JP2011136158A - 電界検知型脳波計 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接触で信頼性の高い脳波計測が可能で、基準電位の取得が不要な脳波検出手段を提供すること。
【解決手段】本発明の脳波計1は、脳波検知用のセンシングデバイスとして高感度な光電界センサー5を1個以上備え、被験者6の脳活動により頭部近傍に生成される脳電界7を光学的に計測することによって、脳波計測、および、取得された脳波からの情報抽出を行う。本発明の脳波計1は、電位ではなく電位の空間微分量である電界を捉えるので、基準電位を用意する必要がなく、かつ、非接触で脳波検知を行うことが可能となる。また、光学的に検知するために電気ノイズの混入が少なく、信頼性の高い脳波取得が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、人や動物などの被験体の体外に設置した1個以上の電界センサーを用いて電界変動を測定することにより、被験体の脳活動によって、脳内神経細胞集団に発生する電気的変動を測定する脳波計に関するものである。
脳波は脳内神経細胞の活動を直接反映しているため、脳波を計測する脳波計は、脳活動を研究する上での主要な実験手段として適用されている。また、医療分野では、臨床検査装置として適用されている。更に、最近の脳科学の発展にともなって、脳波計は新たなマン・マシン・インターフェイスデバイス(人間と機械との間の情報の入出力デバイス)や、ブレイン・マシン・インターフェイスデバイス(直接脳から機械への情報の入出力を可能とするデバイス)としても、その応用に対する社会的期待が高まってきている。
脳波は脳神経細胞を伝播する電気信号であるため、神経細胞上でさえも、その信号振幅は極めて小さい。従って、正確に脳波を計測するためには、神経細胞や軸索に直接電極を装着し電気信号を取得することが望ましい。しかし、上述の社会的ニーズに応えるためには脳波計の装着は非侵襲でなければならない。一般的に、非侵襲な脳波計は脳神経細胞を流れる電気信号を直接観測できないため、脳神経細胞を流れる電気信号によって外界に誘起される微弱な電磁界を測定しなければならない。このような従来の脳波計としては、上記の微弱な電磁界を頭皮表面の電位として計測しているものがある(特許文献1)。図10は、特許文献1に記載の従来の脳波計の装置構成を示す概略構成図である。以下、図10を参照して従来の脳波計の動作を説明する。
図10において、従来の脳波計1001は、患者1006の頭皮1007に複数の電極1003を接触させ、患者1006の身体上における電位変動の少ない部位に設けたGND1009の電位を基準に、患者1006頭部の複数部位における電位の時間変化や分布を計測する。各部位の電位は信号線1004を通して誘導選択器1002に収集され、収集された電位の解析目的に応じた信号処理が誘導選択器1002により行われる。そして、最終的な解析結果が記録器1008に蓄積され、必要に応じて記録紙1005等の出力媒体により表示される。以上が、従来の脳波計1001の機能と動作である。
従来の脳波計1001で用いられる電極1003の個数は最大で60個程度であり、それら配置は、例えば国際10-20法(ten-twenty法)等の規格に基づいて、頭部の所定位置に設置されることが多い。また、図10では基準電位取得用のGND1009を患者1006の腕に設けているが、患者1006の耳や、眉間に設けられる場合が多い。
特公平1−29567号公報
本発明が解決しようとする課題は、測定脳波信号中のノイズの除去である。従来の脳波計1001が電位計測を基礎としている以上、基準となる電位の設定が必要であり、原理上GND1009の省略は不可能である。しかし、図10に記したように、基準電位を患者1006の身体から取得する従来の脳波計では、基準電位自体が筋電位(電位としては脳波より高電位)などで揺らいでおり、それを基準電位として脳波を測定する従来の脳波計では、必然的に基準電位の揺らぎが脳波に含まれるため、計測された脳波図が脳内神経系を流れる電流を直接表現したものになっていない場合があるという課題を有する。
そこで、本発明は前記従来の課題を解決するものであり、測定脳波信号のノイズを除去することで、脳波計測の精度を向上させることができる。
前記従来の課題を解決するために、本発明の脳波計は、脳活動時に脳内神経系を流れる電流により頭部近傍に誘起される「電界」の時間変動や分布を計測することを第1の特徴とする。そして、前記電界の測定は、ポッケルス効果などの電気光学効果を適用した電界センサーを用いて光学的に行うことを本発明の脳波計におえる第2の特徴とする。すなわち、頭部近傍に配置した電気光学効果を有した媒質に光を入射させ、前記電界により前記媒質中で生じる前記光の変化(光の強度や位相の変化)を観測することにより、脳活動時に脳内神経系を流れる電流を測定、あるいは推定する。
本発明の脳波計は脳内神経系の活動により頭部近傍に生成された電界を測定するため、基準電位を取得する必要がなく第1の課題を克服することができる。また、頭部に非接触で脳内神経系を流れる電流を直接反映している脳電界を直接観測することが可能となるために、リアルタイムで脳内神経系を流れる電流の時間変動を観測することができる。しかも、非接触・非侵襲であるために、装着感に優れ、小型かつ低コストで脳波計を提供することができる。
更に、上記従来例に見られる誘導選択器1002と電極1003間の電気的配線を全て光ファイバ等の光学的配線で行えるため、電気的ノイズの混入が低減され、高精度な脳波計測が可能となる。
本発明の脳波計によれば、測定脳波信号のノイズを除去することで、脳波計測の精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態1における脳波計の装置構成を示す概略構成図 本発明の実施の形態1における第1の光電界センサーの装置構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態2における脳波計に適用される光電界センサーの概略構成図 リブ導波路(ステップ型光導波路の一種)におけるブラッグ反射鏡33の1例を示した概略構成図 グレーデッド型光導波路におけるブラッグ反射鏡33の1例を示した概略構成図 本発明の実施の形態3における脳波計に適用される光電界センサーの概略構成図 本発明の実施の形態1における脳波計をより高精度にするための、モニター用センサーの配置を示した概略構成図 本発明の実施の形態1における脳波計を更に高精度にするための、光電界センサー内部へのモニター用センサーの配置を示した概略構成図 本発明の実施の形態1において、メガネを支持体とした脳波計の構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態1において、ヘッドホンを支持体とした脳波計の構成を示した概略構成図 特許文献1に記載の従来の脳波計の装置構成を示す概略構成図 本発明の実施の形態1において、自動車運転席のヘッドレストを支持体とした脳波計の構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態1において、脳電界をベクトル量として取得するための光電界センサーの装置構成を示した概略構成図 本発明の実施の形態4における脳波計131を示した概略構成図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における脳波計の装置構成を示す概略構成図である。図1において、実施の形態1における脳波計1は、脳波検出部2と脳波解析部3の2構成要素に大別される。まず、脳波検出部2の構成について説明する。
脳波検出部2は、支持体4により保持された1個以上の光電界センサー5と1個以上のモニター用センサー15、および、各光電界センサー5への光の入出力を行うための光ファイバ8から構成される。被験者6の脳の活動状況に応じて脳内神経系に流れる電流分布によって生じる電界(以下、脳電界7と略称する)の電界分布を乱さないように、支持体4は、低誘電率・低誘電損失性の誘電体材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレンが適する)から作成されている。
光電界センサー5は、支持体4により被験者6の頭部近傍に保持され、脳電界7を光学的に検出する。なお、光電界センサーの頭部近傍における保持位置は、被験者6の頭皮に接触させても、非接触であってもよい。本実施の形態においては、光電界センサー5は、電界印加時に電気光学結晶に生じるポッケルス効果を用いて脳電界7を検出することを測定原理としている。ポッケルス効果とは、等方的強誘電体の電気光学結晶に電界が印加された場合、この電界のベクトルの向きと同方向に偏波面を有する光の屈折率が、前記電界強度に応じて変化する現象を言う。ポッケルス効果では、前記屈折率の変化量が電界の強度の1次に比例するので、屈折率変化は電界強度と比例関係にある。従って、本実施の形態では、脳電界7によって、光電界センサー5中の電気光学結晶に生じるポッケルス効果によって引き起こされる電気光学結晶の屈折率変化を光学的に検出する(その検出方法の詳細は後述する)ことにより、脳電界7の計測を行う。
次に、脳波解析部3について、図1を参照して説明する。脳波解析部3は、構成要素の1つとして単色光光源9を含む。単色光光源9は、例えば、近赤外レーザー光のような干渉性の高い光線(以下、単色光と略称)を発生する。単色光光源9から発せられた単色光は、光ファイバ8により各光電界センサー5に供給される。そして、各光電界センサー5においてポッケルス効果により脳電界7の時間変動に応じて変調された単色光は、光ファイバ8により脳波解析部3の光電変換部10に導かれ、この単色光の光強度に比例した振幅値を持った電気信号に変換される。電気信号の変換素子としては、例えば、PINダイオードなどの光から電気への変換特性の時間変動が少ないフォトダイオードが適用可能である。前述の電気信号は、信号増幅部11で増幅された後、フィルタ12によりノイズ等の不要信号成分が除去され、信号処理部13に集められる。信号処理部13は、脳電界7の情報を担った電気信号から所望の情報を抽出する機能を有する。また、信号処理部13は、抽出された情報を基に、実施の形態における脳波計1に接続された外部機器14を制御する機能、および、被験者6への情報入力機器として動作する刺激手段16と連動して事象関連波形などのデータ収集を行う機能も有することができる。
脳波は数Hzから1kHz程度の低周波数信号であるので、脳電界7の検出感度の向上や、脳電界7から抽出された情報の確度を高める上で、測定データから、光電界センサー5自身が持つ出力値の揺らぎや、環境変動の影響による光電界センサー5の出力値の揺らぎを除去しておくことが重要である。そこで、本実施の形態においては、脳電界7に影響を受けないモニター用センサー15は、光電界センサー5の出力値の揺らぎを検出する。そして、その結果を基に信号処理部13は、上記の要因(環境変動,光電界センサー5自身の特性変動)により生じる測定誤差を抑圧する。特に、ポッケルス効果を生じる電気光学結晶は帯電性や焦電性が高く、電気光学結晶の温度上昇や振動・応力印加などにより帯電するため、脳波のような低周波数信号を取得する場合、不要信号が混入しやすい。そこで、本実施の形態においては、より信頼性の高い脳波取得を行う場合には、図6に示すように、各光電界センサー5に隣接させてモニター用センサー15を配置する。各光電界センサー5近傍において、環境変動により各光電界センサー5自身が受ける電界のノイズを常時観測し、その結果を基に、取得された脳波データを補正することによって、より高い信頼性をもった脳波取得が可能となる。
このように、モニター用センサー15は、光電界センサー5を用いることを特徴とした本発明の脳波計に特有の課題である耐環境性を高めるために必要な構成要素である。
次に、図2を用いて本実施の形態における第1の光電界センサーの構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態1における第1の光電界センサーの装置構成を示した概略構成図である。図1において、本発明の実施の形態1における光電界センサー21は、光干渉計部22とアンテナ部23より構成される。まず、光干渉計部22の構成について説明する。
光干渉計部22は、電気光学結晶であるニオブ酸リチウムやタンタル酸ニオブ酸カリウムなどの単結晶薄膜や単結晶基板(以下では基板24と略称)上に光導波路25を形成することによって構成したマッハツェンダー干渉計である。光導波路25には、Tiイオンの熱拡散などのプロセスで基板24を部分的(1次元状)に高屈折率にして、高屈折率部に光を閉じ込めて伝播させるグレーデッド型光導波路を適用できる。また、基板表面に1次元状のリブやリッジ構造や誘電体ストリップを装荷するなどのいわゆるステップ型光導波路、ならびに、これらの両構造を併せ持った光導波路など、単色光光源9から出射される単色光の波長においてシングルモード光導波路(周波数を固定した場合、ただ1種類の導波光のみ伝播しうる光導波路。なお、導波光の類別は偏波と波数によりなされる。)として動作する光導波路を全て適用することができる(光導波路の可能な構造は、例えば、小柴 正則 著,“先端技術シリーズB2[エレクトロニクス]光導波路解析(第2刷)”,朝倉書店,ISBN 4−254−20802−2,1996年9月1日,5頁〜7頁を参照)。なお、図2の基板24の面内方向に偏光面を持つTEモードを導波しうるように光導波路25の構造を最適化することによって、光電界センサー21の感度を高めることができる。このような光導波路構成において高感度になる理由は、基板24へ印加される電界ベクトルの方向と、光導波路25を伝播する光の電界ベクトルの方向が一致するためである。
図2の構成においては、本発明の実施の形態1における光電界センサー21の感度を高めるために、光導波路25と同様に、光ファイバ26,27は、単色光光源9から出射される単色光の波長において偏波面保持シングルモード光ファイバが最適である。ここで、シングルモードの定義は上述のシングルモード光導波路に同じである。また、偏波面保持とは、光ファイバに入射した直線偏波単色光が光ファイバのもう一方の端面において直線偏波として出力されることを言う。これによって、光ファイバ26,27と光導波路25との間の光の入出力が低損失で行えるようになり、光電変換部10へ到達する光量が増えるため、脳波計1の脳電界7に対する感度が高まる。なお、光ファイバ26,27と光導波路25の位置決めは、低損失な光の入出力の実現のために重要である。これは、マイクロマシン技術などの微細加工技術により光導波路25に対して正確に位置決めがなされたV溝を用意し、光ファイバ26,27を前記V溝に固定する方法のほか、従来の光ファイバと光導波路間の光結合方法が等しく適用可能である。また、光ファイバ26,27の偏波面と、光導波路25を導波する光の偏波面の一致は、アンテナ部23に電界が印加されていない状態において、基板24に対して光ファイバ26,27の中心軸を回転軸として、各光ファイバ26,27を独立に回転させ、光ファイバ27からの出射光強度が最大値をとるようにすればよい。なお、偏波面保持光ファイバを光ファイバ26,27に適用することにより得られる他の利点としては、光導波路25ではなく基板24中を導波する伝播モードを抑圧できることにある。これによって、よりノイズの少ない脳波計測が可能となる。
光ファイバ26から光導波路25へ供給された光は、図2に向かって左側の光導波路25上のY字状の分岐において同一強度の2つの光に分割され、それぞれ、参照経路28と検出経路29を通過する。その後、両光は、図2に向かって右側の光導波路25上のY字状の分岐において重畳されるが、重畳後の光量は前記両光の位相差に依存して変動する(すなわち干渉する)。この位相差は、参照経路28と検出経路の28の光学長差で決定される。光学長は参照経路28と検出経路の28経路物理的な長さに、導波路25中を導波するシングルモード光が感受する屈折率を掛けたもので定義される。図2において、検出経路29の近傍に、アンテナ部23の2つの金属板29,30に接続された電極31がある。脳電界7の影響により金属板29,30において逆相の電位が発生した場合、電極31間にも電位が生じるために、基板24の面に平行で図2の上下方向に平行な向きの電界が電極31間に生成される。従って、前記電界の存在によってポッケルス効果が生じ、検出経路29を導波する光の屈折率が参照経路28の屈折率と異なるようになる。このようにして、上述の光学長差が脳電界7の大きさ・強度により変化するため、光ファイバ27へ出力される光量変動を脳波解析部3で検出・解析すれば脳波を観測することができる。
図2に示した本発明の実施の形態1における光電界センサー21は、脳電界7による光ファイバ27への出力光強度の変動を介して脳波を測定する。そのため、高感度化の観点から考えると、できる限り高強度の単色光を光ファイバ26から入射させ、干渉光をできる限り低損失で光ファイバ27から脳波検出部に導くことが重要である。この観点において、図2に示した光電界センサー5の構成は最適である。なぜならば、単色光光源9から光電界センサー5を経て光電変換部10までの経路において挿入すべき光学素子の点数を減らすことが可能だからである。
より高い信頼性をもった脳波を取得することができる、モニター用センサー15の配置方法について図6を用いて述べる。図2で説明した本実施の形態における光電界センサー5の構成を応用することによって、更に高い信頼性を持った脳波取得を可能にするモニター用センサー15の配置が実現できる。本装置の測定対象である脳電界7は微弱な電界であるため、周囲の電界等の影響を受けやすい。そこで、本光電界センサーとは別に、新たに、周囲環境の電界を測定するために、脳波による電界に対して感度をもたない無感度光電界センサーを、モニター用センサーとして設置する。特に、脳波の電界を測定する光電界センサーに対して近い位置に無感度光電界センサーを設置する。本光電界センサーで検出される信号と、無感度光電界センサーで検出される信号と、の差分の信号に対して処理を行うことで、脳波以外から生じる電界の影響を除去することが可能になる。
また、一方で、光干渉計自体の個体差によるノイズの影響もある。そこで、図7に示したように、光干渉計部22内に、電界検出用干渉計73に加え、新たにモニター用センサー15としてモニター用干渉計74を配置する。モニター用干渉計74は脳電界7を基板24に引き込むためのアンテナと電極を持たないため、脳波の電界に対して感度をもたない無感度光電界センサーとなる。このように、本装置構成では、同一基板上にモニター用センサー15を設けるので、環境変動の影響のみならず、光電界センサー5の特性の個体差も補正可能となる。なお、モニター用干渉計74の付加により、新たに光ファイバ71,72の接続が必要となる。
また、脳内の電流により発生する電界は、脳の様々な部分で発生している。そこで、図6に示すように、複数箇所において、光電界センサー5を設置し、異なる部分で発生する電界を測定できるようにすることで、より高精度に計測することが可能になる。更に、光電界センサーを複数個所設けることの利点は、本実施の形態においても、量子干渉計を用いた脳磁図測定装置(例えば、特許文献:特公第2751408号公報を参照)と同様に、頭部周囲の電界ベクトルから逆に脳内の大まかな電流分布(電流双極子分布)を測定しうる点である。このような高精度な測定を可能にするためには、各光電界センサー5間の特性を揃えて置くことが重要である。そこで、本実施の形態においては、複数箇所に設置された光電界センサー5ごとに無感度光電界センサーで構成されるモニター用センサーを設置することで、異なる場所で発生する環境によるノイズを減少させることが可能になる。
本実施の形態における脳波計の最大の特徴は、従来技術のように脳波を電位ではなく電界として捉えることにある。そのため、複数箇所に光電界センサーを設置しても、被験者の負担になることは少ない。従来までの、電位を測定するタイプの脳波計測の場合には、複数箇所に対して、各場所の設置状況を確認する必要があり、さらに、複数箇所に設置された電極の場合には、被験者が頭部を動かすと、設置されている電極がはずれ、正確な測定が困難になる場合が多い。一方で、本脳波計測装置においては、光電界センサーを複数個設置した場合でも、被験者が設置状況を確認する必要がなく、さらに、頭部を移動させた場合でも、電極の離脱等を考慮する必要がなくなる。
また、脳波による電界を計測する本装置と、物理量として電位を計測する従来までの脳波計との大きな相違は、被測定量にある。具体的には、従来装置の測定電位はスカラー量であるのに対して、本装置の測定対象である電界はベクトル量である。従って、本装置では、新たな脳活動の解析指標として、電界の方向の時間変動やその空間分布を用いることも考えられる。そこで、図12に示すように、脳電界7をベクトル量として捉えるために、3方向(図中x,y,z軸で示した)の電界を取得できるよう、3組(計6枚)の金属板30を1つの光電界センサー5に設ける。これと共に、一つの基板上に3方向毎の電界検出用干渉計73を配置する。そして、アンテナとなる金属板の1つを脳の頭皮と平行になるように設置することで、脳波による電界を精度よく、測定することが可能になる。さらに、図12に示す装置は、同一基板24上にモニター用干渉計74も備えており、高い信頼性を持った脳波の取得が可能な構成となっている。また、図12の光電界センサー5では、4組(計8本)の光ファイバ121が接続されている。
従来の構成と異なり、頭部周囲の電界ベクトル分布を測定可能な本実施の形態の脳波計は、従来の脳波計では実現不可能な次の利点を有する。それは、測定された電界ベクトル分布より、脳内の活性部位を特定し、その部位において発生した電流分布を近似的に推定することができる点である。電磁界理論で知られるように、閉曲面上の電界ベクトル分布が確定すると、閉曲面内のどの点における電界も求めることができる。従って、脳内の電荷・電流分布の形状(例えば、ダイポールや4重極子などの多重極子、あるいは、それらの線形結合)を仮定すれば、電荷・電流分布を逆に求めることができる。
本実施の形態の脳波計がもつこの特徴は、電荷・電流分布が直接生成するのは電位ではなく、電界ベクトルであるという事実に起因する。従って、従来の電位検知型の脳波計では実現困難な特徴である。
以上のように、実施の形態1で述べた光電界センサー5により、脳活動により生じる電位ではなく電界を通じて脳波計測が可能となるため、被験者の身体から基準電位を取得する必要がなくなる。そのため、確度の高い脳波計測が可能となる。
なお、本実施の形態において、アンテナ部23は金属板29,30により構成されていたが、ロッドアンテナや、折り返しアンテナ等であっても良い。脳電界7は低周波電界であり、光電界センサー5は波源(被験者6頭部)の極近傍に位置するため、脳電界7と良好に電磁界結合できるアンテナ部23であれば、どのような構成であっても等しく本実施の形態の脳波形として適用できる。
また、本実施の形態において、光導波路25は、基板24上で光学系が構成できるよう1次元状に光を束縛し導波させることが可能な光導波路構造であれば全て適用可能であることは言うまでもない。このような光導波構造としては、例えば、2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路があるが、これも本実施の形態として適用可能である(2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路の詳細については、例えば、Kiyotoshi Yasumoto, “Electromagnetic theory and applications for photonic crystals,” CRC Press, ISBN 0-8493-3677-5, pp.415-444,2006を参照)。
更に、実施の形態1における脳波計1は、図1では被験者6の頭部全体を覆うように光電界センサー5を配置している様子を記した。しかしながら、頭部特定部位の脳波のみが必要とされるシステムに実施の形態1における脳波計1を適用する場合、前記特定部位の近傍にのみ光電界センサー5を配置する装置構成にしてもよいことは言うまでもない。その場合、支持体4は、図1に記した構造のものを使用する必要はなく、例えば、眼鏡(図8参照)や、ヘッドホン(図9参照)のようなフィット感・ファッション性に優れた構成も可能であることはいうまでもない。これは、従来までの電位を測定する脳波計の場合には、被験者の肌に接触する必要があるのに対して、本装置は、電界を計測するため、被験者の肌に接触する必要は、必ずしもない。そのため、眼鏡やヘッドホン、帽子等の被験者の頭部近くに装着する日常品に、本光電界センサー5を付与することで、被験者の脳波を、電界を用いて計測することが可能になるものである。
また、自動車運転時における運転者111の後頭部の脳波のみが必要とされる状況においては、運転席のヘッドレスト(図11参照)に光電界センサー5を装着することも可能である。これにより、運転者の脳波を、運転者に接触することなく、測定することが可能になる。自動車運転時において、運転者が注意散漫な状況にあるか否かを、運転者の視線の情報と、運転者の脳波の情報を利用して検出することが考えられる。具体的には、運転者が看板や歩行者を認識するときには、視線が一旦停止し、その後数100m秒後に、脳波に信号が検出される。もし、視線が停止しても、脳波に信号が検出されない場合には、その視線の先にあるものを認識していない可能性がある。これを注意散漫の状態と判断する。このように、運転者が注意散漫な状態にあるときには、運転者に対して注意のメッセージを表示することが考えられる。
このようなシステムを構築するためには、運転者の視線情報は、車内に設置されたカメラ等により、運転者の黒目部分を検出することで、運転者に負荷をかけることなく測定できる。一方、従来までの脳波測定装置は、運転者の脳皮に電極を設置する必要があり、運転者が、運転席に座るたびに、電極を設置することは、運転者に負荷をかけることになる。一方、本装置を運転席のヘッドレスト内または、ヘッドレストの表面に装着しておくことにより、運転者の頭部で発生される電界を運転者と接触することなく、計測することが可能になり、従来までの電位測定タイプの脳波計測装置のように、運転者に負荷をかけることなく、運転者の脳波を測定することが可能になる。このように、本脳波計測装置を用いれば、運転者の脳波を頭部に電極を接触させることなく、脳波の状態を計測できることにより、運転者の注意散漫を、運転者に負荷をかけることなく、実現することができるようになる。
(実施の形態2)
本実施の形態における脳波計の全体構成は、光電界センサー5の内部構成を除き、図1に示した実施の形態1における脳波計1と同一であるので、詳細な説明を省略する。図3は、本発明の実施の形態2における脳波計に適用される光電界センサーの概略構成図である。図3においても、図1および図2と同じ構成要素については同じ符号を用いるとともに同一構成要素の詳細な説明を省略する。
図3に示した本発明の実施の形態2における光電界センサー32と、図2に示した本発明の実施の形態1における光電界センサー21との相違は、後者がマッハツェンダー干渉計であったの対して、前者がマイケルソン干渉計である点である。そのため、本実施の形態における脳波計の脳波解析部3と、本発明の実施の形態2における光電界センサー32との光の入出力は、1本の光ファイバ26により行われる。
参照経路28、および、検出経路29の光導波路25は末端を持ち、末端部にはブラッグ反射鏡33が設けられている。ブラッグ反射鏡33は光導波路25を伝播してきた光を全反射する機能を有する。ここで、ブラッグ反射鏡33の好適な例を図4に示す。図4(A)はリブ導波路(ステップ型光導波路の一種)におけるブラッグ反射鏡33の1例を示した概略構成図、図4(B)はグレーデッド型光導波路におけるブラッグ反射鏡33の1例を示した概略構成図である。図4に示したように、両光導波路とも光導波路上に周期構造を設けることによってブラッグ反射鏡33を構成している。単色光光源9からの出射光の光導波路25中での波長の整数倍に前記周期構造の周期が一致する時、前記周期構造は反射鏡として機能する。そして、周期構造の繰り返し回数が多ければ多いほど反射率は増大し反射損失が少なくなるために、本発明の実施の形態2における光電界センサー32の感度劣化を抑圧することができる。
図3に戻り、本実施の形態の利点について述べる。本実施の形態においては、検出経路29を伝播する光は電極31を往復2回通過するため、単色光光源9の出力が一定かつ電極31の長さが一定の場合、実施の形態1にくらべ2倍の検出感度が得られるという利点を有する。従って、本実施の形態におけるこの利点を用いれば、光電界センサーの小型化が可能である。以上が、第2の実施の形態が有する特徴である。
図3において、光導波路25は基板24上で光干渉計を構成するための光導波構造であり、光を1次元状に束縛する光導波構造であれば全て等しく適用可能であることは言うまでもない。例えば、2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路であっても、本発明の目的を良好に実現しうることは言うまでもない。
図4においてはブラッグ反射鏡33を、光導波路25に対するエッチングプロセスによる周期構造の付加により構成している例を示した。ブラッグ反射鏡33は、光導波路近傍に散乱体を周期的に配置して、各散乱体より生成される光導波路を逆向きに進行する光を同相合成し、強めあうことによって反射波を生成している。従って、光導波路25に付加される周期構造の幾何学的構造はどのようなものであってもブラッグ反射鏡33として動作することは言うまでもない。例えば、誘電体パターンの積層や金属パターンを用いて周期構造を構成しても、ブラッグ反射鏡33として動作する。なお、光導波路25として2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路を用いる場合は、線路の特性上、特に周期構造を負荷せずとも単なる終端構造で反射器として動作する。
(実施の形態3)
本実施の形態における脳波計の全体構成は、光電界センサー5の内部構成を除き、図1に示した実施の形態1における脳波計1と同一であるので、詳細な説明を省略する。図5は、本発明の実施の形態3における脳波計に適用される光電界センサーの概略構成図である。図5においても、図1,図2、および、図3と同じ構成要素については同じ符号を用いるとともに、同一構成要素の詳細な説明を省略する。
図5に示した本発明の実施の形態3における光電界センサー51と、図2示した本発明の実施の形態1における光電界センサー21、および、図3に示した本発明の実施の形態2における光電界センサー32の相違は、後者がそれぞれマッハツェンダー干渉計、および、マイケルソン干渉計であったの対して、前者がフィゾー干渉計である点である。図5より分かるように、本実施の形態も実施の形態2と同様に、本実施の形態における脳波計の脳波解析部3と、本発明の実施の形態2における光電界センサー32との間の光の入出力は、1本の光ファイバ26により行われる。
本実施の形態における光干渉計上の大きな特徴は、干渉計が1本の光導波路25より構成されている点である。光導波路25の末端近傍にはブラッグ反射鏡33が、そして、電極31を挟んでブラッグ半透鏡52が光導波路25上に形成されている。実施の形態2で述べたように、ブラッグ反射鏡33は、光導波路25を図5に向かって左側から右方向に進行してくる光を完全反射させる機能を有する。ブラッグ半透鏡52も、ブラッグ反射鏡33と全く同様な素子構造(周期構造)を有するが、周期構造の繰り返し回数を減らして反射率を下げることによって半透鏡として動作させることができる。この装置構成により、光ファイバ26から光導波路25に入射した光の一部は、ブラッグ半透鏡52により光ファイバ26に反射されるが、残りの光はブラッグ半透鏡52を透過する。ブラッグ半透鏡52を透過した光はブラッグ反射鏡33で反射されて再びブラッグ半透鏡52に戻るが、導波してきた光の一部はブラッグ半透鏡52を透過し、ブラッグ半透鏡52での直接反射光と重畳することになり干渉する。以上のようにして生成された干渉光は、再び光ファイバ26を経由し脳波解析部3に導かれ、脳波の取得や取得された脳波から脳活動の情報が抽出される。干渉光の強度は、ブラッグ半透鏡52を透過し、次にブラッグ反射鏡33で反射され、再びブラッグ半透鏡52に戻るまでに光が経由する光路長(=経路の物理長×屈折率)に依存する。図5の構成においては、アンテナ部23で検出された脳電界7により電極31間に生成される電界のために生じるポッケルス効果で、前記光路長が変動するため、脳電解7の変動に応じて前記干渉光強度が変動する。
本干渉計の利点は、参照光(光ファイバ26からの入射光の中で、ブラッグ半透鏡52で反射される光)と、プローブ光(光ファイバ26からの入射光の中で、ブラッグ半透鏡52を透過し、次にブラッグ反射鏡33で反射され、再びブラッグ半透鏡52を透過する光)が同一経路を進むため、周囲環境の影響を受けにくく、高安定な光干渉計部22を構成できる点である。従って、本実施の形態を適用することにより、周囲環境の影響を受けにくい信頼性の高い脳波計測が可能な脳波計を提供することができる。
なお、図5において、光導波路25は基板24上で光干渉計を構成するための光導波構造であり、光を1次元状に束縛する光導波構造であれば、全て等しく適用可能であることは言うまでもない。例えば、2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路であっても、本発明の目的を良好に実現しうることは言うまでもない。
(実施の形態4)
上でも述べたように本発明の脳波計の最大の特徴は、脳波を電位ではなく電界として測定することにある。電界はベクトル量であるので、その方向の同定が重要である。本発明の脳波計で用いられている光電界センサーは、電界ベクトルの変化量に対してのみ感度を持つため、電界ベクトルの方向や大きさの絶対測定を行うためには、光電界センサーの校正が必要である。本実施の形態の脳波計は、電界ベクトルの校正手段を有する点が最大の特徴である。
図13は、本発明の実施の形態4における脳波計131を示した概略構成図である。脳波計131の全体構成は、電界校正手段132以外は図1に示した実施の形態1における脳波計1と同一であるので、同一構成要素の詳細な説明を省略する。また、脳電界7を電界ベクトル量として測定するに適するよう、モニター用センサー15の配置は図6に示した装置構成となっている。
実施の形態4における脳波計131は、電界校正手段132を備えている。電界校正手段132は、望ましくは、表面が金属で覆われた球状の構造体であり、脳波解析部3から所望の電荷が供給される。以上の構成を有する電界校正手段132の周囲は、球状の構造体の中心から放射方向に、中心からの距離に反比例する電界ベクトルが生成される。また、電界ベクトルの大きさは球状構造体に供給された電荷の総量から求められる。このように、電界校正手段132の周囲には定まった電界ベクトル分布が生成されるので、光電界センサー5の校正に用いることができる。
校正は以下のように行う。被験者6の測定を行う前に、光電界センサー5を電界校正手段132の所定の場所に配置する。そして、各光電界センサー5で電界ベクトルを測定する。電界校正手段132の球状の構造体の中心に対する各光電界センサー5の位置と向きが予め分かっている。すなわち、その位置・向きにおける電界ベクトル(以下、基準電界ベクトルと呼ぶ)は予め分かっているので、各光電界センサー5の出力が基準電界ベクトルを示すよう信号処理部13で補正を行う。このような校正を、電界校正手段132に対する各光電界センサー5の位置を変えて複数回行い、各光電界センサー5の出力が基準電界ベクトルに等しくなるようにして、最終的な補正値を決定する。
以上の校正により、各光電界センサー5の測定値は正確な電界ベクトルとなる。従って、実施の形態1で述べたように、測定された電界ベクトル分布より、脳内の活性部位を特定し、その部位において発生した電流分布を近似的に推定することができる。
なお、モニター用センサー15の役割は隣接する光電界センサー5の特性変動を補正するためのものである。したがって、光電界センサー5では電界校正手段132の代用ができない。
また、電界校正手段132の形状は球形でなくともよいことは言うまでもない。基準電界ベクトルが算定し易い形状であれば、いずれの形状でも等しく使用できる。
また、本願記載の発明により、被験者の頭部に非接触で脳波計測が可能となるので、装着感に優れるとともに、直ちに脳波計測を開始できる。一般的に、脳活動により頭皮1007上に現われる電位は20〜70μV程度の微弱な電圧信号である。従って、良好な脳波測定を実施するためには、頭皮1007と電極1003との良好な電気的接触は非常に重要である。そこで、従来の脳波計1001では、患者1006の頭皮1007への電極1003の固定は、専用の導電性ペーストによる接着や、特殊な帽子を用いて圧着することにより行われている。しかしながら、前者の固定方法を用いる場合、接着場所の頭髪を取り除いた上で、導電性ペーストを用いて円盤電極や皿状電極を1つずつ頭皮1007に接着するため、装着感に優れない上に計測に多くの時間を要する。また、後者の固定方法を採用する場合、頭髪を避けて頭皮1007と電極1003の接触を良くするために、鋭い先端形状を有した電極形状にしたり、スポンジに電解質溶液を満たした電極を用いたりするため装着感に優れない。これに対して、本願発明によれば、装着感に優れるとともに、直ちに脳波計測を開始できる。
更に、本願発明により、小型・低コスト性を両立することができる。
一般的に、頭皮表面の電位計測を測定原理とする従来の脳波計では、頭皮との良好な電気的接触の実現のために上記の第2の課題が発生している。しかしながら、頭皮に接触することなく脳活動を測定する脳活動計測手段が存在しており、それらを適用すれば第2の課題を回避することができる。そのような非接触な脳活動計測手段としては、例えば、脳内神経系を流れる電流により生成される磁場を超伝導量子干渉計で測定する方法や、ヘモグロビンやミオグロビンが酸素と結合した時としない時とで近赤外領域での吸光特性が異なること、及び、近赤外は生体組織での減衰が少ないことを利用した近赤外分光法による脳血流測定がある。しかしながら、前者は非常に微弱な磁場計測を行わなければならず、必然的に高精度な磁気遮蔽環境と量子素子の冷却環境の実現に高いコストを要する上に装置が大型化する。また、後者は脳血流を検知する方法であるため、脳活動そのものを観測する脳波計に比べ時間的分解能と即時性に劣り、例えば事象関連電位などで測定される外部刺激に対する脳の過渡応答の観測が不可能である。
これに対して、本願発明により、小型・低コスト性を両立することができる。更に、光学的に脳波を検知するので、電気的ノイズの混入が少なく信頼性の高い脳波測定を行うことができる。
なお、本願実施の形態に記載の脳波計の各部が行っている機能を実現させる脳波計測方法に関しても、上述の脳波計と同様の効果を奏する。
本発明の脳波計は、非接触かつ高確度な脳波計測を可能とするため、デジタル家電機器や遊技機のユーザー・インタフェース等として有用である。また、ユーザーの心理状況を把握するためのセンシング機器等にも応用できる。更に、筋電位計(ただし、電位を測るのではなく電界を介しての測定)としても有用である。
1 実施の形態1における脳波計
2 脳波検出部
3 脳波解析部
4 支持体
5 光電界センサー
6 被験者
7 脳電界
8,26,27,71,72,121 光ファイバ
9 単色光光源
10 光電変換部
11 信号増幅部
12 フィルタ
13 信号処理部
14 外部機器
15 モニター用センサー
16 刺激手段
21 本発明の実施の形態1における光電界センサー
22 光干渉計部
23 アンテナ部
24 基板
25 光導波路
28 参照経路
29 検出経路
30 金属板
31 電極
32 本発明の実施の形態2における光電界センサー
33 ブラッグ反射鏡
51 本発明の実施の形態3における光電界センサー
52 ブラッグ半透鏡
73 電界検出用干渉計
74 モニター用干渉計
111 運転者
131 実施の形態4における脳波計
132 電界校正手段
1001 従来の脳波計
1002 誘導選択器
1003 電極
1004 信号線
1005 記録紙
1006 患者
1007 頭皮
1008 記録器
1009 GND

Claims (9)

  1. 被験者の脳波を光電界センサーにより計測する装置において、
    前記被験者の脳波から生じる電界を測定する2つのアンテナと、
    前記2つの各アンテナに接続された電極間に設置された第1の光導波路と、前記2つの各アンテナに接続された電極間以外の場所に設置された第2の光導波路と、を有する基板と、
    前記2つの光導波路を通る光が通過する経路長の差を用いて、脳波から生じる電界の強度を測定する前記光電界センサーと、
    を具備する、脳波測定装置。
  2. さらに、脳波による電界に対して感度を持たない無感度光電界センサーを備え、
    前記無感度光電界センサーの信号と、脳波の電界の強度を測定する前記光電界センサーの信号との差を用いて脳波による電界の強度を測定する、請求項1記載の脳波測定装置。
  3. 前記無感度光電界センサーと、脳波を計測する前記電界センサーと、を同一の電気光学結晶の基板上に設置する、請求項2記載の脳波測定装置。
  4. 前記被験者の頭部に前記光電界センサーを複数個設置し、前記各光電界センサーの周囲に、隣接する場所に、前記無感度光電界センサーを備え、
    前記被験者の脳波による電界の強度を、前記光電界センサーの信号と、その周囲に設置された複数の前記無感度光電界センサーの信号から、前記被験者の脳波の強度を測定する、請求項2記載の脳波測定装置。
  5. 前記アンテナは、前記被験者の頭皮と平行になるように設置する、請求項1記載の脳波測定装置。
  6. 前記アンテナを前記被験者が運転する車両のヘッドレストに装着し、
    前記被験者が車両を運転しているときの脳波を測定し、前記脳波を基に前記被験者の注意散漫の状況を判断する、請求項1記載の脳波測定装置。
  7. 前記アンテナを前記被験者が装着する眼鏡またはヘッドホンに装着する、請求項1記載の脳波測定装置。
  8. さらに、電界校正手段を有する、請求項1記載の脳波測定装置。
  9. 電界校正手段は、表面が金属で覆われた球状の構造体である、請求項8記載の脳波測定装置。
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