JP2011151339A - 発光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発光素子11を基板上に実装した発光装置10において、基板は、セラミック基板25の上面に金膜が配線パターン形成された配線基板20であり、発光素子11は、金膜の上に接合されて、フリップチップ実装され、発光素子11が実装された部位を除く金膜の上には、銀膜23が製膜され、銀膜23の上には、500nm以下の光の反射率を銀膜を単独で用いた場合より高くする誘電体多層膜30が製膜されている発光装置。
【選択図】図1
Description
発光素子としては、特に限定はされないが、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード等が例示できる。発光素子の発光波長としては、特に限定はされないが、青色領域、紫色領域又は紫外領域にピークを有することが好ましい。青色領域、紫色領域及び紫外領域である短波長領域にピーク波長を有する発光素子を用いることにより、銀膜又はアルミニウム膜と誘電体多層膜とを設けたことによる効果がより得られる。
発光ダイオード又はレーザダイオードの半導体層材料としては、特に限定はされないが、上記のように短波長領域にピーク波長を有するものとしては、窒化ガリウム(GaN)系、セレン化亜鉛(ZnSe)系、炭化ケイ素(SiC)系、酸化亜鉛(ZnO)系等が例示できる。
また、発光素子は、金膜の上に接合されて、フリップチップ実装されることにより、発光等に伴う発熱により生じた熱を配線基板に伝熱して、温度上昇を抑制することができる。
また、発光素子を金膜上に接合するために用いられる材料としては、特に限定はされないが、Au−Sn(金と錫との合金)を用いることが、金膜との接合強度が得られて好ましい。
配線基板にセラミック製の基板を用いることにより、上に実装された発光素子の発熱等による熱をよりよく放熱することができる。基板に用いられるセラミック材料としては、特に限定はされないが、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al2O3)、窒化ホウ素(BN)等が例示できる。
また、配線基板は、配線パターン形成される金膜と基板との間に他の金属からなる金属膜が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。このときの他の金属としては、特に限定はされないが、チタン(Ti)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等が例示でき、金属膜は、異なる金属からなる複数の金属膜が重ねられたものでもよい。また、配線基板は、セラミック基板の上面に、金膜が形成されていない素地部があってもよいし、なくてもよい。
発光素子が実装された部位を除く金膜の上に銀膜を製膜することにより、金膜より光の反射性に優れる銀膜の効果が得られ、発光装置の光束を高めることができる。また、上記素地部の一部に、銀膜を製膜することにより、発光素子等からの光のうち配線基板に入ろうとする光を反射して、発光装置の光束を高めることができる。但し、素地部の一部に銀膜を製膜する場合には、配線パターン形成された金膜を短絡しないように製膜される。
発光素子が実装された部位を除く金膜の上にアルミニウム膜を製膜することにより、金膜より光の反射性に優れるアルミニウム膜の効果が得られ、発光装置の光束を高めることができる。また、上記素地部の一部に、アルミニウム膜を製膜することにより、発光素子等からの光のうち配線基板に入ろうとする光を反射して、発光装置の光束を高めることができる。但し、素地部の一部にアルミニウム膜を製膜する場合には、配線パターン形成された金膜を短絡しないように製膜される。
誘電体多層膜が銀膜又はアルミニウム膜上に製膜されることにより、酸化や硫化等による銀膜又はアルミニウム膜の劣化を抑制することができる。
誘電体多層膜は、透明な誘電体の無機化合物からなる膜が複数重ねられており、各膜を構成している無機化合物は同じでもよいし、異なっていてもよい。屈折率の違いにより光の反射率を向上させることができることから、異なる無機化合物膜が重ねられているものが好ましい。
誘電体多層膜に用いられる無機化合物としては、特に限定はされないが、透明(特に発光素子及び後述する蛍光体の発光波長に対し透明)な酸化物やフッ化物であることが好ましい。
透明な酸化物としては、特に限定はされないが、酸化ケイ素(SiO2、500nmにおける屈折率が1.46)、酸化アルミニウム(Al2O3、500nmにおける屈折率が1.63)、酸化チタン(TiO2、500nmにおける屈折率が2.35)、酸化イットリウム(Y2O3、500nmにおける屈折率が1.87)、酸化ジルコニウム(ZrO2、500nmにおける屈折率が2.05)、酸化タンタル(Ta2O5、500nmにおける屈折率が2.1)、酸化セリウム(Ce2O3、500nmにおける屈折率が2.3)等が例示できる。
透明なフッ化物としては、特に限定はされないが、フッ化リチウム(LiF、500nmにおける屈折率が1.36)、フッ化マグネシウム(MgF2、500nmにおける屈折率が1.38)、フッ化カルシウム(CaF2、500nmにおける屈折率が1.4)、フッ化アルミニウム(AlF3、500nmにおける屈折率が1.4)、フッ化バリウム(BaF2、500nmにおける屈折率が1.4)、フッ化イットリウム(YF3、500nmにおける屈折率が1.52)、フッ化ランタン(LaF3、500nmにおける屈折率が1.59)、フッ化セリウム(CeF3、500nmにおける屈折率が1.63)等が例示できる。
このような無機化合物からなる膜の組み合わせとしては、特に限定はされないが、酸化ケイ素膜、酸化アルミニウム膜及び酸化チタン膜の組み合わせが好ましい。
このような誘電体多層膜の全膜厚としては、特に限定はされないが、50nm〜80nmの整数倍の厚さであり、且つ150nm〜1000nmであることが好ましい。50nm〜80nmの整数倍の厚さにすることにより、500nm以下(特に450nm〜460nm)の光の反射をよくすることができる。また、150nm未満では、銀膜又はアルミニウム膜を保護する保護膜としての機能を確保しにくく、1000nmを超えると光の干渉による反射作用を得ることが難しくなる。より好ましくは、50nm〜80nmの整数倍の厚さであり、且つ150nm〜500nmである。
発光装置は、発光素子から発せられる光により励起され、発光素子の発光波長とは異なる波長の光を発する蛍光体を発光素子の近傍に備えていてもよいし、備えていなくてもよい。そして、発光装置が蛍光体を備える場合には、銀膜やアルミニウム膜や誘電体多層膜は、発光素子からの光だけでなく、蛍光体からの光も反射する。
蛍光体としては、特に限定はされないが、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)蛍光体、ケイ酸塩蛍光体、これらの混合等が例示できる。
また、発光装置が蛍光体を備える場合の態様としては、特に限定はされないが、エポキシ樹脂やシリコーン等の封止剤中に蛍光体を分散させて用いる態様が例示できる。
LEDチップ11は、青色領域にピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系のものである。また、YAG蛍光体16が均一に分散された封止剤13によって覆われている。
図2に示す(なお、図2のaは、銀膜及び誘電体多層膜の製膜前の状態、即ち、配線パターン形成された金膜22を示す。)ように、配線基板20は、セラミック基板25の上面にメッキにより金(Au)膜22がパターン形成されたものである。配線基板20の上面には、LEDチップ11が実装される実装部21があり、実装部21には、金膜22が露出している。金膜22には、アノード電極とカソード電極とがあり、それぞれは互いに短絡しないようにして、配線基板20外の回路へと繋がっている。なお、カソード電極側の2つの角には表面カソードマーク27が形成されている。また、実装部21に露出している金膜22は、LEDチップ11を金と錫との合金により接合(Au−Sn接合)し、フリップチップ実装している。
実装部21の周りは、メッキにより銀(Ag)膜23(図2のハッチングの部分)が製膜されている。銀膜23は、金膜22上に形成されるとともに、配線基板20に入ろうとする光をより多く反射するため、セラミック基板25の上面の金膜22が形成されていな素地部26の略全体にも形成されている。但し、アノード電極とカソード電極とが銀膜23によって短絡しないよう、アノード電極上に形成されているものとカソード電極上に形成されているものとの間には、銀膜23がない欠落部24がある。銀膜23の上には、誘電体多層膜30(図2のハッチングの部分)が製膜されている。
金膜22は、膜厚が0.7μmであり、その下には膜厚が0.2μmの白金(Pt)膜があり、白金膜の下には膜厚が0.06μmのチタン(Ti)膜があり、チタン膜がセラミック基板25に接している。
銀膜23は、膜厚が150nmであり、その下には、金膜22との接着をよくするため、ニッケル(Ni)系の膜がある。
誘電体多層膜30は、異なる3つの酸化物の膜からなっている。最上層は、膜厚が150nmの酸化アルミニウム(Al2O3)膜が製膜されており、酸化アルミニウム膜の下には、膜厚が共に20nmの酸化ケイ素(SiO2)膜と酸化チタン(TiO2)膜とが製膜されている。従って、誘電体多層膜30の全膜厚は、190nmであり、約63nmの3倍になっている。
そして、このようにセットされた配線基板sに、キセノン(Xe)ランプ52を光源に用い、その光を直径約3mmのスポット光iにして、図3のbの円で囲んだ領域(ハッチングされた領域)に照射し、その反射光rの強度をディテクタ53により測定した。
このようにして測定した配線基板の反射光の強度を、硫酸バリウムで内面がコートされた附属の蓋により積分球の開口部を塞いだとき(ブランク)の反射光の強度で割った値を反射率とした。
特に、銀膜だけでは反射率の向上が期待できない、波長が380nm〜500nmの光束が高いものとなった。
また、窒化アルミニウム製の配線基板20を用いるとともに、その配線基板20にLEDチップ11を金と錫との合金で接合して、フリップチップ実装していることから、放熱性が良くなった。そのため、銀膜23の劣化が抑制され、発光装置10は光束が高い状態を長期間維持することができた。
また、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜及び酸化チタン膜からなる誘電体多層膜30で銀膜23が覆われている。そのため、銀膜23の劣化(特に硫化等)が抑制され、発光装置10は光束が高い状態を長期間維持することができた。
また、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜及び酸化チタン膜からなる誘電体多層膜30も光を反射することから、LEDチップ11等から発せられる光による銀膜23の劣化が抑制され、発光装置10は光束が高い状態を長期間維持することができた。
発光装置45は、銀膜の替わりにアルミニウム膜43を上面に製膜した配線基板40を用いた点が実施例1の発光装置10と異なり、その他の点については、発光装置10と同じである。そのため、図1、図2において、符号10を付しているものが本実施例の発光装置45に、符号20を付しているものが本実施例の配線基板40に、符号23を付しているものが本実施例のアルミニウム膜43にそれぞれ相当する。
また、アルミニウム膜43は、膜を構成する材料を銀からアルミニウムに変更した以外は、実施例1の銀膜23と同じである。
特に、アルミニウム膜だけでは反射率の向上が期待できない、波長が380nm〜500nmの光束が高いものとなった。
また、窒化アルミニウム製の配線基板40を用いるとともに、その配線基板40にLEDチップ11を金と錫との合金で接合して、フリップチップ実装していることから、放熱性が良くなった。そのため、アルミニウム膜43の劣化が抑制され、発光装置45は光束が高い状態を長期間維持することができた。
また、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜及び酸化チタン膜からなる誘電体多層膜30でアルミニウム膜43が覆われている。そのため、アルミニウム膜43の劣化が抑制され、発光装置45は光束が高い状態を長期間維持することができた。
また、酸化アルミニウム膜、酸化ケイ素膜及び酸化チタン膜からなる誘電体多層膜30も光を反射することから、LEDチップ11等から発せられる光によるアルミニウム膜43の劣化が抑制され、発光装置45は光束が高い状態を長期間維持することができた。
11 LEDチップ
16 蛍光体
20 配線基板
21 実装部
22 金膜
23 銀膜
25 セラミック基板
26 素地部
30 誘電体多層膜
40 配線基板
43 アルミニウム膜
45 発光装置
Claims (7)
- 発光素子を基板上に実装した発光装置において、
前記基板は、セラミック基板の上面に金膜が配線パターン形成された配線基板であり、
前記発光素子は、前記金膜の上に接合されて、フリップチップ実装され、
前記発光素子が実装された部位を除く前記金膜の上には、銀膜が製膜され、
前記銀膜の上には、500nm以下の光の反射率を前記銀膜を単独で用いた場合より高くする誘電体多層膜が製膜されている発光装置。 - 前記セラミック基板の上面には、前記金膜が形成されていない素地部があり、
前記素地部の一部に、銀膜が前記配線パターン形成された前記金膜を短絡しないように製膜されている請求項1記載の発光装置。 - 発光素子を基板上に実装した発光装置において、
前記基板は、セラミック基板の上面に金膜が配線パターン形成された配線基板であり、
前記発光素子は、前記金膜の上に接合されて、フリップチップ実装され、
前記発光素子が実装された部位を除く前記金膜の上には、アルミニウム膜が製膜され、
前記アルミニウム膜の上には、500nm以下の光の反射率を前記アルミニウム膜を単独で用いた場合より高くする誘電体多層膜が製膜されている発光装置。 - 前記セラミック基板の上面には、前記金膜が形成されていない素地部があり、
前記素地部の一部に、アルミニウム膜が前記配線パターン形成された前記金膜を短絡しないように製膜されている請求項3記載の発光装置。 - 前記フリップチップ実装は、Au−Sn接合によるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光素子は、青色領域、紫色領域又は紫外領域にピーク波長を有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の発光装置。
- 前記発光装置は、前記発光素子の近傍に蛍光体を有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置。
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