JP2011158516A - 自動編曲システム、および、自動編曲方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】音楽家の専門的知識に頼ることなくユーザーが保有する楽曲を自由に編曲できるようにするとともに、その編曲を行う際に、音楽的構造が崩れないようにした自動編曲システムを提供する。
【解決手段】入力された楽曲に対してノートオフからノートオンまでの一定時間長を超える虚空時間でフレーズに分割し、その分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線について、縦軸を正規化された音高、横軸を正規化された時間とした2次元空間内での曲線の特性値を算出する。そして、データベースに記憶されている他の楽曲のフレーズにおける曲線の特性値の中からオリジナル楽曲の特性値に類似する楽曲のフレーズを検索し、その検索された楽曲のフレーズの音高を参照して前記分割されたフレーズの音を編集する。
【選択図】図4
【解決手段】入力された楽曲に対してノートオフからノートオンまでの一定時間長を超える虚空時間でフレーズに分割し、その分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線について、縦軸を正規化された音高、横軸を正規化された時間とした2次元空間内での曲線の特性値を算出する。そして、データベースに記憶されている他の楽曲のフレーズにおける曲線の特性値の中からオリジナル楽曲の特性値に類似する楽曲のフレーズを検索し、その検索された楽曲のフレーズの音高を参照して前記分割されたフレーズの音を編集する。
【選択図】図4
Description
本発明は、ユーザーが保有している楽曲を編曲できるようにした自動編曲システムに関し、より詳しくは、データベースに登録されている他の楽曲を参照してユーザーの楽曲を編曲できるようにした自動編曲システムに関するものである。
従来より、ユーザーが保有している楽曲を編曲できるようにした自動編曲システムが各種提案されている。このような自動編曲システムは、一般的に、記憶部に音楽カテゴリーごとに音色や音長、テンポ、リズムなどのルールを定義づけて記憶しておき、ユーザーの保有する楽曲に対して演歌風、ロック風、ジャズ風といった音楽カテゴリーの入力を受け付け、その音楽カテゴリーに属する音色や音調、テンポ、リズムなどのルールを参照して編曲できるようにしたものが多い(特許文献1)。
また、このような編曲を行う際、過去に音楽家が編曲した事例をデータベースに登録しておき、ユーザーが編曲対象となる楽曲を選択した場合に、そのデータベースに蓄積されている過去の編曲事例を参照して編曲できるようにしたものも存在する(特許文献2)。
また、このような特許文献だけでなく、市販の自動編曲システムとして「Band-in-a-Box」という自動編曲システムも存在する。このような自動編曲システムは、入力された楽曲に対して,「マイルス・デイビス風にアレンジする」といった指示を入力することによって、入力された楽曲の音符の並びを過去の事例やルールを用いて編曲できるようにしたものである。
しかしながら、上述のような方法を用いた編曲方法では、次のような問題がある。すなわち、上述のような特許文献1や市販の自動編曲システムの編曲方法では、音楽カテゴリーの入力を行うことを条件としているため、その音楽カテゴリーで定義された編曲方法以外には編曲することができず、また、編曲された楽曲もルールで定められたイメージになってしまい、ユーザーに飽きを生じさせてしまう。また、その音楽カテゴリーに属するように編曲する場合、あらかじめデータベースにその音楽カテゴリーに見合った編曲のルールを登録しておかなければならず、その作業に手間がかかってしまう。
また、上記特許文献2のように、あらかじめ音楽家に編曲してもらった事例をデータベースに登録しておいて編曲する方法では、非常に多くの編曲事例をデータベースに登録しておかなければならず、これについても同様に、非常に多くの手間がかかってしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、音楽家の専門的知識に頼ることなくユーザーが保有する楽曲を自由に編曲できるようにするとともに、その編曲する際に、音楽的構造が崩れないようにした自動編曲システムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、入力された楽曲を編曲する自動編曲システムにおいて、入力された楽曲を所定のフレーズ毎に分割する分割手段と、当該分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線の特性値を算出する曲線算出手段と、あらかじめ記憶されている他の楽曲のフレーズにおける曲線の特性値であって前記曲線算出手段で算出された曲線の特性値に類似する楽曲のフレーズを検索する検索手段と、当該検索された楽曲のフレーズの音高を参照して前記分割されたフレーズの音を編集する編集手段と
を備えるようにしたものである。
を備えるようにしたものである。
このようにすれば、データベースに複数の楽曲そのものを登録しておくだけで、その楽曲の部分的なフレーズの流れを参照して編曲することができ、あらかじめデータベースに編曲のためのルールや編曲事例などを登録しておくことなく編曲をすることができる。しかも、他の完成された楽曲のフレーズは音楽的にも優れたものであるため、それを参照することによって編曲された楽曲のフレーズも音楽構造的に流れのよいものにすることができる。
また、このようなフレーズに分割する場合、MIDIデータのノートオフからノートオンまでの虚空時間とその頻度のヒストグラムを算出し、虚空時間の長い方から上位所定割合までの虚空時間で分割してフレーズを抽出する。
このようにすれば、符点やスタッカートなどのような短い虚空時間でフレーズが分割されるようなことがなく、音楽的に雰囲気が変化する長い休符位置(例えば、四分休符やそれ以上の休符)でフレーズを区切ることができるようになる。
さらに、そのフレーズの曲線の特性値を算出する場合、分割されたフレーズにおける時間軸と音高軸についてそれぞれ正規化し、その正規化された曲線についての特性値を算出する。
このように正規化すれば、楽曲毎にフレーズの長さが異なる場合であっても、音高の流れが全体として似ているかどうかを判断することができる。これにより、参照できるフレーズの対象が増え、編曲のバリエーションを増やすことができるようになる。
加えて、音高の編集を行う場合、入力された楽曲のフレーズにおける音高の流れを示す曲線と、検索された楽曲のフレーズの音高の流れを示す曲線の差分を算出し、所定の閾値よりも大きな差分を有する部分における音高を編集する。
このようにすれば、すべての音高を編集するのではなく、最も大きな違いを有する部分で編集するので、オリジナルのフレーズの雰囲気を残しながら部分的に変化させて編曲を行うことができるようになる。
本発明では、入力された楽曲を所定のフレーズ毎に分割して音高の流れを示す曲線の特性値を算出し、その特性値と類似する他の楽曲のフレーズの音高を参照してオリジナルの楽曲のフレーズを編集するようにしたので、データベースに複数の楽曲そのものを登録しておくだけで、その楽曲の部分的なフレーズの流れを参照して編曲することができ、これによって、あらかじめデータベースに編曲のためのルールや編曲事例などを登録しておくことなく編曲をすることができるようになる。しかも、他の完成された楽曲のフレーズは音楽的にも優れたものであるため、それを参照することによって編曲された楽曲のフレーズも音楽構造的に流れのよいものにすることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。この実施の形態における自動編曲システム1は、ユーザーの保有する楽曲を受け付けて編曲できるようにしたもので、ユーザーの保有している楽曲の入力を受け付ける楽曲入力手段2と、その入力された楽曲を編曲する編曲手段3と、その編曲された楽曲を出力する出力手段4を設けている。なお、これらの楽曲入力手段2や編曲手段3、出力手段4などは、一台のコンピューターや携帯端末、自動演奏楽器などで構成されてもよく、あるいは、これらの装置とネットワークを介して接続される一または複数のサーバーコンピューターなどによって構成されてもよい。そして、特徴的には、その編曲手段3について、あらかじめ複数の楽曲を記憶させておくデータベース31と、そのデータベース31に格納されている楽曲やユーザーによって入力されたオリジナル楽曲を区切良い位置で分割する分割手段32と、その分割されたフレーズ内の音高の流れを示す曲線の特性値を算出する曲線算出手段33と、その曲線算出手段33で算出された特性値に基づいてデータベース31に格納されている類似する特性値を有する他のフレーズを検索する検索手段34と、その検索されたフレーズの音高を参照してオリジナル楽曲のフレーズの音を編集する編集手段35とを備えるようにしている。以下、各機能実現手段について詳細に説明する。なお、これらの機能実現手段は、コンピューターのCPUなどの演算装置、ROM、RAMなどの記憶装置、キーボードやテンキーなどの入力装置、スピーカーなどの出力装置と、記憶装置に格納されたプログラムなどを協働させて実現されるものである。
まず、この自動編曲システム1の楽曲入力手段2は、編曲対象となる楽曲の入力を受け付ける。この楽曲入力手段2で受け付ける楽曲としては、ユーザーが保有して個人的に楽しむ楽曲や、あるいは、携帯電話や家電装置(例えば、自動給湯器のリモコン装置など)の効果音などのように著作権法上問題のない楽曲が好適に用いられる。これらの楽曲の入力を受け付ける場合、好ましくは、MIDIデータの楽曲を受け付けるようにし、このMIDIデータからメロディ抽出手段21を用いてメロディラインのデータを抽出するが、MIDIファイル以外のデータ形式の楽曲を受け付けた場合は、ファイル変換手段22をあらかじめ用意しておき、例えば、MP3ファイルをMIDIデータに変換したり、あるいは、WAVEファイルをMIDIデータに変換したりする処理を行う。ただし、ここで最終的にMIDIデータの楽曲を受け付けるようにするのは、メロディラインのデータを抽出しやすくするためであるが、例えば、WAVEファイルなどの楽曲データを受け付けた場合は、これを周波数変換して低音域の伴奏データなどをハイパスフィルターなどでカットし、高音域となるメロディラインのデータを取得するようにしてもよい。
このように楽曲入力手段2で入力されて抽出されたメロディラインのデータは、分割手段32で区切良い位置で複数のフレームに分割される。ここでフレームを分割する場合、音楽的構造のまとまりの良いものにするために、比較的休符の長い位置で分割するのが好ましい。そこで、MIDIデータの中から音の存在しないノートオフとノートオンまでの間を虚空時間として抽出し、図2に示すように、その虚空時間の長さを横軸、その頻度を縦軸としたヒストグラムを一曲全体について生成する。なお、図2において虚空時間として16分休符からの虚空時間を示しているが、符点やスタッカートなどが存在する場合はその長さに応じた虚空時間が存在する。そして、その曲全体におけるヒストグラムから所定の長さを超える虚空時間を抽出し、その虚空時間を有する位置でメロディラインを複数のフレームに分割する。ここで、所定の長さを超える虚空時間を抽出する場合、その楽曲内における上位から所定の割合の虚空時間を抽出してもよく、あるいは、あらかじめ分割するための個数を決めておき、その個数の範囲内で分割できる虚空時間を抽出するようにしてもよい。また、このように一つの楽曲内で分割すべき虚空時間を決定するのではなく、データベース31内で同じ条件(例えば、同じテンポを有する楽曲や同じ音楽カテゴリーの楽曲などの条件)に含まれるすべての楽曲について同じ虚空時間を設定し、その虚空時間で複数のフレーズに分割するようにしてもよい。そして、このように楽曲を複数に分割することによって音楽的にまとまりの良いフレーズに分割する。
次に、曲線算出手段33では、この分割された各フレーズについて、そのフレーズ内に含まれる音高の流れを示す曲線の特性値を算出する。この曲線については、概念的には、横軸を時間軸、縦軸をその音高を有する音符の高さ位置とした曲線として把握することができ、あるいは、横軸を時間軸、縦軸を周波数とした曲線として把握することができる。しかし、縦軸を周波数とした場合、例えば、鍵盤楽器のある音(例えば、ピアノの中央の「ド」)から一オクターブ上の同じ音は周波数が倍の関係になり、さらにその位置オクターブ上の音はさらに倍の周波数の関係になるため、曲線の形状が五線紙上での曲線と大きく変わってしまう。そのため、周波数で曲線を作る場合は、五線紙上での音符の位置での曲線を生成する。このような曲線を生成する場合、フレーズの長さを「1」、音高の高さを「1」とする正規化処理を行い、その曲線をn次曲線で近似させ、そのn次曲線をなす方程式の各係数をその輪郭の特徴量としてデータベース31に格納していく。この実施の形態では、フレーズ内の曲線を次式の3次曲線で表し、次の<式1>の各係数a,b,c,dをデータベース31に格納していく。
<式1> f(x)=ax3+bx2+cx+d (f(x):正規化された音高、x:正規化された時間)
このように各フレーズの曲線についての特徴量を格納した後、次は、編曲手法を決定する。この編曲手法には、主に次の3種類の編曲方法を用意している。
<編曲方法1>
オリジナル楽曲とデータベース31内の楽曲の3次曲線を比較し、基準に基づいて類似している曲線を選出して音高を変化させる方法
オリジナル楽曲とデータベース31内の楽曲の3次曲線を比較し、基準に基づいて類似している曲線を選出して音高を変化させる方法
<編曲方法2>
オリジナル楽曲とデータベース31内の楽曲の3次曲線を表す3次方程式の係数を比較し、基準に基づいて類似している曲線を抽出し、音高を変化させる方法
オリジナル楽曲とデータベース31内の楽曲の3次曲線を表す3次方程式の係数を比較し、基準に基づいて類似している曲線を抽出し、音高を変化させる方法
<編曲方法3>
オリジナル楽曲の曲線において、編集箇所と変化させる位置と高さをユーザーに指定させ、その指定された曲線に最も近い曲線を抽出して、その音高を変化させる方法
オリジナル楽曲の曲線において、編集箇所と変化させる位置と高さをユーザーに指定させ、その指定された曲線に最も近い曲線を抽出して、その音高を変化させる方法
これらの各手法について説明すると、まず、編曲方法1は、オリジナル楽曲のフレーズの曲線とデータベース31に格納されている楽曲との正規化された音高の距離を求め、その距離が所定の基準値内に含まれる楽曲をデータベース31内の楽曲のフレーズから抽出する。ここで、音高の距離としては、正規化された時間ごとに音高の差を求め、それぞれの時間ごとに正規化された全時間分だけ加算して距離の総和を求める(すなわち積分する)。これを図4を用いて説明すると、オリジナル楽曲のフレーズと他のフレーズにおける曲線の間の面積を積分によって求め、この積分値と基準値とを比較する。この基準値としては、完全にそれらの総和の値が一致するとオリジナル楽曲と変化がなくなってしまうため、完全に一致することなく、かつ、大幅に異ならないような基準値が(を?)設定させる。そして、その基準値の範囲内に含まれる値を有するフレーズを検索手段34を用いて検索する。そして、その検索によって複数のフレーズが抽出し、所定の基準あるいはランダムに一のフレーズを選択して編曲に用いる曲線を決定する。
編曲方法2は、オリジナル楽曲のフレーズにおける3次曲線の係数と、データベース31に格納されている楽曲のフレーズにおける3次曲線の係数とを比較し、それぞれの係数の差から類似度を算出して、一定の基準値の範囲内に各係数が含まれる楽曲を検索手段34を用いて検索する。そして、その検索によって一または複数のフレーズを抽出し、所定の基準もしくはランダムに一のフレーズを選択して編曲に用いる楽曲を決定する。
編曲方法3では、ユーザーに編曲箇所と変化具合を指定させるようにしたもので、オリジナル楽曲の各フレーズの曲線をディスプレイに表示させ、その曲線における編曲箇所と正規化された音高の位置を指定させる。そして、その指定された曲線に最も近い曲線をデータベース31の各楽曲から検索手段34を用いて検索する。この曲線に最も近い曲線を検索する場合、編曲方法1の場合と同様に、正規化された時間ごとに音高の差を求め、それを正規化された全時間分だけ加算することによって距離の総和を求める。そして、その値が最も小さくなるような値を有するフレーズを検索手段34を用いて検索する。
また、これ以外の方法として、編曲に用いる印象(例えば、自然なイメージ、奇抜なイメージ、明るいイメージ、暗いイメージなど)を選択させることによって、その印象を与えることが可能な曲線を有するように音高を変化させる方法や、編曲に用いる音楽ジャンルを選択させ、その選択された音楽ジャンルに聞こえるような曲線を有するように音高を変化させる方法なども用いることもできる。
編集手段35は、このようにオリジナル楽曲に対して編集対象となるフレーズの曲線を抽出した後、この曲線を用いてオリジナル楽曲の所定の位置の音高を編集する。具体的には、類似する曲線のフレーズが抽出された場合、図4に示すように、正規化された時間軸における音高の差を抽出し、正規化された音高の値が基準値を超える部分の時間値を抽出する。そして、その時間値における正規化された音高の差を抽出し、その時間に対応する正規化前のフレーズにおける音符位置を求めて、その音符を抽出された音高の差だけずらす。すなわち、音高の差が半音「+1」である場合は、オリジナル楽曲のフレーズの対応位置における音符を半音1つ分上げ、また、音高の差が半音「−1」である場合は、同様に、オリジナル楽曲のフレーズの対応位置における音符を半音1つ分だけ下げる。そして、同じ処理をすべてのフレーズにおいて行い、各フレーズごとに過去の楽曲のフレーズに部分的に類似させるような編集を行う。
出力手段4は、このように音高を編集したメロディラインに対して、もとの伴奏データを付加し、伴奏付きの楽曲としてスピーカーなどから出力する。なお、伴奏データを付加する場合、メロディラインとの協和性が崩れている場合は、メロディラインの各音高に対して最も相応しいコードを検索し、その検索されたコードに適合するように伴奏データの音高を変更させるようにすることもできる。
次に、このように構成された自動編曲システム1を用いてユーザーの保有する楽曲を編曲する場合の処理の流れについて図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザーが編曲対象となるオリジナル楽曲を楽曲入力手段2を介して入力した場合、自動編曲システム1では、そのオリジナル楽曲のファイル形式の種別を調べ、MIDIファイルとしてオリジナル楽曲のデータを受け付ける(ステップS1)。すなわち、MIDIファイル以外のデータであればファイル変換手段22を用いてMIDIファイルに変換し、MIDIファイルであればそのままファイルを受け付ける。そして、楽曲入力手段2では、そのMIDIファイルの中からメロディラインとなるデータを抽出する(ステップS2)。
このようにメロディラインのデータを抽出した後、今度は、そのメロディラインにおけるデータの中からノートオフとノートオンまでの虚空時間とその頻度を表すヒストグラムを生成し(ステップS3)、そのヒストグラムから上位数パーセントに含まれる虚空時間を抽出して、その虚空時間よりも長い位置でメロディラインを分割し(ステップS4)、フレーズを生成する。
そして、このようにフレーズに分割した後、そのフレーズ内の音高とその音長について横軸を時間、縦軸を音高とするグラフを生成し、そのグラフを縦軸・横軸に正規化して図3に示されるような正規化された音高の流れを示す曲線を生成する(ステップS5)。そして、その曲線について3次曲線で近似した3次方程式の各係数を算出し(ステップS6)、これをデータベース31に記憶させておく。
次に、このように編曲対象となるオリジナル楽曲の受け付けと3次曲線の係数を記憶させた後、ユーザーに編曲方法の選択入力を受け付け、上述の編曲方法1、編曲方法2、編曲方法3の選択指示の入力を受け付ける(ステップS7)。この入力を受け付ける場合、ディスプレイにその編曲方法1〜3に対するボタンをディスプレイに表示させ、マウスなどによってその選択の指示を受け付けるようにする。
このとき、ユーザーによって編曲方法1が選択された場合、データベース31に格納されている楽曲のうち、このオリジナル楽曲のフレーズの曲線に類似する楽曲のフレーズを検索し(ステップS11)、所定の基準値の範囲内に含まれる楽曲のフレーズを抽出する。具体的には、データベース31に格納されている楽曲のフレーズの曲線とオリジナル楽曲のフレーズの曲線との差分をそれぞれ加算し(ステップS12)、その総和が所定の基準値に含まれる楽曲のフレーズを抽出する(ステップS13)。そして、その抽出されたフレーズが複数存在する場合は、所定の基準にしたがって、あるいは、ランダムに一のフレーズを選択する(ステップS14)。
また、ユーザーによって編曲方法2が選択された場合は、データベース31に格納されている楽曲のうち、オリジナル楽曲の3次方程式の係数と近似している係数を有するフレーズを検索する(ステップS21)。そして、その係数と近似している楽曲のフレーズが複数存在している場合は、同様に、所定の基準にしたがって、あるいは、ランダムに一のフレーズを抽出する(ステップS22)。
さらに、ユーザーによって編曲方法3が選択された場合は、オリジナル楽曲のあるフレーズの曲線をディスプレイに表示させ(ステップS31)、ユーザーによって編集箇所とその音高の位置などの入力を受け付ける(ステップS32)。そして、その編集指示の入力を受け付けた後、その曲線を生成する3次曲線の係数などを求め(ステップS33)、その曲線に最も近い曲線を有するフレーズを検索し(ステップS33)、同様に、所定の基準にしたがって、あるいは、ランダムに一のフレーズを抽出する(ステップS34)。
このようにオリジナル楽曲のフレーズに近いフレーズを他の楽曲から抽出した後、今度は、それぞれのフレーズの曲線の音高の差を求め、所定の基準値を超える差を有する部分が存在する場合は、その位置と音高の差を読み取って編集位置を特定し(ステップS8)、正規化される前のフレーズにおける編集位置においてその音高を編集する(ステップS9)。
そして、同様の処理をすべてのフレーズにおいて行い、すべてのフレーズにおいて音高の編集を行った後、伴奏データを付加してその楽曲を出力する。
このように上記実施の形態によれば、入力された楽曲を所定のフレーズ毎に分割して音高の流れを示す曲線の特性値を算出し、その特性値と類似する他の楽曲のフレーズを検索し、その検索された楽曲のフレーズの音高を参照してオリジナルの楽曲のフレーズの音を編集するようにしたので、データベース31に複数の楽曲そのものを登録しておくだけで、その楽曲の部分的なフレーズの流れを参照して編曲することができ、あらかじめデータベース31に編曲のためのルールや編曲事例などを登録することなく編曲することができる。しかも、他の楽曲のフレーズは音楽的に流れのよい構造になっているため、それを参照することで編曲された楽曲のフレーズも音楽構造的に流れのよいものになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
すなわち、上記実施の形態では、MIDIファイルを受け付けてメロディラインのデータを抽出するようにしているが、メロディラインを抽出することができれば、どのようなファイル形式の楽曲データであってもよい。
また、上記実施の形態では、メロディラインのみを抽出して分割するようにしているが、このとき、その分割された位置について伴奏データも分割し、その音高の変化された位置について伴奏データのコードを変化させるようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、出力手段4を介して編曲された楽曲を視聴可能に出力するようにしているが、この出力手段4はスピーカーなどのように楽曲を発生させる機器だけでなく、ディスプレイや紙媒体などに楽譜として出力するようなものであってもよい。あるいは、インターネットを介してユーザーに送信出力するようなものであってもよい。
本発明は、楽曲や効果音などを編曲して聴くことができる分野で使用され、例えば、自動演奏楽器、携帯電話の着信メロディ、家電製品や工業製品の効果音などに使用される。
1・・・自動編曲システム
2・・・楽曲入力手段
21・・・メロディ抽出手段
22・・・ファイル変換手段
3・・・編曲手段
31・・・楽曲データベース
32・・・分割手段
33・・・曲線算出手段
34・・・検索手段
35・・・編集手段
4・・・出力手段
2・・・楽曲入力手段
21・・・メロディ抽出手段
22・・・ファイル変換手段
3・・・編曲手段
31・・・楽曲データベース
32・・・分割手段
33・・・曲線算出手段
34・・・検索手段
35・・・編集手段
4・・・出力手段
Claims (5)
- 入力された楽曲を編曲する自動編曲システムにおいて、
入力された楽曲を所定のフレーズ毎に分割する分割手段と、
当該分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線の特性値を算出する曲線算出手段と、
あらかじめ記憶されている他の楽曲のフレーズにおける曲線の特性値であって前記曲線算出手段で算出された曲線の特性値に近い楽曲のフレーズを検索する検索手段と、
当該検索された楽曲のフレーズの音高を参照して前記分割されたフレーズの音を編集する編集手段と、
を備えたことを特徴とする自動編曲システム。 - 前記分割手段が、MIDIデータのノートオフからノートオンまでの虚空時間とその頻度のヒストグラムを算出し、虚空時間の長い方から上位所定割合までの虚空時間で分割するものである請求項1に記載の自動編曲システム。
- 前記曲線算出手段が、前記分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線について、時間軸と音高軸についてそれぞれ正規化し、当該正規化された曲線についての特性値を算出するものである請求項1に記載の自動編曲システム。
- 前記編集手段が、入力された楽曲のフレーズにおける音高の流れを示す曲線と、前記検索された楽曲のフレーズの音高の流れを示す曲線の差分を算出し、所定の閾値よりも大きな差分を有する部分における音高を編集するものである請求項1に記載の自動編曲システム。
- 入力された楽曲を編曲する自動編曲方法において、
入力された楽曲を所定のフレーズ毎に分割するステップと、
当該分割されたフレーズにおける音高の流れを示す曲線の特性値を算出するステップと、
あらかじめ記憶されている他の楽曲のフレーズにおける曲線の特性値であって前記算出された曲線の特性値に近い楽曲のフレーズを検索するステップと、
当該検索された楽曲のフレーズの音高を参照して前記分割されたフレーズの音を編集するステップと、
を備えたことを特徴とする自動編曲方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010017807A JP2011158516A (ja) | 2010-01-29 | 2010-01-29 | 自動編曲システム、および、自動編曲方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
CN112992106A (zh) * | 2021-03-23 | 2021-06-18 | 平安科技(深圳)有限公司 | 基于手绘图形的音乐创作方法、装置、设备及介质 |
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2010
- 2010-01-29 JP JP2010017807A patent/JP2011158516A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN112992106B (zh) * | 2021-03-23 | 2024-06-25 | 平安科技(深圳)有限公司 | 基于手绘图形的音乐创作方法、装置、设备及介质 |
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