JP2011130869A - 皮膚吸着装置及び腹壁吊上装置 - Google Patents

皮膚吸着装置及び腹壁吊上装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧ガスを用いることなく、皮膚に開創部を設けずに腹壁を吊り上げることができるようにする。
【解決手段】腹壁吊上装置1は、吊下スタンド5に吊下ワイヤ32で吊り下げられた吸着ポット2と、各吸着ポット2に吸引圧を供給する吸引圧印加装置4と、各吸着ポット2を昇降させる昇降装置3とを備えている。吸着ポット2は、緩衝材22aを袋材22bに充填して構成された吸着リング22を、本体21の収容凹部25に固着されている。吸引圧印加装置4が吸引チューブ41から吸着ポット2に吸引圧を供給すると、吸着ポット2が吸引口24を通して吸着リング22内で皮膚A1を吸引する。これにより、吸着リング22が皮膚A1の形状に応じて変形して皮膚A1に密着する。この結果、吸着リング22が載置された皮膚A1に吸着ポット2が吸着し、吸着ポット2で腹壁A0を吊り上げることができるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚に吸着する皮膚吸着装置及び腹壁を吊り上げる腹壁吊上装置に関する。
腹壁を吊り上げる装置として、下記の非特許文献1には腹壁吊り上げ器具が開示されている。この器具は、手術の際に腹腔内で視野を確保するためのものであり、手術台から上方に延びた吊り上げアームに吊り上げハンドルを鎖で吊り下げて構成されている。吊り上げハンドルには、皮膚から腹壁に刺入したキルシュナー鋼線が装着される。吊り上げハンドルを吊り上げアームで牽引することで、キルシュナー鋼線を刺入された腹壁が吊り上げられる。
永井秀雄著、「外科手術に使用する器械マニュアルII内視鏡下手術編 腹壁吊り上げ器具」、消化器外科、第23巻第5号、へるす出版、2000年4月臨時増刊号、782頁〜784頁
しかしながら、上記腹壁吊り上げ器具では、吊り上げアームによるキルシュナー鋼線の吊上高さを手術の進行状況に合わせてリアルタイムにコントロールして、腹腔内で視野を確保することができなかった。また、鏡視下手術では皮膚に設ける開創部を少なく抑えることが求められている。このため、NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery:経管腔的内視鏡手術)のように、口等から挿入して臓器に設けた開創部から体腔内に内視鏡を進入させる手術では、内視鏡から体腔内に高圧ガスを供給することで皮膚を吊り上げることも考えられている。しかしながら、高圧ガスを使用する方法では、呼吸器系や循環器系に問題を抱える傷病者に用いることができなかった。また、手術時に体腔内で出血を吸引すると、腹壁が落ちることもあった。
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、上記課題を解決することのできる皮膚吸着装置及び腹壁吊上装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明の皮膚吸着装置は、吸引圧を印加されて皮膚に吸着する吸着部と、該吸着部に吸引圧を印加する吸引圧印加手段とを備え、前記吸着部が、緩衝材を充填されて形成された緩衝体を、吸引口を備えた吸着面に前記吸引口を囲むように環状に配置して構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記吸着部が、前記吸引圧印加手段による吸引圧の供給口と前記皮膚を吸引する吸引口とを連通させて、前記供給口側と前記吸引口側との間に生じる吸引圧の差を調整するための調整室を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記吸着部が、前記皮膚に吸着した前記吸着部の揺れを抑えるためのバランス錘を備えていることを特徴とする。
また、本発明の腹壁吊上装置は、上記皮膚吸着装置と、前記吸着部を昇降させる昇降手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記吸着部が吸着した前記皮膚と前記吸着面との距離を計測する計測手段を備え、前記吸引圧印加手段が、前記計測手段での計測距離の増大に伴い前記吸着部に印加する吸引圧を増大させることを特徴とする。
また、本発明は、前記計測手段が、前記吸着面に備えられた赤外線透過部を通して赤外線を検出する赤外線センサでの検出結果に基づき、前記吸着部が吸着した前記皮膚と前記吸着面との距離を計測することを特徴とする。
本発明によれば、吸着部が皮膚の形状に合わせて緩衝体を変形させて皮膚に吸着することから、高圧ガスを用いることなく、皮膚に開創部を設けずに吸着部で腹壁を吊り上げることが可能となる。
本発明の一実施形態の腹壁吊上装置を示す模式図である。 図1の腹壁吊上装置が備える吸着ポットを示す模式図であり、吸引圧の伝達経路を示している。 図1の腹壁吊上装置が備える吸着ポットを示す模式図であり、電気的構成をブロック図で示している。 皮膚から吸着ポットが離れた場合に、吸引圧を増大させる吸着ポットの動作を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の最良の形態を説明する。
本実施形態の腹腔内観察システムは、図1に示す腹壁吊上装置1で腹壁A0を吊り上げて患者Aの腹腔内を内視鏡装置で観察するためのものであり、口等から臓器に設けた開創部を通して腹腔内に内視鏡を進入させて行うNOTES等の手術で用いられる。
腹腔内観察システムが備える内視鏡装置は、カメラでの撮像を行うためのレンズと、処置具を出し入れするための鉗子口と、内圧センサで測定をするための内圧測定口と、光源から照射された光で照明をするための照明部と、空気を噴射するための空気噴射口とを、内視鏡の先端部に備えている。
図1に示すように、腹壁吊上装置1は、手術台Bに固定された吊下スタンド5と、吊下スタンド5に吊下ワイヤ32で吊り下げられた3つの吸着ポット2と、各吸着ポット2に吸引圧を供給する吸引圧印加装置4と、各吸着ポット2を昇降させる昇降装置3とを備えている。
図2に拡大して示すように、吸着ポット2は、円筒状を呈した本体21の下面に吸着用の吸着リング22を取り付けて構成されている。本体21の外周面には、一対のバランス錘21aが上下に並んで備えられている。各バランス錘21aは、本体21の外周面に沿って配置されて環状の平面形状を有している。バランス錘21aは、患者Aの皮膚A1に吸着した吸着ポット2の揺れを抑えるためのものである。
また、本体21は、上端部に開口した接続口23と、下面の中央部に開口した吸引口24と、下面の周縁部に吸引口24を囲むようにして環状に設けられた収容凹部25と、接続口23と吸引口24とを連通させる調整室26とを備えている。接続口23には、後述する吸引圧印加装置4の吸引チューブ41が接続される。調整室26は、接続口23側と吸引口24側との間に生じる吸引圧の差を調整するためのものである。
図3に示すように、本体21には、昇降装置3を構成する巻取装置35及び巻取位置調整回路36が備えられている。巻取装置35は、吊下ワイヤ32の巻回されたプーリ351とサーボモータ352とを備えて構成されており、サーボモータ352でプーリ351を回転させることで吊下ワイヤ32をプーリ351に巻き取り、又はプーリ351から吊下ワイヤ32を送り出す。巻取位置調整回路36は、リモートコントローラ(不図示)の操作に応じて巻取装置35の動作を制御する。
また、本体21には、赤外線センサを含んで構成された距離計測手段27と、無線通信用のワイヤレスユニット28とが備えられている。距離計測手段27は、吸引口24を備えた本体21の下面と吸着ポット2が吸着した皮膚A1との距離Lを計測するためのものであり、本体21の下面に備えられた透過部21bを通して赤外線を送信し、また、透過部21bを通して入射された赤外線を受信する。ワイヤレスユニット28は、リモートコントローラと巻取位置調整回路36との間、及び、後述する吸引圧制御回路44と距離計測手段27との間で信号を送受信する。
図2に示すように、吸着リング22は、シリコーンゲル,発泡ゴム,植物性油等の粘性流体からなる緩衝材22aを、塩化ビニル等の樹脂から形成された袋材22bに充填して構成されており、円環状を呈している。吸着リング22は、上端部を収容凹部25に収容されて接着剤等で収容凹部25に固着されている。
図1に示すように、吊下スタンド5は、手術台Bに固定されて上方に延びた支柱51と、支柱51の上端部に支持されて側方に延びた回動アーム52とを備えている。回動アーム52は、手術台Bの上面に沿って水平方向に回転自在に支柱51に支持されている。回動アーム52には、吊下ワイヤ32の挿通されるガイド部52aが備えられている。
吸引圧印加装置4は、吸着ポット2の接続口23に接続された吸引チューブ41と、吸着ポット2に印加される吸引圧を測定する吸引圧センサ42と、吸引チューブ41を通して吸着ポット2に吸引圧を供給するコンプレッサ43と、コンプレッサ43の動作を制御する吸引圧制御回路44とを備えている。吸引チューブ41は、回動アーム52の掛止部(不図示)に吊り下げられている。
吸引圧制御回路44は、リモートコントローラの操作、及び、吸着ポット2のワイヤレスユニット28から送信されてくる距離計測手段27での測定結果に基づき、コンプレッサ43の動作を制御する。具体的には、吸引圧制御回路44は、リモートコントローラの操作で皮膚A1への吸着が指示されると、リモートコントローラで指示された吸引圧が維持されるように、吸引圧センサ42で測定される吸引圧を参照ながらコンプレッサ43を駆動させる。
また、吸引圧制御回路44は、ワイヤレスユニット28から送信されてくる距離計測手段27での測定結果に基づき、吸着した皮膚A1から吸着ポット2の本体21が離れる加速度を表す離間加速度を特定しながらコンプレッサ43で吸引圧を印加しており、この離間加速度が所定値を上回ると、離間加速度に応じた分だけ吸引圧が増大するように、吸引圧センサ42で測定される吸引圧を参照しながらコンプレッサ43を駆動させる。
昇降装置3は、上述した巻取装置35及び巻取位置調整回路36の他に、吊下ワイヤ32の送り出し及び巻き取りをする巻取装置31と、吊下ワイヤ32を回動アーム52に吊り下げる掛止プーリ33と、巻取装置31の動作を制御する昇降制御回路34とを備えている。巻取装置31は、腹壁吊上装置1が備える吸着ポット2毎に備えられており、吊下スタンド5の支柱51に固定された収納箱3aに収納されている。巻取装置31は、吊下ワイヤ32の巻回されたプーリをサーボモータで回転させることで吊下ワイヤ32をプーリに巻き取り、又はプーリから吊下ワイヤ32を送り出す。
掛止プーリ33は、吊下スタンド5の回動アーム52に巻取装置31毎に備えられており、回動アーム52の延設方向に沿って並べて配置されている。掛止プーリ33は、吊下スタンド5の回動アーム52に軸支されたプーリであり、巻き掛けられた吊下ワイヤ32を巻取装置31側又は吸着ポット2側に送る。昇降制御回路34は、巻取装置31と共に収納箱3aに収納されており、リモートコントローラの操作に応じて巻取装置31の動作を個別に制御する。
次に、腹壁吊上装置1を用いた腹壁吊上方法について説明する。
腹壁吊上装置1は、吸着ポット2の吸着リング22が皮膚A1上に載置された状態で、リモートコントローラの操作で皮膚A1への吸着が指示されると、この指示を受けた吸引圧印加装置4の吸引圧制御回路44がコンプレッサ43を駆動させ、吸引チューブ41を通して吸着ポット2の調整室26内に吸引圧を供給する。吸引圧制御回路44は、リモートコントローラで指示された吸引圧が維持されるようにコンプレッサ43を駆動させる。吸着ポット2は、吸引口24を通して吸着リング22内で皮膚A1を吸引する。これにより、吸着リング22,皮膚A1,及び本体21の下面で囲まれた空間内が、吸引口24から図2に太矢印で示すように吸引され、緩衝材22aが吸着リング22内で流動することで、吸着リング22が皮膚A1の形状に応じて変形して皮膚A1に密着する。この結果、吸着リング22が載置された皮膚A1に吸着ポット2が吸着する。
このようにして、吸着ポット2を皮膚A1に吸着させた状態で、リモートコントローラの操作により吊り上げが指示されると、この指示を受けた昇降装置3の昇降制御回路34が巻取装置31を駆動させ、吊下ワイヤ32を巻取装置31のプーリに巻き取る。吊下ワイヤ32は、掛止プーリ33及び掛止部52aにガイドされて巻取装置31のプーリに巻き取られ、吸着ポット2を上方に吊り上げる。これにより、吸着ポット2が皮膚A1に吸着された腹壁A0は、吸着ポット2と共に上方に吊り上げられる。
また、リモートコントローラの操作で吊上位置の調整が指示されると、この指示を受けた昇降装置3の巻取位置調整回路36が巻取装置35を駆動させて、吊下ワイヤ32を巻取装置35のプーリ351に巻き取り、指示された量だけ吸着ポット2を上昇又は下降させる。これにより、吸着ポット2が皮膚A1に吸着した腹壁A0は、吸着ポット2と共に上方に吊り上げられる。3つの吸着ポット2の吊上位置を調整することで、腹壁A0の吊り上げ姿勢を調節し、必要な視野を確保することができる。つまり、手術の進行状況に合わせて各吸着ポット2の吊上位置を調整することで、腹腔内で必要な視野を確保することができる。
吸着ポット2のワイヤレスユニット28は、距離計測手段27での測定結果を吸引圧印加装置4の吸引圧制御回路44に送信している。吸引圧制御回路44は、受信した測定結果に基づき特定される離間加速度が所定値を上回ると、特定した離間加速度に応じた分だけ吸引圧が増大するようにコンプレッサ43を駆動させる。これにより、コンプレッサ43が吸引チューブ41を通して吸着ポット2の調整室26内に供給する吸引圧が増大する。この結果、腹壁A0の吊り上げに必要な吸引圧が、コンプレッサ43から調整室26に供給されることになる。吸引圧制御回路44は、増大させた吸引圧が維持されるように、その後のコンプレッサ43の駆動を行う。
例えば、吸着ポット2の本体21の下面と吸着ポット2の吸着した皮膚A1との距離Lが、図4(a)に2点差線で示す距離L1から実線で示す距離L2に増大し、これに伴い離間加速度が所定値を上回ると、吸着ポット2の調整室26に供給する吸引圧が図4(b)に2点鎖線で示す吸引圧C1から実線で示す吸引圧C2に増大する。これにより、吸着ポット2が皮膚A1に吸着する吸引圧が増大し、本体21の下面からの皮膚A1の離間が抑えられる。
本実施形態によれば、吸着リング22,皮膚A1,及び本体21の下面で囲まれた空間内に吸引口24から吸引圧が供給されると、吸着リング22に充填された緩衝材22aが吸着リング22内で流動することで、吸着リング22を皮膚A1の形状に応じて変形させて皮膚A1に密着させることができる。このため、一般的な吸盤を吸着させられない性状を有した皮膚A1に対して、吸着ポット2を確実に密着させることが可能となり、吸着ポット2を皮膚A1に吸着させた腹壁A0を吊り上げることも可能となる。この結果、皮膚A1に開創部を設けることなく、高圧ガスを用いることもない腹壁吊上装置1を提供することが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続口23と吸引口24とを連通させた調整室26により、接続口23側と吸引口24側との間に生じる吸引圧の差が調整されることから、吸着リング22,皮膚A1,及び本体21の下面で囲まれた空間内での吸引圧の急激な変化を抑えることが可能となる。このため、腹壁A0の吊上姿勢を変える際や患者の呼吸時等に生じる揺れ等で、吸着ポット2の吸着リング22と皮膚A1との間に一時的に隙間が生じた際等に、吸着リング22,皮膚A1,及び本体21の下面で囲まれた空間内で吸引圧が急激に低下するのを抑えて、吸着ポット2からの腹壁A0の脱落を防止することができる。
また、本実施形態によれば、皮膚A1に吸着した吸着ポット2の揺れがバランス錘21aで抑えられることから、腹壁A0の吊上姿勢を変える際や患者の呼吸時等に腹壁A0に生じる揺れ等で、吸着ポット2が皮膚A1上で揺動するのを抑えることができる。この結果、吸着ポット2の吸着リング22と皮膚A1との間に隙間が生じるのを抑えて、吸着ポット2からの腹壁A0の脱落を防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、吸着ポット2が吸着した皮膚A1と本体21の下面との距離が増大するのに伴い、吸着ポット2に印加される吸引圧が増大することから、手術時に体腔内で出血を吸引した際等に吸着ポット2から腹壁A0が脱落しかかると吸引圧が増大して、吸着ポット2からの腹壁A0の脱落が防止される。
上記実施形態では、距離計測手段27での測定結果に基づき特定される離間加速度が所定値を上回ると、離間加速度に応じた分だけ吸引圧が増大するようにコンプレッサ43を駆動させた場合について説明した。しかしながら、内視鏡の内圧測定口を通して内圧センサで測定される腹腔内圧が所定値を上回ると、コンプレッサ43で吸着ポット2に印加する吸引圧を増大させてもよい。
また、離間加速度が所定値を上回り、又は、腹腔内圧が所定値を上回った場合に、コンプレッサ43で印加する吸引圧の増大に代えて、又は、コンプレッサ43で印加する吸引圧の増大に併せて、内視鏡の空気噴射口から空気を噴射して腹壁A0の落下を防止するようにしてもよい。なお、空気噴射口から空気を噴射する場合には、腹腔内圧の上昇による内圧センサの破損を防ぐために、逆流防止弁を設ける等して内圧測定口からの空気の逆流を防止してもよい。
また、距離計測手段27での測定結果に基づき特定される離間加速度が所定値を上回った場合、内圧センサで測定される腹腔内圧が所定値を上回った場合に、コンプレッサ43で印加する吸引圧を増大させ、又は空気噴射口から空気を噴射するのに併せて、アラームを鳴らす等してそれを報知してもよい。
また、上記実施形態では、離間加速度が所定値を上回った場合に、離間加速度に応じて吸引圧が増大するように吸引圧制御回路44がコンプレッサ43を駆動させて、腹壁A0の落下を防止した場合について説明した。しかしながら、距離計測手段27での計測結果に基づき特定される距離や速度に基づき、吸引圧を増大させて、腹壁A0の落下を防止してもよい。
また、上記実施形態では、吸着ポット2が吸着した皮膚A1と本体21の下面との距離を赤外線センサを用いて計測した場合について説明したが、超音波センサやマイクロ波センサ等の他の検出手段を用いて計測してもよい。
また、上記実施形態では、吸引圧センサ42での測定値を参照して、コンプレッサ43の駆動を制御した場合について説明したが、吸引圧センサ42での測定値ではなく距離計測手段27での計測距離を参照して、コンプレッサ43の駆動を制御してもよい。また、吸引圧制御回路44がコンプレッサ43を駆動させて供給する吸引圧は、リモートコントローラで指示するのではなく、吸引圧センサ42及び距離計測手段27での計測結果に基づき吸引圧制御回路44で特定してもよい。
上記実施形態では、3つの吸着ポット2の吊上位置を巻取装置31及び巻取装置35で個別に制御する場合について説明したが、各吸着ポット2の巻取装置31及び巻取装置35に対して同じ制御処理を行うようにしてもよい。また、吸着ポット2は、吊下ワイヤ32を用いるのではなく吊下スタンド5に対してレールをスライドさせる等して昇降させてもよい。また、吊下ワイヤ32を吸引チューブ41にコイル状に巻き付けて固着させる等して、両者を一体化させてもよい。
また、吸着ポット2の形状は任意であり、例えば、本体21が角筒状を呈していても、バランス錘21aが本体21の外周面の上端部に備えられていてもよい。また、上記実施形態では、接続口23と吸引口24とを連通させる調整室26を吸着ポット2が備えている場合について説明したが、必ずしも調整室26を備えている必要はない。また、本体21の下面での吸引口24の開口位置や数量、接続口23の開口位置も任意である。また、透過部21bの構成は任意であり、本体21の下面に開口を設けて構成されていてもよい。
また、緩衝材22aは、吸引口24を通して吸引圧を印加されると皮膚A1に袋材22bを密着させて皮膚A1に吸着させられるのであれば、シリコーンゲルには限定されず、他のコロイドゲル等の他の粘性流体も緩衝材22aとして用いることができる。また、吸着ポット2を吊り下げる吊下スタンド5の構成も任意であり、例えば、支柱51は手術台Bに固定されずに床面に支持されていてもよい。
また、上記実施形態では、収納箱3aに収納された巻取装置31と吸着ポット2に備えられた巻取装置35とで、吸着ポット2の吊り上げ及び吊上位置の調整をした場合について説明したが、何れか一方のみで吸着ポット2の吊り上げ及び吊上位置の調整をしてもよい。また、ワイヤレスユニット28での信号の送受信に代えて、ケーブルを用いた信号の送受信をする構成としてもよい。また、リモートコントローラの構成も任意であり、例えば、吸着ポット2の吊り上げ及び吊上位置の調整を、フットペダルの操作で行うようにしてもよい。
また、回動アーム52に吊り下げる吸着ポット2の数量及び吸着ポット2の配置態様も任意であり、1つ,2つ,又は4つ以上の吸着ポット2を回動アーム52に吊り下げる構成としてもよい。また、複数の回動アーム52を支柱51で支持して、患者Aの身体の高さ方向だけでなく幅方向にも吸着ポット2を配列して皮膚A1に吸着させてもよい。
A 患者
A0 腹壁
A1 皮膚
B 手術台
1 腹壁吊上装置
2 吸着ポット(吸着部,皮膚吸着装置)
21 本体
21a バランス錘
21b 透過部(赤外線透過部)
22 吸着リング(緩衝体)
22a 緩衝材
22b 袋材
23 接続口(供給口)
24 吸引口
25 収容凹部
26 調整室
27 距離計測手段
28 ワイヤレスユニット
3 昇降装置
31 巻取装置
32 吊下ワイヤ
33 掛止プーリ
34 昇降制御回路
35 巻取装置
351 プーリ
352 サーボモータ
36 巻取位置調整回路
4 吸引圧印加装置(皮膚吸着装置)
41 吸引チューブ
42 吸引圧センサ
43 コンプレッサ
44 吸引圧制御回路
5 吊下スタンド
51 支柱
52 回動アーム
52a ガイド部

Claims (6)

  1. 吸引圧を印加されて皮膚に吸着する吸着部と、該吸着部に吸引圧を印加する吸引圧印加手段とを備え、
    前記吸着部は、緩衝材を充填されて形成された緩衝体を、吸引口を備えた吸着面に前記吸引口を囲むように環状に配置して構成されていることを特徴とする皮膚吸着装置。
  2. 前記吸着部は、前記吸引圧印加手段による吸引圧の供給口と前記皮膚を吸引する吸引口とを連通させて、前記供給口側と前記吸引口側との間に生じる吸引圧の差を調整するための調整室を備えていることを特徴とする請求項1に記載の皮膚吸着装置。
  3. 前記吸着部は、前記皮膚に吸着した前記吸着部の揺れを抑えるためのバランス錘を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚吸着装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の皮膚吸着装置と、前記吸着部を昇降させる昇降手段とを備えることを特徴とする腹壁吊上装置。
  5. 前記吸着部が吸着した前記皮膚と前記吸着面との距離を計測する計測手段を備え、
    前記吸引圧印加手段は、前記計測手段での計測距離の増大に伴い前記吸着部に印加する吸引圧を増大させることを特徴とする請求項4に記載の腹壁吊上装置。
  6. 前記計測手段は、前記吸着面に備えられた赤外線透過部を通して赤外線を検出する赤外線センサでの検出結果に基づき、前記吸着部が吸着した前記皮膚と前記吸着面との距離を計測することを特徴とする請求項5に記載の腹壁吊上装置。
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