JP2011129852A - 太陽光発電設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】 農作物を育てる農地での、農業と太陽光発電の両立は、発電設備のアレイが農地に有害な日陰を作ることから不可能とされていた。
【解決手段】本発明は、アレイによる農作物にとって有害な日陰を、害の少ない一過性の日陰に留まるようにして解決するとともに、一日を通してみれば、アレイで日陰になっている部分も含めて、農地全体にほぼ満遍なく太陽光が照射されるように出来たことでアレイを農地に設置することが可能になったのである。さらにアレイの日陰部分も散乱光で明るくして、アレイによって日陰になっている時間帯でも作物が生育出来るようにしたのである。これらによって農業と太陽光発電の両立が可能になったのである。
【選択図】図1

Description

本発明は、日陰にしてはならない場所とされている農地での太陽光発電を実現する為のものであって、農業と太陽光発電の両立を目指したものであり、農地を有効利用するためのものである。
CO2による地球温暖化防止の手段として、また、国際的なCO2削減の約束事を守るためにも、シリコンなどによる太陽光発電セルによる太陽光発電は急速に拡大せねばならない状況である。
しかし、太陽光発電には大きな欠点が有るものである。それは設置面積の割に発電量が少ないため、都市近郊の高価な土地を購入してまでは設置出来ないことである。さらに太陽光発電のための発電用セルやモジュールを架台に敷き詰めてアレイと称するが、このアレイが太陽光を遮断して日陰を作るため、アレイの受光面の裏側には大きなスペースがあるにもかかわらず太陽光を必要とする農業などが出来ない事であります。
そのため地価の高い日本では、住宅の屋根の上やビルの屋上などに小規模に設置されることが多く、地上に設置する場合は工場の余剰地や耕作不適地に設置されているものであります。
本発明は農地での農業と太陽光発電の両立を可能にすることによって、このような問題点を解決しようとするものである。
最初に両立の根本になる農業について説明すると、多くの作物は太陽が照射している全ての光を必要としている訳ではなく、その光量の半分でも、作物によっては数分の一程度の太陽光があれば十分に育つものであります。その証拠に太陽光を遮断した屋内で、太陽光の数分の一にも満たない光を与えて野菜などを育てている例も数多く見られるものである。また、本発明では触れていないが、植物には太陽光を蓄える能力があり、一過性の日陰には耐えることが出来る能力が備わっているものも多いのである。
また、あらゆる農作物の品種改良が進み、雨の多い地方や、山間部などの日照時間が少ない場所に適する品種も数多く生み出されているが、仮にそのような品種を日照時間に余裕のある農地に植えれば日照時間は大きく余る事になり、太陽光発電との両立がよりいっそう有意義になり効果も高くなるのである。また、農業用としては余る太陽光をより多く創出できれば、より効果的に農業と太陽光発電の両立が出来るものである。
本発明は、日陰にしてはならない場所とされている農地での太陽光発電を実現する為のものであって、日照時間に十分な余裕がある農地に、太陽光発電設備であるアレイを設置した状態で、アレイの受光面の裏側でも農業が出来るようにしたもので、農業と太陽光発電の両立が出来るようにしたものである。
農業と太陽光発電を両立させる根拠と原理原則にについて説明すると、多くの作物が必ずしも太陽光の全てを必要とせずに育つというのであれば、作物を育てるのに必要な太陽光の照射時間と光量を確保した上で、農業用としては使う必要の無い、余っている太陽光を太陽光発電に回せば農業と太陽光発電の両立が出来る事になるものである。
しかしながら、現実は太陽光発電設備であるアレイを農地に設置すると、設置したアレイによって農作物にとって有害な日陰が出来るという、誰が考えても分かる大きな問題点が存在する事もあって、実現は不可能とされ、事実上まともに考えられる事も無かったのである。
本発明は誰が考えても実現不可能とされて、まともに考えられる事も無かった農業と太陽光発電の両立を実現するために発明したもので、農地に設置した太陽光発電設備によって必然的に発生する日陰を、日陰時間が長い有害な日陰の発生から、日陰時間が短い一過性の日陰の発生に留めることに成功したものである。さらに本発明では農業と太陽光発電の両立を、より効率よく実現出来るように創意を凝らしたものである。
本発明は一般的なアレイと同じく、アレイ1,2,3,4,5の受光面が正午に最も太陽光を効率よく受光出来る状態を基本として設定しているもので、この基本は太陽光追尾方式など受光方式にかかわらず同様に設定されるものである。
本発明の構造を説明すると、アレイ3の東西の巾Cは必須の構造として狭くしているもので、東西の巾Cを狭くしたアレイ3を南北方向に細長く設置するものである。アレイ3の東側と西側には必須の構成部分である日照空間Aを確保し、アレイ3の裏側には、これも必須の構成部分である、地表までに上下の大きな空間Bを確保した構造にしているものである。本発明の構造にすることにより、不可能とされていた農地での太陽光発電を可能にすると共に、農業と太陽光発電の両立も可能にしたのである。
このように必須の構造である東西の巾が狭いアレイ3に、東西の日照空間Aと上下の大きな空間Bを確保することで、アレイ3の日陰6,7,8,9は農地に対しては西から東へ速やかに移動する一過性の日陰を作るに留まり、農地に対しては長時間の有害な日陰を作らないのである。さらに太陽光は必要量を設定して無駄なく使うことが可能になり、農業用としては余る太陽光を生み出す事が出来たのである。
さらに加えて東西と上下の空間A・Bからは、アレイ3の日陰部分6,7,8,9にも散乱光が極めて多く入る構造になっているのであり、日陰部分でも農作物が生育できるほどの十分な明るさを確保出来ているのである。このようにアレイの日陰でも農作物が生育出来る明るさを得た事で、農業用としては余る太陽光がより多くなり、太陽光発電用としての受光割合を増やせるようになったのである。
本発明の構造による事象を説明すると、農地Dに設置されたアレイ3の日陰部分6,7,8,9は、地球の自転により西から東へと順次移動するが、本発明はその自然現象を利用する事によって成るものであって、本発明による巾Cの狭いアレイ3の日陰は、時間の経過とともに規則正しく且つ速やかに6,7,8,9の如く西から東へと移動するものであり、巾が狭いゆえに、農地に対しては一過性の日陰を作るに留まり、特定の場所に長時間の有害な日陰を作ることは無いのである。そして、本発明の成果として太陽光は農地全体Dに満遍なく、ほぼ均等に照射されるようになったのである。
このように本発明ではアレイ3を農地に設置しても、巾Cの狭いアレイ3による日陰は、当然の事ながら巾の狭い日陰となっているのであって、時間の経過とともに農地Dの西側から東側へと6,7,8,9の如く移動するものの、巾の狭い日陰自体は農地Dに対しては同じ場所に長居をしない一過性のものになるのである。そして一日を通してみれば太陽光は農地全体Dに対して満遍なく、ほぼ均等に照射されるという優れた効果があり、農業生産にとっては極めて大切な条件を満たすことが出来ているのである。
このように本発明の構造にする事により、農地にアレイを設置しても太陽光は農地全体Dに対して満遍なく、ほぼ均等に照射されるようになったのである。であるからこそアレイ3の裏側での農業が可能になったのであり、太陽光を農業用として使用する日照時間の割合と、太陽光発電アレイ3の設置面積の割合を、ほぼ正確に振り分けて設定出来るようにもなったのであり、農業と太陽光発電の両立が出来るようにもなったのである。
また時間の経過とともに順次日陰になってゆくアレイ3の日陰部分6,7,8,9は、全天からの散乱光が極めて多く入ることにより、農作物19が生育できるほど十分明るくなっているもので有るから、太陽光が照射されている日中を通して日陰部分でも作物は生育出来るのである。このようにアレイ3の日陰時間帯であっても農作物19が生育できて、日陰による生育の空白時間をつくらないという成果を得た事で、農業用としては余る太陽光が多くなり、より多くの太陽光を太陽光発電用として使えるのである。
このように本発明は、農地Dに日陰を作るアレイ3を設置しているにもかかわらず、散乱光を含めた太陽光全体を、従来よりもはるかに無駄がなく且つ効率良く使うことが出来るようになった事で、農業と太陽光発電の両立が効果的に出来るのである。
設定について説明すると、この設定は農地にアレイ3を一基のみ設置する場合でも、[図1]の如く複数基設置する場合でも基本的に同じであって、一基のみの設置であってもアレイ3の東西の巾Cは必須の構造として狭くするものであり、東側と西側の日照空間Aも必須の構成部分である。同様に、アレイの裏側には地表までに上下に大きな空間Bも必須の構成部分である。であるから本発明ではアレイ3を本発明の基本として説明用にも使用しているのである。
地球の自転による日陰の移動と太陽の散乱光について説明すると、[図3]は異なる高さに設置した遮光板14・15直下F・Gにおける、地球の自転による同一時間での日陰の移動量H・Jを示すものであって、日陰F・Gの位置で示すように遮光板14・15の位置が高いほう15と低いほう14の比較では、高いほう15の移動量Hが、低いほう14の移動量Jより多く、早い速度で移動することを示しているもので、特定の場所に長時間にわたっての有害な日陰を作りにくい事を示しているものであり、遮光板14・15の設置位置が高いほど動きの早い一過性の日陰になりやすいである。
低いほう14は日陰の移動量Jが少なく、日陰の移動が遅いことを示し、特定の場所に長時間の有害な日陰を作りやすいことを示しているものであり、遮光板14・15の設置位置が低いほど動きが遅い有害な日陰になりやすいのである。
同様に全天からの散乱光を示す矢印Eも、遮光板14・15の位置が高いほう15には散乱光を示す矢印Eが日陰部分Fに多く向かっていて、遮光板14・15の設置位置が高いほう15に散乱光Eが多く入ることから日陰Fは明るくなるのである。また本発明の[図1]を見れば、アレイ3には東西の大きな空間Aも存在することから、散乱光はさらに四方八方から入りこんで、アレイ3の日陰部分はさらに明るくなって、アレイ3の日陰部分でも農作物19が生育できる明るさになるのである。
日陰の移動を確認すると、このように高い位置に設定している東西の巾Cの狭いアレイ3による日陰6,7,8,9は、これは当然ながら東西の巾が狭い日陰になっているものである。この東西の巾の狭い日陰は、地球の自転によって西から東へ移動するが、東西の巾の狭い方向に移動するのであって、日陰の巾が東西方向には狭いが故に、農地Dの同じ位置には長居をしない、速やかに通過する一過性の日陰になっているのである。農地全体Dでも有害な長時間の日陰を作ることが無い素性の良い日陰であって、農業用と太陽光発電用の日照時間と受光面積の設定もしやすい日陰になるのである。
一例としてアレイ3直下の日陰時間を明記すると、アレイ3の直下8には午前にアレイ4による日陰が約20分、正午にアレイ3による日陰が約1時間12分、午後にアレイ2による日陰が約20分、夕方にアレイ1による日陰が約8分というように順番に日陰が出来るものであって、アレイ1、2、4の日陰はまったく問題のない一過性の日陰である。アレイ3による正午の日陰時間が長くなっているが、この時間帯は太陽光線が強すぎるほど強く、本発明でも散乱光が極めて多く入り込んで、日陰であっても作物が生育できるほど明るくなっているのであるから、アレイ3による日陰も一過性の日陰として扱っても良いのである。
アレイ3直下8と日照空間Aの下面にある農地Dの日照条件を比較すると、このように巾Cの狭いアレイ3に東西と上下の大きな空間A・Bを確保すると、アレイ3によって発生している巾の狭い日陰部分6,7,8,9は、アレイ3直下8の日陰も、日照空間Aにある日陰6,7,9も、時間の経過とともに速やかに西から東へと移動して、日陰になっていた部分は順次太陽光が照射される日照面になるのである。
すなわち、このようにアレイの巾を狭くすると、アレイ3直下の日陰8の真上には光を遮る構造物のアレイ3があり、6,7,9の日陰部分の真上には光を遮るものがないというように相反する状態にあっても、地球の自転による日陰の西から東への移動により、日陰を作るアレイが真上に有るのか、真上には無いのかにかかわらず時間の経過とともに順次日照面になるのである。であるから一日を通してみれば太陽光は農地全体Dにほぼ満遍なく照射されているのであり、農地全体Dはほぼ均等な日照条件になるのである。
このように農地Dに日陰を作るアレイ1,2,3,4を設置しているにもかかわらず、一日を通してみれば農地全体Dにほぼ均等に太陽光が照射されているのである。農地にアレイを設置してもこのような成果を得ることが出来たからこそ、農業用と太陽光発電用としてそれぞれに必要な日照時間の割合と受光面積を、ほぼ正確に設定する事が出来るようになったのであり、農業と太陽光発電の両立も可能になったのである。
散乱光の活用について説明すると、地表に届く太陽光には太陽から直接届く光だけではなく、地球の大気の中を通るときに、塵や大気の揺らぎにより散乱現象を起こしながら降り注ぐ散乱光も多くあるものである。空が明るく見えるのもそのためであって、全天から、それこそ四方八方から太陽光は散乱光となって地表に降り注いでいるのである。
本発明のごとくアレイ3の巾Cを狭くした上に、大きな東西の日照空間Aと、上下の大きな空間Bを確保して散乱光が日陰部分6,7,8,9に多く入るようにすれば、太陽の散乱光は日陰部分の光量を補って、日陰でも農作物が十分に生育できるほど明るくなるのである。このように本発明の構造の成果によって、日陰部分に入った農作物の生育が止まらないように出来るのであって、農業用には余る太陽光をより多く生み出すことが出来る要因なのである。
日照時間の設定について説明すると、農地への日照時間の設定はアレイ3の巾Cと東西の日照空間Aの東西方向の巾の割合で設定するものであり、図面上の設定で一例を示すとアレイ3の巾Cが1,8メートルで日照空間Aの東西の巾が7,2メートルの場合は日照空間が約80パーセントの比率になり、架台の形状にもよるが農地へは80パーセント近い日照時間の割合となるものである。
この場合、農地の20パーセント程度にアレイを設置することが可能になり、1ヘクタールで2,000平方メートル程度の受光面積になるもので、住宅の屋根などとは比較にならない大きな受光面積を確保出来るのである。アレイには一日の日照時間を通して太陽光が照射されるものであり、日中を通して受光して発電出来るものであるから極めて効率的である。
[図1]は斜視図で4基のアレイを設置しているものであって、必須の構造として東西の巾Cを狭くしたアレイ3を南北方向に細長く設置しているものである。アレイ3の東側と西側には必須の構成部分となる日照空間Aを確保した構造として、アレイ3の裏側にはこれも必須の構成部分となる、地表までに上下に高い空間Bを確保した構造で設置されているものである。農地Dの広さに応じて1,2,3,4とアレイが設置されているものであり、南北に広い農地においてはアレイを南北方向に延長か増設するものである。
[図1]1のアレイは本発明の一例として、架台11上に配置したモジュール13に受光角度を設定しているものである。さらに農作物に必要な雨水が架台11上に並べられたモジュール13の空間Kから農地Dに降り注ぐように配慮したものである。またこのように配置したモジュール13は太陽光追尾方式にする事も可能である。
本発明の実施の例をアレイ3の状態を基本として説明すると、隣接するアレイとの間隔はアレイの巾Cの4倍の間隔を確保しているものであり、上下の空間Bの高さはアレイの巾Cの3倍としている。図面上の設定では、アレイ3の巾Cは1,8メートルで、東西の日照空間Aは7,2メートルの間隔を確保しており、上下に5,4メートルの高い空間Bを確保しているものである。ただし、アレイ3の巾Cと東西と上下の空間A・Bの設定にあたっては、地域の日照時間、風雪などの気象条件、地形などの立地条件、及び農作物の必要とする光量に合わせて設定する必要がある。また、果樹のような高木は成長した樹高上に上下の大きな空間Bを確保するように設定する必要がある。
[図1]の如く、本発明では農地に日陰を作る構造体である太陽光発電アレイ3を設置しているにもかかわらず、アレイ3直下8も含む農地全体Dに対しては、農業用として必要な日照時間をほぼ正確に設定出来るものである。また日陰になっている部分には散乱光によって日陰部分の光量を補うことで、農作物が生育できる十分な明るさを確保しているのであり、日陰による生育の空白時間をなくしたものである。これにより農業用としては余る太陽光が増えたのであり、より多くの太陽光を太陽光発電に振り向けることが可能になったのである。また、当然ながらアレイ3には一日の日照時間を通して太陽光が照射されるものであるから、本発明の目指す農地での農業と太陽光発電の両立が効果的に出来るものである。
このように本発明は、アレイ3の日陰を日陰時間が短い一過性のものにする事に成功するとともに、全天から降りそそぐ散乱光も効果的に利用出来るものであって、アレイ3による有害な日陰の問題を解決して、不可能とされていた農業と太陽光発電の両立に成功したものである。
本発明の構造であれば都市近郊の地価の高い農地でも、土地を犠牲にせずに太陽光発電アレイ3の設置が可能になるのである。これは極めて効果的な農地の有効利用であって、土地を増やしたのと同じ効果があるものである。また都市や工場など電力の需用家の近くで発電が可能であるという極めて優れた特性を持つものである。
今後の課題としてさらに短い日照時間で育つ作物の開発が望まれる。短い日照時間で育つ作物の開発は、太陽光発電用の受光割合の増加につながり、国土を広くするのと同じ効果があるのである。
発明の効果
国家の根幹とも言える日本の農業は、小規模・高齢化・後継者不足・耕作放棄・国庫からの多額の補助金というように数多くの問題点を抱えているが、農業と太陽光発電の両立により、小規模な日本的な小規模農家でも発電農業家として安定した収入を得ることが出来るのである。これにより日本的な小規模農業でも生計が成り立つことで国家の基盤が安定するのである。
日本的な小規模農家でも発電農業家として生計が成り立てば、農家の子女の農業回帰の道が開かれる事になるものであり、高齢化・後継者不足・耕作放棄など、国家的問題の有効な解決策となるものである。また、新たに多数の農業家の創出も可能で、有効な失業対策事業として大規模な雇用創出の場所とする事が出来る。
農家の収入が増えて生活が安定すれば、当然消費も増える事になるものであり、太陽光発電への巨額な設備投資と相まって大きな景気拡大の効果も期待出来るものである。また、将来は国庫からの補助金を減らせる可能性があるものである。
米余りの時に耕作放棄地で米を作られては困るという考えには、発電農業の米はバイオ燃料用にも使用出来るものである。また草木からでもアルコールを抽出できる技術を生かして、バイオ燃料用の作物や草木を育てるようにすれば、どんなに耕作地が増えても困ることは無く、発電農業とバイオ燃料の組み合わせは新産業として大きな発展が望めるものである。
〔図2〕は斜視図である。 は日陰の移動と、散乱光を説明する為のものである。
以下、本発明の実施の形態を[図1][図2]に基づいて説明する。
本文中の[0032]における日照時間の設定ではアレイの巾Cを基準にして計算しているが、アレイ1の如く架台上のモジュールの日陰を加えると、アレイの巾Cより広い日陰を作るアレイに関しては、アレイの作る最も広い日陰巾を基準にしなければならない。
[図1]では、便宜上アレイ3の受光面の日陰のみを表示しており、隣接するアレイ1,2,4やアレイの支柱12を含む架台部分11の日陰は表示していないものである。
アレイによる日陰の発生を少なくするために、架台11やその支柱12も日陰の少ない形状や構造にするものである。
アレイ2,3,4には太陽光に対しての受光角度は設定されていないが、必要に応じてアレイ1や、[図2]アレイ5の如く最適な構造や角度で設定するものである。
アレイ1は受光角度とともに、農業に必要な雨水が農地Dに降り注ぐように配慮した一例で、モジュール13とモジュール13の空間Kから雨水が農地Dに降り注ぐようにしているものである。アレイ2,3,4,5でも何らかの雨水対策は必要である。
[図2]アレイ5は、小面積の日本の農地に適するようにした一例で、設置方法と設置基準はアレイ3と同じである。受光角度が設定されているが、太陽光追尾方式の選択も可能である。
[図2]の日陰10はアレイ5の受光面の日陰のみを表示しており、支柱17を含む架台部分18の日陰は表示していないものである。
[図2]の如くアレイ5に受光角度を設定した場合は、設置場所の条件によっては受光角度が0度から90度まで考えられるが、農地への日照割合を計算する時や、アレイの配置を決めるときは、アレイ5の受光面が水平になっている状態を仮定して計算と位置決めをするものである。ただし設置する緯度によって陰の発生が大きく異なるものであるため、発明の根幹は同じであるが地域の事情による配慮や修正は必要である。
アレイ5のように受光面が立ち上がった状態では、アレイ5裏側の地表までに上下の大きな空間の設定は支柱17の高さで設定するのであるが、強風が吹きつける地方などではアレイの強度や安全性を確保するために、アレイ5による有害な日陰が支柱近くの一部分で発生することを承知の上で、支柱17の高さを低めに設定することがある。また高緯度の農地で、正午の日陰が頭上方向に対して45度にもなるような地域でもアレイの支柱17を低めに設定することがある。
[図2]の如く南北方向にはそれほど長くないアレイ5や、アレイ5以上に受光角度を大きく立てた場合は受光角度が垂直近くに立ち上がって、南北に細長くという表示がふさわしくない事態も出てくる。しかし、特許請求の範囲で示した発明の根幹である、必須の構造は同じであって、南北に細長い部分が立ち上がっているだけである。このような場合は「南北に細長い」という表示は、「上下に細長い」という表示や、「南面して傾斜している」という表示になるものである。ただし「南面」の表示は北半球の表示であって南半球では「北面」と表示するものである。
受光角度の設定では、電気を必要とする需要時間帯に合わせた発電も必要になる事から、受光面を僅かに西や東に向ける必要性も生じるものである。
アレイを牧場に多数設置した場合は、アレイが太陽光を遮り雨水も遮ることが可能である事を利用して、家畜の休憩の場所として、設置した一部のアレイの巾を広くする事も可能である。この場合、牧草の生育は広くしたアレイの中央付近では損なわれるが、それ以上の効果として、飼育されている家畜にとっては日除け雨よけとして良い休憩の場所となり、健康にも良いと思われるものである。
1,2,3,4,5・・・アレイ。または太陽光発電用アレイ
1・・・・・・・・・・・架台11上のモジュール13に受光角度を設定したアレイ。
5・・・・・・・・・・・受光角度を設定したアレイ。
6,7,8,9・・・・・アレイ3の日陰。
8・・・・・・・・・・・アレイ3直下の日陰。
10・・・・・・・・・・アレイ5の日陰。
11・・・・・・・・・・アレイ1,2,3,4の架台部分。
12・・・・・・・・・・アレイ1,2,3,4の支柱部分。
13・・・・・・・・・・架台11上に設置した、受光角度を設定したモジュール。
14・15・・・・・・・遮光板。
16・・・・・・・・・・東西南北を示す。
17・・・・・・・・・・アレイ5の支柱部分
18・・・・・・・・・・アレイ5の架台部分
19・・・・・・・・・・農作物。
A・・・・・・・・・・・東側と西側の日照空間。または東西の日照空間。
B・・・・・・・・・・・アレイ裏側には地表までに上下の大きな空間。または上下の大きな空間。
C・・・・・・・・・・・巾の狭いアレイの東西の巾。
D・・・・・・・・・・・農地。または農地全体
E・・・・・・・・・・・矢印は散乱光を示す。
F,G・・・・・・・・・遮光板による日陰。
H,J・・・・・・・・・同一時間での日陰の移動量。
K・・・・・・・・・・・農地へ雨水が降り注ぐようにする架台11上部の空間。

Claims (2)

  1. 本文と図面の如く、農地での農業と太陽光発電の両立を実現するために、農地に必須の構造として東西の巾Cを狭くしたアレイ3を、南北に細長い構造にして、受光面が正午に太陽の方向に向いた状態で設置する。アレイ3の東側と西側には必須の構成部分となる広い日照空間Aを確保した構造とし、アレイ3の裏側には必須の構成部分となる地表までの上下に大きな空間Bを確保した構造にすることによってなるもので、本発明によって農地での農業と太陽光発電の両立を実現した太陽光発電設備。
  2. 本文と図面の如く、アレイ5本体に受光角度を設定している場合でも必須の構造はアレイ3と同じであるが、見た目の違いがあるので請求項とする。アレイ5の正午における設定として、必須の構造として東西の巾Cを狭くして細長い状態のアレイ5を、正午に受光面が太陽の方向に向くように南面傾斜して設置する。アレイ5の東側と西側には必須の構成部分となる広い日照空間Aを確保した構造とし、アレイ5の裏側には必須の構成部分となる地表までの上下に大きな空間Bを確保した構造にすることによってなるもので、本発明によって農地での農業と太陽光発電の両立を実現した太陽光発電設備。
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