JP2011120638A - 管内挿入支援装置及び内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動バルーンを管内壁に係止させることなく、回転バルーンの駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得る。
【解決手段】第1及び第2駆動バルーン42、46は、第1及び第2駆動バルーン42、46の少なくとも初期直径を、管腔路の長手方向(管内移動方向)に渡って概ね一定とし、両端の固着部を除き、直径一定の略円筒形状となっている。第1及び第2駆動バルーン42、46においては、略円筒形状(少なくとも収縮時の初期径を一定)とする範囲は、一回の係止バルーン(回転バルーン)の回転で所望する推進量によって決まり、係止バルーンは第1または第2駆動バルーン42、46の円筒形状の側面部800全域に渡って覆いかぶさる。
【選択図】図4
【解決手段】第1及び第2駆動バルーン42、46は、第1及び第2駆動バルーン42、46の少なくとも初期直径を、管腔路の長手方向(管内移動方向)に渡って概ね一定とし、両端の固着部を除き、直径一定の略円筒形状となっている。第1及び第2駆動バルーン42、46においては、略円筒形状(少なくとも収縮時の初期径を一定)とする範囲は、一回の係止バルーン(回転バルーン)の回転で所望する推進量によって決まり、係止バルーンは第1または第2駆動バルーン42、46の円筒形状の側面部800全域に渡って覆いかぶさる。
【選択図】図4
Description
本発明は管内挿入支援装置及び内視鏡装置に係り、特に、管内壁に推進力を伝えて管内を移動する管内挿入支援装置及び内視鏡装置に関する。
内視鏡の大腸挿入は、大腸が体内で曲がりくねった構造であること、体腔に固定されていない部分があることなどから、非常に難しい。そのため、挿入手技の習得には多くの経験を必要とし、挿入手技が未熟の場合には、患者に大きな苦痛を与える結果となる。
大腸部位の中で特に挿入が難しいと言われているのは、S状結腸と横行結腸である。S状結腸と横行結腸はその他の結腸とは異なり体腔内に固定されていない。そのため、自身の長さの範囲にて体腔内で任意な形状をとることができ、また、内視鏡挿入時の接触力により体腔内で変形する。
大腸挿入においては、挿入時の腸管への接触を少しでも減らすために、S状結腸や横行結腸を直線化することが重要である。直線化のために多くの手技がこれまで提案されているが、同時に、曲がった腸管を手繰り寄せて湾曲度合いを低減するための挿入補助具がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1,2には、可撓管部の外周面に螺旋状に4本の膨張・収縮が可能な変動チューブ巻回されており、各変動チューブ内の圧力を変動させて4本の変動チューブを順次膨張・収縮させることにより、外皮の外周面を順次膨張・収縮させて先端側から手元側に膨張部を移動させて腸管を手繰り寄せる技術が開示されている。
ところが、複数の変動チューブの上下運動だけではチューブの接触面を移動させる効果はほとんどない。腸管のひだが、膨張したチューブ間の溝に効率的に入った場合にのみ手繰り寄せる効果があるが、S状結腸ではひだはほとんど存在せず、また手繰り寄せる過程で腸管は直線化しひだの突起量は小さくなるため、手繰り寄せる効果は著しく低減する。
一方、例えば1つのバルーンを膨張させ該バルーンの外周面の第1の部分を腸管内壁に当接させて係止させた状態としたときに、該第1の部分と連続しているバルーンの外周面の第2の部分に腸管内壁に沿ってバルーンの外周面を移動させると、バルーンが腸管内壁に当接している状態ではこの第1の部分から第2の部分の移動に伴い、例えば腸管内壁を手繰り寄せることできるが、腸管等の生体組織は、その組織の弾性により応力を加えることで管径方向だけでなく管内壁に沿って伸縮すると共に、応力を解除すると該弾性による復元力によって伸縮前の状態に戻る性質があるため、バルーンを収縮させ腸管内壁から離すと、上述した復元力により手繰り寄せた腸管内壁が元に戻ることになる。
このように、1つのバルーンによって係止力を発生させて腸壁に係止させ、かつ推進力を発生させて腸壁に対し相対的に移動させることは困難である。
そこで、例えば管内移動方向に2つのバルーンを並べて配置し、一方のバルーンを回転バルーン(係止バルーン)、他方のバルーンを駆動バルーンとしたとき、回転バルーンを膨張させて腸管に係止させた後、駆動バルーンを膨張させて回転バルーンを押圧させるように制御することによって回転バルーンを回転させる方式(回転バルーン方式)の推進機構が検討されている。この推進機構によれば、1つのバルーンのみを用いた場合に比べて大きな推進量と推進力を得ることができ、管内移動体を腸壁に対し相対的に確実に移動させることができる。
回転バルーン方式の推進機構では、図17に示すように、腸管の腸壁950に対して係止状態にある回転バルーン951を、例えば回転バルーン951の腸管長手軸方向の前後に設けられた2つの駆動バルーン952,953の膨張によって回転させ、内視鏡の先端部954を腸壁950に対して相対的に推進させる。
通常、駆動バルーン952,953等に用いられるバルーンは、その初期形状が球形に近いため、膨張径は長手方向で変化している。仮にこのような球形のバルーンを駆動バルーン952,953にとして用いた場合、内視鏡またはオーバーチューブとの固着部近傍では膨張径は小さく、駆動力はそれ以外の場所より減少する一方、図18に示すように、中央部は大きく膨らみすぎることで腸との間に係止力が発生し、推進力(駆動力−摩擦力)を低減させてしまうことがある。
すなわち、例えば駆動バルーン952を腸壁950に対して腸壁位置X1にて膨張させて回転バルーン951に駆動力を伝達し、その駆動力により内視鏡954の先端部に推進力を与えた場合(図17参照)、その推進力により駆動バルーン952の腸壁位置は内視鏡954の先端部と共に腸管長手軸方向の前方に移動することとなる。さらに、駆動バルーン952を腸壁950に対して腸壁位置X2にて膨張させたとき(図18参照)、駆動バルーン952の中央部が大きく膨らみすぎることで腸壁950との間に摩擦力(係止力)が発生する。
以上のことから、図19に示すように、内視鏡954の先端部を推進させる、最大駆動力Fmaxと最小駆動力Fminにより規定される有効駆動力範囲960は駆動バルーンの膨張径(有効膨張範囲961)によって決まる。
なお、最小駆動力Fminは駆動バルーンの膨張径が回転バルーン951の駆動力として作用し始める駆動力であり、最大駆動力Fmaxは駆動バルーンの膨張径が駆動バルーン952と腸壁950との間に摩擦力(係止力)を発生させる駆動力である。
しかしながら、図19に示すように、従来の駆動バルーンによる駆動力962は回転バルーン951の推進過程において一定ではなく、駆動力962が有効駆動力範囲960を越える(摩擦力の発生)ために、駆動バルーンの有効膨張範囲961が極めて限定され、回転バルーン951の駆動力を効率的に内視鏡954の先端部の推進力に変換することが困難となるといった課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、駆動バルーンを管内壁に係止させることなく、回転バルーンの駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得ることのできる管内挿入支援装置及び内視鏡装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の管内挿入支援装置は、管腔内に挿入される管内挿入部と、膨張して前記管腔の管内壁に接触した時に前記管内挿入部の外周と前記管内壁との間を埋める第1の部分と、前記管内壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内挿入部に固定された流体の注入及び排出により膨張及び収縮する第1膨張収縮部材と、前記管内挿入部に固定され流体の注入及び排出により膨張及び収縮し、膨張時に前記管内壁に接触する第2膨張収縮部材と、前記管内挿入部に固定され流体の注入及び排出により膨張及び収縮し前記第1膨張収縮部材の外周面を押圧することにより、前記第1膨張収縮部材を駆動させる第3膨張収縮部材と、前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持すると共に、前記第3膨張収縮部材における膨張及び収縮による駆動によって前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内挿入部と前記管壁との相対位置を変化させるように制御する制御部と、を備え、前記第3膨張収縮部材は、前記管内挿入部の管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成されることを特徴とする。
請求項1に記載の管内挿入支援装置では、前記第3膨張収縮部材が前記管内挿入部の管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成されるので、駆動バルーンを管内壁に係止させることなく、回転バルーンの駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得ることを可能とする。
請求項2に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1に記載の管内挿入支援装置であって、前記第3膨張収縮部材は、少なくとも収縮時において前記略円筒形状を保つことが好ましい。
請求項3に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1または2に記載の管内挿入支援装置であって、前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内挿入部に固定される前記管内移動方向の前後の固着部を除き、前記略円筒形状をなすことが好ましい。
請求項4に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記第3膨張収縮部材は、前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材とともに前記管内移動方向に並べて配置され、かつ前記管内挿入部に固定され、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材又は前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第3膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御することが好ましい。
請求項5に記載の管内挿入支援装置のように、請求項4に記載の管内挿入支援装置であって、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材又は前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第3膨張収縮部材によって前記第1膨張収縮部材を押圧させることにより前記管内壁を手繰り寄せるように制御することが好ましい。
請求項6に記載の管内挿入支援装置のように、請求項4または5に記載の管内挿入支援装置であって、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管内壁を手繰り寄せるように制御することが好ましい。
請求項7に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材、及び前記第3膨張収縮部材の少なくとも1つはバルーンであることが好ましい。
請求項8に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管内壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材の略円筒形状外周面に覆い被さることが好ましい。
請求項9に記載の管内挿入支援装置のように、請求項8に記載の管内挿入支援装置であって、前記管内挿入部に設けられ前記管内移動方向に前記第1膨張収縮部材、前記第3膨張収縮部材、及び前記第2膨張収縮部材とともに並べて配置されるものであって、前記第3膨張収縮部材に対して前記第1膨張収縮部材を挟んで反対側に配置される第4膨張収縮部材を有し、前記第4膨張収縮部材は、前記管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成されることが好ましい。
請求項10に記載の管内挿入支援装置のように、請求項9に記載の管内挿入支援装置であって、前記第4膨張収縮部材は、少なくとも収縮時において前記略円筒形状を保つことが好ましい。
請求項11に記載の管内挿入支援装置のように、請求項9または10に記載の管内挿入支援装置であって、前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内挿入部に固定される前記管内移動方向の前後の固着部を除き、少なくとも収縮時において前記管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状であることが好ましい。
請求項12に記載の管内挿入支援装置のように、請求項9ないし11のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記制御部は、前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第4膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御することが好ましい。
請求項13に記載の管内挿入支援装置のように、請求項9ないし12のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管内壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材あるいは前記第4膨張収縮部材の略円筒形状外周面に覆い被さることが好ましい。
請求項14に記載の管内挿入支援装置のように、請求項3または11に記載の管内挿入支援装置であって、前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内移動方向において、前記固着部間の距離は前記略円筒形状の側面長さより長く構成されることが好ましい。
請求項15に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし14のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内移動方向に分離されて設けられた略円筒形状の複数の分離円筒膨張収縮部材から構成されることが好ましい。
請求項16に記載の管内挿入支援装置のように、請求項15に記載の管内挿入支援装置であって、前記複数の分離円筒膨張収縮部材は、前記制御部の制御により同一タイミングにて各々の径を略同一径に保持して一体的に膨張及び収縮することが好ましい。
請求項17に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記管内移動方向の前方から、前記第3膨張収縮部材、前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材の順に配置されていることが好ましい。
請求項18に記載の管内挿入支援装置のように、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置であって、前記管内移動方向の前方から、前記第2膨張収縮部材、前記第3膨張収縮部材、前記第1膨張収縮部材の順に配置されていることが好ましい。
請求項19に記載の内視鏡装置は、請求項1ないし18のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置を備えることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、駆動バルーンを管内壁に係止させることなく、回転バルーンの駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得ることができるという効果がある。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る管内挿入支援装置及び内視鏡装置について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る内視鏡装置の外観を示す構成図であって、図2は図1の電子内視鏡の先端部の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の管内挿入支援装置を備えた内視鏡装置1は、電子内視鏡100、光源装置200、ビデオプロセッサ300、モニタ400及びフットスイッチ600を有する制御部としてのバルーン制御装置500とを備えて構成される。
電子内視鏡100は、被検体の体腔内の管腔に挿入され該管腔内を移動する管内挿入部としての挿入部10と、挿入部10の基端部分に連設された操作部12とを備えている。
光源装置200は電子内視鏡100に照明光を供給するものであり、ビデオプロセッサ300は電子内視鏡100により得られた撮像信号を信号処理して内視鏡画像をモニタ400に表示するものである。
バルーン制御装置500は、電子内視鏡100の挿入部10の先端部10aに設けられた第1及び第2駆動バルーン42、46、係止バルーン(回転バルーン)44及び保持バルーン23からなるバルーンユニットである移動駆動手段を所定のシーケンスにしたがって駆動制御するものであり、フットスイッチ600は、このバルーン制御装置500の駆動制御の開始及び停止を指示するスイッチである。
なお、本実施形態では、例えば、第1膨張収縮部材は回転バルーンである係止バルーン44により構成され、第2膨張収縮部材は保持バルーン23により構成され、第3または第4膨張収縮部材は第1及び第2駆動バルーン42、46により構成される。
図2に示すように、電子内視鏡100の挿入部10の先端に連設された先端部10aには、被検体内の被観察部位の像光を取り込むための対物光学系34と像光を撮像する撮像素子としての例えばCCD33が内蔵されている。
また、挿入部10内には光源装置200にユニバーサルコード14を介して接続されたライトガイド30が挿通されており、ライトガイド30は、光源装置200が供給する照明光を先端部10aに設けられた照明光学系31を介して被検体内の被観察部位を照射するようになっている。
図1に戻り、前記CCD33により取得された被検体内の画像は、ユニバーサルコード14から分岐した信号ケーブル14aに接続されたビデオプロセッサ300により信号処理され、モニタ400に内視鏡画像として表示される。
なお、図示はしないが、先端部10aの先端面には、操作部12側に設けられた鉗子口16と連通した鉗子出口、送気・送水ボタン等の操作ボタン12aを操作することによって、対物光学系34を保護する観察窓の汚れを落とすための洗浄水やエアーが噴射されるノズルなどが設けられている。
操作ボタン12aは、上記の送気・送水ボタンの他にフリーズボタン、レリーズボタン等の各操作ボタン12aにより構成され、フリーズボタン12aが操作されるとビデオプロセッサ300に対して静止画生成が指示され、レリーズボタン12aが操作されるとビデオプロセッサ300に対して静止画の格納(記録)が指示されるようになっている。
先端部10aの後方には、複数の湾曲駒を連結した湾曲部10bが設けられている。湾曲部10bは、操作部12に設けられたアングルノブ12bが操作されて、挿入部10内に挿設されたワイヤが押し引きされることにより、上下左右方向に湾曲動作する。これにより、先端部10aが被検体内の所望の方向に向けられる。
湾曲部10bの後方には、可撓性を有する軟性部10cが設けられている。軟性部10cは、先端部10aが被観察部位に到達可能なように、且つ術者が操作部12を把持して操作する際に支障を来さない程度に患者との距離を保つために、1〜数mの長さを有する。
先端部10aには、図2に示すように、例えば大腸等の管腔路内を移動する進行方向に並べて配置され、かつ固定された膨張収縮部材としてバルーンユニットを構成する、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44が取り付けられている。第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44の詳細については後述する。
なお、係止バルーン44が管腔路内壁に接触していない時に、挿入部10の先端部10aの位置を管内のほぼ中央に保持するための保持バルーン23も設けられている。保持バルーン23、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44は、おもに膨張収縮自在なラテックスゴムからなり、各バルーン内の圧力を制御するバルーン制御装置500に接続されている。
本実施形態の管内挿入支援装置は、これら保持バルーン23、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44及びバルーン制御装置500を備えて構成される。
係止バルーン44は膨張時に管腔路の内壁面に接して係止することができる膨張特性を有するバルーンである。
先端部10aの内部には、第1駆動バルーン42に連通し気体が送られる送気管48と、係止バルーン44に連通し気体が送られる送気管50と、第2駆動バルーン46に連通し気体が送られる送気管52と、保持バルーン23に連通し気体が送られる送気管27とが設けられている。これら送気管48、50、52、27は、湾曲部10b及び軟性部10c、ユニバーサルコード14(図1参照)の内部及び該ユニバーサルコード14から分岐したバルーン用コード14b(図1参照)の内部を通ってバルーン制御装置500に接続されている。
なお、先端部10aにおいて第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44は互いに隣接して配置され、挿入部10の周方向に周全体に形成される。また、係止バルーン44は挿入部10の周方向に一様な形状として軸対称となっていてもよく、また、挿入部10の周方向に一様な形状ではなく軸対称となっていなくてもよい。また、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44は、湾曲部10bや軟性部10cに配置してもよい。
上記のように構成された電子内視鏡100で、例えば、大腸や小腸のように複雑に屈曲した管腔路の内壁面を観察する場合には、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44及び保持バルーン23が収縮した状態で挿入部10を被検体内に挿入し、光源装置200を点灯して被検体内を照明しながら、ビデオプロセッサ300によってCCD33により得られる内視鏡画像がモニタ400に表示される。
術者が先端部10aを例えば肛門より大腸等の管腔路に挿入し、先端部10aが管路内の所定位置に到達すると、術者がバルーン制御装置500を操作することにより第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44及び保持バルーン23の膨張・収縮を制御して、管腔路の内壁面に押圧力を作用させる。これにより、管腔路の内壁面が手繰り寄せられ、挿入部10が管腔路の内壁面に対し相対的に進行方向の前方または後方に推進する。
なお、推進動作のフローの詳しい説明は後述する。また、以下の説明において、先端部10aが進行方向の前方に推進する動作を正進動作とし、先端部10aが進行方向の後方に推進する動作を逆進動作とする。
図3は図1のバルーン制御装置500の構成を示すブロック図である。図3に示すように、バルーン制御装置500は、吸引ポンプ501、供給ポンプ502、圧力制御部503、バルブ開閉制御部504、バルーン制御部505及び情報表示手段としての操作パネル506を備えて構成される。
バルーン制御装置500は、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44と保持バルーン23を個々に独立して内圧が調整できる構造となっており、バルブ開閉制御部504と圧力制御部503を介して、吸引ポンプ501及び供給ポンプ502が第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44と保持バルーン23に接続されている。
バルーン制御部505は、後述する推進動作のフローに従った処理を実行し、バルブ開閉制御部504によって各バルーンに接続されたバルブ(不図示)の開閉を制御し、圧力制御部503によって吸引ポンプ501及び供給ポンプ502を制御する。
操作パネル506は、バルーン制御装置500における推進動作の設定、各種情報に表示を行うものである。
図4は図2の駆動バルーンの構成を示す断面図を示し、図5は図2の駆動バルーンの変形例の構成を示す断面図を示す。
内視鏡を推進させる駆動力は駆動バルーンの膨張径によって決まるが、その駆動力は推進過程において一定であることが望ましく、本実施形態の第1及び第2駆動バルーン42、46は、図4に示すように、第1及び第2駆動バルーン2、46の少なくとも初期直径を、管腔路の長手方向(管内移動方向)に渡って概ね一定とし、両端の固着部を除き、直径一定の略円筒形状となっている。
第1及び第2駆動バルーン42、46においては、略円筒形状(少なくとも収縮時の初期径を一定)とする範囲は、一回の係止バルーン(回転バルーン)の回転で所望する推進量によって決まり、係止バルーン44は第1または第2駆動バルーン42、46の円筒形状の側面部800全域に渡って覆いかぶさる。
なお、第1または第2駆動バルーン42、46の略円筒形状の側面部800の長さは、先端部10aに固着される固着部801を除いた長さであり、例えば「50mm」としている。なお、この「50mm」及び図4に記載の数値は一例であり、これに限るものではない。
すなわち、第1及び第2駆動バルーン42、46は、少なくとも収縮時において前記管内挿入部の管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成される。
図4に示す構成の第1及び第2駆動バルーン42、46は、膨張時は略円筒中央部はそれ以外の場所と比較して最も大きく膨らむが、従来の球形のバルーンと比較して、中央部とその周りとの膨張差は小さくなる。
本実施形態の第1及び第2駆動バルーン42、46は、内視鏡やオーバーチューブに固着される場合に略円筒形状が保たれるように、初期形状の固着部801の間隔で固着する。つまり、固着部801間の長さは略円筒部の側面部800の長さより大きく、または同じになる。第1及び第2駆動バルーン42、46はその役割から回転しないことが望ましく、固着部801の長さを略円筒部の側面部800の長さより大きくまたは同じにすることにより、回転しにくくすることができる。
なお、第1及び第2駆動バルーン42、46は図4の構成に限らず、例えば図5に示すように構成してもよい。すなわち、図5の構成での第1及び第2駆動バルーン42、46は略円筒形状の中央部が周りより細い形状とし、このように中央部を細くすることで、膨張径は長手方向に渡ってほぼ一定となる。
なお、図5の構成においても、第1または第2駆動バルーン42、46の略円筒形状の側面部800の長さは、先端部10aに固着される固着部801を除いた長さであり、例えば「45mm」としている。なお、この「45mm」及び図5に記載の数値は一例であり、これに限るものではない。
次に、電子内視鏡100の先端部10aの推進動作について説明する。
図6は、推進動作における正進動作のタイミングチャートを示した図である。また、図7は、図6の正進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
図6のタイミングチャートの開始時(即ち、図6の工程Aが開始される時点)には、電子内視鏡100の先端部10aが測定対象(例えば大腸)内に挿入された状態において、第1及び第2駆動バルーン42、46と係止バルーン44が共に収縮した状態であり、且つ、保持バルーン23が膨張して腸壁40に係止した状態になっているものとする。
まず、上記状態から、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図6の工程A)。この第2駆動バルーン46の膨張によって、図7(A)に示すように、係止バルーン44は第1駆動バルーン42側に押し出され、第1駆動バルーン42に覆い被さる状態になる。
次に、係止バルーン44に気体を充填して膨張させて、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図6の工程B)。これによって、図7(B)に示すように、保持バルーン23と共に係止バルーン44が腸壁40に係止した状態となる。
なお、以下では、係止バルーン44が膨張して腸壁40に接触している状態のとき、係止バルーン44の表面のうち、腸壁40に接触していない部分(即ち、挿入部10と腸壁40の間を埋める部分)を第1の部分といい、腸壁40に接触している部分を第2の部分ということにする。
次に、係止バルーン44を膨張させた状態を保持すると共に、保持バルーン23と第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させる(図6の工程C)。これによって、図7(C)に示すように、係止バルーン44のみが腸壁40に係止した状態となる。
続いて、係止バルーン44を腸壁40に係止させた状態で、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させる(図6の工程D)。これによって、図7(D)に示すように、係止バルーン44は、第1駆動バルーン42の膨張により先端部10aの進行方向の後方に向かってその表面が順々に繰り出されるように徐々に押圧されていく。
換言すれば、係止バルーン44の表面における第1の部分(腸壁40に接触していない部分)の前方側(先端部10aの進行方向の前方側;図7中の右側)は、第1駆動バルーン42の膨張による押圧力によって、腸壁40に接触して第2の部分(腸壁40に接触している部分)へと徐々に遷移する。これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方(図7(D)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
即ち、係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の後方(図7中の左側)に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の後方に手繰り寄せられる。従って、図7(D)の白矢印のように、電子内視鏡100の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の前方に推進(正進)する。
次に、第1及び第2駆動バルーン42、46、及び係止バルーン44を膨張させた状態を保持すると共に、保持バルーン23を膨張させる(図6の工程E)。これによって、図7(E)に示すように、係止バルーン44と共に保持バルーン23が腸壁40に係止した状態となる。
そして、保持バルーン23を膨張させた状態を保持し、第1駆動バルーン42及び係止バルーン44を収縮させる(図6の工程F)。これによって、図7(E)に示すように、保持バルーン23のみが腸壁40に係止した状態となる。
以降、正進動作を継続する場合には、図4の工程A〜工程Fを繰り返す。
図8は、推進動作における逆進動作のタイミングチャートを示した図である。また、図9は、図8の逆進動作のタイミングチャートに対応させた各バルーンの膨張および収縮の様子を示した概略断面図である。
まず、第1駆動バルーン42と係止バルーン44と第2駆動バルーン46をともに収縮させた状態で、電子内視鏡100の先端部10aを測定対象(ここでは例えば、大腸とする)内に挿入している状態を考える。なお、このとき、保持バルーン23を膨張させて腸壁40に係止させておく。
そして、係止バルーン44と第2駆動バルーン46を収縮させた状態を保持し、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張させる(図8の工程A)。この時のバルーンの膨張の様子は、図9(A)のように表わすことができる。図9(A)に示すように、第1駆動バルーン42が膨張することにより、係止バルーン44は第2駆動バルーン46側に押し出され、第2駆動バルーン46に覆い被さる状態になる。
次に、係止バルーン44に気体を充填して膨張させて、係止バルーン44を腸壁40に係止させる(図8の工程B)。この時のバルーンの膨張の様子は、図9(B)のように表わすことができる。また、ここで、係止バルーン44において、腸壁40に接触した時に挿入部10と腸壁40の間を埋める部分を第1の部分とし、腸壁40に接触している部分を第2の部分として考える。
次に、保持バルーン23と第1駆動バルーン42から気体を吸引して収縮させる(図8の工程C)。この時のバルーンの収縮の様子は、図9(C)のように表わすことができる。
続いて、第2駆動バルーン46に気体を充填して膨張させる(図8の工程D)。この時のバルーンの膨張の様子は、図9(D)のように表わすことができる。
図9(D)に示すように、第2駆動バルーン46を膨張させていくことにより、第2駆動バルーン46は係止バルーン44を徐々に押圧していく。そして、係止バルーン44は、先端部10aの進行方向の前方に向かってその表面が順々に繰り出されるように押されていく、または、その表面を移動させるように押されていく。また、前記のように、係止バルーン44において第1の部分と第2の部分を備えていると考えたときには、先端部10aの進行方向の後方側の第1の部分の腸壁40側の一部が腸壁40に接触して第2の部分になるように押されていく、と考えることができる。これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の前方(図9(D)の黒矢印)に向かって押圧力を与える。
すなわち、係止バルーン44がいわゆるキャタピラ(登録商標)のように(無限軌道のように)、腸壁40を当接しながら先端部10aの進行方向の前方に向かって繰り出される。
そのため、腸壁40は先端部10aの進行方向の前方に手繰り寄せられる。したがって、図9(D)の白矢印のように、電子内視鏡100の先端部10aは腸壁40に対し相対的に進行方向の後方に推進(逆進)する。
次に、保持バルーン23に気体を充填して膨張させて、保持バルーン23を腸壁40に係止させる(図8の工程E)。この時のバルーンの膨張の様子は、図9(E)のように表わすことができる。
次に、係止バルーン44と第2駆動バルーン46から気体を吸引して収縮させる(図8の工程F)。この時のバルーンの収縮の様子は、図9(F)のように表わすことができる。
以降、逆進動作を継続する場合には、図8の工程A〜工程Fを繰り返す。
次に本実施形態の作用を図10ないし図13を用いて詳細に説明する。図10ないし図12は図7(D)における駆動バルーンによる係止バルーンの回転作用を詳細に示す状態遷移図であり、図13は図10ないし図12の状態遷移図において生じる腸壁位置における駆動力を示す図である。
図10に示すように、係止バルーン44を腸壁40に係止させた状態では、係止バルーン44は収縮状態の第1及び第2駆動バルーン42、46の略円筒形状外周面に覆い被さっている。この状態で、第1駆動バルーン42に気体を充填して膨張を開始すると(図7(D)参照)、係止バルーン44の第1の部分(腸壁40を押圧していない部分:図11の注目領域900参照)が、第1駆動バルーン42の膨張による押圧力によって、腸壁40に接触して第2の部分(腸壁40を押圧している部分)へと徐々に遷移する(図12の注目領域900参照)。
これにより、係止バルーン44は、腸壁40に対し先端部10aの進行方向の後方に駆動力(押圧力)(図12の黒矢印)を与える。この駆動力(押圧力)は、第1駆動バルーン42の膨張に伴い増加し、第1の部分(腸壁40に接触していない部分)を第2の部分(腸壁40に接触している部分)へと順次、挿入方向の後方に繰り出す(図12の注目領域900参照)作用の力となる。
図13に示すように、挿入部10の先端部10aを推進させる、最大駆動力Fmaxと最小駆動力Fminにより規定される有効駆動力範囲910は第1及び第2駆動バルーン42、46の膨張径(有効膨張範囲911)によって決まる。
ここで、最小駆動力Fminは駆動バルーンの膨張径が係止バルーン44の駆動力として作用し始める駆動力であり、最大駆動力Fmaxは第1駆動バルーン42(あるいは第2駆動バルーン46)の膨張径が第1駆動バルーン42(あるいは第2駆動バルーン46)と腸壁40との間に摩擦力(係止力)を発生させる駆動力である。
従来技術のように駆動バルーンが腸壁40と接触すると、駆動バルーンと腸壁40と間には摩擦力が作用するが、本実施形態の第1駆動バルーン42(あるいは第2駆動バルーン46)では、膨張においては円筒形状の側面が略均一に径を増加させるので、第1駆動バルーン42(あるいは第2駆動バルーン46)を腸壁40に接触するまで膨張をさせることなく、第1駆動バルーン42(あるいは第2駆動バルーン46)から係止バルーン44への駆動力920を効率的に推進力に変換でき、十分な挿入部10の挿入方向の前方(あるいは後方)の推進力を得ることができる。
このように本実施形態では、第1及び第2駆動バルーン42、46の駆動力(係止バルーン44への押圧力)を一定に保持でき、大きく膨らみ過ぎて推進力を低減することも、膨張量が足りずに推進力不足となることもなく、さらに第1及び第2駆動バルーン42、46自体も回転しにくくなる。
この結果、本実施形態の管内挿入支援装置を備えた内視鏡装置1は、第1及び第2駆動バルーン42、46を腸壁40(管内壁)に係止させることなく、係止バルーン44の駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得ることができる。
なお、本実施形態の駆動バルーン42,46は図4または図5のように構成するとしたが、図14に示すように、複数の分離円筒膨張収縮部材としての分離駆動バルーン42a、42b、42cにより駆動バルーン42を、また複数の分離駆動バルーン46a、46b、46cにより駆動バルーン46をそれぞれ構成してもよい。この場合、同形状の短い分離駆動バルーン42a、42b、42c、46a、46b、46cを長手方向に複数並べることで、駆動バルーン42、46としては長手方向に渡って概ね一定の形状にする。同じ形状の複数の分離駆動バルーン42a、42b、42c、46a、46b、46cを用いることで、駆動バルーン42、46として、膨張時にも長手方向に渡って概ね一定となる。
ここで、複数の分離駆動バルーン42a、42b、42c、46a、46b、46cへの空気配管は共通化してもよく、個別に設けても良い。
例えば、バルーン制御装置500は、図15に示すように、駆動バルーン42を構成する分離駆動バルーン42a、42b、42c(あるいは駆動バルーン46を構成する複数の分離駆動バルーン46a、46b、46c)を同一タイミングにて各々の分離駆動バルーン42a、42b、42cの径を略同一径に保持して一体的に膨張及び収縮することで、第1及び第2駆動バルーン42、46の駆動力(係止バルーン44への押圧力)を一定に保持でき、大きく膨らみ過ぎて推進力を低減することも、膨張量が足りずに推進力不足となることもない。
したがって、駆動バルーン42を構成する分離駆動バルーン42a、42b、42c(あるいは駆動バルーン46を構成する複数の分離駆動バルーン46a、46b、46c)によっても、第1及び第2駆動バルーン42、46を腸壁40(管内壁)に係止させることなく、係止バルーン44の駆動力を効率的に推進力に変換し、管内挿入部の管内移動方向に十分な推進力を得ることができる。
また、特に、複数の分離駆動バルーン42a、42b、42c、46a、46b、46cへの空気配管を個別に設ける場合には、例えば、バルーン制御装置500は、図16に示すように、駆動バルーン42を構成する分離駆動バルーン42a、42b、42cの各々を膨張させるタイミングをシーケンス制御することにより、さらに、係止バルーン44の駆動力を効率的に推進力に変換することが可能となる。
以上、本発明の管内挿入支援装置及び内視鏡装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
1…内視鏡装置、10…挿入部、10a…先端部、44…係止バルーン、23…保持バルーン、42…第1駆動バルーン、46…第2駆動バルーン、100…電子内視鏡、500…バルーン制御装置
Claims (19)
- 管腔内に挿入される管内挿入部と、
膨張して前記管腔の管内壁に接触した時に前記管内挿入部の外周と前記管内壁との間を埋める第1の部分と、前記管内壁と接触して推進力を発生させる第2の部分とを備え、その一部が前記管内挿入部に固定された流体の注入及び排出により膨張及び収縮する第1膨張収縮部材と、
前記管内挿入部に固定され流体の注入及び排出により膨張及び収縮し、膨張時に前記管内壁に接触する第2膨張収縮部材と、
前記管内挿入部に固定され流体の注入及び排出により膨張及び収縮し前記第1膨張収縮部材の外周面を押圧することにより、前記第1膨張収縮部材を駆動させる第3膨張収縮部材と、
前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持すると共に、前記第3膨張収縮部材における膨張及び収縮による駆動によって前記第1膨張収縮部材の前記第1の部分が前記第2の部分になるようにして前記管内挿入部と前記管壁との相対位置を変化させるように制御する制御部と、
を備え、
前記第3膨張収縮部材は、前記管内挿入部の管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成される
ことを特徴とする管内挿入支援装置。 - 前記第3膨張収縮部材は、少なくとも収縮時において前記略円筒形状を保つことを特徴とする請求項1に記載の管内挿入支援装置。
- 前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内挿入部に固定される前記管内移動方向の前後の固着部を除き、前記略円筒形状をなすことを特徴とする請求項1または2に記載の管内挿入支援装置。
- 前記第3膨張収縮部材は、前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材とともに前記管内移動方向に並べて配置され、かつ前記管内挿入部に固定され、
前記制御部は、前記第1膨張収縮部材又は前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第3膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。 - 前記制御部は、前記第1膨張収縮部材又は前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第3膨張収縮部材によって前記第1膨張収縮部材を押圧させることにより前記管内壁を手繰り寄せるように制御することを特徴とする請求項4に記載の管内挿入支援装置。
- 前記制御部は、前記第1膨張収縮部材の表面が繰り出されることにより前記管内壁を手繰り寄せるように制御することを特徴とする請求項4または5に記載の管内挿入支援装置。
- 前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材、及び前記第3膨張収縮部材の少なくとも1つはバルーンであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管内壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材の略円筒形状外周面に覆い被さることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記管内挿入部に設けられ前記管内移動方向に前記第1膨張収縮部材、前記第3膨張収縮部材、及び前記第2膨張収縮部材とともに並べて配置されるものであって、前記第3膨張収縮部材に対して前記第1膨張収縮部材を挟んで反対側に配置される第4膨張収縮部材を有し、
前記第4膨張収縮部材は、前記管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状を保って、径方向に膨張及び収縮する円筒形状膨張収縮部材により構成されることを特徴とする請求項8に記載の管内挿入支援装置。 - 前記第4膨張収縮部材は、少なくとも収縮時において前記略円筒形状を保つことを特徴とする請求項9に記載の管内挿入支援装置。
- 前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内挿入部に固定される前記管内移動方向の前後の固着部を除き、少なくとも収縮時において前記管内移動方向に略直交する断面直径が略一定の略円筒形状であることを特徴とする請求項9または10に記載の管内挿入支援装置。
- 前記制御部は、前記第1膨張収縮部材及び前記第2膨張収縮部材の少なくとも一方を膨張させて前記管内壁に係止させた状態を保持し、前記第4膨張収縮部材を膨張させて前記第1膨張収縮部材を押圧させるように制御することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記第1膨張収縮部材は、膨張させて前記管内壁に係止させた状態で収縮状態の前記第3膨張収縮部材あるいは前記第4膨張収縮部材の略円筒形状外周面に覆い被さることを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内移動方向において、前記固着部間の距離は前記略円筒形状の側面長さより長く構成されることを特徴とする請求項3または11に記載の管内挿入支援装置。
- 前記円筒形状膨張収縮部材は、前記管内移動方向に分離されて設けられた略円筒形状の複数の分離円筒膨張収縮部材から構成されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記複数の分離円筒膨張収縮部材は、前記制御部の制御により同一タイミングにて各々の径を略同一径に保持して一体的に膨張及び収縮することを特徴とする請求項15に記載の管内挿入支援装置。
- 前記管内移動方向の前方から、前記第3膨張収縮部材、前記第1膨張収縮部材、前記第2膨張収縮部材の順に配置されていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 前記管内移動方向の前方から、前記第2膨張収縮部材、前記第3膨張収縮部材、前記第1膨張収縮部材の順に配置されていることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置。
- 請求項1ないし18のいずれか1つに記載の管内挿入支援装置を備えることを特徴とする内視鏡装置。
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