JP2011164493A - 角度多重ホログラム記録方法および装置 - Google Patents

角度多重ホログラム記録方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】角度多重ホログラム記録における多重数を増大させることで、高密度化および大容量化を促進し得る角度多重ホログラム記録方法および装置を提供する。
【解決手段】まず、SLM10の表示画面上に同時に表示可能なページデータ領域をN分割(Nは2以上の整数)する(S1)。次に、分割されたページデータ領域I(I=1、2…、N)毎に、当該領域Iに対応する所定の角度スケジュールを決定する(S2)。次に、実際の記録の際に、ページデータ領域Iを順次アクティブ領域とし、アクティブ領域が移動するたびに、参照光と記録媒体との相対角度を変化させながら角度多重記録する(S3)。
【選択図】図4

Description

本発明は、角度多重ホログラム記録方法および装置に関し、詳しくは、離散的なデジタルデータ(例えば大容量の保存用アーカイブデータ)のホログラフィックメモリへの角度多重記録を行う際における、記録角度間隔(角度スケジュール)を制御する方法および装置に関するものである。
近年、大容量かつ高速な記録システムとしてホログラフィックメモリが注目されている。ホログラフィックメモリは、同一レーザ光源から発せられた参照光および信号光と称される2つの光を干渉させ、生じた干渉縞を記録媒体に屈折率変化として記録、保持する。通常、信号光はページデータと称される、SLM(空間光変調器:以下同じ)等に表示した2次元画像情報により空間的に変調されたものである。参照光の条件(例えば記録媒体への入射角度、波長、または波面等)を変化させながら、記録媒体の同一領域に複数のページデータを多重して記録することができるため大容量化が可能である。このうち、入射角度を変えながら多重記録するものは角度多重方式と称されている。
角度多重方式においては、参照光をガルバノミラーによって角度変更したり、参照光と信号光により形成される平面内で記録媒体を回転させたりして、参照光の媒体への入射角度を少しずつ変えながら複数のページデータをホログラムの形態で多重記録する。
ところで、隣接するホログラム同士の間隔を狭くすると多くのページデータを記録することができる一方、隣接ホログラムとの間でクロストークが生じ易くなるため、最適な角度間隔を特定してホログラムを多重記録することが必要となる。
このため、上記最適な角度間隔を決定するための従来技術においては、例えば下記特許文献1に記載されているように、最適な角度間隔Δθをあらかじめ配列の情報として記憶しておき、この配列の情報に基づいて角度多重記録を行なうようにしている。この手法により、参照光の入射角度における限られた角度範囲、あるいは記録媒体回転における限られた角度範囲において、多くのページデータを記録することが可能となる。
また、下記特許文献2では、最適な角度間隔Δθの決定(角度スケジューリング)の手法が開示されている。これは、参照光と記録媒体との相対角度の変化範囲のうち3点以上を抽出し、それら各点における角度選択性の状況から全てのホログラム順に対する最適な角度間隔Δθを特定するものである。
特開2006−154163号 特開2009−265534号
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2に記載のものに対し、さらに多重数を増大することで、高密度化および大容量化を促進することが急務である。
このため、ホログラム配列番号に対する最適な角度間隔Δθ(角度スケジュール)を、より効率的かつ効果的に設定する手法が強く求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、角度多重ホログラム記録における多重数を増大させることで、高密度化および大容量化を促進し得る角度多重ホログラム記録方法および装置を提供することを目的とするものである。
本発明の角度多重ホログラム記録方法は、空間光変調手段の表示領域に表示されたデータ情報を担持した信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体の同一領域に、角度多重により、該干渉光による干渉縞情報を多重記録する角度多重ホログラム記録方法において、
前記空間光変調手段の表示領域を複数個に分割し、該分割されてなる分割領域毎に、前記参照光と前記記録媒体との相対角度の変化に基づく角度スケジュールを決定し、該角度スケジュールに基づいて分割領域毎に角度多重記録を行なうことを特徴とするものである。
また、前記分割領域毎に、前記信号光のうち、前記参照光に対する角度が、最大ではない角度θとなる素平面波を選択し、この素平面波と参照光との角度を前記相対角度とすることが可能である。なお、上記「最大ではない角度θとなる素平面波」とは、後述する例で言えば、素平面波aは排除され、素平面波bや素平面波c等の他の素平面波を意味する。
また、前記空間光変調手段の表示領域が1つの空間光変調手段により構成され、前記分割領域が、該1つの空間光変調手段の表示領域のうちの部分領域とされていることが可能である。
また、前記空間光変調手段の表示領域が複数個の空間光変調手段により構成され、前記分割領域のそれぞれが、1つの空間光変調手段の全表示領域とすることが可能である。
また、前記各分割領域である、分割したページデータ領域について、表示駆動する領域を順次移動させる度に、前記参照光と前記記録媒体との相対角度を角度スケジュールに基づき変化させることで、角度多重記録を行なうことが可能である。
また、前記参照光と前記記録媒体との相対角度を、正または負の一方向に変化させ、その変化の途中の所定の角度に到達する毎に、当該角度で表示駆動すべき前記各分割領域について、順次表示駆動操作を行うことで角度多重記録を行うことが可能である。
本発明の角度多重ホログラム記録装置は、上記いずれかの角度多重ホログラム記録方法に基づく各操作を指示する制御部を備えたことを特徴とするものである。
本発明の角度多重ホログラム記録方法および装置においては、空間光変調手段の表示領域を複数個に分割し、該分割されてなる分割領域毎に、前記参照光と前記記録媒体との相対角度の変化に基づく角度スケジュールを決定し、該角度スケジュールに基づいて分割領域毎に角度多重記録を行なうようにしているので、従来技術と比べて、角度多重ホログラム記録における多重数を増大させることができ、高密度化および大容量化を促進することができる。
すなわち、従来技術においては、クロストークを避ける目的で、信号光と参照光との相対角度が最も大きくなる角度を選んで、角度多重記録の角度間隔を設定しているが、本発明においては、信号光と参照光との相対角度が互いに変化する分割領域毎に角度スケジュールを決定するようにしているので、効率的に多重させることができ、高密度化および大容量化を促進することができる。
本発明に係る角度多重ホログラム記録方法における、参照光と信号光の入射角度の関係を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る角度多重ホログラム記録装置における参照光と信号光(素平面波)の入射角度の角度選択性の差異を示す概略図である。 本発明の数値シミュレーションにおいて選択した信号光(素平面波)の各角度における、参照光角度と回折強度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る各分割ページデータ領域についての、角度多重記録を行なう手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る分割ページデータ領域の一例を示す図である。 本発明の実施例1に係る分割ページデータ領域における、記録がなされるアクティブ領域とそれ以外の領域とを並列して表した図((a)、(b))である。 本発明の実施例2における各分割ページデータ領域についての、角度多重記録を行なう手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る分割ページデータ領域における、角度間隔とアクティブ領域との関係を表すテーブルである。 本発明の実施例2に係る分割ページデータ領域が2つ設けられた場合における、角度間隔とアクティブ領域との関係を表すテーブルである。 複数のSLMを用いた場合の本発明の実施形態の変形例を示す概略図である。 各ページデータ領域Iに対する多重記録(再生)操作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態方法を実施するための角度多重ホログラム記録装置を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明に係る角度多重ホログラム記録方法の基礎となる理論について説明する。
ホログラム記録装置における、空間光変調器SLMからの信号光は、例えば図1のごとく、レンズ11を通過することにより発散あるいは収束する(図1では記録領域21に収束する)ビームである。言い換えれば、信号光は記録媒体13に対して様々な進入角度を有する平面波(素平面波)の集まりであるとみることができる。
角度選択性はそれら素平面波と参照光とがなす角度に依存することが、Kogelnikによる結合波理論により明らかとされている。各素平面波と参照光との相対角度が小さくなるほど角度選択性は鈍くなり、該相対角度が大きくなるほど角度選択性は鋭くなる。
すなわち、図2に示すように、SLM上の画素から出た素平面波a,b,cのうち、素平面波cは、参照光rとの相対角度が小さいことから角度選択性が鈍くなるのに対し、素平面波aは、参照光rとの相対角度が大きいことから角度選択性が鋭くなる。
このことを、上記結合波理論による数値シミュレーションを用いて検証する。
SLM上の一点の画素から出た素平面波に注目した場合、その素平面波により記録されたホログラムの回折効率は次式(1)で表される。
Figure 2011164493
ここで、νはホログラムの強さを示すパラメータである。
また、ξは次式(2)で与えられる。
Figure 2011164493
ここで、Δθは参照光角度変化量、tは記録媒体の厚さ、φはホログラムの逆格子ベクトルの角度、θは参照光角度である。なお、逆格子ベクトルの大きさKは2π/Λであり、Λは、下式(3)で表される。
Figure 2011164493
ただし、θは素平面波の参照光に対する角度、λはレーザ光波長、nは記録媒体の屈折率である。なお、角度は全て記録媒体内部での角度とする。
数値シミュレーションにおいて各パラメータは、t=0.1mm、λ=532nm、n=1.5、記録媒体内部における参照光rの入射角度を40度、素平面波a、b、cの入射角度をそれぞれ−25度、0度、+25度とした。
このパラメータを用い、各素平面波a、b、cの角度選択性をシミュレーションした結果を図3に示す。なお、縦軸に係る回折強度は上記(1)式を演算することにより得られた値を規格化して得た。また、角度選択性の鋭さについては、FWHM(半値全幅)や第1ヌル点の中心角度との間隔から判断可能である。
第1ヌル点を用いた場合、素平面波a、b、cはそれぞれ、0.2度、0.32度、0.72度となる。このことから、1つのページデータ内のデータであってもSLM上の画素毎に角度選択性が異なることが明らかである。
これにより、上記素平面波aがより狭い角度間隔を用いることで高多重数を期待できるにもかかわらず、従来技術においては、クロストークを避ける目的で、最も広い角度間隔である、例えば、上記0.72度をページ間角度として選択せざるを得なかった。
なお、角度多重方式により、記録媒体の同一領域上にホログラムを多重記録する際には、記録媒体13が、信号光と参照光を含む平面内で回転するように操作される。
なお、上記記録媒体としては、例えば、厚さ1mm程度のフォトポリマを用いる。また、角度多重記録は、参照光の記録媒体への入射角を少しずつ変えながら行なわれるが、このとき、記録媒体の同一領域に対する角度多重記録数Kは、例えば300である。
以下、上述した具体的な理論に基づく実施例について、図面を用いて説明する。
<実施例1>
図4を用いて実施例1に係る角度多重ホログラム記録方法の流れを説明する。すなわち、実施例1の流れは、図4に示すように、ステップ1、2、3により構成されるものであり、分割した各ページデータ領域(以下、単に分割領域とも称する)について、アクティブとする領域を順次移動させる度に、参照光と記録媒体との相対角度を各分割領域の角度スケジュールに基づき変化させることで、多重記録を行なうものである。
<ステップ1>
まず、ステップ1(S1)においては、SLM10の表示画面上に同時に表示可能なページデータ領域をN分割(Nは2以上の整数)する。
<ステップ2>
次に、ステップ2(S2)においては、分割されたページデータ領域I(領域番号I=1、2、・・・、N)毎に、当該領域Iに対応する所定の角度スケジュールを決定する。
すなわち、各ページデータ領域Iに対し、参照光との相対角度が最も小さな素平面波について、上式(1)〜(3)を用いて角度選択曲線の第1ヌル点またはFWHMを算出する。次に、この算出結果に基づき、各「ページデータ領域I」に対して、従来の周知の方法等にて角度スケジュールを決定する。
<ステップ3>
次に、ステップ3(S3)においては、実際の記録再生の際に、ページデータ領域1をアクティブ領域とし、該ページデータ領域1に対して、参照光と記録媒体との相対角度を変化させながら角度多重記録し、次に、ページデータ領域2をアクティブ領域とし、ページデータ領域2に対して、参照光と記録媒体との相対角度を変化させながら角度多重記録し、この後、他のページデータ領域を順次アクティブ領域としつつ同様に角度多重記録する操作を繰り返す。
上記ステップ2の角度スケジュールを決定する際に、各「ページデータ領域I」に対してなされる、従来の周知の方法等、とは、例えば、上記特許文献1や上記特許文献2に記載されている如き手法である。以下、従来の周知の方法の一例を図11を用いて説明する。
すなわち、この周知の方法は、まず、角度多重によりホログラム記録される多重総数をKとするならば、K未満の複数個(3個以上が好ましい)、なる条件を満たすm個のホログラム記録を代表として特定し(S11)、そのm個のホログラム記録(P〜P)について、設定角度の順に配列したときに、隣接するホログラム記録同士の角度間隔を各々特定する(代表点の特定)(S12)。
次に、設定角度順に配されたホログラム記録の配列番号をX軸上に、当該ホログラム記録と、隣接するホログラム記録との角度間隔をY軸上に、各々規定したX−Y座標系上に、前記各点P〜Pをプロットし、これら各点P〜Pを通る近似関数曲線を規定する(近似関数曲線の規定)(S13)。
この後、規定された上記近似関数曲線を利用して、上記K個のホログラム記録のうちの所望するホログラム記録における、隣接ホログラムとの角度間隔を求める(角度間隔の特定)(S14)。これにより、所望するホログラム記録における角度スケジュールを決定する。
次に、この実施例1の方法において、説明の便宜のため、Nを具体的に2とした場合について、図を用いながら説明する。
図5に示す如く、ページデータを領域1(a−b)および領域2(b−c)の2つの領域に分ける。
次に、領域1および領域2の中で、参照光との相対角度が最小となる素平面波は、それぞれbおよびcである(図5のX軸は矢視方向を正とする)から、素平面波bと素平面波cに対する第1ヌル点を、上式(1)〜(3)を用いて代表であるm個のホログラム記録(P〜P)について求めた後、上記周知の方法により、各領域1、2について各々角度スケジュールを決定する。
なお、記録時には、まず領域1をアクティブ領域とし、図6(a)のごとく領域1のみにデータを表示し、角度多重記録を実行する。
次に領域2をアクティブ領域とし、図6(b)のごとく領域2のみにデータを表示し、角度多重記録を実行する。
なお、再生時における読み出し順序は、記録時における記録順序と同じ順序とすればよい。
<実施例2>
次に、図7を用いて実施例2に係る角度多重ホログラム記録方法の流れを説明する。すなわち、実施例2の流れは、図7に示すように、ステップ1、2、3´により構成されるものであり、参照光と記録媒体との相対角度を順次変化させる度に、分割領域のうち、当該角度でアクティブとすべき領域をアクティブとすることで、多重記録を行なうものである。
実施例2が実施例1と相違する部分は、ステップ3がステップ3´となっている点であるから、実施例1と同様のステップ1、2の説明は省略し、ステップ3´のみについて説明する。
<ステップ3’>
実際の記録再生にあたっては、参照光と記録媒体の各相対角度を、正または負の一方向に変化させ、その変化の度に、分割領域のうちアクティブとすべき領域を順次アクティブとしていくことで角度多重記録を行うようにしている。この場合、上記相対角度θに対しアクティブとすべき領域を予め定めてテーブル化しておき、これをメモリに保持しておくとよい。
図8は、このステップ3’の手順のテーブルを示すものである。
すなわち、θからθMまでの、参照光に対する記録媒体の各相対角度に対応して、アクティブとすべき領域1〜Nを○印で示したものである。
この図8からも明らかなように、ステップ3’は上記実施例1のステップ3に比べて、参照光と記録媒体との相対角度の角度変化サイクルを1回で終了することができるので、転送速度の低下を生じない点で有利である。
なお、このテーブルでは、領域1から領域Nに向かうにしたがって角度間隔が広くなるように設定されているが、これは領域Iごとに素平面波の角度選択性が異なることに対応させたものであり、ステップ2で求めた角度スケジュールの算出結果にも基づくものである。
さらに、θ1、θ5などに注目すると、複数の領域Iがアクティブとなっている。これは、複数のアクティブな領域Iを同時にSLM上に表示することで、同時に記録を行うことが示されるものである。
なお、この実施例2においても、再生時における読み出し操作は、記録時における記録操作と同じ順序とすればよい。
以下、図12を用いてホログラム記録再生操作の一般的な流れについて説明する。
図12は、本実施形態に係るホログラム記録方法を実施するための装置の概略を示すものである。
まず、DPSS(Diode Pumping Solid State:ダイオード励起固体)レーザ光源1から出射された波長532nmのレーザビームは、シャッタ2を開くことでミラーM1を介して光学系に導かれ、スペイシャルフィルタ3にて空間的なノイズが除去されるとともにビーム径が拡大される。
信号記録時において、スペイシャルフィルタ3からのビームは半波長板HWP1により所望の偏光比に調整され、この後、偏光ビームスプリッタPBS1により分離された偏光のうち、縦偏光成分は参照光として、横偏光成分は信号光として各々利用される。
信号光は、レンズL1とレンズL2によりページデータの大きさ程度までビーム径が拡大された後、偏光ビームスプリッタPBS2を透過して空間光変調器SLMに照射される。このとき、空間光変調器SLMにはページデータが表示されており、これによりビームが空間的に変調される。そして、縦偏光成分のみが偏光ビームスプリッタPBS2によってフーリエ変換レンズFTL1方向へ反射される。FTL1を通過後、光学的フーリエ変換面には開口マスク7が配置されており、0次の回折光のみが開口を通過してホログラム記録媒体8(以下、単に記録媒体8とも称する)上に照射される。
一方、参照光は、縦偏光状態のまま半波長板HWP2を通過し、偏光ビームスプリッタPBS3において直角に反射され、ミラーM2、ミラーM3を介して記録媒体8上に照射される。
参照光と信号光が交差した部分で光の干渉縞、すなわち光の明暗が生じ、この位置に記録媒体8が配されているので、該記録媒体8の記録面において、光の強い場所は重合反応が進み、その一方、弱い場所は重合反応があまり進まず、結果として記録媒体8の記録面に屈折率分布が形成され、一つのホログラムの記録操作が完了する。
また、信号再生時においては、スペイシャルフィルタ3からのビームが半波長板HWP1により完全に縦偏光とされ、偏光ビームスプリッタPBS1により直角に反射される。この後、半波長板HWP2により完全に横偏光にされることで、偏光ビームスプリッタPBS3を透過し、ミラーM4、ミラーM5を介して記録媒体8へ照射される。これは、位相共役再生と称される周知の再生手法であり、この場合には再生光は記録媒体8からフーリエ変換レンズFTL1側へ出射され、フーリエ変換レンズFLT1を通過する。再生光は横偏光であるから、この後偏光ビームスプリッタPBS2を透過して撮像素子(CCD)10上に結像される。
この撮像素子(CCD)10で得られた再生ページデータ像に対して、所定の信号処理を施すことで元データを復元することができる。
また、記録媒体8は、図示されない回転ステージ上に取り付けられ、図2中のθ方向へ所定の角度だけ回転させることができる。本実施形態では角度θの可動範囲は−3.5度〜+27.5度とされており、角度θを−3.5度付近から少しずつ増加させ(あるいは、角度θを+27.5付近から少しずつ減少させ)、上記実施例1または上記実施例2等の手法を用いて角度多重記録を行なうように操作される。
また、記録したときと同じ設定角度を再現して参照光を照射すると、記録された一つのホログラムだけを分離して再生することが可能である。
この場合における回転ステージの回転角度制御は、回転角度制御部31からの指示信号に基づいて回転駆動部(回転モータなど)32を回転駆動することにより行なわれる。すなわち、回転角度制御部31には図4または図7に示されるような処理を実行するためのプログラムを格納するメモリが配され、図示されないCPUによりこのプログラムが実行され、回転角度θの駆動操作が制御される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の角度多重ホログラム記録方法としては、それ以外の態様のものに変更することも可能である。例えば、上記実施例2におけるステップ3’は、以下のような手法を用いれば、より簡便なものとすることが可能である。
すなわち、例えばN=2の場合において、図9に示す如く、領域1について対応付けられる、参照光と記録媒体の相対角度のうち1つおきに領域2についても対応付けるものである。これは、上述したシミュレーション結果からも明らかなように、素平面波b、cの角度選択性の差が大きく、例えば2倍以上となる場合に有効な手法である。
また、角度θ1、θ3、θ5・・・の場合には領域1、2ともアクティブとされるため、SLM上には図5に示す如く領域全体にデータが表示される。一方、角度θ2、θ4、・・・の場合には領域1のみがアクティブであるため、SLM上には、図6(a)に示す如く領域1のみにデータが表示される。
また、上記実施例においては、1つのSLMの表示領域を領域分割してN個の分割領域を形成しているが、N個のSLMを所定配置し、各SLMの全領域を該各分割領域とすることも可能である。なお、図10は、2つのSLM(SLM1、SLM2)の各々を分割領域とした態様を示すものである。
また、本実施例で用いたレーザ光波長、記録媒体厚さ、角度範囲は一例を示すものであり、適宜変更が可能である。
また、上記空間光変調器としては、透過型の液晶表示板や反射型の液晶表示板を使用することが可能であり、さらに、多数の微小反射ミラーを駆動制御するDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることも可能である。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る方法および装置によれば、従来技術に比べてさらに多重数を増大することができ、また高密度化および大容量化を促進することができることが明らかである。
その効果は、参照光に対する、素平面波の最大入射角度が大きくなる程、大きくなることから、レンズ焦点距離を短くした場合、および高NA(開口数)のレンズを用いた場合に、上記効果をより大きくすることができる。
なお、上述した、図3のグラフを得るために用いたシミュレーション数値を採用し、かつN=2とした場合、本発明を用いない従来技術に比べ、約1.5倍の高密度化が可能となった。
SLM,SLM1,SLM2 空間光変調器
FTL1 フーリエ変換レンズ
PBS1,PBS2,PBS3 偏光ビームスプリッタ
HWP1,HWP2 半波長板
M1,M2,M3,M4,M5 ミラー
L1,L2 レンズ
1 レーザ光源
2 シャッタ
3 スペイシャルフィルタ
7 開口マスク
8、13 ホログラム記録媒体
10 撮像素子
11 レンズ
21 記録領域
31 回転角度制御部
32 回転駆動部

Claims (7)

  1. 空間光変調手段の表示領域に表示されたデータ情報を担持した信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体の同一領域に、角度多重により、該干渉光による干渉縞情報を多重記録する角度多重ホログラム記録方法において、
    前記空間光変調手段の表示領域を複数個に分割し、該分割されてなる分割領域毎に、前記参照光と前記記録媒体との相対角度の変化に基づく角度スケジュールを設定し、該角度スケジュールに基づいて分割領域毎に角度多重記録を行なうことを特徴とする角度多重ホログラム記録方法。
  2. 前記分割領域毎に、前記信号光のうち、前記参照光に対する角度が、最大ではない角度θとなる素平面波を選択し、この素平面波と参照光との角度を前記相対角度とすることを特徴とする請求項1記載の角度多重ホログラム記録方法。
  3. 前記空間光変調手段の表示領域が1つの空間光変調手段により構成され、前記分割領域が、該1つの空間光変調手段の表示領域のうちの部分領域とされていることを特徴とする請求項1または2記載の角度多重ホログラム記録方法。
  4. 前記空間光変調手段の表示領域が複数個の空間光変調手段により構成され、前記分割領域のそれぞれが、1つの空間光変調手段の全表示領域とされていることを特徴とする請求項1または2記載の角度多重ホログラム記録方法。
  5. 前記各分割領域である、分割したページデータ領域について、表示駆動する領域を順次移動させる度に、前記参照光と前記記録媒体との相対角度を角度スケジュールに基づき変化させることで、角度多重記録を行なうことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の角度多重ホログラム記録方法。
  6. 前記参照光と前記記録媒体との相対角度を、正または負の一方向に変化させ、その変化の途中の所定の角度に到達する毎に、当該角度で表示駆動すべき、前記各分割領域である、分割したページデータ領域について表示駆動操作を行うことで角度多重記録を行うことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の角度多重ホログラム記録方法。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項記載の角度多重ホログラム記録方法に基づく各操作を指示する制御部を備えたことを特徴とする角度多重ホログラム記録装置。
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