JP2011122638A - 連結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で板材を強固に連結することができ、また、固定の手間を軽減することができる板材の連結具を提供する。
【解決手段】 第1の板材110に固定される固定部2の周縁に立壁部3,4を有する係合本体部50と、前記立壁部3,4に、前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材100との接合位置において前記第2の板材100の表面側に位置可能な弾性変形可能な係合部5及び前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材100との接合位置において前記第2の板材100の孔部内に下端9が位置するように構成された弾性変形可能なずれ防止部6と、を備える。
【選択図】 図2A

Description

本発明は、たとえば、建材などの板材同士、特に中空部材同士を接合する板材の連結具及び当該連結具を用いた板材の連結構造に関する。
従来、二つの部材を連結するための接合具として、特許文献1(特開2007−120680号公報)のものが開示されている。
特許文献1に開示の接合具は、板材に設けられた孔に係合部を嵌入させて2つの板材同士を連結するものである。係合部は、挿入方向に向けて外側に漸次広がるように設けられた係合片を有し、当該係合片が板材の孔部の周縁に係合されるように構成されている。
この接合具は、係合部と保持部とが2枚の板材に設けられた孔部を通して板材を狭持するようにして固定し、板材同士を接合するものである。このため、板材を強固に接合するためには、係合片の下端と保持部との間の間隔が2枚の板材の厚み寸法とほぼ一致するようにする必要があり、この間隔を調整可能にするためのパッキン(弾性部材)が設けられている。
特開2007−120680号公報
しかし、係合部と保持部との間隔をパッキン(弾性部材)で調整するようにすると、パッキンの経時劣化により狭持力が弱くなるという問題があった。特に、板材が建材である場合など、屋外使用の場合には、その劣化は顕著であり、板材同士の接合力に問題を生じるものであった。
しかも、一般に、板材はその材質などにもよるが、寸法の精度が必ずしも高いものとはいえない。一般に金属製の板材はその寸法精度を高くすることができるが、樹脂、特に押し出し成形により形成された樹脂加工品は、その厚み寸法に部分的ムラが生じることがある。この板材を単に係合部と保持部の間に形成された隙間で狭持するには、十分な固定ができず、板材同士のずれの発生などの問題があった。
また、板材に設けられた孔部は、係合片の最大幅が通過できるような大きさが必要であり、板材を狭持する係合部と保持部の間の幅寸法よりも大きく構成されている。したがって、板材の厚み寸法のムラなどの原因で生じる係合部と保持部による狭持力が不十分であると、板材はその接合面沿いの方向にずれを生じさせやすいものであった。
また、建材などにおいては、高い意匠性が求められることから、アルミなどの金属製の中空芯材に一体押し出し成形により合成樹脂の被覆層を被覆した建築用部材が開発されており、建築用手摺り、防犯用面格子、デッキ材、バルコニールーバーなどに用いられている。しかし、これらの建築用部材の連結に、ズレなく板材同士を強固に固定するには、上記接合具では不十分であった。このため、現在広く用いられている固定方法は、板材間に架橋するように連結具を配置し、連結具と板材をねじ止めするなどの手法であった。この方法は、板材の固定に手間がかかり、また、連結具が外側から見えるなど意匠面でも十分とはいえないものであった。
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、簡単な構成で板材を強固に連結することができ、また、固定の手間を軽減することができる板材の連結具及び当該連結具を用いた板材の連結構造を提供することである。
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の板材の連結具を提供する。
本発明の第1態様によれば、第1の板材に固定され、第2の板材の接合面に形成された孔部に挿通する少なくとも2つの立設面を有する係合本体部と、
前記係合本体部の立設面に、前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材との接合位置において前記第2の板材の表面側に位置可能な弾性変形可能な係合部と、
前記係合本体部の立設面に、前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材との接合位置において前記第2の板材の孔部内に下端が位置するように構成された弾性変形可能なずれ防止部と、を備えることを特徴とする、板材の連結具を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記係合本体部は、前記第1の板材の接合面に固定される固定部と、前記固定部に対して立設され前記立設面を有する立壁部で構成されることを特徴とする、第1態様の板材の連結具を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記係合本体部は、前記固定部と立壁部が一体的に設けられた板状部材で構成され、固定部の周縁部において前記固定部に対して立設するように屈曲して設けられた立壁部を備えることを特徴とする、第2態様の板材の連結具を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記固定部は、矩形に構成され、中央部分に前記第1の板材に固定するための貫通孔が設けられていることを特徴とする、第2又は第3態様の板材の連結具を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記係合部及びずれ防止部は、前記立設面に前記係合本体部の挿入方向に直行する面に対して対称となるように設けられ、
一方の係合部及びずれ防止部が前記第1の板材に設けられた孔部に挿通して前記第1の板材と連結する固定部として機能することを特徴とする、第1態様の板材の連結具を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記係合本体部は、1枚の板状部材を互いに平行な2辺で屈曲して構成されたコの字状の部材の外側面を前記立設面とすることを特徴とする、第5態様の板材の連結具を提供する。
本発明の第7態様によれば、前記係合本体部は、互いに対向する立設面が、中間部分で段差が形成されるように構成されていることを特徴とする、第6態様の板材の連結具を提供する。
本発明の板材の連結具及び当該連結具を用いた板材の連結構造によれば、係合本体部が第1の板材に固定されており、また、第2の板材の孔部を挿通した立設面に設けられた係合部が、第2の板材の表面側に係合しているため、簡単に第2の板材を係合し脱落を防止して、2つの板材を連結することができる。また、その下端が当接しているずれ防止部が第2の板材の孔部内の肉厚部分に当接し、孔部接合面に沿った方向に第2の板材を押圧しているため、第2の板材が連結具に対して厚み方向及び接合面方向にずれることを防止することができる。また、連結具は第1の板材に固定されているため、第1の板材と第2の板材の接合面方向のずれを防止することができる。したがって、係合部及びずれ防止部の双方によって板材の厚み方向及び面方向の位置ズレを防止するため、係合部の位置を板材の厚み寸法に厳格に一致させる必要はなく、パッキンなどを用いなくても位置ズレなく2つの板材を連結することができる。
本発明の第2態様によれば、固定部が第1の板材の接合面に積層した状態に固定されるため、連結具と第1の板材の固定を強固にすることができ、また、第2の板材に挿通される立壁部の構成を簡単にすることができる。また、固定部と立壁部を一体的に構成することで、製造を容易にすることができる。
本発明の第4態様によれば、固定部の中央に設けられた貫通孔にビスなどの手段を用いて、第1の板材に係合本体部を簡単に固定することができる。
本発明の第5態様によれば、それぞれ逆向きに設けられた係合部及びずれ防止部によって、2枚の板材を係合させることができる。また、コの字状の部材の外側面を立設面とすることで、構成を簡単にすることができる。
本発明の第7態様によれば、中間部分の段差によって、第1の板材と第2の板材の挿通の幅を決定することができ、2枚の板材と連結具との位置を固定することができる。
本発明の実施形態にかかる板材の連結具を使用した板材の連結構造を示す分解斜視図である。 図1Aの部分拡大図である。 本発明の第1実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。 図2Aの板材の連結具の展開図である。 図2Aの板材の連結具の平面図である。 図2Aの板材の連結具の正面図である。 図2Aの板材の連結具の右側面図である。 図2Aの板材の連結具の連結工程を示す右側面側から見た断面図である。 図2Aの板材の連結具の連結工程を示す右側面側から見た断面図である。 図2Aの板材の連結具の連結状態を示す正面側から見た断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。 図7の板材の連結具の連結状態を示す正面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る板材の連結具について、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本発明の実施形態にかかる板材の連結具を使用した板材の連結構造を示す分解斜視図である。図1Bは、図1Aの部分拡大図である。本実施形態にかかる板材の連結具は、図1Aに示すように、2枚の板材100、110を連結するための部材である。2枚の板材100、110は、それぞれ平滑な接合面同士が接触するように連結具によって連結される。なお、連結具の材質は、金属材料を用いるのが好ましい。例えば合成樹脂材料等からも連結具を形成することが可能であるが、板材が合成樹脂を被覆した金属材料のような場合、連結具自体の強度も要求される。したがって、金属材料、例えばステンレス、亜鉛鋼板等を用いるのが好ましい。
図1Bに示すように、板材の連結具1によって連結される第1の板材110、第2の板材100はそれぞれ中空の部材であり、板材100,110を構成する壁板101,110に設けられた孔部102,112に連結具1を通して板材100,110を固定する。本実施形態では、板材100,110は、アルミ芯材の外面に合成樹脂を被覆した押出成形体で構成されている。連結具1は、第1の板材110の壁板111に設けられたネジ孔112にネジ90で固定され、第2の板材100の壁板101に設けられた孔部102に挿通して、孔部102の周縁に係合し、両者を連結する。
本実施形態にかかる連結具は、中空状の板材、特に押出成形により得られる断面中空状長方形の板材を連結するのに有用である。単なる平板状部材であれば、いわゆる汎用的なビス固定、ネジ固定が可能だからである。特に連結する2つの板材が、共に断面中空状長方形押出成形体の場合等、ネジ固定、ビス固定が非常に困難な場合、本実施形態にかかる連結具は極めて有用である。
また、本実施形態にかかる連結具は、中空状の金属製芯材に合成樹脂を被覆したような成形体、例えば特開2007−62276号公報や特開2007−175949号公報に開示されるような一体押出成形体に用いる場合、極めて有効である。上記公報に開示されるような、厚み1〜5mmのアルミ芯材に対して、厚み0.05〜3mmの合成樹脂を被覆した一体押出成形体は、外観性を必要とする用途に使用されることが多く、当該中空状成形体同士をビス固定、ネジ固定できない場合が多いためである。また、合成樹脂単体と比べると寸法精度が良いため、弾性力を用いた連結具が使用可能であるが、金属単体に比べると寸法精度は落ちるため、固定後のズレが生じるおそれがある。したがって、本実施形態にかかる連結具が非常に有効となる。
図2Aは、本発明の第1実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。本発明の板材の連結具は、第1の板材110に固定され、第2の板材100の壁板101を貫通するように形成された孔部102に挿通する少なくとも2つの立設面50を有する係合本体部51を備える。係合本体部51の立設面50には、係合本体部51の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、第2の板材100との接合位置において第2の板材100の表面側に位置可能な弾性変形可能な係合部5と、係合本体部51の立設面50に、係合本体部51の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、第2の板材100との接合位置において第2の板材の孔部102内に下端9が位置するように構成された弾性変形可能なずれ防止部6と、を備えることを特徴とするものである。
板材の連結具は、第1の板材110に固定された係合本体部51に立設面50が設けられている。立設面50は第2の板材100に設けられた孔部102を挿通するように設けられている。立設面50は、第1の板材110の接合面に対し立設するように設けられていればよく、例えば、孔部102の寸法よりも若干小さく構成され孔部102を挿通可能なブロック状の部材の外面を立設面50として利用することもできる。
立設面50には、係合部とずれ防止部が設けられている。係合部は、立設面が孔部102を挿通して板材100が接合位置に存在するとき、その下端が第2の板材100の表面側103(図4B参照)に位置し、孔部102の周縁に係合するように構成されている。ずれ防止部は、立設面が孔部102を挿通して第2の板材100が接合位置に存在するとき、その下端が板材の孔部102内の壁板101の厚み内に位置し、壁板101を押圧するように構成されている。
係合部とずれ防止部は、いずれも立設面が孔部102を挿通しやすいように、係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、ともに弾性変形可能に構成されている。すなわち、係合部とずれ防止部は、互いに下端の位置が異なっており、係合部が、第2の板材100が接合位置に存在するとき、その下端が第2の板材100の孔部102を完全に挿通するのに対し、ずれ防止部は、第2の板材100が接合位置に存在するとき、その下端が第2の板材100の孔部102内に存在している点で異なる。
係合部は、その下端が第2の板材100の孔部102を完全に挿通するため、第2の板材100の脱落を確実に防止することができる。
ずれ防止部は、第2の板材100が接合位置に存在するとき、第2の板材の壁板101を押圧するため、係合本体部51が第2の板材100の孔部102内で移動することを防止する。したがって、第2の板材100が係合本体部51に対して厚み方向にも面方向にもずれることを防止する。また、係合本体部は、第1の板材110に固定されているため、結果として、第1と第2の板材110,100のずれを防止することができる。
(第1実施形態)
次に本発明の実施形態の具体的構成について説明する。図2Aに示す本発明の第1実施形態にかかる板材の連結具は、図2Bの展開図に示すように、一枚のステンレス板(厚み約0.8mm)で構成された板状部材52を折り曲げ線55,56で折り曲げて作成されている。連結具1は、第1の板材110の表面に配置される固定部2と固定部2のそれぞれ周縁4箇所に設けられた立壁部3,4とを備えている。また、立壁部3,4には、係合部5及びずれ防止部6が設けられている。なお、第1及び第2の板材共に、1.2mmの断面中空状長方形のアルミ芯材に、厚み0.2mmのポリエステル樹脂層及び厚み0.6mmのアクリル樹脂層が一体押出成形により被覆されたものであり、合計厚み(肉厚)は約2mmである。
固定部2は、平板状の部材であり、中央部分に貫通孔7が設けられている。本実施形態では、固定部2は矩形に構成されているが、例えば、三角形などの多角形で構成されていてもよいし、円形に構成されていてもよい。固定部2は、第2の板材の壁板101の孔部102に収まるような寸法に構成されていることが好ましく、さらに好ましくは、孔部102に内接する形状より若干小さく構成されている。
貫通孔7は、第1の板材110との固定のために設けられており、当該貫通孔7にネジを挿入して固定部2の裏面とを第1の板材110の表面が密着するように固定する。
立壁部3,4は、板状部材52を折り曲げ線55で折り曲げ、固定部2に対してほぼ垂直方向に立設された部材である。立壁部3,4の外側表面は、係合本体部51の立設面50として機能する。立壁部3,4は、固定部の周縁に互いに対向するように2対設けられており、使用時に第2の板材壁板101の孔部102内に挿通する。このため、立壁部3,4の外縁形状は、第2の板材壁板101の孔部102に内接する形状よりも小さく構成されていることが必要である。なお、立壁部3,4の外縁形状が孔部102に対して小さすぎると、2つの板材の連結時にがたつきの原因となりやすい。
なお、本実施形態では、立壁部3,4の先端部分3a,4aは、孔部102内への挿入を容易にするために、折り曲げ線56でそれぞれ若干内側に屈曲されている。
係合部5及びずれ防止部6は、それぞれ対向する立壁部3,4に1つずつ設けられている。立壁部3,4に設けられた係合部5及びずれ防止部6は、立壁部3,4に設けられたスリット53,54で区画された部分によって構成される。スリット53,54は、固定部2側に凸になるように構成されており、本実施形態では、コの字状に設けられている。また、スリットの幅は特に限定されるものではなく、本実施形態では、板状部材に設けられた切り込みをスリットとしている。本実施形態では、それぞれ折り曲げ線56がスリットの開口位置に略一致しているため、それぞれ折り曲げ線56で立壁部の上端部分を内側に折り曲げることにより、係合部5及びずれ防止部6は外側へ突出する。
なお、係合部5及びずれ防止部6の外側への折り曲げ量は、後述する係合部5及びずれ防止部6の機能を実現できる程度にすることが好ましく、折り曲げ量が多すぎても少なすぎても十分な機能を実現することができない。
図3Aは、図2Aの板材の連結具の平面図である。図3Bは図2Aの板材の連結具の正面図である。係合部5の下端8は、固定部2の下端から板材壁板101の厚み寸法分だけ高い位置となるように構成されている。このため、図3Bに示すように、板材101が接合位置に存在するとき孔部102を通過して板材の表面103側に配置され、図3A、図3Bに示すように、係合部5の下端8が壁板101に突き当たって第2の板材壁板101に設けられた孔部102の周縁102aに係合し、壁板101の連結具1からの脱落を防止する。
したがって、係合部5は、対向する下端8間の距離が板材壁板101の孔部102の直径よりも大きくなるように外側へ突出される。また、係合部5の突出量が大きいと、連結具1を孔部102に挿通させるために大きい力が必要となり、使用時の手間が大きい。また、係合部5の下端と固定部の下端との距離が大きくなり、板材100のがたつきの原因となる。
図3Cは、図2Aの板材の連結具の右側面図である。ずれ防止部6は、図3A、図3Cに示すように、第2の板材壁板101に設けられた孔部102内に残るように構成される。ずれ防止部6の下端9は、固定部2の下端から板材壁板101の厚み寸法分よりも低い位置となるように構成されている。このため、図3Cに示すように、第2の板材100が接合位置に存在するとき孔部102を通過せずに孔部102内に残り、ずれ防止部6の下端9が板材壁板101の孔部102の外壁102bを外側に押圧して第2の板材100と連結具1の位置ずれを防止する。特に、ずれ防止部6は、板材100の挿通方向に対して下端9が返し方向になっているため、ずれ防止部6の下端によって第2の板材100が脱落する方向への移動(位置ずれ)を防止することができる。また、第2の板材100の面方向への位置ずれについても、ずれ防止部6の弾性力による押圧により防止することができる。
したがって、ずれ防止部6は、対向する下端9間の距離が板材壁板101の孔部102の直径よりも大きくなるように外側へ突出される。また、ずれ防止部6の突出量が大きいと、連結具1を孔部102に挿通させるために大きい力が必要となり、使用時の手間が大きくなるという問題が生じる。
第1実施形態にかかる連結具1は、図4Aに示すように、第1の板材110の壁板表面に固定部2が当接するようにネジ90で固定される。このとき、図4Aに示すように、立壁部3は板材壁板111に対して立設するので、第2の板材壁板101に設けられた孔部102に立壁部3を挿通させる。
第2の板材100が当接位置にまで移動する段階では、係合部5は弾性変形して孔部102を通過する。最終的に、図4Bに示すように、第1の板材110と第2の板材100が当接位置にまで移動すると、係合部5の下端8は孔部102を通過し、第2の板材壁板101の表面側に移動し、孔部102の周縁に係合する。
また、ずれ防止部6は、第2の板材100が当接位置にまで移動する段階では、係合部5と同様に弾性変形して孔部102を通過するが、図4Cに示すように、下端9は孔部102を通過せずに孔部102内に残る。したがって、ずれ防止部6は、孔部102を押圧し、第2の板材100の連結具1に対する位置ずれを防止する。
上記のように連結具1は、第1の板材壁板111にネジ90で位置ずれしないように強固に固定されているため、第1の板材110と第2の板材100は、連結具1を介して位置ずれなく連結される。
本実施形態の連結具によれば、固定部2が第1の板材100に固定されており、固定部と一体的に構成された立壁部3,4が、第2の板材壁板101の孔部を挿通し、係合部5が表面側に係合して第2の板材100の脱落を防止しているため、簡単な構成で2つの板材を連結することができる。また、その下端が孔部102内に当接しているずれ防止部6が板材の挿通方向に対して下方外向きの応力で第2の板材壁板101を押圧しているため、第2の板材が連結具1に対して厚み方向にも接合面方向にもずれることを防止することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。本実施形態にかかる連結具10は、一枚の金属板で構成された板状部材を対向する2辺で折り曲げて作成されている。連結具10は、第1の板材110の壁板表面に配置される固定部12と固定部12の対向する周縁2箇所に設けられた立壁部13を備えている。また、立壁部13には、係合部15及びずれ防止部16が設けられている。
固定部12は、平板状の部材であり、中央部分に貫通孔17が設けられている。本実施形態では、固定部12は矩形に構成されている他の形状としてもよい。固定部12は、第2の板材100の孔部102に収まるような寸法に構成されていることが好ましい。
貫通孔17は、第2の板材100との固定のために設けられており、当該貫通孔17にネジを挿入して固定部12の裏面とを板材110の壁板表面が密着するように固定する。
立壁部13は、板状部材を折り曲げ、固定部2に対してほぼ垂直方向に立設された部材である。立壁部13の外側表面は、係合本体部51の立設面50として機能する。立壁部13は、固定部12の対向する周縁に一対設けられており、使用時に第2の板材100の孔部102内に挿通する。このため、立壁部13の外縁形状は、第2の板材100の孔部102に内接する形状よりも小さく構成されていることが必要である。なお、本実施形態では、立壁部13の先端部分は、孔部102内への挿入を容易にするために若干内側に屈曲されている。
立壁部13に設けられた係合部15及びずれ防止部16は、縦壁部13に設けられたスリットで区画された部分によって構成される。スリットは本実施形態では、コの字状に設けられている。係合部15及びずれ防止部16は、各立壁部13にそれぞれ並列して設けられている。
係合部15の下端は、固定部12の下端から第2の板材壁板101の厚み寸法分だけ高い位置となるように構成されており、係合部15は第2の板材100に設けられた孔部102の周縁に係合する。
ずれ防止部16は、第2の板材壁板101に設けられた孔部102内に残るように構成される。ずれ防止部16の下端は、固定部12の下端から板材壁板101の厚み寸法分よりも低い位置となるように構成されている。このため、第2の板材100が接合位置に存在するとき孔部102を通過せずに孔部102内に残り、ずれ防止部16の下端が第2の板材100の孔部102の外壁102bを外側に押圧して板材101と連結具1の位置ずれを防止する。
第2実施形態にかかる連結具10は、第1実施形態にかかる連結具1と同様に、第1の板材壁板111の表面に固定部12が当接するようにネジ90で固定される。このとき、板材111に対して立設する立壁部13を第2の板材100に設けられた孔部102に挿通させる。
第2の板材100が当接位置にまで移動する段階では、係合部15及びずれ防止部16は弾性変形して孔部102を通過する。最終的に、第1の板材110と第2の板材100が当接位置にまで移動すると、係合部15の下端は孔部102を通過し、孔部102の周縁に係合する。また、ずれ防止部16は孔部102を通過せずに孔部102内に残り、第2の板材100の連結具1に対する位置ずれを防止する。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態にかかる板材の連結具の構成を示す斜視図である。本実施形態にかかる連結具20は、一枚の金属板で構成された板状部材を対向して平行に設けられた2つの折り曲げ線で折り曲げ、断面コの字状になるように作成されている。
連結具20は、平行に設けられた2つの折り曲げ線に挟まれた中壁21と、中壁21の両端側に位置する端壁22とを備えている。連結具20は、2つの板材100,110に設けられた連結孔103,113(図8参照)に図示長手方向に挿通してそれぞれの板材に係合する。連結孔103,113は、異なる大きさに構成される。
2つの板材100,110を連結する。中壁21及び端壁22の外側表面は、係合本体部の立設面として機能する。中壁21には、中央部分に互いに対称に配置されたずれ防止部26a,26bが設けられており、端壁22には、対称に配置された係合部25a,25bが設けられている。
端壁22は、中央部分に段差23を備え、両端側で幅寸法が異なる構造となっている。第一端側の幅寸法Hは、中間壁21の幅寸法Wよりも大きく、第二端側の幅寸法Hは、中間壁21の幅寸法Wと略同じになるように構成されている。
第一端側の中壁21及び端壁22の外縁形状は、第1の板材110の連結孔113を通るが、第2の板材100の連結孔103を通らないような寸法に構成されている。このように連結孔と外縁形状を構成することにより、段差21が第2の板材100の壁板101表面に当接し、連結具20が挿通方向に位置ずれしないようにすることができる。
中壁21及び端壁22に設けられた係合部25a,25b及びずれ防止部26a,26bは、中壁21及び端壁22に設けられたスリットで区画された部分によって構成される。スリットは、連結具20の中央側に凸になるように構成されている。
2つの係合部25a,25bの端部28a,28b間の距離は、おおむね第1の板材壁板111及び第2の板材壁板101の厚みの合計寸法と等しく構成されている。また、段差23から第一端側の係合部25aの端部28a及び第二端側の係合部25bの端部28bまでの距離は、それぞれ第1の板材壁板111及び第2の板材壁板101の厚み寸法と略等しく構成されている。
第3実施形態にかかる連結具20は、図8に示すように、第1の板材110及び第2の板材100に設けられた連結孔103,113が重畳するように板材を配置し、連結孔103,113に連結具を挿通して2つの板材を連結する。このとき、図8に示すように、互いに対称に設けられた係合部25a,25bは、それぞれの板材100,110の連結孔103,113周縁に係合する。
また、上述のように、端壁22に設けられた段差23によって、連結具20が挿通方向へ位置ずれしないように構成されており、第一端側の係合部25aによって第1の板材が、第二端側の係合部25bによって第2の板材100が狭持されるため、両板材を位置ズレなく連結することができる。したがって、係合部25a、25bは、他方の係合部の観点からは、板材と連結具20を固定する固定部として機能することとなり、さらに段差23によって板材と連結具20との固定を強固にすることができる。
また、端壁22に設けられた段差23位置とずれ防止部26a,26bの端部29a,29bまでの中壁21に沿った方向の距離は、それぞれ第1の板材壁板111及び第2の板材壁板101の厚み寸法よりも小さくなるように構成されている。
中壁21に設けられたずれ防止部26a,26bは、その端部29a,29bがそれぞれ第1の板材110及び第2の板材100に設けられた連結孔113,103内に残り連結孔113,103の内壁を押圧するように構成される。ずれ防止部26a,26bによって、第1の板材110及び第2の板材100の連結具20に対する位置ずれが防止される。
以上説明したように、本発明の各実施形態にかかる発明によれば、第1の板材壁板111及び第2の板材壁板101に係合する係合部5,15,25a,25bによって、第1の板材110及び第2の板材100を厚み方向にがたつくことなく連結できるとともに、ずれ防止部6,16,26a,26bによって第1の板材110及び第2の板材100の孔部内を面方向に沿った応力で押圧しているので、両板材の面方向に沿った位置ずれも防止することができる。
また、いずれの実施形態も、一枚の金属板から構成される板状部材52を折り曲げるだけで作成することができるため、容易に作成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、各実施例では2枚の板材を連結する場合について説明しているが、3枚以上の板材を連結することもできる。この場合は、各実施形態にかかる第1の板材と第2の板材の間に、孔部を設けた第3の板材を配置し、第1の板材と第2の板材によって第3の板材を狭持するようにすればよい。
また、例えば、各実施形態では、いずれも係合部及びずれ防止部を構成するためにコの字状のスリットを設けているが、V字型などのスリットなどで構成されていてもよい。特にずれ防止部をV字型のスリットで構成すれば、ずれ防止部の下端が尖端になるため、板材に食い込みやすくなる。
さらに、第1実施形態及び第2実施形態において、固定部はいずれも矩形に構成されているが、例えば、八角形などに構成し、それぞれ任意の周縁、例えば、対向する周縁に立壁部を設けてもよい。
本発明の板材の連結具は、例えば、板材を位置ズレなく連結することができるため、例えば、建材の連結などに用いることができる。
1,10,20 板材の連結具
2,12 固定部
3,4 立壁部
5,15,25a,25b 係合部
6,16,26a,26b ずれ防止部
7 貫通孔
8,28a,28b 係合部下端
9,29a,29b ずれ防止部下端
21 中壁
22 端壁
23 段差
50 立設面
51 係合本体部
52 板状部材
53,54 スリット
55,56 折り曲げ線
90 ネジ
100 第2の板材
101,111 壁板
102 孔部
103,113 連結孔
110 第1の板材
112 ネジ孔

Claims (8)

  1. 第1の板材に固定され、第2の板材の接合面に形成された孔部に挿通する少なくとも2つの立設面を有する係合本体部と、
    前記係合本体部の立設面に、前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材との接合位置において前記第2の板材の表面側に位置可能な弾性変形可能な係合部と、
    前記係合本体部の立設面に、前記係合本体部の挿入方向上流側から下流側に向けて外側に広がるように延設され、前記第2の板材との接合位置において前記第2の板材の孔部内に下端が位置するように構成された弾性変形可能なずれ防止部と、を備えることを特徴とする、板材の連結具。
  2. 前記係合本体部は、前記第1の板材の接合面に固定される固定部と、前記固定部に対して立設され前記立設面を有する立壁部で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の板材の連結具。
  3. 前記係合本体部は、前記固定部と立壁部が一体的に設けられた板状部材で構成され、固定部の周縁部において前記固定部に対して立設するように屈曲して設けられた立壁部を備えることを特徴とする、請求項2に記載の板材の連結具。
  4. 前記固定部は、矩形に構成され、中央部分に前記第1の板材に固定するための貫通孔が設けられていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の板材の連結具。
  5. 前記係合部及びずれ防止部は、前記立設面に前記係合本体部の挿入方向に直行する面に対して対称となるように設けられ、
    一方の係合部及びずれ防止部が前記第1の板材に設けられた孔部に挿通して前記第1の板材と連結する固定部として機能することを特徴とする、請求項1に記載の板材の連結具。
  6. 前記係合本体部は、1枚の板状部材を互いに平行な2辺で屈曲して構成されたコの字状の部材の外側面を前記立設面とすることを特徴とする、請求項5に記載の板材の連結具。
  7. 前記係合本体部は、互いに対向する立設面が、中間部分で段差が形成されるように構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の板材の連結具。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の板材の連結具を用い、
    前記連結具が接合面に固定された第1の中空部材と、接合面が含まれる壁板に孔部が形成された第2の中空部材とを連結する連結構造。
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