JP2011133372A - 原子力プラント - Google Patents
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Abstract
【課題】原子炉の非常時に圧力抑制プールを水源として下部ドライウェルに注水を行なうことができ、しかも圧力抑制プールの圧力抑制機能を損なわない構成とする。
【解決手段】原子力プラントは、上部ドライウェル4と圧力抑制プール7とを結ぶ蒸気ベント管8と、通常時における圧力抑制プール7の水面41の高さよりも低い位置の下部ドライウェル5内部と圧力抑制プール7とを結ぶ冷却水流路管13と、下部ドライウェル5内で冷却水流路管13に設けられて、通常時には閉じていて下部ドライウェル5内の温度が所定の温度よりも高くなったときに開放される温度作動弁機能と、圧力抑制プール7側から下部ドライウェル5側へ向かう流れを許容し下部ドライウェル5側から圧力抑制プール7側へ向かう流れを阻止する逆止弁機能とを備えた温度作動逆止弁14と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】原子力プラントは、上部ドライウェル4と圧力抑制プール7とを結ぶ蒸気ベント管8と、通常時における圧力抑制プール7の水面41の高さよりも低い位置の下部ドライウェル5内部と圧力抑制プール7とを結ぶ冷却水流路管13と、下部ドライウェル5内で冷却水流路管13に設けられて、通常時には閉じていて下部ドライウェル5内の温度が所定の温度よりも高くなったときに開放される温度作動弁機能と、圧力抑制プール7側から下部ドライウェル5側へ向かう流れを許容し下部ドライウェル5側から圧力抑制プール7側へ向かう流れを阻止する逆止弁機能とを備えた温度作動逆止弁14と、を有する。
【選択図】図1
Description
この発明は圧力抑制プールを備えた原子炉格納容器を有する水冷却型原子力プラントに関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性がある。このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置による冷却水の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかしながら、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は気相中に露出し、十分な冷却が行なわれなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至ることが考えられる。
このような事態(シビアアクシデント)が進展すると、高温の炉心溶融物(コリウム)が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器底部を溶融貫通して、原子炉格納容器(以下、単に「格納容器」とも呼ぶ)内の床上に落下するに至る。格納容器床を形成するコンクリートとコリウムの反応が継続すると格納容器破損に至り、格納容器内の放射性物質を外部環境へ放出させる恐れがある。
このコリウムとコンクリートの反応を抑制するために、コリウムに注水する設備を設けることが検討されている。特に、シビアアクシデント時には、全交流電源の喪失、運転員操作の遅れなど様々な不利な条件を考慮しても作動が期待できる静的システムの適用が検討されており、溶融弁を用いた注水装置もその一つである(特許文献1)。
一方、原子力以外の分野において、例えばスプリンクラーのヘッド部分に溶融弁を用いた特許(特許文献2)が提案されている。
特許文献1に記載された技術では、原子炉圧力容器下方のドライウェル空間(下部ドライウェル)と圧力抑制プールを結ぶ流路を設け、この流路にコリウムの熱を受けて作動する溶融弁を設けている。コリウムが下部ドライウェルに落下すると、溶融弁を閉止している低融点合金が溶解し、圧力抑制プール水が下部ドライウェルに注水される。また、スプリンクラーでは、火災の熱を受けた低融点合金が溶解することにより、感熱分解部分が分解・落下し、弁が開放され散水が行なわれる。
このような溶融弁を用いることは、雰囲気の温度あるいは熱を感知して自動的に作動する点では有利であるが、一度作動したら、弁は開放されたままとなる。下部ドライウェルでは、コリウムへの注水によって大量の水蒸気が発生するとともに、冷却水の温度が上昇する。
これらの蒸気および高温水が圧力抑制プールに逆流すると、圧力抑制プール水温が上昇し、ウェットウェル気相部の飽和水蒸気分圧を上昇させる。ウェットウェル気相部にはLOCA(冷却材喪失事故)ベント管などを通ってドライウェル気相部から移行してきた非凝縮性ガスが蓄積しており、ここにさらに水蒸気分圧の上昇が加わることでウェットウェルの圧力抑制機能が低下することになる。
また、圧力抑制プールを水源として下部ドライウェルに注水を行なう場合、注水によって圧力抑制プールの水位が低下し、LOCAベントの開口部が気相中に露出すると、ドライウェルとウェットウェルの気相部が連通し、圧力抑制プールの圧力抑制機能が失われる。
本発明は上記課題を解決するためなされたものであり、原子炉の非常時に圧力抑制プールを水源として下部ドライウェルに注水を行なうことができ、しかも圧力抑制プールの圧力抑制機能を損なわない構成とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る原子力プラントは、炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、を備えた原子力プラントにおいて、前記原子炉格納容器の内部の空間が、前記原子炉圧力容器の下部を収納する下部ドライウェルと、前記原子炉圧力容器上部を収容して前記下部ドライウェルと連通する上部ドライウェルと、前記上部ドライウェルの下方で前記下部ドライウェルの水平方向外側を取り囲む空間であって、当該原子力プラントの通常運転時に冷却水が所定の高さの水面を形成するように冷却水が貯められて圧力抑制プールを構成するウェットウェルと、に区画され、前記上部ドライウェルと前記圧力抑制プールとを結ぶ蒸気ベント管と、前記原子力プラントの通常運転時における前記圧力抑制プールの水面の高さよりも低い位置の前記下部ドライウェル内部と前記圧力抑制プールとを結ぶ冷却水流路管と、前記下部ドライウェル内で前記冷却水流路管に設けられて、当該原子力プラントの通常運転時には閉じていて前記下部ドライウェル内の温度が通常運転時よりも高い所定の温度よりも高くなったときに自動的に開放される温度作動弁機構と、前記下部ドライウェル内で前記冷却水流路管に設けられて、前記圧力抑制プール側から前記下部ドライウェル側へ向かう流れを許容し、前記下部ドライウェル側から前記圧力抑制プール側へ向かう流れを抑制または阻止する逆止弁機構と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、原子炉の非常時に圧力抑制プールを水源として下部ドライウェルに注水を行なうことができ、しかも圧力抑制プールの圧力抑制機能を損なわない構成とすることができる。
以下、本発明に係る原子力プラントの実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図8を用いて第1の実施形態を説明する。
図1〜図8を用いて第1の実施形態を説明する。
図1は第1の実施形態に係る原子力プラントの通常運転時の状況を示す模式的立断面図である。炉心40は原子炉圧力容器3内に収容され、原子炉圧力容器3は原子炉格納容器1内に収容されている。原子炉格納容器1は、原子炉圧力容器3の上部を収容する上部ドライウェル4と、原子炉圧力容器3の下部を収容する下部ドライウェル5と、上部ドライウェル4の下方で下部ドライウェル5の水平方向周囲を取り囲むウェットウェル6とに区画されている。上部ドライウェル4と下部ドライウェル5とは常時連通していて、両者を合わせてドライウェルと呼ばれる。
ウェットウェル6内の下部には圧力抑制プール7が設けられ、冷却水が貯められていて、水面41が形成されている。
上部ドライウェル4から圧力抑制プール7内にLOCAベント管(蒸気ベント管)8が上下に延びて配置され、通常運転時の水面41の下方に、上方から順に第1、第2、第3のベント開口17a、17b、17cが上下方向に並んで配列されている。
LOCAベント管8の水面41より下方の位置から下部ドライウェル5内に延びる冷却水流路管13が接続され、冷却水流路管13の下部ドライウェル5内端部に温度作動逆止弁14が取り付けられている。冷却水流路管13と温度作動逆止弁14とにより注水装置1が構成されている。温度作動逆止弁14は、原子炉の通常運転時は閉じており、原子炉事故時に下部ドライウェル5内の温度が所定の温度を超えた場合に自動的に開いて圧力抑制プール7内の冷却水が下部ドライウェル5内に流れるような構造になっている。さらに、温度作動逆止弁14は、その事故の後、冷却水が下部ドライウェル5から圧力抑制プール7側に逆流することを防ぐ逆止弁としての機能も有する。温度作動逆止弁14の具体的構造については後述する。
上部ドライウェル4の上方の原子炉格納容器2の外側には、復水器9が配置されている。復水器9は、伝熱管9aと、伝熱管9aを収容する復水器プール9bとを備えている。伝熱管9aは蒸気配管10によって上部ドライウェル4と連絡している。伝熱管9aはまた、ドレン配管11によって上部ドライウェル4と連絡している。伝熱管9aはさらに、ガスベント管12によって圧力抑制プール7の水面41の下方に連絡している。
原子炉事故時に、配管破断などによって原子炉圧力容器3内の高温・高圧の一次冷却水が上部ドライウェル4または下部ドライウェル5に放出されると、その一次冷却水が蒸気となって、上部ドライウェル4からLOCAベント管8を通り、圧力抑制プール7内に放出される。このとき蒸気が圧力抑制プール7内で凝縮されることにより、原子炉格納容器2の圧力上昇が抑制される。
さらに、上部ドライウェル4内の蒸気の一部が、蒸気配管10を通って伝熱管9aに送られる。このとき伝熱管9aから復水器プール9bに放熱があり、これによって原子炉格納容器2の圧力上昇抑制に寄与する。このとき、伝熱管9a内での凝縮によって生じた凝縮水がドレン配管11を通じて上部ドライウェル4内に戻される。さらに、伝熱管9a内に蓄積した非凝縮性ガスはガスベント管12を通じて圧力抑制プール7中に排出される。ガスベント管12の先を水封することで、復水器9の伝熱管9aを介して上部ドライウェル4の気相部とウェットウェル6の気相部がバイパスすることを防止している。
原子炉事故時に、万が一、原子炉圧力容器2内への注水機能が喪失し、非常用炉心冷却系も作動しない状況になった場合、高温になった炉心40が溶融し、原子炉圧力容器2の底部を溶融貫通して、下部ドライウェル5の床面に落下する。このとき、下部ドライウェル5の温度上昇によって温度作動逆止弁14が作動して圧力抑制プール7の冷却水が下部ドライウェル5に流入し、コリウムを冷却する。コリウム冷却によって発生した蒸気は復水器9で凝縮され、ドレン水は下部ドライウェル5に流下する。
図2は、図1の原子力プラントの事故時に温度作動逆止弁14が開いている状況を示す要部立断面図である。また、図3は、図2の原子力プラントの事故時に温度作動逆止弁14による注水が完了した後の状況を示す要部立断面図である。
原子炉事故時に、コリウム15が落下し、温度作動逆止弁14が開放されると、図2の矢印16に示すように、圧力抑制プール7の水がLOCAベント管8を介して注水装置1を通り下部ドライウェル5内に流入する。注水装置1の冷却水流路管13をLOCAベント管8に接続する場合、ベントクリア時に蒸気が流入する第1ベント開口部17aよりも下方に温度作動逆止弁14の開口部が設けられている。
図4、図5、図6はこの実施形態の温度作動逆止弁のみを取り出して示す立断面図であって、図4は温度作動逆止弁が開く前の状態を示す図、図5は温度作動逆止弁が開いている状態を示す図、図6は温度作動逆止弁が開いた後に閉じた状態を示す図である。図7はこの温度作動逆止弁を示す斜視図であって、温度作動逆止弁が閉じている状態を示す図である。図8はこの温度作動逆止弁のピストン20のみを取り出して示す斜視図である。
温度作動逆止弁14は、冷却水流路管13の下部ドライウェル5側(図1ないし図3参照)の上端部に固定された外筒43と、外筒43内を上下に摺動可能なピストン(可動閉止部材)20とを有する。外筒43は、冷却水流路管13の上端部に固定されて上下端が開放した案内管19と、案内管19の上端に接続された固定ガイド部18とを有する。固定ガイド部18は上下方向に延びる筒状であって、上下端が開放し、さらに、側面にも複数の開口部44を有して、たとえば籠形状である。固定ガイド部18の上端にはストッパー22が形成されていて、ピストン20がストッパー22を超えて上方に移動するのが規制される。
ピストン20は、その上端部に配置されたディスク(閉止部)26と、ディスク26の底面から下方に延びるピストンロッド23と、ピストンロッド23の下端に取り付けられた可動ガイド24とを有する。ディスク26は水平方向に広がる平板状であって、ディスク26の外周面に沿ってシール材25が取り付けられている。ディスク26が最も下降したときに、ディスク26と案内管19の内面との間にシール材25が介在することによって、この温度作動逆止弁14が閉止するようになっている。可動ガイド24は水平方向に広がる平板状であって、複数の貫通孔45が形成されている。
図4に示すように、ピストン20が最も下方にあって、ディスク26が案内管19の上端部にあってシール材25によってこの温度作動逆止弁14が閉じている状態で、常温でピストン20が上昇して温度作動逆止弁14が開状態に移行するのを阻止するために、ディスク26の上面周辺部と固定ガイド部18の内面とが摺動しないように、保持部材21が取り付けられている。保持部材21は、原子炉の通常運転時には強固な固体を維持し、原子炉事故により下部ドライウェル5内の温度が異常上昇して所定の温度を越えたときに溶融または軟化する低融点金属材料からなる。
つぎに、この第1の実施形態の作用について説明する。
原子炉の通常運転時には、図4に示すように、ピストン20が保持部材21で固定されているため、温度作動逆止弁14は閉じている。
原子炉事故による下部ドライウェル5へのコリウム15の落下によって、雰囲気温度が保持部材21の融点を超えると、保持部材21が軟化・流動化することにより、ピストン20の固定が解除される。すると、ピストン20はLOCAベント管8内の水の水頭によって、図5に示すように押し上げられ、冷却水が下部ドライウェル5に流入する。このとき、固定ガイド部18の上端に設けられたストッパー22がピストン20の逸出を防止する。
注水完了後にはピストン20は自重によって、図6に示すように元の位置に戻る。
上記動作で、ピストン20の可動ガイド部24が案内管19の内面に沿って上下に摺動する。
温度作動逆止弁14の開口部、すなわち案内管19の上端部が第1ベント開口部17aよりも下方に位置して設けられているため、ベントクリア時にもピストン20を押し上げる水頭を維持できる。ベントクリア時には、LOCAベント管8内の水位が第1ベント開口部17aの高さまで押し下げられるからである。
従来技術では、下部ドライウェル5内の水位がウェットウェル6内の水位よりも高くなると、下部ドライウェル6の高温水が溶融弁を通って圧力抑制プール7に逆流するが、本実施形態によれば、注水完了後にピストン20が重力によって元の位置に戻るので、下部ドライウェル6からの高温水の逆流を防止できる。また、温度作動逆止弁14の開口部が第1ベント開口部17aよりも下方に位置に設けられているため、ベントクリア時にも注水を行なうことができる。さらに、冷却流路を有するコアキャッチャー(図示せず)が下部ドライウェル5の底部に設置されている場合には、従来の技術では溶融弁のプラグあるいはピストンなどの部品が落下して、コアキャッチャーの流路に侵入する可能性があるが、本実施形態では温度作動逆止弁14の本体から外れて落下する部品がないために、流路閉塞などの要因にならない。
[第2の実施形態]
図9を用いて第2の実施形態を説明する。図9は第2の実施形態に係る原子力プラントの事故時に温度作動逆止弁による注水が完了した後の状況を示す要部立断面図である。ここで、第1の実施形態と同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
図9を用いて第2の実施形態を説明する。図9は第2の実施形態に係る原子力プラントの事故時に温度作動逆止弁による注水が完了した後の状況を示す要部立断面図である。ここで、第1の実施形態と同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
この実施形態では、注水装置1の冷却水流路管13が、LOCAベント管8に接続されるのではなく、圧力抑制プール7に直接接続されている。そして、温度作動逆止弁14の開口部は、復水器9のガスベント管12の開口部よりも高い位置に設けられている。
圧力抑制プール7の中で、温度作動逆止弁14の開口部がガスベント管12の開口部よりも高い位置に設けられているため、ガスベント管12の開口部が圧力抑制プール7の水面41の上に露出する前に圧力抑制プール7から下部ドライウェル5への注水が完了する。
ガスベント管12の開口部が圧力抑制プール7の水中から露出するのが防止されるため、復水器9を介した上部ドライウェル4とウェットウェル6の気相部バイパスが防止され、圧力抑制機能の喪失が回避される。
[第3の実施形態]
図10ないし図12を用いて第3の実施形態を説明する。図10は第3の実施形態に係る原子力プラントの温度作動逆止弁の通常運転時の状況を示す模式的立断面図であって、図11のX−X線矢視断面図である。図11はこの温度作動逆止弁の上面図である。また、図12はこの温度作動逆止弁が事故時に開いた状況を示す模式的立断面図である。
図10ないし図12を用いて第3の実施形態を説明する。図10は第3の実施形態に係る原子力プラントの温度作動逆止弁の通常運転時の状況を示す模式的立断面図であって、図11のX−X線矢視断面図である。図11はこの温度作動逆止弁の上面図である。また、図12はこの温度作動逆止弁が事故時に開いた状況を示す模式的立断面図である。
この実施形態は第1の実施形態の変形であって、第1の実施形態と同一または類似の部分には共通の符号を付して重複説明は省略する。第3の実施形態では、温度作動逆止弁14の構造が第1の実施形態と異なる。この実施形態では、温度作動逆止弁14は、弁本体27と、弁本体27に対して回動可能な可動閉止部材としての蓋体50とを有する。
弁本体27は、下部ドライウェル5内の冷却水流路管13(図1ないし図3参照)の上端部に沿って水平に液密に固定された環状部材である。弁本体27には、蓋体50を回動可能に支持するピン28が取り付けられており、ピン28の軸は水平である。ピン28の外側には、上方に立ち上がったストッパー55が弁本体27と一体的に形成されている。
蓋体50は、ほぼ円板状のディスク部51と、ディスク部51から外周側に突出したアーム29とを有する。アーム29にはピン28が貫通する貫通孔が設けられ、蓋体50はピン28の回りに回動可能である。蓋体50がピン28の周りに回動することによって、弁本体27との間を開閉可能である。図10および図11に示す蓋体50が閉じた状態では、蓋体50は水平に広がって弁本体27の開口を塞ぐ。また、図12に示す蓋体50が開いた状態では、蓋体50はピン28の上に起立した姿勢になる。蓋体50が閉じたときに弁本体27に対向するディスク部51にはシール材52を収容する環状の溝が形成され、蓋体50が閉じたときにはシール材52によって冷却水流路管13の上端部が密封閉止される。
図10および図11に示すように、蓋体50が閉じているときにディスク部51のアーム29と反対側を下向きに押さえつけて閉状態を維持するために止め具30が配置されている。図10に示すように、止め具30の上部は弁本体27の上押さえ部56によって下方に押さえられ、止め具30とディスク部51との接触面57は止め具30がかぶさるような斜面になっている。止め具30の外周側は保持部材53で固定されている。保持部材53は低融点材料からなり、通常時には強固な固体材料である。
原子力プラントの事故時に下部ドライウェル5内の温度が所定温度を超えて異常高温になった場合は、低融点材料からなる保持部材53が溶融または軟化する。その場合、冷却水流路管13内部の水圧によってディスク51が上方に押されているので、傾斜した接触面57を介して止め具30が外周側に押され、図12に示すように止め具30と蓋体50との係合が外れて蓋体50がピン28の周りに回動して蓋体50が開く。
このとき、アーム29の背側がストッパー55に当たり、蓋体50の重心Gがピン28の真上位置よりも若干内側にある。このため、蓋体50は重力によってピン28の周りに回動して閉じる向きのモーメントを受ける。しかし、このとき圧力抑制プール7から冷却水流路管13を通じて下部ドライウェル5側に流れてきた冷却水が蓋体50を押し上げるので蓋体50は開いたままの状態で維持される。
その後、圧力抑制プール7から冷却水流路管13を通じて下部ドライウェル5側に流れてくる冷却水の流量が低下すると、蓋体50は自重によって降下して回動し再び閉じる。
この実施形態で、蓋体50に対して、アーム29が下部ドライウェル5の中心から遠い側の位置とし、止め具30が下部ドライウェル5の中心寄りに位置することが好ましい。このように配置することにより、保持部材53が下部ドライウェル5の中心寄りに位置し、原子炉圧力容器3の中心に近い位置となる。これにより、原子炉事故時に、保持部材53を構成する低融点合金がコリウムからの輻射を受けやすく、コリウム落下から短時間で高温になって、早期に弁蓋50が開になる。
本実施形態によれば、原子炉事故後に、圧力抑制プール7から冷却水流路管13を通じて下部ドライウェル5側に流れてくる冷却水の流量が低下すると、弁体50が再び閉じて、下部ドライウェル5からの高温水の逆流を防止することができる。また、冷却流路を有するコアキャッチャーが下部ドライウェル5に設置されている場合には、温度作動逆止弁14の本体から外れて落下する部品がないために、流路閉塞などの要因にならない。低融点合金がコリウムからの輻射を受けやすく配置されているため、コリウム落下から短時間で作動する。
[他の実施形態]
以上説明した各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
以上説明した各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
たとえば、第2の実施形態の温度作動逆止弁として第3の実施形態のものを採用してもよい。また、上記説明では温度作動逆止弁は温度作動弁としての機能と逆止弁としての機能を一つの弁で兼用するものとしたが、温度作動弁と逆止弁とを別体としてこれらを互いに直列に接続してもよい。
1…注水装置、2…原子炉格納容器、3…原子炉圧力容器、4…上部ドライウェル、5…下部ドライウェル、6…ウェットウェル、7…圧力抑制プール、8…LOCAベント管(蒸気ベント管)、9…復水器、10…蒸気配管、11…ドレン配管、12…ガスベント管、13…冷却水流路管、14…温度作動逆止弁(溶融弁)、15…コリウム、17a…第1ベント開口部、17b…第2ベント開口部、17c…第3ベント開口部、18…固定ガイド部、19…案内管、20…ピストン(可動閉止部材)、21…低融点合金、22…ストッパー、23…ピストンロッド、24…可動ガイド部、25…シール材、26…ディスク(可動閉止部材)、27…弁本体、28…ピン、29…アーム、30…止め具、40…炉心、41…水面、43…外筒、44…開口部、45…貫通孔、50…蓋体、51…ディスク部、52…シール材、53…保持部材、55…ストッパー、56…上押さえ部、57…接触面
Claims (9)
- 炉心を内蔵する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を収容する原子炉格納容器と、を備えた原子力プラントにおいて、
前記原子炉格納容器の内部の空間が、
前記原子炉圧力容器の下部を収納する下部ドライウェルと、
前記原子炉圧力容器上部を収容して前記下部ドライウェルと連通する上部ドライウェルと、
前記上部ドライウェルの下方で前記下部ドライウェルの水平方向外側を取り囲む空間であって、当該原子力プラントの通常運転時に冷却水が所定の高さの水面を形成するように冷却水が貯められて圧力抑制プールを構成するウェットウェルと、
に区画され、
前記上部ドライウェルと前記圧力抑制プールとを結ぶ蒸気ベント管と、
前記原子力プラントの通常運転時における前記圧力抑制プールの水面の高さよりも低い位置の前記下部ドライウェル内部と前記圧力抑制プールとを結ぶ冷却水流路管と、
前記下部ドライウェル内で前記冷却水流路管に設けられて、当該原子力プラントの通常運転時には閉じていて前記下部ドライウェル内の温度が通常運転時よりも高い所定の温度よりも高くなったときに自動的に開放される温度作動弁機構と、
前記下部ドライウェル内で前記冷却水流路管に設けられて、前記圧力抑制プール側から前記下部ドライウェル側へ向かう流れを許容し、前記下部ドライウェル側から前記圧力抑制プール側へ向かう流れを抑制または阻止する逆止弁機構と、
を有することを特徴とする原子力プラント。 - 前記冷却水流路管は前記圧力抑制プール内で前記蒸気ベント管から分岐して配置され、前記温度作動弁機構が前記下部ドライウェルに開口する開口部の高さが、前記蒸気ベント管の前記圧力抑制プール内の開口部のうちで最も高い部分の高さよりも低いこと、を特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
- 前記原子炉格納容器の外側でかつ前記ウェットウェルよりも上方に配置されて前記上部ドライウェル内の蒸気を凝縮する伝熱管を有する復水器と、
前記上部ドライウェルと前記伝熱管とを連絡する蒸気配管と、
前記伝熱管と前記圧力抑制プール内とを連絡するガスベント管と、
を備え、
前記ガスベント管が前記圧力抑制プール内に開口する開口部の高さが、前記蒸気ベント管の前記圧力抑制プール内の開口部のうちで最も高い部分の高さよりも高く、かつ、前記温度作動逆止弁の開口部よりも低いこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力プラント。 - 前記温度作動弁機構は、可動閉止部材と、当該原子力プラントの通常運転時に前記可動閉止部材を閉状態に保持する低融点材料からなる保持部材と、を備え、
当該原子力プラントの異常時に前記低融点材料が所定温度を超えて上昇した場合に、この低融点材料が軟化または溶融することにより前記保持部材が前記可動閉止部材を閉状態に保持する状態が解除されて、前記可動閉止部材が開状態になるように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の原子力プラント。 - 前記温度作動弁機構と逆止弁機構とが共通の温度作動逆止弁で構成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の原子力プラント。
- 前記温度作動逆止弁は、
開状態になるときに、前記冷却水流路管から前記下部ドライウェルに流れ込む冷却水によって前記可動閉止部材が押し上げられることにより前記圧力抑制プール内の冷却水が前記冷却水流路管を通って前記下部ドライウェル内に流入することを許容し、
その後、前記冷却水流路管から前記下部ドライウェルに流れ込む冷却水の流量が低下することにより、前記可動閉止部材がその自重によって降下して前記温度作動逆止弁が閉状態に変わるように構成されていること、を特徴とする請求項5に記載の原子力プラント。 - 前記温度作動逆止弁は、前記冷却水流路管の構成材に固定されて上下方向に延びて両端部が開放した案内管と、前記案内管の上方に固定されて側部に開口部を有する固定ガイド部と、前記案内管の上端から上方に離れた位置で前記固定ガイド部に固定されたストッパーと、を備え、
前記可動閉止部材は、前記固定ガイド部内を上下方向に摺動可能で下方に移動したときに前記案内管を閉止し上方に移動したときに前記ストッパーと係合する閉止部と、前記閉止部の下部に固定されて前記案内管内を上下方向に摺動可能な可動ガイド部と、を備え、
前記温度作動逆止弁が閉止状態にあるときに、前記保持部材が、前記閉止部と前記固定ガイド部との間に固定されていること、
を特徴とする請求項6に記載の原子力プラント。 - 前記可動閉止部材は、水平な回動軸の周りに回動可能な蓋体と、前記蓋体に対して前記回動軸から遠い側に配置された止め具と、を備え、
前記保持部材は、当該原子力プラントの通常運転時に前記止め具が前記蓋体の回動を止めるように止め具を保持するように配置されていること、
を特徴とする請求項6に記載の原子力プラント。 - 前記保持部材は、前記回動軸よりも前記原子炉圧力容器の中心に近い位置に配置されていること、を特徴とする請求項8に記載の原子力プラント。
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