JP2011129550A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】近年のCMOS型LSIの設計においてはリーク電力の削減が非常に大きな課題となっている。リーク電力を削減する手段としてはトランジスタの閾値電圧を複数使用し、速度の必要な場所には閾値電圧の低いトランジスタを、不要な場所には閾値電圧の高いトランジスタを使用する方法が広く用いられている。しかしながら先端プロセスほど閾値電圧制御だけではリーク電力が十分に抑制できず、様々なリーク電力削減手法が必要となってきている。
【解決手段】本願の一つの発明は、CMOSまたはCMIS型LSIにおいて、一部の論理ゲートを構成するPチャネルFETおよびNチャネルFETの両側のゲート電極形状を近接効果を利用して平面的に湾曲させることによって、実効的なゲート長を長くするものである。
【選択図】図9

Description

本発明は、半導体集積回路装置(または半導体装置)の設計、製造におけるパターンレイアウト技術およびマスク作成技術に適用して有効な技術に関する。
日本特開2003−45997号公報(特許文献1)または、これに対応する国際公開第2003/12872号パンフレット(特許文献2)には、CMOS−LSI(Complementary Metal Oxide Semiconductor−Large Scale Integration)において、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート絶縁膜を介してのダイレクトトンネリング電流を低減させるために、ディレイ値の小さなパス上のMOSFETのゲート絶縁膜厚が、ディレイ値の大きなパス(論理信号伝達経路)上のMOSFETのゲート絶縁膜厚よりも厚くする技術が開示されている。
日本特開平11−111978号公報(特許文献3)には、CMOS−LSIにおいて、スタンバイ電流を低減させるため、Pチャネル型およびNチャネル型MOSFETのゲート電極に、P型ポリシリコン膜を用いる技術が開示されている。
リーチョンウェイ等の学会発表(非特許文献1)には、複数の閾値電圧を有するMOSFETを用いたCMOS回路の設計とその最適化が開示されている。
特開2003−45997号公報 国際公開第2003/12872号パンフレット 特開平11−111978号公報
リーチョンウェイ(Liqiong Wei)、外3名、「低電圧高性能双閾値CMOS回路の設計と最適化(Design and Optimization of Low Voltage High Performance Dual Threshold CMOS Circuits)」、35回 デザイン オートメーション カンファレンス(35th Design Automation Conference)、1998年、サンフランシスコ(San Francisco)、米国(US)
近年のCMOS型またはCMIS(Complementary Metal Insulator Semiconductor)型LSIの設計においてはリーク電力の削減が非常に大きな課題となっている。リーク電力を削減する手段としてはトランジスタの閾値電圧を複数使用し、速度の必要な場所には閾値電圧の低いトランジスタを、不要な場所には閾値電圧の高いトランジスタを使用する方法が広く用いられている。特に論理合成ツール等を使用した自動化設計手法では、同一形状で閾値電圧のみ異なるスタンダードセルを準備しておき、それを切り替える事で大幅なリーク電力削減が可能となっている。
しかしながら先端プロセスほど閾値電圧制御だけではリーク電力が十分に抑制できず、様々なリーク電力削減手法が提案されている。その1つにゲート長を長くする事でリーク電力を抑制するというものがある。しかしながらゲート長を長くすると一般にスタンダードセルの面積が増大するため、製造コストの増加を招くケースが多い。スタンダードセルのゲート長を長くする事で、速度は低下するがリーク電力削減が可能である。ゲート長の短いものと長いスタンダードセルを準備し、速度が必要なところにはゲート長の短いものを、不要なところには長いものを使用する事で速度とリーク電力を両立する事が可能である。一般に市販されている合成ツール等では、これらのセルを使い分けて速度とリーク電力の最適化が可能となっている。しかしながらゲート長を長くすればするほど、スタンダードセルの面積も増大する。ゲート長が長いものが短いものより面積が大きくなった場合、チップ全体の面積が増大したり、面積を抑制するために十分にリーク電力が抑制できないといった結果が発生しうる。ゲート長の短いものを長いものに合わせ大きく作成した場合、リーク電力の抑制効果は大きいがチップサイズも大きくなるといった問題がある。
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
本発明の一つの目的は、リーク電力の少ない半導体集積回路装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本願の一つの発明は、CMOSまたはCMIS型LSIにおいて、一部の論理ゲートを構成するPチャネルFETおよびNチャネルFETの両側のゲート電極形状を近接効果を利用して平面的に湾曲させることによって、実効的なゲート長を長くするものである。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、CMOSまたはCMIS型LSIにおいて、一部の論理ゲートを構成するPチャネルFETおよびNチャネルFETの両側のゲート電極形状を近接効果を利用して平面的に湾曲させることによって、実効的なゲート長を長くすることによって、リーク電流を低減させることができる。
本願の各実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のシステムチップのチップ上面模式レイアウト図である。 本願の各実施の形態の半導体集積回路装置における設計から製造に至る工程の流れを示す処理ブロックフロー図である。 図1のフリップフロップ間論理信号伝達経路PH(パス)に対応する論路回路図である。 図2のライブラリに含まれる論理セルの一例である標準インバータINVsの回路図である。 図4に対応する平面レイアウト図である。 図5に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(参考情報としてアクティブ領域及びゲート電極へのコンタクト部を破線で示す。以下同じ)である。 図6のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図(参考情報としてアクティブ領域及びゲート電極へのコンタクト部を破線で示す。以下同じ)である。 図2のライブラリに含まれる論理セルの一例である低リーク電流インバータINVeの回路図である。 図8に対応する平面レイアウト図である。 図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(標準的なOPC処理後)である。 図11のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(ほぼ標準的なOPC処理後であるが、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部にはOPC処理をしていない)である。 図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(ほぼ標準的なOPC処理後であるが、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部には、近接効果を加速するようなOPC処理を施している)である。 本願のその他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMISFET速度優先インバータINVp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図15に対応する平面レイアウト図である。 図16に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図17のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMISFET速度優先インバータINVn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図19に対応する平面レイアウト図である。 図20に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図21のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるチップ上の高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHH(図1)の一例を示す論理回路図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるチップ上の高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHH(図1)のその他の例を示す論理回路図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例である標準NANDゲートNDs(標準論理セルまたはバランス論理セルの一例)の回路図である。 図25に対応する平面レイアウト図である。 図26に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図27のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMISFET速度優先NANDゲートNDp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図29に対応する平面レイアウト図である。 図30に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図31のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMISFET速度優先NANDゲートNDn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図33に対応する平面レイアウト図である。 図34に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図35のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例である標準NORゲートNRs(標準論理セルまたはバランス論理セルの一例)の回路図である。 図37に対応する平面レイアウト図である。 図38に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図39のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMISFET速度優先NORゲートNRp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図41に対応する平面レイアウト図である。 図42に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図43のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。 本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMISFET速度優先NORゲートNRn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。 図45に対応する平面レイアウト図である。 図46に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。 図47のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
1.以下を含む半導体集積回路装置:
(a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
(b)前記第1の主面上に設けられたCMOSあるいはCMIS論理回路領域;
(c)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETを含む第1のMOSFETあるいはMISFET群;
(d)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETを含む第2のMOSFETあるいはMISFET群、
ここで、前記第1のMOSFETあるいはMISFET群に属する各MOSFETあるいはMISFETは、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部とほぼ等しく、前記第2のMOSFETあるいはMISFET群に属する各MOSFETあるいはMISFETは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有する。
2.前記1項の半導体集積回路装置において、前記両端湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
3.前記2項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
4.前記2項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
5.前記1から4項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記CMOS論理回路領域はスタンダードセル領域である。
6.以下を含む半導体集積回路装置:
(a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
(b)前記第1の主面上に設けられた論理セル配置領域;
(c)前記論理セル配置領域内に設けられた第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第1のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群;
(d)前記論理セル配置領域内に設けられ、前記第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路よりも信号伝達時間が長い第2のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第2のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群、
ここで、前記第2のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群に属する論理ゲートは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有するP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETから主に構成されている。
7.前記6項の半導体集積回路装置において、前記第1のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群に属する論理ゲートは、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部とほぼ等しいP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETから主に構成されている。
8.前記6または7項の半導体集積回路装置において、前記両端湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
9.前記6項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
10.前記6から10項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
11.前記6項の半導体集積回路装置において、前記論理セル配置領域はスタンダードセル領域である。
12.以下を含む半導体集積回路装置:
(a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
(b)前記第1の主面上に設けられたCMOSあるいはCMIS論理回路領域;
(c)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETあるいはMISFETの第1のアクティブ領域;
(d)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に、前記第1のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETあるいはMISFETの第2のアクティブ領域;
(e)前記第1および第2のアクティブ領域を横断する第1のゲート電極;
(f)前記第1のゲート電極上に設けられた第1のコンタクト部;
(g)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETあるいはMISFETの第3のアクティブ領域;
(h)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に、前記第3のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETあるいはMISFETの第4のアクティブ領域;
(i)前記第3および第4のアクティブ領域を横断する第2のゲート電極;
(j)前記第2のゲート電極上に設けられた第2のコンタクト部、
ここで、前記第1のコンタクト部は、前記第1および第2のアクティブ領域から異なる距離にあり、前記第2のコンタクト部は、前記第3および第4のアクティブ領域から実質的に等距離にある。
13.前記12項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第1のアクティブ領域の外側にある。
14.前記12項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第2のアクティブ領域の外側にある。
15.前記12から14項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域はスタンダードセル領域である。
16.以下を含む半導体集積回路装置:
(a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
(b)前記第1の主面上に設けられた論理セル配置領域;
(c)前記論理セル配置領域内に設けられた第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第1のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群;
(d)前記論理セル配置領域内に設けられ、前記第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路よりも信号伝達時間が長い第2のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第2のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群、
ここで、前記第1のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群に属する論理ゲートは、主にP型およびN型の一方がほぼ均等なゲート長を有する平坦ゲート構造のMOSFETあるいはMISFETから構成されており、他方が少なくとも一方の端部ゲート長が中央部と比較して長い湾曲ゲート構造のMOSFETあるいはMISFETから構成されている。
17.前記16項の半導体集積回路装置において、前記湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
18.前記17項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
19.前記17項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
20.前記16から19項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記第2のCMOSあるいはCMIS論理ゲート群に属する論理ゲートは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有するP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETから主に構成されている。
21.前記16から20項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記論理セル配置領域はスタンダードセル領域である。
22.以下を含む半導体集積回路装置:
(a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
(b)前記第1の主面上に設けられたCMOSあるいはCMIS論理回路領域;
(c)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETあるいはMISFETの第1のアクティブ領域;
(d)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に、前記第1のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETあるいはMISFETの第2のアクティブ領域;
(e)前記第1および第2のアクティブ領域を横断する第1のゲート電極;
(f)前記第1のゲート電極上に設けられた第1のコンタクト部;
(g)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETあるいはMISFETの第3のアクティブ領域;
(h)前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域内に、前記第3のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETあるいはMISFETの第4のアクティブ領域;
(i)前記第3および第4のアクティブ領域を横断する第2のゲート電極;
(j)前記第2のゲート電極上に設けられた第2のコンタクト部、
ここで、前記第1のコンタクト部は、前記第1および第2のアクティブ領域の外側にあり、前記第2のコンタクト部は、前記第3および第4のアクティブ領域の内側にある。
23.前記22項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第1のアクティブ領域の外側にある。
24.前記22項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第2のアクティブ領域の外側にある。
25.前記22から24項のいずれか一つの半導体集積回路装置において、前記CMOSあるいはCMIS論理回路領域はスタンダードセル領域である。
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
更に、本願において、「半導体装置」または「半導体集積回路装置」というときは、主に、各種トランジスタ(能動素子)単体、および、それらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板)上に集積したものをいう。ここで、各種トランジスタの代表的なものとしては、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に代表されるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を例示することができる。このとき、集積回路構成の代表的なものとしては、Nチャネル型MISFETとPチャネル型MISFETを組み合わせたCMOS(Complemetary Metal Oxide Semiconductor)型集積回路に代表されるCMIS(Complemetary Metal Insulator Semiconductor)型集積回路を例示することができる。
今日の半導体集積回路装置、すなわち、LSI(Large Scale Integration)のウエハ工程は、通常、原材料としてのシリコンウエハの搬入からプリ・メタル(Premetal)工程(M1配線層下端とゲート電極構造の間の層間絶縁膜等の形成、コンタクト・ホール形成、タングステン・プラグ、埋め込み等からなる工程)あたりまでのFEOL(Front End of Line)工程と、M1配線層形成等の配線層の形成から始まり、アルミニウム系パッド電極上のファイナル・パッシベーション膜へのパッド開口の形成あたりまで(ウエハ・レベル・パッケージ・プロセスにおいては、当該プロセスも含む)のBEOL(Back End of Line)工程に大別できる。前記配線層は、通常、ダマシン(Damascene)方式等の埋め込み配線(銅系または銀系)、アルミニウム系の通常配線(非埋め込み配線)、または、これらの組み合わせで構成されている。
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体集積回路装置(半導体装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
1.本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の概要説明並びに考察(主に図1から図3)
図1は本願の各実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のシステムチップのチップ上面模式レイアウト図である。図2は本願の各実施の形態の半導体集積回路装置における設計から製造に至る工程の流れを示す処理ブロックフロー図である。図3は図1のフリップフロップ間論理信号伝達経路PH(パス)に対応する論路回路図である。これらに基づいて、本願の各実施の形態の半導体集積回路装置の概要を説明する。
以下、本願の各実施の形態の半導体集積回路装置におけるチップ上の回路レイアウト等の概要をスタンダードセル方式のシステムチップを例にとり、具体的に説明するが、本願発明は、スタンダードセル方式に限定されるものではなく、他の設計方式のシステムチップ、マイクロコンピュータ搭載チップ、専用ロジックチップ(アナログ回路を含んでもよい)、メモリチップ(埋め込みメモリを含む)等にも適用できることは言うまでもない。
先ず、チップ上の回路レイアウトの一例を説明する。図1に示すように、矩形(主に長方形または正方形)の半導体チップ1のデバイス面1aまたは第1の主面(第2の主面の反対の面)の周辺部2には、多数のボンディングパッド3が配置されており、その内側には、リング状(一般に矩形リング)のI/Oセル配置領域4が配置されている。このI/Oセル配置領域4の更に内側のチップ内部領域5には、たとえばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、A/D変換回路、乗算器等を集積したマクロセル領域6および、本願の各実施の形態の主要部であるスタンダードセル方式の論理回路を配置する論理回路領域7(セル配置領域)が設けられている。このセル配置領域7は、通常、多数の単位セル列8(または単位セル行)で、ほぼ埋め尽くされている(通常、単位セル列8の高さは、各列共通に一定の値に設定されている)。この単位セル列8には、図3、図23または図24のようなフリップフロップ間論理信号伝達経路PH(高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHH、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHL等を含む)が多数設けられており、各フリップフロップ間論理信号伝達経路PHは、通常、複数のセル9から構成されている。
次に、図2に基づいて、このようなチップの設計から製造までの流れを簡潔に説明する。図2に示すように、論理設計101およびレイアウト設計102の過程においては、セルライブラリ105に含まれる各種の論理セルを組み合わせて、目的にあった論理回路を構築する。このセルライブラリ105には、必要に応じて(以下の一部であってもよい)、図5、図9、図16、図20、図26、図30、図34、図38、図42、図46等の論理セルのレイアウトが登録されている。レイアウト設計102が完成すると、OPC処理103等のマスクパターン生成のための各種の処理を実行して、マスクパターンデータを作成し、それに基づいて、バイナリマスク等(位相シフトマスクでもよい)の光学マスクを作製する(マスク工程104)。次に、この光学マスクを用いて、ウエハ1上のレジスト膜上に、マスクの像を投影することにより、デバイスパターン(以下の例では、ゲート電極パターン)を転写する。ここで、露光光としては、たとえば、45nmテクノロジノード以降においては、ArFエキシマレーザの193nmや軟X線(極端紫外、たとえば13.5nm、範囲としては10nmから15nm)が好適である。
(1)第1の実施の形態の概要(両端湾曲ゲート構造によりリーク電力の低減)
次に、セクション2で説明する第1の実施の形態の概要を図3に基づいて説明する。ここでは、煩雑さを避けるために主にインバータ(論理ゲート)により構成した論理回路を例にとり説明するが、より一般的には、その他の論理ゲート(NAND,NORその他)も含むものとする。図3に示すように、論理回路の基本的単位は、一対のフリップフロップFF1,FF2とその間に論理伝達通路PH(論理パス)を形成する論理ゲート群の集合体に対応する場合が多い。このフリップフロップ間論理信号伝達経路PHの中には、図2に示したように、高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHもあれば、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHL(図3)もある。「高速」または「低速」の違いは、その回路において要求される信号到達時間に対し、余裕があるかないかで決まる。たとえば、あるフリップフロップ間論理信号伝達経路について、要求される到達時間に余裕がある場合はこれを低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHLと称し、余裕がない場合はこれを高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHと称する。要求される到達時間に余裕があるかないかは、回路形式やシステムによって様々であるが、一例を挙げると、フリップフロップFF1とFF2との論理ゲート数が多ければ余裕がなくなり、少なければ余裕が多くなる。あるいは、クロックパルス周波数が低ければ、フリップフロップFF1,FF2間における信号伝達遅延時間は長くてもかまわないが、クロックパルス周波数が高ければ、フリップフロップFF1,FF2間における信号伝達遅延時間は、それに対応して短くしなければ、回路が正常に動作しない場合も考えられる。従って、高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHを構成する論理ゲートは、高速の論理ゲートとすることが望ましい。一方、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHLを構成する論理ゲートは、高速の論理ゲートとしてもよいが、そうすると、リーク電流(リーク電力)が増加する。このため、前記第1の実施においては、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHLを構成する複数の論理ゲートの主要な部分(第2の論理ゲート群)を低リーク電流の論理ゲートとしている。この場合、高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHを構成する複数の論理ゲート主要な部分(第1の論理ゲート群)は、標準または高速の論理ゲートとすることとなる。
ここで、論理ゲートは、一般にCMOSあるいはCMIS構成とされるから、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHLを構成する複数の論理ゲートの主要な部分を構成するP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETを含む第2のMOSFETあるいはMISFET群に属する各MOSFETあるいはMISFETは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造(図12)を有する。一方、高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHを構成する複数の論理ゲートの主要な部分を構成するP型およびN型のMOSFETあるいはMISFETを含む第1のMOSFETあるいはMISFET群に属する各MOSFETあるいはMISFETは、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部とほぼ等しい標準的なゲート平面構造(図7、図28または図40)または、より高速のゲート平面構造(図18、図22、図32、図36、図44または図48)を有する。
この両端湾曲ゲート構造(図12)の形成方法としては、たとえば図10のように、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部12aに、それと直交する辺を有する付加図形12bを連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成することができる。
以上のように要求される信号到達時間に余裕があるところについて、両端湾曲ゲート構造のCMOSあるいはCMISを形成することにより、全体回路のパフォーマンスを低下させることなくリーク電流を削減させることが可能となる。
(2)第2の実施の形態の概要(アンバランスセルによるフリップフロップ間論理信号伝達経路の高速化)
この例は、セクション3で説明するもので、第1の実施の形態と独立に適用できるほか、第1の実施の形態と組み合わせて適用することができる。すなわち、図1における高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHを構成する論理ゲートのスイッチング速度を考察すると、たとえば図23または図24に示すようにPチャネル側とNチャネル側のスイッチング速度は、一般に等価ではない。これは、主に、複数のMOSFETあるいはMISFETを直列接続した側が、複数のMOSFETあるいはMISFETを並列接続した側よりもスイッチング速度が低下するためとPMOSとNMOSの速度の違いに起因する。もちろん、遅い方のアクティブ領域の高さを高くする(ゲート幅を長くする。すなわちチャネル幅を大きくする)と問題は解消するが、そうすると単位セル列8の高さが全体に増加して、集積度を大幅に低下させる結果となる。また、論理ゲートの組み合わせ(インバータ等の含む)によっては、論理ゲートの立ち上がり速度および立下り速度のバランスを崩してでも、一方を早くすることで、フリップフロップ間論理信号伝達経路PH全体の信号伝達遅延時間を短縮することができ、そのことによって限界クロック周波数をより高くすることができる場合がある。
そこで、第2の実施の形態においては、高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHを構成する複数の論理ゲートの各論理ゲートが、主にP型およびN型の一方がほぼ均等なゲート長を有する平坦ゲート構造のMOSFETあるいはMISFETから構成(アンバランスセル:図18、図22、図32、図36、図44または図48)されている。一方、低速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHLを構成する複数の論理ゲートは、同様の高速の論理ゲートとしてもよいが、そうすると、リーク電力が増加する。従って、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部と比較して長い湾曲ゲート構造のMOSFETあるいはMISFETから構成(バランスセル:図7、図12、図28または図40)するのが好適である。
2.本願の一実施の形態の半導体集積回路装置におけるリーク電流低減論理ゲート構造の説明(主に図4から図14)
図4は図2のライブラリに含まれる論理セルの一例である標準インバータINVsの回路図である。図5は図4に対応する平面レイアウト図である。図6は図5に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(参考情報としてアクティブ領域及びゲート電極へのコンタクト部を破線で示す。以下同じ)である。図7は図6のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図(参考情報としてアクティブ領域及びゲート電極へのコンタクト部を破線で示す。以下同じ)である。図8は図2のライブラリに含まれる論理セルの一例である低リーク電流インバータINVeの回路図である。図9は図8に対応する平面レイアウト図である。図10は図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図11は図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(標準的なOPC処理後)である。図12は図11のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図13は図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(ほぼ標準的なOPC処理後であるが、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部にはOPC処理をしていない)である。図14は図9に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(ほぼ標準的なOPC処理後であるが、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部には、近接効果を加速するようなOPC処理を施している)である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体集積回路装置におけるリーク電流低減論理ゲート構造を説明する。なお、以下では、45nmテクノロジノードの製品を例にとり説明するが、この場合、ゲート長は中央部(平坦部分)で、45nm程度であり、ゲート幅は最も小さなもので、0.1マイクロメートルから0.15マイクロメートル程度である。
(1)標準的なインバータ
先ず、ライブラリ105(図2)に含まれる標準的なインバータINVsを図4に基づいて説明する。図4に示すように、入力信号Dinが電源配線Vddおよび接地配線Vss間に直列接続された一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)および一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnsb)の各ゲート電極に入力され、両MOSFETあるいはMISFETの共通接続点、すなわち、信号出力端子Doutから出力される。これをレイアウト図である図5において説明する。図5はレイアウトデータ上の論理セル9dであり、同図に示すように、セル9dの上端には電源メタル配線Vddがあり、セル9dの下端には接地メタル配線Vssが配置されている。セル9dの中央部には、上下に並んで横長のPチャネル型MOSFETあるいはMISFETのアクティブ領域14およびNチャネル型MOSFETあるいはMISFETのアクティブ領域15が配置されており、この二つのアクティブ領域14,15を縦方向に横断して、ゲート電極12が配置されている。ゲート電極12の中央部には、入力メタル配線11とゲート電極12を接続するコンタクト部16が設けられており、このコンタクト部16を配置するために、ゲート電極12はゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの二つの領域から構成されている。出力メタル配線18はコンタクト部17によって、アクティブ領域14,15に接続されており、同様に電源メタル配線Vddおよび接地メタル配線Vssはコンタクト部17によって、アクティブ領域14,15にそれぞれ接続されている。
次に、図6(実際に使用するマスクでは、図11と同様にOPC処理をしたものを用いるが、特に必要な部分以外では、煩雑になるので説明を省略する)および図7に基づいて、一端湾曲ゲート構造の形成のメカニズムを説明する。図6の光学マスク(またはマスクデータ)上のセル9mからわかるように、ゲート電極パターン12は、直線状のゲートパターン主要部12aと、その中央部に連結されたゲートパターン付加図形12bから構成されているので、出来上がりのゲート電極パターン12は、図7に示すように、アクティブ領域14,15上の各実効的ゲート電極部分(チャネルの直上にあるゲート電極の部分)の一方の端部近接効果によりラウンディングする結果、その中央部と比較して、同端部におけるゲート長が長くなっている。
(2)低リーク電流インバータ
次に、標準的なインバータINVsよりも低リーク電流とした低リーク電流インバータINVeを図8から図12に基づいて説明する。図8からわかるように、このインバータINVsは、標準的なインバータINVsと比較して、それを構成するMOSFETあるいはMISFETが異なっている。すなわち、両端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpfb)および両端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnfb)から構成されている。これらのレイアウト構造は、図9に示すように、ゲート電極パターン12は、直線状のゲートパターン主要部12aと、その中央部に連結された一対のゲートパターン付加図形12b、および、両端部に連結された一対のゲートパターン付加図形12bから構成されている点が特徴となっている。
図9のレイアウトに対応するゲート電極パターンに対応するマスクの平面構造は図10に示すようになり、これに通常のOPC処理(通常OPC処理部10a,10b,10c)を施すと、図11のようになる。すなわち、OPC処理後のマスクデータ上のセル9mである。
このようなマスクを用いて、ウエハ1上にゲート電極パターンを転写すると、図12のチップ上のセル9cのように、実質的ゲート部の両端部が湾曲した平面構造となる。
(3)OPC処理による湾曲の加速
図11のOPC処理では、ゲート電極パターン12の内、露光による図形の変形が予想される部分のほぼ全てに、標準的なOPC処理を適用している。しかし、積極的に変形を利用するという観点からは、図13に示すように、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部分に、OPC処理を適用しないという選択肢もある。この場合、図11のOPC処理の場合と比較して、速度は低下するが、リーク電流削減効果は大きい。
また、図14に示すように、ゲートパターン主要部12aとゲートパターン付加図形12bの連結部分に、逆に変形を加速または増幅する「OPC処理」またはOPA(Optical Proximity Acceleration)処理(湾曲加速OPC処理部10x)を適用することもできる。この場合、図13のOPC処理の場合と比較して、速度は更に低下するが、リーク電流削減効果は更に大きくなる。
なお、本願のこれ以外のレイアウトにおいても、図11、図13、および図14のいずれかの一つに対応したOPC処理を施すが、煩雑であり、逐一の説明は省略する。
3.本願のその他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるアンバランス論理ゲート構造等の説明(主に図15から図48)
このセクションでは、セクション1の(2)でも説明したように、ゲートコンタクト部がアクティブ領域に近接することに起因するゲート端部の湾曲と、それを回避する手段を組み合わせることによって、PチャネルおよびNチャネル間のバランスを意識的に崩したアンバランスセルを導入することによって、セル面積の増大を避けつつ、論理回路の信号伝達遅延時間を縮小する方法を提供する。
図15は本願のその他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図16は図15に対応する平面レイアウト図である。図17は図16に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図18は図17のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図19は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図20は図19に対応する平面レイアウト図である。図21は図20に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図22は図21のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図23は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるチップ上の高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHH(図1)の一例を示す論理回路図である。図24は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるチップ上の高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHH(図1)のその他の例を示す論理回路図である。図25は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例である標準NANDゲートNDs(標準論理セルまたはバランス論理セルの一例)の回路図である。図26は図25に対応する平面レイアウト図である。図27は図26に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図28は図27のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図29は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図30は図29に対応する平面レイアウト図である。図31は図30に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図32は図31のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図33は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図34は図33に対応する平面レイアウト図である。図35は図34に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図36は図35のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図37は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例である標準NORゲートNRs(標準論理セルまたはバランス論理セルの一例)の回路図である。図38は図37に対応する平面レイアウト図である。図39は図38に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図40は図39のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図41は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNRp(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図42は図41に対応する平面レイアウト図である。図43は図42に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図44は図43のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。図45は本願の前記その他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるスタンダードセル方式のセルライブラリ(図2)に含まれる論理セルの一例であるNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNRn(アンバランス論理セルの一例)の回路図である。図46は図45に対応する平面レイアウト図である。図47は図46に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図48は図47のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。これらに基づいて、本願のその他の実施の形態の半導体集積回路装置におけるアンバランス論理ゲート構造等を説明する。
標準的なインバータ(より一般的には論理ゲート)は、図4から図7に説明したような対象構造(バランス論理ゲート構造)を有するが、論理回路ブロックの特性によっては、PチャネルFETとNチャネルFETの特性が対称でないアンバランス論理ゲート構造とした方が、高速にできる場合がある。そこで、まず、論理ゲートの基本形として、アンバランスインバータの構成法の具体例を説明する。
(1)PチャネルMOSFETあるいはMISFETが高速のインバータ(下部コンタクト型レイアウト)
図15から図18に基づいて、PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVpを説明する。PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVpは、たとえば、図15に示すように、一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnsb)と平坦ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpff)を組み合わせることによって実現できる。その具体的セル9dのレイアウトは、図16に示すようになる。このセルレイアウト9dに対応するゲート電極パターン12のマスクデータ上のセル9mは、図17に示すようになる。これに図11、図13、または図14と同様のOPC処理を施した光学マスクを用いてウエハ1上に露光すると、図18に示すように、Nチャネル側の実質的ゲート部の下端が湾曲するが、Pチャネル側の実質的ゲート部は平面的に平坦となる。従って、この場合、Pチャネル側が高速となる。言い換えると、論理の立ち上がり速度が速くなる。
(2)NチャネルMOSFETあるいはMISFETが高速のインバータ(上部コンタクト型レイアウト)
図19から図22に基づいて、NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVnを説明する。NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVnは、たとえば、図19に示すように、平坦ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnff)と一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)を組み合わせることによって実現できる。その具体的セル9dのレイアウトは、図20に示すようになる。このセルレイアウト9dに対応するゲート電極パターン12のマスクデータ上のセル9mは、図21に示すようになる。これに図11、図13、または図14と同様のOPC処理を施した光学マスクを用いてウエハ1上に露光すると、図22に示すように、Pチャネル側の実質的ゲート部の上端が湾曲するが、Nチャネル側の実質的ゲート部は平面的に平坦となる。従って、この場合、Nチャネル側が高速となる。言い換えると、論理の立ち上がり速度が速くなる。
(3)高速フリップフロップ間論理信号伝達経路の具体例1
セクション1の(2)で説明した高速フリップフロップ間論理信号伝達経路PHHの具体例を図23および図24に基づいて説明する。
例えば1GHz(クロック周波数)で動作する回路では、フリップフロップFF1からフリップフロップFF2の間を1nsで信号を伝達させる必要がある。図23のようにフリップフロップFF1とフリップフロップFF2の間に2入力NANDゲートNdnと2入力NORゲートNRpが交互に置かれた論理について考える。フリップフロップFF1の出力が立ち上がった場合、最初のNANDゲートNdnの出力は立ち下がり、NORゲートNRpの信号は立ち上がり、次のNANDゲートNdnの信号は立ち下がり、次のNORゲートNRpの信号は立ち上がる。標準的なNANDゲートでは立ち上がりがインバータと同程度の速度だが立ち下がりはインバータより低速である。逆に標準的なNORゲートでは立ち上がりはインバータより低速だが立ち下がりはインバータと同程度の速度である。このため標準的な論理ゲートで構成すると、フリップフロップFF1の出力が立ち上がった場合、各論理ゲートのいずれの出力もインバータより低速である。フリップフロップFF1の出力が立ち下がった場合、ゲートNAND1の信号が立ち上がり、ゲートNOR2の信号が立ち下がり、ゲートNAND3の信号が立ち上がり、ゲートNOR4の信号が立ち下がる。この場合、各ゲートNAND1、NOR2、NAND3、NOR4のいずれの出力もインバータと同程度の速度となり、すなわちフリップフロップFF1の立ち下がりがフリップフロップFF2に伝わる時間に比べ、フリップフロップFF1の立ち上がりが伝わる時間の方が長くなる。
フリップフロップFF1からフリップフロップFF2までに要求される速度は、クロックの周波数で決まる。ある回路の限界周波数はフリップフロップFF間の最も遅い箇所で決まるため、フリップフロップFF1とフリップフロップFF2の間について言えばフリップフロップFF1の立ち上がりが限界周波数のボトルネックとなり、逆にフリップフロップFF1の立ち下がりは速度に余裕がある。
従って、このケースにおいては、ゲートNAND1とゲートNAND3にはNチャネルMOSFETあるいはMISFETの速度を重視したセル(NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDn)を、ゲートNOR2とゲートNOR4にはPチャネルMOSFETあるいはMISFETの速度を重視したセル(PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNRp)を使用する事で、限界周波数をより高速化する事が可能となる。
(4)高速フリップフロップ間論理信号伝達経路の具体例2
図24の例は、図23の例に対しゲートNOR4をNANDゲート(PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDp)に変更したものである。このケースにおいては、標準的なレイアウトでは、フリップフロップFF1の立ち上がりにおいては各ゲートNAND1、NOR2、NAND3の速度が標準的なインバータより遅く、ゲートNAND4は標準的なインバータと同程度の速度である。フリップフロップFF2の立ち下がりにおいては、各ゲートNAND1、NOR2、NAND3の速度が標準的なインバータと同程度で、ゲートNAND4の速度が標準的なインバータより遅い。
このケースについてもフリップフロップFF1の立ち上がりの方がフリップフロップFF1の立ち下がりよりも速度が遅いことがわかる。従って、ゲートNAND1とゲートNAND3にNチャネルMOSFETあるいはMISFETの速度を重視したセル(NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDn)を、ゲートNOR2とゲートNAND4にPチャネルMOSFETあるいはMISFETの速度を重視したセル(PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNRp、PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDp)を使用する事で限界周波数を向上させる事が可能となる。
このように同じNANDゲート(NORゲート)であってもPチャネルMOSFETあるいはMISFETが高速のもの、NチャネルMOSFETあるいはMISFETが高速のもの、両チャネルMOSFETあるいはMISFETのバランスを重視したものそれぞれが有効な場所がある。ラウンディングの位置を変更して速度のバランスを変えたセルを準備しておけば、自動合成ツール等は回路に応じ最も適切なセルを選択してくれるため、回路を高速化する事が容易となる。
以下では、これらのフリップフロップ間論理信号伝達経路PHを構成するインバータ以外の主要な論理ゲートの構成を説明する。
(5)標準NANDゲート
図4から図7に説明した標準的なインバータINVsを組み合わせた標準的なNANDゲートNDsを図25から図28により説明する。図25からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数ある点以外は、基本的に標準的なインバータINVs(図4から図7)とほぼ同様であるが、Nチャネル側が一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnsb)の直列接続となっているので、Nチャネル側が遅くなる傾向がある。
尚、前述のとおり、図26は図25に対応する平面レイアウト図である。図27は図26に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図28は図27のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。
(6)PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲート
図15から図18に説明したPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVpを組み合わせたPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDpを図29から図32により説明する。図29からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数ある点以外は、基本的にPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVp(図15から図18)とほぼ同様であるが、Nチャネル側が一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnsb)の直列接続となっているので、Nチャネル側が遅くなる傾向がある。一方、Pチャネル側は、平坦ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFETQpffで構成されているため、高速動作が可能である。
尚、前述のとおり、図30は図29に対応する平面レイアウト図である。図31は図30に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図32は図31のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。
(7)NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲート(中間コンタクト型)
図19から図22に説明したNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVnを組み合わせたNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲートNDnを図33から図36により説明する。ただし、構造的には標準的なインバータINVs(図4から図7)のコンタクト位置を非対称にしたものに対応する。
図33からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数ある点以外は、基本的にNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVn(図19から図22)とほぼ同様であるが、Pチャネル側が一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)の並列接続となっているので、標準的インバータINVs(図4から図7)と同等の速度である。一方、Nチャネル側は、平坦ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFETQnffで構成されているため、直列接続であるが、高速動作が可能である。
このレイアウトの特徴は、図34からわかるように、並列接続のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)のゲート幅を比較的狭くすることができ、その結果、寄生容量が減少する。また、ゲートコンタクト部16を一対のアクティブ領域14,15の間に置き、同領域から異なる距離に配置することによって、NチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnff)を高速の素子としている。すなわち、図36に示すように、PチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)においては、ゲートコンタクト部16がアクティブ領域14に接近しているので、実質的ゲート部の下端部が湾曲する。一方、NチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnff)では、ゲートコンタクト部16がアクティブ領域15から離れているので、実質的ゲート部の上端部は、湾曲しない。
(8)標準NORゲート
図4から図7に説明した標準的なインバータINVsを組み合わせた標準的なNORゲートNRsを図37から図40により説明する。図37からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数にある点以外は、基本的に標準的なインバータINVs(図4から図7)とほぼ同様であるが、Pチャネル側が一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)の直列接続となっているので、Pチャネル側が遅くなる傾向がある。
尚、前述のとおり、図38は図37に対応する平面レイアウト図である。図39は図38に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図40は図39のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。
(9)PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲート(中間コンタクト型)
図15から図18に説明したPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVpを組み合わせたPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNDnを図41から図44により説明する。ただし、構造的には標準的なインバータINVs(図4から図7)のコンタクト位置を非対称にしたものに対応する。図41からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数ある点以外は、基本的にPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVp(図15から図18)とほぼ同様であるが、Pチャネル側は、平坦ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpff)で構成されているため、直列接続ではあるが、比較的高速動作が可能である。一方、Nチャネル側は、一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qnsb)の接続となっているので、基本的にPチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVp(図15から図18)とほぼ同様である。
(10)NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲート
図19から図22に説明したNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVnを組み合わせたNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲートNRnを図45から図48により説明する。図45からわかるように、このタイプのセルは、信号入力端子Din1,Din2が複数ある点以外は、基本的にNチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータINVn(図19から図22)とほぼ同様であるが、Pチャネル側が一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET(Qpsb)の直列接続となっているので、Pチャネル側が遅くなる傾向がある。一方、Nチャネル側は、平坦ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFETQnffの並列接続で構成されているため、高速動作が可能である。
尚、前述のとおり、図46は図45に対応する平面レイアウト図である。図47は図46に対応するゲート電極加工用光学マスクの平面図(OPC処理前)である。図48は図47のマスクを用いてウエハ上へパターンを転写したときの出来上がりゲート電極パターンの平面図である。
4.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、セルの高さが所定の値に決められているスタンダードセル方式の半導体集積回路装置について具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その他の設計方式による半導体集積回路装置にも、適用できることは言うまでもない。
1 半導体チップまたはウエハ上のチップ領域(半導体基板)
1a 半導体チップのデバイス面(第1の主面)
2 チップ周辺部
3 ボンディングパッド
4 I/Oセル配置領域
5 チップ内部領域
6 マクロセル領域
7 論理回路領域(セル配置領域)
8 単位セル列
9 セル(論理セル)
9c チップ上のセル
9d 設計レイアウトとしてのセル
9m 光学マスク(またはマスクデータ)上のセル
10a,10b,10c 通常OPC処理部
10x 湾曲加速OPC処理部
11 入力メタル配線
12 ゲート電極
12a ゲートパターン主要部
12b ゲートパターン付加図形
14 Pチャネル型MOSFETあるいはMISFETのアクティブ領域(第1または第3のアクティブ領域)
15 Nチャネル型MOSFETあるいはMISFETのアクティブ領域(第2または第4のアクティブ領域)
16 ゲート電極へのコンタクト部
17 基板へのコンタクト部
18 出力メタル配線
101 論理設計
102 レイアウト
103 OPC処理
104 マスク
105 セルライブラリ
106 ウエハリソグラフィ処理
Din,Din1,Din2 信号入力(信号入力端子)
Dout 信号出力(信号出力端子)
FF1,FF2 フリップフロップ
INV1,INV2,INV3,INV4 インバータ
INVe 低リーク電流インバータ
INVn NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータ
INVp PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先インバータ
INVs 標準インバータ
NAND1 最初のNANDゲート
NAND3 次のNANDゲート
NAND4 最後のNANDゲート
NDn NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲート
NDp PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NANDゲート
NDs 標準NANDゲート
NOR2 最初のNORゲート
NOR4 次のNORゲート
NRn NチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲート
NRp PチャネルMOSFETあるいはMISFET速度優先NORゲート
NRs 標準NORゲート
PH フリップフロップ間論理信号伝達経路(パスまたは論理ゲート群)
PHH 高速フリップフロップ間論理信号伝達経路(第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路、高速パス、第1の論理ゲート群、または第1のMOSFETあるいはMISFET群)
PHL 低速フリップフロップ間論理信号伝達経路(第2のフリップフロップ間論理信号伝達経路、低速パス、第2の論理ゲート群、または第2のMOSFETあるいはMISFET群)
Qnfb 両端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET
Qnff 平坦ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET
Qnsb 一端湾曲ゲート構造のNチャネルMOSFETあるいはMISFET
Qpfb 両端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET
Qpff 平坦ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET
Qpsb 一端湾曲ゲート構造のPチャネルMOSFETあるいはMISFET
Vdd 電源配線
Vss 接地配線

Claims (20)

  1. 以下を含む半導体集積回路装置:
    (a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
    (b)前記第1の主面上に設けられたCMOS論理回路領域;
    (c)前記CMOS論理回路領域内に設けられたP型およびN型のをMOSFET含む第1のMOSFET群;
    (d)前記CMOS論理回路領域内に設けられたP型およびN型のMOSFETを含む第2のMOSFET群、
    ここで、前記第1のMOSFET群に属する各MOSFETは、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部とほぼ等しく、前記第2のMMOSFET群に属する各MOSFETは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有する。
  2. 前記1項の半導体集積回路装置において、前記両端湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
  3. 前記2項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
  4. 前記2項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
  5. 前記1項の半導体集積回路装置において、前記CMOS論理回路領域はスタンダードセル領域である。
  6. 以下を含む半導体集積回路装置:
    (a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
    (b)前記第1の主面上に設けられた論理セル配置領域;
    (c)前記論理セル配置領域内に設けられた第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第1のCMOS論理ゲート群;
    (d)前記論理セル配置領域内に設けられ、前記第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路よりも信号伝達時間が長い第2のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第2のCMOS論理ゲート群、
    ここで、前記第2のCMOS論理ゲート群に属する論理ゲートは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有するP型およびN型のMOSFETから主に構成されている。
  7. 前記6項の半導体集積回路装置において、前記第1のCMOS論理ゲート群に属する論理ゲートは、少なくとも一方の端部ゲート長が中央部とほぼ等しいP型およびN型のMOSFETから主に構成されている。
  8. 前記7項の半導体集積回路装置において、前記両端湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
  9. 前記6項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
  10. 前記6項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
  11. 前記6項の半導体集積回路装置において、前記論理セル配置領域はスタンダードセル領域である。
  12. 以下を含む半導体集積回路装置:
    (a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
    (b)前記第1の主面上に設けられたCMOS論理回路領域;
    (c)前記CMOS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETの第1のアクティブ領域;
    (d)前記CMOS論理回路領域内に、前記第1のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETの第2のアクティブ領域;
    (e)前記第1および第2のアクティブ領域を横断する第1のゲート電極;
    (f)前記第1のゲート電極上に設けられた第1のコンタクト部;
    (g)前記CMOS論理回路領域内に設けられたP型MOSFETの第3のアクティブ領域;
    (h)前記CMOS論理回路領域内に、前記第3のアクティブ領域に近接して設けられたN型MOSFETの第4のアクティブ領域;
    (i)前記第3および第4のアクティブ領域を横断する第2のゲート電極;
    (j)前記第2のゲート電極上に設けられた第2のコンタクト部、
    ここで、前記第1のコンタクト部は、前記第1および第2のアクティブ領域から異なる距離にあり、前記第2のコンタクト部は、前記第3および第4のアクティブ領域から実質的に等距離にある。
  13. 前記12項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第1のアクティブ領域の外側にある。
  14. 前記12項の半導体集積回路装置において、前記第1のコンタクト部は、前記第2のアクティブ領域の外側にある。
  15. 前記12項の半導体集積回路装置において、前記CMOS論理回路領域はスタンダードセル領域である。
  16. 以下を含む半導体集積回路装置:
    (a)第1および第2の主面を有する半導体チップ;
    (b)前記第1の主面上に設けられた論理セル配置領域;
    (c)前記論理セル配置領域内に設けられた第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第1のCMOS論理ゲート群;
    (d)前記論理セル配置領域内に設けられ、前記第1のフリップフロップ間論理信号伝達経路よりも信号伝達時間が長い第2のフリップフロップ間論理信号伝達経路を構成する第2のCMOS論理ゲート群、
    ここで、前記第1のCMOS論理ゲート群に属する論理ゲートは、主にP型およびN型の一方がほぼ均等なゲート長を有する平坦ゲート構造のMOSFETから構成されており、他方が少なくとも一方の端部ゲート長が中央部と比較して長い湾曲ゲート構造のMOSFETから構成されている。
  17. 前記16項の半導体集積回路装置において、前記湾曲ゲート構造は、露光用マスク上におけるゲートパターン主要部に、それと直交する辺を有する付加図形を連結することにより、露光光の近接効果を利用して形成される。
  18. 前記17項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、OPC処理を適用しない。
  19. 前記17項の半導体集積回路装置において、前記露光用マスク上における前記ゲートパターン主要部と前記付加図形の連結部分においては、近接効果を加速するようにOPC処理を適用する。
  20. 前記16項の半導体集積回路装置において、前記第2のCMOS論理ゲート群に属する論理ゲートは、両端部ゲート長が中央部と比較して長い両端湾曲ゲート構造を有するP型およびN型のMOSFETから主に構成されている。
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