JP2011144761A - システム制御装置 - Google Patents

システム制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2011144761A
JP2011144761A JP2010006667A JP2010006667A JP2011144761A JP 2011144761 A JP2011144761 A JP 2011144761A JP 2010006667 A JP2010006667 A JP 2010006667A JP 2010006667 A JP2010006667 A JP 2010006667A JP 2011144761 A JP2011144761 A JP 2011144761A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control device
turbine
vector
exhaust
regression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010006667A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Nakada
勇人 仲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010006667A priority Critical patent/JP2011144761A/ja
Publication of JP2011144761A publication Critical patent/JP2011144761A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

【課題】 動的状態が少なくとも2つの間で切り替わるシステムの制御をより良好に行うことができるもの、具体的には、ハンチングを効果的に抑制できるものを提供する。
【解決手段】 入力及び出力の時系列データから、システムを区分的アフィンシステムとして複数の動的状態の各々におけるシステムモデルを同定し、同定されたシステムモデルに基づいてシステムを制御する、システム制御装置であって、入力及び出力の時系列データを要素として含む回帰ベクトルの空間である回帰空間を動的状態の数に領域分割した場合に隣接する領域間を区分する分離超平面と、現在の回帰ベクトルとの、回帰空間中における距離に基づいて、システムの制御状態を判定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、動的状態が少なくとも2つの間で切り替わるシステムを制御する、システム制御装置に関する。
例えば、内燃機関を備えたシステムにおいては、排気浄化触媒の暖機/未暖機、機関の定常/過渡運転、過給機の作動/不作動、あるいは多段過給における過給状態の切り替えによって、機関の動的運転状態が不連続的(離散的)に切り替わる。このような複雑なシステムの動特性を同定し、この同定されたモデルを用いて当該システムの制御を行う装置においては、当該モデルを単一の線型モデルとすると、制御誤差が大きくなり、高精度の制御を行うことができなかった。
そこで、本発明の発明者は、当該システムにおける入力及び出力の時系列データから、前記システムを区分的アフィンシステム(区分的アフィンモデル:なお、「アフィン」は「アファイン」と表記されることもある。)として複数の前記動的状態の各々におけるシステムモデルを同定し、同定された前記システムモデルに基づいて前記システムを制御する装置を、既に提案した(例えば、特開2008−280912号公報参照。)。本発明は、かかる装置において、前記システムの制御をより良好に行うことができるもの、具体的には、ハンチングを効果的に抑制できるものを提供する。
<構成>
本発明のシステム制御装置の特徴は、回帰空間中における分離超平面と現在の回帰ベクトルとの距離に基づいて、前記システムの制御状態を判定する、制御状態判定手段を備えたことにある。ここで、前記「回帰ベクトル」は、前記入力及び前記出力の時系列データを要素として含むベクトルである。また、前記「回帰空間」とは、前記回帰ベクトルの空間である。また、前記「分離超平面」とは、前記回帰空間を前記動的状態の数に領域分割した場合に、隣接する領域間を区分する面である。
例えば、前記制御装置判定手段は、所定時間以上前記距離が所定の判定値以下であるか否かを判定するようになっていてもよい。この場合、本発明のシステム制御装置は、前記所定時間以上前記距離が前記判定値以下である場合に、当該距離を大きくするように、前記システムに対する次回の前記入力を決定する、制御入力決定手段をさらに備え得る。この制御入力決定手段は、前記回帰空間中にて、前記回帰ベクトルの時間微分ベクトルと、前記分離超平面の法線ベクトルとが、鋭角をなすように、前記システムに対する次回の前記入力を決定するものであってもよい。また、前記制御入力決定手段は、前記出力の変動に応じて、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとのなす角を変更するようになっていてもよい。
本発明の適用対象としての前記システムには、内燃機関を備えたもの(内燃機関システム)が含まれ得る。この内燃機関システムは、例えば、前記内燃機関の他に、第一及び第二過給機と、第一及び第二切替弁と、タービン間排気圧センサと、を備え得る。
前記内燃機関は、吸気通路及び排気通路と接続されている。前記第一過給機は、前記排気通路に配設された第一タービンと、前記吸気通路に配設された第一コンプレッサと、を備えている。前記第二過給機は、前記第一タービンよりも排気流動方向における下流側の前記排気通路に配設された第二タービンと、前記第一コンプレッサよりも吸気流動方向における上流側の前記吸気通路に配設された第二コンプレッサと、を備えている。前記第一切替弁は、前記第一タービンをバイパスする第一バイパス通路に配設されている。前記第二切替弁は、前記第二タービンをバイパスする第二バイパス通路に配設されている。前記タービン間排気圧センサは、前記第一タービンと前記第二タービンとの間の排気圧であるタービン間排気圧に応じた出力を生じるようになっている。
上述の構成を備えた内燃機関システムは、前記第一及び第二切替弁の開閉の切り替えによって前記動的状態が切り替わるようになっている。そして、この場合、前記システム制御装置は、入力としての前記第一及び第二切替弁の開度及び出力としての前記タービン間排気圧の時系列データから、前記システムを区分的アフィンシステムとして複数の前記動的状態の各々におけるシステムモデルを同定し、同定された前記システムモデルに基づいて当該内燃機関システムを制御するようになっている。また、前記制御入力決定手段としての開度決定手段は、前記所定時間以上前記距離が前記判定値以下である場合に、当該距離を大きくするように、前記第一及び第二切替弁の開度を決定するものである。
区分的アフィンシステムの同定には、「外部入力付き区分的アフィン自己回帰モデル(PWARX model:PWARXは“Piece-Wise affine AutoRegressive eXogeneous”の略)」が好適に用いられ得る。このPWARXモデルは、複数の外部入力付き自己回帰モデル(ARX model:ARXは“AutoRegressive eXogeneous”の略)を条件によって切り替えることで、この種のシステムの解析及び制御をより精度よく行うことができるものである(区分的アフィンモデルであるPWARXモデルは「区分的ARXモデル」と称されることもある。)。ARXモデルは、自己回帰モデルの一種であり、システムを同定する際に用いられる周知のモデルである。
区分的アフィンモデル及びPWARXモデルについては、例えば、以下の参考文献を参照:(1)Hayato Nakada, Kiyotsugu Takaba, & Tohru Katayama,“Identification of piecewise affine systems based on statistical clustering technique”,Automatica,vol.41,905-913,2005、(2)鷹羽 浄嗣、仲田 勇人、「区分的アフィンシステムの同定」、システム/制御/情報、システム制御情報学会、vol.50,No.3,pp.87-92,2006、(3)平田 光男、野口 栄、足立 修一、「速度や変位の絶対値で切り替わるメカニカルハイブリッドシステムの同定法」、電気学会論文誌C、電気学会、Vol.128,No.5,pp.781-787,2008。
<作用・効果>
かかる構成を備えた本発明のシステム制御装置は、まず、前記入力及び前記出力(具体的には前記第一及び第二切替弁の開度並びに前記タービン間排気圧)の時系列データを取得する。
次に、本発明のシステム制御装置は、前記システムを区分的アフィンシステムとして、複数の前記動的状態の各々における前記システムモデルを同定する。これにより、複数の前記システムモデルの各々におけるモデルパラメータが取得(推定)される。かかるシステムモデルの同定には、例えば、データクラスタリング等が好適に用いられ得る(上記各参考文献を参照)。
また、本発明のシステム制御装置は、取得した時系列データに基づいて前記回帰空間を前記動的状態の数に領域分割することで、前記分離超平面を取得する。かかる領域分割には、例えば、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)あるいはソフトマージンサポートベクターマシン(soft margin SVM)等が好適に用いられ得る(上記各参考文献を参照)。
また、本発明のシステム制御装置は、現在の前記入力及び前記出力に基づいて、現在の前記回帰ベクトルを取得する。そして、本発明のシステム制御装置は、前記制御状態判定手段により、前記分離超平面と現在の前記回帰ベクトルとの距離に基づいて、前記システムの制御状態を判定する。すなわち、本発明のシステム制御装置は、現在の運転パラメータが、区分的アフィンモデルにおける各サブモデル間の境界面である前記分離超平面付近に(一定時間)存在する場合に、現在の運転状態が安定的でないと判定する。
具体的には、例えば、前記制御状態判定手段は、前記所定時間以上前記距離が前記判定値以下である場合に、前記システムの現在の制御状態(運転状態)がハンチング領域(ハンチングが生じている又は生じやすい領域)にあると判定する。この場合、前記制御入力決定手段(前記開度決定手段)は、前記距離を大きくするように、前記システムに対する次回の前記入力(前記第一及び第二切替弁の開度)を決定する。より詳細には、前記制御入力決定手段は、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとが鋭角をなすように、前記システムに対する次回の前記入力を決定する。
なお、前記出力(前記タービン間排気圧)の変動に応じて、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとのなす角を変更することで、より適切な制御が実現される。例えば、前記出力の変動が大きい(変動量が所定の閾値を超える)場合に、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとのなす角を90度に近づけることで、当該出力の急激な変動を抑制することができる。
このように、本発明によれば、前記回帰空間上における、ハンチングが発生しやすい領域を回避するように、システム制御が行われる。したがって、本発明によれば、この種の装置におけるハンチングの発生が、効果的に抑制される。特に、複数のアクチュエータ(動作部)の動作状態に応じて前記動的状態が切り替わる前記システムにおける、複数の当該アクチュエータが協調したハンチング回避動作が、より適切に行われる。
本発明の一実施形態に係るシステム制御装置が適用されるシステムである内燃機関システムの概略図である。 図1に示されている本発明の一実施形態としての電気制御装置が採用する、過給モードと各種切替弁の開閉状態との関係の一例を示す概略図である。 図1に示されている本発明の一実施形態としての電気制御装置に備えられたCPUが実行するルーチン(動特性モデル化ルーチン)を示したフローチャートである。 図1に示されている本発明の一実施形態としての電気制御装置に備えられたCPUが実行するルーチン(「モデル化後過給系弁制御ルーチン)を示したフローチャートである。 図1に示されている本発明の一実施形態としての電気制御装置に備えられたCPUが実行するルーチン(ECV・EBV指示開度決定サブルーチン)を示したフローチャートである。 図1に示されている本発明の一実施形態としての電気制御装置が採用する、過給モードと各種切替弁の開閉状態との関係の他の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態に関する記載は、法令で要求されている明細書の記載要件(記述要件・実施可能要件)を満たすために、本発明の具体化の単なる一例を、可能な範囲で具体的に記述しているものにすぎない。
よって、後述するように、本発明が、以下に説明する実施形態の具体的構成に何ら限定されるものではないことは、全く当然である。本実施形態に対して施され得る各種の変更(modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
<装置構成の概要>
図1を参照すると、本発明の適用対象である内燃機関システム1は、内燃機関2と、吸気系統3と、排気系統4と、EGR装置5(EGRは排気再循環(Exhaust Gas Recirculation)の略である)と、過給装置6と、電気制御装置7と、を備えている。
<<内燃機関>>
本実施形態においては、内燃機関2は、直列4気筒のディーゼル機関であって、シリンダヘッド21及び図示しないシリンダブロックを有している。シリンダヘッド21には、複数の燃料噴射装置22が装着されている。各燃料噴射装置22は、各気筒に対応するように、各気筒の上部に設けられている。また、各燃料噴射装置22は、図示しない燃料タンクと接続されており、電気制御装置7からの指示信号に応じて各気筒の燃焼室内に燃料を直接噴射するようになっている。
<<吸排気系統>>
吸気系統3は、内燃機関2に空気を導入するために、シリンダヘッド21と連結されている。吸気系統3は、インテークマニホールド31と、吸気管32と、スロットル弁33(スロットル弁アクチュエータ33aを含む)と、インタークーラ34と、エアクリーナ35と、を有している。インテークマニホールド31及び吸気管32によって、吸気通路が構成されている。
インテークマニホールド31は、シリンダヘッド21に形成された図示しない吸気ポートを介して、各気筒と連通するように、シリンダヘッド21と接続されている。吸気管32は、インテークマニホールド31の上流側集合部に接続されている。スロットル弁(吸気絞り弁)33は、電気制御装置7からの指示信号に応じたスロットル弁アクチュエータ33aの作動によって回動することで、吸気管32内における吸気通路の開口断面積を可変とするように、吸気管32の吸気流動方向における下流側の端部に配設されている。インタークーラ34は、スロットル弁33の吸気流動方向における上流側にて吸気管32に介装されている。エアクリーナ35は、吸気管32の吸気流動方向における上流側の端部に配設されている。すなわち、エアクリーナ35は、インタークーラ34の吸気流動方向における上流に設けられた過給装置6よりもさらに上流側に設けられている。
排気系統4は、内燃機関2における各気筒(燃焼室)からの排ガスを外部に放出するために、シリンダヘッド21と接続されている。排気系統4は、エキゾーストマニホールド41と、排気管42と、排ガス浄化用触媒43と、を有している。エキゾーストマニホールド41及び排気管42によって、排気通路が構成されている。
エキゾーストマニホールド41は、シリンダヘッド21に形成された図示しない排気ポートを介して、各気筒と連通するように、シリンダヘッド21と接続されている。排気管42は、エキゾーストマニホールド41の下流側集合部に接続されている。排ガス浄化用触媒43は、排ガス中の微粒子(パティキュレート)を捕集するとともにNOxをも同時に浄化処理し得るように構成されている(DPNR触媒:DPNRは本出願人が権利者である登録商標であって、Diesel Particulate−NOx Reduction system の略でもある。)。
EGR装置5は、排気還流管51と、EGRクーラ52と、EGR制御弁53と、を有している。排気還流管51は、排ガス(EGRガス)を吸気系統3側に還流させるEGR通路を構成するものであって、インテークマニホールド31とエキゾーストマニホールド41とを接続するように設けられている。EGRクーラ52は、EGRガスを冷却するために、排気還流管51に介装されている。EGR制御弁53は、排気還流管51に介装されている。このEGR制御弁53は、電気制御装置7からの指示信号に応じて開度を変更することで、エキゾーストマニホールド41からインテークマニホールド31へと還流させる排ガス量(EGRガス量)、すなわち、気筒内の吸入空気中における排ガスの割合(EGR率)を、変更し得るようになっている。
<<過給装置>>
過給装置6は、排ガスのエネルギによって駆動されることで、過給する(内燃機関2に導入される空気を圧縮する)ように構成されている。本実施形態においては、過給装置6は、高圧段過給機61(本発明の第一過給機に相当する)と、低圧段過給機62(本発明の第二過給機に相当する)と、高圧段コンプレッサバイパス通路63と、吸気切替弁(ACV)64と、高圧段タービンバイパス通路65と、排気切替弁(ECV)66と、低圧段タービンバイパス通路67と、排気バイパス弁(EBV)68と、を有している。
高圧段過給機61は、高圧段コンプレッサ61a及び高圧段タービン61b(本発明の第一コンプレッサ及び第一タービンに相当する)を有している。高圧段コンプレッサ61aは、吸気通路(吸気管32)に配設されている。高圧段タービン61bは、排気通路(排気管42)に配設されている。高圧段タービン61bが排ガスによって回転駆動されることで高圧段コンプレッサ61aが回転し、これにより高圧段コンプレッサ61aに供給される空気が圧縮される(過給が行われる)ように、高圧段コンプレッサ61aと高圧段タービン61bとは、互いにローターシャフト(図示省略)によって同軸回転可能に連結されている。
低圧段過給機62は、低圧段コンプレッサ62a及び低圧段タービン62b(本発明の第二コンプレッサ及び第二タービンに相当する)を有している。低圧段コンプレッサ62aは、吸気通路(吸気管32)に配設されている。低圧段タービン62bは、排気通路(排気管42)に配設されている。低圧段タービン62bが排ガスによって回転駆動されることで低圧段コンプレッサ62aが回転し、これにより低圧段コンプレッサ62aに供給される空気が圧縮される(過給が行われる)ように、低圧段コンプレッサ62aと低圧段タービン62bとは、互いにローターシャフト(図示省略)によって同軸回転可能に連結されている。
高圧段過給機61と低圧段過給機62とは、いわゆる「直列」に接続されている。すなわち、低圧段コンプレッサ62aは、高圧段コンプレッサ61aよりも、吸気流動方向における吸気通路(吸気管32)の上流側に配設されている。また、低圧段タービン62bは、高圧段タービン61bよりも、排気流動方向における排気通路(排気管42)の下流側に配設されている。
本実施形態の過給装置6は、負荷が小さい運転領域においては主に高圧段過給機61により過給を行う一方、負荷が大きい運転領域においては主に低圧段過給機62により過給を行うため、低圧段過給機62の容量が高圧段過給機61の容量よりも大きくなるように構成されている。すなわち、高圧段過給機61が過給を行うために必要な排ガスのエネルギの最小値が、低圧段過給機62が過給を行うために必要な排ガスのエネルギの最小値よりも小さくなるように、高圧段過給機61及び低圧段過給機62が構成されている。
高圧段コンプレッサバイパス通路63は、いわゆるバイパス管であって、高圧段コンプレッサ61aをバイパスするように設けられている。具体的には、高圧段コンプレッサバイパス通路63の一端は、高圧段コンプレッサ61aと低圧段コンプレッサ62aとの間にて、吸気通路(吸気管32)に接続されている。高圧段コンプレッサバイパス通路63の他端は、吸気流動方向における高圧段コンプレッサ61aよりも下流側且つインタークーラ34よりも上流側にて、吸気通路(吸気管32)に接続されている。すなわち、高圧段コンプレッサバイパス通路63は、高圧段コンプレッサ61aと低圧段コンプレッサ62aとの間の分岐部にて吸気通路(吸気管32)から分岐するとともに、高圧段コンプレッサ61aよりも吸気流動方向における下流側の合流部にて吸気通路(吸気管32)に合流するように設けられている。
吸気切替弁64は、高圧段コンプレッサバイパス通路63に配設されたバタフライ弁である。この吸気切替弁64は、電気制御装置7からの指示に応じて駆動される吸気切替弁アクチュエータ64aにより、高圧段コンプレッサバイパス通路63の内部にて、全閉開度から全開開度までの範囲内において回動可能に構成されている。すなわち、吸気切替弁64は、電気制御装置7からの指示に従ってその回動位置(開度)が変更されることで、高圧段コンプレッサ61aに流入する空気の量と、高圧段コンプレッサバイパス通路63を通過する空気の量と、の割合を変更するようになっている。
本発明の第一バイパス通路に相当する高圧段タービンバイパス通路65は、いわゆるバイパス管であって、高圧段タービン61bをバイパスするように設けられている。具体的には、高圧段タービンバイパス通路65の一端は、高圧段タービン61bよりも排気流動方向における上流側にて排気通路(排気管42)に接続されている。高圧段タービンバイパス通路65の他端は、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間にて排気通路(排気管42)に接続されている。すなわち、高圧段タービンバイパス通路65は、エキゾーストマニホールド41と高圧段タービン61bとの間の分岐部にて排気通路(排気管42)から分岐するとともに、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間の合流部にて排気通路(排気管42)に合流するように設けられている。
本発明の第一切替弁に相当する排気切替弁66は、吸気切替弁64と同様の構造を備えたバタフライ弁であって、高圧段タービンバイパス通路65に配設されている。すなわち、排気切替弁66は、電気制御装置7からの指示に応じて駆動される排気切替弁アクチュエータ66aによってその開度が変更されることで、高圧段タービン61bに流入する排ガスの量と、高圧段タービンバイパス通路65を通過する排ガスの量と、の割合を変更するようになっている。
本発明の第二バイパス通路に相当する低圧段タービンバイパス通路67は、いわゆるバイパス管であって、低圧段タービン62bをバイパスするように設けられている。具体的には、低圧段タービンバイパス通路67の一端は、低圧段タービン62bよりも排気流動方向における上流側であって高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間にて、排気通路(排気管42)に接続されている。低圧段タービンバイパス通路67の他端は、低圧段タービン62bよりも排気流動方向における下流側にて、排気通路(排気管42)に接続されている。すなわち、低圧段タービンバイパス通路67は、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間の分岐部にて排気通路(排気管42)から分岐するとともに、低圧段タービン62bよりも排気流動方向における下流側の合流部にて排気通路(排気管42)に合流するように設けられている。
本発明の第二切替弁に相当する排気バイパス弁68は、吸気切替弁64及び排気切替弁66と同様の構造を備えたバタフライ弁であって、低圧段タービンバイパス通路67に配設されている。すなわち、排気バイパス弁68は、電気制御装置7からの指示に応じて駆動される排気バイパス弁アクチュエータ68aによってその開度が変更されることで、低圧段タービン62bに流入する排ガスの量と、低圧段タービンバイパス通路67を通過する排ガスの量と、の割合を変更するようになっている。
<<電気制御装置>>
本発明のシステム制御装置あるいは内燃機関システム制御装置としての電気制御装置7は、CPU71と、ROM72と、RAM73と、バックアップRAM74と、インターフェース75と、を備えたマイクロコンピュータであって、当該内燃機関システム1の動作を制御するように構成されている。CPU71、ROM72、RAM73、バックアップRAM74、及びインターフェース75は、互いにバスを介して電気的に接続されている。
バックアップRAM74は、電気制御装置7に電源が投入された状態でデータを格納するとともに、格納したデータを電源が遮断されている間も保持するようになっている。インターフェース75は、ADコンバータを含み、燃料噴射装置22及び各アクチュエータ(スロットル弁アクチュエータ33a、吸気切替弁アクチュエータ64a、排気切替弁アクチュエータ66a、及び、排気バイパス弁アクチュエータ68a)等の動作部、並びに後述する各種センサ類と電気的に接続されている。すなわち、電気制御装置7は、インターフェース75を介して後述する各種センサ類からの信号をCPU71に供給するとともに、当該信号に基づくCPU71の指示に従って、上述の各動作部に駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
本実施形態においては、内燃機関システム1には、エアフローメータ81と、スロットル弁開度センサ82と、過給圧センサ83と、クランクポジションセンサ84と、タービン間排気圧センサ85と、ECV開度センサ86と、EBV開度センサ87と、アクセル開度センサ88と、が設けられている。
エアフローメータ81は、エアクリーナ35と低圧段タービン62bとの間にて、吸気管32に配設されている。このエアフローメータ81は、周知の熱線式エアフローメータであって、吸気管32内を流れる吸入空気の質量流量(内燃機関2に単位時間あたりに吸入される空気の質量であり、単に「流量」と称されることもある。)に応じた信号を出力するようになっている。
スロットル弁開度センサ82は、スロットル弁33に対応する位置にて、吸気管32に装着されている。このスロットル弁開度センサ82は、スロットル弁33の開度に応じた信号を出力するようになっている。
過給圧センサ83は、スロットル弁33の吸気流動方向における下流側にて、吸気管32に配設されている。この過給圧センサ83は、それが配設されている部位の排気管42内の空気の圧力、すなわち、内燃機関2の燃焼室に供給される空気の圧力(過給装置6によってもたらされる過給圧)を表す信号を出力するようになっている。
クランクポジションセンサ84は、内燃機関2(上述の図示しないシリンダブロック)に装着されている。このクランクポジションセンサ84は、機関回転速度(上述のシリンダブロック内に設けられた図示しないクランクシャフトの単位時間あたりの回転数)の算出に用いられる信号、具体的には、クランクシャフトが10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランクシャフトが360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。
タービン間排気圧センサ85は、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間にて、排気管42に配設されている。このタービン間排気圧センサ85は、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間の位置における排ガスの圧力であるタービン間排気圧に応じた信号を出力するようになっている。
ECV開度センサ86は、排気切替弁66に対応する位置にて、排気管42に装着されている。このECV開度センサ86は、排気切替弁66の開度に応じた信号を出力するようになっている。
EBV開度センサ87は、排気バイパス弁68に対応する位置にて、排気管42に装着されている。このEBV開度センサ87は、排気バイパス弁68の開度に応じた信号を出力するようになっている。
アクセル開度センサ88は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの開度に応じた信号を出力するようになっている。
<動作の概要>
続いて、上述した構成を有する本実施形態の電気制御装置7の、動作の概要について説明する。
図2に示されているように、本実施形態における内燃機関システム1においては、排気切替弁66(図中「ECV」と表記されている)及び排気バイパス弁68(図中「EBV」と表記されている)の開閉の切り替えによって、過給装置6の作動状態すなわち内燃機関2に対する過給状態である「過給モード」が切り替わる。すなわち、以下、排気切替弁66を「ECV」と略記するとともに、排気バイパス弁68を「EBV」と略記すると、内燃機関システム1の「動的状態」である過給モードは、(モード1)ECV開・EBV開、(モード2)ECV開・EBV閉、(モード3)ECV閉・EBV開、(モード4)ECV閉・EBV閉、の間で切り替わる。
電気制御装置7は、内燃機関2の運転状態に応じて排気切替弁66及び排気バイパス弁68の開度を制御することで、過給モードの切り替え及び過給状態の調整を決定する。また、電気制御装置7は、内燃機関2の過給状態に関わる運転パラメータ(ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧)の値を、時間経過に対応させた「時系列データ」として取得する。さらに、電気制御装置7は、上述の運転パラメータの時系列データから、内燃機関システム1を区分的アフィンシステムとしてシステムの同定を行い、この同定結果に基づいて内燃機関システム1を制御する。すなわち、電気制御装置7は、内燃機関システム1の制御状態を判定し、この判定結果に基づいて内燃機関システム1を制御する。
具体的には、本実施形態に係る電気制御装置7は、タービン間排気圧センサ85、ECV開度センサ86、及びEBV開度センサ87の出力に基づいて、ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧を、時間経過に対応づけられた時系列データとして、バックアップRAM74に格納する。また、電気制御装置7は、ECV開度及びEBV開度に基づくタービン間排気圧の動特性を、ECV及びEBVの開閉状態で切り替わる区分的ARXモデル(PWARXモデル)としてモデル化し、データクラスタリングによって、複数の過給モードの各々におけるARXモデルを同定する(システムモデルパラメータを推定する)。また、電気制御装置7は、上述の運転パラメータ(ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧)の時系列データを要素として含む回帰ベクトルの空間である回帰空間を、上述の過給モードの数(4つ)に領域分割し、隣接する領域間を区分する面である分離超平面を取得(推定)する。
そして、電気制御装置7は、システム同定及び分離超平面推定結果に基づいて、内燃機関システム1を制御する。具体的には、電気制御装置7は、分離超平面と現在の回帰ベクトルとの距離を算出し、算出した距離に基づいて内燃機関システム1の現在の制御状態(運転状態)を判定し、この判定結果に基づいてECV開度及びEBV開度を制御(調整)する。
<動作の詳細>
以下、上述の動作の詳細について、数式を適宜用いて説明する。なお、以下の説明は、上記参考文献や、本発明の発明者が先に提案した特開2008−280912号公報や、特願2009−252897号の明細書及び図面に開示された、PWARXモデル同定手順とほぼ共通する。よって、当業者がこれらの文献に記載された内容及び以下の説明に基づいて本願発明を容易に実施することができることは、いうまでもない。
<<時系列データの取得>>
時刻kにおけるECV開度をu(k)とし、同時刻kにおけるEBV開度をv(k)とし、同時刻kにおけるタービン間排気圧をy(k)とする。電気制御装置7は、タービン間排気圧センサ85、ECV開度センサ86、及びEBV開度センサ87の出力に基づいて、ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧を、時間経過に対応させながら、所定のサンプリング時間が経過する毎に取得し、RAM73に格納する(RAM73には、ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧の、最新データから所定時間遡ったデータまでの所定量が一時格納され、古いものから順に消去される。)。
取得されたこれらの運転パラメータの値は、時系列データとして、バックアップRAM74に順次格納される。電気制御装置7は、この時系列データの量(データ数)がタービン間排気圧の動特性のモデル化(後述)を行うために必要な所定量となるまで、時系列データを取得し続ける。電気制御装置7は、時系列データの取得量がこの所定量に到達すると、時系列データを取得することを停止する。
時系列データの取得量が上述の所定量に到達すると、電気制御装置7は、下記(1)式に示すように、時刻kにおける回帰ベクトルx(k)を決定する。
Figure 2011144761
上記(1)式において、y(k−1)…y(k−n)は、それぞれ、時刻kよりも過去の時刻k−1…k−nにおけるタービン間排気圧の値を表す。また、同式において、u(k−1)…u(k−n)は、それぞれ、時刻kよりも過去の時刻k−1…k−nにおけるECV開度の値を表す。また、同式において、v(k−1)…v(k−n)は、それぞれ、時刻kよりも過去の時刻k−1…k−nにおけるEBV開度の値を表す。なお、n、n、及びnは、それぞれ正の整数であり、
n=n+n+n
を満たす。
上記(1)式に示されているように、回帰ベクトルx(k)は、時刻kよりも過去の時刻における上述の運転パラメータの値からなるベクトルである。この回帰ベクトルは、バックアップRAM74に順次格納される。この回帰ベクトルは、それぞれの時刻(時系列データの量が上述の所定量に到達した時刻をnとすると、n、n−1、n−2、・・・、k、k−1、k−2、・・・のそれぞれの時刻)に対して決定される。したがって、時系列データの量(上記所定量)、並びに、n、n、及びnの値、に基づいて定まる量の、複数の回帰ベクトルが、バックアップRAM74に格納される。
<<PWARXモデルによるシステム同定・分離超平面推定>>
タービン間排気圧の動特性が、下記(2)式により表されると仮定する。下記(2)式において、e(k)は式誤差であり、ベクトルθ〜θは同定する未知パラメータ(システムパラメータ)であり、i(k)は時刻kにおける離散状態(過給モード:i=1,2,3,4)を表す。また、回帰空間X⊂Rは、分離超平面により、領域X(i=1,2,3,4)に領域分割されているものとする。換言すれば、領域Xは、過給モードがiである場合の回帰ベクトルが属する、回帰空間中の領域である。
Figure 2011144761
上記(2)式に示されているように、内燃機関システム1のPWARXモデルは、図1に示されている4つの過給モード(離散状態)に対応した4つのARXモデルによって記述される。そこで、電気制御装置7は、以下の手順により、システムパラメータと分離超平面とを決定(推定)する。
手順1(データクラスタリング):下記(3)式のように、観測データベクトルz(k)を定義する。なお、観測データベクトルz(k)は、以下、単に、「データベクトルz(k)」あるいは「データベクトル」と称する。
Figure 2011144761
観測データが下記(4)式に示されているような混合正規分布に従うと仮定する。
Figure 2011144761
但し、
Figure 2011144761
Figure 2011144761
Figure 2011144761
である。
上記(4)〜(7)式中において、Φは混合正規分布のパラメータ、αはスカラー量、μは(n+n+n+1)次元の平均ベクトル、Σは(n+n+n+1)×(n+n+n+1)次元の分散行列、iは離散状態(過給モード)に対応する変数、を、それぞれ表す。すなわち、変数iが「2」であることは、排気切替弁66が「開」且つ排気バイパス弁68が「閉」である過給モード「2」を意味する(図2参照)。また、上記(7)式における「n」はスカラー量であり、
=n+n+n+1
である。
そして、電気制御装置7は、下記式(8)で示される尤度関数L(Φ)を最大化するような混合正規分布パラメータΦを、最尤推定法を用いて算出する。かかるパラメータΦの算出は、非凸最適化問題であるが、かかるパラメータΦは周知の期待値最大化法(EMアルゴリズム)等によって算出することができる。なお、下記(8)式において、「N」はデータベクトルの量(データ数)を表し、「z」はデータベクトルz(k)を便宜上略記したものである。
Figure 2011144761
上述のように、4つの離散状態は、回帰ベクトル空間上で分離超平面によって分割されている。そこで、電気制御装置7は、複数のデータベクトルを、過給モード1に対応するデータベクトル群C、過給モード2に対応するデータベクトル群C、過給モード3に対応するデータベクトル群C、過給モード4に対応するデータベクトル群C、の4つのデータベクトル群の何れかに、上述のようにして算出した混合正規分布パラメータΦを用いて分類する。
具体的には、電気制御装置7は、下記(9)式に示されている帰属確率P(k∈C)に対して時刻kにおけるデータベクトルz(k)を適用することにより、そのデータベクトルz(k)がデータベクトル群Cに帰属する第1確率P(k∈C)、データベクトル群Cに帰属する第2確率P(k∈C)、データベクトル群Cに帰属する第3確率P(k∈C)、データベクトル群Cに帰属する第4確率P(k∈C)、をそれぞれ取得する。なお、下記(9)式中における帰属確率P(k∈C)は、時刻kにおけるデータベクトルz(k)がデータベクトル群Cに帰属する確率P(k∈C)を表す。また、α、μ及びΣには、上述のようにして算出した混合正規分布パラメータΦ(これを、「最適パラメータΦ」と称する。下記式(9)では「最適パラメータΦ」が用いられている。)が適用される。
Figure 2011144761
そして、電気制御装置7は、第i確率P(k∈C)が最も大きいとき、データベクトルz(k)をデータベクトル群Cに分類する。具体的には、例えば、第1確率P(k∈C)が最も大きいとき、データベクトルz(k)をデータベクトル群Cに分類する。一方、第2確率P(k∈C)が最も大きいとき、データベクトルz(k)をデータベクトル群Cに分類する。
このようにして、電気制御装置7は、複数のデータベクトルの全てを上記(9)式に示す関数に対して適用する。これにより、複数のデータベクトルは、データベクトル群Cないしデータベクトル群Cのいずれかに分類される。以下、便宜上、データベクトル群Cに属するデータベクトルの集合を「クラスタC」と称する(i=1,2,3,4)。すなわち、上記(2)式における領域X(i=1,2,3,4)は、クラスタCを回帰空間に投影した場合における、当該クラスタCが属する回帰空間中の領域に相当する。
手順2(分離超平面の推定):相異なる2つの離散状態i=p,q∈{1,2,3,4}(p≠q)を分割する回帰空間上の分離超平面が下記式(10)により与えられるとする。なお、下記(10)式において、a及びbは係数であり、x(k)は上記(1)式に示されている時刻kにおける回帰ベクトルである。
Figure 2011144761
電気制御装置7は、上記(10)式における係数a及びbを、下記(11)式に示されている二次最適化問題を解くことによって決定する。下記(11)式において、σは時刻kにおけるデータベクトルz(k)を上述したように分類する際に生じ得る誤り(誤分類)の程度を表すパラメータである。σは、出来る限り小さい適値に設定される(上記各参考文献を参照。)。
Figure 2011144761
手順3(システムパラメータの推定):電気制御装置7は、分類されたデータベクトル群のそれぞれにおいて、タービン間排気圧の動特性を示すARXモデルにおけるシステムパラメータを推定する。すなわち、電気制御装置7は、上記(2)式におけるシステムパラメータθ〜θを、下記(12)式に基づき、最小二乗法によって推定する。なお、下記(12)式において、x(ki1)・・・x(kiNi)のそれぞれは、クラスタCに属するデータベクトルに要素として含まれる回帰ベクトルの値を表し、NはクラスタCに含まれるデータベクトルの個数(データ数)を表す。
Figure 2011144761
<<同定結果に基づくシステム制御>>
電気制御装置7は、分離超平面及びシステムパラメータの推定を行った後の所定の時刻tにおける回帰ベクトルx(t)を取得(生成)する。これを、以下、「現在の回帰ベクトルx(t)」と称する。
次に、電気制御装置7は、現在の回帰ベクトルx(t)と、これと最も近接する分離超平面との距離を算出する。続いて、電気制御装置7は、算出した距離が所定時間以上所定の判定値以下であるか否かを判定する。算出した距離が所定時間以上所定の判定値以下でない場合、電気制御装置7は、内燃機関システム1の現在の制御状態(運転状態)が安定領域であると判定する。
一方、算出した距離が所定時間以上所定の判定値以下である場合、電気制御装置7は、内燃機関システム1の運転状態がハンチング領域(ハンチングが生じている又は生じやすい領域)にあると判定する。この場合、電気制御装置7は、上述の距離を大きくするように、ECV開度及びEBV開度を決定する。
より詳細には、電気制御装置7は、回帰ベクトルの時間微分ベクトルと、分離超平面の法線ベクトルとが鋭角をなすように、ECV開度及びEBV開度を調整する。また、このとき、電気制御装置7は、タービン間排気圧の変動量が所定の閾値を超える場合に、回帰ベクトルの時間微分ベクトルと分離超平面の法線ベクトルとのなす角を90度に近づけるように変更することで、タービン間排気圧の急激な変動を抑制する。
<動作の具体例>
以下、電気制御装置7の実際の動作の具体例について、フローチャートを用いて説明する。なお、図面中、「ステップ」は「S」と略記されている。CPU71は、図3及び図4のフローチャートによって示された各ルーチン(ROM72に予め格納されている)を、所定のタイミング毎に繰り返し実行する。
CPU71は、図3に示されている「動特性モデル化」ルーチン300の実行により、内燃機関システム1あるいはこれを備えた装置(例えば車両)の工場出荷後に内燃機関2が始動されてからタービン間排気圧の動特性のモデル化が完了するまでの間に内燃機関システム1の運転パラメータを時系列データとして取得するとともに、取得した運転パラメータの時系列データに基づいて、タービン間排気圧の動特性を、排気切替弁66及び排気バイパス弁68の開閉状態で切り替わるPWARXモデルとしてモデル化する。
具体的には、CPU71は、ステップ310にて、動特性のモデル化が完了しているか否かを判定する。モデル化が完了している場合は(ステップ310=Yes)、ステップ320以降の処理がスキップされ、本ルーチンが一旦終了する。いま、内燃機関システム1あるいはこれを備えた装置の工場出荷後に内燃機関2が最初に始動された直後であってモデル化が完了していない場合を想定する。この場合、ステップ310の判定が「No」となり、処理がステップ320以降に進行する。
ステップ320においては、CPU71は、タービン間排気圧センサ85、ECV開度センサ86、及びEBV開度センサ87の出力に基づいて、ECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧を、時間経過に対応させて取得する。取得されたこれらの運転パラメータの値は、時間経過に対応づけられた時系列データとして、バックアップRAM74に順次格納される。以下、便宜上、この運転パラメータの時系列データを、単に「時系列データ」と略称する。
次に、処理がステップ330に進行する。ステップ330においては、CPU71は、所定のモデル化条件が成立しているか否かを判定する。このモデル化条件は、具体的には、例えば、時系列データの量がタービン間排気圧の動特性のモデル化(後述)を行うために必要な所定量となったことを含む。時系列データの量が不足している間は(ステップ330=No)、ステップ340以降の処理がスキップされ、本ルーチンの実行のたびに時系列データが取得され続ける。
時系列データの量がタービン間排気圧の動特性のモデル化(後述)を行うために必要な所定量となり、モデル化条件が成立すると(ステップ330=Yes)、処理がステップ330からステップ340以降に進行する。ステップ340においては、上述のように、データクラスタリングが行われる。その後、処理がステップ350に進行し、クラスタリングされたデータ群の分離超平面が推定され、続くステップ360にて、各離散状態(過給モード)にクラスタリングされたデータ群に基づいて、各離散状態におけるシステムパラメータが推定される。
このようにして、PWARXモデルによる、システム同定及び分離超平面の推定が行われた後、本ルーチンが終了する。これにより、タービン間排気圧の動特性モデル化が完了する。これ以降は、電気制御装置7のリセットや所定時間経過等によって再度のモデル化が必要になるまで、本ルーチンの実行のたびにステップ310の判定が「Yes」となり、ステップ320以降の処理がスキップされる。
CPU71は、図4に示されている「モデル化後過給系弁制御」ルーチン400の実行により、動特性モデル化後の排気切替弁66及び排気バイパス弁68の動作制御(開弁量補正)を行う。
具体的には、CPU71は、ステップ410にて、上述のルーチン300による動特性のモデル化が完了しているか否かを判定する。モデル化が完了していない場合は(ステップ410=No)、ステップ420以降の処理がスキップされ、本ルーチンが一旦終了する。すなわち、この場合、本ルーチンは実質的には実行されない。いま、上述のルーチン300による動特性のモデル化が完了しているものとして説明を続けると、この場合、ステップ410の判定が「Yes」となり、処理がステップ420以降に進行する。
ステップ420においては、CPU71は、RAM73に格納された現在のECV開度、EBV開度、及びタービン間排気圧に基づいて、現在の回帰ベクトルを生成し、生成した現在の回帰ベクトルをRAM73に格納する。次に、処理がステップ430に進行し、CPU71は、回帰空間上における、現在の回帰ベクトルと、これと最も近接する分離超平面との距離を算出する。続いて、処理がステップ440に進行し、CPU71は、算出した距離が所定の判定値以下であるか否かを判定する。
算出した距離が所定の判定値以下であって、現在の回帰ベクトルがサブモデル(PWARXモデルにおける各ARXモデル)間の境界面である分離超平面付近にある場合(ステップ440=Yes)、内燃機関システム1の運転状態がハンチング領域(ハンチングが生じている又は生じやすい領域)にあることが想定される。そこで、この場合、処理がステップ450に進行し、CPU71は、算出した距離が所定の判定値以下である状態が所定時間継続したか否かを判定する。
算出した距離が所定時間以上所定の判定値以下である場合(ステップ440=Yes,ステップ450=Yes)、CPU71は、内燃機関システム1の運転状態がハンチング領域にあると判定し、次に示す「ECV・EBV指示開度決定」サブルーチン500を実行した後、本ルーチンを一旦終了する。一方、ステップ440又は450のうちのいずれか一方の判定結果が「No」である場合、上述のサブルーチン500は実行されず、本ルーチンが一旦終了する。
図5に示されている「ECV・EBV指示開度決定」サブルーチン500が実行されると、まず、ステップ510にて、CPU71は、RAM73に格納された、現在の回帰ベクトルと、その前回値と、に基づいて、回帰ベクトルの時間微分ベクトル(以下、単に「時間微分ベクトル」と称する。)を生成する。次に、CPU71は、ステップ520にて、現在の回帰ベクトルと最も近接する分離超平面の法線ベクトル(以下、単に「法線ベクトル」と称する。)を取得する。続いて、CPU71は、ステップ530にて、時間微分ベクトルと法線ベクトルとのなす角度を決定する。具体的には、CPU71は、上述の距離が短いほど、角度を小さくして、上述の距離が長くなるようにする。
その後、処理がステップ540に進行し、CPU71は、タービン間排気圧の変動量が大きいか(所定の閾値を超えるか)否かを判定する。タービン間排気圧の変動量は、RAM73に格納された最近のタービン間排気圧のデータから容易に算出される。タービン間排気圧の変動量が大きい場合(ステップ540=Yes)、処理がステップ545に進行し、CPU71は、タービン間排気圧の急激な変動を抑制するため、ステップ530にて決定された角度を、90度に近づける方向に修正する。一方、タービン間排気圧の変動量が小さい場合(ステップ540=No)、ステップ545の処理はスキップされる。
そして、上述のようにして決定(あるいは修正)された、時間微分ベクトルと法線ベクトルとのなす角度に基づいて、排気切替弁66及び排気バイパス弁68の開度指示値の最終値が決定され、本ルーチンが一旦終了する。すなわち、アクセル開度や吸入空気流量等に基づいて別のルーチンによって決定されたECV指示開度及びEBV指示開度が、本ルーチンの実行によって補正される。これにより、タービン間排気圧のハンチングの発生が、効果的に抑制される。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
(A)本発明は、上述の実施形態にて開示された具体的な装置構成に限定されない。例えば、本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、メタノールエンジン、バイオエタノールエンジン、その他任意のタイプの内燃機関に適用可能である。気筒数、気筒配列方式(直列、V型、水平対向)、燃料供給方式も、特に限定はない。
(B)本発明は、上記の実施形態にて開示された具体的な処理に限定されない。例えば、本発明は、過給系制御のみならず、燃料噴射制御にも好適に適用される。
上述の実施形態においては、「タービン間排気圧」の動特性がARXモデルとしてモデル化されている。しかしながら、本発明は、これに限定されない。すなわち、タービン間排気圧以外の運転パラメータの動特性をARXモデルとしてモデル化するものに対しても、本発明は好適に適用され得る。
また、上述の実施形態においては、動特性のモデル化が一旦完了すると、時系列データの取得が停止されるようになっている。しかしながら、本発明の装置は、モデル化が完了した後も時系列データを取得し続けるとともに、取得された時系列データに基づいて所定時間が経過する毎に「分離超平面の再推定」及び「動特性の再モデル化」を行うように構成されていてもよい。
過給モードの切り替えは、上述の実施形態にて示された態様に限定されない。例えば、排気切替弁66、排気バイパス弁68、及び吸気切替弁64の開閉状態によって、図6に示されているように過給モードが切り替えられてもよい(吸気切替弁64は図6(B)中「ACV」と表記されている)。
上述したように、高圧段過給機61が作動することができる排ガスのエネルギ量は、低圧段過給機62が作動することができる排ガスのエネルギ量よりも小さい。そこで、電気制御装置7は、排ガスのエネルギが小さいとき(すなわち機関負荷が小さいとき)、排ガスが高圧段過給機61に優先的に供給されるように排気切替弁66を制御する。一方、電気制御装置7は、排ガスのエネルギが大きいとき(すなわち機関負荷が大きいとき)、排ガスが低圧段過給機62に優先的に供給されるように排気切替弁66を制御する。さらに、電気制御装置7は、低圧段過給機62に過大な排ガスのエネルギが供給されないように、排気バイパス弁68を制御する。加えて、電気制御装置7は、高圧段コンプレッサ61aに適切な量の空気が供給されるように、吸気切替弁64を制御する。
このように、電気制御装置7は、内燃機関2の運転状態に応じて、適切な量の空気及び排ガスが高圧段過給機61及び低圧段過給機62に供給されるように、吸気切替弁64、排気切替弁66及び排気バイパス弁68を制御する。これにより、高圧段過給機61及び低圧段過給機62が内燃機関2の運転状態に応じて適切に駆動される。その結果、適切な過給が行われる。
このような制御を実行するために、電気制御装置7は、内燃機関2の運転状態を4つの領域(運転領域)に分け、その4つの運転領域のそれぞれに適した吸気切替弁64、排気切替弁66及び排気バイパス弁68の作動状態を決定する。すなわち、これら各制御弁の作動状態が、過給モードに基づいて決定される。具体的には、この過給モードは、以下のように決定される。
電気制御装置7は、図6(A)に示すように、「機関回転速度NEと、燃料噴射量Qと、過給モードと、の関係を予め定めた過給モードテーブルMapTurbo(NE,Q)」をROM72に格納している。図6(A)中の「1」〜「4」の数字は、それぞれ過給モードの番号を示す。更に、図6(A)中の「HP+LP」は高圧段過給機61と低圧段過給機62との双方が作動することを示し、「LP」は低圧段過給機62が優先的に作動することを示す。
図6(B)は、各過給モードにおける各制御弁の作動状態を示す。図6(B)において、「全閉」は、制御弁の開度がその制御弁が設けられている通路を閉鎖する開度に設定され、空気又は排ガスがその通路を通過することができない制御弁の作動状態を示す。一方、「全開」は、制御弁の開度がその制御弁が設けられている通路を完全に(限界まで)開放する開度に設定され、空気又は排ガスがその通路を制御弁の影響を実質的に受けることなく通過することができる制御弁の作動状態を示す。更に、「開」は、制御弁の開度が「全閉」から「全開」までの間の開度に設定され、その制御弁が設けられている通路を通過する空気又は排ガスの流量が制御弁の開度に応じて変更可能である制御弁の作動状態を示す。
電気制御装置7は、上記過給モードテーブルMapTurbo(NE,Q)に実際の機関回転速度NE及び燃料噴射量Qを適用することにより、過給モード(各制御弁の作動状態)を決定する。そして、電気制御装置7は、決定された過給モードに応じて各制御弁の開度を調整する。なお、電気制御装置7は、内燃機関2に対する要求トルクが所定値以下である減速状態にて内燃機関2が運転されている場合、実際の機関回転速度NE及び燃料噴射量Qの大きさに関わらず、過給モード1に応じて各制御弁の開度を調整する。
(C)その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の範囲内に含まれることは当然である。
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
さらに、本明細書にて引用した各文献の内容(公報の明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
1…内燃機関システム 2…内燃機関
3…吸気系統 32…吸気管 33…スロットル弁
4…排気系統 42…排気管 6…過給装置
61…高圧段過給機 61a…高圧段コンプレッサ 61b…高圧段タービン
62…低圧段過給機 62a…低圧段コンプレッサ 62b…低圧段タービン
65…高圧段タービンバイパス通路 66…排気切替弁
67…低圧段タービンバイパス通路 68…排気バイパス弁
7…電気制御装置 71…CPU 72…ROM
73…RAM 74…バックアップRAM
81…エアフローメータ 84…クランクポジションセンサ
85…タービン間排気圧センサ 86…ECV開度センサ
87…EBV開度センサ 88…アクセル開度センサ
特開2003− 90252号公報 特開2003−184612号公報 特開2008−280912号公報 特開2008−297986号公報
Hayato Nakada, Kiyotsugu Takaba, & Tohru Katayama,"Identification of piecewise affine systems based on statistical clustering technique",Automatica,vol.41,905-913,2005 鷹羽 浄嗣、仲田 勇人、「区分的アフィンシステムの同定」、システム/制御/情報、システム制御情報学会、vol.50,No.3,pp.87-92,2006 平田 光男、野口 栄、足立 修一、「速度や変位の絶対値で切り替わるメカニカルハイブリッドシステムの同定法」、電気学会論文誌C、電気学会、Vol.128,No.5,pp.781-787,2008

Claims (10)

  1. 吸気通路及び排気通路と接続された、内燃機関と、
    前記排気通路に配設された第一タービンと、前記吸気通路に配設された第一コンプレッサと、を備えた、第一過給機と、
    前記第一タービンよりも下流側の前記排気通路に配設された第二タービンと、前記第一コンプレッサよりも上流側の前記吸気通路に配設された第二コンプレッサと、を備えた、第二過給機と、
    前記第一タービンをバイパスする第一バイパス通路に配設された第一切替弁と、
    前記第二タービンをバイパスする第二バイパス通路に配設された第二切替弁と、
    前記第一タービンと前記第二タービンとの間の排気圧であるタービン間排気圧に応じた出力を生じる、タービン間排気圧センサと、
    を備え、前記第一及び第二切替弁の開閉の切り替えによって動的状態が少なくとも2つの間で切り替わるシステム
    における、入力としての前記第一及び第二切替弁の開度及び出力としての前記タービン間排気圧の時系列データから、前記システムを区分的アフィンシステムとして複数の前記動的状態の各々におけるシステムモデルを同定し、同定された前記システムモデルに基づいて前記システムを制御する、システム制御装置であって、
    前記入力及び前記出力の時系列データを要素として含む回帰ベクトルの空間である回帰空間を前記動的状態の数に領域分割した場合に、隣接する領域間を区分する分離超平面と現在の前記回帰ベクトルとの、前記回帰空間中における距離に基づいて、前記システムの制御状態を判定する、制御状態判定手段を備えたことを特徴とする、システム制御装置。
  2. 請求項1に記載の、システム制御装置であって、
    前記制御装置判定手段は、所定時間以上前記距離が所定の判定値以下であるか否かを判定することを特徴とする、システム制御装置。
  3. 請求項2に記載の、システム制御装置において、
    前記所定時間以上前記距離が前記判定値以下である場合に、当該距離を大きくするように、前記第一及び第二切替弁の開度を決定する、開度決定手段をさらに備えたことを特徴とする、システム制御装置。
  4. 請求項3に記載の、システム制御装置であって、
    前記開度決定手段は、前記回帰空間中にて、前記回帰ベクトルの時間微分ベクトルと、前記分離超平面の法線ベクトルとが、鋭角をなすように、前記第一及び第二切替弁の開度を決定することを特徴とする、システム制御装置。
  5. 請求項4に記載の、システム制御装置であって、
    前記開度決定手段は、前記タービン間排気圧の変動に応じて、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとのなす角を変更することを特徴とする、システム制御装置。
  6. 動的状態が少なくとも2つの間で切り替わるシステムにおける入力及び出力の時系列データから、前記システムを区分的アフィンシステムとして複数の前記動的状態の各々におけるシステムモデルを同定し、同定された前記システムモデルに基づいて前記システムを制御する、システム制御装置であって、
    前記入力及び前記出力の時系列データを要素として含む回帰ベクトルの空間である回帰空間を前記動的状態の数に領域分割した場合に、隣接する領域間を区分する分離超平面と現在の前記回帰ベクトルとの、前記回帰空間中における距離に基づいて、前記システムの制御状態を判定する、制御状態判定手段を備えたことを特徴とする、システム制御装置。
  7. 請求項6に記載の、システム制御装置であって、
    前記制御装置判定手段は、所定時間以上前記距離が所定の判定値以下であるか否かを判定することを特徴とする、システム制御装置。
  8. 請求項7に記載の、システム制御装置において、
    前記所定時間以上前記距離が前記判定値以下である場合に、当該距離を大きくするように、前記システムに対する次回の前記入力を決定する、制御入力決定手段をさらに備えたことを特徴とする、システム制御装置。
  9. 請求項8に記載の、システム制御装置であって、
    前記制御入力決定手段は、前記回帰空間中にて、前記回帰ベクトルの時間微分ベクトルと、前記分離超平面の法線ベクトルとが、鋭角をなすように、前記システムに対する次回の前記入力を決定することを特徴とする、システム制御装置。
  10. 請求項9に記載の、システム制御装置であって、
    前記制御入力決定手段は、前記出力の変動に応じて、前記時間微分ベクトルと前記法線ベクトルとのなす角を変更することを特徴とする、システム制御装置。
JP2010006667A 2010-01-15 2010-01-15 システム制御装置 Pending JP2011144761A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010006667A JP2011144761A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 システム制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010006667A JP2011144761A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 システム制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011144761A true JP2011144761A (ja) 2011-07-28

Family

ID=44459819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010006667A Pending JP2011144761A (ja) 2010-01-15 2010-01-15 システム制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011144761A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016102426A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 トヨタ自動車株式会社 多段過給システム
DE102016111540B4 (de) * 2015-12-30 2018-08-02 Dongfeng Commercial Vehicle Company Limited Zweikanaliges Antriebsturbinensystem und dessen Steuerverfahren
JP2018181052A (ja) * 2017-04-17 2018-11-15 富士通株式会社 モデル同定装置、予測装置、監視システム、モデル同定方法および予測方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016102426A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 トヨタ自動車株式会社 多段過給システム
DE102016111540B4 (de) * 2015-12-30 2018-08-02 Dongfeng Commercial Vehicle Company Limited Zweikanaliges Antriebsturbinensystem und dessen Steuerverfahren
JP2018181052A (ja) * 2017-04-17 2018-11-15 富士通株式会社 モデル同定装置、予測装置、監視システム、モデル同定方法および予測方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4306703B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP4375369B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
US8096123B2 (en) System and method for mode transition for a two-stage series sequential turbocharger
US8942909B2 (en) Control apparatus for internal combustion engine
EP3103991A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine
US10267216B2 (en) Control device for internal combustion engine
EP2963263B1 (en) Control device for internal combustion engine
WO2009137297A1 (en) Estimating engine parameters based on dynamic pressure readings
CN109072791B (zh) 控制后处理系统的方法、设备和发动机系统
JP5402538B2 (ja) 内燃機関の制御弁異常判定装置
Xue et al. Potentials of electrical assist and variable geometry turbocharging system for heavy-duty diesel engine downsizing
CN109072772B (zh) 基于物理的车辆涡轮增压器控制技术
US20140060043A1 (en) Internal combustion engine control apparatus
US20110213539A1 (en) Control device for internal combustion engine
US8925316B2 (en) Control systems and methods for super turbo-charged engines
CN109072823B (zh) 内燃机的egr控制装置和egr控制方法
JP2013060914A (ja) 内燃機関の制御装置
CN108626000B (zh) 内燃机的控制装置
JP2011144761A (ja) システム制御装置
Salehi et al. Comparison of high-and low-pressure electric supercharging of a HDD engine: steady state and dynamic air-path considerations
JP2018119469A (ja) 内燃機関の制御装置
CN103967630A (zh) 控制发动机的方法
JP2017180212A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6542592B2 (ja) ターボ過給機付きエンジンの制御装置
JP2014202085A (ja) 可変容量型ターボチャージャーの制御装置及び制御方法