JP2011162542A - 有機金属化合物を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CVD(化学蒸着)前駆体として使用するための超純粋有機金属化合物を製造する新たな方法を提供する。
【解決手段】金属ハロゲン化物溶液とリチウムアミジナート溶液との反応における合成のためにマイクロチャネルデバイスを使用して、化学蒸着のようなプロセスのための超純粋アルキル金属化合物を製造することを含む、超純粋金属アミジナート化合物を製造する方法。例えば、金属ハロゲン化物溶液とアルキル金属溶液とを、ターシャリーアミン、ターシャリーホスフィン、またはターシャリーアミンとターシャリーホスフィンとの混合物の存在下で、マイクロチャネルデバイス、マイクロリアクターにおいて反応させることを含む。
【選択図】なし

Description

本出願は2007年7月20日に出願された米国仮特許出願第60/961,370号および2008年6月30日に出願された米国特許出願第12215828号の35U.S.C.119(e)の下での優先権の利益を主張する。
本発明は、有機金属化合物(OMC)を製造する方法に関する。特に、本発明は、化学蒸着のようなプロセスのための高純度の有機金属化合物を製造する方法に関する。
金属膜は、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、および他のエピタキシャル技術、例えば、液相エピタキシー(LPE)、分子線エピタキシー(MBE)、化学線エピタキシー(CBE)および原子層堆積(ALD)などの様々な手段によって非導電性(電子材料用)表面のような表面上に堆積されうる。金属有機化学蒸着(MOCVD)のような化学蒸着プロセスは、高温、すなわち、室温より高い温度で、大気圧または減圧で、有機金属前駆体化合物を分解することによって金属層を堆積させる。様々な金属がCVDまたはMOCVDプロセスなどを用いて堆積されうる。
半導体および電子デバイス用途のために、有機金属前駆体化合物は超純粋でなければならず、かつ検出可能な量の金属不純物、例えば、ケイ素および亜鉛、並びに他の不純物、例えば、炭化水素および酸素化化合物を実質的に含まないものでなければならない。理想的には、超純度は0.1重量%未満、好ましくは1ppm未満、または1ppb未満の不純物量の材料を生じさせている。酸素化不純物は典型的には、このような有機金属化合物を製造するために使用される溶媒からもたらされ、および他の外来の水分または酸素のソースからももたらされる。LEDおよび光電子デバイスのための化合物半導体を製造するCVDのための第IIIおよびV族OMC、または最新のシリコンチップのための薄膜を成長させるALDのための有機金属前駆体をはじめとするエレクトロニクス用途のための材料を製造する場合に、超純度を達成することは重要である。ある種の不純物は有機金属前駆体化合物と同様の沸点を有し、このことは従来の蒸留技術で高純度を達成するのを困難にする。
超純粋有機金属前駆体化合物を製造するための合成方法を改良する多くの仕事が行われてきた。歴史的には、有機金属前駆体化合物はバッチプロセスで製造されてきたが、最近では米国特許第6,495,707号および米国特許出願公開第2004/0254389号に開示されるように、トリメチルインジウムおよびトリメチルガリウムのような有機金属化合物を製造するための連続方法が利用可能になってきている。
これらの進歩にかからわず、有機金属化合物の合成は困難なままである。この反応の多くは発熱性であり、大量の、特にこのような高純度での生産は困難である。さらに、変動する需要に適合させるように物質の生産を見積もるのは困難であり、そして不純物および分解生成物が導入されうる場合があるので有機金属化合物の貯蔵は望ましくない場合がある。
精製に使用される従来の方法には、蒸留、結晶化、アダクト精製(adduct purification)、質量選択的超遠心、および蒸留と組み合わせた化学処理が挙げられる。これらの方法が不純物の量の幾分かの低減をもたらす一方で、今日の最も進んだ電子デバイスの性能要求を満たす超純粋有機金属化合物を生産する継続的な必要性が存在する。さらに、多くの場合、既存の方法を用いて達成可能な純度レベルに対する経済的な制約が存在する。不純物および有機金属化合物の物理的および/または化学的特性による、許容できない収率損失、エネルギー入力、またはプロセスサイクル時間のせいで、過剰な資本または操作コストは達成可能な純度を制限しうる。
例えば、フェンスケ式(Fenske Equation)を用いて、化合物の相対揮発度(a)および望まれる純度に基づいて蒸留に必要とされる平衡段階の最小数を推定することが可能である。ほとんどの問題となる沸点が近い不純物(a<1.2)を除去するために、段数が50、100またはさらには200を超える場合があり、(または理論段相当高さ(height equivalent theoretical plates;HETP)=0.05〜0.20m)、これは今日の最新の充填を用いてさえ10メートルを超えるカラム高さを必要とする場合がある。このサイズのカラムは、超純粋物質を製造するのを試みる場合には、スケールアップの困難および操作性の課題、並びに自然発火性の有機金属化合物の大量の在庫からの安全面での懸念をもたらす。
米国特許第6,495,707号明細書 米国特許出願公開第2004/0254389号明細書
よって、CVD前駆体として使用するための超純粋有機金属化合物を製造する新たな方法についての継続的な必要性がある。
本発明はマイクロチャネルデバイス(microchannel device)の利点を利用することによりこの上記必要性を満たす。マイクロチャネルデバイスはプロセス条件の良好な制御、向上した安全性、および研究室での開発から商業的製造へと市場に出すのを早めることを提供する。マイクロチャネルデバイスの一例である連続フローマイクロリアクターは、優れた熱伝達および物質移動を通じて向上した合成収率および純度を達成するのを助けて、反応条件を制御し、そして物質の在庫を少なくすることにより反応暴走または危険物流出のリスクを最小限にする。マイクロチャネルデバイスは、性能損失なくかつ有意な時間およびコスト節約で、従来のプロセスケールアップ検討の必要性なしに、市場の要求を満たすために、複数のデバイスを「ナンバリングアップ(numbering−up)」することにより生産スケールアップをさらに可能にする。
マイクロチャネルデバイスは試薬、溶媒、中間体または最終生成物の分離および精製工程に、同様の利点を伴って使用されることもできる。マイクロチャネル技術における利点についての基礎は、相間での高い交換速度を可能にするそのデバイスにおいて提供される高表面積から生じる。界面現象の増大した重要性、並びに熱伝達および物質移動のための低減した距離を通じて、分離の向上はマイクロチャネル構造寸法、典型的には1〜1000ミクロンで達成される。これらのデバイスにおける優れた熱伝達および物質移動は、より効率的な分離段階またはより低い理論段相当高さ(HETP)のための良好な温度制御、並びに相間での高い交換速度を提供する。このことは所定の分離デバイス形状において、高純度のためのさらに多くの段階を可能にする。熱交換の良好な統合による向上したエネルギー効率を通じた、さらに低い資本強度およびさらに低い操作コストにおける利点も存在する。
マイクロチャネルデバイスは、蒸留、吸着、抽出、吸収、およびガスストリッピングをはじめとする様々な分離用途に使用されうる。
マイクロチャネル技術の利点を利用することにより、本発明は超純粋有機金属前駆体化合物を製造するのに成功する。
本発明の一形態においては、金属ハロゲン化物のような金属塩とアルキル金属のようなアルキル化剤とをマイクロチャネルデバイスにおいて反応させて、有機金属化合物を生じさせることを含み、得られた化合物が化学蒸着プロセスに必要とされる最低限の純度を有する、超高純度の有機金属化合物を製造する方法が提供される。
本発明の第2の形態においては、不純物を含む有機金属化合物をマイクロチャネルデバイスにおいて精製して、0.8<a<1.5の相対揮発度(a)を有する不純物の量を電子材料用途において有用な量まで低減させることを含む、超高純度の有機金属化合物を製造する方法が提供される。
本明細書において使用される場合、用語「金属ハロゲン化物」とは金属およびこの金属に結合した少なくとも1種のハロゲンを含む化合物をいう。この金属は追加のハロゲン化物でない置換物を有していても良い。
本明細書において使用される場合、用語「電子材料用途」とは、これに限定されないが、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、並びに他のエピタキシャル技術、例えば、液相エピタキシー(LPE)、分子線エピタキシー(MBE)、化学線エピタキシー(CBE)および原子層堆積(ALD)をはじめとする用途をいう。電子材料用途においては、0.8<a<1.5の相対揮発度(a)を有する不純物の量は、典型的には、100ppm未満、あるいは1ppm未満でなければならない。
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいい、「ハロ」とはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。同様に「ハロゲン化」とは、フッ素化、塩素化、臭素化およびヨウ素化をいう。「アルキル」には、直鎖、分岐および環式アルキルが挙げられる。同様に「アルケニル」および「アルキニル」には、直鎖、分岐および環式アルケニル、並びに直鎖、分岐および環式アルキニルがそれぞれ挙げられる。用語「第IV族金属」は炭素のような第IV族非金属を含むことを意図していない。同様に用語「第VI族金属」は酸素および硫黄のような第VI族非金属を含むことを意図していない。「アリール」とはあらゆる芳香族部分をいい、好ましくは芳香族炭化水素をいう。
本明細書において使用される場合、「CVD」は、全ての形態の化学蒸着、例えば、金属有機化学蒸着(MOCVD)、金属有機気相エピタキシー(MOVPE)、有機金属気相エピタキシー(OMVPE)、有機金属化学蒸着(OMCVD)およびリモートプラズマ化学蒸着(RPCVD)を含むことを意図する。CVDプロセスにおいては、これら有機金属化合物を用いて製造される半導体デバイスの厳格な電子もしくは光電子性能要件を満たすために、有機金属化合物は少なくとも99.9999%の純度を有しなければならない。
他に示されない限りは、全ての量は重量パーセントであり、全ての比率はモル比である。全ての数値範囲は包括的であり、このような数値範囲が合計で100%になるように制約されることが明らかな場合を除いて任意の順に組み合わせ可能である。
マイクロチャネルデバイスは化学合成および精製における新たな有利な状況を提供する。マイクロチャネルデバイスは0.1〜5,000マイクロメートル、好ましくは1〜1,000マイクロメートル、またはより好ましくは1〜100マイクロメートルのチャネル断面寸法(幅)を有する。マイクロチャネルデバイスは典型的には、一次フロー方向に平行に、流体フローのための複数のチャネルを含んでなる。小さなチャネル断面寸法のせいで、マイクロチャネルデバイスは高い表面積対体積比を有し、これは高効率の物質移動および熱伝達をもたらす。特に物質移動は分子スケールであり、そして熱伝達係数は25キロワット/平方メートル・ケルビンまで、またはそれより高くてもよい。比較として、従来のジャケット付き反応器の熱伝達係数は典型的には0.1〜0.2キロワット/平方メートル・ケルビンである。マイクロチャネルデバイスにおける高効率の物質移動および熱伝達は、温度、反応物質濃度および滞留時間のような反応条件のさらなる厳密な制御を可能にする。高純度有機金属生成物の製造のためには温度制御は特に重要である。発熱または吸熱反応についての等温状態からのずれは、増大した量の望まれない副生成物をもたらし、結果的に低い生成物収率および純度をもたらしうる。高純度生成物の製造における精密な温度制御は、その後の精製の必要性を低減させ、またはある場合にはその必要性をなくし、よって、有機金属化合物を製造するのに必要とされる資源の全体的な量を低減させる。
それぞれのマイクロチャネルデバイスは典型的には少量の有機金属前駆体を製造するので、多数のマイクロチャネルデバイスが並列的に使用されうる。一連のマイクロチャネルデバイスによって生じる合計体積は何らかの所定の時点において使用されているマイクロチャネルデバイスの数を増加もしくは減少させることによって制御されることができ、よって生成物貯蔵の必要性を低減もしくはなくすることができる。
マイクロチャネルデバイスは、これに限定されないが、金属、ポリマー、セラミック、ケイ素またはガラスをはじめとする従来の材料から製造されうる。典型的な金属には、これに限定されないが、金属合金、例えば、ハイネスインターナショナルインコーポレーティド(Haynes International,Inc.)から容易に入手できるハステロイ(Hastelloy商標)合金など、およびオーステナイトステンレス鋼、例えば、304、312、および316ステンレス鋼などが挙げられる。製造方法には、これに限定されないが、メカニカルマイクロマシニング、成形、テープキャスティング、エッチング、レーザーパターニング、サンドブラスト、熱エンボス加工、リソグラフィおよびマイクロ−ステレオリソグラフィが挙げられる。マイクロチャネルデバイスは滑らかなチャネル壁および/または熱伝達および物質移動を増大させるチャネル壁上の構造的フィーチャを有するチャネルで構築されうる。マイクロリアクターはマイクロチャネルデバイスの一例である。
反応を実施するために使用されるあるマイクロチャネルデバイス実施形態においては、マイクロリアクターはそれぞれの試薬のための入口を有する。3種以上の試薬を使用する反応においては、2種以上の試薬が一緒にされ、1つの入口を通ってマイクロリアクターに供給されうるが、ただし、全ての数の試薬はマイクロ反応領域におけるまでに一緒にされない。例えば、反応が3種の試薬を使用する場合には、その試薬のうちの2種は同じ入口を通ってマイクロリアクターに一緒に供給されうるが、3種類目の試薬は第二の入口を通って供給されうる。
マイクロチャネルデバイスは、外部冷却もしくは加熱源を介した温度制御のための別のチャネルシステムを含むことができる。典型的なシステムには、これに限定されないが、加熱オイル、加熱水、加熱水蒸気、冷却オイル、冷却水、冷却浴、および冷却ユニットが挙げられる。本明細書において使用される場合、「加熱」とは室温を超える温度、典型的には35℃超を意味する。本明細書において使用される場合、「冷却」とは室温未満の温度、典型的には15℃未満を意味する。マイクロリアクターの場合には、このデバイスは具体的な合成反応に好適な温度で操作される。
マイクロチャネルデバイスは入口流れの混合のためのマイクロミキサーをさらに含むことができる。
マイクロチャネルデバイスは、プロセス要件またはデバイス製造方法に応じて、1マイクロメートル〜1メートル、またはそれより長い範囲の長さを有することができる。望まれる全体の長さを達成するのに必要とされる場合には、複数のマイクロチャネルデバイスが逐次的に使用されることができる。マイクロリアクターの場合には、マイクロチャネルデバイスの長さは、流速および温度に加えて、行われる具体的な反応の反応速度論によって決定される。より遅い反応は、マイクロリアクター中でより長い滞留時間を必要とし、よって、より長いマイクロリアクターを必要とする。さらに、逐次的反応が望まれる場合には、マイクロリアクターは、追加の試薬のためにそのデバイスの長さに沿ってまたはデバイス間に、追加の入口を有することができる。
マイクロチャネルデバイスは生成物を取り出すための出口を有する。ある実施形態においては、マイクロチャネルデバイスは、一方は液体流れのためであり、もう一方は気体流れのためである2つの出口を有する。マイクロリアクターからの生成物流れは、次いで、従来の精製方法、マイクロチャネル精製またはこれらの組み合わせを用いる精製にかけられることができる。
マイクロリアクターの例は米国特許第6,537,506号に開示されており、これは熱伝達流体径路、反応物質流体径路、生成物径路、混合チャンバーおよび反応チャンバーを組み込んでいる積層プレート型多チャネルリアクターを記載する。
マイクロチャネルデバイスは、液体膜厚を制御しかつ界面現象を増大させるために、場合によっては、ウイック(wick)またはメンブラン構造を含むことができる。マイクロチャネルデバイスは蒸留をはじめとする流体分離のために使用されうる。商業的に重要な蒸留用途へのマイクロチャネルデバイスの適用は、エチレンからエタンを分離するCスプリッターである。マイクロチャネル蒸留プロセスはエチレン生産のためのエネルギー消費および資本コストを低減させることができる。
本発明は、化学蒸着のようなプロセスのための超純粋アルキル金属化合物を製造するために、マイクロチャネルデバイスにおいて金属塩をアルキル化剤と反応させることにより有機金属化合物を製造する方法を提供する。さらに、本発明のアルキル化剤はそれ自体が精製されうる。
金属塩とアルキル化剤との組み合わせの例には、これに限定されないが、マイクロチャネルデバイス、例えば、マイクロリアクターにおいて、金属ハロゲン化物をトリアルキルアルミニウム溶液と反応させるか、金属ハロゲン化物溶液をアルキルマグネシウムハライドと反応させるか、または金属ハロゲン化物溶液をアルキルリチウム溶液と反応させて、アルキル金属化合物を生じさせることが挙げられる。ある実施形態においては、アルキル化剤の金属塩に対するモル比は1以上である。ある実施形態においては、このモル比は2以上である。ある実施形態においては、このモル比は3以上である。
金属ハロゲン化物は第II族、第III族、第IV族、または第V族金属を含むことができる。中性化合物を形成するのに充分な数のハロゲンが金属ハロゲン化物中に存在する。典型的な金属ハロゲン化物には、これに限定されないが、ZnCl、GaCl、InCl、InBr、InI、GeCl、SiCl、SnCl、PCl、AsCl、SbClおよびBiClが挙げられる。
トリアルキルアルミニウム溶液は3つのアルキル基を含み、これらアルキル基は同じであっても異なっていてもよい。それぞれのアルキル基は1〜8個の炭素を含む。このアルキル基は直鎖、分岐または環式であることができる。アルキルマグネシウムハライドおよびアルキルリチウム化合物は1〜8個の炭素を含む1つのアルキル基を含む。同様にこのアルキル基は直鎖、分岐または環式であることができる。
金属塩溶液およびアルキル化剤溶液は有機溶媒を含むことができ、この有機溶媒はこの2種の構成成分間の反応に対して不活性でありかつこの反応から生じる生成物に対しても不活性である。ある実施形態においては、金属塩溶液は溶媒を含まず、すなわち、金属塩はすでに液体形態であり、「そのまま」添加される。溶媒は、反応が進行するのに充分な溶解性を提供するように選択されるべきである。金属塩溶液およびアルキル化剤溶液は同じ溶媒を使用しても良いし、異なる溶媒を使用しても良い。特に好適な有機溶媒には、これに限定されないが、炭化水素および芳香族炭化水素が挙げられる。典型的な有機溶媒には、限定されないが、ベンゼン;アルキル置換ベンゼン、例えば、トルエン、キシレンおよび(C−C20)アルキルベンゼン、例えば、(C10−C12)アルキルベンゼンおよび(C10−C20)アルキルビフェニル;および脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、スクアラン、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびシクロヘプタン;並びにこれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、(C−C20)アルキルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタンまたはシクロヘキサンである。1種より多い有機溶媒が有利に使用されうることが認識されうる。このような有機溶媒は様々なソースから、例えば、アルドリッチケミカルズ(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から一般的に市販されている。このような溶媒はそのままで使用されることができ、または好ましくは使用前に精製されうる。
好ましくは、このような有機溶媒は使用前に乾燥および脱酸素化される。溶媒は様々な手段、例えば、不活性ガスでのパージング、真空での溶媒の脱ガス、またはこれらの組み合わせによって脱酸素化されうる。好適な不活性ガスには、アルゴン、窒素およびヘリウムが挙げられ、好ましくはアルゴンまたは窒素が挙げられる。
別の実施形態においては、イオン性液体が、検討中の有機金属合成と相互作用せず、かつ環境に優しい「グリーン溶媒」を提供する溶媒として使用されるであろう。イオン性液体は一般的に、100℃以下の融点を有する低温で液体の塩である。多くのイオン性液体は室温で液相中に留まっており、室温イオン性液体と称される。イオン性液体はすべてイオンからなり、典型的にはそれらは嵩高な有機カチオンと無機アニオンとから構成される。これらの化合物における高いクーロン力のせいで、イオン性液体は実質的に蒸気圧を有しない。
あらゆる好適なイオン性液体が本発明において使用されうる。イオン性液体に使用される典型的なカチオンには、これに限定されないが、ヒドロカルビルアンモニウムカチオン、ヒドロカルビルホスホニウムカチオン、ヒドロカルビルピリジニウムカチオンおよびジヒドロカルビルイミダゾリウムカチオンが挙げられる。このイオン性液体において有用な典型的なアニオンには、これに限定されないが、クロロメタラートアニオン、フルオロボラートアニオン、例えば、テトラフルオロボラートアニオン、およびヒドロカルビル置換フルオロボラートアニオン、およびフルオロホスファートアニオン、例えば、ヘキサフルオロホスファートアニオン、およびヒドロカルビル置換フルオロホスファートアニオンが挙げられる。クロロメタラートアニオンの例には、これに限定されないが、クロロアルミナートアニオン、例えば、テトラクロロアルミナートアニオン、およびクロロトリアルキルアルミナートアニオン、クロロガラートアニオン、例えば、クロロトリメチルガラート、およびテトラクロロガラート、クロロインダートアニオン、例えば、テトラクロロインダートおよびクロロトリメチルインダートが挙げられる。
好適なクロロアルミナートベースのイオン性液体には、限定されないが、ヒドロカルビル置換アンモニウムハライド、ヒドロカルビル置換ホスホニウムハライド、ヒドロカルビル置換ピリジニウムハライド、またはヒドロカルビル置換イミダゾリウムハライドを有するものが挙げられる。典型的なクロロアルミナートベースのイオン性液体には、これに限定されないが、トリメチルフェニルアンモニウムクロロアルミナート(TMPACA)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロロアルミナート(BTMACA)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロロアルミナート(BTEACA)、ベンジルトリブチルアンモニウムクロロアルミナート(BTBACA)、トリメチルフェニルホスホニウムクロロアルミナート(TMPPCA)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロロアルミナート(BTMPCA)、ベンジルトリエチルホスホニウムクロロアルミナート(BTEPCA)、ベンジルトリブチルホスホニウムクロロアルミナート(BTBPCA)、1−ブチル−4−メチル−ピリジニウムクロロアルミナート(BMPYCA)、1−ブチル−ピリジニウムクロロアルミナート(BPYCA)、3−メチル−1−プロピル−ピリジニウムクロロアルミナート(MPPYCA)、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムクロロアルミナート(BMIMCA)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムクロロアルミナート(EMIMCA)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムブロモ−トリクロロアルミナート(EMIMBTCA)、1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウムクロロアルミナート(HMIMCA)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロロトリメチルアルミナート(BTMACTMA)、および1−メチル−3−オクチル−イミダゾリウムクロロアルミナート(MOIMCA)が挙げられる。
他の好適なイオン性液体には、フルオロボラートアニオンまたはフルオロホスファートアニオンを有するもの、例えば、これに限定されないが、トリメチルフェニルアンモニウムフルオロボラート(TMPAFB)、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオロボラート(BTMAFB)、ベンジルトリエチルアンモニウムフルオロボラート(BTEAFB)、ベンジルトリブチルアンモニウムフルオロボラート(BTBAFB)、トリメチルフェニルホスホニウムフルオロボラート(TMPPFB)、ベンジルトリメチルホスホニウムフルオロボラート(BTMPFB)、ベンジルトリエチルホスホニウムフルオロボラート(BTEPFB)、ベンジルトリブチルホスホニウムフルオロボラート(BTBPFB)、1−ブチル−4−メチル−ピリジニウムフルオロボラート(BMPFB)、1−ブチル−ピリジニウムフルオロボラート(BPFB)、3−メチル−1−プロピル−ピリジニウムフルオロボラート(MPPFB)、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロボラート(BMIMFB)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロボラート(EMIMFB)、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムブロモ−トリフルオロボラート(EMIMBTFB)、1−ヘキシル−3−メチル−イミダゾリウムフルオロボラート(HMIMFB)、1−メチル−3−オクチル−イミダゾリウムフルオロボラート(MOIMFB)およびベンジルトリメチルアンモニウムフルオロホスファート(BTMAFP)が挙げられる。
イオン性液体は一般的に市販されており、または当該技術分野において知られている方法によって製造されうる。これら化合物はそのままで使用されることができ、またはさらに精製されうる。
溶液の濃度および量はアルキル化剤化合物の金属塩に対するモル比が具体的なアルキル化反応の化学量論要求以上になるように選択される。
金属ハロゲン化物とトリアルキルアルミニウム溶液との反応は−10℃〜100℃で行われうる。有用な圧力は1〜10barである。
金属ハロゲン化物溶液とアルキルマグネシウムハライドまたはアルキルリチウム溶液との反応は−50℃〜50℃で行われうる。有用な圧力は1〜10barである。
本発明の別の実施形態においては、原子層堆積(ALD)に好適で有用なソースである金属アミジナート化合物を製造する方法が提供される。金属アミジナート組成は、式(RNCRNR+m (m−n) (式中、R、RおよびRは独立してH、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、ジアルキルアミノ、ジ(シリル−置換アルキル)アミノ、ジシリルアミノ、ジ(アルキル−置換シリル)アミノ、およびアリールから選択され;M=金属;L=アニオン性リガンド;L=中性リガンド;m=Mの価数;n=0〜6;p=0〜3;およびm≧n)を有するALD前駆体としての使用に好適な有機金属化合物である。金属アミジナートは事実上ホモレプティックまたはヘテロレプティック(すなわち、異なるアミジナートリガンドまたはアミジナートと他のアニオン性リガンドとの組み合わせを含んでなることができる)であることができる。このような化合物は様々な蒸着方法、例えば、化学蒸着(CVD)に好適であり、特に原子層堆積(ALD)に好適である。上記化合物および有機溶媒を含む組成物も提供される。このような組成物は、ALDおよび直接液体注入(DLI)プロセスに使用するのに特に好適である。
有機金属アミジナート化合物を製造する方法は金属ハロゲン化物溶液とアミジナトリチウム溶液とを、アミジナトリチウム化合物の金属ハロゲン化物に対するモル比が1以上で、マイクロチャネルデバイス、例えば、マイクロリアクターにおいて反応させて、金属アルキルアミジナート化合物を製造することを含む。ある実施形態においては、このモル比は2以上である。ある実施形態においては、このモル比は3以上である。
金属ハロゲン化物は第II族〜第VIII族金属を含むことができる。中性化合物を形成するのに充分な数のハロゲンが金属ハロゲン化物中に存在する。典型的な金属ハロゲン化物には、ZnCl、GaCl、InBr、AlCl、HfCl、ZrCl、GeCl、SiCl、TaCl、WCl、SbClおよびRuClが挙げられる。
アミジナトリチウム化合物は、1〜8個の炭素を有するアルキルまたはアリールまたは環式基を含む1つのアミジナト基を含む。このアルキル基は直鎖、分岐または環式であることができる。
金属ハロゲン化物溶液およびアミジナトリチウム溶液は溶媒を含むことができ、この溶媒は金属ハロゲン化物とアミジナトリチウム溶液との間の反応に対して不活性であり、かつその反応から生じる生成物に対しても不活性である。この溶媒および試薬は乾燥および脱酸素化されることを必要とする。この溶媒は反応が進行するのに充分な溶解性を提供するように選択されるべきである。金属ハロゲン化物溶液およびアミジナトリチウム溶液は同じ溶媒を使用しても良いし、または異なる溶媒を使用しても良い。典型的な溶媒には、これに限定されないが、上述のものが挙げられる。
ある実施形態においては、金属ハロゲン化物溶液は溶媒を含まず、すなわち、金属ハロゲン化物はすでに液体形態であり「そのまま」添加される。この溶液の濃度および量は、アミジナトリチウム化合物の金属ハロゲン化物に対するモル比が、望まれる反応に必要な化学量論量比以上であるように選択される。
この反応は−50℃〜50℃で行われうる。有用な圧力は1〜10barである。
さらに別の実施形態においては、有機金属化合物を製造する方法は、金属ハロゲン化物溶液とアルキル金属溶液とを、ターシャリーアミン、ターシャリーホスフィン、またはターシャリーアミンとターシャリーホスフィンとの混合物の存在下で、マイクロチャネルデバイス、例えば、マイクロリアクターにおいて反応させることを含む。
特に、本方法は式RMX4−mの金属ハロゲン化物を、式R 3−nの第III族化合物とターシャリーアミンまたはターシャリーホスフィンまたはターシャリーアミンとターシャリーホスフィンとの混合物の存在下で、有機溶媒中で反応させて、アルキル金属化合物を提供することを含み、ここで、各Rは独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリールから選択され;Mは第IV族金属および第VI族金属から選択され;各Xは独立してハロゲンであり;各Rは独立して(C−C)アルキルから選択され;Mは第III族金属であり;各Xは独立してハロゲンであり;m=0〜3であり;n=1〜3である。第IV族金属ハロゲン化物および第VI族金属ハロゲン化物は一般的に、例えば、ゲレストインコーポレーテッド(Gelest,Inc.)(ペンシルベニア州、ツリータウン)から市販されており、または文献において知られている方法によって製造されうる。このような化合物はそのままで使用されうるか、または使用前に精製されることができる。当業者は1種より多い金属ハロゲン化物、1種より多い第III族化合物およびこれらの組み合わせが使用されうることを認識するであろう。
典型的な第IV族金属には、これに限定されないが、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズが挙げられる。典型的な第VI族金属には、限定されないが、テルルおよびセレンが挙げられる。Mは好ましくはケイ素、ゲルマニウムまたはスズであり、より好ましくはゲルマニウムである。Xは任意のハロゲンであり得る。各Xは同じであっても異なっていてもよい。ある実施形態においては、m=0である。m=0の場合には、第IV族または第VI族金属テトラハライドが使用される。別の実施形態においては、mは1、2または3であり得る。
様々なアルキル、アルケニルおよびアルキニル基がRのために使用されうる。好適なアルキル基には、限定されないが、(C−C12)アルキル、典型的には(C−C)アルキル、より典型的には(C−C)アルキルが挙げられる。ある実施形態においては、アルキル基は嵩高なアルキル基である。「嵩高なアルキル基」とは、立体的に混み合ったアルキル基を意味する。このような嵩高なアルキル基は少なくとも3個の炭素を有し、このような基における炭素の数に関して特別な上限はない。嵩高なアルキル基はそれぞれ3〜6個の炭素原子を有することが好ましく、より好ましくは3〜5個の炭素原子を有する。このような嵩高なアルキル基は好ましくは直鎖ではなく、好ましくは環式または分岐である。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルが挙げられる。より典型的には、好適なアルキル基には、エチル、イソ−プロピルおよびtert−ブチルが挙げられる。好適なアルケニル基には、限定されないが、(C−C12)アルケニル、典型的には(C−C)アルケニル、より典型的には(C−C)アルケニルが挙げられる。典型的なアルケニル基には、ビニル、アリル、メタリルおよびクロチルが挙げられる。典型的なアルキニル基には、限定されないが、(C−C12)アルキニル、典型的には(C−C)アルキニルおよびより典型的には(C−C)アルキニルが挙げられる。好適なアリール基は(C−C10)アリール、例えば、これに限定されないが、フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、およびフェネチルである。2種以上のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基が存在する場合には、このような基は同じかまたは異なっていてよい。
Rの上記アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基のいずれも、場合によっては、ハロゲンもしくはジアルキルアミノなどで置換されうる。「置換」とは、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基上の1以上の水素が1以上のハロゲンまたはジアルキルアミノ基で置き換えられることを意味する。
様々な第III族化合物が使用されうる。本発明において有用な好適な第III族化合物は典型的には式R 3−n(式中、各Rは独立して(C−C)アルキルから選択され;Mは第IIIA族金属であり;Xはハロゲンであり;nは1〜3の整数である)を有する。Mは好適にはホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびタリウムであり、好ましくはアルミニウムである。好ましくは、Xはフッ素、塩素または臭素から選択される。Rに好適なアルキル基には、これに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、およびtert−ブチルが挙げられる。好ましいアルキルにはメチル、エチル、n−プロピルおよびイソ−プロピルが挙げられる。ある実施形態においては、nは3である。nが3であるこのような第III族化合物には、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、トリアルキルガリウム、トリアルキルインジウムおよびトリアルキルタリウムが挙げられ、トリアルキルアルミニウム化合物が好ましい。別の実施形態においては、nは1または2である。nが1〜2であるこのような第IIIA族化合物には、ジアルキルアルミニウムハライド、例えば、ジアルキルアルミニウムクロリドが挙げられる。第III族化合物は一般的に様々なソース、例えば、ゲレストから市販されており、または文献において知られている様々な方法によって製造されうる。このような化合物はそのまま使用されうるか、または使用前に精製されうる。
好適なターシャリーアミンには、これに限定されないが、一般式NR(式中、R、RおよびRは独立して(C−C)アルキル、ジ(C−C)アルキルアミノ置換(C−C)アルキルおよびフェニルから選択され、RおよびRはそれらが結合している窒素と共に一緒になって、5−7員へテロ環を形成することができる)を有するものが挙げられる。このようなへテロ環は芳香族または非芳香族であることができる。特に好適なターシャリーアミンには、これに限定されないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−イソ−プロピルアミン、トリ−イソ−ブチルアミン、ジメチルアミノシクロヘキサン、ジエチルアミノシクロヘキサン、ジメチルアミノシクロペンタン、ジエチルアミノシクロペンタン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジン、N−n−プロピルピロリジン、N−イソ−プロピルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−n−プロピルピペリジン、N−イソ−プロピルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ジエチルピペラジン、N,N’−ジプロピルピペラジン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、ピリジン、ピラジン、ピリミジンおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましいアミンには、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソ−プロピルアミン、およびトリ−n−ブチルアミンが挙げられる。ある実施形態においては、このターシャリーアミンはトリエチルアミンまたはトリ−n−プロピルアミンである。
典型的なターシャリーホスフィンには、限定されないが、一般式R10P(式中、R、RおよびR10は独立して、(C−C)アルキル、フェニルおよび(C−C)アルキル置換フェニルから選択される)のものが挙げられる。好適なターシャリーホスフィンには、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン、フェニルジエチルホスフィンおよびブチルジエチルホスフィンが挙げられる。
1種より多いターシャリーアミンまたはターシャリーホスフィンが使用されうることが当業者に認識されるであろう。ターシャリーアミンおよびターシャリーホスフィンの混合物も使用されうる。このようなターシャリーアミンおよびターシャリーホスフィンは一般的に様々なソースから市販されている。このようなターシャリーアミンおよびターシャリーホスフィンはそのまま使用されることができ、または使用前にさらに精製されることができる。
様々な有機溶媒が使用されうる。典型的には、このような有機溶媒は、エーテル結合のような酸素化された種を含まず、好ましくは酸素を含まない。典型的な有機溶媒には、これに限定されないが、炭化水素および芳香族炭化水素が挙げられる。好適な有機溶媒には、限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、スクアラン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびこれらの混合物が挙げられる。1種より多い有機溶媒が本発明において有利に使用されうることが認識されうる。別の実施形態においては、ターシャリーアミンが有機溶媒として使用されうる。このような有機溶媒は様々なソースから、例えば、アルドリッチケミカルズ(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から一般的に市販されている。このような溶媒はそのままで使用されることができ、または使用前に精製されうる。
好ましくは、このような有機溶媒は使用前に脱酸素化される。溶媒は様々な手段、例えば、不活性ガスでのパージング、真空での溶媒の脱ガス、またはこれらの組み合わせによって脱酸素化されうる。好適な不活性ガスには、アルゴン、窒素およびヘリウムが挙げられ、好ましくはアルゴンまたは窒素が挙げられる。
使用される具体的なターシャリーアミン、ターシャリーホスフィンおよび有機溶媒は、望まれる具体的なアルキル金属化合物によって決まる。例えば、有機溶媒およびターシャリーアミンは、それらが望まれるアルキル金属化合物よりも揮発性が高いかまたは揮発性が低いように選択されうる。このような揮発度の違いはアミンおよび有機溶媒の双方からのアルキル金属化合物のさらに容易な分離をもたらす。ターシャリーアミンおよび有機溶媒の選択は、充分に当業者の能力の範囲内にある。
一般的に、ターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィンは、第IIIA族化合物に対して化学量論量で存在する。金属ハロゲン化物の第IIIA族化合物に対するモル比は広範囲にわたって、例えば1:0.1〜1:5で変動することができ、具体的なモル比は望まれるアルキル金属化合物によって決まる。モル比の別の好適な範囲は1:0.5〜1:2である。1:5より大きいモル比も有効であると考えられる。
本方法で得られる具体的なアルキル金属化合物は、金属ハロゲン化物および第IIIA化合物のモル比の選択によって制御されることができ、すなわち、金属ハロゲン化物化合物において置き換えられるハロゲンの数は第III族化合物のモル数によって制御されうる。例えば、第IV族金属テトラハライド(A)、例えば、ゲルマニウムテトラクロリドと、トリアルキルアルミニウム(B)、例えば、トリメチルアルミニウムとの反応において、1:0.5(A:B)のモル比はアルキル第IV族金属トリハライドを提供し、1:1(A:B)のモル比はジアルキル第IV族金属ジハライドを提供し、1:1.5(A:B)のモル比はトリアルキル第IV族金属ハライドを提供し、並びに1:2(A:B)のモル比はテトラアルキル第IV族金属を提供する。よって、金属ハロゲン化物化合物の1、2、3または4つのハロゲンは本方法に従って置き換えられうる。
ある実施形態においては、金属ハロゲン化物との反応の前に、第III族化合物、ターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィン、並びに有機溶媒が任意の順序で一緒にされることができる。さらなる実施形態においては、第III族化合物はターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィンと最初に一緒にされて、アミン−第III族付加物またはホスフィン−第III族付加物を形成する。典型的には、アミン−第III族付加物は様々な温度で形成されることができる。この付加物を形成するのに好適な温度は周囲温度〜90℃である。金属ハロゲン化物が次いでこのアミン−第III族付加物と反応させられて、所望のアルキル金属化合物を形成する。金属ハロゲン化物がそのままでまたは炭化水素溶液として、アミン−第III族付加物に滴下添加されるのが好ましい。あるいは、アミン−第III族付加物は、そのままでまたは炭化水素溶液として金属ハロゲン化物に滴下添加されることができる。アルキル金属化合物を形成するのに好適な温度は周囲温度〜80℃である。よって、ある実施形態においては、本発明は、第III族化合物とターシャリーアミンとを反応させて、酸素化種を含まない有機溶媒中にアミン−第III族付加物を形成し;並びに、そのアミン−第III族付加物を第IV族金属ハロゲン化物、第VIA族金属ハロゲン化物、またはこれらの混合物と有機溶媒中で反応させる;ことを含む、アルキル金属化合物を製造する方法を提供する。ターシャリーホスフィンが上記反応において使用される場合には、ホスフィン−第III族付加物が形成される。
別の実施形態においては、ターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィンと混合する前に、金属ハロゲン化物は第III族化合物および場合によっては有機溶媒と一緒にされることができる。ターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィン、並びに場合によっては有機溶媒は、次いで、マイクロチャネルデバイス内の好適な混合領域または従来の外部攪拌技術を用いて、金属ハロゲン化物−第IIIA族化合物混合物と一緒にされることができる。あるいは、金属ハロゲン化物−第III族化合物はターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィン、並びに場合によっては有機溶媒に添加されることができる。理論に拘束されるのを意図しないが、このアルキル転移反応は金属ハロゲン化物、第III族化合物およびターシャリーアミンが一緒にされるまでは始まらないと考えられる。
あるいは、アルキル金属化合物は連続した様式で製造されうる。例えば、金属ハロゲン化物および第III族化合物は独立してマイクロチャネルリアクターに連続した様式で添加され、芳香族もしくは脂肪族炭化水素のような好適な溶媒中でターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィンと接触させられうる。金属ハロゲン化物および第III族化合物の添加は様々な好適な手段によって、例えば、マスフローコントローラーの使用によって制御されうる。このような連続プロセスにおいては、所望のアルキル金属化合物が、例えば、蒸留によって回収されることができ、一方で、金属ハロゲン化物および第III族化合物はこの反応領域に添加される。さらなる別の形態においては、金属ハロゲン化物と第III族化合物との混合物はターシャリーアミンおよび/またはターシャリーホスフィンと、好適な溶媒中で一緒にされうる。このような連続プロセスにおいては、所望のアルキル金属化合物は、例えば、蒸留によって回収されることができ、一方で、金属ハロゲン化物/第III族化合物混合物はこの反応領域に添加される。
有機金属化合物はそのまま使用されることができ、または様々な技術によって、例えば、蒸留、昇華、および再結晶によるなどして好適に精製されうる。本方法は、アルミニウム、ガリウム、インジウム、カドミウム、水銀および亜鉛のような金属不純物を実質的に含まない有機金属化合物を提供する。有機金属化合物は、エーテル系溶媒のような酸素化不純物も実質的に含まず、好ましくはこのような酸素化不純物を含まない。「実質的に含まない」とは、本化合物がこのような不純物を0.5ppm未満しか含まないことを意味する。本有機金属化合物は少なくとも99.99重量%、あるいは99.9999重量%の純度を有する。特に、本発明の有機金属化合物は重量で100ppm未満から1ppm未満のレベルで不純物を含む。
電子材料用途のための超高純度の有機金属化合物はマイクロチャネルデバイスを用いてさらに精製されうる。マイクロチャネルデバイスは反応物質、中間体または最終生成物またはこれらの組み合わせを精製し、電子用途のための超高純度化合物を達成するために使用されうる。有機金属化合物は上述のようなマイクロチャネルリアクターにおいて、またはバッチ攪拌タンク、半バッチ、連続フロー攪拌タンク、連続フロー管状リアクター、反応性蒸留リアクターおよび他の既知の方法をはじめとする従来のリアクターにおいて製造されることができる。電子用途のための超高純度材料は多くの場合、蒸留および昇華のような従来の熱分離方法を介して、または低濃度駆動力のせいで抽出、吸収および吸着のような物質移動分離方法によって達成するのが困難である。
近い沸点を有する不純物(相対揮発度0.8<a<1.5、ここでa=不純物の蒸気圧/所望の純粋な化合物の蒸気圧)を含む有機金属化合物は、従来のパッキングを用いた段階蒸留プロセスで精製するのは特に困難である。このカラムは多くの段数、>50、>100、場合によっては>200、または高い還流比、>10、>20、場合によっては>50、またはこれら双方を必要とする場合があり、このことは、プロセスの投資および操作コスト、並びに複雑さを追加する。マイクロチャネルデバイスはこれらの課題に対する改良された解決策を提供する。小さなチャネル寸法は熱伝達および物質移動を増大させるさらに高い輸送勾配を生じさせ、体積に対する増大した表面積が一定の形状において、さらに高度に効率的な交換領域を提供する。両方の要因が、精製のためのさらに効率的な分離(より小さな理論段相当高さ、HETP)、特に高純度を達成するための利点に寄与する。
超高純度有機金属化合物は、吸着または化学精製技術、例えば、アダクト精製などによっても、マイクロチャネルデバイスにおいて製造されることができる。選択的吸着剤または付加物形成性ルイス塩基、例えば、アミン、ホスフィンもしくはエーテルがマイクロチャネル表面上に担持されることができ、不純物含有流れに接触する非常に高い交換領域を提供することができる。吸着および脱着工程を効率的に調節し循環させるこのデバイスの精密な温度制御のための熱伝達流体のフローのために、他のマイクロチャネルが提供されることができる。
マイクロチャネル技術に基づく分離プロセス、例えば、蒸留、ストリッピング、抽出および吸着は、超純粋生成物(ppm、ppb)を達成するのに必要とされる増大した熱伝達および物質移動を提供する。これら分離プロセスは追加的に、類似の沸点を有する(相対揮発度0.8<a<1.5)流体混合物を高純度レベルに分離する課題を解決するのに必要とされる移動段階の強化を提供する。有利な操作条件には、流体成分の1種以上が液相中にあり、かつ蒸気状態へのまたは吸着剤への吸着状態への相変化を受けることができる温度および圧力が挙げられる。これには、−25℃〜250℃の温度および0.1Pa〜10MPaの圧力が挙げられうる。供給不純物量は流体混合物の1ppmから10重量%まで、さらには50重量%までの範囲であり得る。
本発明の有機金属化合物は、LPE、MBE、CBE、ALD、CVD、MOCVDおよびMOVPEのような全ての蒸着方法における前駆体としての使用に特に好適である。本化合物は、第IV族金属、第VI族金属、または第IV族と第VI族との双方の金属の1種以上を含む膜を堆積させるのに有用である。このような膜は電子デバイス、例えば、これに限定されないが、集積回路、光電子デバイスおよび発光ダイオードの製造に有用である。
第IV族および/または第VI族金属の膜は典型的には、所望のアルキル金属化合物、すなわち、ソース化合物または前駆体化合物を、堆積チャンバーに接続された出口を有する送達装置、例えばシリンダー内に最初に配置することによって堆積される。使用される具体的な堆積装置に応じて様々なシリンダーが使用されることができる。前駆体化合物が固体である場合には、米国特許第6,444,038号(ランガラジャン(Rangarajan)ら)および米国特許第6,607,785号(チモンズ(Timmons)ら)に開示されるシリンダー、並びに他のデザインのものが使用されうる。液体前駆体化合物については、米国特許第4,506,815号(メラス(Melas)ら)および米国特許第5,755,885号(ミコシバ(Mikoshiba)ら)に開示されるシリンダー、並びに他の液体前駆体用シリンダーが使用されうる。ソース化合物は液体または固体としてシリンダー内に維持される。固体ソース化合物は典型的には、堆積チャンバーへの移送の前に気化されるかまたは昇華される。
ソース化合物は典型的には、シリンダーにキャリアガスを通過させることによって堆積チャンバーに移送される。好適なキャリアガスには、窒素、水素およびこれらの混合物が挙げられる。一般的に、キャリアガスはソース化合物の表面より下に導入され、そのソース化合物を通って上方に移動し、ソース化合物上方のヘッドスペースに至り、キャリアガス中にソース化合物の蒸気を同伴もしくは運搬する。同伴されるもしくは運ばれる蒸気は、次いで堆積チャンバーに入る。
堆積チャンバーは典型的には少なくとも1つ、可能であれば多くの基体がその中に配置される加熱容器である。堆積チャンバーは出口を有し、この出口は、チャンバーの外に副生成物を抜き出しかつ好適な減圧を提供するために、典型的には真空ポンプに接続されている。MOCVDは大気圧または減圧で行われうる。この堆積チャンバーはソース化合物の分解を誘起するのに充分高い温度に維持される。この堆積チャンバー温度は200〜1200℃であり、選択される正確な温度は効果的な堆積を提供するように最適化される。基体が高温に維持される場合には、またはRF源によってラジオ周波数(RF)エネルギーのような他のエネルギーが発生させられる場合には、場合によっては、堆積チャンバー内の温度は全体として低減されうる。
電子デバイス製造の場合において、堆積に好適な基体はシリコン、ガリウムヒ素、インジウムホスフィドなどでありうる。このような基体は、例えば、これに限定されないが、誘電体層および導電体層、例えば、金属のような物質の1以上の追加の層を含むことができる。このような基体は集積回路、光電子デバイスおよび発光ダイオードの製造に特に有用である。
所望の特性を有する膜を製造することが望まれる限りは、堆積は続けられる。典型的には膜厚は、堆積が停止されるときに、数百オングストローム〜数十ナノメートル、〜数百ミクロン、またはそれより大でありうる。
以下の実施例は本発明の様々な形態をさらに例示するためのものであり、本発明の範囲を何らかの形態に限定することを意図するものではない。全ての操作は不活性雰囲気で行われ、典型的には、乾燥窒素の雰囲気下で行われる。
比較例1
以下の式に従ってテトラメチルゲルマンが合成された:
GeCl+2(CHAl.PrN → (CHGe+2CHAlCl.Pr
三つ口丸底フラスコ中で、150gの高沸点直鎖アルキルベンゼンに、窒素下でトリメチルアルミニウム(40g、0.554モル)を添加した。これに、n−プロピルアミン(79.5g、0.554モル)を室温で滴下添加した。この添加を30分間続け、その期間中に混合物は暖かく(約50℃)なった。この添加が完了した後で、混合物は室温まで冷却され、形成された付加物に、そのままのゲルマニウムクロリド(40g、0.186モル)が室温で滴下添加された。この添加は1時間かかり、その時間中に反応混合物は再び約60℃に暖まった。室温に冷却した後で、反応物質は(油浴温度)160℃〜170℃に加熱され、その時間中に、20gのテトラメチルゲルマン粗生成物をU字型管を通して蒸留しドライアイス冷却されたレシーバーに集めた。この生成物の同定がHnmr(0.1ppmでのCHレゾナンス)によって確認され、その生成物は幾分かのトリプロピルアミン(5%未満)を含んでいることを示した。粗生成物の収率は81.6%であった。残りのポット残留物のHnmr分析は単離されなかったさらなるテトラメチルゲルマンの存在を示していた。
実施例1
以下の式に従ってテトラメチルゲルマンが合成される。
GeCl+2(CHAlPrN (CHGe+2CHAlClPr
トリメチルアルミニウムおよびn−プロピルアミンの等モル溶液が、高沸点直鎖アルキルベンゼン溶媒中で窒素下で製造される。トリメチルアルミニウム/n−プロピルアミン溶液およびそのままのゲルマニウムクロリドが室温で、マイクロチャネルデバイスに連続的に添加される。このマイクロチャネルデバイスは複数の試薬のための別々の流路を提供し、これら流路は試薬が互いに接触する混合領域において互いに連絡する。試薬の流れはトリメチルアルミニウムのゲルマニウムクロリドに対するモル比を3に維持するように制御される。この混合物はマイクロチャネルデバイス中の反応領域に入り、これら試薬間でアルキル化が起こるのを導く。この反応領域は、流れの方向に対して垂直の1〜100マイクロメートルの範囲の幅を有する。この反応領域は(流れの方向の)1マイクロメートルから1メートルの範囲の長さを有し、この最適な長さは、流速を調節することにより設定される適切な滞留時間(1秒〜10分)を達成し、かつ少なくとも80%の変換率を提供する、アルキル化反応の反応速度論によって決定される。反応の温度は、マイクロチャネルデバイス内の反応チャネルとは別のフローチャネルにおけるサーミノール(Therminol)のような熱伝達流体のフローによって±1℃以内に制御される。反応生成物流れはマイクロチャネルリアクターを出て、集められ、160〜170℃で蒸留されて、所望のMeGe生成物を生じさせる。このMeGe生成物の純度はFT−NMRおよびICP−AESで測定して99.9999%純粋であると予想される。
実施例2
以下の式に従って、マイクロチャネルデバイスを用いて高純度トリメチルアルミニウム−トリプロピルアミン付加物が合成された:
(CHAl+PrN (CHAl.PrN付加物
約1×3mmの断面寸法および1mを超える長さを有する、316SSで構築された複数のパラレルチャネルを含むマイクロチャネルリアクターが、精製有機アルミニウム−ターシャリーアミン付加物の製造に使用された。マイクロチャネルデバイスのそれぞれのチャネルは熱交換領域と接触していた。室温での、31.6ppmSi(ICP技術によって検出)を含むトリメチルアルミニウム(TMA)のフィード流れが2.5kg/hrで連続フローリアクターに供給された。室温でのトリプロピルアミンのフィード流れが別の注入ポートを通して5.0kg/hrでリアクターに共供給された。この2つのフィードはフローチャネル内で緊密に混合された。リアクター温度は、リアクター熱交換チャネルに循環された冷却用オイル(40℃)を用いて制御され、〜50℃の一定のプロセス出口温度を維持した。このリアクター流出物(7.5kg/hr)は連続薄膜蒸発器に供給され付加物を精製した。この蒸発器表面は、回転するブレードによって連続的に拭われ、2torrで、80℃のジャケット温度で操作された。精製されたTMA:付加物は98重量%を超える収率で集められ、分析のためにサンプリングされた。ICP分析は、Siが31.6ppmから0.7ppmに低減されたことにより示されるように、この生成物が開始物質よりも有意に低減されたケイ素不純物を有していることを示した。

Claims (9)

  1. 金属ハロゲン化物溶液とアミジナトリチウム溶液とをマイクロチャネルデバイスにおいて反応させて、金属アミジナート化合物を生じさせることを含み、
    得られた化合物が原子層堆積プロセスに必要とされる最低限の純度を有する、
    超高純度の金属アミジナート化合物を製造する方法。
  2. 化合物の純度が少なくとも99.99%純粋である、請求項1に記載の方法。
  3. 金属ハロゲン化物がZnCl、GaCl、InBr、AlCl、HfCl、ZrCl、GeCl、SiCl、TaCl、WCl、SbClまたはRuClを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 反応がイオン性液体溶媒の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
  5. アミジナトリチウム溶液を精製することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. アミジナトリチウム溶液がマイクロチャネルデバイスを用いてさらに精製される、請求項5に記載の方法。
  7. 不純物を含む有機金属化合物をマイクロチャネルデバイスにおいて精製して、0.8>a<1.5の相対揮発度(a)を有する不純物の量を電子材料用途において有用な量まで低減させることを含む、超高純度の金属アミジナート化合物を製造する方法。
  8. 不純物を含む金属アミジナート化合物をマイクロチャネルデバイスにおいて精製して、0.8>a<1.5の相対揮発度(a)を有する不純物の量を1ppm未満に低減させることを含む、請求項7に記載の方法。
  9. マイクロチャネルデバイスが5cm未満の理論段相当高さ(HETP)をさらに有する、請求項7に記載の方法。
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