JP2011124507A - 有機薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、単純な構成であり、簡素な工程で製造することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続されており、上記単位セルは、透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記透明基板上に、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間に位置するように、上記光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数個の単位セルが平面的に配列された有機薄膜太陽電池モジュールに関するものである。
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べて製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。
有機薄膜太陽電池において、起電力は、有機薄膜に使用する電子供与媒体および電子受容媒体の物性により決定される。一般的な電子供与性材料であるポリチオフェンと電子受容性材料であるフラーレンとの間に生じる起電力は、約0.6Vである。例えば、携帯電話を駆動する際に必要な起電力は3.7Vであり、これを実現するためには複数個の単位セルを直列に接続し、所望の起電力を発生させる必要がある。
直列接続の技術としては、複数個の単位セルを平面的に配列する場合、一の単位セルの背面電極と他の単位セルの透明電極とを3次元的に接続することが提案されている(例えば特許文献1参照)。この場合、隣接する単位セルでは、透明電極同士、光電変換層同士、裏面電極同士がそれぞれ電気的に絶縁されるように空間で分離される。
隣接する単位セルの光電変換層を空間で分離する方法としては、光電変換層を形成した後に部分的に除去する方法や、光電変換層を直接パターン状に形成する方法が知られている。光電変換層を部分的に除去する方法としては、例えば、レーザースクライブ法、エッチング法、拭き取り法などが挙げられる。また、光電変換層を直接パターン状に形成する方法としては、メタルマスクを用いた蒸着法が挙げられ、また印刷法や吐出法も用いることができる。
しかしながら、このような方法では製造工程が煩雑になる。さらには、光電変換層の除去が不十分である場合、隣接する単位セルの光電変換層を電気的に絶縁することができない。特に光電変換層の形成に低粘度の塗工液を使用した場合には、塗工後に塗工液が非塗工部に塗れ広がってしまうために、非塗工部を介して隣接した塗工部同士が一体化してしまう可能性があり、光電変換層を十分に除去することが困難である。
一方、特許文献2には、隣接する単位セルが、互いに、第1電極層と光電変換層と第2電極層との積層順番が反対であり、かつ電気的に直列接続されている有機太陽電池モジュールが開示されている。この有機太陽電池モジュールでは、光電変換層が電気的に分離されていれば空間で分離されていなくてもよいとされている。これは、隣接する単位セルで第1電極層と光電変換層と第2電極層との積層順番が反対であり、基板の同一平面上に第1電極層および第2電極層が交互に形成されているので、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを接続するために光電変換層を部分的に除去して他の単位セルの第1電極層を露出させる必要がないからであると考えられる。
しかしながら、上記の有機太陽電池モジュールでは、基板の同一平面上に第1電極層および第2電極層を交互に形成するので、パターン状の第1電極層およびパターン状の第2電極層をそれぞれ形成する工程を前面基板および背面基板に対してそれぞれ行なう必要があり、製造工程が煩雑である。
特表2006−511073号公報 特開2006−237165号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数個の単位セルが平面的に配列され直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、単純な構成であり、簡素な工程で製造することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、上記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、上記単位セルは、上記透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、直列に接続された上記少なくとも2個の単位セルでは、一の上記単位セルの上記第2電極層と他の上記単位セルの上記第1電極層とが電気的に接続されており、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記透明基板上に、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間に位置するように、上記光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されており、各単位セルの光電変換層が空間で分離されていなくとも、透明基板上に、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間に位置するように、光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることにより、各単位セルの光電変換層を実質的に電気的に分離することができる。したがって、各単位セルの光電変換層を空間で分離する必要がなく、有機薄膜太陽電池モジュールの構造を単純化することが可能であるとともに、製造工程を簡素化することが可能である。
上記発明においては、上記透明基板の上記第1電極層が形成されていない面に上記遮光部が形成されていてもよい。
また上記発明においては、上記透明基板の上記第1電極層が形成されている面に上記遮光部が形成されていてもよい。この場合、上記遮光部は絶縁性を有するものとなる。
本発明においては、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されているので、有機薄膜太陽電池モジュールの構造の単純化および製造工程の簡素化が可能であるという効果を奏する。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、上記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、上記単位セルは、上記透明基板上に形成された第1電極層と、上記第1電極層上に形成された光電変換層と、上記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、直列に接続された上記少なくとも2個の単位セルでは、一の上記単位セルの上記第2電極層と他の上記単位セルの上記第1電極層とが電気的に接続されており、上記一の単位セルの上記光電変換層と上記他の単位セルの上記光電変換層とが連続膜として形成されており、上記透明基板上に、上記一の単位セルの上記第1電極層と上記他の単位セルの上記第1電極層との間に位置するように、上記光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールについて図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。有機薄膜太陽電池モジュール1においては、透明基板2上に3個の単位セル10a,10b,10cが平面的に配列され、これらの単位セル10a,10b,10cが直列に接続されている。各単位セル10a,10b,10cは、透明基板2上に形成された第1電極層3と、第1電極層3上に形成された光電変換層4と、光電変換層4上に形成された第2電極層5とを有している。第1電極層3は透明基板2上にストライプ状に形成されており、各単位セル10a,10b,10cの第1電極層3は互いにストライプパターンが長辺方向にずれるように配置されている。そして、単位セル10aの第2電極層5と単位セル10bの第1電極層3とは接続部6によって電気的に接続され、単位セル10bの第2電極層5と単位セル10cの第1電極層3とは接続部6によって電気的に接続されている。また、各単位セル10a,10b,10cの光電変換層4は連続膜として形成されている。そして、透明基板2の第1電極層3が形成されていない面に、各単位セル10a,10b,10cの第1電極層3の間に位置するように、光電変換層4への光照射を遮る遮光部7が形成されている。なお、図1(a)において遮光部7は破線で示されている。
図1(b)に例示する有機薄膜太陽電池モジュール1においては、まず、透明基板2側から入射する光11により光電変換層4内で電荷が発生する。次いで、発生した電荷(正孔)は、光電変換層4の膜厚方向に移動して光電変換層4および第1電極層3の接触界面にて第1電極層3へと取り出される。一方、発生した電荷(電子)は、光電変換層4の膜厚方向に移動して光電変換層4および第2電極層5の接触界面にて第2電極層5へと取り出される。
この際、透明基板2上には光電変換層4への光照射を遮る遮光部7が形成されているので、遮光部7が設けられている遮光部形成領域20に位置する光電変換層4の部分への光11の照射が妨げられる。光電変換層4では光照射により電荷が発生するため、光電変換層4の光照射が妨げられた部分においては導電性が著しく低くなる。その結果、隣接する単位セルの光電変換層は実質的に電気的に分離される。すなわち、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されているとしても、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とは実質的に電気的に分離されていることになる。
このように本発明においては、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されており、各単位セルの光電変換層が空間で分離されていなくとも、透明基板上に、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間に位置するように、光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることにより、各単位セルの光電変換層を実質的に電気的に分離することができる。したがって、有機薄膜太陽電池モジュールの構造を単純化することが可能である。また、各単位セルの光電変換層を空間で分離するために光電変換層を部分的に除去したり光電変換層を直接パターン状に形成したりする必要がなく、製造工程を簡素化することが可能である。
また、直列に接続する単位セルの数が多いほど起電力が高くなるので、基板上に多くの単位セルを配置するために各単位セルの間隔を狭くすることが考えられるが、従来のような各単位セルの光電変換層を空間で分離するために光電変換層を部分的に除去する方法や光電変換層を直接パターン状に形成する方法では、精度上、隣接する光電変換層の間隔を狭くするのは困難である。特にレーザースクライブ法、エッチング法、拭き取り法では極めて難しい。これに対し、本発明においては、各単位セルの光電変換層は連続膜として形成されているので、上記のような不具合はない。
以下、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールにおける各構成について説明する。
1.遮光部
本発明における遮光部は、透明基板上に形成され、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間に配置されるものであり、光電変換層への光照射を遮るものである。
遮光部の形成位置としては、遮光部が透明基板上に形成され、一の単位セルの第1電極層と他の単位セルの第1電極層との間に配置されていれば特に限定されるものではなく、図1(a)、(b)に例示するように透明基板2の第1電極層3が形成されていない面に遮光部7が形成されていてもよく、図2(a)、(b)に例示するように透明基板2の第1電極層3が形成されている面に遮光部7が形成されていてもよい。なお、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。透明基板の第1電極層が形成されていない面に遮光部が形成されている場合には、第1電極層および遮光部の位置合わせが容易であり、遮光部の形成が容易である。一方、透明基板の第1電極層が形成されている面に遮光部が形成されている場合には、光電変換層および遮光部の距離が近いため、遮光部が設けられている遮光部形成領域に位置する光電変換層の部分への光照射を効果的に妨げることができる。
ここで、「光電変換層への光照射を遮る」とは、光電変換層への光照射の少なくとも一部を遮ることをいう。遮光部は、光電変換層への光照射の少なくとも一部を遮るものであり、例えば光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収するものであればよい。具体的に、遮光部は、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収する材料(以下、光学材料と称する場合がある。)を含有するものであってもよく、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収する形状(以下、光学形状と称する場合がある。)を有するものであってもよい。遮光部が光学材料を含有する場合には、反射率が高い材料、透過率が低い材料、光学濃度が高い材料、ヘイズが高い材料、屈折率が異なる2種以上の材料、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収する粒子を含有する材料などを用いることができる。一方、遮光部が光学形状を含有する場合には、レンズ、プリズムなどを用いることができる。
透明基板の第1電極層が形成されている面に遮光部が形成されている場合、遮光部は、光学材料を含有するものであることが好ましい。遮光部の形成が容易だからである。一方、透明基板の第1電極層が形成されていない面に遮光部が形成されている場合、遮光部は、光学材料を含有するものであってもよく、光学形状を有するものであってもよい。
遮光部が遮る光の波長域としては、光電変換層の材料が光活性を示す波長域の少なくとも一部を含んでいればよく、中でも、光電変換層の材料が光活性を示す波長をすべて含むことが好ましい。具体的に、遮光部が遮る光の波長域は、光電変換層の材料に応じて適宜選択されるものであるが、300nm〜700nmの範囲内を含むことが好ましい。
透明基板の第1電極層が形成されている面に遮光部が形成されている場合、遮光部は絶縁性を有することが好ましい。隣接する単位セルの第1電極層を電気的に分離するためである。一方、透明基板の第1電極層が形成されていない面に遮光部が形成されている場合、遮光部は絶縁性を有していてもよく有さなくてもよい。
遮光部の材料としては、光電変換層への光照射の少なくとも一部を遮る遮光部が得られれば特に限定されるものではなく、上述したように、光学材料や、光学形状を有する遮光部を形成し得る材料を挙げることができる。中でも、光学材料を用いることが好ましい。遮光部の形成が容易だからである。
光学材料としては、上述したように、反射率が高い材料、透過率が低い材料、光学濃度が高い材料、ヘイズが高い材料、屈折率が異なる2種以上の材料、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収する粒子を含有する材料などが挙げられる。
光学材料としては、具体的に、金属や金属酸化物を挙げることができる。金属としては、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、亜鉛、チタン、タンタル、モリブデン、銅、クロムモリブデン合金、ニッケルモリブデン合金などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化クロム、酸化ニッケルなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を積層してもよい。
また、光学材料として、樹脂バインダ中に、黒色着色剤や、赤、緑、青等の有彩色着色剤を分散させた材料を用いることができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、黒色酸化鉄等の金属酸化物、硫化ビスマス等の金属硫化物などの無機顔料や、フタロシアニンブラック、ニグロシン、アニリンブラック、ペリレンブラックなどの有機顔料が挙げられる。これらの黒色着色剤は、単独で用いてもよく混合して用いてもよい。有彩色着色剤としては、有彩色無機顔料や有彩色有機顔料が挙げられる。樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。
さらに、光学材料として、樹脂バインダ中に、白色顔料を分散させた材料を用いることができる。白色顔料としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、銀フレーク、ケイ酸塩類、ジルコニウム硫酸ソーダ、カオリン、雲母、スチレン等からなる非造膜性のポリマー粒子などが挙げられる。これらの白色顔料は、単独で用いてもよく混合して用いてもよい。樹脂バインダとしては、上述のものを用いることができる。
また、光学材料として、樹脂バインダ中に、樹脂バインダと屈折率が異なる粒子を分散させた材料を用いることができる。粒子の屈折率は、樹脂バインダの屈折率と異なればよく、樹脂バインダの屈折率よりも大きくても小さくてもよい。屈折率は、文献値を参照することができる。
粒子としては、樹脂バインダと屈折率が異なるものであれば特に限定されるものではなく、無機粒子および有機粒子を用いることができる。無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛などの酸化物、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マンガン、フッ化ベリリウム、フッ化リチウムなどのフッ化物、そのほか窒化物、塩化物、硫化物や、硫酸バリウム、チタン酸バリウムなどの粒子が挙げられる。また、有機粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のポリビニル系樹脂、ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、飽和共重合ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、天然高分子系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの粒子が挙げられる。これらの粒子は、1種類のみであってもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
樹脂バインダとしては、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を挙げることができる。
この場合、粒子の平均粒径としては、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収することが可能であれば特に限定されるものではない。なお、平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、本発明においては、レーザー法により測定した値である。レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。レーザー法による粒径測定機としては、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製粒度分析計マイクロトラックUPA Model−9230を使用することができる。
粒子の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、板状、針状、棒状、球状などが挙げられる。中でも、球状が好ましい。
遮光部中の粒子の含有量としては、光を反射、拡散、散乱、屈折、分散、複屈折、吸収することが可能な量であれば特に限定されるものではない。
遮光部の厚みとしては、光電変換層への光照射の少なくとも一部を遮ることができる遮光部が得られれば特に限定されるものではなく、遮光部の材料や遮光部の形成位置に応じて適宜選択される。中でも、透明基板の第1電極層が形成されている面に遮光部が形成されている場合、遮光部の厚みは、第1電極層の厚みと同程度である、あるいは第1電極層の厚みよりも薄いことが好ましい。これにより、第1電極層および遮光部の上に光電変換層を均一な連続膜として形成することができるからである。
遮光部の幅としては、各単位セルの第1電極層間に位置する光電変換層の部分への光照射を遮ることができる幅であれば特に限定されるものではなく、各単位セルの第1電極層間の間隔に応じて適宜設定される。具体的に、遮光部の幅は、20μm〜10mm程度で設定することができる。遮光部の幅が広いと、透明基板上に配置できる単位セルの数が少なくなったり、発電面積が小さくなったりする。また、遮光部の幅が狭いと、光照射が妨げられる光電変換層の部分が小さくなり、隣接する単位セルの光電変換層を実質的に電気的に分離することが困難となる場合がある。
遮光部の形成方法は、光電変換層への光照射の少なくとも一部を遮ることができる遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、遮光部の材料に応じて適宜選択される。具体的に、遮光部の形成方法としては、スパッタリング法や真空蒸着法等により成膜した後にフォトリソグラフィー法等によりパターニングする方法、マスクを用いてスパッタリング法や真空蒸着法等により成膜する方法、フォトリソグラフィー法、印刷法、転写法などが挙げられる。
2.光電変換層
本発明における光電変換層は、第1電極層および第2電極層の間に形成されるものであり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの光電変換層と他の単位セルの光電変換層とが連続膜として形成されるものである。
なお、「光電変換層」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
光電変換層の形状としては、各単位セルの光電変換層が連続膜として形成されていれば特に限定されるものではなく、例えば、図1(a)、図2(a)および図3に例示するように光電変換層4の形状が矩形であってもよく、図4に例示するように光電変換層4の形状が光電変換層の長さ方向に凹凸を有する形状であってもよい。光電変換層の形状は、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続するための第1電極層、第2電極層および接続部の形状や配置に応じて適宜選択される。中でも、光電変換層の形状は矩形であることが好ましい。光電変換層の形成が容易だからである。
光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。
以下、各態様について説明する。
(1)第1態様
本発明における光電変換層の第1態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換層では、光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子の電子伝達機構は、主にπスタッキングによる分子間のホッピング伝導であるため、高分子の主鎖方向のみならず、光電変換層の膜厚方向への電荷輸送も有利である。さらに、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、多くの電子受容性材料に対して、エネルギー準位差が適当であるからである。
なお、例えばフェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体(Poly[1,4-phenyleneethynylene-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)-1,4-phenyleneethene-1,2-diyl-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)ethene-1,2-diyl])の合成方法については、Macromolecules, 35, 3825 (2002) や、Mcromol. Chem. Phys., 202, 2712 (2001) に詳しい。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])、MEH−CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])等が挙げられる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、光電変換層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができ、連続膜が得られる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
光電変換層用塗工液の塗布方法としては、光電変換層用塗工液を均一に塗布することができ、連続膜が得られる方法であれば特に限定されるものではない。中でも、後述するように第1電極層が補助電極と透明電極とが積層されたものである場合、光電変換層用塗工液の塗布方法は、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法であることが好ましい。
なお、「塗布量」とは、塗布膜厚を意味する。「主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法」とは、主に塗布量を調整することによって厚みを制御することができる方法であり、主として塗布量以外のパラメータ、例えば回転数(遠心力)などを調整することにより厚みを制御する方法を除くものである。「主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法」は、主に塗布量(塗布膜厚)を調整することによって厚みを制御することができる方法であればよく、具体的には、塗布速度、吐出量、塗布ギャップなどを調整して塗布量(塗布膜厚)を調整することができる。主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法としては、例えば、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を挙げることができる。一方、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法には、スピンコート法は含まれない。
上述したように、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法としては、例えば、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を挙げることができる。印刷法は有機薄膜太陽電池の大面積化に好適である。
光電変換層用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換層用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥、赤外線加熱乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
(2)第2態様
本発明における光電変換層の第2態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本発明に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子供与性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
3.第1電極層
本発明における第1電極層は、透明基板上に形成されるものであり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第1電極層は他の単位セルの第2電極層と電気的に接続されている。第1電極層は、通常、光電変換層で発生した正孔を取り出すための電極(正孔取出し電極)とされる。本発明においては、第1電極層側が受光面となるので、第1電極層は透明性を有している。
第1電極層は、受光面側の電極となるものであれば特に限定されるものではなく、透明電極であってもよく、また透明電極とパターン状の補助電極とが積層されたものであってもよい。
図5に例示するように第1電極層3がパターン状の補助電極3aと透明電極3bとが積層されたものである場合には、透明電極のシート抵抗が比較的高い場合であっても、補助電極のシート抵抗を十分に低くすることで、第1電極層全体としての抵抗を低減することができる。したがって、発生した電力を効率良く集電することができる。
以下、透明電極および補助電極について説明する。
(1)透明電極
本発明に用いられる透明電極は、透明基板上に形成されるものである。
透明電極の構成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されなく、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。中でも、後述する第2電極層の構成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば第2電極層の構成材料を仕事関数の低い材料とした場合には、透明電極の構成材料は仕事関数の高い材料であることが好ましい。導電性および透明性を有し、かつ仕事関数の高い材料としては、ITOが好ましく用いられる。
透明電極の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明電極の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極にて光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
透明電極のシート抵抗は、20Ω/□以下であることが好ましく、中でも10Ω/□以下、特に5Ω/□以下であることが好ましい。シート抵抗が上記範囲より大きいと、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
透明電極は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
この透明電極の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、透明電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
各単位セルの透明電極は空間で分離されており、透明電極は透明基板上にパターン状に形成される。透明電極のパターンの配置としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することができれば特に限定されるものではなく、第2電極層、接続部および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
透明電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(2)補助電極
本発明に用いられる補助電極は、透明基板上にパターン状に形成されるものである。補助電極は、通常、透明電極よりも抵抗値が低い。
補助電極の形成材料としては、通常、金属が用いられる。補助電極に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ステンレス系金属、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、鉄−ニッケル合金およびニッケル−クロム合金(Ni−Cr)等の導電性金属を挙げることができる。上述の導電性金属の中でも、電気抵抗値が比較的低いものが好ましい。このような導電性金属としては、Al、Au、Ag、Cu等が挙げられる。
また、補助電極は、上述のような導電性金属からなる単層であってもよく、また透明基板や透明電極との密着性向上のために、導電性金属層とコンタクト層とを適宜積層したものであってもよい。コンタクト層の形成材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等が挙げられる。コンタクト層は所望の補助電極と透明基板や透明電極との密着性を得るために導電性金属層に積層されるものであり、導電性金属層の片側にのみ積層してもよく、導電性金属層の両側に積層してもよい。
また、第2電極層の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい金属を選択してもよい。例えば、第2電極層の形成材料の仕事関数等を考慮する場合には、第1電極層は正孔取出し電極であるので、補助電極に用いられる金属は仕事関数の高いものであることが好ましい。具体的には、Alが好ましく用いられる。
補助電極の形状としては、パターン状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、補助電極は、メッシュ状のメッシュ部と、このメッシュ部の周囲に配置されたフレーム部とを有するものであってもよく、メッシュ状のメッシュ部からなるものであってもよい。
補助電極がメッシュ部とフレーム部とを有する場合、メッシュ部およびフレーム部の配置としては、例えば補助電極が矩形である場合、フレーム部が、メッシュ部の四方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の三方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の二方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の一方に配置されていてもよい。中でも、フレーム部は、メッシュ部の四方または三方を囲むように配置されていることが好ましい。効率良く集電することができるからである。
メッシュ部の形状としては、メッシュ状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形や円形の格子状等が挙げられる。なお、多角形や円形の「格子状」とは、多角形や円形が周期的に配列されている形状をいう。多角形や円形の格子状としては、例えば多角形の開口部がストレートに配列されていてもよく、ジグザグに配列されていてもよい。
中でも、メッシュ部の形状は、六角形の格子状または平行四辺形の格子状であることが好ましい。メッシュ部を流れる電流が局所的に集中するのを防止することができるからである。六角形の格子状の場合、特に、六角形の開口部がジグザグに(いわゆるハニカム状に)配列されていることが好ましい。一方、平行四辺形の格子状の場合、平行四辺形の鋭角が40°〜80°の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50°〜70°の範囲内、さらに好ましくは55°〜65°の範囲内である。
補助電極自体は基本的に光を透過しないので、補助電極のメッシュ部の開口部から光電変換層に光が入射する。そのため、補助電極のメッシュ部の開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、補助電極のメッシュ部の開口部の比率は、50%〜98%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜98%の範囲内、さらに好ましくは80%〜98%の範囲内である。
補助電極のメッシュ部の開口部のピッチおよびメッシュ部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
また、フレーム部の線幅は、補助電極全体の面積等に応じて適宜選択される。
補助電極の厚みは、第1電極層と第2電極層との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、光電変換層、正孔取出し層、電子取出し層等の厚みに応じて適宜選択される。具体的には、第1電極層と第2電極層との間に形成される層(光電変換層、正孔取出し層、電子取出し層)の総膜厚を1とすると、補助電極の厚みは、5以下であることが好ましく、中でも3以下、さらには2以下、特に1.5以下であることが好ましく、1以下であることが最も好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。より具体的には、補助電極の厚みは、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内、さらには200nm〜500nmの範囲内、特に200nm〜400nmの範囲内であることが好ましい。補助電極の厚みが上記範囲より薄いと、また補助電極のシート抵抗が大きくなりすぎたりする場合があるからである。また、補助電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
中でも、第1電極層上に、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合、補助電極の厚みは200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。第1電極層上に、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合、補助電極の厚みが上記範囲よりも厚いと、補助電極のメッシュ部やフレーム部のエッジを覆うことが困難となり、電極間で短絡が生じやすくなる。また、補助電極の厚みが上記範囲よりも厚いと、表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されてしまうおそれがある。光電変換層の厚みが厚すぎると、電子拡散長および正孔拡散長を超えてしまい変換効率が低下する。表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されないように、補助電極の厚みを調整することが好ましい。特に、光電変換層内を正孔および電子が移動できる距離は100nm程度であることが知られていることからも、表面張力によって所望の厚みよりも厚く光電変換層が形成されないように、補助電極の厚みを調整することが好ましいのである。
一方、例えばスピンコート法により光電変換層を形成する場合、遠心力により均質な膜とするので、補助電極の厚みが比較的厚くても、補助電極のエッジを覆うことができる。また、スピンコート法の場合、回転数によって厚みを調整することができるので、補助電極の厚みが比較的厚くても、均質な膜を得ることができる。
よって、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法により光電変換層を形成する場合には、上記範囲が特に好ましいのである。
補助電極のシート抵抗としては、透明電極のシート抵抗よりも低ければよい。具体的に、補助電極のシート抵抗は、5Ω/□以下であることが好ましく、中でも3Ω/□以下、さらには1Ω/□以下、特に0.5Ω/□以下であることが好ましく、0.1Ω/□以下であることが最も好ましい。補助電極のシート抵抗が上記範囲より大きいと、所望の発電効率が得られない場合があるからである。
なお、上記シート抵抗は、三菱化学株式会社製 表面抵抗計(ロレスタMCP:四端子プローブ)を用い、JIS R1637(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法:4探針法による測定方法)に基づき、測定した値である。
補助電極の形成位置としては、透明基板上に補助電極および透明電極の順に積層されていてもよく、透明基板上に透明電極および補助電極の順に積層されていてもよい。中でも、透明基板上に補助電極および透明電極の順に積層されていることが好ましい。透明電極と光電変換層や正孔取出し層等との接触面積が大きい方が、界面の接合性が良く、正孔の移動効率を高くすることができるからである。
補助電極の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属薄膜を全面に成膜した後に網目状にパターニングする方法、網目状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、補助電極の形成材料や構成等に応じて適宜選択される。
金属薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法であることが好ましい。すなわち、補助電極は真空成膜法にて形成された金属薄膜であることが好ましい。真空成膜法により成膜した金属種は、めっき膜に比べ介在物が少なく比抵抗を小さくでき、またAgペースト等を用いて成膜したものと比較しても比抵抗を小さくできる。また、厚み1μm以下、好ましくは500nm以下の金属薄膜を、膜厚を精密に制御し、均一な厚みに成膜する方法としても、真空成膜法が好適である。
金属薄膜のパターニング方法としては、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトエッチング法等を挙げることができる。
4.第2電極層
本発明に用いられる第2電極層は、上記第1電極層と対向する電極であり、直列に接続された少なくとも2個の単位セルでは、一の単位セルの第2電極層は他の単位セルの第1電極層と電気的に接続されている。第2電極層は、通常、光電変換層で発生した電子を取り出すための電極(電子取出し電極)とされる。本発明においては、第1電極層側が受光面となるので、第2電極層は透明性を有さなくともよい。
第2電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、第2電極層は電子取出し電極であるので、仕事関数の低いものであることが好ましい。具体的に仕事関数の低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
第2電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
第2電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
各単位セルの第2電極層は空間で分離されており、第2電極層は光電変換層上にパターン状に形成される。第2電極層のパターンの配置としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することができれば特に限定されるものではなく、第1電極層、接続部および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続するために、図1(a)、図2(a)、図3および図4に例示するように接続部6が形成されている場合、接続部は所定の形状となるように形成される。接続部の形状としては、一の単位セルの第2電極層と他の単位セルの第1電極層とを電気的に接続することが可能な形状であれば、特に限定されるものではなく、第1電極層、第2電極層および光電変換層の形状や配置に応じて適宜選択される。
接続部の形成材料は、第2電極層の形成材料と同一であってもよく異なっていてもよいが、通常は第2電極層の形成材料と同一とされる。第2電極層および接続部を同時に形成することができるからである。
接続部の形成方法としては、接続部をパターン状に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばメタルマスクを用いた蒸着法を採用することができる。
5.透明基板
本発明に用いられる透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
上記の中でも、透明基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
6.正孔取出し層
本発明においては、図6に例示するように、第1電極層3(正孔取出し電極)と光電変換層4との間に正孔取出し層8が形成されていてもよい。正孔取出し層は、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、Au、In、Ag、Pd等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
7.電子取出し層
本発明においては、光電変換層と第2電極層(電子取出し電極)との間に電子取出し層が形成されていてもよい。電子取出し層は、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
8.単位セル
本発明においては、複数個の単位セルが透明基板上に平面的に配列されており、複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続されている。
単位セルの接続としては、複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続されていればよく、直列のみであってもよく、直列および並列を組み合わせてもよい。例えば、すべての単位セルが直列に接続されていてもよく、少なくとも2個の単位セルが直列に接続されたものが複数配列されていてもよく、少なくとも2個の単位セルが直列に接続されたもの同士が並列に接続されていてもよい。具体的には、4個の単位セルが透明基板上に平面的に配列されている場合、4個の単位セルを直列に接続してもよく、2個ずつの単位セルを直列に接続して、その間は接続しなくてもよく、2個ずつの単位セルを直列に接続して、その間を並列に接続してもよい。
9.その他の構成
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007−73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
サイズ300mm□、厚み125μmのPETフィルム上にスパッタリング法により長さ250mm、幅20mmのストライプ状にITO電極を形成した。この際、ITO電極のパターンの長さ方向と上記PETフィルムの幅方向とが同じになるようにして、ITO電極のパターンを1mmの間隔で並べて配置した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))とC60PCBM([6,6]-phenyl-C61-butyric acid mettric ester;Nano-C社製)とをブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。続いて、上記PETフィルム上に、この光電変換層用塗工液を、上記ITO電極のパターンの長さと同じ幅でダイコート法により塗工した後に、100℃で10分間乾燥させて、表面抵抗値1MΩ/□以上、厚み200nmの光電変換層を形成した。
次に、上記第1電極層と同一の形状と、上記光電変換層上の任意の位置と隣接する単位セルの端部に位置するITO電極の露出部とが連続的に接続される形状とを兼ね備える蒸着用マスクを用いて、カルシウムおよびアルミニウムを真空蒸着法にて形成して、第2電極層および接続部とした。
次に、上記PETフィルムのITO電極が形成されている側とは反対側の面に、隣接するITO電極の間に相当する位置に、マスク蒸着によりアルミニウムを成膜し、厚み100nm、幅500μmのストライプ状の遮光部を形成した。
これにより、単一の基板上に4個の単位セルが直列に接続されて配置された有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。4個の単位セルを配置した場合、開放電圧値は約2.4Vを示した。
[実施例2]
サイズ300mm□、厚み125μmのPETフィルム上にスパッタリング法により長さ250mm、幅20mmのストライプ状にITO電極を形成した。この際、ITO電極のパターンの長さ方向と上記PETフィルムの幅方向とが同じになるようにして、ITO電極のパターンを1mmの間隔で並べて配置した。
次に、上記PETフィルムのITO電極が形成されている面に、隣接するITO電極の間に相当する位置に、スクリーン印刷法によりカーボンブラックペーストを塗布し、厚み100nm、幅500μmのストライプ状の遮光部を形成した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))とC60PCBM([6,6]-phenyl-C61-butyric acid mettric ester;Nano-C社製)とをブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。続いて、上記PETフィルム上に、この光電変換層用塗工液を、上記ITO電極のパターンの長さと同じ幅でダイコート法により塗工した後に、100℃で10分間乾燥させて、表面抵抗値1MΩ/□以上、厚み200nmの光電変換層を形成した。
次に、上記第1電極層と同一の形状と、上記光電変換層上の任意の位置と隣接する単位セルの端部に位置するITO電極の露出部とが連続的に接続される形状とを兼ね備える蒸着用マスクを用いて、カルシウムおよびアルミニウムを真空蒸着法にて形成して、第2電極層および接続部とした。
これにより、単一の基板上に4個の単位セルが直列に接続されて配置された有機薄膜太陽電池モジュールを作製した。4個の単位セルを配置した場合、開放電圧値は約2.4Vを示した。
1 … 有機薄膜太陽電池モジュール
2 … 透明基板
3 … 第1電極層
3a … 補助電極
3b … 透明電極
4 … 光電変換層
5 … 第2電極層
6 … 接続部
7 … 遮光部
8 … 正孔取出し層
10a,10b,10c,10d … 単位セル
20 … 遮光部形成領域

Claims (3)

  1. 透明基板上に複数個の単位セルが平面的に配列され、前記複数個の単位セルのうち少なくとも2個の単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池モジュールであって、
    前記単位セルは、前記透明基板上に形成された第1電極層と、前記第1電極層上に形成された光電変換層と、前記光電変換層上に形成された第2電極層とを有し、
    直列に接続された前記少なくとも2個の単位セルでは、一の前記単位セルの前記第2電極層と他の前記単位セルの前記第1電極層とが電気的に接続されており、
    前記一の単位セルの前記光電変換層と前記他の単位セルの前記光電変換層とが連続膜として形成されており、
    前記透明基板上に、前記一の単位セルの前記第1電極層と前記他の単位セルの前記第1電極層との間に位置するように、前記光電変換層への光照射を遮る遮光部が形成されていることを特徴とする有機薄膜太陽電池モジュール。
  2. 前記透明基板の前記第1電極層が形成されていない面に前記遮光部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
  3. 前記透明基板の前記第1電極層が形成されている面に前記遮光部が形成され、前記遮光部が絶縁性を有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池モジュール。
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