JP2011133447A - 抗酸化能の判定方法及びそれに用いる抗酸化能判定用試薬 - Google Patents

抗酸化能の判定方法及びそれに用いる抗酸化能判定用試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】反応温度に制限されることなく、しかも、水溶液で、抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱(有無を含む)を、対照とする抗酸化能既知の被検体(例えば、水道水(抗酸化能なし)、L−アスコルビン酸(ビタミンC)水溶液(抗酸化能あり)等)との対比から相対的に抗酸化能の強弱(その有無を含む)を容易に判定することができる簡便な抗酸化能の判別方法を提供すること。
【解決手段】光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒の存在下で、抗酸化能未知の被検体及びこの活性酸素種によって脱色される物質を含む混合液に上記紫外線を一定時間照射してこの時点の上記混合液の脱色度を測定し、この脱色度と上記と同様にして測定した抗酸化能既知の被検体に対する混合液の脱色度との対比から、抗酸化能の強弱を判定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗酸化能の判定方法、詳しくは、光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒及びこの活性酸素種によって脱色される物質を用い、ある被検体と他の被検体、更には抗酸化能未知と抗酸化能既知の被検体との2者間の抗酸化能の強弱を判定する抗酸化能の判定方法、並びにそれに用いる抗酸化能判定用試薬に関する。
呼吸で体内に取り込まれた酸素は、大部分がエネルギー産生に消費されるが、その一部がエネルギー代謝時に還元されてスーパーオキシドアニオン、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素等の活性酸素種に変換されることが知られており、また、これらの活性酸素種は、生体防御に利用されているが、その一方では生体成分を酸化して種々の疾病の発症等に関与することも知られている。
このような生体成分の酸化を防ぐために、人体にはスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)等の活性酸素種を消去するための酵素類や、L−アスコルビン酸(ビタミンC)、α−トコフェノール(ビタミンE)等の抗酸化物質が存在し、これらの働きで体内の活性酸素種は除去される。
近年、ポリフェノール類、例えば、カテキン、イソフラボン等の抗酸化能を有する物質やその補助として働く物質の探索が注目されていて、その抗酸化能の解析が重要な課題として種々検討されている。
この抗酸化能の測定法については、各種の方法が提案されており、現在では未だ統一又は公定法化されたものはないが、その代表的な方法として、例えば、ORAC法、DPPH法等が挙げられる(例えば、非特許文献1等参照)。
ORAC(Oxgen Radical Absorbance Capacity)法とは、ラジカル発生剤としてAAPH(2,2’−azo−bis(2−amidinopuropane)dihydrochloride)を、蛍光標識物質としてフルオレスセイン(蛍光物質)を用い、発生させたペルオキシルラジカルと検体中の抗酸化物質を反応させて蛍光物質の蛍光強度を測定し、濃度既知の標準物質(Trolox(登録商標)6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethyl−chroman−2−carboxylic acid)の蛍光強度に対する相対値として検体の抗酸化力を求めるものである。
また、DPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)法とは、比較的安定な有機ラジカルのDPPHラジカルと検体中の抗酸化物質を反応させて吸光度を測定し、濃度既知の標準物質(上記Trolox)の吸光度に対する相対値として検体の抗酸化力を求めるものである。
化学と生物Vol.47,No.4,2009,p.239〜240
しかしながら、上記ORAC法では、ラジカル発生剤が温度感受性のものであることから、反応温度により測定結果に影響がでたり、また、上記DPPH法では、DPPHラジカルの溶解のために高濃度の有機溶媒(50%エタノール等)の添加が必要である等の問題がある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反応温度に制限されることなく、しかも、水溶液で、ある被検体と他の被検体との2者間の抗酸化能の強弱を、更には、抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱(その有無を含む)を対照とする抗酸化能既知の被検体との2者間の対比から、相対的に容易に判定することができる簡便な抗酸化能の判定方法、及びそれに用いる抗酸化能判定用試薬を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、活性酸素種の発生剤としての光触媒及びこの活性酸素種と反応して脱色される物質を用い、ある被検体あるいは抗酸化能未知の被検体に対する脱色度と、他の被検体あるいは対照とする抗酸化能既知(その有無や強弱が既知)の被検体に対する脱色度とを対比することにより、一方の被検体あるいは抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱(その有無を含む)を相対的に判定することができる等の新知見を得、この知見に基づき本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の抗酸化能の判定方法は、光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒の存在下で、ある被検体及びこの活性酸素種によって脱色される物質を含む混合液に上記光を一定時間照射してこの時点の上記混合液の脱色度を測定し、この脱色度と上記と同様にして測定した他の被検体に対する混合液の脱色度との対比から、上記2者の被検体間の抗酸化能の強弱を相対的に判定することを特徴とする。
また、本発明の抗酸化能の判定方法の好適形態は、上記2者の被検体は、一方が抗酸化能未知で他方が抗酸化能既知であることを特徴とする。
更に、本発明の抗酸化能の判定方法の他の好適形態は、上記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とする。
更にまた、本発明の抗酸化能の判定方法の更に他の好適形態は、上記酸化チタン系光触媒が二酸化チタンであることを特徴とする。
そしてまた、本発明の抗酸化能の判定方法の別の好適形態は、上記活性酸素種によって脱色される物質がメチレンブルーであることを特徴とする。
また更に、本発明の抗酸化能の判定方法の更に別の適形態は、上記混合液が界面活性剤を含有することを特徴とする。
そして更に、本発明の抗酸化能の判定方法の他の好適形態は、上記光触媒又は上記光触媒と上記活性酸素種によって脱色される物質とが担体に担持されていることを特徴とする。
本発明の抗酸化能判定用試薬は、上記抗酸化能の判定方法に用いる試薬であって、光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒及びこの活性酸素種によって脱色される物質を含むことを特徴とする。
また、本発明の抗酸化能判定用試薬の好適形態は、上記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とする。
更に、本発明の抗酸化能判定用試薬の他の好適形態は、上記酸化チタン系光触媒が二酸化チタンであることを特徴とする。
更にまた、本発明の抗酸化能判定用試薬の更に他の好適形態は、上記活性酸素種によって脱色される物質がメチレンブルーであることを特徴とする。
そしてまた、本発明の抗酸化能判定用試薬の別の好適形態は、この抗酸化能判定用試薬が界面活性剤を含有することを特徴とする。
また更に、本発明の抗酸化能判定用試薬の更に別の好適形態は、上記光触媒及び上記活性酸素種によって脱色される物質が担体に担持されていることを特徴とする。
本発明によれば、光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒及びこの活性酸素種と反応して脱色される物質を用い、ある被検体あるいは抗酸化能未知の被検体に対する脱色度と、他の被検体あるいは対照とする抗酸化能既知の被検体に対する脱色度とを対比する等としたため、これら2者間の被検体の抗酸化能の強弱を相対的に容易に判定し得る簡便な抗酸化能の判定方法、及びそれに用いる抗酸化能判定用試薬を提供することができる。
実施例1における各種被検体の吸光度を測定した結果を示す図 実施例2における各種被検体の色差を測定した結果を示す図
発明を実施するため形態
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明において、被検体としては、特に制限されないが、例えば、飲料、食品(栄養補助食品(サプリメント)、健康食品等を含む)、医薬品等が挙げられる。
そして、本発明の抗酸化能の判定方法は、ある被検体と他の被検体との2者間の抗酸化能の強弱を判定するものであるが、中でも、抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱(その有無を含む。以下同じ。)を、対照とする抗酸化能既知、すなわち、抗酸化の機能の有無等が知られている被検体(例えば、抗酸化能のない水道水、抗酸化能のあるL−アスコルビン酸(ビタミンC)水溶液やカテキン水溶液等)と対比して相対的に判定するのに好適に用いられる。
なお、被検体が液状の場合には、そのまま供試でき、不溶物があるときには、ろ過してそれを除くのが好ましく、また、固状の場合には、予め適量の水等に溶解して水溶性物質等を含有する被検体として供試されるが、不溶物があるときには、同様にろ過してそれを除くのが好ましい。
次に、光触媒には、紫外光応答性光触媒、可視光応答性光触媒、紫外光と可視光とに応答性の光触媒等が知られているが、本発明において用いられる光触媒としては、光を吸収して活性酸素種を発生するものであれば、いずれでもよく、特に制限されない。
そして、この光触媒としては、例えば、試供の光触媒とメチレンブルーとの混液(水分散液)に紫外光や可視光等を一定時間照射することにより、メチレンブルーが脱色する光触媒が有効に用いられる。
より具体的には、例えば、試供の光触媒を0.3〜0.7%(W/V)及びメチレンブルーを5〜10mg/lの濃度で含有する混液(水分散液)に、紫外光(10から400nm)、可視光(400〜800nm)又は紫外光と可視光を含む光等を3〜5分間照射して、その吸光度(OD)が初発(照射時間0分)の20〜70%に低減する(メチレンブルーが脱色される)光触媒が、本発明における好適な光触媒として用いられる。
本発明において用いられる光触媒の具体例としては、例えば、酸化チタンを主体成分とする酸化チタン系光触媒(例えば、二酸化チタン(TiO)、窒素ドープ酸化チタン(TiO−N)、硫黄ドープ酸化チタン、酸素欠陥型酸化チタン、白金化合物を担持した酸化チタン等)、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等、公知のものを挙げることができる。中でも酸化チタン系光触媒が好ましい。
二酸化チタンは、広く市販されていて特に好ましく、市販の粉末又はその分散液等が有効に用いられる。
そして、上記光触媒は、吸収して励起されるに適した紫外光や可視光等が照射されて活性酸素種を発生することになる。
上記光触媒が光を吸収して発生した活性酸素種によって脱色される物質((以下単に「標識物質」という。)としては、例えば、メチレンブルー、マラカイトグリーン等が挙げられるが、中でも光触媒機能の評価に一般的に利用されているメチレンブルーが好適である。
上記抗酸化能の判定のための反応系の態様としては、次のようなものが挙げられる。
反応系(1):光触媒、被検体及び標識物質の3者を含む混合液の系で、活性酸素種を発生、反応させる系。
反応系(2):担体に担持させた光触媒を含む固定化物と、被検体及び標識物質の2者を含む混合液とからなる系で、活性酸素種を発生、反応させる系。
反応系(3):担体に担持させた、光触媒及び標識物質を含む固定化物に被検体を加えて得られる混合液(被検体が固状の場合には、適量の水が添加される。また、標識物質は溶解して混合液になる。)の系で、活性酸素種を発生、反応させる系。
そして、光触媒については、反応時の混合液中では、反応系(1)の場合には分散の状態で、反応系(2)及び(3)の場合には担体に担持されて固定されたまま又は反応時の撹拌等により分散した状態で存在することになる。
そして、上記反応系による光触媒、被検体及び標識物質の反応は、適宜の反応容器(例えば、透明なフラスコ、試験管、シャーレ等)を用い、光触媒に適宜の光を照射して活性酸素種を発生させ、このときの標識物質の脱色度を測定する。
なお、本発明における脱色度とは、活性酸素種による標識物質が脱色する度合いを光学的に測定したときの測定値そのものをいい、また、対比から抗酸化能を判定するとは、ある被検体あるいは抗酸化能未知の被検体に対する測定値と他の被検体あるいは対照とする抗酸化能既知の被検体に対する測定値との差又はその比から抗酸化能を判定することをいう。
上記のことから、本発明の反応系は最終的に液体(水溶液)であればよく、従って、上記光触媒、被検体及び標識物質の3種の構成物の初発状態は、液状(液体)又は固状(固体)のいずれであってもよい。
上記光触媒又は光触媒と標識物質を含む固定化物を調製するのに用いられる担体の材料としては、例えば、ガラス、各種の合成樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル等)、布、紙、ゴム、セラミックス、シリカゲル等が挙げられ、多孔質のものであってもよい。更には、上記反応容器の内面を担体として使用することもできる。
また、担体の形状としては、例えば平板状、立方体状、球状等どのようなものでもよい。
そして、上記固定化物は、光触媒又は光触媒と標識物質とを含む混液(分散液)を担体の表面に塗布したり、担体が多孔質の場合には含浸させたり等した後に乾燥させる等して担体に担持させることにより調製される。
なお、担体に担持させた光触媒が市販されている場合には、それがそのまま有効に使用でき、これに標識物質を更に担持させて固定化物を調製することもできる。
次に、上記光触媒、被検体及び標識物質を含む混合液における光触媒の濃度については、特に制限されないが、例えば、0.05〜5%(W/V)等である。
また、上記混合液における標識物質の濃度についても、特に制限されないが、例えば、1〜100mg/l等である。
上記光触媒、被検体及び標識物質を含む混合液に、その光触媒を励起させるに適した光、(例えば、紫外光、可視光又は紫外光と可視光を含む光等)を照射して活性酸素種を発生させるが、この光の照射には、例えば、市販の紫外線ランプ(ブラックライト)、蛍光灯等を用いればよく、また、このときの反応系の温度は、特に制限されず、常温が有効に適用される。
上記光の照射条件については、特に制限されず、例えば、混合液の液面上方の3〜10cmの位置から、一定時間(換言すれば、適宜の時間)、例えば、1〜20分等行えばよい。
このようにして光の照射により発生した活性酸素種は、直ちに標識物質を脱色するが、被検体に抗酸化物質が存在すると、すなわち、反応系の液体に抗酸化物質が存在すると、この抗酸化物質によって標識物質の脱色が阻害され、脱色速度が遅くなる。
このことから、上記光触媒(混合液)に上記光を一定時間照射し、この時点における混合液の脱色度が測定される。
このときの混合液の脱色度の測定は、照射開始時の他、1時点(例えば、照射時間5分の時点等)又は2時点以上(例えば、照射時間5分、9分及び12分の3時点等)のいずれでもよい。
なお、複数時点で測定をする場合には、測定時毎に光源を消す、反応容器を照射光から外す等して光触媒(混合液)への光照射を中断すればよく、したがって照射時間は光触媒に光を照射した正味の時間をいうことになる。
また、上記脱色度の測定に際しては、反応容器内の混合液そのものについて測定する場合と、光触媒への光照射後、直ちに反応容器より分離、採取した液体について測定する場合とがあり、混合液の透明性、担体の存否等を勘案し、適宜選択される。
このようにして測定したある被検体あるいは抗酸化能未知の被検体の脱色度の測定値を、他の被検体あるいは対照とする抗酸化能既知の被検体(例えば、水道水、L−アスコルビン酸水溶液、カテキン水溶液等)について同様にして測定した脱色度の測定値と対比することにより、ある被検体あるいは抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱を相対的に判定することができる。
特に、抗酸化能未知の被検体と抗酸化能既知の被検体とを対比してその強弱を判定する場合には、抗酸化能既知の被検体の抗酸化能がどの程度かが公知であることから、その強弱が具体的にイメージされ得るのでより有効になる。
上記脱色度は、例えば、市販の分光光度計による吸光度(OD)、市販の色彩色差計による色差等として測定される。
吸光度での測定では、標識物質の水溶液の色調によって、測定波長が適宜選択され、例えば、メチレンブルーのときには、波長668nmが選択、採用される。
また、色差での測定では、例えば、キセノン管分光分布をLab法等で測定される。
そして、抗酸化能の判定については、吸光度(OD)として測定される場合には、
対比する一方の被検体の吸光度が、
(1)他方の被検体のそれより大であれば、一方の被検体の抗酸化能は他方の被検体のそれに比して強い
(2)他方の被検体のそれと略同じであれば、両方の被検体の抗酸化能は略同等
(3)他方の被検体のそれより小であれば、一方の被検体の抗酸化能は他方の被検体のそれに比して弱い
等と相対的に判定できる。
また、色差として測定される場合には、
対比する一方の被検体の色差が、
(1)他方の被検体のそれより小であれば、一方の被検体の抗酸化能は他方の被検体のそれに比して強い
(2)他方の被検体のそれと略同じであれば、両方の被検体の抗酸化能は略同等
(3)他方の被検体のそれより大であれば、一方の被検体の抗酸化能は他方の被検体のそれに比して弱い
等と相対的に判定できる。
更に、上記反応系(1)〜(3)において、各反応系に界面活性剤を含有させると、活性酸素種による脱色反応速度が大となり、より短時間で抗酸化能の強弱が判定でき、好適である。
この界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ナトリウム等を挙げることができる。
界面活性剤の上記混合液での濃度については、特に制限されないが、例えば、3〜300mg/l等である。
また、本発明の方法により、被検体の脱色度(吸光度)を測定し、濃度既知の標準物質(例えば、上記Trolox等)の脱色度(吸光度)に対する相対値として被検体の抗酸化力を求めることもできる。
本発明の抗酸化能判定用試薬(以下、単に「試薬」ということがある。)は、上記光触媒及び標識物質を含む液状又は固状の混合物である。
そして、上記試薬は、光触媒として上記チタン系光触媒、中でも二酸化チタンを含有するのが好適であり、また、標識物質として上記メチレンブルーを含有するのが好ましく、更には、上記界面活性剤を含有するのが好適である。
固状の試薬としては、上記成分の粉末混合物、上記成分を上記材料、形状の担体に担持させた固定化物が挙げられる。
また、上記液状の混合物、粉末混合物又は固定化物は、容器に充填、包装される等して抗酸化能判定用試薬とされる。
このようにしてあらかじめ調製された上記試薬を用いることにより、より簡便な抗酸化能の判定方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例と共に更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、2枚のシャーレ(内径59mm)各々に二酸化チタン粉末50mg及びメチレンブルー水溶液(メチレンブルー100mgを200mlの蒸留水に溶解したもの)150μlを採り、更に、各々に抗酸化能未知の被検体としての飽和(100%)水素水(水に水素ガスを撹拌しながら10分間バブリングして得たもの)又は50%飽和水素水(上記飽和水素水を同量の水で希釈して得たもの)10mlを採り、次いで、各シャーレを撹拌機に載せ、UVランプ ブラックライト「ネオボール5」(東芝ライテック(株)製商品名)の70mm直下で撹拌しつつ各混合液に紫外光(波長357nm)を照射した。
なお、この反応系の温度は常温とした。
このときの各混合液について、紫外光照射開始時、照射時間5分及び10分の時点の脱色度を分光光度計V−530(日本分光(株)製)により、吸光度(OD)(波長668nm)として測定した。
なお、上記各時点における混合液の脱色度の測定時には、反応容器を照射光から外し、吸光度の測定は各混合液より測定セルにサンプリングして行った。
また、対照とする抗酸化能既知の被検体としての蒸留水(抗酸化能はなし)についても、上記と同様にして脱色度を測定した。
その結果を、表1及び図1として示す。
Figure 2011133447
ただし、表1において、照射時間0分(紫外光照射開始時)の吸光度は、紫外光照射前の各被検体のものである。
表1及び図1から、脱色度としての吸光度(OD)を対比すると、50%飽和水素水及び飽和(100%)水素水は、対照とする抗酸化能のない蒸留水に比し、各時点とも大であって、脱色が阻害され、脱色速度が遅くなっていることがわかる。
すなわち、50%飽和水素水及び飽和(100%)水素水には、抗酸化能があると判定される。
また同様にして、50%飽和水素水は、飽和水素水に比し抗酸化能が弱いとも判定される。
このように、本発明の方法によれば、反応温度に制限されることなく、しかも、水溶液で、抗酸化能未知の被検体の抗酸化能の強弱を、対照とする抗酸化能既知の被検体との対比から相対的に容易に判定することができる。
(実施例2)
二酸化チタンとメチレンブルーとの混液(蒸留水100mlに25mgを溶解したメチレンブルー水溶液の1mlに、蒸留水4ml及び二酸化チタン粉末300mgを加え撹拌混合したもの)55μlを15mm四方のろ紙(多孔質の担体)に含浸、乾燥させて固定化物を抗酸化能判定用試薬として調製した(ろ紙には、二酸化チタ3.3mg、メチレンブルー2.75μgを担持)。
4枚のポリスチレンシャーレ(内径38mm)の各々の底上面に上記固定化物(試薬)を載置した後、表2に記載の4種の被検体(抗酸化能未知のもの2種(実施例1に記載したと同様の被検体)、対象とする抗酸化能既知のもの2種)を各々300μl加え、その上面に直径36mmの透明ポリスチレン板を載せた。
次いで、各混合液(メチレンブルーは溶解して混合液になる。)に実施例1に記載したと同様にしてUVランプの直下で紫外光を照射した。
なお、L−アスコルビン酸水溶液のL−アスコルビン酸濃度は80mg/lである。
また、この反応系の温度は常温とした。
このときの各混合液について、紫外光照射開始時、照射5分後の脱色度を色彩色差計CR−400(コニカミノルタセンシング(株)製)を用い、キセノン管の分光分布をLab法で色差として測定した。
その結果を表2及び図2として示す。
Figure 2011133447
ただし、表2において、照射時間0分(紫外光照射開始時)の色差は、紫外光照射前の各被検体のものである。
表2及び図2から、脱色度としての色差を対比すると、50%飽和水素水及び飽和(100%)水素水は、対照とする抗酸化能のない水道水に比し、各時点とも小であって、脱色が阻害され、脱色速度が遅くなっていることがわかる。
すなわち、50%飽和水素水及び飽和水素水には、抗酸化能があると判定され、また、同様にして、50%飽和水素水は、飽和水素水に比し抗酸化能が弱いとも判定され、実施例1に記載したと同様の結果であった。
更に、同様にして、50%飽和水素水及び飽和水素水は、抗酸化能既知のL−アスコルビン酸水溶液に比し抗酸化能が弱いと判定される。
このように、本発明の方法によれば、上記実施例1と同様の効果を奏し、更に、上記試薬を用いることにより、抗酸化能の判定方法がより簡便になる。
(実施例3)
2枚のシャーレ(内径43mm)各々に酸化チタン水分散液(二酸化チタン粉末300mgを4mlの蒸留水に加えて撹拌混合したもの)0.1ml、メチレンブルー水溶液(メチレンブルー100mgを200mlの蒸留水に溶解したもの)0.1ml、L−アスコルビン酸水溶液(L−アスコルビン酸10mgを50mlの蒸留水に溶解したもの)0.1mlを採り、更に一方のシャーレ(A)には、界面活性剤ポリソルベート60(東京化成工業(株)製商品名、ポリオキシエチレンソルビタン)の10%(W/V)水溶液0.01ml及び蒸留水9.9mlを、他方のシャーレ(B)(対照)には蒸留水9.91mlを採り、各混合液に実施例1に記載したと同様にしてUVランプの直下で撹拌しつつ紫外光を照射した。
なお、反応系の温度は常温で行った。
このときの各混合液について、紫外光照射開始時、照射時間1分及び3分の時点の脱色度を実施例1に記載したと同様にして吸光度(OD)として測定した。
その結果を表3として示す。
Figure 2011133447
ただし、表3において、照射時間0分(紫外光照射開始時)の吸光度は、紫外光照射前の各被検体のものである。
3表から、界面活性剤添加の混合液(A)は、対照(界面活性剤無添加)の混合液(B)が紫外光照射時間3分の時点で達したOD値に、照射時間1分の時点で達していることがわかる。
このことから、反応系において、界面活性剤により活性酸素種による脱色反応速度が大となり、より短時間で抗酸化能の強弱が判定でき、好適であるといえる。
(実施例4)
2枚のシャーレー(内径34mm)各々に光触媒シリカゲルボールTSG−0408G((有)ダイヤカセイ製商品名、担体シリカゲルボールに二酸化チタンを担持させた固定化物)12個を採り、これにメチレンブルー水溶液(メチレンブルー25mgを100mlの蒸留水に溶解したもの)55μl及び飽和(100%)水素水(実施例1に記載したと同様のもの)又は水道水3mlを加えた後、実施例1に記載したと同様にしてUVランプの直下で撹拌しつつ紫外光を3分間照射した。
なお、この反応系の温度は常温とした。
このときの各混合液について、脱色度を実施例1に記載したと同様にして吸光度(OD)として測定した。
その結果、照射時間0分のOD値はいずれも1.426で、照射時間3分のOD値は飽和水素水が0.803、水道水が0.690であった。
このことから、飽和水素水には抗酸化能があると判定され、実施例1及び2に記載したと同様の結果であった。

Claims (13)

  1. 光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒の存在下で、ある被検体及びこの活性酸素種によって脱色される物質を含む混合液に上記光を一定時間照射してこの時点の上記混合液の脱色度を測定し、この脱色度と上記と同様にして測定した他の被検体に対する混合液の脱色度との対比から、上記2者の被検体間の抗酸化能の強弱を相対的に判定することを特徴とする抗酸化能の判定方法。
  2. 上記2者の被検体は、一方が抗酸化能未知で他方が抗酸化能既知であることを特徴とする請求項1記載の抗酸化能の判定方法。
  3. 上記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とする請求項1又は2記載の抗酸化能の判定方法。
  4. 上記酸化チタン系光触媒が二酸化チタンであることを特徴とする請求項3記載の抗酸化能の判定方法。
  5. 上記活性酸素種によって脱色される物質がメチレンブルーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗酸化能の判定方法。
  6. 上記混合液が界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗酸化能の判定方法。
  7. 上記光触媒又は上記光触媒と上記活性酸素種によって脱色される物質とが担体に担持されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗酸化能の判定方法。
  8. 請求項1記載の抗酸化能の判定方法に用いる抗酸化能判定用試薬であって、光を吸収して活性酸素種を発生する光触媒及びこの活性酸素種によって脱色される物質を含むことを特徴とする抗酸化能判定用試薬。
  9. 上記光触媒が酸化チタン系光触媒であることを特徴とする請求項8記載の抗酸化能判定用試薬。
  10. 上記酸化チタン系光触媒が二酸化チタンであることを特徴とする請求項9記載の抗酸化能判定用試薬。
  11. 上記活性酸素種によって脱色される物質がメチレンブルーであることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の抗酸化能判定用試薬。
  12. 上記抗酸化能判定用試薬が界面活性剤を含有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の抗酸化能判定用試薬。
  13. 上記光触媒及び上記活性酸素によって脱色される物質が担体に担持されていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の抗酸化能判定用試薬。
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