JP2011125469A - 生体光計測装置および生体計測方法 - Google Patents

生体光計測装置および生体計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生体光計測によって唾液腺機能を計測する装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、被験体の唾液腺近傍に光を照射し、反射または透過した光を受光する光計測手段と、前記光計測手段が受光した計測信号をもとに、前記被検体に刺激を与えた場合の唾液腺機能変化を血中物質濃度変化の信号波形として描出する信号処理手段と、前記信号処理手段の処理結果を表示する表示手段とを備えた生体光計測装置。
【選択図】 図11

Description

本発明は、人体に光を照射し、表面に近い人体内部で反射或いは散乱した光(以下、生体通過光ともいう)を計測し、生体機能を計測する装置(生体光計測装置)に関する。
生体光計測装置は、可視から近赤外の光を用いて生体通過光を検出し、無侵襲的に生体機能を計測する装置である(例えば特許文献1)。近年、光ファイバを用いて複数の位置から光を照射し複数の検出点で生体通過光強度を計測し、これら検出点を含む比較的広い領域の通過光強度情報を得て、脳活動の応答信号を時間波形(タイムコース))や2次元の画像として表示する生体光計測装置も開発されている(例えば特許文献2)。
これらの生体光計測は、主として、刺激等負荷前後の血中物質の相対的変化と脳機能との関連性に基づくものであり(例えば、視覚刺激を与え、視覚野の脳活動を知る)、一般的に脳機能計測手法として利用されている。しかしながら、同様の手法を用いて、脳以外の器官の機能変化・生理変化を計測する装置はほとんどない。唾液腺機能を計測する場合、核磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging system)や超音波エコー、シンチグラフィーが利用されているが、拘束性や侵襲性があること、計測時間が長いこと、ベッドサイドでは計測できないこと、また、リアルタイムに機能変化をモニタすることは困難である。
また、唾液分泌量の変化は、口腔状態(ドライマウス、口臭、嚥下や咀嚼のしやすさ、発話)、精神状態の変化とも関連している。唾液分泌量を計測する場合には、脱脂綿を噛む、数分間にわたり自分で唾液を吐き出すという方法がとられており、無侵襲にリアルタイムで計測することは困難である。
特開昭57-115232号公報 特開平9-98972号公報
従来の生体光計測装置は、脳機能計測手法として利用されており、脳以外の器官の機能変化・生理変化の計測を試みてはおらず、脳以外の器官の機能変化を計測できるかどうか不明であった。
脳以外の器官である唾液腺の機能変化を臨床検査する場合、一般的には、MRIや超音波エコー、シンチグラフィーが利用されているが、計測時間が長く、拘束性や侵襲性があり、リアルタイムに機能変化をモニタすることができなかった。
また、唾液は、食べ物の消化作用のほか、口腔内環境を維持する作用がある。例えば、汚れの洗浄作用、発話や咀嚼、嚥下の円滑作用、抗菌作用、pH維持作用(細菌繁殖を防ぐ)、などがある。したがって、唾液分泌は日常生活を送る上で重要な役割を持つと言える。こうした唾液分泌能を計測するためには、これまで数分〜数十分かけて、唾液を吐き出す、コットンを口腔内へ入れて取り出すという手法がとられているほか、核磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging system)や超音波エコー、シンチグラフィーが利用されている。いずれも、無侵襲、低拘束、短時間かつリアルタイムに唾液腺分泌能を計測することはできなかった。そこで、本発明は、唾液腺機能の計測ができる生体光計測装置を実現することを目的とする。
本発明の生体光計測装置は、側頭部から顎下部にかけての唾液腺近傍に、光を照射し、反射または透過した光を受光する光計測手段と、前記光計測手段が受光した計測信号をもとに、前記被検体に刺激を与えた場合の唾液腺機能変化に伴う血中物質濃度変化を信号波形として描出する信号処理手段と、前記信号処理手段の処理結果を表示する表示手段とを備える。
生体光計測手法を用いることで、従来の課題を解決し、無侵襲、低拘束、短時間で、リアルタイムに唾液腺の状態を計測することができる。
唾液腺の位置を示す図 唾液分泌量の時間変化を示す図 事前嚥下によるヘモグロビン信号変化の違いを示す図 唾液分泌量とヘモグロビン信号変化を計測するパラダイムを示す図 基準刺激と対象刺激に対するヘモグロビン信号変化を示す図 ヘモグロビン信号変化と唾液分泌量の解析パラメータを示す図 ヘモグロビン信号パラメータと唾液分泌量との相関一覧を示す図 計測部位によるヘモグロビン信号変化の違いを示す図 計測部位による筋肉運動に伴う電気信号の違いを示す図 こめかみ部における超音波ドプラ信号の時間変化を示す図 本発明の一実施形態の装置構成を示すブロック図 本発明の一実施形態の計測フローチャート 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例 本発明の計測グラフィカルユーザーインターフェース表示例
はじめに、唾液腺について説明する。図1に唾液腺の位置を示した。唾液腺は、大唾液腺と小唾液腺から成り、大唾液腺には耳下腺1、顎下腺2、舌下腺3がある。最も大きな耳下腺は、耳の前から頬骨の先端部に位置し、長さ5−6cm、太さ2−3mmの漿液腺である。顎下腺は、顎の下の三角部分に位置し、長さ約5cmの漿液腺と粘液腺の混合腺である。舌下腺は、口腔底粘膜の下に左右1つずつ存在し、大きさは約1−2mm程度で、ほぼ粘液腺である。形状は房状である。
唾液生成・分泌の機能について説明する。唾液は血液から生成され、能動輸送によって水に近い成分へ変えられ、房状の腺房から出ている導管部分4より分泌される。したがって、唾液腺近傍の側頭部から顎下部までの領域では、唾液生成・分泌が起こると、エネルギー消費に伴う酸素消費が生じ、唾液腺近傍の血管5領域において血中ヘモグロビン濃度が変化すると考えられる。この血中ヘモグロビン濃度の変化は、こめかみ部(眼輪筋縁から耳穴の範囲)・頬上部(外側翼突筋上部)・頬下部(咬筋浅部)の範囲に渡ると考えられる。
まず、液体摂取による唾液分泌量の時間変化を検討するため、スクロース水溶液を口内へいったん投入し、そのまま吐き出し、30秒後、60秒後、90秒後に自然に出てくる唾液量を計量した(被験者2名)。図2に示すように、吐き出し直後には唾液はあまり分泌されず、30秒後にピークとなり、60秒、90秒と経過するにつれ少なくなることが分かる。口内へ液体刺激を与えた場合には、唾液腺活動はおよそ90秒間持続することが分かった。
次に、唾液分泌量と唾液腺活動に伴うヘモグロビン信号変化との関連について検討した結果を2つ説明する。
唾液分泌量は個人差があるため、水などの基準刺激を与え個人の唾液腺反応を計測したのち、対象刺激(クエン酸水溶液など)を与え、刺激に対する唾液腺反応を計測するという手順が必要である。図3は、基準刺激(水)と対象刺激(スクロース水溶液、クエン酸水溶液)を与えた場合のヘモグロビン信号の変化を示している。この実験では、唾液分泌量は直接コップへ吐き出すことによって採取・計量し、ヘモグロビン信号変化は、左右側頭部の領域において計測した。
図3(a)では、1回目の基準刺激(水)に対して大きくヘモグロビン信号が変化していることが分かるが、基準刺激(スクロース水溶液)を口内へ投入した直後に吐き出した唾液分泌量は、対象刺激による唾液分泌量よりも少なかった。一般的に、唾液分泌量は味覚刺激に応じて分泌されることが知られており、無味(水)と味刺激(甘味)を比べると、甘味刺激のほうが、唾液分泌量がより多いと考えられる。したがって、1回目の基準刺激(水)はヘモグロビン信号を増大させるものの唾液分泌量との関連は弱いと推測される。
一方、図3(b)は口内へ刺激を与える直前(10秒)に、被験者自身の唾液をさせた場合のヘモグロビン信号変化を示している。ここに示すように、直前に自分の唾液の嚥下を行うことにより、1回目の大きなヘモグロビン信号変化を消失させることが可能である。基準刺激(水)と対象刺激(スクロース水溶液やクエン酸水溶液など)による唾液分泌量を比較するためには、直前の空嚥下(自分の唾液を嚥下する)を行うのがよい。
また、図3(a)(b)では刺激の口内投入時間が4秒・10秒と異なるが、ヘモグロビン信号変化はほとんど変わらないことが分かる。したがって、計測時に刺激を口内に滞留させる時間は数秒程度あればよい。これにより計測時間が短縮できる。
図4には、水を基準刺激とし、2%クエン酸水溶液を対象刺激としたときのヘモグロビン信号変化と唾液分泌量の計測パラダイムを示した。唾液分泌量は直接コップへ吐き出すことによって採取・計量し、ヘモグロビン信号変化は、左右側頭部の領域で計測した(被験者8名)。被験者は合図に合わせて口内へ液体を投入しそのまま口内へ含んでおく。10秒経過後、全てをコップへ吐き出す(唾液吐き出し1)。その後、30秒後(唾液吐き出し2)・60秒後(唾液吐き出し3)に合図を与え、口内に自然に出てきた唾液を吐き出す。唾液分泌量はコップの重量を計量し算出した。この計測では、水を基準刺激とし、(1)クエン酸水溶液(2%)、(2)スクロース水溶液(9.6%)、(3)水に対するヘモグロビン信号変化と唾液分泌量を計測した。
図5(a)〜(c)は、基準刺激(水)と各対象刺激に対するoxyヘモグロビン信号の変化を示している。クエン酸水溶液やスクロース水溶液は基準刺激(水)よりも大きな変化を示すことが分かる。一方で、水の場合には基準刺激(水)とほぼ変わらないことが分かる。また、クエン酸水溶液のほうがスクロース水溶液よりも大きな変化を示すことが分かる。以上より、酸味・甘味など味の種類によってヘモグロビン信号変化が異なることが明らかとなった。
続いて、ヘモグロビン信号と唾液分泌量との相関解析を行うため、図6に示す解析パラメータを算出した。吐き出し直後からのヘモグロビン信号の(1)最大値、(2)潜時(最大値に達すまでの時間)、(3)30秒間平均、(4)90秒間平均、(5)半値全幅を求め、基準刺激に対する各パラメータ値を差し引いて、対象刺激によるヘモグロビン信号変化値を求めた。
唾液分泌量を計量するために、唾液吐き出しを上記唾液吐き出し1、2、3の時点で行っているが、唾液分泌量は口内投入から30秒間でピークとなることから(図2)、30秒唾液(唾液吐き出し2)、90秒唾液(唾液吐き出し2+3)、総唾液(唾液吐き出し1+2+3)を夫々算出し、ヘモグロビン信号の解析パラメータ(1)〜(5)との相関解析を行った。
図7(a)〜(c)は相関解析の結果を示している。
図7(a)は、唾液分泌量パラメータの相関を示している。唾液分泌は吐き出し直後に増加するのではなく、30秒後にピークとなることがすでにわかっているが(図2)、この30秒経過時点での唾液分泌量は、直後唾液を含まない90秒間唾液量と、直後唾液を含む総唾液量と高い相関を示すことが新たに分かった。口内投入による唾液分泌は90秒間持続するものの、その総量は口内投入後30秒間で分泌される唾液から算出することができる。例えば、対象刺激を吐き出しながら唾液分泌量を計測する場合、刺激投入から30秒の時点で唾液分泌量(x)を計量し、例えば、90秒間分の唾液分泌量(y)=1.6604x+0.1、総唾液分泌量(y)=1.983x+0.186の線形式から求めることができる。
したがって、ヘモグロビン信号との相関解析では、口内投入後30秒間で分泌された唾液量を用いて比べるのがよい。
図7(b)はヘモグロビン信号パラメータと唾液分泌量との有意な相関係数を示している(oxyヘモグロビン信号において最も有意な相関を示す)。相関係数が高いほど対象刺激に対する唾液分泌量の算出の信頼性が高くなるため、潜時と90秒平均を利用するのがよいと考えられる。しかしながら、各パラメータ値の平均値と標準偏差は、潜時では−0.69秒(標準偏差83)、90秒平均では0.16(標準偏差0.29)であった。潜時よりも90秒平均のほうが、標準偏差(分散)は小さいため、90秒平均のほうが安定したパラメータとなり得ると考えられる。
また、唾液分泌量は数十秒オーダーで変化するため、これに相応しヘモグロビン信号も数十秒間かけて変化している。そのため、潜時が1回目よりも0.69秒速くなるという1秒以下の現象は誤差に埋もれてしまう可能性がある。したがって、対象刺激に対する唾液分泌量を算出するためにはoxyヘモグロビン信号の90秒平均値を用いるのがよい。
図7(c)は対象刺激の種類(酸味・甘味)と唾液分泌量との最適パラメータを示している。酸味・甘味では、唾液分泌量を算出する解析パラメータが異なり、酸味では半値全幅が、甘味では潜時が最も唾液分泌量と相関することが分かった。
以上より、本生体光計測装置を用いることで、対象刺激に対する唾液分泌量を唾液を吐き出すことなく、ヘモグロビン信号の90秒平均との相関線形式から算出することができる。
また、味の種類によって最適なヘモグロビン信号の解析パラメータが異なることが分かり、これを利用し対象刺激の種類によって適切な解析を行うことができる。
<唾液腺反応の計測部位>
唾液腺活動に伴うヘモグロビン信号変化が観測できる部位は、図1に示すように、こめかみ部、頬上部、頬下部と考えられる。これは、唾液腺近傍の側頭部から顎下部までに位置する血管5近傍の領域において、唾液生成・分泌に伴うエネルギー消費が生じ、ここでの酸素消費に伴って血中ヘモグロビン濃度が変化するためである。
従って、各部位において本生体光計測装置により、唾液腺機能を計測できる。
図8は液体摂取時(スクロース水溶液)のこめかみ部・頬上部・頬下部におけるヘモグロビン信号を示している。この図に示すように、ヘモグロビン信号は頬上部・頬下部よりもこめかみ部において大きいことが分かる。頬上部・頬下部は唾液腺そのものの近傍であるため、唾液腺活動に伴うヘモグロビン信号が大きく観測されると考えられる。
しかしながら、こめかみ部には側頭部とつながっている側頭筋が、頬上部には外側翼突筋上部が、頬下部には咬筋があり、嚥下や咀嚼に伴う筋肉の動きがヘモグロビン信号に影響を与えると考えられる。
そこで、こめかみ部・頬上部・頬下部における嚥下時の筋肉の動きによるノイズ影響を検討するため、各部位に電極を装着し、飲料摂取時(スクロース水溶液)の筋肉運動に伴う電気信号を計測した(被験者5名)。
図9は各部位での筋電図信号の最大値を示している。こめかみ部での筋肉ノイズを1とした場合には、頬上部では2倍、頬下部では3倍の電位反応が生じることが分かる。したがって、唾液腺活動を計測するためには、筋肉ノイズの電位反応が小さいこめかみ部を測定するのがよい。また、被験者の嚥下のタイミングを知るには、咽頭部において筋肉活動変化を計測するとよい。
また、図1に示す血管5は唾液腺組織を貫通しているため、こめかみ部・頬上部・頬下部における血管位置が異なると考えられる。そこで、クエン酸グミを口内に投入し、各部位での血流速変化を超音波ドプラ装置により観測した(被験者3名)。その結果、こめかみ部において血流速が変化することが分かった。図10はこめかみ部における刺激前・刺激投入後・30秒後・60秒後・90秒後の超音波ドプラ信号の最大値の推移を示している。刺激投入後から30秒後の時点で最大値がピークとなり60秒・90秒後にかけて小さくなる。この結果は唾液分泌量の時間経過(図2)と一致するため、こめかみ部での血流速変化は唾液腺活動を反映すると言える。
超音波ドプラ装置では、こめかみ部においてのみ唾液腺活動に伴う血流速変化が観測されたが、本生体光計測装置では、頬上部・頬下部においてもこめかみ部とほぼ同じ特徴の信号を得ている(図8)。したがって、頬上部・頬下部においても唾液腺活動に伴うヘモグロビン信号を観測することは可能である。
さらに、本発明の生体光計測装置は、3つの唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)のうちいずれか、または全ての唾液腺を同時に計測できる光計測手段を備えている。
以下、本発明の実施形態の一例を図面と共に説明する。
<唾液腺計測の生体光計測装置>
図11は本発明の生体光計測装置の全体を示すブロック図である。この生体光計測装置は、主として光計測部10と信号処理部20と刺激制御装置30とからなる。
光計測部10は、光源部11と光検出部12とからなる。光源部11は、所定の波長の光を発生するレーザー等の光源と、光源が発生した光を測定点の数に対応する数の異なる周波数の光に変調する光変調部と、変調された光を被検体40の頭部〜顔面または顎下部分に導くための光ファイバー13とを備えている。
光源11が発生する光の波長は、計測の対象である血中物質がヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン)の場合、800nm近傍である。計測対象物質が異なる場合には異なる波長を採用することができる。本実施の形態では、血中物質がヘモグロビンである場合を説明する。
生体光計測における計測点は、光照射位置と光検出位置とのほぼ中央に位置する点で、その位置及び数は、光照射位置と光検出位置の数及び配置によって決まる。通常、複数の光照射位置と複数の光検出位置は、3×3、4×4などのマトリクス上の点に交互に配置され、それぞれの距離は適度に離れている(本発明では3センチ)。3×3マトリクスの場合、計測点は12となる。本発明の適用において測定点は単一でも複数でもよい。
光検出部12は、先端が光検出位置に配置された光ファイバー13からの光を受光する受光素子と、受光した光を変調周波数または時間分割により弁別し、計測点ごとのヘモグロビン変化信号を生成する検出回路などからなる。また、1点の照射光に対し、2点の受光素子の距離を変え、反射光が検出された時間に対する強度分布を利用しヘモグロビン濃度を生成する空間分解分光法を備えた検出回路などを備えてもよい。
この場合、照射点を2点にすることもできる。また、透過光から断層の画像構成を行う光トモグラフィ法を利用することもできる。
信号処理部20は、ヘモグロビン変化信号に対し、生体内の血行動態変化の時系列処理(タイムコースデータの作成)や画像化(信号波形の作成)を行うヘモグロビン信号処理部21と、信号処理後の計測データを記憶する記憶部22と、被検体情報を入力し、解析データを表示する表示部23を備え、さらに外部装置として、ヘモグロビン信号処理部21や表示部23における信号処理や解析に必要な指令を入力するためのキーボード、マウスなどの操作部24を備えている。データ表示部23は、結果画像の表示のほか、操作部24と連動したGUIの表示を行う。
信号処理部20は、操作部24からの指令に基づき、被験体情報の入力、計測部位の選択、計測回数の選択、信号処理方法の選択を行い、被検体の唾液腺機能状態の表示などを行う。
刺激制御装置30は、被検体40に与える刺激や指示を制御する装置であり、刺激用の画像・音・音声・言語データなどをアナログまたはデジタルデータとして記憶する記憶部31、刺激用の画像・音・音声・言語データを被検体に呈示するためのスピーカ或いはPC画面等の刺激発生部32、刺激発生部からの刺激の発生タイミングを制御する制御部(図示せず)などからなる。このような刺激制御装置30は、生体光計測装置の一部として設けても良いが、独立の装置とすることもできる。その場合、刺激が出されたタイミング、時間、時刻などの情報を生体光計測装置(の信号処理部20)に送る。或いは生体光計測装置から刺激制御装置30に指示を送り、その指示によって記憶部に記憶された画像・音・音声・言語データの指示された刺激を指示されたタイミング、時間で発生させるようにしてもよい。
<唾液腺計測の生体光計測装置の計測手順GUI>
次にこのような構成における生体光計測装置の動作を説明する。なお、図示したグラフィカルユーザーインターフェースはあくまで一例であり、本発明をこの形態に限定するものではない。
図12は、計測手順のフローを示している。図13〜図20は、表示部23におけるグラフィカルユーザーインターフェース例を示している。
被験体または計測者は、被験体情報を入力する(図13)。被験体情報は例えば、年齢・性別・食事の時間・ストレスの有無・虫歯の有無などである。この情報は被験体の唾液腺機能の変化を理解するために利用する。また、他の唾液腺機能の変化を理解するための情報を追加することもできる。例えば、口臭の有無や口腔乾燥の有無などが挙げられる。これらの情報は、計測結果表示の際に、同時に表示し、唾液腺機能の変化の意味理解を促す。被験体情報から計測条件、解析結果の一連の計測データは解析終了時に保存することができる。
次に、計測部位を、こめかみ部、頬上部、頬下部、顎下部の左右それぞれから選択する(図14)。左右を選択するのは、両側の唾液腺機能が異なる場合があるためで、一般的に、唾液腺腫瘍などによって左右の唾液分泌能が異なることが分かっている。
ここでは、左右のこめかみ部の計測を選択する。また、各部位では筋肉運動に伴う電位反応が異なるため、参照として、「筋肉ノイズ」のレベルを1〜3で表示する。唾液分泌は、口腔内を刺激しただけで生じるため、基準刺激からの変化値を利用する。ここでは、基準刺激を水とし、対象刺激をクエン酸水溶液とする。次に、解析パラメータを選択する。ここでは、自動解析と手動解析とを選択することができる。自動解析を選択した場合には(例えば酸味)、酸味による唾液分泌量を算出する最適なパラメータが自動で選択される(たとえば半値全幅)。
なお、咽頭部における嚥下に伴う筋肉活動を利用することもできる。例えば、咽頭部では嚥下に伴う大きな筋肉運動が生じるため、筋肉活動の変化から被験者が口内に投与した飲食物を嚥下したタイミングを確認することができる。また、嚥下障害の場合には唾液分泌量は低下することが知られており、唾液分泌量と嚥下時の筋肉活動変化とを比較することで唾液分泌機能の変化を知ることができる。
次に、計測回数を選択する(図15)。計測は、刺激の呈示時間と休息時間とを1組とする試行期間中に行い、ヘモグロビン変化信号を求める。口内刺激による唾液生成・分泌はおよそ90秒間持続する。したがって、刺激呈示後の休息時間はおよそ90秒を目安として決定しているが、必要に応じて変更してもよい。この開始−刺激までの時間および、刺激−終了までの時間は、自由に変更できる。この試行を1回または複数回行い、各回で得られた信号波形に関して、平均処理、フィルター処理、ベースライン処理を行うことができる。ここでは、計測回数を1回とする。
次に、光計測部10を被験体に装着し、装着後には、光照射-光検出ができているか確認してから計測開始へ進む。計測開始から終了まで、刺激制御装置30からタイミングと指示が与えられる(図16)。被験体は、この合図にしたがい、休息時間には呼吸を整えて待ち、90秒経過後、口腔刺激として準備された試料を摂取する(図17)。基準刺激・対象刺激の直前(10秒前)には、自分の唾液を嚥下する「空嚥下をしてください。」の合図が入る。
計測が終了すると、「結果を表示する」か「もう一度やり直す」かを選択する(図18)。「結果を表示する」を選択すると、手動解析か自動解析かを示す画面に移行する。ここでは、解析パラメータを「自動」に選択しているため、酸味刺激によるヘモグロビン信号から唾液分泌量を算出するための最適なパラメータが表示される。関連するパラメータとして、2番目・3番目に相関の高いパラメータが表示され、必要に応じて選択することができる。ここでは、相関の高い順に所定数パラメータを表示することを想定しているが、必ずしもこれに限らず、全てもしくは任意の一部のパラメータについて表示する形態を採用できることは云うまでもない。また、唾液分泌量を算出する場合には該当箇所をチェックする。
手動で解析する場合には、ベースライン補正、フィルター補正などを選択し、最大値・潜時・一定区間の平均値などを算出する。
なお、図19に示す「手動解析パラメータ」中の(1.波形)は、図4に示すようなグラフとなる。また、(2.画像)は、波形のパラメータ数値の大小を色であらわすグラフとなる。また、(3.加算波形)、(4.加算画像)は、何度も計測した結果を重ね合わせたグラフとなる。(5.左右差インデックス)は、被検体の左右の差を示したグラフとなる。(6.唾液量算出)は、得られたヘモグロビン信号の解析パラメータ値を上述した線形式により唾液分泌量に換算することにより、唾液量を算出する処理である。なお、刺激は口腔刺激のみならず映像や音声、匂いなどを利用できる。
本実施例で示した唾液腺機能を計測する生体光計測装置により、これまで困難であった唾液腺機能の変化を、無侵襲に、低拘束で、短時間のうちに計測することができ、その変化の様子はリアルタイムで観測できる。唾液腺機能の変化からは、唾液分泌能の低下や口腔状態の変化を知ることができ、唾液腺腫瘍、ドライマウス、口臭、咀嚼・嚥下機能の低下、虫歯のなりやすさなどの判別支援に有効である。また、基準刺激と対象刺激の利用により、味刺激による反応差異を計測でき、味覚障害の診断支援や味覚感度の検査などに有効である。
また、唾液腺機能の変化は、飲食物を想起した場合にも生じることはよく知られている。そこで、飲食物の想起を、自分の意思でコントロールすれば、本生体光計測装置で計測信号を観測できる。これを、意思伝達の手段がない筋萎縮性側索硬化症などの患者の意思疎通に利用することもできる。
40…被験体、10…光計測部、11…光源部、12…光検出部、13…光ファイバー、14…プローブホルダ、20…信号処理部、21…ヘモグロビン信号処理部、22…記憶部、23…表示部、24…操作部、30…刺激制御装置、31…刺激制御記憶部、32…刺激発生部

Claims (8)

  1. 被検体のこめかみ部、頬上部、頬下部、顎下部のいずれか、もしくは全ての部位に光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段から照射された光を受光する光受光手段と、
    前記光受光手段が受信した光からヘモグロビン信号を算出する第一の信号処理手段と、唾液腺機能変化に伴うヘモグロビン信号を算出する第二の信号処理手段と、第二の信号処理手段により算出された唾液腺機能変化に伴うヘモグロビン信号に対し、前記被験体に与えた刺激に応じた唾液腺機能変化に相関するヘモグロビン信号の解析パラメータを選択できる解析パラメータ選択手段と、前記信号処理手段の処理結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする生体光計測装置。
  2. 前記解析パラメータは、前記刺激を与えた時点からの最大値、または前記刺激を与えた時点からの前記最大値に達するまでの時間、または前記刺激を与えた時点から30秒間の平均値、または前記刺激を与えた時点からの90秒間平均値、または前記最大値の半値全幅であることを特徴とする請求項1に記載の生体光計測装置。
  3. 前記被験体に刺激を与える直前に前記被験体自身の唾液を嚥下させる指示を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の生体光計測装置。
  4. 前記被験体のこめかみ部、頬上部、頬下部、顎下部のいずれか、もしくは全ての計測部位を選択する手段を備えることを特徴とする生体光計測装置。
  5. 前記表示手段は、前記計測された被検体部位における筋肉運動の影響を表示することを特徴とする請求項1から4に記載の生体光計測装置。
  6. 被検体のこめかみ部、頬上部、頬下部、顎下部のいずれか、もしくは全ての部位に光を照射する光を照射し、
    前記被検体に対して照射された光を基に、ヘモグロビン信号を算出し、
    唾液腺機能変化に伴うヘモグロビン信号を算出し、
    当該算出された唾液腺機能変化に伴うヘモグロビン信号に対し、前記被験体に与える刺激に応じた唾液腺機能変化に相関するヘモグロビン信号の解析パラメータを選択し、当該選択されたヘモグロビン信号の解析パラメータを用いて解析された結果を表示手段に表示する生体光計測装置を用いた生体計測方法。
  7. 前記解析パラメータは、前記刺激を与えた時点からの最大値、または前記刺激を与えた時点からの前記最大値に達するまでの時間、または前記刺激を与えた時点から30秒間の平均値、または前記刺激を与えた時点からの90秒間平均値、または前記最大値の半値全幅であることを特徴とする請求項6に記載の生体計測方法。
  8. 前記選択された部位における筋肉運動の影響を表示することを特徴とする請求項6に記載の生体計測方法。
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