JP2011150840A - 走査型電子顕微鏡における傾斜角度測定方法及び走査型電子顕微鏡 - Google Patents

走査型電子顕微鏡における傾斜角度測定方法及び走査型電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】ステージ傾斜角測定用のセンサーや校正サンプルを使用することなく、正確な傾斜角度を取得する。
【解決手段】走査型電子顕微鏡1は、設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像し(ステップST2)、撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求め(ステップST5)、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求める(ステップST6)。
【選択図】図3

Description

本発明は走査型電子顕微鏡における傾斜角度測定方法及び走査型電子顕微鏡に関する。
走査型電子顕微鏡(SEM)の観察方法の1つとして、試料を斜めから観察することがある。このように試料を斜めから観察して得た画像と他の方向からの画像とを用いて試料の立体情報を得ることができる。このような観察を行うには、試料を載置したステージを傾斜させ電子線を電子光軸に沿って観察する方法及び電子ビームを傾斜させて試料に照射して観察する方法がある。
特許文献1には、電子線を放射する電子線源と、電子線を試料に照射する電子光学系と、試料を保持する試料ホルダと、試料ホルダと照射電子線とを相対的に傾斜させる試料傾斜部と、試料から出射される電子線を検出する電子線検出部と、試料ホルダと照射電子線とを相対的に傾斜させた際のステレオの検出データを所定の関係にデータ修正するデータ修正部とを備えているものが記載されている。
特許文献2には、試料傾斜時における観察対象領域の位置ずれの補正を精密かつ自動的に行うことができるようにするため、試料傾斜時に発生する観察対象領域の位置ずれの補正信号を生成するための手段を試料移動機構制御手段に配備し、試料移動機構は、この位置補正信号を受けて動作し、観察対象領域が試料傾斜前の空間位置に戻るように試料位置を補正するものが記載されている。
特許文献3には、形状既知の試料に収束電子線を照射し、前記試料表面から放出される電子を検出し、前記検出した電子の強度を画像化した画像を用い、前記形状既知の試料の画像上での幾何学的な変形をもとに収束電子線の入射方向を推定し、この推定した集束電子線の入射方向の情報を用いて観察対象試料のSEM画像から観察対象試料の3次元形状又は断面形状を求めるようにしたものが記載されている。
特開2002−270126公報 特開平8−106873号公報 特開2005−183369号公報
ところで従来上述した傾斜角度の正確な値を得にくいという問題があり、不正確な角度のまま観察を行ってしまうことがある。これに対処するため、ステージを傾斜させて電子線を試料に対して傾斜させる場合には、ステージの傾斜角を測定するセンサーを配置することが行われる。しかし、このような場合には、センサーを追加しなければならない他、センサーの制御系の安定性を担保しなければならず、必ずしも正確な測定が行なえないという問題がある。
また、電子ビームを傾斜させて入射させる場合には、校正サンプルを撮像し、得られた画像から傾斜角を測定するなどの対策がとられてきた(特許文献3参照)。しかし、この方法では、制御系の安定度や試料の帯電による影響などを加味することができず、得られる値が正確ではない場合がある。
これらのように得られる傾斜の値が正確でないと、試料の立体情報が不正確となり、例えばバンプの高さ寸法や、ホールの深さ寸法等を正確に計測することができなくなる。このような傾向は試料のパターンが小さくなるほど顕著となる。
そこで本発明は、ステージ傾斜角測定用のセンサーや校正サンプルを使用することなく、正確な傾斜角度を取得することができる走査型電子顕微鏡における傾斜角度測定方法及び走査型電子顕微鏡を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得するに際して前記電子線と試料との角度を測定する走査型電子顕微鏡の傾斜角度測定方法において、設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像し、撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求め、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求めることを特徴とする走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法において、前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法において、前記走査型電子顕微鏡は、傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法において、前記走査型電子顕微鏡は電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする。
請求項5の発明は、試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得する走査型電子顕微鏡において、設計データに基づいて作成され、前記設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求める倍率変化取得手段と、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求める傾斜角算出手段と、を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の走査型電子顕微鏡において、前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載の走査型電子顕微鏡において、傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5又は請求項6に記載の走査型電子顕微鏡において、電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする。
本発明によれば、設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像し、撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求め、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求めるので、傾斜センサーや構成サンプルを使用することなく試料観察時における試料に対する電子線の傾斜角度を正確に取得することができる。
実施例に係る走査型電子顕微鏡の顕微鏡本体の一例を示す模式図である。 走査型電子顕微鏡の制御系を示すブロック図である。 走査型電子顕微鏡の傾斜角度測定手順を示すフローチャートである。 (a)は走査型電子顕微鏡で取得した垂直入射画像を示す模式図、(b)は(a)中のB−B線に相当する試料の断面図を示す模式図である 走査型電子顕微鏡で取得した傾斜画像を示す模式図である。 倍率の変化量を求める処理を示す模式図である。 試料と画像とを対照するものであり、(a)は垂直照射の場合を示す模式図、(b)は傾斜照射の場合を示す模式図である。 傾斜角度を求める傾斜画像と設計データ比較状態を示す模式図である。
本発明に係る走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法は、試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得するに際して前記電子線と試料との角度を測定する走査型電子顕微鏡の傾斜角度測定方法において、設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像し、撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求め、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求めるものである。
また、本発明に係る走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法は、前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることができる。
また、本発明に係る走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法は、前記走査型電子顕微鏡は、傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射するものとできる。
また、本発明に係る走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法は、前記走査型電子顕微鏡は電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射するものとできる。
また、本発明に係る走査型電子顕微鏡は、試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得する走査型電子顕微鏡において、設計データに基づいて作成され、前記設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求める倍率変化取得手段と、前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求める傾斜角算出手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る走査型電子顕微鏡は、前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることができる。
さらに、本発明に係る走査型電子顕微鏡は、傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射するものとできる。
そして、本発明に係る走査型電子顕微鏡は、電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射するものとできる。
以下本発明の実施例に係る走査型電子顕微鏡について説明する。図1は実施例に係る走査型電子顕微鏡の顕微鏡本体の一例を示す模式図、図2は走査型電子顕微鏡の制御系を示すブロック図である。である。走査型電子顕微鏡1の顕微鏡本体10は、図1に示すように、鏡筒11内上部の電子線源12から発生した電子線13を、アライメントコイル14(走査手段)、スティグコイル15(第2走査補正手段)で補正し、対物レンズコイル16(収束手段)でフォーカスを調整し、試料室17に配置された試料18に走査する。試料18から発生する二次電子、反射電子などの荷電粒子19は検出器20で検出され、モニター等の画像表示手段22(図2参照)で試料像を表示される。
本例では、設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料、例えば集積回路のパターンが形成されたシリコンウエハーや、パターン形成用のマスクが試料として好適である。特徴点としてはパターンの特徴部分、例えばパターンの端縁部などを利用することができる。
本発明においては、走査型電子顕微鏡1は、図2に示すように、従来の走査型電子顕微鏡が備えるオートフォーカス装置21、液晶表示装置等の画像表示手段22及びキーボード、マウス等の入力手段23、顕微鏡本体10のアライメントコイル14、スティグコイル15を制御して電子線を傾斜させて試料に入射させる電子線傾斜制御部24を備える他、顕微鏡本体10内に配置される試料18の設計データが入力格納されている設計データ格納部25、顕微鏡本体10で取得した画像データと設計データ格納部25が格納している試料の設計データから傾斜角を算出する傾斜算出手段26を備えている。ここで、オートフォーカス装置21、設計データ格納部25、傾斜算出手段26は、CPU、HDD、ROM、RAM、I/O装置等を備えたコンピュータとして構成でき、このコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムを格納した記録媒体例えばCD−ROMを収納して、所定の手法で実行することにより走査型電子顕微鏡1の各装置12,14,15、16の制御、オートフォーカス装置21,傾斜算出手段26における処理機能を実現する。
本実施例では上記構成により、以下の手順で傾斜角度を測定する。図3は実施例に係る走査型電子顕微鏡の傾斜角度測定手順を示すフローチャートである。まず、電子線を傾斜させず、即ち垂直入射させて撮像を行い現在視野における画像(垂直画像)を取得しこれに基づいて撮像する個所の位置合せを行う(ステップST1)。次いで得られた画像に基づいて設計データ格納部25から当該個所の設計データを取得する。そして、電子線傾斜制御部24でのアライメントコイル14、スティグコイル15を制御して電子線を傾斜させ(ステップST3)撮像を実行し、傾斜画像を取得する(ステップST4)。
次に傾斜算出手段26によって、前記設計データ及び前記傾斜画像に基づいて電子線傾斜に起因する画像の変化(倍率)を算出する(ステップST5)。そして、前記設計データ、傾斜画像及び前記倍率に基づいて傾斜角度(θ)を算出する。
以下傾斜角度算出の詳細について説明する。図4(a)は走査型電子顕微鏡で取得した傾斜画像を示す模式図、図4(b)は図4(a)中のB−B船に相当する断面図である。試料30は、基板31上に縦方向(Y)及びこれに直交する横方向(X)に規則的な繰り返しパターン32が形成されている。本実施例に係る走査型電子顕微鏡1は試料30のうち、このような繰り返しパターン32が現れる個所を撮像することにより電子線の傾斜角度を測定する。ここで、この試料30は、設計データに基づいて作成されたものであり、設計データでは、各パターンのピッチ寸法、即ち縦ピッチ寸法(図4(a)中Pyに相当)及び横ピッチ寸法(同xに相当)が与えられ、前記設計データ格納部25に格納されている。また、図4中パターン32は凸部として立体的に形成されており、パターン32には、図4(b)に示すように、底面周縁32a、頂面周縁32bが現れている。なお、設計データと実際に作成された試料とではパターンの寸法(例えばパターン自体のx,y方向の寸法(Dx,DY))が一致しない場合がある。しかし、ピッチ寸法については設計データと試料とは一致することになる。
ここで、撮像したい角度にステージもしくは電子ビームを傾斜させる状態で、ステージ制御の精度誤差もしくは電子ビームの電気的誤差により、指定の傾斜角度からずれが生じている。
そこで、本例では、まず傾斜画像と設計データとに基づいて取得された画像の倍率を算出する。得られた傾斜画像は画像全体の倍率の変化と、傾斜に起因する縦横の倍率の相違とにより、垂直入射時の画像に比して、傾斜方向に縮んだ状態に画像が一様に変化してしまうからである。
図5は走査型電子顕微鏡で取得した傾斜画像を示す模式図である。試料30の傾斜画像40にはパターン像42が表示され、パターン像42は底面周縁像42a及び頂面周縁像42bを備えている。ここで、傾斜方向に垂直な方向の倍率誤差をMagVとすると、傾斜方向に沿う方向の誤差(MagH)は、
MagV*傾斜誤差 …式1
となる。まず、この倍率誤差(MagV)を求める。
図6は倍率の変化量を求める処理を示す模式図、図7は試料と画像とを対照するものであり、(a)は垂直照射の場合を示す模式図、(b)は傾斜照射の場合を示す模式図、図8は傾斜角度を求める傾斜画像と設計データ比較状態を示す模式図である。ここで、設計データ50にはパターン52が配置されている。この処理では、傾斜画像40(図6(a))と設計データ50(図6(b))とを比較する(図6(c))。そして、傾斜に垂直な方向のピッチPyにおいて、傾斜画像の値と、このパターンを示す設計データの値との比率が像全体に対する倍率の変化量となる。
傾斜画像の幅をBVS、設計データの幅をBVC、倍率の変化量(傾斜方向に垂直な誤差)をMagVとすると、倍率の変化量は以下のように求められる。図6中傾斜画像の傾斜方向に対して垂直な方向のピッチPyはBVS1、水平方向のピッチPxはBHS1となる。これに対応する設計データ50におけるパターン52のピッチPy、Pxは、それぞれBVC1、BHC1となる。
すると、
BVS=倍率誤差(MagV)*BVC …式2
であるから、
倍率誤差は、前記式1と、式2とから、
倍率誤差(MagV)=BVS/BVC …式3
として求まる。
次に求まった倍率誤差と傾斜画像及び設計データとに基づいて傾斜角度(θ)を算出する。走査型電子顕微鏡で得られる画像は、平行投影で得られたものであるため、図7に示すように、傾斜画像は傾斜方向に対して垂直画像に比して一様な縮みが発生している。
ここで、傾斜に沿う方向(図中左右方向)についてみると、パターン32の垂直画像60でのパターン像62の間隔(ピッチ)はW(図7(a)参照)、傾斜画像40でのパターン像42のピッチはWd(図8(b)参照)であり、試料を傾けた分だけピッチ間の寸法は均等に小さくなる。なお、図7中、では図示し易くするため、間に1つパターンを挟んだ2つのパターン間の距離W,Wdを示している。また、パターン像62は底面周縁像62a、頂面周縁像62bを備えている。
例えば、指定された傾斜が5度で実際の傾斜が4度だった場合、垂直入射での幅をB0とすると、指定傾斜での幅寸法をB5、真の傾斜での幅をB4は以下のようになる。
B5=B0*cos(5)
B4=B0*cos(4)
また、5度、4度での誤差を、それぞれMag5、Mag4とすると、以下のような値となる。
Mag5=B5/B0*100=99.62(%)
Mag4=B4/B0*100=99.76(%)
結果、4度と5度の場合で0.1%程度の違いしかない。そのため、計測する幅にはある程度大きな距離が必要となる。
そして、傾斜画像と設計データとに基づいて傾斜方向に平行(X方向)の幅寸法を求める。この処理では、この幅寸法が一致する設計データの倍率が像全体に対する倍率の変化量と傾斜方向に対する縦横比の変化量を乗算したものとなる。この処理では、この縦横比の変化量から傾斜角を求める。
傾斜算出手段26は、傾斜SEM像から寸法BHSを取得し、設計データ格納部25から設計データから幅寸法BHCを取得し、傾斜に起因する誤差をMagHとし、以下の計算でMagHを求める。
即ち、BHS=MagH*BHC …式4
であるから、
MagH=BHS/BHC …式5
となり、
傾斜角(θ)は以下の計算で求まる。
MagH=MagV*cos(θ) …式6
cos(θ)=MagH/MagV …式7
であるから、
θ=arccos(MagH/MagV) …式8
として求めることができる。
以上のように本発明によれば、傾斜センサーや構成サンプルを使用することなく試料観察時における試料に対する電子線の傾斜角度を正確に取得することができ、得られた傾斜角度の値に基づいて立体情報の処理及び評価、各種制御電圧の制御等様々な処理に使用することができる。また、本例に係る走査型電子顕微鏡における処理は簡単な計算であるため簡単な装置で高速に処理することができ、コストの上昇や処理の遅延を招くこともない。
なお、上記例では電子線を傾斜させて試料に入射して撮像する場合について説明したが、本発明は、試料を載置したステージを傾斜させる構成を備える走査型電子顕微鏡にも同様に適用することができる。
1 走査型電子顕微鏡
10 顕微鏡本体
11 鏡筒
12 電子線源
13 電子線
14 アライメントコイル
15 スティグコイル
16 対物レンズコイル
17 試料室
18 試料
19 荷電粒子
20 検出器
21 オートフォーカス装置
22 画像表示手段
23 入力手段
24 電子線傾斜制御部
25 設計データ格納部
26 傾斜算出手段
30 試料
31 基板
32 パターン
32a 底面周縁
32b 頂面周縁
40 傾斜画像
42 パターン像
42a 底面周縁像
42b 頂面周縁像
50 設計データ
52 パターン
52a 底面周縁像
52b 頂面周縁像
60 垂直画像
62 パターン像
62a 底面周縁像
62b 頂面周縁像

Claims (8)

  1. 試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得するに際して前記電子線と試料との角度を測定する走査型電子顕微鏡の傾斜角度測定方法において、
    設計データに基づいて作成される試料であって、設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像し、
    撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求め、
    前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求めることを特徴とする走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法。
  2. 前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法。
  3. 前記走査型電子顕微鏡は、傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法。
  4. 前記走査型電子顕微鏡は電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡における傾斜角測定方法。
  5. 試料に対して所定の角度だけ傾斜した方向から電子線を照射して、この電子線の照射によって前記試料から発生する2次電子又は反射電子を検出して画像を取得する走査型電子顕微鏡において、
    設計データに基づいて作成され、前記設計データにおいて距離計測の基準となる特徴点が直交する2方向に分布したパターンが形成される試料を撮像した現在視野画像中の傾斜方向と直交する方向に配置された特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離とに基づいて、現在視野画像の倍率変化を求める倍率変化取得手段と、
    前記現在視野画像中で傾斜方向に沿って配置される特徴点間の距離と、当該特徴点間の設計データ上の距離と、前記画像の倍率変化とに基づいて前記傾斜角を求める傾斜角算出手段と、を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。
  6. 前記試料に作成されるパターンは繰り返し現れる模様であり、前記特徴点として前記模様の端縁を選択し、隣接する2つの模様の端縁の間隔寸法を前記特徴点間の距離とすることを特徴とする請求項5に記載の走査型電子顕微鏡。
  7. 傾斜動作可能な試料台を備え、前記試料台を傾斜させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の走査型電子顕微鏡。
  8. 電子線を傾斜方向から試料に照射する電子線傾斜手段を備え、前記電子線傾斜手段を動作させて試料に対して傾斜方向から電子線を照射することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の走査型電子顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013196972A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Hitachi High-Tech Science Corp 試料観察方法、試料作製方法及び荷電粒子ビーム装置

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