JP2011123978A - 光学ドライブ装置、フォーカス制御方法 - Google Patents

光学ドライブ装置、フォーカス制御方法 Download PDF

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Kunihiko Hayashi
邦彦 林
Sadayuki Urakawa
禎之 浦川
Takeshi Kubo
毅 久保
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Abstract

【課題】記録膜に対して層識別情報が記録(形成)されていなくても、録再光が所望の記録膜に合焦するようにフォーカス制御を行う。
【解決手段】フォーカスサーチ動作を行ったとき、サーボ光の合焦位置が基準面に到達するタイミングと上記録再光の合焦位置が所望の記録膜に到達するタイミングとが一致していれば、それらの光の合焦位置間の距離は、基準面から所望の記録膜間の距離に正しく一致していることになる。そこで、これらのタイミングを合わせるように合焦位置間の距離を調整する。これにより、上記記録膜に層識別情報が記録されていない場合においても、基準面に対してサーボ光を合焦させるという制御を行うことで、録再光が所望の記録膜に合焦する状態が得られるようにすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ディスク記録媒体についての記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置とそのフォーカス制御方法とに関するものであり、特に、マーク記録(再生)を行うための録再光と、上記光ディスク記録媒体に形成された位置案内子に基づきサーボ制御を行うためのサーボ光とを共通の対物レンズを介して照射するように構成された光学ドライブ装置に適用して好適なものである。
特開2007−287245号公報 特開2009−163811号公報
光の照射により信号の記録/再生が行われる光記録媒体として、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などのいわゆる光ディスク記録媒体が普及している。
これら光ディスク記録媒体の大記録容量化を図るための1つのアプローチとしては、記録層を多層化することが挙げられる。
但し、記録層を多層化した場合には、光ディスク記録媒体の製造コストの増加が問題となる。
そこで、次の図11に示されるような多層光ディスク記録媒体が提案されている。
具体的に、この図11に示す多層記録媒体100は、その一方の面に案内溝の形成に伴う凹凸断面形状が与えられたカバー層102を有する。図示するようにこのカバー層102の上記案内溝が形成された面側に対し、選択反射膜103が成膜された上で、当該選択反射膜103に対しては中間層104としての例えば紫外線硬化樹脂などを介して半透明記録膜105が形成されている。以降、中間層104と半透明記録膜105とが所定回数繰り返して積層された上で、最下層部には、例えば樹脂などによる基板106が形成される。
なお、この多層記録媒体100に対しては、カバー装置102側からレーザ光が入射するものとなる(図12を参照)。
上記半透明記録膜105は、少なくとも記録及び/又は再生のためのレーザ光(録再用レーザ光と称する)の一部を透過(一部を反射)し且つ、所要のパワーによる上記録再用レーザ光が照射された部分で他の部分との反射率差が生じるようにその物性が変化する材料を均一に塗布して形成したものである。
この図11に示すような多層記録媒体100の構造とすることで、従来の単層記録媒体が有する記録層を多層化するという単純な手法を採る場合と比較して、各記録層への案内溝の形成プロセスを省略することができ、結果、多層化にあたっての製造コストの増加を効果的に抑制することができる。
ここで、このような多層記録媒体100は、半透明記録膜105に対するマーク記録/再生を行うための録再用レーザ光のみでなく、上記案内溝を利用してトラッキングやフォーカスなどの制御を行うための光(サーボ用レーザ光と称する)を別途に照射するシステムで用いられることを前提としている。
具体的に、多層記録媒体100について記録再生を行うシステムでは、次の図12に示すような光学系を備える。
図12において、先ずポイントとなるのは、上記録再用レーザ光と上記サーボ用レーザ光とを、共通の対物レンズを介して多層記録媒体100に照射するという点と、図中のフォーカス機構(エキスパンダ)により、上記共通の対物レンズを介して照射される上記録再用レーザ光の合焦位置を上記サーボ用レーザ光の合焦位置とは異なる位置に調整するという点である。
またこの場合は、サーボ用レーザ光として、録再用レーザ光とは波長帯の異なる光を用いている。先の図11において、多層記録媒体105に通常の反射膜でなく選択反射膜103が用いられているのは、サーボ用レーザ光が半透明記録膜105まで到達してマーク記録/再生に悪影響を与えてしまうことの防止を図るためである。つまり選択反射膜103は、録再用レーザ光と同波長帯の光は透過し、それ以外の波長による光は反射するように構成されている。
この図12に示すシステムにおいて、対物レンズの位置制御は、基本的には、サーボ用レーザ光の選択反射膜103からの反射光情報に基づき、図中の2軸アクチュエータを駆動制御することで行う。具体的に、この場合の対物レンズの位置は、サーボ用レーザ光が選択反射膜103に合焦し、且つトラッキング方向においてはサーボ用レーザ光のスポット位置が選択反射膜103に形成された案内溝に追従するようにして制御することとなる。
そして、録再用レーザ光に関しては、図中のフォーカス機構におけるレンズ駆動部を制御することで、対物レンズに入射する録再用レーザ光のコリメーションを変化させることにより、当該録再用レーザ光の合焦位置を上記サーボ用レーザ光の合焦位置とは異なる位置に調整して、所要の半透明記録膜105に合焦させる。
このとき、上記フォーカス機構から出射された録再用レーザ光は、図示するようにミラーにて反射された後、ダイクロイックプリズムで反射されて対物レンズに入射する。このダイクロイックプリズムは、往路においては、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とを同一光軸上に合成する機能を担い、復路においては、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の反射光を分光してそれぞれ別々の受光素子で受光できるようにする機能を担うものとなる。
ここで、上記のように対物レンズは、サーボ用レーザ光のスポット位置が案内溝に追従するように制御される。従って、同じ対物レンズを介して照射される録再用レーザ光のスポット位置としても、自動的に案内溝に沿った位置に制御されることとなる。
すなわち、上記により説明したような対物レンズ(2軸アクチュエータ)及びフォーカス機構(レンズ駆動部)の制御が行われることで、半透明記録膜105に案内溝が形成されていなくとも、選択反射膜3に形成された案内溝に基づいて、マーク記録位置(又は再生位置)を所望の位置に制御できるように図られている。
なお上記説明からも理解されるように、選択反射膜103は、半透明記録膜105に対し録再用レーザ光によるマーク記録/再生を行うにあたって基準となる面となる。この意味で図11や図12においては、選択反射膜103を基準面Refとも表記している。
しかしながら、図11に示したような多層記録媒体100において、半透明記録膜105には、ピット列やグルーブ(ウォブリンググルーブ)の形成による情報記録は一切行われていないため、上記のような手法により合焦位置の調整を行う場合には、録再用レーザ光が何れの半透明記録膜105に合焦しているかを知る術がない。すなわち、図11に示した多層記録媒体100の構造によると、録再用レーザ光が半透明記録膜105に合焦しているか否か自体は判別することができるが、対象とする半透明記録膜105上に合焦しているか否かについてまでは判別を行うことができないものである。
このような問題への対策の1つとして、各記録膜(記録層)に案内溝以外の手段により識別情報(層識別情報)を予め記録しておくということが挙げられる。しかしながらその場合も、各記録層に対して情報記録を行うプロセスが必要となるという意味では製造コストの増加を招くものとなる。
また同時に、ドライブ装置側で層識別情報を読み出して対象層であるか否かの判別を行う必要があるため、その分、アクセス時間の遅延化も招くものとなる。
そこで、本発明では上記のような問題点に鑑み、光学ドライブ装置として以下のように構成することとした。
すなわち、本発明の光学ドライブ装置は、光照射位置を案内するための位置案内子が形成された反射膜と、複数の記録膜とを有する光ディスク記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置であって、上記記録膜に対するマーク記録及び/又は記録マークの再生を行うための光である録再光と、上記反射膜に形成された上記位置案内子に基づいてサーボ制御を行うための光であるサーボ光とが入射され、これら録再光とサーボ光の双方を上記光ディスク記録媒体に対して照射する対物レンズを備える。
また、上記対物レンズを入射光軸に平行な方向に駆動する対物レンズフォーカス機構を備える。
また、上記対物レンズに対して入射する上記録再光又は上記サーボ光の何れか一方の光のコリメーションを変化させる可動レンズを有し、該可動レンズを入射光軸に平行な方向に駆動することで、上記対物レンズを介して上記光ディスク記録媒体に照射される上記録再光と上記サーボ光の各合焦位置間の距離を調整する合焦位置間距離調整部を備える。
また、上記光ディスク記録媒体からの上記録再光の反射光を受光した結果に基づき録再光側フォーカスエラー信号を生成する録再光側フォーカスエラー信号生成部を備える。
また、上記光ディスク記録媒体からの上記サーボ光の反射光を受光した結果に基づきサーボ光側フォーカスエラー信号を生成するサーボ光側フォーカスエラー信号生成部を備える。
さらに、上記対物レンズフォーカス機構により上記対物レンズを駆動させてフォーカスサーチ動作を実行させた状態にて得られる上記録再光側フォーカスエラー信号と上記サーボ光側フォーカスエラー信号とに基づき、上記フォーカスサーチ動作によって上記サーボ光の合焦位置が上記反射膜に到達したタイミングと上記録再光の合焦位置が対象とする上記記録膜に到達したタイミングとを検出し、それらのタイミングを合わせるように上記合焦位置間距離調整部を制御する調整制御部を備える。
ここで、フォーカスサーチ動作を行ったとき、上記サーボ光の合焦位置が上記反射膜(基準面)に到達するタイミングと上記録再光の合焦位置が所望の記録膜に到達するタイミングとが一致していれば、それらの光の合焦位置間の距離は、基準面から所望の記録膜間の距離に正しく一致していることになる。従って上記のようにそれらのタイミングを合わせるように合焦位置間の距離を調整する本発明によれば、サーボ光合焦位置から録再光合焦位置までの間の距離が、基準面から所望の記録膜までの間の距離に正しく合うように調整することができる。つまりこのことで、記録膜に層識別情報が記録されていない場合においても、基準面に対してサーボ光を合焦させるという制御を行うことで、録再光が所望の記録膜に合焦する状態が得られるようにすることができ、その結果、録再光を所望の記録膜上に合焦させるにあたり、記録膜に対する層識別情報の記録(案内溝の形成も含む)は不要とすることができる。
上記のように本発明によれば、位置案内子が形成された反射膜(基準面)と複数の記録膜とを有する光ディスク記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置として、録再光とサーボ光とを共通の対物レンズを介して照射し且つ、上記対物レンズに入射する上記録再光又は上記サーボ光の何れか一方のコリメーションを変化させて上記録再光と上記サーボ光の各合焦位置間の距離を調整するという構成が採られる場合において、上記記録膜に対して層識別情報が記録(形成)されていなくても、上記録再光が所望の記録膜に合焦するようにフォーカス制御を行うことができる。
このような本発明によれば、光ディスク記録媒体の各記録膜の形成プロセスが簡素化されるようにすることができ、それによって従来よりも安価な多層光ディスク記録媒体の提供が可能となる。
実施の形態で記録/再生対象とする光ディスク記録媒体の断面構造図である。 第1の実施の形態の光学ドライブ装置の内部構成を示した図である。 可動レンズ調整位置が誤っている場合でのフォーカスサーチ動作時の録再光及びサーボ光の各合焦位置の関係とフォーカスエラー信号・プルイン信号の関係を示した図である。 可動レンズ調整位置が正しい場合でのフォーカスサーチ動作時の録再光及びサーボ光の各合焦位置の関係とフォーカスエラー信号・プルイン信号の関係を示した図である。 実施の形態としてのフォーカス制御手法について説明するための図である。 誤った層位置に録再光のフォーカスサーボ引き込みが行われた場合の録再光及びサーボ光の各フォーカスエラー信号・プルイン信号の波形を示した図である。 実施の形態としてのフォーカス制御手法を実現するために行われるべき処理の手順を示したフローチャートである。 可動レンズ位置の調整にあたり実行されるべき処理の手順を示したフローチャートである。 サーボ光の合焦位置が基準面に到達したタイミングと録再光の合焦位置が対象とする記録膜に到達したタイミングとの時間差の測定にあたり実行されるべき処理の手順を示したフローチャートである。 第2の実施の形態の光学ドライブ装置の内部構成を示した図である。 記録膜に位置案内子が形成されていない多層光ディスク記録媒体の断面構造図である。 従来の光学ドライブ装置が備える光学系の構成を簡略化して示した図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。

<1.第1の実施の形態>
[1-1.実施の形態で記録再生対象とする光ディスク記録媒体]
[1-2.第1の実施の形態としての光学ドライブ装置の構成]
[1-3.実施の形態としてのフォーカス制御手法]
〜可動レンズ位置の調整〜
〜実施の形態としての対物レンズフォーカスサーボ制御手法〜
[1-4.処理手順]
[1-5.まとめ]
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態としての光学ドライブ装置の構成]
[2-2.第2の実施の形態におけるフォーカス制御手法]
<3.変形例>
<1.第1の実施の形態>
[1-1.実施の形態で記録再生対象とする光ディスク記録媒体]

図1は、第1の実施の形態で記録再生対象とする光ディスク記録媒体の断面構造図を示している。
実施の形態で記録再生対象とする光ディスク記録媒体の構造は、先の図11で説明した多層記録媒体100と同様となる。以下、実施の形態で記録再生対象とする光ディスク記録媒体については、多層記録媒体1と称する。
多層記録媒体1は、ディスク状の光記録媒体であり、回転駆動される多層記録媒体1に対するレーザ光照射が行われてマーク記録(情報記録)が行われる。また、記録情報の再生としても、回転駆動される多層記録媒体1に対してレーザ光を照射して行われる。
なお光記録媒体とは、光の照射により情報の記録又は再生が行われる記録媒体を総称したものである。
図1に示されるように、多層記録媒体1には、上層側から順にカバー層2、選択反射膜3が形成されている。
ここで、本明細書において「上層側」とは、後述する実施の形態としての光学ドライブ装置(記録再生装置10,40)側からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指す。
また、以下では「深さ方向」という語を用いることがあるが、この「深さ方向」とは、上記「上層側」の定義に従った上下方向と一致する方向(すなわち光学ドライブ装置側からのレーザ光の入射方向に平行な方向:フォーカス方向)を指すものである。
多層記録媒体1において、上記カバー層2は、例えばポリカーボネートやアクリルなどの樹脂で構成され、図示するようにその下面側には、記録/再生位置を案内するための案内溝の形成に伴う凹凸の断面形状が与えられている。
上記案内溝としては、連続溝(グルーブ)、又はピット列で形成される。例えば案内溝がピット列で形成される場合、ピットとランドの長さの組み合わせにより位置情報(絶対位置情報:例えば回転角度情報や半径位置情報など)が記録される。或いは、案内溝がグルーブとされる場合、当該グルーブを周期的に蛇行(ウォブル)させて形成することで、該蛇行の周期情報により位置情報の記録が行われる。
カバー層2は、このような案内溝(凹凸形状)が形成されたスタンパを用いた射出成形などにより生成される。
また、上記案内溝が形成された上記カバー層2の下面側には、選択反射膜3が成膜される。
ここで、前述もした通り、案内溝等の位置案内子が形成されていない多層光ディスク記録媒体に対しては、複数形成された記録膜のうち所要の記録膜に対してマーク記録/再生を行うための光(録再用レーザ光)とは別途に、上記のような位置案内子に基づき主にトラッキング方向の位置制御を行うための光(サーボ用レーザ光)を別途に照射するものとされている。
このとき、仮に、上記サーボ用レーザ光が後述する半透明記録膜5に到達してしまうと、マーク記録に悪影響を与える虞がある。このため、サーボ用レーザ光は反射し、録再用レーザ光は透過するという選択性を有する反射膜が必要とされている。先に述べたように、従来では録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とはそれぞれ波長帯の異なるレーザ光を用いるようにされており、これに対応すべく、上記選択反射膜3としては、録再用レーザ光と同波長帯の光は透過し、それ以外の波長による光は反射するという、波長選択性を有する選択反射膜が用いられる。
上記選択反射膜3の下層側には、例えばUV硬化樹脂で構成された中間層4を介して、記録層としての半透明記録膜5が複数積層されている。図示するように多層記録媒体1においては、このような中間層4と半透明記録膜5との組が所定回数繰り返し積層されることになる。この図の例では、半透明記録膜5は5つ形成されており、以下、これらの半透明記録膜5については、上層側から順に記録層L1,L2,L3,L4,L5とも称する。
半透明記録膜5は、図11における半透明記録膜105と同様、少なくとも録再用レーザ光の一部を透過(一部を反射)し且つ、所要のパワーによる上記録再用レーザ光が照射された部分で他の部分との反射率差が生じるようにその物性が変化する材料を均一に塗布して形成したものとなる。
また図1において、最も下層側に形成された半透明記録膜5(記録層L5)のさらに下層側には、例えばポリカーボネートやアクリルなどの樹脂で構成された基板6が積層されている。
ここで、前述の案内溝の形成に伴い凹凸断面形状パターンの与えられた選択反射膜3は、後述もするようにサーボ用レーザ光に基づく録再用レーザ光の照射位置制御を行うにあたっての基準となる反射面となる。この意味で、選択反射膜3が形成された面を以下、基準面Refと称する。
[1-2.第1の実施の形態としての光学ドライブ装置の構成]

図2は、図1に示した多層記録媒体1に対する記録/再生を行う第1の実施の形態としての光学ドライブ装置(以下、記録再生装置10と称する)の内部構成を示している。
図3において、記録再生装置10に装填された多層記録媒体1は、当該記録再生装置10における所定位置においてそのセンターホールがクランプされるようにしてセットされ、図示は省略したスピンドルモータによる回転駆動が可能な状態に保持される。
そして、記録再生装置10には、上記スピンドルモータにより回転駆動される多層記録媒体1に対して録再用レーザ光、サーボ用レーザ光を照射するための光学ピックアップOPが設けられる。
光学ピックアップOP内には、マークによる情報記録、及びマークにより記録された情報の再生を行うための録再用レーザ光の光源である録再用レーザ11と、基準面Refに形成された案内溝を利用した位置制御を行うための光であるサーボ用レーザ光の光源であるサーボ用レーザ24とが設けられる。
ここで、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とはそれぞれ波長が異なる。本例の場合、録再用レーザ光の波長はおよそ405nm程度(いわゆる青紫色レーザ光)、サーボ用レーザ光の波長はおよそ650nm程度(赤色レーザ光)とされる。
また、光学ピックアップOP内には、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の多層記録媒体1への出力端となる対物レンズ20が設けられる。
さらには、上記録再用レーザ光の多層記録媒体1からの反射光を受光するための録再光用受光部23と、サーボ用レーザ光の多層記録媒体1からの反射光を受光するためのサーボ光用受光部29とが設けられる。
その上で、光学ピックアップOP内においては、上記録再用レーザ11より出射された録再用レーザ光を上記対物レンズ20に導くと共に、上記対物レンズ20に入射した上記多層記録媒体1からの録再用レーザ光の反射光を上記録再光用受光部23に導くための光学系が形成される。
具体的に、上記録再用レーザ11より出射された録再用レーザ光は、コリメーションレンズ12を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ13に入射する。偏光ビームスプリッタ13は、このように録再用レーザ11側から入射した録再用レーザ光については透過するように構成されている。
上記偏光ビームスプリッタ13を透過した録再用レーザ光は、固定レンズ14、可動レンズ15、及びレンズ駆動部16から成るエキスパンダに入射する。このエキスパンダは、光源である録再用レーザ11に近い側が固定レンズ14とされ、録再用レーザ11に遠い側に可動レンズ15が配置され、レンズ駆動部16によって上記可動レンズ15が録再用レーザ光の光軸に平行な方向に駆動されることで、録再用レーザ光について独立したフォーカス制御を行う。以下、このエキスパンダについては、録再光用フォーカス機構とも呼ぶこととする。
当該録再光用フォーカス機構における上記レンズ駆動部16は、コントローラ35によって制御される。
上記録再光用フォーカス機構を介した録再用レーザ光は、ミラー17にて反射された後、1/4波長板18を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
ダイクロイックプリズム19は、その選択反射面が、録再用レーザ光と同波長帯の光は反射し、それ以外の波長による光は透過するように構成されている。従って上記のようにして入射した録再用レーザ光は、ダイクロイックプリズム19にて反射される。
上記ダイクロイックプリズム19で反射された録再用レーザ光は、図示するようにして対物レンズ20を介して多層記録媒体1に対して照射される。
対物レンズ20に対しては、当該対物レンズ20をフォーカス方向(多層記録媒体1に対して接離する方向)、及びトラッキング方向(上記フォーカス方向に直交する方向:多層記録媒体1の半径方向)に変位可能に保持する2軸アクチュエータ21が設けられる。
2軸アクチュエータ21には、フォーカスコイル、トラッキングコイルが備えられ、それぞれに駆動信号が与えられることで、対物レンズ20をフォーカス方向、トラッキング方向にそれぞれ変位させる。
ここで、再生時においては、上記のようにして多層記録媒体1に対して録再用レーザ光が照射されることに応じて、多層記録媒体1(再生対象の半透明記録膜5)より上記録再用レーザ光の反射光が得られる。このように得られた録再用レーザ光の反射光は、対物レンズ20を介してダイクロイックプリズム19に導かれ、当該ダイクロイックプリズム19にて反射される。
ダイクロイックプリズム19で反射された録再用レーザ光の反射光は、1/4波長板18→ミラー17→録再光用フォーカス機構(可動レンズ15、固定レンズ14)を介した後、偏光ビームスプリッタ13に入射する。
ここで、このように偏光ビームスプリッタ13に入射する録再用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板18による作用と半透明記録膜5での反射の作用とにより、録再用レーザ11側から偏光ビームスプリッタ13に入射した録再用レーザ光(往路光)とはその偏光方向が90度異なるようにされる。この結果、上記のようにして入射した録再用レーザ光の反射光は、偏光ビームスプリッタ13にて反射される。
このように偏光ビームスプリッタ13にて反射された録再用レーザ光の反射光は、集光レンズ22を介して録再光用受光部23の検出面上に集光する。
また、光学ピックアップOP内には、上記により説明した録再用レーザ光についての光学系の構成に加えて、サーボ用レーザ24より出射されたサーボ用レーザ光を対物レンズ20に導き且つ、上記対物レンズ20に入射した多層記録媒体1(基準面Ref)からのサーボ用レーザ光の反射光をサーボ光用受光部29に導くための光学系が形成される。
図示するように上記サーボ用レーザ24より出射されたサーボ用レーザ光は、コリメーションレンズ25を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ26に入射する。偏光ビームスプリッタ26は、このようにサーボ用レーザ24側から入射したサーボ用レーザ光(往路光)は透過するように構成される。
上記偏光ビームスプリッタ26を透過したサーボ用レーザ光は、1/4波長板27を介してダイクロイックプリズム19に入射する。
先に述べたように、ダイクロイックプリズム19は、録再用レーザ光と同波長帯の光は反射し、それ以外の波長による光は透過するように構成されている。従って上記サーボ用レーザ光はダイクロイックプリズム19を透過し、対物レンズ20を介して多層記録媒体1に照射される。
また、このように多層記録媒体1にサーボ用レーザ光が照射されたことに応じて得られる当該サーボ用レーザ光の反射光(基準面Refからの反射光)は、対物レンズ20を介した後ダイクロイックプリズム19を透過し、1/4波長板27を介して偏光ビームスプリッタ26に入射する。
先の録再用レーザ光の場合と同様に、このように多層記録媒体1側から入射したサーボ用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板27の作用と多層記録媒体1(基準面Ref)での反射の作用とにより、往路光とはその偏光方向が90度異なるものとされ、従って復路光としてのサーボ用レーザ光の反射光は偏光ビームスプリッタ26にて反射される。
このように偏光ビームスプリッタ26にて反射されたサーボ用レーザ光の反射光は、集光レンズ28を介してサーボ光用受光部29の検出面上に集光する。
ここで、図示による説明は省略するが、実際において記録再生装置10には、上記により説明した光学ピックアップOP全体をトラッキング方向にスライド駆動するスライド駆動部が設けられ、当該スライド駆動部による光学ピックアップOPの駆動により、レーザ光の照射位置を広範囲に変位させることができるようにされている。
また、記録再生装置10には、上記により説明した光学ピックアップOPと共に、録再光用マトリクス回路30、サーボ光用マトリクス回路31、セレクタ32、サーボ回路33、及びコントローラ35が設けられる。
録再光用マトリクス回路30は、録再光用受光部23としての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
具体的にこの場合は、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE-rpを生成する。
なお、実際において上記録再光用マトリクス回路30は、トラッキングサーボ制御を行うためのトラッキングエラー信号(TE-rp)や、記録されたマーク列の再生信号に相当する高周波信号(再生信号RF)なども生成するが、本発明は主にフォーカス制御に係るものであるため、図1においては、これらトラッキングエラー信号TE-rpや再生信号RFについての図示は省略している。
録再光用マトリクス回路30にて生成されたフォーカスエラー信号FE-rpは、図示するようにしてセレクタ32に対して供給される。
またフォーカスエラー信号FE-rpは、コントローラ35に対しても分岐して供給される。
また、サーボ光用マトリクス回路31は、上述したサーボ光用受光部29における複数の受光素子からの受光信号に基づき、必要な信号を生成する。具体的には、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE-sv、及び全光量信号(和信号)としてのプルイン(Pull in)信号PI-svを生成する。
なお、サーボ光用マトリクス回路31としても、実際には、トラッキングサーボ制御を行うためのトラッキングエラー信号(TE-sv)や、基準面Refに記録された絶対値位置情報を検出するための信号(位置情報検出用信号)なども生成するが、図1においてはそれらの図示は省略している。
サーボ光用マトリクス回路31にて生成されたフォーカスエラー信号FE-rpとしても、セレクタ32とコントローラ35とに対してそれぞれ供給される。
また、上記プルイン信号PI-svは、コントローラ35に対して供給される。
セレクタ32は、コントローラ35からの指示に基づき、フォーカスエラー信号FE-rpとフォーカスエラー信号FE-svとのうち何れか一方を選択してサーボ回路33に対して出力する。
サーボ回路33は、上記セレクタ32から入力されるフォーカスエラー信号FEに対するサーボ演算(位相補償やループゲイン付与など)処理を行ってフォーカスサーボ信号FSを生成し、該フォーカスサーボ信号FSをドライバ34に対して出力する。
またサーボ回路33は、コントローラ35からの指示に応じて、フォーカスサーボループをオフとしていわゆるフォーカスサーチを行うためのサーチ信号をドライバ34に出力したり、また、フォーカスサーボループをオンとしてフォーカスサーボの引き込みも行う。
ドライバ34は、前述した2軸アクチュエータ21についてのドライバであり、特にこの場合は、サーボ回路33から出力される上記フォーカスサーボ信号FSや上記サーチ信号に基づき、2軸アクチュエータ21における前述のフォーカスコイルを駆動する。
なお、サーボ回路33は、実際には前述の録再光用マトリクス回路30やサーボ光用マトリクス回路31にて生成されたトラッキングエラー信号TE-rp、トラッキングエラー信号TE-svに基づき、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御を行うためのトラッキングサーボ信号TSを生成する。またドライバ34は、当該トラッキングサーボ信号TSに基づき2軸アクチュエータ21のトラッキングコイルを駆動する。
ちなみに、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御に関しては、記録時と再生時とで以下のようにして行うこととなる。すなわち、半透明記録膜5に対して未だマーク列が記録されていない記録時においては、サーボ用レーザ光の反射光から検出されたトラッキングエラー信号TE-svに基づき、当該サーボ用レーザ光の焦点位置を案内溝に追従させるようにして、2軸アクチュエータ21(トラッキングコイル)を駆動して行う。
一方、再生時においては、録再用レーザ光の焦点位置を半透明記録膜5に形成されたマーク列に追従させるため、録再用レーザ光の反射光から検出されたトラッキングエラー信号TE-rpに基づいて2軸アクチュエータ21(トラッキングコイル)を駆動することで行う。
コントローラ35は、例えばCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)などのメモリ(記憶装置)を備えたマイクロコンピュータで構成され、例えば上記ROM等に記憶されたプログラムに従った制御・処理を実行することで、記録再生装置10の全体制御を行う。
具体的にコントローラ35は、例えば上記のような記録時と再生時とでのトラッキングサーボの掛け分けが実現されるように、サーボ回路33に対する制御を行う。
また、コントローラ35は、先に述べた録再光用フォーカス機構におけるレンズ駆動部16に対する制御(図中の調整信号ADJの供給)を行って、可動レンズ15の位置調整を行う。
また、特に本実施の形態の場合、コントローラ35は、フォーカスエラー信号FE-rp、フォーカスエラー信号FE-sv、及びプルイン信号PI-svを入力し、後の図7〜図9に示される処理動作を実行することで実施の形態としてのフォーカス制御動作を実現するものとなるが、これについては後述する。
[1-3.実施の形態としてのフォーカス制御手法]

ここで、図1に示した多層記録媒体1において、録再光によるマーク記録を行うための各半透明記録膜5は、単に記録材料を均一に塗布するなどして形成されたものであり、特段の情報記録は行われていない。このような多層記録媒体1については、録再用レーザ光の反射光情報から、単に録再用レーザ光が半透明記録膜5に合焦しているか否かについては判別することはできるが、合焦している半透明記録膜5が何れの半透明記録膜5であるかまでは特定することができない。
このとき、合焦している半透明記録膜5の別を特定可能とするために、各半透明記録膜5に対し予め層位置の別を表す層識別情報を記録(形成)しておくという手法を採ることも考えられる。しかしながら前述もしたように、その場合は層識別情報を記録する分の記録媒体製造プロセスの増加及び製造コスト増加を招くと共に、記録された層識別情報を読み出して確認する処理が必要になるという点でアクセス時間の遅延化を招く。
本実施の形態は、複数の記録層を有する多層光ディスク記録媒体について、上記記録層に層識別情報が記録されていなくとも、録再用レーザ光を所望の記録層に正しく合焦させることのできる手法を提案するものである。
〜可動レンズ位置の調整〜

本実施の形態において、録再用レーザ光を所望の半透明記録膜5(対象とする半透明記録膜5)に合焦させてマークの記録/再生を行うにあたっては、先ず、図2に示した可動レンズ15の位置調整を行う。すなわち、当該可動レンズ15の位置調整により、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離を、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合わせるようにするものである。
ここで、本実施の形態において、このような可動レンズ15の位置調整は、フォーカスサーチ動作を実行して行う。具体的には、フォーカスサーチ動作として、対物レンズ20を例えば多層記録媒体1に近づける向に変位させ、その際に得られるフォーカスエラー信号FE-rp及びフォーカスエラー信号FE-svのS字波形のゼロクロスタイミングを検出した結果に基づき、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離を調整するものである。
図3、図4は、実施の形態としての可動レンズ位置調整手法について説明するための図である。
図3は、可動レンズ15の調整位置が誤っている場合、すなわちサーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離が、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離と異なっている場合を示している。図4は、可動レンズ15の調整位置が正しい場合(サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離と一致している場合)を示すものである。
これら図3、図4において、(a)図は、フォーカスサーチ動作に伴い移動する録再用レーザ光及びサーボ用レーザ光の合焦位置の様子を模式的に示しており、(b)図は、フォーカスサーチ動作時に得られるプルイン信号PI-sv、フォーカスエラー信号FE-sv、プルイン信号PI-rp、フォーカスエラー信号FE-rpの波形の関係を示している。なお、プルイン信号PI-rpは、録再用レーザ光についてのプルイン信号PIである。
またこれら図3、図4において、対象とする半透明記録膜5(図中ターゲットと表記)は、記録層L3としての半透明記録膜5であるものとする。
先ず、図3及び図4に共通の事項として、対物レンズ20を多層記録媒体1に接近する方向に変位させるようにフォーカスサーチ動作を行った場合、サーボ用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-svには、サーボ用レーザ光の合焦位置が基準面Refに到達する近傍の区間において、各(b)図に示されるようなS字波形が得られる。図中の黒丸で示すフォーカスエラー信号FE-svのS字波形部分における正→負のゼロクロス点(立ち下がりゼロ点)は、サーボ用レーザ光が基準面Refに合焦したタイミングを表す。
また、サーボ用レーザ光についてのプルイン信号PI-svは、サーボ用レーザ光の合焦位置が基準面Refに到達する近傍の期間において、当該サーボ用レーザ光の合焦位置が基準面Refに対して近づくに連れてその振幅が大となり、フォーカスエラー信号FE-svの立ち下がりゼロ点にてピーク値を迎える波形となる。
また、録再用レーザ光側に関しても、フォーカスサーチ時の挙動は基本的にはサーボ用レーザ光側と同様となる。すなわち、録再用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-rpには、録再用レーザ光の合焦位置が順次半透明記録膜5を通過していくごとにS字波形が得られ、各S字波形部分における立ち下がりゼロ点は、録再用レーザ光の合焦位置が各半透明記録膜5に到達したタイミングを表すものとなる。このとき、半透明記録膜5を通過するごとに光量は減少するので、下層側の半透明記録膜5に対応するS字波形ほどその絶対値レベルが減少する傾向となる。
また、録再用レーザ光についてのプルイン信号PI-rpは、最も上層側に位置する半透明記録膜5のS字近傍においてその振幅レベルが増大し、以降、録再用レーザ光の合焦位置が下層側に移行するに連れて徐々に振幅が低下していく波形となる。
ここで確認のために述べておくと、基準面Ref(選択反射膜3)は波長選択性を有するものであり、従って録再用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-rp・プルイン信号PI-rpには、録再用レーザ光の合焦位置が基準面Refに到達した際の波形変化は生じないものとなる。仮に、基準面Refにて100%の波長選択性が得られないとしても、このようなフォーカスエラー信号FE-rp・プルイン信号PI-rpにおける基準面Ref到達時の波形変化はほぼ生じないものとして扱うことができる。
以上の前提を踏まえて上で、可動レンズ15の調整位置が誤っている場合と正しい場合とを対比してみる。
図3においては、可動レンズ15の調整位置が誤っている場合の例として、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離が、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離よりも小である場合を示している。
図示するようにこの場合、録再用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-rpにおける3つ目のS字部分の立ち下がりゼロ点の検出タイミング(図中黒丸)は、サーボ用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-svのS字部分の立ち下がりゼロ点の検出タイミングよりも時間的に後になる。
一方で、図4に示す可動レンズ15の調整位置が正しい場合は、フォーカスエラー信号FE-rpにおける3つ目のS字部分の立ち下がりゼロ点の検出タイミングは、フォーカスエラー信号FE-svのS字部分の立ち下がりゼロ点の検出タイミングと一致する。
これらの対比からも理解されるように、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離が、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離と一致しているか否かを知るためには、フォーカスサーチ動作を行ったときの、フォーカスエラー信号FE-svのS字立ち下がりゼロ点と、フォーカスエラー信号FE-rpにおける対象とするN番目の半透明記録膜5に対応したS字部分の立ち下がりゼロ点のタイミングとを検出し、それらの時間差を調べればよい。
そして、このように求めた時間差の情報に基づき、可動レンズ15を、当該時間差を縮める方向に駆動することで、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離を、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合わせることができる。
具体的に、本例のフォーカス制御手法においては、上記のようにフォーカスサーチ動作を実行したときのフォーカスエラー信号FE-svのS字立ち下がりゼロ点とフォーカスエラー信号FE-rpにおける対象とするN番目の半透明記録膜5に対応したS字部分の立ち下がりゼロ点のタイミングとの時間差を測定した上で、当該時間差が、予め定められた所定値以内に収まっているか否かを判別する。
そして、この判別の結果、上記時間差が上記所定値以内に収まっていないとした場合には、可動レンズ15を、上記時間差を縮める方向に所定量だけ変位させた上で、フォーカスサーチ動作を始めからやり直し、再度、上述のようなフォーカスエラー信号FE-sv、フォーカスエラー信号FE-rpに基づく上記時間差の測定、及び当該時間差が所定値以内に収まっているか否かの判別を行う。
つまり、このような時間差の測定・判別・可動レンズ15の位置調整を繰り返して、上記時間差を上記所定値以内に収める、すなわち、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離を基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合わせるようにするものである。
〜実施の形態としての対物レンズフォーカスサーボ制御手法〜

上記のようにして本実施の形態では、フォーカスサーチ動作を行って各フォーカスエラー信号FEのS字ゼロ点のタイミングを検出した結果に基づき、可動レンズ15の位置を、サーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離を基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合わせるように調整するものとしている。
このような可動レンズ15の位置調整によるサーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離の調整が完了した場合、すなわち、上述の測定時間差についての判別によって当該時間差が上記所定値以内に収まったとされた場合には、その時点での可動レンズ15の位置調整状態を維持したまま、先ずは、フォーカスエラー信号FE-svに基づく対物レンズ20(2軸アクチュエータ21)のフォーカスサーボ制御を開始する。すなわち、可動レンズ15の位置調整がOKとなったことに応じては、先ず、基準面Refに対するサーボ用レーザ光のフォーカスサーボ引き込みを行うようにするものである。
このとき、上述のように可動レンズ15の位置は、サーボ用レーザ光と録再用レーザ光の各合焦位置間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合うように調整されているので、上記のようにサーボ用レーザ光の基準面Refに対するフォーカスサーボの引き込みが行われ、当該サーボ用レーザ光による基準面Refへのフォーカスサーボ制御が正しく実行されている状態では、録再用レーザ光の合焦位置は、対象とする半透明記録膜5の近傍に正しく位置していることになる。
そこで、上記のようにサーボ用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボをオンとした後、当該サーボ用レーザ光のフォーカスサーボの引き込みが成功したとされた場合には、それに応じて、対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を、録再用レーザ光に基づく制御へと切り替える。すなわち、対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を、フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボ制御からフォーカスエラー信号FE-rpに基づくフォーカスサーボ制御へと切り替えるものである。
上記のように録再用レーザ光の合焦位置は、可動レンズ15の位置調整により対象とする半透明記録膜5の近傍に正しく位置するように図られているので、このようなサーボ切り替えを行った際、録再用レーザ光の上記対象とする半透明記録膜5に対するフォーカスサーボ引き込みは、スムーズに行われるようにできる。つまり対物レンズ20のフォーカスサーボ制御は、サーボ用レーザ光に基づく制御から録再用レーザ光に基づく制御へとスムーズに引き継ぐことができる。
上記のようなサーボ切り替え動作(サーボ用レーザ光から録再用レーザ光へのサーボの引き継ぎ動作)により、各半透明記録膜5に層識別情報が記録されていなくとも、録再用レーザ光のフォーカスサーボがターゲットとする所望の半透明記録膜5を対象として正しく行われるようにすることができる。
確認のため、図5を参照して、これまでで説明した実施の形態としてのフォーカス制御の流れを振り返ってみる。
図5は、フォーカスサーチ動作が開始された以降から対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が録再用レーザ光に基づく制御に引き継がれた直後までの期間におけるプルイン信号PI-sv、フォーカスエラー信号FE-sv、プルイン信号PI-rp、フォーカスエラー信号FE-rpの波形の関係を示している。
なお、この図5においてもターゲットの半透明記録膜5は記録層L3である場合を例示している。
この図5を参照して分かるように、フォーカスサーチ動作を実行し、フォーカスエラー信号FE-svのS字立ち下がりゼロ点のタイミングとフォーカスエラー信号FE-rpのN番目(ここでは3番目)のS字立ち下がりゼロ点のタイミングとの時間差を測定した結果、当該時間差が所定値以内に収まっている場合には、可動レンズ15の位置調整はOKとなり、このことに応じては、先ず、サーボ用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-svに基づく対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が開始されるものとなる。すなわち、先の図2に示した構成に照らせば、コントローラ35が、セレクタ32にフォーカスエラー信号FE-svを選択出力させ、サーボ回路33に当該フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボ制御を開始させる指示を行うことになる。
そして、このようにフォーカスエラー信号FE-svに基づく対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を開始させた後(すなわちフォーカスサーボループをオンとした後)、当該フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボの引き込みが成功したとされた場合には、フォーカスエラー信号FE-rpに基づくフォーカスサーボ制御に切り替えを行う。すなわち、コントローラ35が、セレクタ32にフォーカスエラー信号FE-rpを選択出力させ、サーボ回路33に当該フォーカスエラー信号FE-rpに基づくフォーカスサーボ制御を開始させる。
なお、前述のように可動レンズ15の位置調整はOKとなっているので、上記サーボ用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボ制御が実行されている期間では、録再用レーザ光の合焦位置は対象とする半透明記録膜5の近傍に位置している(図中のフォーカスエラー信号FE-rpの波形を参照)。従って先にも述べたように、上記のような録再用レーザ光側へのフォーカスサーボ制御の切り替えは、スムーズに行われるようにすることができる。
ここで、このような録再用レーザ光側へのフォーカスサーボ制御の切り替えがスムーズに行われるか否かは、厳密には、前述の測定時間差についての判別処理(つまり可動レンズ15の位置調整処理を完了するか否かを決定する判別処理)で用いる「所定値」の設定に依存する。
この「所定値」としては、上記のようにサーボ用レーザ光による対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が実行されているときの「録再用レーザ光の合焦位置−対象とする半透明記録膜5」の距離が、少なくともフォーカスサーボの引き込みが可能な範囲内に収まるようにして設定すればよい。具体的に、上記「所定値」は、フォーカスサーチ時に得られるフォーカスエラー信号FE-rpのS字波形部分の最大値側ピークから最小値ピークまでの間の時間差をTppとしたとき、少なくともこの時間差Tppの1/2以下の値に設定すればよい。
より好ましくは、時間差Tppの1/5以下とするのがよい。
これまでの説明からも理解されるように、上記のような可動レンズ15の位置調整を含むフォーカス制御手法によれば、半透明記録膜5に対して層識別情報が記録されていない場合にも、録再用レーザ光のフォーカスサーボ制御が所望の半透明記録膜5を対象として正しく行われるようにすることができる。
但し、実際においては、例えば外乱等の影響により、上述のようなサーボ用レーザ光側から録再用レーザ光側へのフォーカスサーボ制御の切り替えを適正に行うことができない場合も考えられ得る。具体的に、上記サーボ用レーザ側から録再用レーザ光側へのフォーカスサーボ制御の切り替え時においては、外乱等の影響により録再用レーザ光のフォーカスサーボの引き込みが誤った半透明記録膜5を対象として行われてしまう可能性が皆無ではない。仮に、誤った半透明記録膜5を対象として録再用レーザ光のフォーカスサーボ引き込みが行われた場合には、先の図1に示した多層記録媒体1の構造によると、半透明記録膜5に記録された層識別情報を用いてその旨を検知するということができないため、その対策を講じる必要がある。
ここで、図6は、録再用レーザ光のフォーカスサーボ引き込みが誤った半透明記録膜5を対象として行われてしまった場合におけるプルイン信号PI-sv、フォーカスエラー信号FE-sv、プルイン信号PI-rp、フォーカスエラー信号FE-rpの波形の関係を示している。
なお、この図6においても各波形は、先の図5と同様にフォーカスサーチ動作が開始された以降から対物レンズ20のフォーカスサーボ制御が録再用レーザ光に基づく制御に引き継がれた直後までの期間における波形を示しており、またこの場合も対象とする半透明記録膜5は記録層L3であるものとしている。
この図6に示されるように、録再用レーザ光のフォーカスサーボ引き込みが誤った半透明記録膜5を対象として行われてしまった場合には、図5の対象とする半透明記録膜5に正しく引き込みが行われた場合と比較して、サーボ用レーザ光側から録再用レーザ光側へのフォーカスサーボの切り替え後におけるプルイン信号PI-svのレベルが低下することとなる。
これは、この場合におけるサーボ用レーザ光の合焦位置と録再用レーザ光の合焦位置との間の距離が、上述した可動レンズ15の位置調整によって基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に合致するように調整されていることに起因する。
このような現象を利用して、本実施の形態では、サーボ用レーザ光側から録再用レーザ光側へのフォーカスサーボ制御の切り替えを行った後において、プルイン信号PI-svのレベルのモニタを開始し、当該プルイン信号PI-svのレベルが、予め設定された所定レベルを下回ったか否かを判別する。そしてこの判別の結果、プルイン信号PI-svのレベルが上記所定レベルを下回ったとされた場合には、フォーカスサーボの引き込みは誤った半透明記録膜5に対して行われたものとみなし、フォーカス制御をリトライする。具体的には、フォーカスサーボループをオフとした上で、先のフォーカスサーチ動作を伴う時間差の測定処理からフォーカス制御をやり直すものである。
上記プルイン信号PI-svのレベルが上記所定レベルを下回らずに十分なレベルが得られているとされた場合には、対物レンズ20のトラッキング制御に移行する。具体的には、トラッキングサーボループをオンとしてトラッキングサーボの引き込みを行う。
なお先に述べたように、多層記録媒体1の記録時には、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御はサーボ用レーザ光についてのトラッキングエラー信号(TE-sv)に基づき行うことになる。また再生時においては、対物レンズ20のトラッキングサーボ制御は録再用レーザ光についてのトラッキングエラー信号(TE-rp)に基づき行う。従ってコントローラ35は、上記のようにプルイン信号PI-svレベルが上記所定レベルを下回らずに十分なレベルが得られているとされたことに応じ、記録時においては、トラッキングエラー信号TE-svに基づくトラッキングサーボ制御を開始するようにサーボ回路33に対する指示を行い、再生時においては、トラッキングエラー信号TE-rpに基づくトラッキングサーボ制御を開始するようにサーボ回路33に対する指示を行う。
また、上記のようにプルイン信号PI-svに対して設定される「所定レベル」の値は、予め実験的に決定しおく値となる。具体的には、予め基準面Refに対してサーボ用レーザ光のフォーカスサーボをかけた状態でのプルイン信号PI-svのレベルと、誤った半透明記録膜5に引き込みが行われた際のプルイン信号PI-svのレベル(記録層Lの1層分の合焦位置のずれが生じた場合のプルイン信号PI-svのレベル)とを測定した結果から、適切とされる値を定めるものとすればよい。
[1-4.処理手順]

続いて、図7〜図9のフローチャートを参照して、上記により説明した実施の形態としてのフォーカス制御手法を実現するために行われるべき具体的な処理の手順について説明する。
図7は、実施の形態としてのフォーカス制御手法を実現するための全体的な処理の手順を示しており、図8は、図7に示される可動レンズ位置調整処理(ステップS101)として実行されるべき具体的な処理の手順を示している。
また図9は、図8に示される時間差測定処理(ステップS202)として実行されるべき具体的な処理の手順を示している。
なおこれら図7〜図9においては、実施の形態としてのフォーカス制御手法を実現するために行われるべき具体的な処理の手順を、図2に示したコントローラ35が行う処理の手順として示している。
先ず図7により、全体的な処理の手順について説明しておく。
図7において、ステップS101においては、可動レンズ位置調整処理を実行する。すなわち、可動レンズ15の位置を、先の図3,図4を参照して説明したようなフォーカスサーチ動作を実行しての時間差の測定や測定した時間差に基づく判別処理を行った結果に基づいて調整するものである。このステップS101の具体的な処理内容は図8により改めて説明する。
続くステップS102においては、フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボをオンとするための処理を実行する。すなわち、ステップS101の処理において可動レンズ15の位置調整がOKとなったことに応じて、セレクタ32にフォーカスエラー信号FE-svを選択出力させ、サーボ回路33に当該フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボ制御を開始させる指示を行うものである。
続くステップS103においては、引き込みに成功したか否かを判別する。すなわち、フォーカスエラー信号FE-svをモニタした結果に基づき、当該フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボの引き込み(基準面Refを対象としたフォーカスサーボの引き込み)が成功したか否かを判別する。
ステップS103において、フォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボの引き込みが成功していないとの否定結果が得られた場合は、図示するようにエラー処理を実行する。このエラー処理としては、例えばフォーカス制御をステップS101の可動レンズ位置調整処理からやり直すものとすればよい。
一方、上記ステップS103においてフォーカスエラー信号FE-svに基づくフォーカスサーボの引き込みが成功したとの肯定結果が得られた場合は、ステップS104に処理を進めて、フォーカスエラー信号FE-rpに基づくフォーカスサーボへの切り替えを行うための処理を実行する。すなわち、セレクタ32にフォーカスエラー信号FE-rpを選択出力させ、サーボ回路33に当該フォーカスエラー信号FE-rpに基づくフォーカスサーボ制御を開始させる指示を行うものである。
続くステップS105においては、プルイン信号PI-svのレベルのモニタを開始する。
そして、次のステップS106において、プルイン信号PI-svのレベルが低下したか否かを判別する。すなわち、プルイン信号PI-svのレベルが予め設定された所定レベルを下回ったか否かについて判別を行うものである。
ステップS106において、プルイン信号PI-svのレベルが上記所定レベルを下回り、プルイン信号PI-svのレベルが低下したとして肯定結果が得られた場合は、図示するようにステップS101に戻るようにされる。
一方、ステップS106において、プルイン信号PI-svのレベルが上記所定レベルを下回らなかったとして否定結果が得られた場合には、トラッキング制御のための処理に移行する。つまり前述のように、記録時には、トラッキングエラー信号TE-svに基づくトラッキングサーボ制御を開始するようにサーボ回路33に対する指示を行い、再生時には、トラッキングエラー信号TE-rpに基づくトラッキングサーボ制御を開始するようにサーボ回路33に対する指示を行うものである。
続いて、図8について説明する。
図8において、図7に示す可動レンズ位置調整処理(S101)としては、先ず図中のステップS201によって、サーチ開始指示を行う。すなわち、サーボ回路33に対してサーチ信号の出力開始を指示して、対物レンズ20を多層記録媒体1に接近させる方向に駆動させる。
続くステップS202においては、時間差測定処理を実行する。この時間差測定処理は、先の図3、図4を参照して説明した、フォーカスエラー信号FE-svのS字立ち下がりゼロ点とフォーカスエラー信号FE-rpにおける対象とするN番目の半透明記録膜5に対応したS字部分の立ち下がりゼロ点のタイミングとの時間差を測定するための処理であり、その具体的な処理内容については図9により改めて説明する。
次のステップS203においては、時間差が所定値以内であるか否かを判別する。すなわち、上記ステップS202にて測定した時間差の値が、予め設定された上述の「所定値」以内に収まっているか否かについて判別を行うものである。
ステップS203において、上記時間差の値が上記所定値以下に収まってはいないとして否定結果が得られた場合は、ステップS204に進んで時間差を縮める方向に可動レンズ15の位置を調整した後、ステップS205においてサーチ停止指示を行った上で、ステップS201に戻る。つまりこれにより、上記時間差が上記所定値以内に収まるまで、可動レンズ15の位置調整が繰り返されるものである。
なお、上記ステップS204において、コントローラ35は、時間差を縮める方向に可動レンズ15の位置を調整するにあたっては、後の図9にて説明する誤差極性情報を利用することになる。つまりコントローラ35は、上記誤差極性情報が示す極性に応じた方向に可動レンズ15を所定量だけ駆動させることで、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離に近づくように調整を行う。
また、上記ステップS203において、上記時間差の値が上記所定値以下に収まっているとして肯定結果が得られた場合は、ステップS101としての可動レンズ位置調整処理は終了となる。
続いて、図9を参照して、図8に示す時間差測定処理(S202)の具体的な内容について説明する。
図9において、先ずステップS301においては、層数カウント値n=0に設定する。
また続くステップS302では、タイムカウント値をリセットする。
ステップS303においては、S字0点が検出されるまで待機する処理を実行する。すなわち、サーボ用レーザ光についてのフォーカスエラー信号FE-svのS字部分の立ち下がりゼロ点、又は録再用レーザ光のフォーカスエラー信号FE-rpのS字部分の立ち下がりゼロ点の何れかが検出されたか否かの判別処理を、肯定結果が得られるまで繰り返し実行するものである。
ここで、以下では説明の便宜上、S字部分の立ち下がりゼロ点については単にゼロ点とも表記する。
上記ステップS303において、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点又はフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点の何れかが検出されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS304に進み、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点であるか否かを判別する。
ステップS304において、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点ではないとの否定結果が得られた場合(すなわち、サーチ動作開始後に最初に検出されたゼロ点がサーボ用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点である場合)は、ステップS305に進み、先ずはタイムカウントをスタートする。
そして、続くステップS306において、誤差極性情報として「負」の極性情報を保持する。
ここで、上記誤差極性情報は、可動レンズ15の位置の正しい位置(録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離と、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離とが一致する位置)からの誤差の極性を表すための情報として、コントローラ35が保持する情報である。
ここでは、上記のように最初にサーボ用レーザ光側のゼロ点が検出された場合、すなわち録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離よりも小である場合(図3のケース)の極性が「負」であるものとしている。
上記ステップS306の処理を実行した後は、先のステップS303に戻り、再び何れかのゼロ点が検出されるまで待機するようにされる。
なお確認のために述べておくと、フォーカスエラー信号FE-sv側ではS字部分の立ち下がりゼロ点は1箇所しか検出されないので(図3、図4を参照)、一度、ステップS304にて否定結果が得られた後においては、再度ステップS304にて否定結果が得られることはない。すなわち、上記ステップS304→S305→S306の処理が実行された後においてステップS303にて再度ゼロ点が検出された場合、ステップS304においては必ず肯定結果が得られることとなる。
一方、ステップS304において、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点であるとの肯定結果が得られた場合(すなわち、サーチ動作開始後に最初に検出されたゼロ点が録再用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点である場合、又はサーボ用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が先に検出された後に録再用レーザ光側のフォーカスエラーFE-rpのゼロ点が初めて検出された場合)は、ステップS307に進み、層数カウント値nを1インクリメントする(n=n+1)。
そして、続くステップS308においては、層数カウント値nがNとなったか否かを判別する。すなわちこのステップS308の処理は、検出されたゼロ点が、対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するゼロ点であったか否かを判別する処理に相当する。
ここで、上記ステップS304の判別処理で肯定結果が得られるときの場合分けとしては、以下のようになる。

1)フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出された後にフォーカスエラーFE-rpのゼロ点が初めて検出された場合

2)対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点が、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点よりも先に検出される場合(録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離より大)

3)フォーカスエラー信号FE-rp側のゼロ点が先に検出されたが、フォーカスエラー信号FE-sv側のゼロ点が、対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するゼロ点よりも先に検出される場合(N=1以外の場合のみ)
この前提を踏まえた上で、上記ステップS308以降における処理(ステップS309〜S317)について説明する。
先ず、上記ステップS308においてn=Nではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS309に進み、フォーカスエラー信号FE-sv、FE-rpの何れかのゼロ点が検出されるまで待機する。そして、何れかのゼロ点が検出された場合には、ステップS310に進み、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点であるか否かを判別する。
ステップS310において、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点であるとの肯定結果が得られた場合は、先のステップS307に戻り、n=n+1とした上で、再度、ステップS308の判別処理を実行するようにされる。
一方、ステップS310において、検出されたゼロ点がフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点ではないとして否定結果が得られた場合は、ステップS311に進んでタイムカウントをスタートする。つまり、上記ステップS310にて否定結果が得られるということは、上述の3)のケース(フォーカスエラー信号FE-rp側のゼロ点が先に検出されたが、フォーカスエラー信号FE-sv側のゼロ点が対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するゼロ点よりも先に検出される場合)に該当するので、上記のようにステップS311において初めてカウントスタートを開始するものである。
また、3)のケースに該当するということは、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離は、基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離より小であることになる。従って上記ステップS311の処理を実行した後は、ステップS312において、誤差極性情報として「負」の極性情報を保持する。
当該ステップS312の処理を実行した後は、図示するように先のステップS309に戻ることになる。
また、先のステップS308において、n=Nであるとして肯定結果が得られた場合は、ステップS313以降の処理を実行する。
先ず、ステップS313においては、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点を検出済みであるか否かを判別する。
ここで、上記ステップS313において、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出済みでないとされるケースとしては、上述の2)のケース、すなわち対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点がフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点よりも先に検出される場合(録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離が基準面Refと対象とする半透明記録膜5との間の距離より大)に該当する。
このため上記ステップS313において、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出済みでないとして否定結果が得られた場合は、ステップS314に進んでタイムカウントをスタートした後、ステップS315において誤差極性情報として「正」の極性情報を保持する。
そして、上記ステップS315の処理を実行した後は、ステップS316において、フォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出されるまで待機し、該ステップS316にてフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS317に進んでタイムカウントをストップする。つまりこれにより、対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点とフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点との検出タイミングの時間差が測定される。
一方、上記ステップS313においてフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点が検出済みであるとの肯定結果が得られた場合は、そのまま上記ステップS317に進んでタイムカウントをストップし、これにより対象とするN番目の半透明記録膜5に対応するフォーカスエラー信号FE-rpのゼロ点とフォーカスエラー信号FE-svのゼロ点との検出タイミングの時間差の測定結果を得る。
[1-5.まとめ]

以上で説明してきたように、本実施の形態のフォーカス制御手法によれば、位置案内子が形成された選択反射膜3(基準面Ref)と複数の半透明記録膜5とを有する多層記録媒体1に対して記録及び/又は再生を行う場合において、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とを共通の対物レンズ20を介して照射し且つ、上記対物レンズ20に入射する録再用レーザ光のコリメーションを変化させて上記録再用レーザ光と上記サーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離を調整するという構成が採られる場合において、上記半透明記録膜5に対して層識別情報が記録(形成)されていなくても、上記録再用レーザ光が所望の半透明記録膜5に合焦するようにフォーカス制御を行うことができる。
このような本実施の形態によれば、多層記録媒体1の各半透明記録膜5の形成プロセスが簡素化されるようにすることができ、それによって従来よりも安価な多層光ディスク記録媒体の提供が可能となる。
また、本実施の形態では、対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を、サーボ用レーザ光に基づくサーボ制御から録再用レーザ光に基づくサーボ制御に切り替えた後に、サーボ用レーザ光についてのプルイン信号PI-svのレベルをモニタすることで、誤った半透明記録膜5にサーボ引き込みが行われてしまったか否かを判別するものとしている。そして、誤った半透明記録膜5にサーボ引き込みが行われてしまったと判別された場合には、フォーカス制御を時間差測定処理からやり直すものとしている。
このような本実施の形態によれば、半透明記録膜5に層識別情報が記録されていなくても、誤った半透明記録膜5にサーボ引き込みが行われてしまったか否かを判別することができると共に、誤った半透明記録膜5に対するマーク記録(又は再生)が行われてしまうことの防止を図ることができる。
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態としての光学ドライブ装置の構成]

続いて、第2の実施の形態について説明する。
図10は、第2の実施の形態としての光学ドライブ装置(記録再生装置40とする)の内部構成を示している。
なお図10において、既に図2にて説明した部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態は、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離の調整を、先の第1の実施の形態では対物レンズ20に入射する録再用レーザ光側のコリメーションを変化させることで実現していたものを、逆にサーボ用レーザ光側のコリメーションを変化させることで実現するようにしたものである。
具体的に、図10に示す第2の実施の形態の記録再生装置40においては、先の図2に示される録再光用フォーカス機構(固定レンズ14、可動レンズ15、及びレンズ駆動部16)が省略された上で、対物レンズ20に入射するサーボ用レーザ光のコリメーションを変化させる「固定レンズ41、可動レンズ42、レンズ駆動部43」によるエキスパンダ(サーボ光用フォーカス機構とする)が設けられる。図示するようにこのサーボ光用フォーカス機構は、偏光ビームスプリッタ26と1/4波長板27との間に挿入されるようにして設けられる。
上記サーボ光用フォーカス機構としても、録再光用フォーカス機構と同様に、光源であるサーボ用レーザ24に近い側が固定レンズ41とされサーボ用レーザ24に遠い側に可動レンズ42が配置され、レンズ駆動部43によって上記可動レンズ41が入射光軸に平行な方向に駆動されることで、サーボ用レーザ光について独立したフォーカス制御を行う。
上記レンズ駆動部43は、コントローラ35によって制御される(図中、調整信号ADJ)。
この図10に示すような記録再生装置40の構成とした場合、録再光用レーザ光の合焦位置の調整は、対物レンズ20の位置を制御することで行うこととなる。すなわち第2の実施の形態において、対物レンズ20のワーキングディスタンスは、少なくとも最も上層の半透明記録膜5から最も下層の半透明記録膜5までの範囲で録再光用レーザ光の合焦位置を変化させることができるように設定されることになる。
そして、サーボ用レーザ光の合焦位置の調整は、上記サーボ光用フォーカス機構を制御することで行うこととなる。具体的には、コントローラ35が上記サーボ光用フォーカス機構におけるレンズ駆動部43を駆動制御することで、サーボ用レーザ光の合焦位置が基準面Refに対して合うように調整を行うものである。
[2-2.第2の実施の形態におけるフォーカス制御手法]

上記のような第2の実施の形態としての記録再生装置40におけるフォーカス制御手法は、録再光用レーザ光とサーボ用レーザ光との各合焦位置間の距離の調整をサーボ用レーザ光のコリメーションを変化させて行うという点を除けば、第1の実施の形態の場合と同様である。
すなわち、この場合のフォーカス制御手法としても、先ずはフォーカスサーチ動作を行ってサーボ用レーザ光の合焦位置が基準面Refに到達したタイミングと録再光用レーザ光の合焦位置が対象とするN番目の半透明記録膜5に到達したタイミングとの時間差を測定し、この測定時間差が所定値以内に収まるように可動レンズ43の位置を調整する。
そして、このような可動レンズ43の調整によって上記時間差が上記所定値以内に収まったときには、サーボ用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-svに基づく対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を開始し(つまり基準面Refに対するサーボ用レーザ光のフォーカスサーボ引き込みを行い)、その後、サーボ引き込みが成功したとされたことに応じ、対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を上記フォーカスエラー信号FE-svに基づく制御から、録再用レーザ光側のフォーカスエラー信号FE-rpに基づく制御へと切り替える。
またこの場合も、このように対物レンズ20のフォーカスサーボ制御を録再光用レーザ光に基づく制御に引き継いだ後は、サーボ用レーザ光側のプルイン信号PI-svのモニタを開始し、当該プルイン信号PI-svのレベルが予め定められた上述の所定レベルより低下して、誤った半透明記録膜5にサーボ引き込みが行われてしまったと判別された場合には、フォーカス制御を時間差測定処理からやり直すようにする。
このようにしてサーボ用レーザ光側に独立フォーカス機構を設ける第2の実施の形態においても、録再光用レーザ光の合焦位置を層識別情報が記録されていない半透明記録膜5に対して正しく合焦させるためのフォーカス制御の手法自体は、第1の実施の形態の場合と同様となる。
なおこのことからも理解されるように、図10に示すコントローラ35としても、先の図7〜図9に示した第1の実施の形態の場合と同様の処理を実行すればよいものである。
<3.変形例>

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、フォーカスサーチ動作を、対物レンズ20を多層記録媒体1に近づける方向に駆動して行う場合を例示したが、勿論、これとは逆方向に対物レンズ20駆動して行うようにすることもできる。
またこれまでの説明では、録再光用レーザ光とサーボ用レーザ光の各合焦位置間の距離に相当する時間差の値を、それぞれのフォーカスエラー信号のS字部分における立ち下がりゼロ点を基準に測定する場合を例示したが、立ち上がりゼロ点側を基準に上記時間差を測定することもできる。
またこれまでの説明では、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光のそれぞれの反射光を装置側で独立して受光するにあたり、ダイクロイックプリズム19を設けて、それぞれの光の波長の違いを利用して分光を行う手法を例示したが、これに代えて、例えばp偏光/s偏光などの偏光方向の違いを利用した分光を行う構成を採るなど、他の手法により分光を行うようにすることもできる。
例えば上記のように偏光を利用した分光を行う場合、録再光用レーザ光とサーボ用レーザ光とは同波長の光を用いることも可能であり、さらに言えば、録再用レーザとサーボ用レーザとを別々に設ける必要性はなく、光源を1つに共通化することもできる。
またこれまでの説明では、光ディスク記録媒体の基準面に対する位置案内子の形成が、グルーブやピット列などの凹凸断面形状パターンの付与により行われる場合を例示したが、本発明における光ディスク記録媒体が有する位置案内子は、例えばマーク列の記録などの他の手法により形成されたものであってもよい。
またこれまでの説明では、位置案内子が形成された基準面が、複数の記録膜が形成された領域よりも上層側に形成される場合を例示したが、逆に下層側に形成される場合にも本発明は好適に適用できる。
またこれまでの説明では、本発明が光ディスク記録媒体に対する記録及び再生の双方を行う記録再生装置に適用される場合を例示したが、本発明は光ディスク記録媒体に対する記録のみが可能とされた記録専用装置(記録装置)や再生のみが可能とされた再生専用装置(再生装置)にも好適に適用することができる。
1 多層記録媒体、2 カバー層、3 選択反射膜、4 中間層、5 半透明記録膜、10,40 記録再生装置、11 録再用レーザ、12,25 コリメーションレンズ、13,26 偏光ビームスプリッタ、14,41 固定レンズ、15,42 可動レンズ、16,43 レンズ駆動部、17 ミラー、18,27 1/4波長板、19 ダイクロイックプリズム、20 対物レンズ、21 2軸アクチュエータ、22,28 集光レンズ、23 録再光用受光部、24 サーボ用レーザ、29 サーボ光用受光部、30 録再光用マトリクス回路、31 サーボ光用マトリクス回路、32 セレクタ、33 サーボ回路、34 ドライバ、35 コントローラ

Claims (10)

  1. 光照射位置を案内するための位置案内子が形成された反射膜と、複数の記録膜とを有する光ディスク記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置であって、
    上記記録膜に対するマーク記録及び/又は記録マークの再生を行うための光である録再光と、上記反射膜に形成された上記位置案内子に基づいてサーボ制御を行うための光であるサーボ光とが入射され、これら録再光とサーボ光の双方を上記光ディスク記録媒体に対して照射する対物レンズと、
    上記対物レンズを入射光軸に平行な方向に駆動する対物レンズフォーカス機構と、
    上記対物レンズに対して入射する上記録再光又は上記サーボ光の何れか一方の光のコリメーションを変化させる可動レンズを有し、該可動レンズを入射光軸に平行な方向に駆動することで、上記対物レンズを介して上記光ディスク記録媒体に照射される上記録再光と上記サーボ光の各合焦位置間の距離を調整する合焦位置間距離調整部と、
    上記光ディスク記録媒体からの上記録再光の反射光を受光した結果に基づき録再光側フォーカスエラー信号を生成する録再光側フォーカスエラー信号生成部と、
    上記光ディスク記録媒体からの上記サーボ光の反射光を受光した結果に基づきサーボ光側フォーカスエラー信号を生成するサーボ光側フォーカスエラー信号生成部と、
    上記対物レンズフォーカス機構により上記対物レンズを駆動させてフォーカスサーチ動作を実行させた状態にて得られる上記録再光側フォーカスエラー信号と上記サーボ光側フォーカスエラー信号とに基づき、上記フォーカスサーチ動作によって上記サーボ光の合焦位置が上記反射膜に到達したタイミングと上記録再光の合焦位置が対象とする上記記録膜に到達したタイミングとを検出し、それらのタイミングを合わせるように上記合焦位置間距離調整部を制御する調整制御部と
    を備える光学ドライブ装置。
  2. 上記調整制御部は、
    上記フォーカスサーチ動作中に得られる上記録再光側フォーカスエラー信号のS字波形部分におけるゼロクロス点をカウントした結果に基づき、上記録再光の合焦位置が上記対象とする記録膜に到達したタイミングを検出する
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  3. 上記調整制御部は、
    上記対物レンズフォーカス機構を制御して上記フォーカスサーチ動作を実行させて上記サーボ光の合焦位置が上記反射膜に到達したタイミングと上記録再光の合焦位置が対象とする上記記録膜に到達したタイミングとの時間差を測定する時間差測定処理と、
    上記時間差測定処理により測定した時間差が予め定められた所定値以内に収まっているか否かを判別する判別処理と、
    上記判別処理により上記時間差が上記所定値以内に収まってはいないとの判別結果が得られた場合に、上記時間差を縮める方向に上記可動レンズが駆動されるように上記合焦位置間距離調整部を制御する可動レンズ調整処理とを、
    上記判別処理により上記時間差が上記所定値以内に収まったとの判別結果が得られるまで実行する
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  4. 上記録再光側フォーカスエラー信号、又は上記サーボ光側フォーカスエラー信号のうち指示された一方を択一的に選択し、選択したフォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボ信号を生成し、該フォーカスサーボ信号に基づき上記対物レンズフォーカス機構を駆動することで上記対物レンズについてのフォーカスサーボ制御を行うフォーカスサーボ制御部を備えると共に、
    上記調整制御部は、
    上記判別処理により上記時間差が上記所定値以下に収まったとの判別結果が得られたことに応じて、上記フォーカスサーボ制御部に上記サーボ光側フォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボ制御を開始するように指示を行い、その後、該サーボ光側フォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボ制御から上記録再光側フォーカスエラー信号に基づくフォーカスサーボ制御に切り替えを行うように上記フォーカスサーボ制御部に対する切替指示を行う
    請求項3に記載の光学ドライブ装置。
  5. 上記サーボ光の反射光を受光した結果に基づき上記サーボ光のプルイン信号を生成するプルイン信号生成部を備え、
    上記調整制御部は、
    上記切替指示後において上記プルイン信号のモニタを開始した結果、上記プルイン信号のレベルが予め定められた所定レベルを下回った場合には、上記フォーカスサーボ制御部によるフォーカスサーボをオフとさせた上で、再度、上記時間差測定処理から処理をやり直す
    請求項4に記載の光学ドライブ装置。
  6. 上記所定値は、上記フォーカスサーチ動作時に得られる上記S字波形部分の最大値側ピークから最小値側ピークまでの時間差の1/2以下の値とされる
    請求項3に記載の光学ドライブ装置。
  7. 上記所定値は、上記フォーカスサーチ動作時に得られる上記S字波形部分の最大値側ピークから最小値側ピークまでの時間差の1/5以下の値とされる
    請求項3に記載の光学ドライブ装置。
  8. 上記合焦位置間距離調整部における上記可動レンズは、上記対物レンズに入射する上記録再光のコリメーションを変化させる位置に対して挿入されている
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  9. 上記合焦位置間距離調整部における上記可動レンズは、上記対物レンズに入射する上記サーボ光のコリメーションを変化させる位置に対して挿入されている
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  10. 光照射位置を案内するための位置案内子が形成された反射膜と、複数の記録膜とを有する光ディスク記録媒体に対して記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置として、上記記録膜に対するマーク記録及び/又は記録マークの再生を行うための光である録再光と、上記反射膜に形成された上記位置案内子に基づいてサーボ制御を行うための光であるサーボ光とが入射され、これら録再光とサーボ光の双方を上記光ディスク記録媒体に対して照射する対物レンズと、上記対物レンズを入射光軸に平行な方向に駆動する対物レンズフォーカス機構と、上記対物レンズに対して入射する上記録再光又は上記サーボ光の何れか一方の光のコリメーションを変化させる可動レンズを有し、該可動レンズを入射光軸に平行な方向に駆動することで、上記対物レンズを介して上記光ディスク記録媒体に照射される上記録再光と上記サーボ光の各合焦位置間の距離を調整する合焦位置間距離調整部とを備える光学ドライブ装置におけるフォーカス制御方法であって、
    上記対物レンズフォーカス機構により上記対物レンズを駆動させてフォーカスサーチ動作を実行させた状態にて得られる上記録再光についてのフォーカスエラー信号と上記サーボ光についてのフォーカスエラー信号とに基づき、上記フォーカスサーチ動作によって上記サーボ光の合焦位置が上記反射膜に到達したタイミングと上記録再光の合焦位置が対象とする上記記録膜に到達したタイミングとを検出し、それらのタイミングを合わせるように上記合焦位置間距離調整部を制御する
    フォーカス制御方法。
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