JP2011136960A - 蛍光性化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便且つ効率的に製造できる新規な蛍光性化合物と、その製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される蛍光性化合物(式中、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、R12〜R15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16〜R18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)。
[化1]
Figure 2011136960

【選択図】なし

Description

本発明は、新規な蛍光性化合物及びその製造方法に関する。
蛍光性化合物は、エレクトロルミネッセンス(EL)用の材料や、塗料等、幅広い分野で使用されているが、簡便に高感度で検出できることから、近年は、微量物質の検出や解析、反応プロセスの追跡等、解析分野全般で使用されることが多くなってきている。そして、このような解析分野では、標的とする化合物に結合させる必要性から、蛍光性の有機化合物が使用されることが多く、より高感度な新規の蛍光性化合物が求められている。
一方、従来の蛍光性の有機化合物としては、芳香族環又は芳香族複素環を基本骨格として有する多環構造の化合物が多い。そして、このような蛍光性化合物を合成する際に使用する原料化合物は、反応性が低いものが多く、原料として危険な化合物を併用したり、厳しい反応条件を採用したりする必要がある。そのため、特殊な設備を必要としたり、工程が煩雑になる等の問題点を抱えているのが実状である。
例えば、代表的な蛍光性の多環芳香族化合物であるアントラセンは、コールタールから分離できることが知られているが、化学合成する方法としては、アントラキノンを還元する方法、テトラブロモエタンとベンゼンとを、又は塩化ベンジル同士をフリーデル−クラフツ反応で縮合させる方法が知られている(非特許文献1参照)。
一方、より高い機能や新たな機能を有する蛍光性化合物を得るために、蛍光性化合物自体の構造を修飾する試みが種々行われている。このような蛍光性化合物として、例えば、ピレン誘導体に有機基を導入しもの(特許文献1参照)、ペリレンに有機基を導入したもの(特許文献2参照)が開示されている。
特開2006−117593号公報 特開平5−156244号公報
岩波理化学辞典、第5版、p60(岩波書店)
しかし、アントラセンをはじめとする蛍光性の多環芳香族化合物については、非特許文献1に記載されている方法も含めて、従来の製造方法に代わる、簡便且つ効率的な製造方法は、いまだに知られていない。
また、特許文献1及び2に記載されているような蛍光性化合物では、原料の蛍光性化合物自体の簡便且つ効率的な製造方法が知られていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便且つ効率的に製造できる新規な蛍光性化合物と、その製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、下記一般式(1)で表される蛍光性化合物を提供する。
Figure 2011136960
(式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
本発明の前記一般式(1)で表される蛍光性化合物は、前記R11、R14、R15、R17及びR18が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であり、前記R12及びR13が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基若しくはアリール基であり、前記16が、置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましい。
本発明の前記一般式(1)で表される蛍光性化合物は、前記R11が、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R12及びR13が、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はフェニル基であり、前記R14及びR15が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良い炭素数が1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記16が、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R17及びR18が水素原子であることが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(2)で表される蛍光性化合物を提供する。
Figure 2011136960
(式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24、R25、R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22、R23、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22、R23、R24及びR25のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26、R27、R28及びR29のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22及びR23の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26及びR27の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
本発明の前記一般式(2)で表される蛍光性化合物は、前記R20、R21、R24、R25、R28及びR29が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であり、前記R22、R23、R26及びR27が、それぞれ独立に置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましい。
本発明の前記一般式(2)で表される蛍光性化合物は、前記R20、R21、R24、R25、R28及びR29が、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R22、R23、R26及びR27が、それぞれ独立に炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
また、本発明は、下記一般式(1a)で表される化合物と、下記一般式(1b)で表される化合物と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表される蛍光性化合物の製造方法を提供する。
Figure 2011136960
(式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
また、本発明は、下記一般式(2a)で表される化合物と、下記一般式(2b)で表される化合物と、下記一般式(2c)で表される化合物と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする下記一般式(2A)、(2B)又は(2C)で表される蛍光性化合物の製造方法を提供する。
Figure 2011136960
(式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24’、R25’、R28’及びR29’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R26’及びR27’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R24’及びR25’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26’、R27’、R28’及びR29’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22’及びR23’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26’及びR27’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
本発明によれば、簡便且つ効率的に製造できる新規な蛍光性化合物を提供できる。
以下、本発明について詳しく説明する。なお、本明細書において「基」とは、複数の原子から構成されるものだけでなく、一つの原子も含み、イオン性であっても良い。また、本発明の蛍光性化合物がキラリティーを有する場合、すべての立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)が本発明に包含される。
<蛍光性化合物>
(蛍光性化合物(1))
本発明の蛍光性化合物(蛍光性化合物(1))は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2011136960
(式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基である。
11におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでも良いが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、1〜5であることが特に好ましく、1〜3であることが最も好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が例示できる。
環状のアルキル基は、単環構造及び多環構造のいずれでも良いが、単環構造であることが好ましい。また、環状のアルキル基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、5〜15であることが特に好ましい。
単環構造の環状のアルキル基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のモノシクロアルカンから、一つの水素原子を除いた一価の基が例示できる。
多環構造の環状のアルキル基としては、ノルボルナン、イソボルナン、ジシクロペンタン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから、一つの水素原子を除いた一価の基が例示できる。
11におけるアルケニル基としては、前記アルキル基における炭素原子間の一つの単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換された基が例示できる。
二重結合の位置は特に限定されないが、隣接しているカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子から遠いほど好ましい。
11におけるアルキニル基としては、前記アルキル基における炭素原子間の一つの単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
三重結合の位置は、前記アルケニル基の二重結合の場合と同様である。
11におけるアリール基は、単環構造及び多環構造のいずれでも良く、好ましいものとしてフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、アントリル基、フェナントレニル基、フルオレニル基等が例示でき、フェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
11におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、隣接するカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としては、ヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基が挙げられる。
11の水素原子を置換する前記ヘテロ原子を含む基とは、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む複数の原子で構成される基のことである。
11の水素原子を置換する前記ヘテロ原子の好ましいものとしては、ハロゲン原子、酸素原子(=O)、硫黄原子(=S)等が例示できる。前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示できる。
11の水素原子を置換する、前記ヘテロ原子を含む複数の原子で構成される基としては、水酸基(−OH)、チオール基(−SH)、カルボキシ基(−C(=O)−OH)、式「−C(=S)−OH」で表される基、式「−C(=S)−SH」で表される基、式「−C(=O)−SH」で表される基、アミノ基(−NH)、アミド基(−C(=O)−NH)、チオアミド基(−C(=S)−NH)、シアノ基(−C≡N)等が例示できる。
11の水素原子を置換する前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基は、R11における前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基と同様である。
11の水素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての水素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。
前記置換基の位置も特に限定されないが、R11に隣接しているカルボニル基(R11が結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子から遠いほど好ましい。
11におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、隣接するカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としては、ヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基が挙げられる。
11の炭素原子を置換する前記ヘテロ原子を含む基とは、ヘテロ原子、又はヘテロ原子を含む複数の原子で構成される基のことである。
11の炭素原子を置換する前記ヘテロ原子としては、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、窒素原子(−N=)、リン原子(−P=、=P≡)等が例示できる。
炭素原子が酸素原子で置換されている場合の好ましいR11としては、アルコキシアルキル基が例示できる。
炭素原子が硫黄原子で置換されている場合の好ましいR11としては、チオアルコキシアルキル基が例示できる。
炭素原子が窒素原子で置換されている場合の好ましいR11としては、ジアルキルアミノアルキル基が例示できる。
11の炭素原子を置換する、前記ヘテロ原子を含む複数の原子で構成される基としては、カルボニル基(−C(=O)−)、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)、オキシカルボニル基(−O−C(=O)−)等のカルボニル基を含む基;該カルボニル基を含む基の一つ以上の酸素原子が硫黄原子で置換された基;式「−NH−C(=O)−」で表される基;式「−NH−C(=S)−」で表される基;式「P(−O−)」で表される基;式「O=P(−OH)(−O−)」で表される基等が例示できる。
11の炭素原子を置換する前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基としては、R11における前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基から、一つの水素原子を除いた二価の基が例示できる。
11の炭素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての炭素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。例えば、隣接する二つ以上の炭素原子がすべて前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基の位置も特に限定されないが、R11に隣接しているカルボニル基(R11が結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子から遠いほど好ましい。
蛍光性化合物(1)においては、例えば、R11の一つ以上の前記水素原子をアルケニル基及び/又はアルキニル基で置換することにより、あるいは一つ以上の前記炭素原子をアルケニレン基及び/又はアルキニレン基で置換することにより、R11を、二重結合及び/又は三重結合を複数有する基とすることができる。この場合、R11における二重結合の総数と、三重結合の総数は、それぞれ1〜6であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1又は2であることが特に好ましい。
11は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
式中、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基である。
ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合を除く。すなわち、R12及びR13の両方が水素原子であるもの、R12及びR13の一方が水素原子で他方がアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であるものは、化合物(1)には含まれない。R12及びR13の一方が水素原子である場合には、他方はアリール基となる。また、R12及びR13の一方がアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である場合には、他方はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基となる。
12及びR13におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、前記R11におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基と同様である。
12及びR13におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の水素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としては、ヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基が例示でき、電子供与性が高いものが好ましい。
12及びR13の水素原子を置換する、前記ヘテロ原子を含む基は、R11の水素原子を置換するものと同様であり、好ましいものとして、水酸基(−OH)、チオール基(−SH)、アミノ基(−NH)、アミド基(−C(=O)−NH)、チオアミド基(−C(=S)−NH)等が例示できる。
12及びR13の水素原子を置換する前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、R11における前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基と同様である。
12及びR13の水素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての水素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。
前記置換基の位置も特に限定されない。ただし、R12及びR13が結合している炭素原子(ジヒドロフラン環を構成している炭素原子)から遠いほど好ましい。
12及びR13におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の炭素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としては、ヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基が例示できる。
12及びR13の炭素原子を置換する、前記ヘテロ原子を含む基は、R11の炭素原子を置換するものと同様である。具体的には、以下の通りである。
前記ヘテロ原子を含む基のうち、ヘテロ原子としては、R11の炭素原子を置換するヘテロ原子と同様のものが例示できる。
前記ヘテロ原子を含む複数の原子で構成される基としては、式「−NH−C(=O)−」で表される基、式「−NH−C(=S)−」で表される基等が例示できる。
12及びR13の炭素原子を置換する前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基は、前記R11の炭素原子を置換する前記アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基と同様のものが例示できる。
12及びR13の炭素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての炭素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。例えば、隣接する二つ以上の炭素原子がすべて前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基の位置も特に限定されない。ただし、R12及びR13が結合している炭素原子(ジヒドロフラン環を構成している炭素原子)から遠いほど好ましい。
12が二重結合及び/又は三重結合を複数有する基である場合、R12における二重結合の総数と、三重結合の総数は、それぞれR11の場合と同様である。
13が、二重結合及び/又は三重結合を複数有する基である場合の、R13における二重結合の総数と、三重結合の総数についても同様である。
式中、R14、R15、R16、R17及びR18(以下、R14〜R18と略記することがある)はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基である。
ただし、本発明においては、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合を除く。すなわち、このようなR11〜R18の組み合わせを有するものは、蛍光性化合物(1)には含まれない。
14〜R18におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、前記R11におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基と同様である。
14〜R18におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の水素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としては、ヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基が挙げられる。
14〜R18の水素原子を置換する前記ヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、前記R11の水素原子を置換するものと同様である。
14〜R18の水素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての水素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。
前記置換基の位置も特に限定されない。ただし、R14及びR15の場合、これらが結合している炭素原子(ジヒドロフラン環を構成している炭素原子)から遠いほど好ましい。
14〜R18におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の炭素原子が、置換基で置換されていても良い。該置換基としてはヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基が挙げられる。
14〜R18の炭素原子を置換する前記ヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基は、前記R11の炭素原子を置換するものと同様である。
14〜R18の炭素原子を置換する前記置換基の数は特に限定されず、目的に応じて適宜選択でき、前記置換基で置換可能なすべての炭素原子が前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基は一種でも良いし、二種以上でも良い。二種以上である場合には、これらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択できる。例えば、隣接する二つ以上の炭素原子がすべて前記置換基で置換されていても良い。
前記置換基の位置も特に限定されない。ただし、R14及びR15の場合、これらが結合している炭素原子(ジヒドロフラン環を構成している炭素原子)から遠いほど好ましい。
14〜R18のいずれか一つ以上が、二重結合及び/又は三重結合を複数有する基である場合、R14〜R18のいずれか一つにおける二重結合の総数と、三重結合の総数は、それぞれR11の場合と同様である。
12〜R15は、これらのいずれかが相互に結合して環を形成していても良い。ここで、「環を形成する」とは、R12〜R15のいずれか二つ以上が、その基に含まれる原子の間で相互に結合を形成し、該結合を形成しているR12〜R15のいずれか二つ以上と、これらが結合しているジヒドロフラン環を構成する炭素原子と共に、環を形成していることを指す。この時、結合を形成する原子は、必ずしもこれらの基の末端(ジヒドロフラン環側とは反対側の末端)のものであるとは限らないし、R12〜R15の一つにつき一つであるとも限らない。
この時の環は、単環構造及び多環構造のいずれでも良いが、単環構造であることが好ましい。
11、R16〜R18は、これらのいずれかが相互に結合して環を形成していても良い。ここで「環を形成する」とは、R12〜R15が環を形成している場合と同様のことを指し、R11、R16〜R18のいずれか二つ以上が、その基に含まれる原子の間で相互に結合を形成し、該結合を形成しているR11、R16〜R18のいずれか二つ以上と、これらが結合しているベンゼン誘導体の骨格と共に、環を形成していることを指す。この時、結合を形成する原子は、必ずしもこれらの基の末端(ベンゼン環側とは反対側の末端)のものであるとは限らないし、R11、R16〜R18の一つにつき一つであるとも限らない。
12及びR13は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基若しくはアリール基であることが好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基若しくはアリール基であることがより好ましく、水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はフェニル基であることが特に好ましい。
そして、R12及びR13の組み合わせは、置換基を有していても良いアルキル基同士、又は置換基を有していても良いアリール基及び水素原子であることが好ましく、置換基を有していないアルキル基同士、又は置換基を有していないアリール基及び水素原子であることがより好ましく、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基同士、又はフェニル基及び水素原子であることが特に好ましい。
14及びR15は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子又は置換基を有していても良い炭素数が1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
そして、R14及びR15の組み合わせは、置換基を有していても良いアルキル基同士、置換基を有していても良いアルキル基及び水素原子、又は水素原子同士であることが好ましく、置換基を有していても良い炭素数が1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基同士、置換基を有していても良い炭素数が1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基及び水素原子、又は水素原子同士であることがより好ましい。
16は、置換基を有していても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であることが好ましく、置換基を有していても良いアルキル基であることがより好ましく、置換基を有していてないアルキル基であることが特に好ましく、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることが最も好ましい。
17及びR18は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
蛍光性化合物(1)としては、ジヒドロベンゾフラン骨格のうち、ベンゼン環とこのベンゼン環に結合しているカルボニル基との間で電子を非局在化させる共役系を安定して維持できるものが好ましい。このような共役系を安定して維持するためには、例えば、R11が置換基を有する場合、該置換基で置換されている炭素原子又は水素原子の位置が、R11に隣接しているカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子から遠ざかるようにすると良い
蛍光性化合物(1)の好ましいものとしては、下記式(1)−1〜(1)−15で表される化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011136960
Figure 2011136960
(蛍光性化合物(2))
本発明の蛍光性化合物(蛍光性化合物(2))は、下記一般式(2)で表される。すなわち、ジヒドロフラン環を一つではなく二つ有する点が、前記蛍光性化合物(1)と異なる。
Figure 2011136960
(式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24、R25、R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22、R23、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22、R23、R24及びR25のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26、R27、R28及びR29のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22及びR23の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26及びR27の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、前記蛍光性化合物(1)におけるR11と同様である。
21におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、隣接するカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良い。この時の水素原子が置換される前記置換基は、R11における水素原子が置換される置換基と同様である。また、炭素原子が置換される前記置換基も、R11における炭素原子が置換される置換基と同様である。そして、水素原子又は炭素原子が置換される前記置換基の数及び位置も、R11における置換基の場合と同様である。
21は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
式中、R20、R24、R25、R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、前記蛍光性化合物(1)におけるR14〜R18と同様である。
20、R24、R25、R28及びR29におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良い。この時の水素原子が置換される前記置換基は、R14〜R18における水素原子が置換される置換基と同様である。また、炭素原子が置換される前記置換基も、R14〜R18における炭素原子が置換される置換基と同様である。そして、水素原子又は炭素原子が置換される前記置換基の数及び位置も、R14〜R18における置換基の場合と同様である。
式中、R22、R23、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、前記蛍光性化合物(1)におけるR12及びR13と同様である。
22、R23、R26及びR27におけるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基は、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良い。この時の水素原子が置換される前記置換基は、R12及びR13における水素原子が置換される置換基と同様である。また、炭素原子が置換される前記置換基も、R12及びR13における炭素原子が置換される置換基と同様である。そして、水素原子又は炭素原子が置換される前記置換基の数及び位置も、R12及びR13における置換基の場合と同様である。
ただし、本発明においては、R22及びR23の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合を除く。すなわち、R22及びR23の両方が水素原子であるもの、R22及びR23の一方が水素原子で他方がアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基であるものは、蛍光性化合物(2)には含まれない。蛍光性化合物(2)においては、R22及びR23の一方が水素原子である場合には、他方はアリール基となる。また、R22及びR23の一方がアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基である場合には、他方はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基となる。
また、本発明においては同様に、R26及びR27の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合を除く。ここで、R26及びR27の組み合わせは、前記R22及びR23の組み合わせと同様である。
22〜R25は、これらのいずれかが相互に結合して環を形成していても良い。ここで、「環を形成する」とは、前記蛍光性化合物(1)のR12〜R15が環を形成している場合と同様のことを指す。
この時の環は、単環構造及び多環構造のいずれでも良いが、単環構造であることが好ましい。
また、R26〜R29も同様に、これらのいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、この時の環は、単環構造及び多環構造のいずれでも良いが、単環構造であることが好ましい。
また、R20及びR21は、相互に結合して環を形成していても良い。ここで、「環を形成する」とは、前記蛍光性化合物(1)のR12〜R15が環を形成している場合と同様のことを指し、R20及びR21が、その基に含まれる原子の間で相互に結合を形成し、R20及びR21と、これらが結合しているベンゼン誘導体の骨格と共に、環を形成していることを指す。
20は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
22、R23、R26及びR27は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基若しくはアリール基であることが好ましく、置換基を有していても良いアルキル基であることがより好ましく、置換基を有していないアルキル基であることが特に好ましく、炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが最も好ましい。
そして、R22及びR23、並びにR26及びR27の組み合わせは、置換基を有していても良いアルキル基同士、又は置換基を有していても良いアリール基及び水素原子であることが好ましく、置換基を有していないアルキル基同士であることがより好ましく、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基同士であることが特に好ましい。
24、R25、R28及びR29は、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であることが好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であることが特に好ましい。
そして、R24及びR25、並びにR28及びR29の組み合わせは、置換基を有していても良いアルキル基同士、又は置換基を有していても良いアルキル基及び水素原子であることが好ましく、置換基を有していないアルキル基同士、又は置換基を有していないアルキル基及び水素原子であることがより好ましく、炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基及び水素原子であることが特に好ましい。
蛍光性化合物(2)としては、蛍光性化合物(1)と同様に、ジヒドロベンゾフラン骨格のうち、ベンゼン環とこのベンゼン環に結合しているカルボニル基との間で電子を非局在化させる共役系を安定して維持できるものが好ましい。このような共役系を安定して維持するためには、例えば、R21が置換基を有する場合、該置換基で置換されている炭素原子又は水素原子の位置が、R21に隣接しているカルボニル基(ベンゼン環に結合しているカルボニル基)に結合している炭素原子から遠ざかるようにすると良い
蛍光性化合物(2)の好ましいものとしては、下記式(2)−1〜(2)−14で表される化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011136960
蛍光性化合物(1)及び(2)は新規化合物であり、蛍光収率が好ましくは0.1以上、より好ましくは0.15以上のものである。ここで蛍光収率は、例えば、後述する実施例で記載の方法により求められる。このように蛍光収率が高いため、蛍光性化合物(1)及び(2)は、例えば、微量物質の検出や解析、反応プロセスの追跡等の解析分野において、標的とする化合物の標識化試薬として有用である。
<蛍光性化合物(1)の製造方法>
本発明の蛍光性化合物(1)の製造方法は、下記一般式(1a)で表される化合物(以下、化合物(1a)と略記することがある)と、下記一般式(1b)で表される化合物(以下、化合物(1b)と略記することがある)と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする。
Figure 2011136960
(式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
式中、R11〜R18は、前記と同様である。
電解反応は、通常の電気分解の手法に従って行えば良い。
この電解反応では、陽極上で化合物(1a)が酸化されてケトン体のカチオン種が生成し、活性種であるこのケトン体一分子が化合物(1b)一分子と[3+2]付加環化反応することにより、蛍光性化合物(1)が生成すると考えられる。すなわち、電気分解で活性化されるのは、化合物(1a)である。
化合物(1a)において、R16が水素原子である場合には、化合物(1a)一分子と化合物(1b)二分子とが反応して、ジヒドロフラン環を二つ有する蛍光性化合物が生じ得るが、化合物(1a)に対する化合物(1b)の使用量が大過剰とならないように調節することで、ジヒドロフラン環を一つだけ有する前記蛍光性化合物(1)を優先的に製造できる。ただし、この時の化合物(1b)の使用量は、原料の反応性等を考慮して、適宜調節することが好ましい。そして、化合物(1a)において、R16が水素原子以外の基である場合には、化合物(1a)に対する化合物(1b)の使用量が大過剰となっても、ジヒドロフラン環を一つだけ有する前記蛍光性化合物(1)を選択的に製造できる。
反応時の化合物(1a)1モルに対する化合物(1b)の使用量は、R16が水素原子であるか否かによらず、1〜15モルであることが好ましく、2〜12モルであることがより好ましい。さらに、R16が水素原子である場合には、化合物(1b)の前記使用量の上限値は20モルであっても良い。
反応溶媒は、原料と反応せず、且つ電解反応で使用し得るものであれば良く、特に限定されない。例えば、水への溶解度が高い原料を使用する場合には、水を使用することが好ましく、水への溶解度が低い原料を使用する場合には、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、トリクロロメタン(クロロホルム)、2−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)、トリフルオロエタノール、プロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル等の有機溶媒を使用することが好ましい。また、二種以上の溶媒を併用した混合溶媒でも良い。二種以上の溶媒を併用する場合の各溶媒の組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜調節すれば良い。
また、反応時には、前記反応溶媒とは混合せずに分離する溶媒を併用して、二層系で反応を行っても良い。ここで、併用する前記溶媒は、反応で生成した蛍光性化合物(1)の溶解度が高いものである。二層系で反応を行うことにより、前記反応溶媒に溶解している原料同士が反応して、蛍光性化合物(1)が生成し、この蛍光性化合物(1)が前記反応溶媒ではなく、併用する前記溶媒に溶解するように設定することで、蛍光性化合物(1)を不純物から分離したり、蛍光性化合物(1)の酸化等による劣化を抑制したり、電極の腐食を抑制したりすることができる。前記反応溶媒として、先に例示したニトロメタン等の高極性の溶媒を使用する場合には、低極性の有機溶媒を併用することが好ましい。ここで、低極性の有機溶媒としては、ヘキサン等の炭化水素系の有機溶媒が例示できる。併用する前記溶媒も一種を単独で使用しても良いし、二種以上の混合溶媒として使用しても良く、混合溶媒中の各溶媒の組み合わせ及び比率は、適宜調節すれば良い。
反応溶媒の使用量は、使用する原料の種類等に応じて適宜調節すれば良いが、化合物(1a)及び(1b)の総モル数1モルあたり5〜100Lであることが好ましく、10〜70Lであることがより好ましい。
電解反応時の反応液の温度は、10〜40℃であることが好ましく、15〜30℃であることがより好ましい。
電解反応で使用する電極の材質は公知のもので良く、反応溶媒種や電位等の条件を考慮して、陽極、陰極として使用するものの組み合わせを適宜選択すれば良い。好ましい電極の材質として、具体的には、炭素、白金、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、金、タングステン、ITO(酸化インジウムスズ)等が例示できる。
電解条件は、使用する原料の種類等に応じて、目的物の収率が向上するように適宜調節すれば良い。好ましい条件としては、例えば、参照電極に対して0.5〜3V程度の電圧で、1.5〜6F/mol程度通電する条件が挙げられるが、これに限定されるものではない。
反応時間は、電解条件に応じて適宜調節すれば良い。
反応終了後は、必要に応じて、得られた反応液に対して、抽出、洗浄、pH調整、ろ過、濃縮、乾燥等のいずれか公知の後処理操作を単独で又は適宜組み合わせて行い、結晶化、濃縮、再沈殿等のいずれかの操作により、目的物である蛍光性化合物(1)を取り出せば良い。また、取り出した蛍光性化合物(1)は、さらに、結晶化、カラムクロマトグラフィー等のいずれか公知の精製操作を一回又は複数回行うことで、精製しても良い。
従来の蛍光性化合物は、通常の液相反応で反応を行い、製造されるが、原料の反応性が低いために、煩雑な工程や反応条件が危険な工程を必要とし、収率も低いなど、安全性、経済性に劣るものであった。
これに対して、本発明の蛍光性化合物(1)は、電解反応を行うことで、通常の液相反応では反応性が低い原料を使用しても、簡便且つ安全な工程により高収率で製造できるので、安全性、経済性に優れる。また、蛍光性を有さない化合物(1a)及び(1b)から、蛍光性化合物(1)を製造できる。
<蛍光性化合物(2)の製造方法>
本発明の蛍光性化合物(2A)、(2B)又は(2C)(以下、これらをまとめて蛍光性化合物(2)と略記することがある)の製造方法は、下記一般式(2a)で表される化合物(以下、化合物(2a)と略記することがある)と、下記一般式(2b)で表される化合物(以下、化合物(2b)と略記することがある)と、下記一般式(2c)で表される化合物(以下、化合物(2c)と略記することがある)と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする。
Figure 2011136960
(式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24’、R25’、R28’及びR29’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R26’及びR27’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R24’及びR25’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26’、R27’、R28’及びR29’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22’及びR23’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26’及びR27’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
式中、R20及びR21は、前記と同様である。
22’、R23’、R26’及びR27’は、前記蛍光性化合物(2)におけるR22、R23、R26及びR27と同様である。
24’、R25’、R28’及びR29’は、前記蛍光性化合物(2)におけるR24、R25、R28及びR29と同様である。
電解反応は、通常の電気分解の手法に従って行えば良い。
この電解反応では、陽極上で化合物(2a)が酸化されてケトン体のカチオン種が生成し、活性種であるこのケトン体一分子が、化合物(2b)及び/又は(2c)の合計二分子と、一分子ずつ[3+2]付加環化反応することにより、蛍光性化合物(2A)、(2B)又は(2C)が生成すると考えられる。すなわち、電気分解で活性化されるのは、化合物(2a)である。化合物(2a)は、付加環化反応時の反応箇所が必ず二つである点で、前記化合物(1a)と異なる。
化合物(2b)及び(2c)は、互いに同一でも異なっていても良い。
化合物(2b)及び(2c)が同一である場合には、反応する原料の組み合せは一通りであり、化合物(2A)〜(2C)は同じとなり、生成される蛍光性化合物(2)において、ジヒドロフラン環を構成している炭素原子に結合している基は、二つのジヒドロフラン環で互いに同じとなり、見かけ上対称となる。
一方、化合物(2b)及び(2c)が異なっている場合には、反応する原料の組み合せは三通りであり、化合物(2A)〜(2C)は異なるものとなる。
この場合、化合物(2A)は、化合物(2a)一分子が、化合物(2b)一分子及び化合物(2c)一分子と反応して生成したものである。化合物(2A)は、例えば、化合物(2b)及び(2c)がほぼ同等の反応性を有する場合には、化合物(2a)に対する化合物(2b)及び(2c)の一方のモル数が大過剰とならないようにすることで優先的に製造でき、この場合、化合物(2b):化合物(2c)の比率(モル比)が6:4〜4:6であることが好ましく、5:5であることがより好ましい。一方、化合物(2b)及び(2c)が異なる反応性を有する場合には、上記の場合よりも、反応性が低い方のモル数を相対的に増やすなどして、化合物(2A)が優先的に生成するように調節すれば良い。
これに対して、化合物(2B)は、化合物(2a)一分子が、化合物(2b)二分子と反応して生成したものなので、例えば、化合物(2b)及び(2c)がほぼ同等の反応性を有する場合には、化合物(2b)のモル数が化合物(2c)のモル数よりも大過剰とならないようにすることで、生成量を抑制できる。一方、化合物(2b)が化合物(2c)よりも反応性が高い場合には、上記の場合よりもさらに化合物(2b)のモル数を少なくして、化合物(2B)の生成が抑制されるように調節すれば良い。
また、化合物(2C)は、化合物(2a)一分子が、化合物(2c)二分子と反応して生成したものなので、例えば、化合物(2b)及び(2c)がほぼ同等の反応性を有する場合には、化合物(2c)のモル数が化合物(2b)のモル数よりも大過剰とならないようにすることで、生成量を抑制できる。一方、化合物(2c)が化合物(2b)よりも反応性が高い場合には、上記の場合よりもさらに化合物(2c)のモル数を少なくして、化合物(2C)の生成が抑制されるように調節すれば良い。
このように、化合物(2b)及び(2c)として同じものを使用するか、あるいは異なるものを使用する場合には、これらの反応性を考慮してモル数を適宜調節することで、化合物(2A)〜(2C)のうち、所望のものを優先的に製造できる。
反応時の化合物(2a)1モルに対する化合物(2b)及び(2c)の総使用量は、2〜25モルであることが好ましく、4〜20モルであることがより好ましい。
反応溶媒の種類とその使用量、電解反応時の反応液の温度、電極の組み合わせ、電解条件、反応時間等は、蛍光性化合物(1)の製造方法の場合と同様で良い。
反応終了後は、蛍光性化合物(1)の場合と同様に、必要に応じて得られた反応液に対して後処理操作を行い、目的物である蛍光性化合物(2)を取り出し、さらに必要に応じて精製しても良い。
本発明の蛍光性化合物(2)は、前記蛍光性化合物(1)と同様に、電解反応を行うことで、通常の液相反応では反応性が低い原料を使用しても、簡便且つ安全な工程により高収率で製造できるので、安全性、経済性に優れる。また、蛍光性を有さない化合物(2a)、(2b)及び(2c)から、蛍光性化合物(2)を製造できる。
以上のように、本発明の蛍光性化合物(1)は、フェノール誘導体である化合物(1a)とアルケン誘導体である化合物(1b)とを電解反応させることで製造できる。また、本発明の蛍光性化合物(2)は、フェノール誘導体である化合物(2a)とアルケン誘導体である化合物(2b)及び(2c)とを電解反応させることで製造できる。そして、原料であるこれらフェノール誘導体及びアルケン誘導体は、いずれも蛍光性を有さない化合物であり、これら原料を使用して、蛍光性に優れる蛍光性化合物(1)又は(2)を、簡便且つ安全な工程により高収率で製造できる。蛍光性化合物(1)及び(2)は、それ自体の蛍光性によっても極めて重要であるが、上記のように、蛍光性を有さない化合物から簡便且つ安全に高収率で製造できる点においても極めて重要である。このような特徴を利用して、種々の用途への適用が可能だからである。
例えば、化合物(1b)、(2b)及び(2c)は、いずれも安定な化合物で、室温下でも長期に渡って保存可能である。そこで、これらアルケン誘導体を適当量配合した組成物を調製し、該組成物を使用して文字、パターン又は画像の形成を試みた場合、見かけ上は前記アルケン誘導体に起因する文字、パターン又は画像を認識できないようにすることができる。しかし、これら文字、パターン又は画像に、フェノール誘導体である化合物(1a)又は(2a)を電気分解に供して得られたケトン体のカチオン種を接触させることにより、蛍光性化合物(1)又は(2)を生成させ、それまで認識できない状態であった文字、パターン又は画像を蛍光によって明りょうに認識可能とすることができる。これは、前記フェノール誘導体とアルケン誘導体との反応が、危険な条件を伴うことなく、一工程で効率的に進行するからこそ可能になるものである。このように、前記アルケン誘導体が配合された組成物、前記フェノール誘導体及び該フェノール誘導体を電気分解する手段を備えたシステムは、例えば、セキュリティシステムへの適用に好適である。
また、蛍光性化合物(1)及び(2)は、電解反応において通電量に比例して生成量が増加し、生成量に比例して蛍光強度が増大するので、製造プロセス自体を通電量の指標化に利用することもできる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、単位「M」は、「mol/L」を示す。また、蛍光性化合物(1)又は(2)の収率は、化合物(1a)又は(2a)を基準とした、H−NMRにより算出した値である。
<酸化電位測定装置、電解反応装置>
以下の実施例においては、化合物(1a)又は(2a)の酸化電位を測定した後、電解反応を行い、蛍光性化合物(1)又は(2)を製造した。化合物(1a)及び(2a)の酸化電位の測定に使用した装置、電解反応に使用した装置を、それぞれ以下に示す。
(酸化電位測定装置)
サイクリックボルタンメトリーHSV−100(商品名、北斗電工社製)
陽極:グラッシーカーボン(外径6.0mm、内径3.0mm)
陰極:白金棒(直径2.0mm)
参照電極:銀/塩化銀
(電解反応装置)
電解装置HABF−501A又はHABF501(商品名、北斗電工社製)
陽極:カーボンフェルト、20mm×40mm
陰極:白金板、20mm×20mm
参照電極:銀/塩化銀
<分析装置>
製造した蛍光性化合物(1)又は(2)は、核磁気共鳴(NMR)分光法、赤外(IR)分光法、質量分析(MS)法によりスペクトルデータを測定し、構造を同定した。それぞれの方法で使用した分析装置を以下に示す。
(核磁気共鳴装置)
JEOL ALPHA−600(600MHz、150MHz)(日本電子社製)
JEOL AL−400(400MHz、100MHz)(日本電子社製)
内部標準 H−NMR:TMS(Δ=0.00)、13C−NMR:CDCl(δ=77.03)
(赤外分光光度計)
JASCO FT/IR−4100(日本分光社製)
試料調製法 油状物質:岩塩板法、結晶:KBr法
(質量分析計)
JMS−K9(日本電子社製)
<蛍光収率の算出>
製造した蛍光性化合物(1)又は(2)を使用して、以下に示す方法で蛍光スペクトルを測定し、その面積値等から、下記式(I)を利用して蛍光収率を算出した。また、この時同時に、吸光度が最大となる波長(λabs.max)、蛍光スペクトル強度が最大となる波長(λfl.max)をそれぞれ求めた。より具体的には、以下の通りである。
(蛍光スペクトル、吸光度の測定)
1.0N硫酸キニーネ水溶液を標準試料とした相対評価法により、蛍光スペクトルを測定した。
すなわち、製造した蛍光性化合物(1)又は(2)を所定濃度でクロロホルムに溶解させた評価試料を調製し、この評価試料と前記標準試料の励起波長における濃度が0.05Abs以下となるように、分光光度計(U−3500、日立社製)を使用して調整した。そして、この時λabs.maxを求めた。
次いで、蛍光光度計(FP−6600、日本分光社製)を使用して、これら試料の蛍光スペクトルを測定し、その面積値を求めた。また、前記評価試料については、この時同時に、前記蛍光光度計を使用して前記λfl.maxをそれぞれ求めた。
(蛍光収率の算出)
次いで、下記式(I)を利用して、蛍光性化合物(1)又は(2)の蛍光収率を算出した。
Φ=Φ・(FA/FA)・(A/A)・(n /n ) ・・・・(I)
(式中、Φは評価試料の蛍光収率であり;Φは標準試料の蛍光収率であり;FAは評価試料の蛍光スペクトルの面積値であり;FAは標準試料の蛍光スペクトルの面積値であり;Aは評価試料の励起波長での吸光度であり;Aは標準試料の励起波長での吸光度であり;nはクロロホルムの屈折率であり;nは水の屈折率である。)
<蛍光性化合物の製造>
[実施例1]
(蛍光性化合物(1)−1の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド(0.1mmol)と2−メチル−2−ブテン(1.0mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.3V)を行った。3.0F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させたのち、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−1を得た(収率52%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−1のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 10.20 (1H, s), 7.02 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.93 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.14 (1H, q, J=7.3 Hz), 1.52 (3H, s), 1.32 (3H, s), 1.24 (3H, d, J=7.3 Hz)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 188.40, 156.35, 153.94, 137.21, 119.89, 118.63, 105.94, 92.23, 55.96, 45.02, 27.93, 22.03, 14.49
IR νmax(cm-1):2961, 2923, 2850, 1684, 1460, 1394, 1267, 1034
MS(relative intensity %):220 (M+, 100), 205 (15), 177 (34), 159 (59), 121 (27), 105 (13), 91 (49), 77 (55)
λabs.max(nm):367
λfl.max(nm):454
また、得られた蛍光性化合物(1)−1の蛍光収率は0.26であった。
[実施例2]
(蛍光性化合物(2)−1の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(13.8mg、0.1mmol)と2−メチル−2−ブテン(106μL、1.0mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.2V)を行った。4.4F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(2)−1を得た(収率71%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(2)−1のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 10.27 (1H, s), 6.74 (1H, s), 6.73 (1H, s), 3.44 (1H, q, J=7.3 Hz), 3.11 (1H, q, J=7.3 Hz), 3.08 (1H, q, J=7.3 Hz), 1.51 (3H, s), 1.49 (3H, s), 1.44 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.30 (3H, s), 1.29 (3H, s), 1.21 (3H, d, J=7.3 Hz), 1.11 (3H, d, J=7.3 Hz)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 189.08, 156.35, 151.80, 134.30, 134.26, 131.13, 116.20, 116.13, 113.01, 112.87, 91.78, 91.52, 89.13, 45.49, 45.46, 45.24, 45.21, 28.28, 28.20, 28.13, 28.02, 22.48, 22.45, 22.11, 22.03, 15.97, 15.80, 14.79, 14.46
IR νmax(cm-1):2972, 2927, 2867, 2850, 2756, 1684, 1444, 1394, 1300, 1061
MS(relative intensity %):274 (M+, 75), 259 (100), 217 (27), 105 (8), 91 (23), 77 (31)
λabs.max(nm):395
λfl.max(nm):495
また、得られた蛍光性化合物(2)−1の蛍光収率は0.65であった。
[実施例3]
(蛍光性化合物(1)−2の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシアセトフェノン(16.6mg、0.1mmol)とスチレン(34.4μL、0.3mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.1V)を行った。2.5F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−2を得た(収率100%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−2のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 7.39 (4H, d, J=3.7 Hz), 7.34 (1H, m), 7.23 (1H, d, J=2.9 Hz), 6.97 (1H, m), 5.87 (1H, dd, J=8.8 Hz, J=8.8 Hz), 3.80 (3H, s), 3.64 (1H, dd, J=16.1 Hz, J=8.8 Hz), 3.19 (1H, dd, J=16.1 Hz, J=8.1 Hz), 2.66 (3H, s)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 196.64, 154.68, 154.00, 141.42, 130.27, 128.71, 128.16, 125.47, 119.82, 118.53, 109.34, 84.97, 55.96, 37.86, 31.25
IR νmax(cm-1):3066, 3033, 3000, 2939, 2839, 2833, 1672, 1461, 1189, 1038
MS(relative intensity %):268 (M+, 59), 253 (22), 165 (27), 152 (21), 105 (14), 91 (22), 77 (36), 43 (100)
λabs.max(nm):350
λfl.max(nm):430
また、得られた蛍光性化合物(1)−2の蛍光収率は0.19であった。
[実施例4]
(蛍光性化合物(1)−3の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシアセトフェノン(16.6mg、0.1mmol)と適当量のイソブテンとを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.1V)を行った。2.5F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−3を得た(収率84%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−3のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 7.17 (1H, d, J=2.9 Hz), 6.93 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.00 (2H, s), 2.61 (3H, s), 1.51 (6H, s)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 197.05, 154.37, 153.42, 131.15, 119.88, 118.97, 108.94, 88.09, 55.96, 42.32, 31.22, 28.19
IR νmax(cm-1):2972, 2933, 2844, 1672, 1467, 1372, 1145, 1044
MS(relative intensity %):220 (M+, 60), 205 (42), 177 (7), 163 (23), 105 (6), 91 (19), 77 (16), 43 (100)
λabs.max(nm):351
λfl.max(nm):432
また、得られた蛍光性化合物(1)−3の蛍光収率は0.25であった。
[実施例5]
(蛍光性化合物(1)−4の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシアセトフェノン(16.6mg、0.1mmol)と2,3−ジメチル−2−ブテン(119μL、1mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.1V)を行った。2.5F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−4を得た(収率92%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−4のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 7.15 (1H, d, J=2.9 Hz), 6.84 (1H, d, J=2.9 Hz), 3.79 (3H, s), 2.62 (3H, s), 1.35 (6H, s), 1.19 (6H, s)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 197.03, 153.80, 152.82, 142.15, 120.26, 116.85, 108.21, 93.06, 55.90, 45.73, 31.23, 23.90, 23.00
IR νmax(cm-1):2972, 2939, 2872, 2839, 1678, 1461, 1372, 1211, 1111
MS(relative intensity %):248 (M+, 71), 233 (82), 191 (14), 91 (15), 77 (15), 65 (8), 43 (100)
λabs.max(nm):348
λfl.max(nm):433
また、得られた蛍光性化合物(1)−4の蛍光収率は0.31であった。
[実施例6]
(蛍光性化合物(1)−5の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシアセトフェノン(16.6mg、0.1mmol)と1−メチルシクロヘキサン(71.2μL、0.6mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.1V)を行った。3.0F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−5を得た(収率80%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−5のスペクトルデータを以下に示す。以下のスペクトルデータからも明らかなように、蛍光性化合物(1)−5は、ジアステレオマーの混合物であった。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 7.15 (1H, d, J=2.9 Hz), 6.87 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.08 (1H, t, J=5.1 Hz), 2.62 (3H, s), 1.91 (1H, m), 1.73 (2H, m), 1.59 (2H, m), 1.33 (2H, m), 1.54 (3H, s)
δ 7.11 (1H, d, J=2.9 Hz), 6.84 (1H, m), 3.79 (3H, s), 2.95 (1H, m), 2.64 (3H, s), 2.16 (2H, m), 2.00 (1H, td, J=12.5 Hz, J=4.4 Hz), 1.80 (2H, m), 1.50~1.43 (3H, m), 1.14 (3H, s)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 197.10, 154.21, 153.65, 136.47, 120.57, 117.47, 108.25, 90.05, 55.91, 46.37, 34.12, 31.26, 25.84, 25.46, 20.88, 17.53
δ 197.17, 154.67, 153.75, 135.68, 120.77, 116.65, 107.28, 92.01, 55.87, 51.44, 36.71, 31.30, 23.49, 23.02, 21.74, 17.53
IR νmax(cm-1):2933, 2861, 1672, 1461, 1378, 1261, 1195, 1038
MS(relative intensity %):260 (M+, 54), 245 (9), 217 (18), 192 (60), 91 (15), 77 (20), 43 (100)
λabs.max(nm):350
λfl.max(nm):432
また、得られた蛍光性化合物(1)−5の蛍光収率は0.22であった。
[実施例7]
(蛍光性化合物(1)−6の製造)
ニトロメタン(20mL)に過塩素酸リチウム(6.3834g、0.06mol)を溶解させ、3M過塩素酸リチウム/ニトロメタン溶液を調製した。ここに酢酸(1mL)を添加し、2−ヒドロキシ−5−メトキシアセトフェノン(16.6mg、0.1mmol)と酢酸シトロネリル(59.5mg,0.3mmol)とを加え、陽極にカーボンフェルト、陰極に白金板を用いて、室温で定電位電解(参照電極に対して1.1V)を行った。2.5F/mol通電後、生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1(体積比))により精製し、蛍光性化合物(1)−6を得た(収率86%)。
Figure 2011136960
得られた蛍光性化合物(1)−6のスペクトルデータを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3;600 MHz):δ 7.17 (1H, d, J=2.2 Hz), 6.93 (1H, m), 4.12 (2H,m), 3.79 (3H, s), 2.93 (1H, q, J=8.1 Hz), 2.60 (3H, s), 2.05 (3H, s), 2.04 (3H, s), 1.73~1.57 (4H, m), 1.51 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.37 (3H, s), 1.36 (3H, s), 1.27 (1H, m), 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.6 Hz)
13C-NMR(CDCl3;150 MHz):δ 197.02, 171.14, 171.10, 153.69, 153.66, 153.38, 153.35, 136.02, 136.01, 119.99, 118.90, 118.75, 108.55, 108.51, 90.96, 90.92, 62.73, 60.35, 55.93, 50.52, 50.49, 35.41, 35.35, 34.93, 34.82, 31.24, 30.25, 28.84, 28.77, 27.49, 27.42, 22.12, 22.07, 21.01, 20.98, 19.34, 19.31, 14.16
IR νmax(cm-1):2961, 2933, 2867, 1739, 1672, 1461, 1372, 1239, 1044
λabs.max(nm):350
λfl.max(nm):432
また、得られた蛍光性化合物(1)−6の蛍光収率は0.26であった。
得られた蛍光性化合物(1)−1〜(1)−6、(2)−1は、いずれも従来の蛍光性化合物と比較して同等以上の優れた蛍光収率を有していた。
本発明は、微量物質の検出や解析、反応プロセスの追跡等の解析分野や、各種セキュリティ分野で利用可能である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される蛍光性化合物。
    Figure 2011136960
    (式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
  2. 前記R11、R14、R15、R17及びR18が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であり、前記R12及びR13が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基若しくはアリール基であり、前記16が、置換基を有していても良いアルキル基である請求項1に記載の蛍光性化合物。
  3. 前記R11が、水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R12及びR13が、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はフェニル基であり、前記R14及びR15が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良い炭素数が1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記16が、炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R17及びR18が水素原子である請求項2に記載の蛍光性化合物。
  4. 下記一般式(2)で表される蛍光性化合物。
    Figure 2011136960
    (式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24、R25、R28及びR29はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22、R23、R26及びR27はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22、R23、R24及びR25のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26、R27、R28及びR29のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22及びR23の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26及びR27の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
  5. 前記R20、R21、R24、R25、R28及びR29が、それぞれ独立に水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基であり、前記R22、R23、R26及びR27が、それぞれ独立に置換基を有していても良いアルキル基である請求項4に記載の蛍光性化合物。
  6. 前記R20、R21、R24、R25、R28及びR29が、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、前記R22、R23、R26及びR27が、それぞれ独立に炭素数が1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である請求項5に記載の蛍光性化合物。
  7. 下記一般式(1a)で表される化合物と、下記一般式(1b)で表される化合物と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表される蛍光性化合物の製造方法。
    Figure 2011136960
    (式中、R11は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R14、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R12、R13、R14及びR15のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R11、R16、R17及びR18のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R12及びR13の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R11、R12、R13、R14及びR16がメチル基であり、且つR15、R17及びR18が水素原子である場合と、を除く。)
  8. 下記一般式(2a)で表される化合物と、下記一般式(2b)で表される化合物と、下記一般式(2c)で表される化合物と、を電解反応させる工程を有することを特徴とする下記一般式(2A)、(2B)又は(2C)で表される蛍光性化合物の製造方法。
    Figure 2011136960
    (式中、R21は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、水素原子以外の基である場合には、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子以外の一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く、隣接するカルボニル基に結合している炭素原子に結合している水素原子以外の一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く;R20、R24’、R25’、R28’及びR29’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基又はアリーレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R26’及びR27’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基であり、一つ以上の水素原子がヘテロ原子を含む基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基で置換されていても良く、一つ以上の炭素原子がヘテロ原子を含む基、アルキレン基、アルケニレン基又はアルキニレン基で置換されていても良く;R22’、R23’、R24’及びR25’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R26’、R27’、R28’及びR29’のいずれかが相互に結合して環を形成していても良く、R20及びR21が相互に結合して環を形成していても良く;ただし、R22’及びR23’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、R26’及びR27’の一方が水素原子であり他方がアリール基以外の基である場合と、を除く。)
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