JP2011145520A - 光ファイバ - Google Patents

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雅弘 湖東
Koji Okawa
光司 大川
Seichin Kin
成珍 金
Koichi Taniguchi
浩一 谷口
Masatoshi Tahira
昌俊 田平
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Abstract

【課題】比較的簡単な構成で、光ファイバの側面からクラッドを介して光を漏出させることができるようにする。
【解決手段】光ファイバ10は、ファイバ中心をなすコア15と、コア15の外周面を覆うクラッド20とを有するファイバ本体11で構成されている。クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバに関するものである。
従来より、光ファイバの端部から入射させた光を、光ファイバの側面からクラッドを介して漏光させることで、照明として利用することが知られている(特許文献1,2参照)。
例えば、特許文献1には、光ファイバの側面漏光を実現するために、コアと、コアの外周面を覆うクラッドとを有する光ファイバにおいて、クラッドの上面に、光ファイバの長手方向に沿って複数の切り込みを形成したものが開示されている。この切り込みは、クラッドを貫通してコアに到達しており、コアを導通する光の一部が切り込みから光ファイバの外部に漏出するようになっている。
特開2007−80735号公報 特開平7−270630号公報
しかしながら、従来の光ファイバでは、クラッドに切り込みを形成しているため、光ファイバがその切り込み箇所で破断したり、切り込み形成時にファイバ内部に歪みが生じる等、製品の信頼性を損なうおそれがあった。さらに、光ファイバを製造した後で、クラッドに切り込みを形成する加工を行うことから、作業工数が増大してコストがかかってしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単な構成で、光ファイバの側面からクラッドを介して光を漏出させることができるようにすることにある。
具体的に、本発明は、コアと、該コアの外周面を覆うクラッドとを有するファイバ本体を備えた光ファイバを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記クラッド内には気泡が含まれており、該気泡により、前記コアに伝送される光を散乱させて該クラッドの径方向外側に漏出させる光散乱部が構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、クラッド内には気泡が含まれる。この気泡により、コアを伝送する光が散乱してクラッドの径方向外側に漏出する光散乱部が構成される。
このような構成とすれば、光の散乱因子としての光散乱部をクラッド内に設けるだけで、コアに伝送される光を、光散乱部を介して光ファイバの側面から漏出させることができる。この光散乱部は、クラッド内に設けられるものであるため、例えば、側面漏光させるためにクラッドに切り込みを形成する場合のように、その切り込み箇所で光ファイバが破断してしまうおそれがなく、製品の信頼性を確保することができる。
具体的に、従来の光ファイバのように、クラッドの上面に、光ファイバの長手方向に沿って複数の切り込みを形成して、この切り込み箇所から光を漏出させるようにした構成では、光ファイバがその切り込み箇所で破断したり、切り込み形成時にファイバ内部に歪みが生じる等、製品の信頼性を損なうおそれがあった。さらに、光ファイバを製造した後で、クラッドに切り込みを形成する加工を行うことから、作業工数が増大してコストがかかってしまうという問題があった。
これに対し、本発明では、クラッド内に気泡を発生させることで光散乱部を設けるようにしたから、クラッドに切り込みを形成したときのように、その切り込み箇所で光ファイバが破断してしまうおそれがなく、製品の信頼性を確保することができる。さらに、このような光散乱部は、光ファイバの製造過程においてクラッド内に設けることができるから、光ファイバの製造後に切り込み工程を行う必要がなく、作業工数を低減してコストを抑えることができる。
なお、このような光ファイバは、照明装置や液晶モニタのバックライト等として様々な分野に利用可能である。
第2の発明は、第1の発明において、
前記光散乱部は、前記クラッドの周方向における所定領域のみに設けられていることを特徴とするものである。
第2の発明では、クラッドの周方向における所定領域のみに光散乱部が設けられる。このような構成とすれば、クラッドの周方向の全領域にわたって光散乱部を設けた場合に比べて、光の出射方向を所定領域側に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
第3の発明は、第1の発明において、
前記光散乱部は、前記クラッドの内周部及び外周部にそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
第3の発明では、クラッドの内周部及び外周部にそれぞれ光散乱部が設けられる。このような構成とすれば、クラッドの内周部に設けた光散乱部によって、コアに伝送される光をクラッド内に取り出す一方、クラッドの外周部に設けた光散乱部によって光ファイバの側面から光を漏出させることができる。また、クラッドの内周部と外周部との間の中間領域には光散乱部が存在しないため、その中間領域を通過する光は、拡散することなく光ファイバの側面から漏出される。そのため、光を効率良く取り出すことができる。
第4の発明は、第1の発明において、
前記クラッドの外周面には、凹状又は凸状のレンズ面が形成されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、凹状又は凸状のレンズ面がクラッドの外周面に形成される。このような構成とすれば、光散乱部を介してコアからクラッド内に伝送された光を、クラッドの外周面に形成されたレンズ面で集光して光ファイバの側面から出射させることができ、光が拡散するのを抑えて効率良く取り出すことができる。
第5の発明は、第1の発明において、
前記クラッド内に含まれる前記気泡の量は、前記コアの入射側から出射側に向かって多くなっていることを特徴とするものである。
第5の発明では、コアの入射側から出射側に向かってクラッド内に含まれる気泡の量が多くなっている。このような構成とすれば、光ファイバの長手方向に沿って均一な光量で光を漏出させることができる。
具体的に、クラッド内に含まれる気泡の量がコアの入射側から出射側にかけて均一である場合には、光ファイバの側面から漏出する光の光量は、入射側から出射側にかけて減衰してしまう。そのため、光ファイバの入射側と出射側とで漏出する光の光量にバラツキが生じてしまうおそれがある。
これに対し、本発明では、コアの入射側から出射側にかけてクラッド内に含まれる気泡の量を多くするようにしたから、入射側では気泡の量が少ないために漏出する光の光量が抑えられる一方、出射側では漏出する光の光量が多くなる。そして、コアを伝送する光は、入射側から出射側にかけて減衰していくため、光ファイバの側面から漏出する光の光量は、長手方向に沿って全体的に均一となり、バラツキを抑えることができる。
第6の発明は、第1の発明において、
前記ファイバ本体は、溶融した前記クラッドが貯留されたコーティングダイス槽内を、所定の線引き速度で前記コアを通過させることで、該コアの外周面を該クラッドで覆うように形成されたものであり、
前記光散乱部を構成する気泡は、
溶融した前記クラッド内を前記コアが通過する際の流動抵抗によって該クラッド内に気泡が発生するように、前記線引き速度を調整する工程と、
前記コーティングダイス槽内に、パージガスとして不活性ガスを供給する工程と、
前記コアの外周面を覆う硬化途中の前記クラッドに対して振動を与える工程とのうち、少なくとも1つの工程を行うことで形成されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、溶融したクラッドが貯留されたコーティングダイス槽内を、所定の線引き速度でコアを通過させる。これにより、コアの外周面がクラッドで覆われてファイバ本体が形成される。光散乱部を構成する気泡は、溶融したクラッド内をコアが通過する際の流動抵抗によってクラッド内に気泡が発生するように、線引き速度を調整する工程と、コーティングダイス槽内に、パージガスとして不活性ガスを供給する工程と、コアの外周面を覆う硬化途中のクラッドに対して振動を与える工程とのうち、少なくとも1つの工程を行うことで形成される。
このような構成とすれば、光ファイバの製造過程においてクラッド内に光散乱部を形成することができるから、光ファイバの製造後に側面漏光用の切り込みを形成する等の別の工程を行う必要がなく、作業工数を低減してコストを抑えることができる。
第7の発明は、第1の発明において、
前記光散乱部を構成する気泡の直径D[nm]、前記コア内に伝送される光の波長λ[nm]が、
0.4<πD/λ<3
という条件を満たすように設定されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、光散乱部を構成する気泡の直径と、コア内に伝送される光の波長とが、上述した条件を満たすように設定される。
このような構成とすれば、光散乱部を構成する気泡の直径を、光の波長との関係でミー散乱が生じるように設定することで、コアから散乱させた光がそのまま進行方向に進む比率が高くなることから、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
第8の発明は、第1乃至第7の発明のうち何れか1つにおいて、
前記クラッドの外周面における所定領域には、前記光散乱部を介して該クラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるための反射膜が設けられていることを特徴とするものである。
第8の発明では、クラッドの外周面における所定領域には反射膜が設けられる。この反射膜は、光散乱部を介してクラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるものである。
このような構成とすれば、光の出射方向を、反射膜で反射された光が向かう方向に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
第9の発明は、第1乃至第7の発明のうち何れか1つにおいて、
前記クラッドの径方向外側には、該クラッドと間隔をあけて配置され且つ前記光散乱部を介して該クラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるための反射部材が設けられていることを特徴とするものである。
第9の発明では、クラッドの径方向外側には、クラッドと間隔をあけて反射部材が配置される。この反射部材は、光散乱部を介してクラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるためのものである。
このような構成とすれば、光の出射方向を、反射部材で反射された光が向かう方向に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
本発明によれば、気泡で構成される光散乱部をクラッド内に設けることで、コアに伝送される光を、光散乱部を介して光ファイバの側面から漏出させることができる。この光散乱部は、クラッド内に設けられるものであるため、例えば、側面漏光させるためにクラッドに切り込みを形成する場合のように、その切り込み箇所で光ファイバが破断してしまうおそれがなく、製品の信頼性を確保することができる。
さらに、このような光散乱部は、光ファイバの製造過程においてクラッド内に設けることができるから、光ファイバの製造後に切り込み工程を行う必要がなく、作業工数を低減してコストを抑えることができる。
(a)は本発明の実施形態1に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、(b)は横断面図である。 光ファイバの製造工程を示す模式図である。 (a)は本変形例1に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、(b)は横断面図である。 (a)は本変形例2に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、(b)は横断面図である。 本実施形態2に係る光ファイバの構成を示す横断面図である。 本実施形態2に係る光ファイバの別の構成を示す横断面図である。 本実施形態3に係る光ファイバの構成を示す縦断面図である。 本実施形態4に係る光ファイバの構成を示す縦断面図である。 本実施形態5に係る光ファイバの構成を示す横断面図である。 本発明の光ファイバを照明装置として利用した構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
図1(a)は、本発明の実施形態1に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、図1(b)は横断面図である。図1に示すように、この光ファイバ10は、ファイバ中心をなすコア15と、コア15の外周面を覆うクラッド20とを有するファイバ本体11で構成されている。
前記コア15は、石英ガラスにより構成されている。クラッド20は、例えば、熱硬化性を有するシリコーン系樹脂により構成されている。コア15には、ゲルマニウム(Ge)がドープされており、クラッド20より屈折率が高くなっている。これにより、光ファイバ10は、入射された光がコア15とクラッド20との界面で反射を繰り返しながらコア15内を伝送するように構成されている。
前記クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡で構成されている。
このように、クラッド20内に光散乱部21としての気泡が存在することで、コア15とクラッド20との屈折率差が低下して光の閉じ込め作用が弱くなる。そのため、コア15に伝送される光を、光散乱部21を介して光ファイバ10の側面から漏出させることができる。この光散乱部21は、クラッド20内に設けられるものであるため、例えば、側面漏光させるためにクラッド20に切り込みを形成する場合のように、その切り込み箇所で光ファイバ10が破断してしまうおそれがなく、製品の信頼性を確保することができる。
ここで、前記光散乱部21を構成する気泡の直径D[nm]と、コア15内に伝送される光の波長λ[nm]とは、下記の(1)式を満たすように設定されている。
0.4<πD/λ<3 ・・・(1)
この(1)式は、コア15から散乱させた光がそのまま進行方向に進む比率が高くなるように設定された、いわゆるミー散乱を生じさせるための条件式であり、必要な光量を効率良く取り出すことができ、大きな発光強度を得ることができる。
具体的に、光ファイバ10のコア15に可視光(波長360〜780nm)を伝送させる場合には、気泡21の直径は46〜745nmとするのが好ましい。また、紫外光(波長100〜400nm)を伝送させる場合には、気泡21の直径を13〜793nmとするのが好ましい。
前記光散乱部21を構成する気泡は、ファイバ本体11の製造過程においてクラッド20内に形成されたものであり、その製造工程については後述する。
<光ファイバの製造工程>
次に、図2を用いて、本実施形態1の光ファイバ10の製造方法について説明する。ここで、図2は、光ファイバ10の製造工程を示す模式図である。
図2に示すように、所定温度(例えば、1950℃〜2050℃)に設定された紡糸炉1において、断面円形状の石英製のコア材5を加熱及び延伸して、所定の線引き速度(1m/min〜20m/min)でファイバ状に線引きすることによりコア15を形成する。
次に、形成したコア15を、コーティングダイス槽2内に満たされた低粘度の熱硬化性を有するシリコーン系樹脂6に浸漬する。このコーティングダイス槽2は、その出口側開口部が下流側に向かうに従って先細となっている。
そして、コア15をシリコーン系樹脂6に浸漬させた後、巻取ローラ8を反時計回り方向に回転させて巻き取ることにより、コア15の外周面に断面円形状のクラッド20を形成する。なお、コーティングダイス槽2と巻取ローラ8との間には、補助ローラ3,4が配置され、コーティングダイス槽2から引き取られたファイバ本体11が巻き掛けられている。
ここで、本発明では、コア15をコーティングダイス槽2から引き取る際に、クラッド20内に光散乱部21としての気泡を発生させるようにしている。この気泡を発生させる工程としては、以下の第1〜第3の工程が考えられる。
第1の工程では、コーティングダイス槽2内を通過するコア15の線引き速度を調整する。具体的には、溶融したクラッド20(シリコーン系樹脂6)内をコア15が通過する際の流動抵抗によってクラッド20内に気泡21が発生するように、線引き速度を速くする。
なお、クラッド20内に気泡21が発生すると、光ファイバ10の光の伝送性能が低下するため、クラッド20内に気泡21が発生しない線引き速度でコア15を引き取るのが通常の製造工程であるが、本発明では、光ファイバ10の側面漏光を実現するために、敢えて線引き速度を通常よりも速くすることで、クラッド20内に気泡21を発生させるようにしている。
第2の工程では、コーティングダイス槽2内に、パージガスとしてアルゴン等の不活性ガスを供給する。通常の製造工程では、パージガスとして二酸化炭素を用いるようにしているが、本発明では、コーティングダイス槽2内に不活性ガスを供給することで、クラッド20内に気泡21が発生しやすくしている。
第3の工程では、コア15の外周面を覆う硬化途中のクラッド20に対して、超音波等により振動を与える。例えば、コーティングダイス槽2の出口側開口部の近傍に超音波振動子を配置して、コア15及びクラッド20がコーティングダイス槽2から引き出される前に、コア15の外周面を覆うクラッド20内に気泡21を発生させるようにする。
以上のような第1〜第3の工程は、全て同時に行うようにしてもよいし、何れか1つ又は2つの工程のみを行うようにしてもよい。また、クラッド20内に含まれる気泡21の密度は、クラッド20の体積の1%〜90%の範囲、より好ましくは、10%〜90%の範囲となるように制御するのが好ましい。
このような構成とすれば、光ファイバ10の製造過程においてクラッド20内に光散乱部21としての気泡を形成することができるから、光ファイバ10の製造後に側面漏光用の切り込みを形成する等の別の工程を行う必要がなく、作業工数を低減してコストを抑えることができる。
なお、前記クラッド20内に気泡21を発生させるためには、第1〜第3の工程を行う他にも、出口側開口部の傾斜角度を変更したコーティングダイス槽2を用いるようにしてもよい。
具体的に、本実施形態1に係る光ファイバ10を製造する際に、クラッド20内に気泡21を発生させない通常の光ファイバ10の製造工程で用いるコーティングダイス槽2に比べて、出口側開口部の傾斜角度が鋭角となったコーティングダイス槽2を用いるようにする。これにより、コア15及びクラッド20がコーティングダイス槽2の出口側開口部を通過する際に、その流動抵抗によってクラッド20内に気泡21を発生させることができる。
《変形例1》
図3(a)は、本変形例1に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、図3(b)は横断面図である。図3に示すように、クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が、その周方向の所定領域のみに設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20の上側半分に分布する気泡21で構成されている。
このような構成とすれば、クラッド20の周方向の全領域にわたって光散乱部21を設けた場合に比べて、光の出射方向を光ファイバ10の上方向に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
《変形例2》
図4(a)は、本変形例2に係る光ファイバの構成を示す縦断面図、図4(b)は横断面図である。図4に示すように、クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が、クラッド20の内周部及び外周部にそれぞれ設けられている。具体的に、この光散乱部21は、コア15の外周面を囲むようにクラッド20の内周部に分布する気泡21と、クラッド20の外周部に分布する気泡21とで構成されている。なお、クラッド20の内周部と外周部との間の中間領域には、気泡21が設けられていないものとする。
このような構成とすれば、クラッド20の内周部に設けた気泡21によって、コア15に伝送される光をクラッド20内の中間領域に取り出す一方、クラッド20の外周部に設けた気泡21によって光ファイバ10の側面から光を漏出させることができる。また、クラッド20の内周部と外周部との間の中間領域には気泡21が存在しないため、その中間領域を通過する光は、拡散することなく光ファイバ10の側面から漏出される。そのため、光を効率良く取り出すことができる。
《実施形態2》
図5は、本実施形態2に係る光ファイバの構成を示す横断面図である。図5に示すように、この光ファイバ10は、ファイバ中心をなすコア15と、コア15の外周面を覆うクラッド20とを有するファイバ本体11で構成されている。
前記クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡21で構成されている。
また、前記クラッド20の外周面の一部(図5で上側面)には、凹状のレンズ面22が形成されている。このレンズ面22は、光散乱部21を介してコア15からクラッド20内に伝送された光を、光ファイバ10の上面に集光して出射させるものである。これにより、光が拡散するのを抑えて光を効率良く取り出すことができる。
なお、本実施形態2では、クラッド20の外周面に凹状のレンズ面22を形成するようにしたが、図6に示すように、凸状のレンズ面22を形成するようにしてもよい。
《実施形態3》
図7は、本実施形態3に係る光ファイバの構成を示す縦断面図である。図7に示すように、クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡21で構成されている。
前記クラッド20内に含まれる気泡21の量は、コア15の入射側から出射側に向かって多くなっている。このような構成とすれば、光ファイバ10の長手方向に沿って均一な光量で光を漏出させることができる。
具体的に、クラッド20内に含まれる気泡21の量がコア15の入射側から出射側にかけて均一である場合には、光ファイバ10の側面から漏出する光の光量は、入射側から出射側にかけて減衰してしまう。そのため、光ファイバ10の入射側と出射側とで漏出する光の光量にバラツキが生じてしまうおそれがある。
これに対し、本発明では、コア15の入射側から出射側にかけてクラッド20内に含まれる気泡21の量を多くするようにしたから、入射側では気泡21の量が少ないために漏出する光の光量が抑えられる一方、出射側では漏出する光の光量が多くなる。そして、コア15を伝送する光は、入射側から出射側にかけて減衰していくため、光ファイバ10の側面から漏出する光の光量は、長手方向に沿って全体的に均一となり、バラツキを抑えることができる。
《実施形態4》
図8は、本実施形態4に係る光ファイバの構成を示す縦断面図である。図8に示すように、クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡21で構成されている。
そして、前記クラッド20の外周面における所定領域(図8で下側面)には反射膜23がコーティングされている。この反射膜23は、光散乱部21を介してクラッド20の径方向下側に散乱する光を反射させ、光ファイバ10の上面から出射させるものである。これにより、光の出射方向を、反射膜23で反射された光が向かう方向に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
《実施形態5》
図9は、本実施形態5に係る光ファイバの構成を示す横断面図である。図9に示すように、クラッド20内には、コア15に伝送される光を散乱させてクラッド20の径方向外側に漏出させる光散乱部21が設けられている。具体的に、この光散乱部21は、クラッド20内の周方向及び径方向の全領域にわたって分布する気泡21で構成されている。
そして、前記クラッド20の径方向外側(図9で下方側)には、クラッド20と間隔をあけて板状の反射部材24が配置されている。この反射部材24は、光散乱部21を介してクラッド20の下方側に散乱する光を反射させ、光ファイバ10の上側面から出射させるものである。これにより、光の出射方向を、反射部材24で反射された光が向かう方向に限定することができ、必要な光量を効率良く取り出すことができる。
《その他の実施形態》
なお、上述した実施形態及び変形例に係る光ファイバ10を利用して、図10に示す照明装置25を形成するようにしてもよい。具体的に、図10に示すように、この照明装置25は、クラッド20内に光散乱部21を設けて側面漏光が可能となった光ファイバ10を、光の出射面が外側を向くように円筒状に巻回させることで構成されている。そして、光ファイバ10の入射側端部に光源26を接続して光を入射させることで、照明装置25の外周面から光が漏出するようになっている。
また、光ファイバ10を巻回させる形態の他にも、例えば、光ファイバ10を並列に配置して面発光できるようにすれば、液晶モニタのバックライト等として利用可能であり、様々な技術分野に応用可能である。
以上説明したように、本発明は、比較的簡単な構成で、光ファイバの側面からクラッドを介して光を漏出させることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
2 コーティングダイス槽
10 光ファイバ
11 ファイバ本体
15 コア
20 クラッド
21 光散乱部(気泡)
22 レンズ面
23 反射膜
24 反射部材

Claims (9)

  1. コアと、該コアの外周面を覆うクラッドとを有するファイバ本体を備えた光ファイバであって、
    前記クラッド内には気泡が含まれており、該気泡により、前記コアに伝送される光を散乱させて該クラッドの径方向外側に漏出させる光散乱部が構成されていることを特徴とする光ファイバ。
  2. 請求項1において、
    前記光散乱部は、前記クラッドの周方向における所定領域のみに設けられていることを特徴とする光ファイバ。
  3. 請求項1において、
    前記光散乱部は、前記クラッドの内周部及び外周部にそれぞれ設けられていることを特徴とする光ファイバ。
  4. 請求項1において、
    前記クラッドの外周面には、凹状又は凸状のレンズ面が形成されていることを特徴とする光ファイバ。
  5. 請求項1において、
    前記クラッド内に含まれる前記気泡の量は、前記コアの入射側から出射側に向かって多くなっていることを特徴とする光ファイバ。
  6. 請求項1において、
    前記ファイバ本体は、溶融した前記クラッドが貯留されたコーティングダイス槽内を、所定の線引き速度で前記コアを通過させることで、該コアの外周面を該クラッドで覆うように形成されたものであり、
    前記光散乱部を構成する気泡は、
    溶融した前記クラッド内を前記コアが通過する際の流動抵抗によって該クラッド内に気泡が発生するように、前記線引き速度を調整する工程と、
    前記コーティングダイス槽内に、パージガスとして不活性ガスを供給する工程と、
    前記コアの外周面を覆う硬化途中の前記クラッドに対して振動を与える工程とのうち、少なくとも1つの工程を行うことで形成されていることを特徴とする光ファイバ。
  7. 請求項1において、
    前記光散乱部を構成する気泡の直径D[nm]、前記コア内に伝送される光の波長λ[nm]が、
    0.4<πD/λ<3
    という条件を満たすように設定されていることを特徴とする光ファイバ。
  8. 請求項1乃至7のうち何れか1つにおいて、
    前記クラッドの外周面における所定領域には、前記光散乱部を介して該クラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるための反射膜が設けられていることを特徴とする光ファイバ。
  9. 請求項1乃至7のうち何れか1つにおいて、
    前記クラッドの径方向外側には、該クラッドと間隔をあけて配置され且つ前記光散乱部を介して該クラッドの径方向外側に散乱する光を反射させ、その反対面から出射させるための反射部材が設けられていることを特徴とする光ファイバ。
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