミュレーション上の現時刻、上記送受信部が上記参加者用端末から受信した当該参加者用端末に対する参加者の操作内容を示す操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記傷病者情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における傷病者の症状および位置を解析する傷病者情報解析部と、シミュレーション上の現時刻、上記操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記処置時間情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を解析する資源情報解析部と、上記傷病者情報解析部および上記資源情報解析部の解析結果に基づいて上記傷病者情報記憶部に記憶している上記傷病者情報および上記資源情報記憶部に記憶している上記資源情報を更新するとともに、上記時刻情報と現時刻における傷病者の症状と医療資源の配置状況および利用状況とを示す現況情報とを上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信する制御部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、傷病者の経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、シミュレーション上の現時刻における傷病者の位置および症状を示す情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部と、シミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部と、傷病者に対して行う処置および医療資源の利用に関する処置とこれら各処置に要する時間とを対応付けた処置時間情報を記憶した設定情報記憶部と、上記救命救急シミュレーション装置および上記各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるための時刻情報を生成する同期処理部とを備えており、傷病者情報解析部がシミュレーション上の現時刻、上記送受信部が上記参加者用端末から受信した当該参加者用端末に対する参加者の操作内容を示す操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記傷病者情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における傷病者の症状および位置を解析し、資源情報解析部がシミュレーション上の現時刻、上記操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記処置時間情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を解析する。そして、制御部が、上記傷病者情報解析部および上記資源情報解析部の解析結果に基づいて上記傷病者情報記憶部に記憶している上記傷病者情報および上記資源情報記憶部に記憶している上記資源情報を更新するとともに、上記時刻情報と現時刻における傷病者の症状と医療資源の配置状況および利用状況とを示す現況情報とを上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信する。
これにより、各参加者用端末に時刻情報を通知して各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるとともに、シミュレーション上の現時刻における傷病者情報および資源情報を通知することができる。したがって、各傷病者の症状の時間的変化、および医療資源の配置状況、利用状況の時間的変化を反映させたシミュレーションを行うことができる。
また、上記送受信部が上記各参加者用端末から受信した操作情報の履歴、または上記操作情報から検出される上記各参加者用端末に対する参加者の操作内容の履歴を記憶するログ記憶部を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、ログ記憶部に記憶されている履歴情報に基づいて、シミュレーション結果の再現や検証を行うことができる。
また、上記傷病者に対する処置には、傷病者に対して当該傷病者の生体情報を検出するための生体情報検出装置を装着する処置、および傷病者に対する診察処置が含まれており、上記傷病者情報解析部は、上記生体情報検出装置によって検出される上記傷病者の生体情報、および当該傷病者に対する診察処置によって取得される上記傷病者の症状に関する情報を上記参加者用端末に送信する上記現況情報における傷病者の症状として用いる構成としてもよい。
上記の構成によれば、シミュレーション中における参加者の処置によって検出される傷病者の情報を参加者用端末に通知することにより、傷病者から実際に取得することが期待できる情報に基づいて参加者がシミュレーションにおける処置内容を検討することができる。したがって、より現実に近いシミュレーションを行うことができる。
また、上記傷病者情報解析部は、上記傷病者情報と上記時刻情報とに基づいて傷病者の容態が緊急に治療処置を施す必要のある状態になる時刻である容態急変時刻を算出し、上記制御部は、シミュレーション上の時刻が上記容態急変時刻になったときに、容態急変時刻になった傷病者を特定するための情報および当該傷病者に対して緊急に処置を施す必要があることを示す容態急変情報を上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信する構成としてもよい。
上記の構成によれば、緊急に治療処置を施す必要のある状態になった傷病者を参加者に通知し、処置の要否や優先順位を判断させることができる。これにより、実際の状況を考慮したより現実的なシミュレーションを行うことができる。
また、上記シミュレーションの設定条件を設定するシミュレーション実施者からの指示入力を受け付ける指示入力部を備え、上記同期処理部は、上記シミュレーションにおける時間の経過速度を上記指示入力に応じた経過速度に設定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、シミュレーションにおける時間の経過速度を任意に設定できるので、時間の経過速度を速くしてシミュレーションに要する時間を短縮したり、時間の経過速度を遅くして参加者が操作入力をよりきめ細かく行えるようにしたりすることができる。
また、上記各参加者用端末と、当該各参加者用端末を利用する参加者のシミュレーションにおける役割および配置位置とを対応付けて記憶する端末情報記憶部を備え、上記制御部は、上記現況情報から上記各参加者用端末を利用する参加者の役割および配置位置に関連する傷病者情報および資源情報に対応する現況情報を参加者用端末毎に抽出し、抽出した現況情報を上記送受信部を介して当該現況情報に対応する参加者用端末に送信する構成としてもよい。
上記の構成によれば、シミュレーションにおける各参加者の役割や配置位置に応じた情報を各参加者に対応する参加者用端末に送信することができる。これにより、各参加者用端末に対して当該各参加者用端末を利用する参加者に応じた表示を行わせることができる。
また、上記端末情報記憶部は上記各参加者用端末を利用する参加者と、当該参加者がシミュレーションにおいて実行できる処置および実行できない処置のうちの少なくとも一方とを対応付けた処置実行可否情報を記憶しており、上記制御部は、上記処置実行可否情報を当該処置実行可否情報に対応する参加者が利用する上記参加者用端末に上記送受信部を介して送信する構成としてもよい。
上記の構成によれば、シミュレーションにおける各参加者の役割や配置位置に応じて各参加者の実行可能な処置および実行できない処置を規定し、この規定内容を各参加者に対応する参加者用端末に通知することができる。これにより、例えば、各参加者用端末において、シミュレーションにおいて各参加者が実行可能な処置に対応する操作入力のみを入力可能とし、実行できない処置に対応する操作入力については入力できないようにするなどの措置を講じることができる。
本発明の救急救命シミュレーションシステムは、複数の傷病者に対して各傷病者の症状に応じた優先順位で処置を行うためシミュレーションを行う救急救命シミュレーションシステムであって、上記したいずれかの救命救急シミュレーション装置と、上記救命救急シミュレーション装置に対してネットワークを介して通信可能に接続される1台以上の参加者用端末とを備え、上記参加者用端末装置は、上記ネットワークを介して上記救命救急シミュレーション装置との通信を行う端末側送受信部と、上記救命救急シミュレーション装置から受信した上記現況情報に応じた画像を表示する表示部と、参加者からの操作入力を受け付ける操作入力部と、上記操作入力部を介して参加者から入力された操作入力の内容を示す操作情報を上記端末側送受信部を介して上記救命救急シミュレーション装置に送信する参加者用端末制御部とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるとともに、シミュレーション上の現時刻における傷病者情報および資源情報を各参加者用端末に表示させることができる。これにより、各傷病者の症状の時間的変化、および医療資源の配置状況、利用状況の時間的変化を反映させたシミュレーションを行うことができる。
なお、上記救命救急シミュレーション装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより、上記救命救急シミュレーション装置をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
以上のように、本発明の救命救急シミュレーション装置は、上記ネットワークを介して接続された他の装置との通信を行う送受信部と、傷病者についての経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、傷病者の位置情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部と、医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部と、傷病者に対して行う処置および医療資源の利用に関する処置とこれら各処置に要する時間とを対応付けた処置時間情報を記憶した設定情報記憶部と、上記救命救急シミュレーション装置および上記各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるための時刻情報を生成する同期処理部と、傷病者についての経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、シミュレーション上の現時刻における傷病者の位置および症状を示す情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部と、シミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部と、上記傷病者情報解析部および上記資源情報解析部の解析結果に基づいて上記傷病者情報記憶部に記憶している上記傷病者情報および上記資源情報記憶部に記憶している上記資源情報を更新するとともに、上記時刻情報とを現時刻における傷病者の症状と医療資源の配置状況および利用状況とを示す現況情報と上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信する制御部とを備えている。
また、本発明の救急救命シミュレーションシステムは、上記救命救急シミュレーション装置と、上記救命救急シミュレーション装置に対してネットワークを介して通信可能に接続される1台以上の参加者用端末とを備え、上記参加者用端末装置は、上記ネットワークを介して上記救命救急シミュレーション装置との通信を行う端末側送受信部と、上記救命救急シミュレーション装置から受信した上記現況情報に応じた画像を表示する表示部と、参加者からの操作入力を受け付ける操作入力部と、上記操作入力部を介して参加者から入力された操作入力の内容を示す操作情報を上記端末側送受信部を介して上記救命救急シミュレーション装置に送信する参加者用端末制御部とを備えている。
それゆえ、本発明の救命救急シミュレーション装置および救急救命シミュレーションシステムによれば、各傷病者の症状の時間的変化、および医療資源の配置状況、利用状況の時間的変化を反映させたシミュレーションを行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる救命救急シミュレーションシステムに備えられる各装置の構成を示すブロック図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムを用いたシミュレーション例における設定条件の概略を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムの概略構成を示すブロック図である。 傷病者の出血量と血圧および脈拍の変化との関係の一例を示したグラフである。 (a)〜(b)は、図1の救命救急シミュレーションシステムを用いたシミュレーション例における傷病者情報の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける実施者用端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける参加者用端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける参加者用端末の表示部の一部に表示される画像の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける参加者用端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける参加者用端末の表示部の一部に表示される画像の一例を示す説明図である。 図1の救命救急シミュレーションシステムにおける参加者用端末の表示部の一部に表示される画像の一例を示す説明図である。
本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、災害によって多数の傷病者が同時に発生した場合の、災害現場および搬送先の病院における救命救急シミュレーションを行う場合について主に説明するが、本発明の適用対象はこれに限るものではなく、シミュレーションの設定条件は任意に変更することができる。例えば、災害現場でのトリアージに限定したシミュレーション、災害時の病院における救急救命活動に限定したシミュレーション、一般病院における非災害時の救急外来を想定したシミュレーションなどを行うこともできる。
(1−1.シミュレーションの設定条件の概要)
図2は、本実施形態にかかるシミュレーション例における設定条件の概要を示す説明図である。図2に示すように、このシミュレーションでは、対策本部が災害現場および病院への医療資源の配置を指揮するようになっている。医療資源には、(i)医師、看護士、救命救急士、病院の事務員等の人材、(ii)救急車、救急ヘリコプタ等の救急搬送手段、(iii)手術室、レントゲン室、診察室、病室等の各種設備、(iV)医薬品、治療器具、治療装置、担架やストレッチャー、車椅子などの搬送器具等の資材などが含まれる。
災害現場では、トリアージポストが設置され、このトリアージポストにおいて救出された傷病者に対する一次トリアージが行われる。本実施形態では、一次トリアージとして、START(Simple Triage And Rapid treatment)法に基づくトリアージを行う。START法では、各傷病者が重症度の低い順に緑、黄、赤、黒の4段階のカテゴリに分類される。緑は救急での搬送は不要な傷病者、黄は重篤な状態ではないが早期の処置が必要な傷病者、赤は生命にかかわる重篤状態で緊急の処置が必要な傷病者、黒は死亡もしくは現状の医療資源では救命困難な傷病者である。一次トリアージを受けた傷病者は、救命の優先度が高い赤のカテゴリに分類された傷病者から順に病院や救急センターなどの医療機関に搬送される。
本実施形態では、トリアージポストにおいて一次トリアージを行う際、傷病者の脈拍数や血中酸素濃度などの生体情報(バイタルサイン)を検出して所定の送信先に送信する機能を有するICタグ(生体情報検出装置)を各傷病者に装着することにより、その後の各傷病者の生体情報をコンピュータ等によって構成されるトリアージシステム上でリアルタイムに監視できる状況を想定している。上記のICタグおよびトリアージシステムとしては、例えば本願発明者らが出願した特願2009-196450(平成21年8月27日出願)において提案しているものが挙げられる。
なお、傷病者から検出される生体情報の項目は上述した項目に限るものではなく、例えば上述した項目に加えて呼吸数や血圧などの情報が検出されて上記トリアージシステムに入力されるものとしてもよい。また、傷病者の生体情報を検出する手段についてもICタグに限るものではなく、従来から公知の種々の生体情報検出装置によって検出される生体情報を上記トリアージシステムに入力するようにしてもよい。また、傷病者のカテゴリ分類結果やシミュレーションにおいて実施される処置等に応じて各傷病者から検出する生体情報の項目を変更するようにしてもよい。
病院の救急受付では、災害現場から搬送されてきた傷病者に対して治療の優先順位を決める2次トリアージが行われる。例えば、同じカテゴリに分類された傷病者同士に対して重症度や緊急度、および医療資源の配置・利用状況などを考慮して治療の優先順位および病院内における搬送先が決定され、各傷病者は2次トリアージの結果に応じた搬送先に搬送される。
本実施形態におけるシミュレーションでは、治療班として赤初期治療班、黄初期治療班、緑初期治療班、および黒エリア班が設けられており、各傷病者は2次トリアージの分類結果に応じた治療班に対応する搬送先へ搬送される。そして、各治療班によって初期治療が行われた傷病者は、必要に応じてICU(集中治療室)、OP室(手術室)、一般病室、あるいは他の医療施設等へ搬送されて治療あるいは経過観察が行われる。
(1−2.シミュレーションシステム1の概略構成)
図3は、本実施形態にかかるシミュレーションシステム(救急救命シミュレーションシステム)1の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、シミュレーションシステム1は、サーバー装置(救命救急シミュレーション装置)10と、サーバー装置10に対してネットワークを介して通信可能に接続された実施者用端末20および多数の参加者用端末30とによって構成されている。なお、参加者用端末30の数は特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。
実施者用端末20は、シミュレーションの設定条件を決定するシミュレーション実施者(司会者)からの指示入力に応じて、シミュレーションシナリオの設定を行う。シミュレーションシナリオには、(i)傷病者の数、各傷病者の症状、各傷病者の時間経過に応じた症状の変化を示す症状シナリオ(傷病者シナリオ、傷病者情報)、各時刻において医療処置が施された場合の経過時間に応じた症状の変化を示す症状改善シナリオ(傷病者シナリオ、傷病者情報)、(ii)各医療資源の種類、個数、および初期配置などを示す情報である資源シナリオ(資源情報)、(iii)各処置(例えば生体情報検出装置の装着処置、診察処理、治療処置、移動処置、搬送処置等)の所要時間や各処置を実行可能な条件などを示す処置シナリオ(処置情報)、(iv)シミュレーション上における時間の経過速度の設定条件などの情報である初期設定シナリオ(初期設定情報)、および(v)各参加者用端末30に対応する参加者のシミュレーション中の役割や各参加者用端末30に表示させる基本画面の情報などを含む端末シナリオ(端末情報)などが含まれる。なお、傷病者シナリオにおける症状の変化パターンについては必ずしも全ての傷病者について設定する必要はなく、症状が時間経過にかかわらずシミュレーション期間を通して略一定である傷病者については初期の症状のみを設定するようにしてもよい。
また、実施者用端末20は、シミュレーション実施者からの指示入力に応じて、シミュレーション実施中にサーバー装置10に記憶させている上記各シナリオに関する設定条件の変更を行うこともできるようになっている。これにより、例えば、医療資源の追加や補充、アクシデントの発生などをシミュレーションに適宜反映させることができるようになっている。
また、実施者用端末20は、シミュレーション実施者からの指示入力に応じて、シミュレーションの開始指示、一時停止、および終了の指示を行う機能を有している。シミュレーションを一時停止した場合には、シミュレーションシステム上の全端末において表示画面がロックされて操作不可になる。
サーバー装置10は、実施者用端末20を介して設定されたシミュレーションシナリオを記憶するとともに、各参加者用端末30に対して、当該参加者用端末30に対応する基本画面の情報、およびシミュレーションシナリオにおける各設定情報のうち当該参加者用端末30に関連する設定情報を送信する。これにより、各参加者用端末30には当該参加者用端末30に応じた基本画面が表示され、さらにこの基本画面上に当該参加者用端末30に関連する設定情報に応じた画像が表示させる。また、サーバー装置10は、シミュレーションシナリオにおける各設定内容、各参加者用端末30から入力される操作情報、およびシミュレーション開始からの経過時間(時刻情報)等に基づいてシミュレーション上の現時刻における傷病者の症状および位置、医療資源の配置や利用状況を示す現況情報を生成する。そして、生成したこれら各情報を関連する参加者用端末30に送信するとともに、傷病者情報記憶部107および資源情報記憶部108の記憶されている情報を更新する。なお、ある参加者用端末30における操作が他の参加者用端末30に対応するシミュレーション上の状況に影響を与える場合にはその影響を反映させるための情報を当該参加者用端末30に送信して表示内容を変更させる。これにより、各参加者用端末30を介して参加者から入力される操作情報がサーバー装置10に送信され、この操作情報に対応する処置による傷病者の症状および位置の変化や医療資源の配置状況および利用状況の変化が各参加者用端末30の表示に反映される。
また、サーバー装置10は、実施者用端末20および各参加者用端末30と定期的に通信を行い、これら各装置のシミュレーション上の時刻を、設定された経過速度に応じて進行させるとともに、これら各装置のシミュレーション上の時刻を同期させる。
また、サーバー装置10は、シミュレーションシナリオ、および、各参加者用端末30における操作内容、傷病者情報、資源情報、設定情報の履歴(ログ)をログ記憶部111に記憶させる。
参加者用端末30は、サーバー装置10から送信される各情報(傷病者情報、資源情報、設定情報、および端末情報など)に応じた画像を表示するとともに、参加者からの操作入力を受け付けてそれに対応する操作情報をサーバー装置10に送信する。なお、参加者用端末30は、シミュレーションに参加する参加者毎に備えられていてもよく、複数の参加者毎に備えられていてもよい。つまり、1台の参加者用端末30を複数の参加者によって共有してもよい。なお、複数の参加者によって1台の参加者用端末30を共用する場合には、同じ班に属する参加者同士で共用することが好ましい。
(1−3.実施者用端末20の構成)
図1は、シミュレーションシステム1に備えられる各装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、実施者用端末20は、実施者用端末制御部201、送受信部202、表示部203、操作入力部204、音声出力部205、傷病者情報生成部206、資源情報生成部207、初期設定情報生成部208、および端末情報生成部209を備えている。
実施者用端末制御部201は実施者用端末20の各部の動作を制御するものである。
送受信部202は実施者用端末制御部201の指示に応じてサーバー装置10との間で各種データの送受信を行うものである。
表示部203は実施者用端末制御部201の指示に応じた画像を表示する表示手段である。例えば、表示部203は、シミュレーション実施者がシミュレーションシナリオに関する各種設定やシミュレーションの開始、一時停止、終了指示を行うための操作入力を行う際のインターフェース画面などを表示する。
操作入力部(実施者用操作入力部)204はシミュレーション実施者からの各種指示入力を受け付けて実施者用端末制御部201に伝達する。なお、操作入力部204は、例えば、マウスやキーボード等で構成されていてもよく、表示部203と一体化されたタッチパネルとして構成されていてもよい。
音声出力部205は、実施者用端末制御部201の指示に応じた音声を出力するものである。
傷病者情報生成部206は、操作入力部204を介して入力されるシミュレーション実施者からの指示に応じて傷病者シナリオ(傷病者情報)を生成する。傷病者シナリオには、傷病者の数、各傷病者の症状、各傷病者の時間経過に応じた症状の変化および各時刻において医療処置が施された場合の症状の変化パターンなどを示す情報などが含まれる。すなわち、傷病者シナリオには各傷病者の症状、脈拍、呼吸数、意識レベルなどの生体情報のシミュレーション開始からの経過時刻に応じた変化を示す症状シナリオ、および所定時刻あるいは所定の状態になるまでに輸液や挿管などの適切な医療処置が講じられた場合の症状改善シナリオが含まれる。
なお、シミュレーション実施者が各傷病者に関するシナリオを1つ1つ入力するようにしてもよく、多数の傷病者に関するシナリオの例を記憶したデータベースを予め用意しておき、実施者用端末制御部201がこのデータベースに記憶されている傷病者に関するシナリオのリストを表示部203に表示させ、シミュレーション実施者が表示されたリストの中からシミュレーションに用いる傷病者のシナリオを抽出するようにしてもよい。また、データベースから抽出した傷病者に関するシナリオをシミュレーション実施者が適宜変更できるようにしてもよい。
また、傷病者の症状と経過時間に応じた生体情報の変化との関係については医療関係者によって比較的多くのデータが蓄積されているので、上記データベースをこれらのデータに基づいて作成してもよい。例えば、過去に生じた災害や事故等において傷病者から実際に収集された生体情報等を用いて上記データベースを作成してもよい。図4は、体重70kgの人についての出血量と血圧および脈拍の変化との関係の例を示したグラフである。また、図5(a)〜図5(d)は、傷病者の災害発生当初の症状、および所定時間経過後の症状の例を示す説明図である。
また、データベースに記憶されている各傷病者に関するシナリオを、想定される災害の種別や発生場所等に応じてグループ分けしておき、シミュレーション実施者が災害の種別、災害の発生場所、傷病者数等の条件を指定することにより、実施者用端末制御部201がデータベースに記憶されている傷病者に関するシナリオの中から指定された条件に応じた傷病者のシナリオを自動的に抽出するようにしてもよい。
資源情報生成部207は、操作入力部204を介して入力されるシミュレーション実施者からの指示に応じてシミュレーションに用いる資源情報を生成する。資源情報には、例えば、(i)シミュレーションに参加する医師や看護士等の人材の個人名あるいはID、所属部署、専門分野、役職などの人員情報、(ii)救急車や救急ヘリコプタなどの災害現場から病院までの搬送手段情報、(iii)手術室、処置室(治療室)、レントゲン室などの病院内の施設情報、(iv)病院内に備えられる各種医療設備、各種医療器具、担架やストレッチャー、車椅子等の各種搬送器具などの資材情報等が含まれる。
なお、シミュレーション実施者が各医療資源に関する資源情報を1つ1つ入力するようにしてもよく、シミュレーションにおいて利用されることが想定される一般的な資源情報のリストを記憶したデータベースを予め用意しておき、シミュレーションを実施する病院や組織等の実状に応じた資源情報をシミュレーション実施者がこのデータベースから抽出し、適宜修正を施すことによって資源情報を生成するようにしてもよい。
初期設定情報生成部208は、操作入力部204を介して入力されるシミュレーション実施者からの指示に応じてシミュレーションにおける初期設定情報を生成する。初期設定情報には、シミュレーションに用いる各医療資源(人材、搬送手段、医療設備、医療装置、医療器具、搬送器具等)およびそれら各医療資源の初期配置、各種処置(治療、搬送、移動等)に要する時間、各処置を実行可能な人材の種別(例えば、ある処置については医師しか実行できないなど)、各種処置に要する医療資源の種類や量、シミュレーション開始時のシミュレーション中の時刻、シミュレーション中における時間の経過速度(例えば、実際の時間の経過速度に対してシミュレーションにおける時間の経過速度を1倍速、2倍速、3倍速、6倍速のいずれかに設定)などの設定情報が含まれる。
端末情報生成部209は、シミュレーションに用いる各参加者用端末30の端末IDと、各参加者用端末30を利用する参加者のシミュレーション中の役割とを対応付けた端末情報を生成する。また、端末情報生成部209は、参加者のシミュレーション中の役割あるいは配置位置に応じた基本表示画面を、参加者用端末30毎、参加者の配置位置毎、あるいは参加者が属する班毎に生成し、各参加者用端末30の端末IDと各参加者用端末30に対応する基本表示画面とを対応付けて端末情報に加える。なお、1つの参加者用端末30を同じ班に属する複数の参加者によって共用するようにしてもよく、その場合にはシミュレーションに用いる各参加者用端末30の端末IDと、各参加者用端末30に対応する班とを対応付けた端末情報を生成すればよい。
実施者用端末制御部201は、傷病者情報、資源情報、初期設定情報、および端末情報が生成されると、送受信部202を制御してこれら各情報をサーバー装置10に送信させる。これにより、これら各情報がサーバー装置10に記憶され、シミュレーションを開始可能な状態になる。その後、操作入力部204を介してシミュレーション実施者からシミュレーションの開始指示が入力されると、実施者用端末制御部201は、送受信部202を制御してシミュレーションの開始指示をサーバー装置10に送信する。また、シミュレーションの実施中に操作入力部204を介してシミュレーションの一次停止指示、終了指示、各種設定の変更などの指示入力が行われると、実施者用端末制御部201は、この指示入力に応じた情報を送受信部202からサーバー装置10に送信させる。
図6は、表示部203に表示されるインターフェース画面の一例を示す説明図である。この図に示す例では、表示領域A1,A2にシミュレーションの時刻が表示され、表示領域A3にシミュレーションの開始、停止、時間の経過速度の選択、選択した各指示内容のサーバー装置10への送信指示、および新たなシミュレーションシナリオの作成を開始するためのボタンが表示されている。また、表示領域A4,A5にはシミュレーションに用いる医療資源を設定するための画像が表示されている。具体的には、表示領域A4にはシミュレーションに参加する医師や看護士等の人材に関する情報を設定するための画像が表示され、表示領域A5には注射器等の医療器具に関する情報を設定するための画像が表示されている。また、表示領域A6にはシミュレーションにおける各傷病者の傷病者情報を設定するための画像が表示されている。
(1−4.サーバー装置10の構成)
サーバー装置10は、サーバー制御部101、送受信部102、同期処理部103、操作情報取得部104、傷病者情報解析部105、資源情報解析部106、傷病者情報記憶部107、資源情報記憶部108、設定情報記憶部109、端末情報記憶部110、およびログ記憶部111を備えている。
サーバー制御部101はサーバー装置10の各部の動作を制御するものである。
送受信部102は、実施者用端末20および各参加者用端末30との間で各種情報の送受信を行う。
同期処理部103は、実施者用端末20から受信したシミュレーション中におけるシミュレーションの開始時刻(例えば災害の発生時刻)および時間の経過速度に関する情報に基づいて、サーバー装置10自身、実施者用端末20、および各参加者用端末30におけるシミュレーション中の時刻を同期させる。具体的には、同期処理部103がシミュレーション上の時刻を示す時刻情報を定期的あるいは継続的に生成し、サーバー制御部101がこの時刻情報を送受信部102から実施者用端末20および各参加者用端末30に送信させることにより、これら各装置のシミュレーション上の時刻を同期させる。
操作情報取得部104は、送受信部102が各参加者用端末30から受信した情報の中から各参加者の操作内容を示す操作情報を抽出する。
傷病者情報記憶部107、資源情報記憶部108、設定情報記憶部109、および端末情報記憶部110は、それぞれ、送受信部102が実施者用端末20から受信した傷病者情報、資源情報、初期設定情報、および端末情報を記憶する。
また、サーバー制御部101は、参加者用端末30から傷病者の生体情報、あるいはトリアージ判定に関する判定結果などを受信したときに、これらの情報を傷病者情報に加える。
傷病者情報解析部105は、操作情報取得部104の取得した各参加者の操作内容(処置内容)と、傷病者情報記憶部107に記憶している傷病者情報とに基づいて、現時刻における傷病者の症状および位置、およびその後の傷病者の経過時間に応じた症状の変化を解析する。そして、サーバー制御部101は、送受信部102からその傷病者に関連する参加者用端末30に対して解析結果に応じた傷病者情報を送信させ、当該参加者用端末30の表示部303に表示される傷病者情報を更新させる。また、サーバー制御部101は、傷病者情報記憶部107に記憶している傷病者情報に現時刻における傷病者の症状および位置の情報を加えるとともに、傷病者情報記憶部107に記憶している傷病者情報を解析結果に応じて適宜更新する。
なお、傷病者の搬送や治療等によって操作入力が行われた参加者用端末30とは異なる参加者用端末30において当該傷病者に関する情報を表示する必要が生じた場合、あるいは当該傷病者に関する表示内容を変更する必要が生じた場合、サーバー制御部101は、端末情報記憶部110に記憶している端末情報に基づいて当該参加者用端末30を特定し、当該参加者用端末30に対してそれを表示させるための情報を送信する。
また、傷病者情報解析部105は、傷病者情報記憶部107に記憶している傷病者情報に基づいて、各傷病者の症状シナリオ、症状改善シナリオ、および症状悪化シナリオを解析し、各傷病者の容態が急変する時刻あるいは緊急の処置が必要な状態になる時刻である容態急変時刻を算出する。そして、容態が急変する時刻あるいは緊急の処置が必要な状態になる時刻に達した傷病者が存在する場合に、この傷病者に関連する参加者用端末30に対して容態急変あるいは緊急の処置が必要な状態になった傷病者を特定するための情報、および容態急変あるいは緊急の処置が必要な状態になったことを示す容態急変情報を送信する。
なお、容態急変あるいは緊急の処置が必要な状態であることを判定するための各生体情報あるいは各生体情報の所定時間あたりの変化量等についての閾値は、例えば、初期設定条件として予め設定しておけばよい。また、症状や傷病者の年齢、体重、性別、病歴等の条件に応じて上記閾値を異ならせてもよい。また、症状や傷病者の年齢、体重、性別、病歴等の条件に応じて上記閾値を設定するための設定アルゴリズムを予め規定しておき、傷病者情報解析部105が傷病者毎に上記閾値を設定するようにしてもよい。
資源情報解析部106は、操作情報取得部104の取得した各参加者の操作内容(処置内容)と、資源情報記憶部108に記憶している資源情報、および設定情報記憶部109に記憶している初期設定情報とに基づいて、シミュレーション上の現時刻における各医療資源の配置状況および利用状況を解析する。そして、サーバー制御部101は、その資源情報に関連する参加者用端末30に対して資源情報解析部106の解析結果に応じた資源情報を送信し、当該参加者用端末30の表示部303に表示される資源情報を更新させる。また、サーバー制御部101は、資源情報記憶部108に記憶している資源情報を解析結果に応じて更新する。
なお、医療資源の搬送や消費等によって操作入力が行われた参加者用端末30とは異なる参加者用端末30においてその医療資源に関する情報を表示する必要が生じた場合、あるいは表示内容を変更する必要が生じた場合、サーバー制御部101は、端末情報記憶部110に記憶している端末情報に基づいて当該参加者用端末30を特定し、当該参加者用端末30に対してそれを表示させるための情報を送信する。
例えば、参加者の操作内容が傷病者に対する治療処置であった場合、初期設定情報に基づいてその治療処置に要する治療時間、設備、資材等が解析される。そして、治療処置が終了する時間になるまではその治療処置にかかわっている医師や看護士等が他の処置を行えないことを示す資源情報が対応する参加者用端末30に送信され、当該参加者用端末30にはこれらの医師や看護士等が他の処置を行えないことを示す画像が表示される。また、治療処置が終了する時間になるまではその治療処置に用いている設備、資材等の医療資源を他の処置に用いることができないことを示す資源情報が対応する参加者用端末30に送信され、当該参加者用端末30には上記医療資源が他の処置に利用できないことを示す画像が参加者用端末30に表示される。また、治療処置によって医薬品等の医療資源が消費された場合には当該医療資源に関連する参加者用端末30における当該医療資材の残量等の表示が更新される。
また、サーバー制御部101は、各参加者用端末30から受信した操作内容と当該操作が行われた時刻、および当該操作による傷病者情報および資源情報の変化をログ情報(履歴情報)としてログ記憶部111に記憶させる。
また、サーバー制御部101は、実施者用端末20からシミュレーションの開始指示、一時停止指示、あるいは終了指示を受信すると、受信した指示に応じて各参加者用端末30にシミュレーション開始信号、一時停止信号、あるいはシミュレーション終了信号を送信する。
また、サーバー制御部101は、シミュレーションを開始する際、あるいはシミュレーションの開始前に、各参加者用端末30に当該参加者用端末に対応する端末情報を送信する。これにより、各参加者用端末30には、シミュレーションを開始する際に、当該参加者用端末に対応する基本表示画面、および各医療資源の初期配置状態に応じた画像が表示される。
(1−4.参加者用端末30の構成)
参加者用端末30は、参加者用端末制御部301、送受信部302、表示部303、音声出力部304、操作入力部305、端末情報記憶部306、および時刻情報記憶部307を備えている。
参加者用端末制御部301は、参加者用端末30の各部の動作を制御する。
送受信部(端末側送受信部)302は、参加者用端末制御部301の指示に応じてサーバー装置10との間で各種データの送受信を行う。
表示部303は、参加者用端末制御部301の指示に応じた画像を表示する。
音声出力部304は、参加者用端末制御部301の指示に応じて音声出力を行う。例えば、サーバー装置10から容態急変情報を受信したときに容態急変を示す警告音を出力する。
操作入力部305は、参加者からの操作入力を受け付ける。なお、操作入力部305は例えばマウスやキーボード等で構成されていてもよく、表示部303と一定化されたタッチパネルとして構成されていてもよい。
端末情報記憶部306は、サーバー装置10から受信した当該参加者用端末30についての端末情報を記憶する。この端末情報には、基本表示画面、各医療資源の初期配置状態、各医療資源についての制限情報(例えば、各参加者の実行可能な処置および実行できない処置を示す処置実行可否情報など)が含まれる。
時刻情報記憶部307は、サーバー装置10から定期的あるいは継続的に送信される時刻情報を記憶する。参加者用端末制御部301は、送受信部302が新たな時刻情報を受信する毎に時刻情報記憶部307に記憶させている時刻情報を更新する。
図7は、対策本部班および黒エリア班に属する参加者の参加者用端末30に備えられる表示部303に表示される画像の一例を示す説明図である。この図に示す例では、医師等の人材の配置場所毎の表示エリア(集合エリア、現場派遣エリア、トリアージポストエリア、赤治療室エリア、黄治療室エリア、緑治療室エリア、搬入所エリア、および死亡判定・死体安置エリア)が表示されており、これら各表示エリア内に当該表示エリアに対応する配置場所に配置されている人材のアイコンが表示されている。
そして、対策本部から移動指示を行う人材のアイコンをドラッグして移動先の配置場所に対応する表示エリアにドロップすると、図7における赤治療室エリアに示すように、移動先の配置場所に対応する表示エリア内に、この人材のアイコンと、この人材が移動中であること(あるいは他の処置を実施できない状態であること)を示す画像と、移動完了時刻(あるいは次の処置を実行可能になる時刻)とが表示される。なお、対策本部から各人材に対応する参加者への移動指示は、例えば口頭、電話、無線、院内放送、ネットワークを各種情報伝達手段等を用いて行えばよい。なお、移動指示を受けた人材に対応する参加者の参加者用端末30に対して、サーバー装置10が移動先に応じた基本表示画面、傷病者情報、資源情報、設定情報などを送信し、この参加者用端末30の表示を変更させるようにしてもよい。
また、図7に示す例では、対策本部で管理している注射器、注射針、医薬品などの各医療資材を示すアイコンと、これら各医療資源の個数と、これら各医療資源を他の配置場所に搬送させるための送信ボタンとが表示されている。そして、参加者は、搬送させる医療資源の個数を指定して当該医療資源に対応する送信ボタンをドラッグし、搬送先の表示エリアにドロップすることにより、医療資源の搬送に関する操作入力を行う。参加者用端末30に対して操作入力が行われると、参加者用端末制御部301は、操作入力が行われた時刻を時刻情報記憶部307に記憶されている時刻情報に基づいて特定し、操作入力の内容と操作入力が行われた時刻とを含む操作情報を生成して送受信部302からサーバー装置10に送信させる。あるいは、参加者用端末制御部301が操作入力の内容を示す操作情報を生成して送受信部302からサーバー装置10に送信させ、サーバー装置10がこの操作情報を受信した時刻に基づいて操作入力が行われた時刻を算出するようにしてもよい。これにより、サーバー装置10において操作情報に基づく資源情報の変化に関する解析が行われ、解析結果に応じて更新された資源情報が関連する参加者用端末30に送信される。その結果、搬送元に対応する参加者用端末30における当該医療資源の個数が減少し、搬送先に対応する参加者用端末30における当該医療資源の個数が増加する。なお、対策本部から各医療資源の搬送処理を行う人材に対応する参加者への搬送指示は、例えば口頭、電話、無線、院内放送、ネットワークを各種情報伝達手段等を用いて行えばよい。
また、図7に示したように、参加者用端末30の表示部303には、サーバー装置10から送信される時刻情報に応じた時刻を示す画像が表示される。
なお、図7の例では、黒エリア班に属する参加者の参加者用端末30に、対策本部班に属する参加者の参加者用端末30と同様の画像が表示されるようになっている。ただし、黒エリア班の参加者の実行可能な操作は端末情報によって制限されており、黒エリア班に割り当てられた処置(例えば、死亡判定、死体安置場への移送など)に対応する操作以外は入力できないようになっている。なお、黒エリア班に属する参加者に対応する基本表示画面を生成しておき、黒エリア班に属する参加者の参加者用端末30にこの黒エリア班用の基本表示画面を表示させるようにしてもよい。
図8は、第1トリアージ班に属する参加者の参加者用端末30における表示部303の一部に表示される画像の例を示している。第1トリアージ班に属する参加者の参加者用端末30の基本表示画面(図示せず)において1次トリアージを行う傷病者を選択すると、その時刻における傷病者の症状データ(図示せず)と、図8に示す1次トリアージの判定を支援する判定支援画像とが表示される。1次トリアージを行う参加者は、この判定支援画像に基づいてSTART法における各項目の判定を順次行う。具体的には、判定項目の下のランプが1項目づつ点滅して判定対象の項目が示され、参加者は判定対象の項目について○(OK)、×(NG)のいずれかを入力する。判定済みの項目の下のランプは点灯状態になり、未判定の項目の下のランプは消灯状態になる。そして、全ての項目の判定が終わると、各項目についての判定結果に応じてカテゴリ判定が自動的に行われ、各項目の下のランプがカテゴリ判定結果に応じた色で点灯する。あるいは、カテゴリの判定結果を文字や記号等で表示してもよい。また、カテゴリの判定結果、および各項目についての判定結果は参加者用端末30に対する操作情報としてサーバー装置10に順次送信され、それに応じて傷病者情報が更新される。
また、第1トリアージ班の参加者は、傷病者に対してICタグ(生体情報検出装置)を装着する処置に対応する操作入力を行う。これにより、この操作入力に応じた操作情報がサーバー装置10に送信され、サーバー装置10の傷病者情報解析部105がこのICタグによって検出される生体情報をシミュレーション上の時刻と傷病者情報とに応じて定期的あるいは継続的に算出し、算出結果に応じて参加者用端末30に送信する傷病者の現況情報を更新する。
なお、本実施形態にかかるシミュレーションでは、一次トリアージの判定結果に応じて傷病者がいずれかの治療班あるいは黒エリアに自動的に搬送されるものとしている。ただし、傷病者の搬送を行う人材も参加者としてシミュレーションに参加する場合には、一次トリアージ後、これらの参加者の操作入力に応じて傷病者が搬送されるものとしてもよい。つまり、シミュレーションの規模や参加人数等に応じて、参加者による操作入力を必要とする処置と、サーバー制御部101が自動的に行う処置とを適宜設定すればよい。
図9は、赤初期治療班に属する参加者の参加者用端末30に備えられる表示部303に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
図9の例では、赤初期治療班には第1治療台(第1治療室)および第2治療台(第2治療室)が配置されており、これら各治療台が別々の表示エリアに表示されている。また、シミュレーション上の時刻を示す画像、搬送されてきた傷病者の搬入所を示す表示エリア、第1治療室または第2治療室への入室待ちの傷病者を示す画像、第1治療室または第2治療室への入室待機中である人材あるいは資材を表示する表示エリア、手術待機中の人材あるいは資材を表示する表示エリア、他の配置場所へ転送待機中である人材あるいは資材を表示する表示エリアなどが表示されている。
参加者である医師や看護士は、自身に対応するアイコンを所望する移動先にドラッグ&ドロップすることで自身の移動に関する操作入力を行う。また、傷病者のアイコンをドラッグ&ドロップすることでこの傷病者の治療台(治療室)への移送、および治療台から他の搬送先への移送に関する操作入力が行われる。また、表示部303には想定される治療内容を示すアイコンが表示され、傷病者に対して行う治療内容のアイコンをドラッグしてその傷病者のアイコン上でドロップすることにより、この傷病者に対する治療内容が操作入力される。参加者用端末制御部301は、これらの操作内容を示す操作情報を生成して送受信部302からサーバー装置10に送信する。
また、参加者用端末制御部301からサーバー装置10に操作情報を送信すると、この操作情報に対応する処置の結果を反映した現況情報(傷病者情報および資源情報)がサーバー装置10から返信される。参加者用端末制御部301は、サーバー装置10から受信したこれらの情報に基づいて、図9に示したように、その操作内容に対応する処置が完了するまでの時間を表示するとともに、その処置が完了するまではこの処置に対応する医師や看護士に関する他の操作入力を不可とする。
また、治療開始時には、第2治療台の表示エリアに示しているように、治療を行う傷病者に関してその時点で把握されている情報が表示される。この情報は、それ以前の処置によって取得あるいは生成された情報(例えば1次トリアージにおける各項目の判定結果、診察処置によって把握した症状など)、およびその時刻において傷病者から検出されている生体情報などである。傷病者の治療を行う医師に対応する参加者は、この情報に基づいて治療内容を判断して治療内容に関する操作入力を行う。また、傷病者のアイコンを選択すると、図10に示すように、この傷病者についてのその時点で把握されている生体情報(例えば、心拍数、呼吸数、血中酸素濃度(SpO))が表示される。
また、サーバー装置10から傷病者の容態急変を示す容態急変情報を受信した場合、図11に示すように、傷病者の容態急変を示す画像が表示部303におけるその傷病者のアイコンの近傍に表示されるとともに、音声出力部304から容態急変を示す音声あるいは警告音が出力される。
以上のように、本実施形態にかかる救命救急シミュレーションシステム1では、サーバー装置10が、傷病者についての経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、傷病者の位置情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部107と、医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部108と、傷病者に対して行う処置および医療資源の利用に関する処置とこれら各処置に要する時間とを対応付けた処置時間情報を記憶した設定情報記憶部109と、サーバー装置10および各参加者用端末30におけるシミュレーション上の時刻を同期させるための時刻情報を生成する同期処理部103とを備えている。また、サーバー装置10は、シミュレーション上の現時刻、参加者用端末30から受信した参加者の操作内容を示す操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および傷病者情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における傷病者の症状を解析する傷病者情報解析部105と、シミュレーション上の現時刻、参加者用端末30から受信した操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および処置時間情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を解析する資源情報解析部106とを備えている。また、サーバー装置10は、傷病者情報解析部105および資源情報解析部106の解析結果に基づいて傷病者情報記憶部107に記憶している傷病者情報および資源情報記憶部108に記憶している資源情報を更新するとともに、現時刻における傷病者の症状と医療資源の配置状況および利用状況とを示す現況情報、および同期処理部103が生成した時刻情報を参加者用端末30に送信させるサーバー制御部101を備えている。
これにより、各参加者用端末30におけるシミュレーション上の時刻を同期させるとともに、シミュレーション上の現時刻における傷病者情報および資源情報を各参加者用端末30に通知して表示させることができる。したがって、各傷病者の症状の時間的変化、および医療資源の配置状況、利用状況の時間的変化を反映させたシミュレーションを行うことができる。
なお、本実施形態では、傷病者情報、資源情報、設定情報、および端末情報をサーバー装置10が記憶しており、サーバー装置10がこれら各情報および各参加者用端末30から受信した操作情報に基づいて現時刻における傷病者の症状と医療資源の配置状況および利用状況とを解析するものとしているが、これに限るものではなく、サーバー装置10における処理の一部を参加者用端末30に実行させるようにしてもよい。例えば、上記各情報の一部を参加者用端末30に送信して記憶させ、参加者用端末30が参加者からの操作入力に基づいて現時刻における傷病者の症状、医療資源の配置状況・利用状況を解析し、解析結果に基づいて表示内容を変更するとともに、解析結果をサーバー装置10に送信するようにしてもよい。
また、本実施形態では、シミュレーション実施者が実施者用端末20を用いて各種設定情報を入力するものとしているが、これに限らず、実施者用端末20における各部の機能を実現する手段をサーバー装置10に設け、シミュレーション実施者がサーバー装置10に各種設定情報を直接入力するようにしてもよい。
また、上記実施形態においてサーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30に備えられる各部(各ブロック)を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、サーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるサーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、サーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、サーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
また、サーバー装置10、実施者用端末20、および参加者用端末30の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、複数の傷病者に対して各傷病者の症状等を考慮した優先順位で搬送や治療を行うことにより、限られた医療資源を有効に用いて最善の処置を行うための訓練を行う救急救命シミュレーション装置および救急救命シミュレーションシステムに適用できる。例えば、災害や大事故などを想定したトリアージに関するシミュレーション、災害時の病院における救急救命活動を想定したシミュレーション、一般病院における非災害時の救急外来を想定したシミュレーションなどに適用することができる。
1 シミュレーションシステム(救命救急シミュレーションシステム)
10 サーバー装置(救命救急シミュレーション装置)
20 実施者用端末
30 参加者用端末
101 サーバー制御部(制御部)
102 送受信部
103 同期処理部
104 操作情報取得部
105 傷病者情報解析部
106 資源情報解析部
107 傷病者情報記憶部
108 資源情報記憶部
109 設定情報記憶部
110 端末情報記憶部
111 ログ記憶部
201 実施者用端末制御部
202 送受信部
203 表示部
204 操作入力部(実施者用操作入力部)
205 音声出力部
206 傷病者情報生成部
207 資源情報生成部
208 初期設定情報生成部
209 端末情報生成部
301 参加者用端末制御部
302 送受信部(端末側送受信部)
303 表示部
304 音声出力部
305 操作入力部
306 端末情報記憶部
307 時刻情報記憶部


Claims (10)

  1. 複数の傷病者に対して各傷病者の症状に応じた優先順位で処置を行うためシミュレーションを行う救急救命シミュレーションシステムに備えられ、ネットワークを介して通信可能に接続される1台以上の参加者用端末に対して上記シミュレーションに関する情報を送信する救命救急シミュレーション装置であって、
    上記ネットワークを介して接続された他の装置との通信を行う送受信部と、
    傷病者の経過時間に応じた症状の変化を示す症状シナリオと、傷病者に対する処置内容および当該処置が施された時刻と当該処置後の経過時間に応じた傷病者の症状の変化とを関連付けた症状改善シナリオと、シミュレーション上の現時刻における傷病者の位置および症状を示す情報とを含む傷病者情報を記憶する傷病者情報記憶部と、
    シミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を示す資源情報を記憶する資源情報記憶部と、
    傷病者に対して行う処置および医療資源の利用に関する処置とこれら各処置に要する時間とを対応付けた処置時間情報を記憶した設定情報記憶部と、
    上記救命救急シミュレーション装置および上記各参加者用端末におけるシミュレーション上の時刻を同期させるための時刻情報を生成する同期処理部と、
    シミュレーション上の現時刻、上記送受信部が上記参加者用端末から受信した当該参加者用端末に対する参加者の操作内容を示す操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記傷病者情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における傷病者の症状を解析する傷病者情報解析部と、
    シミュレーション上の現時刻、上記操作情報、当該操作情報に対応する処置が行われたシミュレーション上の時刻、および上記処置時間情報に基づいてシミュレーション上の現時刻における医療資源の配置状況および利用状況を解析する資源情報解析部と、
    上記傷病者情報解析部および上記資源情報解析部の解析結果に基づいて上記傷病者情報記憶部に記憶している上記傷病者情報および上記資源情報記憶部に記憶している上記資源情報を更新するとともに、上記時刻情報と、シミュレーション上の現時刻における傷病者の症状、医療資源の配置状況、および医療資源の利用状況を示す現況情報とを上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信する制御部とを備えていることを特徴とする救命救急シミュレーション装置。
  2. 上記送受信部が上記各参加者用端末から受信した操作情報の履歴、または上記操作情報から検出される上記各参加者用端末に対する参加者の操作内容の履歴を記憶するログ記憶部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の救命救急シミュレーション装置。
  3. 上記傷病者に対する処置には、傷病者に対して当該傷病者の生体情報を検出するための生体情報検出装置を装着する処置、および傷病者に対する診察処置が含まれており、
    上記傷病者情報解析部は、上記生体情報検出装置によって検出される上記傷病者の生体情報、および当該傷病者に対する診察処置によって取得される上記傷病者の症状に関する情報を上記参加者用端末に送信する上記現況情報における傷病者の症状として用いることを特徴とする請求項1または2に記載の救命救急シミュレーション装置。
  4. 上記傷病者情報解析部は、上記傷病者情報と上記時刻情報とに基づいて傷病者の容態が緊急に治療処置を施す必要のある状態になる時刻である容態急変時刻を算出し、
    上記制御部は、シミュレーション上の時刻が上記容態急変時刻になったときに、容態急変時刻になった傷病者を特定するための情報および当該傷病者に対して緊急に処置を施す必要があることを示す容態急変情報を上記送受信部を介して上記参加者用端末に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の救命救急シミュレーション装置。
  5. 上記シミュレーションの設定条件を設定するシミュレーション実施者からの指示入力を受け付ける実施者用操作入力部を備え、
    上記同期処理部は、上記シミュレーションにおける時間の経過速度を上記指示入力に応じた経過速度に設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の救命救急シミュレーション装置。
  6. 上記各参加者用端末と、当該各参加者用端末を利用する参加者のシミュレーションにおける役割および配置位置とを対応付けて記憶する端末情報記憶部を備え、
    上記制御部は、
    上記現況情報から上記各参加者用端末を利用する参加者の役割および配置位置に関連する傷病者情報および資源情報に対応する現況情報を参加者用端末毎に抽出し、抽出した現況情報を上記送受信部を介して当該現況情報に対応する参加者用端末に送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の救命救急シミュレーション装置。
  7. 上記端末情報記憶部は上記各参加者用端末を利用する参加者と、当該参加者がシミュレーションにおいて実行できる処置および実行できない処置のうちの少なくとも一方とを対応付けた処置実行可否情報を記憶しており、
    上記制御部は、
    上記処置実行可否情報を当該処置実行可否情報に対応する参加者が利用する上記参加者用端末に上記送受信部を介して送信することを特徴とする請求項6に記載の救命救急シミュレーション装置。
  8. 複数の傷病者に対して各傷病者の症状に応じた優先順位で処置を行うためシミュレーションを行う救急救命シミュレーションシステムであって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の救命救急シミュレーション装置と、上記救命救急シミュレーション装置に対してネットワークを介して通信可能に接続される1台以上の参加者用端末とを備え、
    上記参加者用端末は、
    上記ネットワークを介して上記救命救急シミュレーション装置との通信を行う端末側送受信部と、
    上記救命救急シミュレーション装置から受信した上記現況情報に応じた画像を表示する表示部と、
    参加者からの操作入力を受け付ける操作入力部と、
    上記操作入力部を介して参加者から入力された操作入力の内容を示す操作情報を上記端末側送受信部を介して上記救命救急シミュレーション装置に送信する参加者用端末制御部とを備えていることを特徴とする救急救命シミュレーションシステム。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の救命救急シミュレーション装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記各部として機能させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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