JP2011143855A - 4輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回時におけるオーバーステア状態を抑制することが可能な4輪駆動車の駆動力配分制御装置を提供する。
【解決手段】4輪駆動車101の駆動力配分制御装置1は、エンジン102の駆動力をフロントドライブ軸105とプロペラシャフト109とに、これらの差動を許容して配分する差動機構1Aと、フロントドライブ軸105とプロペラシャフト109との差動を制限するクラッチ20と、クラッチ20の締結力を制御する制御部10とを備え、制御部10は、4輪駆動車101がオーバーステア状態となったときに、クラッチ20の締結力を低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、4輪駆動車に適用される駆動力配分制御装置に関する。
従来の4輪駆動車の駆動力配分制御装置として、駆動源の駆動力を前後輪の駆動軸にその差動を許容して配分するセンターディファレンシャル装置と、センターディファレンシャル装置の差動を制限するためのクラッチとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の駆動力配分制御装置では、例えば前後の摩擦係数が異なる路面での発進や、後輪偏重の4輪駆動車の加速時等のように前後輪の回転速差が大きくなった場合には、クラッチの締結力を強化して前後輪の差動制限を行うように構成されている。
特開平11−1129号公報
しかし、単に前後輪の回転速差に応じてクラッチの締結力を強化すると、車両の走行状態によっては、かえって走行安定性を損なう場合がある。例えば、前後輪の回転速差に応じてクラッチの締結力を強化するようにした4輪駆動車両が旋回時にオーバーステア状態(ステアリングの操舵量以上に車体が向きを変えようとする状態)となると、そのオーバーステア状態の解消に時間を要する場合があることが本発明者らにより確認されている。
そこで、本発明は、旋回時におけるオーバーステア状態を抑制することが可能な4輪駆動車の駆動力配分制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車の駆動力配分制御装置は、車両の駆動源の駆動力を前輪側の駆動軸と後輪側の駆動軸とに、これらの駆動軸間の差動を許容して配分する差動機構と、前記駆動軸間の差動を制限するクラッチと、前記クラッチの締結力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記車両がオーバーステア状態となったときに、前記クラッチの締結力を低減する。
この構成によれば、オーバーステア状態における前輪と後輪との差動制限が抑制され、前輪側に差動制限による制動力が作用することを抑えられる。
また、前記制御部は、前記車両がオーバーステア状態かつ減速状態となったときに、前記クラッチの締結力を低減するようにするとよい。
この構成によれば、より適切に前輪側に差動制限による制動力が作用することを抑えられる。
本発明によると、4輪駆動車の旋回時におけるオーバーステア状態を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置が搭載された4輪駆動車を示す概略図。 図2は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置の差動装置の構成を示す断面図。 図3は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置の制御部の記憶部12に記憶されたトルクマップを示し、(a)はフィードフォワードトルクマップを、(b)はフィードバックトルクマップを、(c)はオーバーステア制御トルクマップを示す。 図5は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置が搭載された4輪駆動車がオーバーステア状態で旋回している際の状況を示す概略図。 図6は、本発明の実施の形態に係る駆動力配分制御装置の制御部の動作手順を示すフローチャート。
[実施の形態]
図1は、本発明に係る駆動力配分制御装置が搭載された4輪駆動車の一構成例を示す。この4輪駆動車101は、駆動源としてのエンジン102と、エンジン102の出力軸の回転を変速するトランスミッション103と、トランスミッション103から出力される駆動力を入力軸104を介して入力し、前輪側の駆動軸としてのフロントドライブ軸105及び後輪側の駆動軸としてのプロペラシャフト109に出力する駆動力配分制御装置1とを有している。
フロントドライブ軸105に出力された駆動力は、フロントディファレンシャル106を介して一対のフロントアクスルシャフト107a,107bに伝達され、これら一対のフロントアクスルシャフト107a,107bにそれぞれ連結された一対の前輪108a,108bを駆動する。
プロペラシャフト109に出力された駆動力は、リヤディファレンシャル110を介して一対のリヤアクスルシャフト111a,111bに伝達され、これら一対のリヤアクスルシャフト111a,111bにそれぞれ連結された一対の後輪112a,112bを駆動する。
駆動力配分制御装置1は、制御部10と、差動機構1Aと、クラッチ機構2とを備えている。差動機構1Aとクラッチ機構2とは、差動装置1Bを構成する。
制御部10は、右前輪108aの車輪速センサ10a,左前輪108bの車輪速センサ10b,右後輪112aの車輪速センサ10c,及び左後輪112bの車輪速センサ10dから各車輪の車輪速の情報を受け取る。また、制御部10は、ヨーレイトセンサ10eから4輪駆動車101の走行時におけるヨーレイトの情報を受け取り、操舵角センサ10fから操舵角の情報を受け取り、スロットル開度センサ10gからエンジン102の出力を示すスロットル開度の情報を受け取る。制御部10は、これらの情報に基づいてクラッチ機構2を制御する。
差動機構1Aは、入力軸104と一体回転するように連結された保持器3と、保持器3に形成された保持孔に保持された複数の遊星歯車4と、保持器3の内周側で遊星歯車4と噛み合う太陽歯車5と、保持器3の外周側で遊星歯車4と噛み合う内歯車6とを有している。太陽歯車5の内周には円筒部材50が一体回転するように連結され、円筒部材50の外周に設けられた歯車50aにフロントドライブ軸105に設けられた歯車105aが噛合して、フロントドライブ軸105と連結されている。内歯車6は、プロペラシャフト109と一体回転するように連結されている。
(差動装置1Bの構成)
図2は、差動装置1Bの構成例を示す断面図である。差動装置1Bは差動機構1Aとクラッチ機構2とを有し、差動機構1A及びクラッチ機構2はデフケース7に収容されている。差動機構1Aには、保持器3,太陽歯車5,及び内歯車6が同軸上で相対回転可能に配置されている。
(差動機構1Aの構成)
保持器3は、中心部に入力軸104を相対回転不能に連結するためのスプライン嵌合部31aが形成された連結部31と、連結部31の外周に設けられ、複数の遊星歯車4を自転可能に保持するための複数の保持孔32aが形成された保持部32とが一体に形成されている。
遊星歯車4は、ピッチ円直径D,D(D>D)が互いに異なる大径部41と小径部42とが軸方向に一体に形成されている。大径部41の公転外周側及び小径部42の公転内周側は保持器3の保持部32の支持面32b及び支持面32cに支持されている。
太陽歯車5は、外周面に遊星歯車4の大径部41のギヤ部41aと噛み合うギヤ部5bが形成され、内周面にスプライン嵌合部5cが形成された円筒状部材である。スプライン嵌合部5cには、前述の円筒部材50(図1に示す)が相対回転不能に嵌合される。
内歯車6は、中心部にプロペラシャフト109を相対回転不能に連結するためのスプライン嵌合部61aが形成された連結部61と、連結部61の外周に設けられ、その外周面に後述するクラッチ機構2のインナクラッチプレート21が嵌合するスプライン嵌合部62aが形成されたクラッチ連結部62と、クラッチ連結部62よりも外周側に設けられ、遊星歯車4の小径部42のギヤ部42aと噛み合うギヤ部63aが形成されたギヤ噛み合い部63とが一体に形成されている。
太陽歯車5のピッチ円直径をD、内歯車6のピッチ円直径をDとすると、クラッチ機構2が作動していない状態では、太陽歯車5及び内歯車6には、入力軸104から入力された駆動力が、D/D(太陽歯車5):D/D(内歯車6)の比率で配分される。本実施の形態では、D/D<D/D、すなわち内歯車6に配分される駆動力が太陽歯車5に配分される駆動力よりも大きくなるように各ピッチ円直径が設定されている。これにより、4輪駆動車101は、後輪112a,112bに前輪108a,108bよりも大きな駆動力が伝達される後輪偏重型の駆動力配分構成を有している。
デフケース7は、有底筒状の第1ハウジング71、及び第1ハウジング71の開口部を覆うようにして第1ハウジング71と一体回転するように結合された第2ハウジング72とからなり、4輪駆動車101の車体(図示せず)に回転可能に支持されている。
第1ハウジング71は、底部711と、底部と一体に形成された円筒部712とからなり、底部711が太陽歯車5と一体回転するように結合されている。底部711と遊星歯車4との間には、環状のワッシャ76が配置されている。また、円筒部712の内周面のうち内歯車6のスプライン嵌合部62aと対向する部位には、後述するクラッチ機構2のアウタクラッチプレート22が嵌合するスプライン嵌合部712aが形成されている。
第2ハウジング72は、第1エレメント721と、第2エレメント722と、第3エレメント723とを一体に結合して構成されている。第1エレメント721は、炭素鋼等の磁性材料からなり、第1ハウジング71の円筒部712の開口部721aに螺着して結合されている。第2エレメント722は、ステンレス等の非磁性材料からなるリング状の部材であり、第1エレメント721の内周面に溶接により結合されている。第3エレメント723は、炭素鋼等の磁性材料からなり、第2エレメント722の内周面に溶接により結合されている。第3エレメント723の内周面と内歯車6の連結部61の外周面と間には、軸受73が配置され、第3エレメント723の軸方向端面と内歯車6の連結部61の軸方向端面との間には軸受74が配置されている。
第2ハウジング72の差動機構1Aとは反対側には、第1ハウジング71と同じ方向に開口する環状の収容空間72aが形成されている。
(クラッチ機構2の構成)
クラッチ機構2は、内歯車6のスプライン嵌合部62aに軸方向移動可能かつ相対回転不能に嵌合されたインナクラッチプレート21、及び第1ハウジング71のスプライン嵌合部712aに軸方向移動可能かつ相対回転不能に嵌合されたアウタクラッチプレート22からなるクラッチ20と、クラッチ20を押圧する押圧機構200とを有している。
押圧機構200は、第1ハウジング71のスプライン嵌合部712aに軸方向移動可能かつ相対回転不能に嵌合されたアーマチュア23と、第2ハウジング72の収容空間72aに収容された電磁コイル24と、電磁コイル24を保持するヨーク25とを有して構成されている。
ヨーク25は、第2ハウジング72の第3エレメント723の外周面との間に配置された軸受75により支持されている。ヨーク25の外周面と第2ハウジング72の第1エレメント721の内周面との間、及びヨーク25の内周面と第2ハウジング72の第3エレメント723の外周面との間には、所定の間隔でエアギャップが形成されている。
電磁コイル24には、図略の配線により制御部10から電流が供給される。電磁コイル24に通電されると、ヨーク25,第2ハウジング72の第1エレメント721,インナクラッチプレート21及びアウタクラッチプレート22,アーマチュア23,及び第2ハウジング72の第3エレメント723を磁路とする磁界が発生し、アーマチュア23が第2ハウジング72側に引き寄せられる。するとインナクラッチプレート21とアウタクラッチプレート22とが押圧され、クラッチ20の締結力が発生する。このクラッチ20の締結力は、太陽歯車5と内歯車6、ひいてはフロントドライブ軸105とプロペラシャフト109の差動を制限する差動制限力となる。
(制御部10の構成)
図3は、制御部10の構成を示すブロック図である。制御部10は、CPU(中央演算処理装置)等から構成される処理実行部11と、ROM,RAM等の記憶素子から構成される記憶部12と、各種センサ10a〜10gからの信号を受信する入力回路13と、電磁コイル24へ電流を供給する出力回路14とを有している。
処理実行部11は、記憶部12に記憶されたプログラム120に従って動作することで、基本制御手段111及びオーバーステア制御手段112として機能する。記憶部12には、プログラム120の他、フィードフォワードトルクマップ121,フィードバックトルクマップ122,オーバーステア制御トルクマップ123が記憶されている。
図4は記憶部12に記憶されたトルクマップの一例を示し、(a)はフィードフォワードトルクマップ121を、(b)はフィードバックトルクマップ122を、(c)はオーバーステア制御トルクマップ123をそれぞれ示す。
(基本制御)
フィードフォワードトルクマップ121は、スロットル開度と第1電流指令値との関係を示す。図4(a)に示すように、フィードフォワードトルクマップ121は、スロットル開度の増大に伴って増加し、その増加率が徐々に小さくなる第1電流指令値の特性を示す。
フィードバックトルクマップ122は、前輪108a,108bの平均回転速度と後輪112a,112bの平均回転速度との差である差動回転速度と第2電流指令値との関係を示す。図4(b)に示すように、フィードバックトルクマップ122は、差動回転速度にほぼ比例した第2電流指令値の特性を示す。
基本制御手段111は、フィードフォワードトルクマップ121及びフィードバックトルクマップ122を参照してクラッチ20の締結力を制御する。より具体的には、フィードフォワードトルクマップ121を参照して得た第1電流指令値とフィードバックトルクマップ122を参照して得た第2電流指令値とを足し合わせて電流指令値を求め、その電流指令値の電流を電磁コイル24に供給するよう、出力回路14に指令信号を送る。
これにより、運転者が加速のためにスロットル開度を大きくする操作を行った場合には、第1電流指令値が大きくなって電磁コイル24の通電電流が増加する。するとクラッチ20の締結力が増大して差動制限力が大きくなる。この結果、前輪108a,108b及び後輪112a,112bに伝達される駆動力が均一化されてスリップの発生が抑制される。
また、例えば前輪108a,108b又は後輪112a,112bにスリップが発生して差動回転速度が増大した場合には、第2電流指令値が大きくなって電磁コイル24の通電電流が増加する。するとクラッチ20の締結力が増大して差動制限力が大きくなる。この結果、スリップが収束する。
(オーバーステア状態における車両の挙動)
図5は、4輪駆動車101がオーバーステア状態で左カーブを旋回している際の状況を示す。このようなオーバーステア状態は、例えば運転者が過剰にアクセルを踏み込んで後輪112a,112bが所謂ドリフトアウトした場合等に発生し得る。このような場合、通常、運転者はステアリングを旋回方向(左方向)とは逆方向(右方向)に操作するカウンターステア操作を行う。
このような状態では、後輪112a,112bは車両進行方向(矢印Aで示す)に対して傾斜する一方、前輪108a,108bは車両進行方向に沿った方向を向く。そのため、前輪108a,108bの回転速度が後輪112a,112bの回転速度よりも速くなり、差動回転速度が増大する。
仮に4輪駆動車101が基本制御手段111を有し、オーバーステア制御手段112を有していない場合には、差動回転速度の増大により第2指令電流が大きくなり、電磁コイル24に供給される電流の増加によりクラッチ20による差動制限力が増す。この差動制限力は前輪108a,108bの回転速度と後輪112a,112bの回転速度とを等しくするように作用するので、差動制限力の増大によって前輪108a,108bには制動力が、後輪112a,112bには加速力が働く。すると4輪駆動車101に矢印Bで示す反時計回りのヨーモーメントが発生し、さらに強いオーバーステア状態となる。
しかし、本実施の形態に係る4輪駆動車101の制御部10は、次に説明するオーバーステア制御手段112を有しているため、上記のような状況に陥ることを回避できる。
(オーバーステア制御)
オーバーステア制御は、4輪駆動車101が旋回中にオーバーステア状態となったときにオーバーステア制御手段112により実行される制御である。オーバーステア制御手段112は、オーバーステア状態となったときにオーバーステア制御トルクマップ123を参照し、電磁コイル24に供給される電流を小さくする制御を行う。
オーバーステア制御トルクマップ123は、前輪108a,108bの平均回転速度と後輪112a,112bの平均回転速度との差である差動回転速度と第3電流指令値との関係を示す。図4(c)に示すように、オーバーステア制御トルクマップ123は、差動回転速度の増大に伴って徐々に大きくなる第3電流指令値の特性を示す。
オーバーステア制御手段112は、各種センサ10a〜10gから受け取った情報に基づいて4輪駆動車101がオーバーステア状態であると判定すると、オーバーステア制御トルクマップ123を参照して第3電流指令値を求め、基本制御手段111が演算した第1電流指令値から第3電流指令値を減算して得た電流指令値の信号を出力回路14に送る。これにより、オーバーステア状態における差動制限力が、基本制御手段111のみを有する場合よりも低減される。
また、上記のようにオーバーステア状態が助長される現象は、例えばスロットルを閉状態とした減速時において顕著であるので、オーバーステア状態であり、かつ減速状態であるときに第1電流指令値から第3電流指令値を減算して電流指令値とする処理を行うようにしてもよい。このようにして処理を行う場合の制御部10の動作例を次に説明する。
(制御部10の動作)
図6は、制御部10の動作手順を示すフローチャートである。制御部10は、このフローチャートに示す処理を所定の制御周期で繰り返し行う。
基本制御手段111は、スロットル開度センサ10g受け取ったスロットル開度の情報に基づいてフィードフォワードトルクマップ121を参照し、第1電流指令値を演算する(S10)。
次に、基本制御手段111は、車輪速センサ10a〜10dから受け取った各車輪の車輪速の情報に基づいてフィードバックトルクマップ122を参照し、第2電流指令値を演算する(S11)。
次に、オーバーステア制御手段112は、4輪駆動車101がオーバーステア状態であるか否かを判定する(S12)。この判定は、例えば前輪108a,108bの平均回転速度が後輪112a,112bの平均回転速度よりも大きいか否かにより行うことができる。また、ヨーレイトセンサ10eから受け取ったヨーレイトの情報や、操舵角センサ10fから受け取った操舵角の情報に基づいてこの判定を行ってもよい。
ステップS12でオーバーステア状態であると判定された場合には、オーバーステア制御手段112は、4輪駆動車101が減速中であるか否かを判定する(S13)。この判定は、車輪速センサ10a〜10dから受け取った各車輪の車輪速の情報の時間変化によって行ってもよく、スロットル開度センサ10gから情報を受け取ったスロットル開度が所定の閾値以下であるか否かによって判定してもよい。
ステップS13で減速中であると判定された場合には、オーバーステア制御手段112は、前輪108a,108bと後輪112a,112bとの差動回転速度に基づいてオーバーステア制御トルクマップ123を参照し、第3電流指令値を演算する(S14)。
次にオーバーステア制御手段112は、ステップS10で演算した第1電流指令値からステップS14で演算した第3電流指令値を減算して電流指令値を演算し(S15)、その電流指令値を出力回路14に送る(S16)。なお、この減算の結果が負の値になる場合には、電流指令値をゼロとする。
一方、ステップS12でオーバーステア状態でないと判定された場合、又はステップS13で減速中でないと判定された場合には、ステップS10で演算した第1電流指令値とステップS11で演算した第2電流指令値とを足し合わせて電流指令値を演算し(S17)、その電流指令値を出力回路14に送る(S18)。
そして、出力回路14は電流指令値に応じた電流を電磁コイル24に供給する。以上により、1回の制御周期における制御部10の処理を終了する。
(本実施の形態の効果)
以上説明した本実施の形態によれば、オーバーステア状態かつ減速状態であるときに、差動回転速度の増大に伴って差動制限力が増大することがなく、旋回時におけるオーバーステア状態を抑制することができる。
[他の実施の形態]
以上、本発明の駆動力配分制御装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、オーバーステア状態かつ減速状態であるときに、第1電流指令値から第3電流指令値を減算して電流指令値を求めたが、オーバーステア状態かつ減速状態であるときには、第3電流指令値を演算することなく、出力回路14へ送る電流指令値をゼロにしてもよい。
(2)上記実施の形態では、オーバーステア状態かつ減速状態であるときに、第1電流指令値から第3電流指令値を減算して電流指令値を求めたが、減速状態の判定をせず、オーバーステア状態であるときに第1電流指令値から第3電流指令値を減算して電流指令値を求めてもよい。
(3)上記実施の形態では、駆動力配分制御装置1が遊星歯車式の差動機構1Aを有する場合について説明したが、これに限らず、例えばデフケースに支承された一対のピニオンギヤにギヤ軸を直交させて噛み合う一対のサイドギヤを有する傘歯車式の差動機構を用いて駆動力配分制御装置を構成してもよい。
(4)上記実施の形態では、駆動力配分制御装置1が後輪偏重型の駆動力配分構成の差動機構1Aを有する場合について説明したが、これに限らず、前後輪均等型、又は前輪偏重型の差動機構を用いて駆動力配分制御装置を構成してもよい。
(5)上記実施の形態では、駆動力配分制御装置1のクラッチ20が電磁コイル24の磁力によって押圧される場合について説明したが、これに限らず、例えば油圧によってクラッチを押圧してもよい。この場合、制御部は油圧の調整によってクラッチの締結力を制御する。
(6)駆動源としては、エンジン102に限らず、例えば電気モータを使用してもよい。又はエンジンのような内燃機関と電気モータとを組み合わせて駆動源としてもよい。
1…駆動力配分制御装置、1A…差動機構、1B…差動装置、2…クラッチ機構、3…保持器、4…遊星歯車、5…太陽歯車、5b…ギヤ部、5c…スプライン嵌合部、6…内歯車、7…デフケース、10…制御部、10a,10b,10c,10d…車輪速センサ、10d…車輪速センサ、10e…ヨーレイトセンサ、10f…操舵角センサ、10g…スロットル開度センサ、11…処理実行部、12…記憶部、13…入力回路、14…出力回路、20…クラッチ、21…インナクラッチプレート、22…アウタクラッチプレート、23…アーマチュア、24…電磁コイル、25…ヨーク、31…連結部、31a…スプライン嵌合部、32…保持部、32a…保持孔、32b…支持面、32c…支持面、41…大径部、41a…ギヤ部、42…小径部、42a…ギヤ部、50…円筒部材、50a…歯車、61…連結部、61a…スプライン嵌合部、62…クラッチ連結部、62a…スプライン嵌合部、63…ギヤ噛み合い部、63a…ギヤ部、71…第1ハウジング、72…第2ハウジング、72a…収容空間、73…軸受、74…軸受、75…軸受、76…ワッシャ、101…4輪駆動車、102…エンジン、103…トランスミッション、104…入力軸、105…フロントドライブ軸、105a…歯車、106…フロントディファレンシャル、107a,107b…フロントアクスルシャフト、108a…右前輪、108b…左前輪、109…プロペラシャフト、110…リヤディファレンシャル、111…基本制御手段、111a,111b…リヤアクスルシャフト、112…オーバーステア制御手段、112a…右後輪、112b…左後輪、120…プログラム、121…フィードフォワードトルクマップ、122…フィードバックトルクマップ、123…オーバーステア制御トルクマップ、200…押圧機構、711…底部、712…円筒部、712a…スプライン嵌合部、721…第1エレメント、721a…開口部、722…第2エレメント、723…第3エレメント、D,D,D,D…ピッチ円直径

Claims (2)

  1. 車両の駆動源の駆動力を前輪側の駆動軸と後輪側の駆動軸とに、これらの駆動軸間の差動を許容して配分する差動機構と、
    前記駆動軸間の差動を制限するクラッチと、
    前記クラッチの締結力を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記車両がオーバーステア状態となったときに、前記クラッチの締結力を低減する
    4輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  2. 前記制御部は、前記車両がオーバーステア状態かつ減速状態となったときに、前記クラッチの締結力を低減する請求項1に記載の4輪駆動車の駆動力配分制御装置。
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