JP2011142805A - エネルギー中継器を用いた無線エネルギー伝達方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本システムは、エバネッセント波の結合を介してエネルギーをシンクに無線で伝達するように構成されるソースであって、エネルギーの受信に応答して、電磁(EM)近接場を生成する、ソースと、該ソースとシンクとの間の結合を増大させるように配置されるエネルギー中継器であって、ソース、シンク、およびエネルギー中継器は電磁および非放射構造である、エネルギー中継器とを備える。
【選択図】図2A
Description
本出願は、Koon Hoo Teoによって出願された、「Wireless Energy Transfer with Negative Index Material」と題する、2009年12月3日付けで出願された米国特許出願第(MERL−2218)12/630,498号、および、Koon Hoo Teoによって本出願と同時出願され、参照により本明細書に援用される、「Wireless Energy Transfer with Negative Index Material」と題する、2009年12月xx日付けで出願された米国特許出願第(MERL−2259)12/xxx,xxx号に関する。
誘導結合は、コードレス電子歯ブラシまたはハイブリッド車両バッテリの充電のような多くの無線エネルギー伝達用途において使用されている。変圧器、ソースのような結合インダクタにおいて、たとえば一次コイルが、電磁場としてエネルギーを生成し、シンク、たとえば2次コイルが、該シンクを通過するエネルギーが最適化される、たとえばソースのエネルギーと可能な限り類似するように電磁場の範囲を定める(subtend)。エネルギーを最適化するために、ソースとシンクとの間の距離は可能な限り小さくなるべきである。これは、距離が長くなると誘導法が非常に効果のないものとなるためである。
共振結合において、2つの共振電磁物体、すなわちソースおよびシンクが、共振状態の下で互いに相互作用する。共振結合は中距離、たとえば共振周波数波長の数分の1にわたってソースからシンクにエネルギーを伝達する。
結合モード理論によれば、結合強度は結合係数kによって表される。結合強化は、結合係数kの絶対値の増加によって表される。結合モード理論に基づいて、共振結合系の共振周波数は、複数の周波数に分割される。たとえば、2つの物体の共振結合系において、結合効果に起因して、偶モード周波数および奇モード周波数と呼ばれる2つの共振周波数が観測され得る。2つの全く同じ共振構造によって形成される2つの物体の共振系の結合係数は、以下にしたがって偶モードおよび奇モードを分割することによって計算される。
したがって、ソースとシンクとの間の無線エネルギー伝達を最適化することが望まれている。
この発明の実施の形態1は、エネルギーソースとエネルギーシンクとの間のエバネッセント波の結合を、ソースおよびシンクの近隣における少なくとも1つのエネルギー中継器を、該エネルギー中継器によって、ソースによって生成されるいくつかのエバネッセント波がシンクにリダイレクトされるように戦略的に配置することによって、エネルギーソースとエネルギーシンクとの間のエバネッセント波の結合を最適化することができるという認識に基づく。
エバネッセント波は、該波が形成された境界からの距離と共に強度が指数関数的に減衰する近接場定常波である。エバネッセント波235は、構造210と、波の動きに関して異なる特性を有する他の「媒体」、たとえば空気との間の境界において形成される。エバネッセント波は、外部エネルギーがEM構造によって受信されるときに形成され、EM構造210の表面からの近接場の波長の3分の1内において最も強力である。
ウィスパリングギャラリーモードは、エバネッセント波が内部的に反射されるか、またはEM構造の表面によって収束される、エネルギー分散パターンである。最小の反射損失および放射損失に起因して、WGMパターンは通常高い品質係数に達するため、WGMは無線エネルギー伝達に有用である。
図4は、バラフライエネルギー分散パターンを示している。2つのEM構造411および412が互いに結合され結合系を形成する場合、結合系の主周波数は、偶周波数および奇周波数によって表される。偶周波数および奇周波数における近接場分散が、偶モード結合系410および奇モード結合系420として定義される。2つのEM構造の結合系の偶モードおよび奇モードの一般的な特性は、EM場が偶モードで同相である場合、奇モードで位相が異なるということである。
偶モード結合系および奇モード結合系は、バタフライ対として定義される、近接場強度の奇モード分散パターンおよび偶モード分散パターンを生成する。バタフライ対の近接場強度分散は、各EM構造の中心に対し0度および90度に配向される2つの線431および432、すなわちバタフライ対のブラインドゾーンにおいて最小に達する。しかしながら、強度分散を変更し、ブラインドゾーンの位置および/または配向を排除および/または変更することが多くの場合に望まれている。
図5は、この発明の実施の形態1による、交差対500として定義される近接場強度の分散パターンを示している。交差対分散パターンは、各EM構造の中心に対し0度および90度に配向される最適ゾーン1231および1232を有する。すなわち、交差対パターンの最適ゾーンは、バタフライ対パターンのブラインドゾーンに対応する。したがって、バタフライ対パターンおよび交差対パターンの1つの重要な特性は、それらのパターンのそれぞれのブラインドゾーンが重複せず、このため双方の種類のパターンが利用される場合にブラインドゾーンを排除することが可能であるということである。バタフライパターンおよび交差パターンは、同じ桁のシステム品質係数および結合係数を有する。
この発明のいくつかの実施の形態1は、バタフライ対エネルギー分散パターンおよび交差対エネルギー分散パターンの知識を使用して、ソースおよびシンクの近隣にエネルギー中継器を配置する。いくつかの実施の形態1では、シンクのロケーションは所定であり、エネルギー中継器は、シンクが所定のロケーションに配置されるときに、ソースとシンクとの間の結合を最適化するように配置される。いくつかの実施の形態1では、この目標は実験的に達成される。
この発明の別の実施の形態2は、近接場の結合を介してエネルギーを無線で交換するための方法であって、第1の構造を提供するステップであって、該第1の構造は、該第1の構造の近接場と第2の構造の近接場との結合を介して該第2の構造とエネルギーを無線で交換するように構成され、該第1の構造および該第2の構造は、電磁(EM)および非放射であり、該第1の構造および該第2の構造は、エネルギーの受信に応答してEM近接場を生成する、第1の構造を提供するステップと、第1の構造と第2の構造との間の配向を確定するステップと、第1の構造の近接場が、配向に最適な特定のエネルギー分散パターンにしたがって生成されるように第1の構造の主周波数を調整するステップと、エネルギーを無線で交換するステップとを含む、方法を提供する。
Claims (22)
- エネルギーを無線で伝達するように構成されるシステムであって、
前記エネルギーを、エバネッセント波の結合を介してシンクに無線で伝達するように構成されるソースであって、前記エネルギーの受信に応答して、電磁(EM)近接場を生成する、ソースと、
前記ソースと前記シンクとの間の前記結合を増大させるように配置されるエネルギー中継器であって、前記ソース、前記シンク、および前記エネルギー中継器は電磁および非放射構造である、エネルギー中継器と、
を備える、システム。 - 前記エネルギー伝達中の前記シンクのロケーションは所定であり、前記エネルギー中継器は、前記ソースと前記シンクとの間の前記結合を増大させるように配置され、一方、前記シンクは前記所定のローケーションに配置される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギーを前記ソースに供給するように構成されるドライバをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記結合を強化するように前記EM近接場内に配置される負屈折率材料(NIM)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記ソースおよび前記エネルギー中継器は共振構造である、請求項1に記載のシステム。
- 前記NIMは、前記シンクの前記所定のロケーションに基づいて配置される、請求項2に記載のシステム。
- 前記NIMは、前記ソースを取り囲むように配置される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器は、偶バタフライパターン、奇バタフライパターン、偶交差パターン、および奇交差パターンから成るパターン群から選択されるエネルギー分散パターンに基づいて配置される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー分散パターンは、前記ソース、前記エネルギー中継器、および前記シンク間の距離および/または配向に基づいて確定される、請求項1に記載のシステム。
- 前記NIMは負誘電率特性および負透磁率特性を有する、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器は、前記ソースから前記エバネッセント波を受信すると共に、該エバネッセント波の少なくともいくつかを前記シンクにリダイレクトするように構成される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器は、前記ソースから前記エネルギーを受信すると共に、該エネルギーを増幅すると共に、該エネルギーを前記シンクに伝送するように構成される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器はループを含み、該ループは、該ループの軸が前記シンクに向かって方向付けられるように回転される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器はループを含み、該ループは、該ループの軸が前記シンクの軸に直交するように回転される、請求項1に記載のシステム。
- 前記エネルギー中継器は第1のエネルギー中継器であり、前記システムは、
前記ソースと前記シンクとの間の前記結合を増大させるように配置される第2のエネルギー中継器であって、前記第1のエネルギー中継器は該第2のエネルギー中継器に強力に結合されない、第2のエネルギー中継器をさらに備える、請求項1に記載のシステム。 - 受動エネルギー中継器および能動エネルギー中継器のネットワークをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 近接場の結合を介してエネルギーを無線で伝達するための方法であって、
ソースを提供するステップであって、該ソースは、該ソースの前記近接場とシンクの前記近接場との結合を介して該シンクに前記エネルギーを無線で伝達するように構成され、該ソースおよび該シンクは、前記エネルギーの受信に応答して電磁(EM)近接場を生成するように構成される、EMおよび非放射構造である、ソースを提供するステップと、
エネルギー中継器を提供するステップであって、該エネルギー中継器は、前記シンクが所定のロケーションに配置されるとき、前記ソースと前記シンクとの間の前記結合を増大させるように構成される、エネルギー中継器を提供するステップと、
前記エネルギーを無線で伝達するステップと、
を含む、方法。 - 前記エネルギー中継器によって、前記ソースから前記エネルギーの少なくとも部分を受信するステップと、および
前記エネルギー中継器によって、前記エネルギーの少なくとも部分を前記シンクに伝達するステップと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。 - 負屈折率材料(NIM)を使用して前記結合を増大させるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
- エネルギーを無線で交換するように構成されるシステムであって、
構造であって、前記エネルギーを、エバネッセント波の結合を介して無線で交換するように構成され、該構造は電磁(EM)および非放射であり、該構造は前記エネルギーの受信に応答してEM近接場を生成する、構造と、
コントローラであって、前記近接場が特定のエネルギー分散パターンにしたがって生成されるように前記構造の主周波数を調整するように構成される、コントローラと、
を備える、システム。 - 近接場の結合を介してエネルギーを無線で交換するための方法であって、
第1の構造を提供するステップであって、該第1の構造は、該第1の構造の近接場と第2の構造の近接場との結合を介して該第2の構造と前記エネルギーを無線で交換するように構成され、該第1の構造および該第2の構造は、電磁(EM)および非放射であり、該第1の構造および該第2の構造は、前記エネルギーの受信に応答してEM近接場を生成する、第1の構造を提供するステップと、
前記第1の構造と前記第2の構造との間の配向を確定するステップと、
前記第1の構造の前記近接場が、前記配向に最適な特定のエネルギー分散パターンにしたがって生成されるように前記第1の構造の主周波数を調整するステップと、
前記エネルギーを無線で交換するステップと、
を含む、方法。 - 近接場の結合を介してエネルギーを無線で交換するためのシステムであって、
第1の構造であって、該第1の構造の近接場と第2の構造の近接場との結合を介して該第2の構造と前記エネルギーを無線で交換するように構成され、該第1の構造および該第2の構造は、電磁(EM)および非放射であり、該第1の構造および該第2の構造は、前記エネルギーの受信に応答してEM近接場を生成する、第1の構造と、
前記第1の構造と前記第2の構造との間の配向を確定する手段と、
前記第1の構造の前記近接場が、前記配向に最適な特定のエネルギー分散パターンにしたがって生成されるように前記第1の構造の主周波数を調整する手段と、
を備える、システム。
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