JP2011163775A - 温度信号発信装置及び温度情報収集システム - Google Patents

温度信号発信装置及び温度情報収集システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で広範囲の温度計測を行うことができる温度信号発信装置及び温度情報収集システムを提供する。
【解決手段】温度信号発信装置1には、測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換部11と、熱電変換部11により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電部12と、が設けられている。更に、蓄電部12における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生部13が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、温度信号発信装置及び温度情報収集システムに関する。
様々な分野において温度計測が実施されている。例えば、各種プラント等の工業機器、自動車等の輸送機器、家電及び通信設備等の電気機器等で温度計測が行われている。更に、環境・気象観測の分野においては、温度計測は最も基本的な計測の一つである。このような温度計測に用いられる温度計測装置(センサ端末、センサノード)としては、例えば、熱電対、白金抵抗体、サーミスタ、赤外線検出器等が知られている。
また、近年では、複数個所に温度計測装置として温度信号発信装置を設置して、これらの温度信号発信装置から受信した信号を温度信号受信装置で収集する温度情報収集システムについての検討も行われている。更に、光、振動又は熱を利用して発電する発電機能を備えた温度信号発信装置についての検討も行われている。このような発電機能を備えた温度信号発信装置は、温度情報収集システムに好適である。これは、温度信号受信装置から各温度信号発信装置に給電するのでは、そのために多数の電源線が必要になり、各温度信号発信装置にバッテリーを設けるのでは、長期の運用にあたってバッテリーの交換及び回収作業等の保守及び運用において莫大な労力及び費用がかかるためである。
そして、上記の発電機能のうちでは、熱を利用するものが最も応用範囲が広いといえる。これは、温度計測を行うに際しては、十分な光を得ることができない環境、及び振動が生じにくい環境と比べて、熱が生じにくい環境は極めて生じにくく、熱を利用する温度信号発信装置が稼動しやすいからである。そして、従来、熱を利用して発電する発電機能を備えた温度信号発信装置について種々の技術が提案されている。
しかしながら、従来の温度信号発信装置には、種々の問題点がある。例えば、ある温度信号発信装置では、回路構成が複雑であるために高性能で多数の熱電素子が必要される。また、他の温度信号発信装置では、計測可能な温度範囲が極めて狭いという問題点がある。
特開2008−292318号公報 特開平3−240198号公報 特開昭63−238436号公報 特開平7−202094号公報 特開2006−23084号公報 特開2005−201858号公報
本発明の目的は、簡易な構成で広範囲の温度計測を行うことができる温度信号発信装置及び温度情報収集システムを提供することにある。
温度信号発信装置の一態様には、測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換手段と、前記熱電変換手段により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電手段と、が設けられている。更に、前記蓄電手段における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生手段が設けられている。
上記の温度信号発信装置等によれば、熱電変換手段、蓄電手段、及び信号発生手段の作用により、簡易な構成で広範囲の温度計測を行うことができる。
第1の実施形態に係る温度信号発信装置を示す図である。 温度情報収集システムの構成を示す図である。 第2の実施形態に係る温度信号発信装置の構成を示す図である。 熱電素子の一例を示す図である。 熱電素子の使用方法の例を示す図である。 電圧判定スイッチ回路の一例を示す図である。 出力回路の一例を示す図である。 信号発生回路の動作を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る温度信号発信装置の動作を示すタイミングチャートである。 温度差ΔTと出力信号の周期及び周波数との関係を示す図である。 第3の実施形態に係る温度情報収集システムの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る温度情報収集システムの動作を示す図である。 第4の実施形態に係る温度信号発信装置が出力するパルス信号を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図1(a)は、第1の実施形態に係る温度信号発信装置の構成を示す図であり、図1(b)は、第1の実施形態に係る温度信号発信装置の動作を示す図である。
第1の実施形態に係る温度信号発信装置1には、図1(a)に示すように、測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換部11、及び熱電変換部11により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電部12が設けられている。更に、蓄電部12における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生部13も設けられている。
このように構成された温度信号発信装置1では、図1(b)に示すように、測定対象の温度が低温TLから高温THに変化すると、熱電変換部11が発生する電圧の大きさが低電圧VLから高電圧VHへと変化する。この結果、蓄電部12に電荷が蓄積される速度(蓄電速度)が低速CLから高速CHへと変化し、信号発生部13が出力する信号の周期が短くなる。つまり、測定対象の温度の低温TLから高温THへの変化に伴って、温度信号発信装置1の出力信号の周波数が低周波から高周波へと変化する。
このように、第1の実施形態に係る温度信号発信装置1の出力信号は、測定対象の温度を反映させたものとなる。即ち、第1の実施形態によれば、簡易な構成で測定対象の温度を適切に反映させた信号を出力することができる。
次に、第1の実施形態に係る温度信号発信装置1を備えた温度情報収集システムについて説明する。図2は、温度情報収集システムの構成を示す図である。
図2に示すように、温度情報収集システムには、温度信号発信装置1から出力された信号を受信する温度信号受信装置3が設けられている。信号の送受信は、有線であっても無線であってもよい。そして、温度信号発信装置1が被測定物2に接するようにして設置される。被測定物2は特に限定されず、被測定物2(測定対象)としては、例えば工場のボイラ及びモータ、自動車のラジエータ、並びに種々の空間における気体等が挙げられる。
このように構成された温度情報収集システムでは、温度信号発信装置1が被測定物2の温度を反映した周波数で信号を随時発信し、これを温度信号受信装置3が受信する。温度信号受信装置3は、受信した信号の周波数から被測定物2の温度を取得することができ、これを収集することにより、被測定物2の温度の変化を把握することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態に係る温度信号発信装置の構成を示す図である。
第2の実施形態に係る温度信号発信装置には、図3に示すように、測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電素子21、及び熱電素子21により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電回路22が設けられている。更に、蓄電回路22における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生回路23も設けられている。
図4(a)は、熱電素子21の構造の一例を示す図である。熱電素子21では、基板101上に複数の電極104が設けられ、電極104上に一対のp型熱電材料103p及びn型熱電材料103nが配置されている。更に、複数対のp型熱電材料103p及びn型熱電材料103nが直列に接続されるように、p型熱電材料103p及びn型熱電材料103n上に複数の電極105が形成され、電極105上に基板102が設けられている。そして、基板102が高温側、基板101が低温側に配置されて使用される。
このように構成された熱電素子21の高温側と低温側との間に温度差ΔTが生じると、p型熱電材料103p及びn型熱電材料103nの対の数n、p型熱電材料103p及びn型熱電材料103nの実効ゼーベック係数S、並びに温度差ΔTに比例した起電圧Voutが発生する。つまり、熱電素子21の起電圧Vは、式「V=n×S×ΔT」で表わさ
れる。図4に示す例では、対の数nは8である。また、熱電素子21全体の内部抵抗をRとし、熱電素子21に流れる電流をIとすると、熱電素子21の等価回路は図4(b)で表わされ、熱電素子21から出力される電圧Voutは「Vout=V−RI」で表わされる。
なお、熱電素子21にp型熱電材料103p又はn型熱電材料103nが設けられていなくともよい。この場合、他方のn型熱電材料103n又はp型熱電材料103pの数が上記の対の数nに相当し、n型熱電材料103n又はp型熱電材料103pのゼーベック係数が上記の実効ゼーベック係数Sに相当する。
このような熱電素子21は、例えば、図5(a)に示すように、発熱する被測定物2の表面に基板102(接触部)が接するように配置され、また、基板101(温度保持部)上に、十分な熱容量を持つ金属フィン110が取り付けられる。このような方法で熱電素子21を使用する場合、基板101の上面の温度T1は、周囲の温度である外気温Tgとほぼ等しいと見なすことができる。また、図5(b)に示すように、基板101上に、十分な熱容量を持つ保冷材111が取り付けられてもよい。この場合、基板101の温度をより一層安定させることが可能となる。
蓄電回路22には、例えば電気二重層キャパシタが設けられている。なお、電気二重層キャパシタに代えて、他の電界コンデンサ等が設けられていてもよい。
信号発生回路23には、図3に示すように、電圧判定スイッチ回路23a及び出力回路23bが含まれている。
電圧判定スイッチ回路23aは、例えば、図6(a)に示すように、入力電圧(+Vin)が所定の閾値V1以上である場合に導通し、他の所定の閾値V2未満である場合に遮断する。従って、蓄電回路22に電荷が蓄積されて入力電圧(+Vin)が閾値V1に達すると、電圧判定スイッチ回路23aが導通する。また、電圧判定スイッチ回路23aが導通すると、蓄電回路22に蓄積されていた電荷が放電されるため、入力電圧(+Vin)が低下し、入力電圧(+Vin)が閾値V2まで低下すると、電圧判定スイッチ回路23aが遮断する。電圧判定スイッチ回路23aはこのような動作を繰り返す。
なお、図6(a)に示す動作では、入力電圧(+Vin)が閾値V1又はV2に達したときに入力電圧(+Vin)が変動することなく電流が変化しているが、入力電圧(+Vin)に変動が生じてもよい。即ち、例えば、図6(b)に示すように、入力電圧(+Vin)が閾値V1に達してからも、電流が上昇しつつ入力電圧(+Vin)が上昇してもよく、入力電圧(+Vin)が閾値V2に達するまでの間に、電流が低下しつつ入力電圧(+Vin)が低下してもよい。このように、実効的に、図6(a)と同様の特性が得られれば、図6(b)のように電流−電圧特性が傾斜する曲線状又は直線状となっていてもよい。図6(b)に示す電流−電圧特性は、例えば、図6(c)に示す回路構成により得られる。即ち、入力電圧(+Vin)が入力される端子と接地GNDとの間に抵抗素子R1及びR2が直列に接続され、抵抗素子R1よりも出力端子側にサイリスタTHが接続されている。サイリスタTHのゲートは抵抗素子R1及びR2間に接続されている。
図7は、出力回路23bの一例を示す図である。この出力回路23bには、電圧判定スイッチ回路23aからの出力電圧(VDD)がベースに入力されるバイポーラトランジスタTrが設けられている。トランジスタTrのエミッタと接地との間に抵抗素子R3が接続されている。また、トランジスタTrのコレクタとエミッタとの間にキャパシタC1が接続され、トランジスタTrのエミッタと端子vddとの間にキャパシタC2が接続されている。更に、端子vddと抵抗素子R3の接地側端との間にキャパシタC3が接続され、トランジスタTrのエミッタと端子vddとの間にインダクタLが接続されている。そして、トランジスタTrのエミッタに無線信号を発信するアンテナが接続されている。端子vddには、サイリスタTHのカソード(VDD)が接続される。
図8は、信号発生回路23の動作を示すタイミングチャートである。図8(a)に示すように、入力電圧(+Vin)が閾値V2から閾値V1の間で上昇している期間では、蓄電回路22は蓄電を行う。これは上述のとおりである。そして、入力電圧(+Vin)が閾値V1に達すると、電圧判定スイッチ回路23aが導通状態(ON)となるため、蓄電回路22が放電し、出力回路23bがパルス信号31をアンテナから発信する。また、放電に伴って入力電圧(+Vin)が低下し、入力電圧(+Vin)が閾値V2まで低下すると、電圧判定スイッチ回路23aが非導通状態(OFF)となるため、蓄電回路22が蓄電を開始する。なお、パルス信号31の発振では電力pが消費される。これは、図6(a)及び(b)に示すように、蓄電回路22に蓄電された電力pに相当する。また、例えば、一つのパルス信号31は、図8(b)に示すように、波形状の信号31aとなっている。
次に、上述のように構成された第2の実施形態の全体的な動作について説明する。図9は、第2の実施形態に係る温度信号発信装置の動作を示すタイミングチャートである。
図9に示すように、被測定物の温度がΔTだけ上昇して、基板101と基板102との間の温度差がΔT1からΔT2に上昇すると、熱電素子21の出力電圧VoutがVout1からVout2に上昇する。また、電圧判定スイッチ回路23aの入力電圧(+Vin)は、熱電素子21の内部抵抗R及び蓄電回路22に含まれるキャパシタの容量Cから求められるCR時定数で決定される漸近曲線に従って上昇する。このため、基板101と基板102との間の温度差が大きいほど、入力電圧(+Vin)が閾値V2から閾値V1まで短時間で到達する。つまり、被測定物の温度の上昇に伴って蓄電回路22における蓄電及び放電の繰り返しの頻度が高くなり、出力回路23bが短周期でパルス信号を発生させ、信号発生回路23の出力信号の周波数が高くなる。
このように、CR時定数が不変であるのに対し、出力電圧Voutは被測定物の温度に応じて変化するため、被測定物の温度が変化すると出力信号の周期及び周波数が変化する。従って、出力信号の周期又は周波数と温度との対応付けを行っておけば、温度信号受信装置が受信した出力信号の周期又は周波数から被測定物の温度を正確に取得することが可能である。更に、このような動作は基板101と基板102との間の温度差が小さい場合でも可能であるため、広範囲の温度範囲に対して信号を発信することができる。また、回路構成が簡易であるため、熱電素子を複雑な回路の電源として用いる従来技術と比較して、熱電素子21に含まれる熱電材料を少なく抑えることができる。
実際に、本願発明者が第2の実施形態に沿って作製した温度信号発信装置について、基板101及び102の間の温度差ΔTと出力信号の周期及び周波数との関係を測定したところ、図10に示す結果が得られた。この測定では、熱電材料103p及び103nの対の数が1000個、実効ゼーベック係数Sが400μV/K、内部抵抗Rが1000ΩのBiTe系の熱電素子21を用いた。また、蓄電回路22には、容量CがC=0.47Fの電気二重層キャパシタを用いた。そして、熱電素子21を、ボイラの外壁に熱的に密接して設置し、外部には十分小さな熱抵抗をもつ金属性フィンを取り付けた。従って、熱電素子21の基板102の温度をボイラの外壁の温度、基板101の温度をボイラ室の室温と見なすことができる。
図10(a)に示すように、温度差ΔTが小さくなるほど出力信号の周期は急激に長くなった。また、図10(b)に示すように、温度差ΔTと出力信号の周波数はほぼ比例した。
上述のように、このような出力信号の周期及び周波数と温度差ΔTとの関係を予め取得しておけば、温度信号受信装置が受信した信号の周期又は周波数から温度差ΔTを求め、この温度差ΔT及びボイラ室の室温Tgからボイラの外壁の温度T2を容易に求めることができる。また、ボイラが室内に設置されているのではなく、外気に曝されている場合には、例えば気象情報等から外気温の情報を得て、これを用いてボイラの外壁の温度T2を求めることができる。
なお、被測定物の温度上昇が小さいことが想定される場合には、熱電素子21から十分な電圧が生じるように、熱電素子21に含まれる熱電材料対の数を多くすることが好ましい。熱電材料対の数が多くなると、内部抵抗Rが大きくなり、その分だけCR時定数が大きくなるものの、温度信号発信装置は正確に動作し得る。一方、熱電モジュールからの出力電力が制御モジュール及び定電圧発生器を動作させる技術では、十分な電力がなければシステム全体が動作しない。
また、熱電素子21及び蓄電回路22の構成はこれらに限定されない。例えば、熱電素子21が、平面状にPN対が並べられた構造を備えていてもよい。例えば、蓄電回路22に、電界コンデンサ、又はNiCd電池等の2次電池が用いられていてもよい。2次電池が用いられた場合、CR時定数が著しく大きくなってパルス信号の発生間隔が極めて長くなるが、蓄電される電気量が大きくなるため、強力なパルス信号を発生することができるようになる。従って、信号発生回路23からパルス信号を無線で発信する場合であって、温度信号受信装置が温度信号発信装置から非常に離れた位置に設置されているときには、大きな電力を得るために、測定間隔が長くなるものの、2次電池等の容量が大きい蓄電回路22を用いることが好ましい。
また、信号発生回路23が有線でパルス信号を出力してもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図11は、第3の実施形態に係る温度情報収集システムの構成を示す図である。
第3の実施形態に係る温度情報収集システムには、第1温度信号発信装置41−1、第2温度信号発信装置41−2、・・・及び第m温度信号発信装置41−mが設けられている。つまり、m個の温度信号発信装置が設けられている。更に、m個の温度信号発信装置から出力されたパルス信号を受信する温度信号受信装置43も設けられている。m個の温度信号発信装置の構成は第2の実施形態に係る温度信号発信装置と同様であるが、例えば、出力回路23bを構成するキャパシタC1又はC2の容量等が互いに相違しており、図12に示すように、パルス信号の搬送波の周波数が互いに相違している。
このため、温度信号受信装置43は、温度信号発信装置41−1〜41−mのいずれかから出力信号を受信した際に、出力信号を構成するパルス信号の搬送波の周波数を判別することにより、その出力信号がどの温度信号発信装置(ノード)から発せられたものであるのか区別することができる。従って、1個の温度信号受信装置43を用いて複数の温度信号発信装置41−1〜41−mにおける計測結果を収集することができる。なお、温度信号発信装置41−1〜41−mが発する出力信号は、第1及び第2の実施形態と同様に、無線信号、有線信号のいずれであってもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図13は、第4の実施形態に係る温度信号発信装置が出力するパルス信号を示す図である。
第4の実施形態に係る温度信号発信装置の出力回路23bでは、キャパシタC1として周囲の湿度によって変動するキャパシタが設けられている。このようなキャパシタとしては、例えば、容量タイプの高分子膜湿度センサ等の容量型湿度センサを用いることができる。容量タイプの高分子膜湿度センサは、高分子膜が2つの電極に挟まれた構造を備えており、その周囲の相対湿度に応じて高分子膜による水分の吸収又は放出が生じ、これに伴って高分子膜の誘電率が変化し、電極間の容量が変化する。この結果、湿度に応じて搬送波の周波数及び周期が変化する。他の構成は第2の実施形態と同様である。
このような第4の実施形態では、図13に示すように、温度が一定である場合に(Ta)、湿度が変化すると(Ha←→Hb)、出力信号の周期及び周波数は不変のまま、搬送波の周期及び周波数が変化する。つまり、温度の変化は出力信号の周期及び周波数の変化に現れ、湿度の変化は搬送波の周期及び周波数の変化に現れる。従って、搬送波の周期又は周波数と湿度との関係を予め取得しておけば、温度信号受信装置が受信した出力信号及びそれを構成するパルス信号の搬送波の解析結果から温度及び湿度の情報を取得することができる。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換手段と、
前記熱電変換手段により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生手段と、
を有することを特徴とする温度信号発信装置。
(付記2)
前記信号発生手段は、
前記蓄電手段に蓄積された電荷の量に応じて導通状態及び非導通状態を切り替えるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段が導通状態になると前記蓄電手段に蓄積された電荷を用いてパルス信号を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする付記1に記載の温度信号発信装置。
(付記3)
前記出力手段は、湿度に応じて前記パルス信号の搬送波の周波数を変化させることを特徴とする付記2に記載の温度信号発信装置。
(付記4)
前記熱電変換手段は、前記測定対象に接触する接触部、及び温度が一定に保たれる温度保持部を備えた熱電素子を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の温度信号発信装置。
(付記5)
複数の温度信号発信装置と、
前記複数の温度信号発信装置から出力された信号を受信する温度信号受信装置と、
を有し、
前記温度信号発信装置は、
測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換手段と、
前記熱電変換手段により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生手段と、
を有し、
前記複数の温度信号発信装置が出力する信号を構成するパルス信号の搬送波の周波数が前記複数の温度信号発信装置毎に相違していることを特徴とする温度情報収集システム。
(付記6)
前記信号発生手段は、
前記蓄電手段に蓄積された電荷の量に応じて導通状態及び非導通状態を切り替えるスイッチ手段と、
前記スイッチ手段が導通状態になると前記蓄電手段に蓄積された電荷を用いてパルス信号を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする付記5に記載の温度情報収集システム。
(付記7)
前記熱電変換手段は、前記測定対象に接触する接触部、及び温度が一定に保たれる温度保持部を備えた熱電素子を有することを特徴とする付記5又は6に記載の温度情報収集システム。
(付記8)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の温度信号発信装置から出力された信号の周波数を解析するステップと、
予め取得しておいた前記信号の周波数と温度との関係を用いて、前記解析の結果から前記測定対象の温度を特定するステップと、
を有することを特徴とする温度情報収集方法。
(付記9)
付記3に記載の温度信号発信装置から出力された信号の周波数、及び当該信号を構成するパルス信号の搬送波の周波数を解析するステップと、
予め取得しておいた前記信号の周波数と温度との関係、及び前記搬送波の周波数と湿度との関係を用いて、前記解析の結果から前記測定対象の温度及び前記測定対象の周囲の湿度を特定するステップと、
を有することを特徴とする温度情報収集方法。
1:温度信号発信装置
2:被測定物
3:温度信号受信装置
11:熱電変換部
12:蓄電部
13:信号発生部
21:熱電素子
22:蓄電回路
23:信号発生回路
23a:電圧判定スイッチ回路
23b:出力回路

Claims (6)

  1. 測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換手段と、
    前記熱電変換手段により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電手段と、
    前記蓄電手段における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生手段と、
    を有することを特徴とする温度信号発信装置。
  2. 前記信号発生手段は、
    前記蓄電手段に蓄積された電荷の量に応じて導通状態及び非導通状態を切り替えるスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段が導通状態になると前記蓄電手段に蓄積された電荷を用いてパルス信号を出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の温度信号発信装置。
  3. 前記熱電変換手段は、前記測定対象に接触する接触部、及び温度が一定に保たれる温度保持部を備えた熱電素子を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度信号発信装置。
  4. 複数の温度信号発信装置と、
    前記複数の温度信号発信装置から出力された信号を受信する温度信号受信装置と、
    を有し、
    前記温度信号発信装置は、
    測定対象の温度に応じた電圧を発生する熱電変換手段と、
    前記熱電変換手段により発生された電圧に応じて電荷を蓄積する蓄電手段と、
    前記蓄電手段における電荷の蓄積速度に応じた周波数の信号を発生する信号発生手段と、
    を有し、
    前記複数の温度信号発信装置が出力する信号を構成するパルス信号の搬送波の周波数が前記複数の温度信号発信装置毎に相違していることを特徴とする温度情報収集システム。
  5. 前記信号発生手段は、
    前記蓄電手段に蓄積された電荷の量に応じて導通状態及び非導通状態を切り替えるスイッチ手段と、
    前記スイッチ手段が導通状態になると前記蓄電手段に蓄積された電荷を用いてパルス信号を出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする請求項4に記載の温度情報収集システム。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温度信号発信装置から出力された信号の周波数を解析するステップと、
    予め取得しておいた前記信号の周波数と温度との関係を用いて、前記解析の結果から前記測定対象の温度を特定するステップと、
    を有することを特徴とする温度情報収集方法。
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