JP2011138727A - 位相検出装置及びそれを用いた照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の照明装置を協調的に制御する機能を備える照明制御システムを提供する。
【解決手段】第一の照明装置を有する照明装置であって、第一の照明装置は、第二の照明装置からの送信信号及び周囲の明るさを検知して混合信号に光電変換する受光手段(110)と、混合信号から位相を検出する位相検出手段(120)と、位相検出手段の結果に基づいて、受光信号を復調する復調手段(130)と、位相検出手段の結果に基づいて、同期信号を生成する同期信号生成手段(140)と、受信信号及び第一の照明装置の明るさ設定値に基づいて、第一の照明装置への第一の制御信号及び第二の照明装置への第二の制御信号を生成する照明制御手段(150)と、第一の制御信号及び第二の制御信号を発光パルスに変換する駆動手段(160)と、発光パルスに基づいて、第一の照明装置を発光させる発光手段(170)と、を備えることを特徴とする照明装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、位相検出装置及びそれを用いた照明装置に関する。
複数の照明装置を協調的に制御する機能を備える構成を照明制御システムと呼ぶことにする。この照明システムにおいて、個々の照明装置のオンオフ、あるいは発光の輝度などを制御するには、電源の供給に加えて、制御信号が用意されなければならない。制御信号を個々の照明装置に伝達する方法としては、電源線,専用線を用いる有線,電磁波を用いた無線、などがある。例えば、非特許文献1によれば、北京オリンピック公園における約18000灯を対象にして、有線のネットワークによる制御を行うことで、システムの柔軟性,システムの信頼性を高めるとともに、省エネルギーと容易な設備管理を実現している。特許文献1は、照明手段が、照明手段を識別するための識別コードを含むデータを放射光を変調し、ユーザー制御装置が照明手段からの光を受信してデータを抽出し、主制御装置は、ユーザー制御装置によって送信されたデータを受信し、それによって照明手段の動作を制御する。特許文献2は、隣り合う照明ユニット同士は、通信部によって通信が行われ、センサで個々独立して外部環境に反応しながらも協調して発光動作を行うことができるシステムを示している。そして、複数の照明ユニット間の通信手段として、配線の手間を省くため、ブルートゥース,2.4GHz帯高度化小電力データ通信,5GHz帯高度化小電力データ通信,赤外線通信など近距離無線通信装置としている。さらに、特許文献3は、通信の有無に関わらずLED発光の明るさを一定に保つため、キャリア信号を加えない時のLED電流(あるいは電圧)とキャリア信号を加えた時(変化した時)の平均的なLED電流(あるいは電圧)とが必ず一致する駆動回路を示している。
特表2008−537307号公報 特開2006−185765号公報 特開2008−312081号公報
藤村英樹ほか「広域照明管理用エリアマネージメントシステム」パナソニック電工技報、p84-91、Vol.57、No.2、2009
しかしながら、非特許文献1は、照明装置が備える発光手段を用いた光通信を考慮していない。特許文献1は、照明手段,ユーザー制御装置,主制御装置間で何らかの通信手段を備えているが、照明手段間で通信を行う機能は備えていない。特許文献2は、複数の照明ユニット間の通信手段として、照明装置が備える発光手段を用いた光通信を考慮していない。また、N対Nの具体的な通信手順を示していない。特許文献3は、照明の明るさを任意に調整することを考慮していない。また実用上の課題として、有線を媒体とする通信は、信号線の敷設,増設,変更,撤去に負担が掛かる。無線,電源線などを媒体とする通信は、数多くの法令,規格等の制約が課せられている場合が多い。いずれも通信方式も、信号の伝達範囲を制御することが困難であるので、意図しない機器との相互作用の恐れがある。
本発明の目的は、複数の照明装置を協調的に制御する機能を備える照明制御システムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、第一の照明装置を有する照明装置であって、第一の照明装置は、第二の照明装置からの送信信号及び周囲の明るさを検知して混合信号に光電変換する受光手段と、混合信号から位相を検出する位相検出手段と、位相検出手段の結果に基づいて、受光信号を復調する復調手段と、位相検出手段の結果に基づいて、同期信号を生成する同期信号生成手段と、受信信号及び第一の照明装置の明るさ設定値に基づいて、第一の照明装置への第一の制御信号及び第二の照明装置への第二の制御信号を生成する照明制御手段と、第一の制御信号及び第二の制御信号を発光パルスに変換する駆動手段と、発光パルスに基づいて、第一の照明装置を発光させる発光手段と、を備えることを特徴とする照明装置である。
本発明により、複数の照明装置を協調的に制御する機能を備える照明制御システムを提供できる。
本発明の一実施例の構成を示す図。 照明装置の構成例を示す図。 複数の照明装置のトポロジーを示す図。 本発明の一実施例の構成を示す図。 トポロジーを示す図。 階層モデルの説明図。 フレーム構造を示す図。 帰還ループの説明図。 帰還ループの説明図。 混合信号の説明図。 同期化手順を示す図。 同期化手順のフローチャート。 通信手順の説明図。 通信手順の説明図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
以下の実施例は本願発明の内容の具体例を示すものであり、本願発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
〔実施例〕
図1に、本発明の一実施例の統計的同期化処理の構成例を示す。第一の照明装置を自機とする。第二の照明装置を他機とする。受光手段110は他機からの送信信号及び周囲の明るさを検知して混合信号に光電変換する。受光手段110を用いて入力する受信信号には、複数個の送信機の発光手段からの送信信号が含まれている。これらの複数の送信信号は、信号振幅と位相とが混合している。位相検出手段120は、信号振幅及び位相の混合信号から位相を検出する手段である。後述するように、瞬時に唯一の位相を検出することは困難であるので、手続き型の信号処理を用いて位相検出を行う。具体的には、繰り返し手順を用いて同期信号が収束するまで動作する。こうして検出した位相に関わる信号から、復調手段130を用いて受信信号に含まれるデータを取り出す。つまり、復調手段130は、位相検出手段120の結果に基づいて、受光信号を復調している。また、同期信号生成手段140を用いて自機の同期信号を生成する。つまり、位相検出手段120の結果に基づいて、同期信号生成手段140は同期信号を生成する。そして、復調した受信データ及び自機の照明の明るさの設定する照明設定値180から、照明制御手段150を用いて自機の動作および他機への送信データ(第一の制御信号及び第二の制御信号)を決める。つまり、照明制御手段150は受信信号及び自機の明るさ設定値に基づいて、自機への第一の制御信号及び他機への第二の制御信号を生成する。自機の照明の明るさ及び他機への送信データは、共に駆動手段160により発光パルスに変換される。発光パルスに基づいて、発光手段170の発光として自機に出力する。
ここで、受光手段110は、光電変換の機能を持つセンサである。ただし、その原理は限定されず、フォトセンサなどのほか、CCDあるいはCMOSなどの撮像素子を明るさの検出に利用しても良い。発光手段170は、LEDやOLEDなどを利用できる。なお、以下の説明では、照明手段,発光手段,照明装置を区別なく混用することがある。
位相検出手段120として、専用に構成されたハード回路ができるほか、後述するように、手続き型の手順で記述されたソフトウェアを実行するマイクロプロセッサが利用できる。同様に、復調手段130,同期信号生成手段140及び照明制御手段150についても、専用に構成されたハード回路ができるほか、後述するように手続き型の手順で記述されたソフトウェアを実行するマイクロプロセッサが利用できる。駆動手段160として、LED,OLEDなどの発光手段170を駆動するためのトランジスタ回路,FET回路またはIC回路が利用できる。
また、図示していないが、照明装置の動作手順を記憶するための記憶手段を備えることで、上記手段を組み合わせた手順を実行することができる。このための記憶手段としては、読み出し専用のメモリ(ROM),バックアップ電源を備えるスタティックメモリ(SRAM)、あるいは書き換え可能な不揮発性メモリ、などを利用できる。
本発明の一実施例の特徴は、照明の明るく照らす機能及び通信の機能を同一の発光手段で実現することである。また、複数の照明装置の組み合わせとして協調動作を行うための通信による制御を行うことである。協調動作を行うための通信は光を媒体とする通信である。照明は明るく照らす目的があるから可視光であるので、可視光通信と呼ぶことができる。ここで、複数の機器との通信を行うには、全ての機器のクロックが同期しなければならない。言い換えれば、全ての機器の同期信号の位相が揃わなければならない。本発明の一実施例は、位相検出手段120により複数の機器から受光した混合信号から同期信号を検出して、同期信号生成手段140によって自機の同期信号を再生することを特徴とする。そして、機器間の通信を成立させることで協調的な動作を行うことを特徴とする。なお、以下の説明では、位相検出と位相比較を区別することなく混用することがある。また、同期信号及びクロックを、同じ位相関係を持つ信号として区別なく混用することがある。
まず、簡単のため1対1通信について説明する。受信する信号からクロック(同期信号)を抽出して、クロック(同期信号)に基づいてデータを再生する方法がある。具体的には、PLL(Phase Locked Loop)と呼ばれる技術を用いてクロック(同期信号)を抽出する方法である。PLLの基本構成は、位相比較回路,低域通過フィルタ(LPF)及び発振器の組み合わせである。ここで、位相比較回路は、入力する受信信号のクロックの位相と自機が発振するクロックの位相とを比較するものである。そして、両者の位相が一致するように、自機が備える発振器の位相を調整する。両者の信号のANDを算出して位相を比較する方法などがある。こうして、位相が一致したならば、受信信号のクロックが抽出できたことになる。これにより、受信信号からクロックに同期したデータを再生することができる。なお、送信信号(=受信信号)は何らかの変調方式で変調されていることがあるが、変調方式は任意である。
次に、2対1の通信を示す。この構成例に含まれる3機は全て対等の立場であるが、説明のため前者2機を他機、後者1機を自機であるとする。それぞれの機器間で通信を行うため、それぞれの機器は送信と受信との動作を同時に行うことがある。また、自機が受信する信号は、他機のみならず自機が送信する光信号が混合されていることがある。さらに、例えば初期状態(夕暮れになって点灯開始する時点など)においては、機器間の同期が取れていない。このように、機器間を伝達する光信号には複数の機器が送信する光信号が混合され、且つ、それぞれの機器が送信する光信号は同期が取れていない場合がある。自機は、このように混合され且つ非同期の光信号を光電変換手段で電気信号に変換した後、電気信号を用いたデータ再生が可能になるような処理手順を実行する。混合信号が生成される要因は光通信の媒体である光の混合である。しかし、光電変換後の電気信号も混合信号と同じ性質を有するので、以下の説明では、両者を区別することなく混合信号と呼ぶことにする。
それぞれの送信機が送信するデータを再生するには、それぞれの同期信号が抽出できなくてはならない。しかし、全く任意に混合された信号から、それぞれの同期信号を分離するのは困難である。前記した1対1の場合は位相を比較すれば良い。しかし、混合信号の場合は位相比較ではなくて、複数の信号の位相を区別して検出しなければならない。イーサネット等では導線を流れる電気信号で通信を行うのに対して、光通信は空間を通過する光を用いて通信を行う。そのため、何らかの条件で光りが届かない、弱まる、または外部光源の光りが重畳することがある。複数個の照明装置の組み合わせにおいて、任意の照明装置間で光通信が成り立つとは限らない。また、受信した信号に自機が発した信号が含まれる場合と含まれない場合とがある。
本発明の一実施例は、これらを前提として、光通信が成り立つ複数の照明装置間の通信を順次に成立させていくことにする。光通信が成り立つのは隣接する複数個の照明装置とするならば、部分エリアで成立する同期が徐々に全体エリアに広がって同期していくことになる。上記の通信手順は、個々の照明装置にとっては簡易な手順で表される。つまり、受信信号から最も尤もらしい同期信号を抽出して、尤もらしい同期信号に自機の同期信号を合わせれば良い。
初期状態においては、受信信号には複数の送信機からの信号が混合されている。1対1通信における位相比較とは異なり、混合信号は統計的に扱うことが適している。光通信において、最も尤もらしい同期信号の判断方法の一つは、最も大きな信号振幅の同期信号とするものである。本発明の一実施例は、混合信号の周期内のピーク点を検出し、その位相を検出する。そして、自機の同期信号の位相を合わせ込んでいくことができる。そのほかの手順を含めて、ここでは、統計的位相検出による最尤位相検出と呼ぶことにする。
次に、図2を用いて大規模エリアの照明として、屋外に設置された複数の照明装置の組み合わせを例示する。例えば、公園,街路,駐車場またはスポーツ施設などとする。この例では、昼間は日が射すことから人工的な照明は不要である。夕方から夜にかけては、安心と安全を保つために十分な明かりを照明装置によって提供する。そして深夜または人通りが無いときは、省エネのために明るさを落とす。このような照明装置の制御を行うには、個々の照明装置が明るさを調整できる調光手段及び外部の状況を検知するセンサを有する必要がある。ここで調光手段は図示していないが、照明装置と電気配線で接続する調整手段、あるいは赤外線リモコンのような無線による調整手段であって良い。いずれの場合にも、特定の照明装置の明るさを任意に設定できるものとする。
さらに、個々がバラバラで動作するのではなくて、全体として協調動作することが望ましいとする。この協調動作を行うには、個々の照明装置が何らかの手段で通信できる手段が必要になる。通信を実現する手段は、従来から多くの方式が提案されており、そのうちの一つを選択すれば良い。ここで、選択にあたっての考慮事項を幾つか示す。まず、新たに通信路を配線するにはコストが掛かるので無線方式が望ましい。屋外において不要な電磁波を発することは、その他の装置へのノイズとなるので好ましくない。いわゆる微弱電波を利用する無線方式は候補の一つとなるが規格が厳しく決まっており、自由度が低い。これらを勘案するならば、照明装置自身の明かりを用いた可視光通信が有力候補となる。発光手段が明るく照らす機能及び通信機能を有することで、通信のためだけに別装置を用意する必要が無い。これにより、コスト低減にもなる。
そこで、以下に具体的な可視光通信を示す。大規模エリアの照明としては、全域においてある程度の明るさを維持するように照明装置を配置する。ある程度の明るさを維持するには、隣接する照明装置の照明範囲を少なくとも一部が共有することになる。外部の明るさにより照明の明るさを変化させるために、照明装置は明るさを検知するセンサを備える。センサの視野は光学的に設定できるので、例えば空の明るさを検知するとともに、隣接する照明装置の明るさを検知する。さらに、検知した信号の変化を判断することで、昼間から夕方への環境の変化及び夕方から夜における隣接照明装置の明るさを識別する。それぞれの照明装置は、夕方になって照明装置を点灯する。点灯を制御する装置にとって、毎日の点灯開始時点が制御装置の初期状態となる。一般に、初期状態においては幾つかの機能は不安定状態にある。それぞれの照明装置の通信機能も、十分に暗くなってから通信の同期がとれるようになる。同期を取るための同期化処理には幾つかの方法がある。例えば、照明装置のいずれかが先頭を切って同期信号の発光を始める。簡単には、先頭を切る装置を事前に決めておいて良い。その同期信号を受光した隣接照明装置は、自機のなかで同期信号を再生し、自機の同期信号の発光を始める。こうして同期信号の中継動作が全体に渡って繰り返されて、全体が同期することになる。一旦同期が成り立ったならば、何らかのプロトコルに基づく通信が開始できるので、コマンドの授受等を行うことで協調動作を実現する。
別の同期化処理の例を示す。一般に建物または樹木などがあるならば、地域内の環境の明るさは一様ではない。地域内に配置した複数の照明装置は、昼間から夕方への明るさの変化の判断条件が一様でない。このような状況では、明るさセンサを用いて暗くなったら点灯開始するという装置構成では、先頭を切って同期信号の発光をする照明装置が不特定である。また、先頭の発光が始まった時点で他の照明装置が受光できるほどに環境が暗くなければ、同期化処理が開始されない。そして、自機は先頭であると判断して複数の照明装置が発光を始めるならば、受光信号には複数の相手機の同期信号が混合する。したがって、即座には自機のなかで同期信号を再生することができない。また、複数の照明装置の周辺で局所的な判断による同期化が進みと、地域全体として同期化が収束しない。そこで、他の照明装置からの受光信号から、最も尤もらしい同期信号を検出して、それに自機の同期信号を合わせ込んで行く手順を用意する。
本発明の一実施例の光通信は、図3に示すように、各照明装置をメッシュトポロジーで接続することに相当する。基本的にはN対Nの通信を行う。ただし照明装置の配置レイアウトによってはメッシュが成立せず、単純な縦続接続になる場合もある。いずれにしても、中継を繰り返すことで全体に渡って制御信号の伝達を実現できる。前記したように、受光信号には複数の相手機からの同期信号が混合している。したがって、位相と振幅の関係を図示すれば、複数のピークを持つ分布信号と見ることができる。自機及び他機を含む複数の照明装置から最も尤もらしい同期信号として、上位二つのピークを選択して、その平均の位相を算出する。それに基づいて自機のなかで同期信号を再生し、自機の同期信号の発光を始める。暫くの時間をおいて、上記の平均化による自機の同期信号を最尤同期信号に同期させる同期化処理を繰り返す。そして、受光信号の位相の分布が十分に収束したならば、同期化処理を終了する。この手順は、局所的なエリア内の同期化を、平均化処理によって全エリアに渡って統合させていく効果がある。ここでは、平均化による同期化処理を説明したが、バリエーションが許容される。本発明の一実施例の特徴は、同期信号の位相に着目して統計的な処理を行うことで、位相の合わせ込みをすることである。したがって、統計的な位相検出の具体的な方法は、平均化に限るものではない。平均化の代わりに、中間値を用いてもよい。信号分布の分散に着目してもよい。あるいは、統計学における最尤化の手順を利用しても良い。
別の実施例として、照明装置の協調動作による省電力効果の実現について説明する。前記した大規模エリアの照明の目的は、基本的に、その場所に居る人物の安心安全の確保にある。したがって、その場所に人物が居なければ照明は不要である。人物は移動するから、その居場所を検知できるならば、その場所にある照明装置を点灯すればよい。人物の検出は多種多様な方法があるので限定するものではない。例えば、カメラを設置しておき、その撮影画像を適宜な信号処理をすることで場所を検知することができる。あるいは、照明装置が備える明るさ検出手段(センサ)を用いて、夜間における受光信号の変動の振幅および周波数から移動する人物の有無の判断を行っても良い。さらに、時間経過を利用すれば、人物の移動方向を検知できる。これらの適宜な検知手段で得られた結果を用いて、人物の居場所およびその移動方向の照明のあかるさを増大させる。このためには、地域内に設置された該当する照明装置を制御するための信号を通知しなければならない。
本発明の一実施例として、照明の明かりを使う光通信で制御信号の伝達を行う。検知手段をセンターマシンに置くか、各照明装置に分散配置するかは、任意である。その結果、どの照明手段を点灯するかという制御信号を、全体あるいは該当する照明手段に伝達する。そして例えば、人物の居場所を中心とするエリアを明るく照明することで安心安全を確保する。
一方、人物が居ない場所は、明るさを落とすことで消費電力を低減する。一般に、夜間において人物のいるエリアの割合は低いことから、全体として高い省エネ効果が得られる。照明手段に何らかの故障が発生して、発光の輝度が低下する場合がある。
本発明の一実施例として、図4に示すように自機の動作状況を検知する動作検知手段230を備える。自機または隣接する照明手段が備える明るさ検出手段は、検出する明るさの大きさを記憶する手段を備えておく。そして、前日あるいは過去数日間に受光した明るさの記憶値と、現在の明るさの大きさとを比較することで、明るさの低下がある場合には何らかの故障があると判断する。あるいは、発光手段を駆動する電圧と電流の関係から、発光手段の動作異常を検知する。これらの複数の検知手段による判断を組み合わせることで、故障あるいは何らかの異状を判断する。そして該当箇所の照明装置が故障していることを、例えば、照明の明るさを点滅させることで通知する。通知の相手は保守管理を担当する人物等とする。故障診断の起動は、保守管理する人物からの指令であってもよく、あるいは自機に用意する定常的な動作としても良い。前記したメッシュトポロジーでは、全ての機器が対等であり、N対N通信が成り立つ場合を説明したが、保守管理動作の起動コマンドを送信する機器を別途用意することができる。これは、図5に示すように非均等な機器を接続することになる。このコマンド送信機器190は、保守管理者の意図により光通信を開始して、メッシュ接続された照明機器の全てにコマンドを伝達する。そのレスポンスは光通信で受けてもよく、あるいは前記したように保守管理する人の目で見て分かるような照明の点滅で返しても良い。また、故障した照明装置により低下する照明の明るさを補償するように、隣接する照明装置へ依頼事項を通知して明るさを制御することで、該当エリアの明るさを維持する。こうして、照明装置の一部が故障したとしても、その地域を通る人物の安心安全を確保するように動作する。また、故障を自己診断する機能を実現することで、保守管理にかかる費用を削減する。なお、コマンドの種類と、それに基づく照明装置の動作内容は限定するものではない。上記例のような保守管理に関わるコマンドのほか、明るさの設定の指示、特定の場所の点灯指示、逆に特定の場所の消灯、あるいは発光色の設定指示などがあって良い。これらのコマンドの種類は、照明装置の出荷時に組み込んでおくことができるほか、照明装置の設置後に追加しても良い。設置完了して動作中の照明装置に対して、コマンドに関わる変更を指示するコマンドを用意することができる。
ところで、照明の目的の一つに人物の周辺を明るく照らすことがある。言い換えれば人物が居ないエリアは明るさを落としても良い場合がある。このような動作は、全体としての消費電力を削減する効果となる。人物検出の手段としては、本発明が備える明るさセンサの光電変換結果である信号の変化から、人体の動きに相当する周波数成分の有無を検知するなどして実現できる。このとき人物の移動時間と隣接する複数の照明装置の検知タイミングとの時間差を考慮に入れた複数の照明装置の連動による検知を行うことで、誤った検知を減らすことができる。また、そのほかに、人体が発する赤外線を検知する焦電センサ、あるいは撮像素子を用いて入力した動画像から人物の形状と動きを検出する手法、などの既知の方法を組み合わせても良い。
一般に、通信に関わる技術は、図6に示すような階層の積み上げで表現する。照明機能及び通信機能を同じ発光手段を用いて実現するときの階層を説明する。例えば、照明の明るさを自機および他機で協調的に制御するには、明るさ制御信号を送信することになる。この明るさ制御機能は、通信にとってはアプリケーションの一つである。明るさ制御信号は、最下位の物理層で管理される発光手段によって、発光パルス列として出力する。ここで、自機の発光の明るさは、同時に、明るさ制御信号で示す明るさに設定する。例えば、明るさを暗くするには発光パルスのパルス数を減らし、明るさを明るくするには発光パルスのパルス数を増やす。このためには、送信データ(明るさ制御信号)の内容に基づいて、送信データ(発光パルス)を設定しなければならない。このように、最上位のアプリケーションで設定する信号で最下位の駆動信号を設定することが必要になる。したがって、従来の階層分けをそのまま利用することなく、融合した階層モデルを準備する。これは、従来の標準化方式に比べれば逸脱している。しかし、光通信は独立したエリア内で、他通信方式との干渉も無く、独立した動作が可能なので、支障とはならない。
図7に、通信データのフレーム構造の一例を示す。フレームは同期信号,制御信号及び明るさ補償信号で構成される。さらに、アドレスや誤り訂正などの信号を付加したり、何らかの変調を行っても良い。ここで、同期信号は、周期的に同じ信号の繰り返しとすることで、受信側で同期信号を再生可能として、それを基にしてフレーム内部のデータを復元する。制御信号は、例えば前記した明るさ制御信号である。そして、明るさ補償信号は、フレームに含まれる信号によって発光する明るさが自機に設定されている照明の明るさと同じになるようにする。そうしなければ、制御信号の信号値により照明の明るさが変動することに成り、ちらつきの要因となる。
既に設定されている信号によって発光する明るさよりも暗くすることはできない。したがって、同期信号と制御信号とによる最大発光パルスを、照明装置の最小明るさとするならば、最小明るさ以上において明るさを補償することになる。簡単のため、変調を省いて、信号の「1」が点灯パルスあり、信号の「0」が点灯パルスなしとする。
例えば、発光手段としてLEDを利用するとき、点灯パルスの有無を高速に切り替えることは、いわゆるPWM(パルス幅変調)方式による駆動と同等であり、周期内の「1」の個数で明るさを制御することができる。これにより、照明装置において明るく照らす機能及び通信機能が備えられることになる。ここで、最大の明るさは、制御信号が全て「0」のときに設定できる発光パルスの個数になる。
補償信号の作り方の一例を示す。自機が受信信号の内容に関わらず明るさ設定値を維持するための補償信号を生成する手段を備える場合を考える。信号に含まれる「0」「1」は一定パルス幅の発光パルスのオンとオフに対応して、自機の照明の明るさをL、フレームに含まれる同期信号と制御信号の「1」の個数をNとするとき、補償信号は(L−N)個の「1」とする。こうして、フレームに含まれる「1」の個数がL個になり、発光の明るさを一定に保つことができる。フレームにアドレス信号を付加するならば、発信元及び送信先を特定する通信ができる。また、誤り訂正符号を付加するならば、外乱ノイズによる誤りを減らすことができる。これらの信号を付加した場合も同様に、補償信号により明るさを維持するように動作する。
本発明の一実施例として、照明機能及び通信機能の組み合わせとして送信データを構成する。したがって、照明機能として一定の明るさを確保することが前提であるとするならば、上記のように最小明るさの制限があることは大きな問題ではない。また、発光手段の寿命を確保するためには、最大の明るさを定常的に利用することはない。したがって、上記のように最大明るさの制限があることは大きな問題ではない。また、本発明の一実施例として、非常時の最大明るさ設定を用意することで、制御信号送信時の明るさのちらつきを許容して、上記の制限を外した明るさを設定する。非常時であることを知らせるには、例えばアドレス信号を「11・・・11(全て1)」で非常を通知して、そのとき補償信号も「11・・・11(全て1)」に設定して発光パルスを最大に設定することで、同時に発光の明るさを最大にする。非常であることの検知方法は限定しない。例えば、なんらかのセンサを用いて人物の不審挙動の検出,悲鳴の検出または地震の検出などを行う。
ところで、駆動手段の発光パルスを多値レベル設定として、例えば発光パルスを3値「0」「1」「2」として、それぞれを駆動信号に置き換えて駆動しても良い。また、適宜の変調方式と組み合わせても良い。
一般に、図8(A)に示すように、PLLは位相(あるいは位相周波数)比較手段200,LPF手段210及び発振手段220で構成される。ここで、位相比較は、ExOR(Exclusive OR)または乗算器などの論理演算手段が使われる。位相比較の結果は、入力信号の演算結果であるので、信号処理によって生成される高周波成分が含まれる。これを帯域制限するために、後段にLPF(Low Pass Filter)が必要になる。そして、比較結果に基づいて入力信号に同期した(位相が一致した)信号を出力する。帰還ループによる振動を防止しながら、安定に高速に収束するように設計することが課題である。
本発明の一実施例の構成を図8(B)に示す。入力信号と、自機の発振信号の比較を行う機能は同じである。しかし、入力信号は複数機器の混合信号であって良いとする。このため、自機が出力する信号が、他機の信号と混合して入力することがある。この混合信号を対象として、自機が生成する同期信号との位相比較(位相検出)を行う。従来のPLLが自機の回路内のみに帰還ループを持つ構成であるのに対して、本発明は帰還ループの構成が根本的に異なる。そして、統計的位相比較手段240及び発振手段250による混合信号の位相比較を統計的な手法で構成する。統計的な手法は、手続き的な手順による演算及び判断の組合せとする。位相比較の結果は統計的な判断結果であるので、信号処理により生成される高周波成分が含まれることはない。このため、後段のLPFは不要となる。しかし、帰還ループを備えることは同じなので、振動を防止しながら安定かつ高速に収束させることが必要となる。このために、受光信号に含まれる最も尤もらしい同期信号を検出して、自機の同期信号を再生する手順を用意する。
図9に示すように、光通信の初期状態においては、受信信号には複数の相手機からの発光が光学的に混合されている。この混合した受信信号を統計的に扱うことを考える。簡単のため、信号は周期的な同期信号の繰り返しとする。混合した受信信号を、振幅と位相との二つの特性から調べる。まず信号振幅は、距離,障害物などの要因と、相手機の個数で変動する。個別の変動要因は不明なまま、受信信号の混合の振幅が得られる。各機器の位相設定に依存して、位相は初期状態ではバラバラである。図9において、混合信号の振幅を縦軸、位相を横軸にとりプロットする。初期状態においては、1周期のなかで、信号振幅に複数のピークが存在することがある。最も振幅が大きな位相を、全体を代表する位相(最尤位相)とする。そして、自機の同期信号を代表的な位相に合わせて、以降の信号を生成する。この手順で、バラバラであった位相の分布が、少なくとも二つは同期することになる。そして、上記の位相合わせこみの手順を繰り返すことで、全体の位相が順次に一致するようになる。位相合わせ込みの途中過程において、上記の代表位相は、機器によって判断が異なっている。しかし、順次に合わせ込みが進むにつれて、判断が一致するようになっていく。それでも、数学における局所的な極値解と同様に、局所的な代表位相が検出されて全体の位相が収束しない場合がある。これを防ぐために、収束の判定基準が異なる複数種類の繰り返し手順と収束の判定基準を採用することができる。また、複数の機器が独立に振幅及び位相を調整するならば、フィードバックループによる振動が発生する恐れがある。そこで、繰り返しループ毎に行う位相合わせこみの変化の大きさを制限して行う。これは、帰還ループのゲインを低く抑えることに相当して、振動を防止することに効果がある。
位相比較の統計的な手法を説明する。照明装置1,照明装置2及び照明装置3の発光が混合されているとする。それぞれの照明装置は、初期状態において、発振器の周波数は(水晶発振器などを利用することで)同一に設定できるが、位相は揃っていないとする。したがって、通信データの同期が揃わず、通信が成立しない。簡単のため、同期信号のみが周期的に送信(発光)されているとする。図10は、初期状態において受光した信号を、時間と振幅の関係のプロットを示してある。任意の照明装置が、複数の周期内に渡る時間内に受光した信号とする。発光手段の駆動信号が方形波であっても、発光素子,受光素子,その他の要因による遅延などがあるとして、受信信号の波形は鈍った形で描いてある。図10中のピーク位置のズレが、各照明装置の同期信号の位相ズレに対応する。
図10における手順1は、初期状態の受光信号を示す。図10における手順2は、ピーク位置を検出して周期的な第一のピークと第二のピークとを選択する。それぞれのピークの位相は、1周期内のピーク位置を示す数値である。図10における手順3は、第一のピークと第二のピークとの中間に位置する新たな位相(中間位相)を設定して、自機の位相とする。ここで設定する中間位相は、1周期内の位置を示す数値である。そして手順1,手順2及び手順3を繰り返し実行する。この手順は、それぞれの機器が独立して動作する。
図11は、上記の手順1、手順2及び手順3を、フローチャートの形式で示している。複数回の繰り返しで第一のピークと第二のピークとの位相の差分が収束の判定値εよりも小さければ(位相差分<収束判定値ε)統合したと判断する。そして、次に、第三のピークがあれば統合の対象として再度手順を繰り返し、なければ終了することで、全体としての同期化が進むことになる。このように、収束判定値εを用いた繰り返し手順により同期化を行う方法は、従来のPLLの同期化処理とは全く異なる。収束判定値εは0より大きく、1周期の期間よりも十分に小さな数値とする。上記手順は一例であって、同期化を安定に高速に収束するために、バリエーションがあって良い。例えば、混合する信号が多数になるとピーク位置の分離が困難になるので、手順3で設定する中間位相は最大ピークの位相そのものとして良い。あるいは、図中に示した混合波形を、複数の正規分布信号が重畳した正規混合信号と見立てて、統計学的な最尤推定の手法を用いて波形を分離することで、それぞれのピーク位置を分離する手順を利用しても良い。また、振動防止のため、繰り返しループのステップ毎に設定する位相の変化を一定値以下に収まるようにリミッタ制限することが有効である。そのほか、照明装置の配置エリアに依存したグループ分け、受光信号の大きさに基づくグループ分けなどを組み合わせることは任意である。
本発明は、複数機器の同期信号の混合信号を対象にして、最も尤もらしい位相を検出する手続き的な手順を備えることで、全体の同期化を進めることを特徴としている。この手順は、言い換えれば統計的位相検出、あるいは統計的同期化処理と呼ぶことができる。そして、同期化が完了したならば、事前に定めたプロトコルに基づく通信を開始する。プロトコルに基づいて通信する内容は、前記したような省電力制御,故障診断またはその他の照明を受けることにより安心安全を確保するものであってよい。
上記手順を実行する装置の構成は限定するものではないが、例えばDSP(Digital Signal Processor)機能を備えるマイクロプロセッサを用いて、ソフトウェアで記述する手続き的な手順によって実現することができる。従来のPLLの位相比較手段が演算回路で組み立てられていたのに対して、ソフトウェアで実現するならば実行手順の柔軟性を確保できる。前記した統計的位相検出をソフトウェアで実装することで、たとえば手順を進める過程において、内部状態をモニタリングしながら、統計手法に基づき収束の判定基準を変えた繰り返し手順を適宜に切り替えることができる。また、受光信号に含まれる信号成分とノイズ成分を分離するための信号処理手順を合わせてソフトウェアで実装することで、同期化の精度を向上することができる。こうして、同期化を安定に高速に実現できる。
図12を用いて、照明装置1,照明装置2及び照明装置3の通信手順を示す。これらの機器において、同期信号を中継する順番を固定的に割り当てるとする。照明装置1は、環境の明るさを検知するセンサを備えていて、暗くなったと判断したならば自機の点灯、すなわち同期信号の発信を行う。照明装置2は、照明装置1からの同期信号を受けてから、同期信号を再生して自機の点灯を開始する。照明装置3は、照明装置2からの同期信号を受けてから、同期信号を再生して自機の点灯を開始する。ただし、事前に順番を割り振ることが必要となる。機器の配置場所の変更,追加,撤去などがあれば、再度,順番を割り振ることが必要となる。そこで、自律的に同期信号の中継を行うように、判断手段を用意することができる。
まず、簡単のため、1入力1出力の動作を説明する。照明装置1,照明装置2及び照明装置3があり、いずれも環境の明るさを検知するセンサを備えていて、暗くなったと判断したならば自機の点灯を行う。前記したように照明の発光は、明るく照らす機能と共に、光通信の機能を備える。配置レイアウトが要因となり、それぞれ隣接する照明装置間でのみ光通信が成り立つとする。順番は任意であるが、説明の都合上、最初に照明装置1が発光を開始して、続いて照明装置2、そして照明装置3が点灯するとする。照明装置2は、自機が点灯する前に照明装置1の発光を検知するので、その受光信号に含まれる同期信号を再生する。この同期信号の再生において、前記した位相検出手順を利用する。こうして、照明装置2は自機の点灯を、照明装置1に同期して点灯する。同様に、照明装置3も同期信号を再生することで、全ての照明装置は同期する。この手順では、最初に点灯する機器は任意であって、限定するものではない。
このようにして同期が成立した後に、通信によって協調動作を行う例を示す。
まず、照明装置1に明るさが設定されるものとする。ここで、照明装置1に設定する明るさは、例えばスイッチによる選択,可変抵抗器によるアナログ値の設定,リモコン装置などによるデジタル値の設定などの手段を利用できるが、これらに限定されない。この設置値を、前記した手順で同期が成立した光通信を用いることで、照明装置2に伝送する。照明装置2は、照明装置1から送られた信号をセンサで受光して、明るさ設定値を復元して、照明装置2の照明の明るさ設定値として利用する。さらに、照明装置3に対して、光通信を用いた明るさ設定値の伝送を繰り返す。こうして、複数の照明装置が同じ明るさ設定値に基づく照明を行うことになる。
個々の照明装置は、受信した明るさ設定値に基づいて独自の判断基準に基づく処理を行った結果を用いて、自機の照明の明るさを修正することができる。例えば、照明装置の配置間隔情報が設定されているとき、間隔が広ければ明るさを高く設定するように修正する処理手順を備えることで、照明される側の明るさを均一化する効果がある。
図13を用いて別の通信手順を示す。事前に順番付けをしない場合には、複数の機器が通信開始の先頭に立つことがある。例えば、照明装置1と照明装置2とがほぼ同時に点灯を開始するとき、それぞれ同期信号を発信するが、両者の同期信号はずれている。ここで照明装置2は、自機の発光と、照明装置1の発光を混合して受光する。受光信号に含まれる自機の同期信号は判別できる。そこで、自機と他機の同期信号のズレが減少するように、自機の同期信号をずらしていく。このために前記した統計的位相検出を利用する。この動作は、照明装置1も同様に行うとする。照明装置3が、照明装置1,照明装置2および自機の発光を混合して受光する場合も同様である。このような手順を用いて両者の同期ズレの解消の動作が進むにつれて、全体の同期化が実現する。
上記の同期化処理を進めるとき、照明装置2は自機の発光の混合を抑えるために、自機の発光の明るさを低くすることができる。これが夕方になって点灯を開始するときであれば、その明るさを低くしても照明装置としての動作に問題にならない。むしろ、同期化処理を早く終わらせることが優先される。そして同期化ができた段階で、明るさを元に戻して、照明装置としての機能を実現する。
ここで、機器が多数であるとき、中継が滞りなく進まずに、局所的な同期化処理が進むことがある。そして、自機を含む自グループ内で同期化処理が完了したと判断することにより、他グループとの同期化が進まなくなる。受光信号には、自グループ自身が発光を大きく受光するため、他グループからの受光が寄与しなくなる。本発明は、このような局所的な同期化を回避して、全体の同期化を進めるために、統計的な手法に基づく繰り返し手順を、同期化処理の過程で切り替える手順を用意する。これにより、局所的な同期化を回避して、全体の同期化を進める。統計的な位相検出を採用することにより実現できる、本発明の一つの特徴である。
同期化処理が成立した後は、それぞれの機器が対等な立場でコマンドとレスポンスのやり取りを進めることができる。例えば管理者からの動作指示を受けて、その内容を他の機器に伝達する。あるいは自機の故障診断の結果を隣接する他の機器に伝達することで故障診断結果を共有すると共に、例えば自機の明るさの低下などの動作障害がある場合には他の機器による明るさの補償動作を実現する。これらの通信を介した協調動作は、各機器が同期していることで実現できるものである。
1,2,3,4,5,N 照明装置
110 受光手段
120 位相検出手段
130 復調手段
140 同期信号生成手段
150 照明制御手段
160 駆動手段
170 発光手段
180 照明設定値
190 コマンド送信機器
200 比較手段
210 LPF手段
220,250 発振手段
230 動作検知手段
240 統計的位相比較手段

Claims (9)

  1. 第一の照明装置を有する照明装置であって、
    前記第一の照明装置は、第二の照明装置からの送信信号及び周囲の明るさを検知して混合信号に光電変換する受光手段と、
    前記混合信号から位相を検出する位相検出手段と、
    前記位相検出手段の結果に基づいて、受光信号を復調する復調手段と、
    前記位相検出手段の結果に基づいて、同期信号を生成する同期信号生成手段と、
    前記第一の照明装置への第一の制御信号及び前記第二の照明装置への第二の制御信号を生成する照明制御手段と、
    前記第一の制御信号及び前記第二の制御信号を発光パルスに変換する駆動手段と、
    前記発光パルスに基づいて、前記第一の照明装置を発光させる発光手段と、を備えることを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1記載の照明装置において、
    前記受信信号の内容に関わらず前記明るさ設定値を維持するための補償信号を生成する手段を備えることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項1記載の照明装置において、
    前記位相検出手段は、収束の判定基準を備える繰り返し手順により前記混合信号に含まれる前記同期信号を検出することを特徴とする照明装置。
  4. 請求項3記載の照明装置において、
    前記収束の判定基準は複数の判定基準を備えることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項1記載の照明装置において、
    前記同期信号生成手段は、前記第二の照明装置を含む複数の照明装置及び前記第一の照明装置からの受信した信号から最尤同期信号を検出し、前記同期信号を前記最尤同期信号に同期させる手段を備えることを特徴とする照明装置。
  6. 請求項5記載の照明装置において、
    前記同期信号生成手段は、前記最尤同期検出期間中において前記第一の照明装置の発光を低減させることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項5または6記載の照明装置において、
    前記複数の照明装置及び前記第一の照明装置の少なくとも一つは明るさ設定手段を有し、
    前記第一の照明装置及び前記複数の照明装置を含む照明装置の間で照明の明るさ設定値に関わる信号を送受信することを特徴とする照明装置。
  8. 請求項5または6記載の照明装置において、
    前記第一の照明装置及び前記複数の照明装置を含む照明装置の間で複数種類のコマンド及び前記コマンドのレスポンスを送受信することを特徴とする照明装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置に用いられる位相検出装置であって、
    前記位相検出装置は前記位相検出手段を備えることを特徴とする位相検出装置。
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