JP2011114592A - 情報処理装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現する。
【解決手段】許容遅延時間受付部101は、許容遅延時間を受け付ける。フレームレート検出部102は、ウェーブレット変換される動画像のフレームレートを検出する。垂直ライン数検出部103は、ウェーブレット変換される動画像について垂直ライン数を検出する。分割レベル決定部105は、分割レベル毎の遅延時間と許容遅延時間とを比較し、その比較結果に基づいて、制御対象であるウェーブレット変換処理の分割レベル数を、遅延時間が許容遅延時間より短い分割レベル数に決定する。本発明は、例えば、画像処理装置に適用することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置および方法に関し、特に、画像に対するウェーブレット変換を制御し、その画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができるようにした情報処理装置および方法に関する。
従来の代表的な画像圧縮方式として、ISO(International Standards Organization)によって標準化されたJPEG(Joint Photographic Experts Group)やJPEG2000がある。
近年では画像をフィルタバンクと呼ばれるハイパス・フィルタとローパス・フィルタとを組み合わせたフィルタによって複数の帯域に分割し、帯域毎に符号化を行う方式の研究が盛んになっている。その中でも、ウェーブレット変換符号化は、DCT(Discrete Cosine Transform)変換で問題になる高圧縮でのブロック歪みが無いことから、DCTに代わる新たな技術として有力視されている。
2001年1月に国際標準化が完了したJPEG2000は、このウェーブレット変換に高能率なエントロピ符号化(ビットプレーン単位のビット・モデリングと算術符号化)を組み合わせた方式を採用しており、JPEGに比べて符号化効率の大きな改善を実現している。
このJPEG2000はデジタルシネマ規格(DCI(Digital Cinema Initiative)規格)用の標準コーデックとしても選定されており、映画の様な動画像用の圧縮にも使われ始めている。また各メーカからJPEG2000を監視カメラや放送局用の取材カメラ、セキュリティ・レコーダなどに応用した製品も出始めている。
しかしながら、JPEG2000は基本的にピクチャ単位の符号化・復号を行うため、リアルタイム送受信に使うために低遅延を実現しようとした場合、エンコード(符号化)で最低1ピクチャ分、デコード(復号)でも最低1ピクチャ分の遅延が生じる。
これはJPEG2000のみならず、AVC(Advanced Video Coding)イントラ、JPEG等どのコーデックについても同様である。但し、最近になって、画面を幾つかの矩形スライスまたはタイルに分けて、それらを独立にエンコード・デコードを行うことで遅延時間を短縮する手段が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−311924号公報
しかしながら、このように入力画像(ピクチャ)をスライスやタイルに分割して処理する方法の場合、その入力画像(ピクチャ)のフォーマット(解像度やフレームレート等)によって、エンコード・デコードの遅延時間が変動してしまう恐れがあった。
例えば、あるライン数の画像データをウェーブレット変換する際の処理時間(遅延時間)は、画像の解像度やフレームレートによって変動する。この変動(遅延時間の増大)により、遅延時間が許容される範囲の最大値を超えてしまい、低遅延でのウェーブレット変換処理が実現できずに、システムが破たんしてしまう恐れがあった。
そこで、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)、AVC(Advanced Video Coding)、Motion-JPEG(Joint Photographic Experts Group)等においては、スライスのライン数によって遅延時間を制御している。
しかしながら、このような遅延時間の増大に備えて、スライス当たりのライン数を不要に低減させると、画質が不要に劣化する恐れがあった。また、スライス間の境界が目立ちやすくなる恐れもあった。
つまり、例えば、低解像度の画像に最適なスライス当たりのライン数を高解像度の画像に適用すると、遅延時間に余裕があるにも関わらず、不要に低遅延にウェーブレット変換処理が行われるようになり、復号画像における不要な画質劣化を招く恐れがあった。
本発明は、このような状況に鑑みて提案されたものであり、ウェーブレット変換される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現するように、そのウェーブレット変換を制御することを目的とする。
本発明の一側面は、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付ける許容遅延時間受付手段と、前記分析フィルタ処理を繰り返す回数を示す分割レベル数毎に、前記変換処理による遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記許容遅延時間受付手段により受け付けられた前記許容遅延時間と、前記遅延時間算出手段により算出される前記分割レベル数毎の前記遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する分割レベル数決定手段とを備える情報処理装置である。
前記遅延時間は、少なくとも最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するのに必要なライン数分の画像データを含むラインブロックを前記周波数帯域毎の係数データに変換する前記変換処理の所要時間であるようにすることができる。
前記遅延時間算出手段は、前記画像データの垂直ライン数およびフレームレートを用いて前記分割レベル数毎の前記遅延時間を算出することができる。
前記分割レベル数決定手段は、垂直ライン数およびフレームレートと前記遅延時間とが対応付けられたテーブル情報を用いて、前記画像データの垂直ライン数および前記フレームレートから求められた前記分割レベル数毎の遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定することができる。
前記分析フィルタ処理を、前記分割レベル数決定手段により決定される前記分割レベル数の回数繰り返す前記変換処理を行う変換処理手段をさらに備えることができる。
前記変換処理を行う変換処理手段と、前記変換処理手段により行われる前記変換処理による遅延時間を測定する測定手段とをさらに備え、前記分割レベル数決定手段は、前記測定手段により測定された前記遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定することができる。
前記分析フィルタ処理を、前記分割レベル数決定手段により決定される前記分割レベル数の回数繰り返す前記変換処理を行う変換処理手段と、前記変換処理手段により生成された前記係数データを符号化する符号化手段とをさらに備えることができる。
前記符号化手段は、前記分割レベル数決定手段により決定された前記分割レベル数を符号化データに含めることができる。
前記分割レベル数決定手段は、前記画像データのコンポーネント毎に、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように、前記変換処理の前記分割レベル数を決定することができる。
本発明の一側面は、また、情報処理装置の許容遅延時間受付手段が、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付け、前記情報処理装置の遅延時間算出手段が、前記分析フィルタ処理を繰り返す回数を示す分割レベル数毎に、前記変換処理による遅延時間を算出し、前記情報処理装置の分割レベル数決定手段が、受け付けられた前記許容遅延時間と、算出される前記分割レベル数毎の前記遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する情報処理方法である。
本発明の他の側面は、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付ける許容遅延時間受付手段と、前記分析フィルタ処理に用いられるフィルタとして予め用意された複数のフィルタのそれぞれについて、前記変換処理による遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記許容遅延時間受付手段により受け付けられた前記許容遅延時間と、前記遅延時間算出手段により算出される各フィルタの遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定するフィルタ決定手段とを備える情報処理装置である。
前記遅延時間は、少なくとも最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するのに必要なライン数分の画像データを含むラインブロックを前記周波数帯域毎の係数データに変換する前記変換処理の所要時間であるようにすることができる。
前記遅延時間算出手段は、前記画像データの垂直ライン数およびフレームレートを用いて各フィルタの遅延時間を算出することができる。
前記フィルタ決定手段は、垂直ライン数およびフレームレートと前記遅延時間とが対応付けられたテーブル情報を用いて、前記画像データの垂直ライン数および前記フレームレートから求められた各フィルタの遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定することができる。
前記分析フィルタ処理を、前記フィルタ決定手段により決定される前記フィルタを用いる前記変換処理を行う変換処理手段をさらに備えることができる。
前記変換処理を行う変換処理手段と、前記変換処理手段により行われる前記変換処理による遅延時間を測定する測定手段とをさらに備え、前記フィルタ決定手段は、前記測定手段により測定された前記遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定することができる。
前記分析フィルタ処理を、前記フィルタ決定手段により決定される前記フィルタを用いる前記変換処理を行う変換処理手段と、前記変換処理手段により生成された前記係数データを符号化する符号化手段とをさらに備えることができる。
前記符号化手段は、前記フィルタ決定手段により決定された前記フィルタを示す情報を符号化データに含めることができる。
前記フィルタ決定手段は、前記画像データのコンポーネント毎に、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように、前記変換処理に用いるフィルタを決定することができる。
本発明の他の側面は、また、情報処理装置の許容遅延時間受付手段が、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付け、前記情報処理装置の遅延時間算出手段が、前記分析フィルタ処理に用いられるフィルタとして予め用意された複数のフィルタのそれぞれについて、前記変換処理による遅延時間を算出し、前記情報処理装置のフィルタ決定手段が、受け付けられた前記許容遅延時間と、算出される各フィルタの遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定する情報処理方法である。
本発明の一側面においては、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、分析フィルタ処理により得られる低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間が受け付けられ、分析フィルタ処理を繰り返す回数を示す分割レベル数毎に、変換処理による遅延時間が算出され、受け付けられた許容遅延時間と、算出される分割レベル数毎の遅延時間とが比較され、遅延時間が許容遅延時間以下となるように変換処理の分割レベル数が決定される。
本発明の他の側面においては、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、分析フィルタ処理により得られる低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間が受け付けられ、分析フィルタ処理に用いられるフィルタとして予め用意された複数のフィルタのそれぞれについて、変換処理による遅延時間が算出され、受け付けられた許容遅延時間と、算出される各フィルタの遅延時間とが比較され、遅延時間が許容遅延時間以下となるように変換処理に用いるフィルタが決定される。
本発明によれば、ウェーブレット変換処理を制御することができる。特に、ウェーブレット変換される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
本発明を適用した分割レベル制御装置の主な構成例を示すブロック図である。 サブバンドを説明する図である。 ラインブロックを説明する図である。 5×3フィルタの例を示す図である。 リフティング演算例を説明する図である。 定常状態における係数データの出力順を説明する図である。 分割レベル4までのウェーブレット変換における係数データの出力順を説明する図である。 分割レベル3までのウェーブレット変換における係数データの出力順を説明する図である。 分割レベル制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。 本発明を適用した分割レベル制御装置の他の構成例を示すブロック図である。 分割レベル制御処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の主な構成例を示すブロック図である。 ウェーブレット変換処理の流れの例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の他の構成例を示すブロック図である。 ウェーブレット変換処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。 係数並び替えの様子を説明する図である。 図17の符号化装置に対応する復号装置の主な構成例を示すブロック図である。 符号化処理の流れの例を説明するフローチャートである。 復号処理の流れの例を説明するフローチャートである。 本発明を適用した符号化装置の他の構成例を示すブロック図である。 コンポーネントの構成例を説明する図である。 本発明を適用した分割レベル制御装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 分割レベル制御処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したフィルタ選択装置の主な構成例を示すブロック図である。 9×7フィルタの例を示す図である。 9×7フィルタを用いる場合のラインブロックの例を説明する図である。 フィルタ選択処理の流れの例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したフィルタ選択装置の他の構成例を示すブロック図である。 フィルタ選択処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 ウェーブレット変換処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 ウェーブレット変換処理の流れの、さらに他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 本発明を適用した符号化装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。 図37の符号化装置に対応する復号装置の主な構成例を示すブロック図である。 符号化処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 復号処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。 本発明を適用した分割レベル・フィルタ制御装置の主な構成例を示すブロック図である。 分割レベル・フィルタ制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。 本発明を適用したパーソナルコンピュータの主な構成例を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(分割レベル制御装置)
2.第2の実施の形態(分割レベル制御を適用したウェーブレット変換装置)
3.第3の実施の形態(分割レベル制御を適用した符号化装置)
4.第4の実施の形態(複数コンポーネント構成)
5.第5の実施の形態(フィルタ選択装置)
6.第6の実施の形態(フィルタ選択を適用したウェーブレット変換装置)
7.第7の実施の形態(フィルタ選択を適用した符号化装置)
8.第8の実施の形態(分割レベル・フィルタ制御装置)
9.第9の実施の形態(パーソナルコンピュータ)
<1.第1の実施の形態>
[分割レベル制御装置の構成]
最初に、本発明を適用した情報処理装置としての分割レベル制御装置の構成について説明する。図1に示される分割レベル制御装置100は、動画像の各フレーム画像(ピクチャとも称する)に対して行われるウェーブレット変換処理の分割レベル数を制御する装置である。
この制御対象となるウェーブレット変換処理は、分割レベル制御装置100の外部にて行われる。
分割レベル制御装置100は、低遅延を維持しつつ(不要に遅延時間を増大させずに)、不要に画質を劣化させないように、ウェーブレット変換される画像のフォーマット(例えば、解像度やフレームレート等)や許容遅延時間等に応じて、分割レベル数を決定(指定)する。
分割レベル制御装置100は、後述するように、分割レベル数を制御することにより、ウェーブレット変換による遅延時間や画質劣化の度合いを制御することができる。
したがって、分割レベル制御装置100は、以上のような分割レベル数を用いたウェーブレット変換の制御を行うことにより、画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
分割レベル制御装置100は、許容遅延時間受付部101、フレームレート検出部102、垂直ライン数検出部103、遅延時間算出部104、および分割レベル決定部105を有する。
許容遅延時間受付部101は、外部から入力される許容遅延時間に関する情報を受け付ける(矢印121)。
許容遅延時間は、ウェーブレット変換処理に許容される処理時間(遅延時間)の範囲(上限)を示す情報である。この許容遅延時間は、許容される遅延時間の上限値を示すものであれば、どのような情報であってもよく、その上限値を、直接的に示すものであってもよいし、間接的に示すものであってもよい。
例えば、許容遅延時間そのものであってもよいし、許容遅延時間を含む情報(例えば動画像のメタデータ等)であってもよい。また、時間の表現方法も任意であり、所定のタイミングを基準とする時間幅で表すようにしてもよいし、クロック数で表すようにしてもよいし、所定の基準時間に対する比で表すようにしてもよい。もちろんこれら以外の方法で表現されるようにしてもよい。
また、この許容遅延時間は、どのように生成されてもよい。例えば、ユーザにより入力されるようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に予め含められているようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に含まれるその他の情報に基づいて決定されるようにしてもよい。例えば、ウェーブレット変換される動画像が準拠する規格等によって定められるようにしてもよいし、動画像の用途やハードウェアの性能等のように、システム要件に基づいて決定されるようにしてもよい。
許容遅延時間受付部101は、受け付けた許容遅延時間を分割レベル決定部105に供給する(矢印122)。
フレームレート検出部102は、ウェーブレット変換される動画像のフレームレートを検出する。フレームレート検出部102は、例えば、外部からフレームレートを取得する(矢印123)ことにより、ウェーブレット変換される動画像のフレームレートを検出する。フレームレートを検出すると、フレームレート検出部102は、そのフレームレートを遅延時間算出部104に供給する(矢印124)。
このフレームレートは、動画像のフレームレート(単位時間当たりのフレーム数)を示す情報であれば、どのような情報であってもよく、直接的に示すものであってもよいし、間接的に示すものであってもよい。
例えば、フレームレートそのものであってもよいし、フレームレートを含む情報(例えば動画像のメタデータ等)であってもよい。もちろん、値の表現方法も任意である。
なお、この情報の生成方法は任意である。例えば、ユーザにより入力されるようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に予め含められているようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に含まれるその他の情報に基づいて決定されるようにしてもよい。どのような生成方法であっても、その値は、動画像の実際のフレームレートを示す。
また、フレームレート検出部102が、ウェーブレット変換される動画像から、そのフレームレートを検出するようにしてもよい。この場合、フレームレート検出部102には、ウェーブレット変換される動画像の各フレーム画像が入力画像として供給される(矢印125)。
フレームレート検出部102は、その供給される入力画像のフレームレートを計測し、検出する。このように検出されたフレームレートは、上述した場合と同様に、遅延時間算出部104に供給される(矢印124)。
垂直ライン数検出部103は、ウェーブレット変換される動画像について垂直ライン数を、外部から取得することにより検出する(矢印126)。垂直ライン数検出部103は、垂直ライン数を検出すると、それを遅延時間算出部104に供給する(矢印127)。
垂直ライン数は、ウェーブレット変換される動画像のフレーム画像(ピクチャ)の垂直方向に数えられる、ライン(水平方向の画素列)の数である。つまり、この垂直ライン数が大きいほど、フレーム画像の垂直方向の解像度が高い。
この垂直ライン数は、フレーム画像の垂直方向に数えられるライン数を示す情報であれば、どのような情報であってもよく、そのライン数を、直接的に示すものであってもよいし、間接的に示すものであってもよい。
例えば、ライン数そのものであってもよいし、ライン数を含む情報(例えば動画像のメタデータ等)であってもよい。もちろん、値の表現方法も任意である。
なお、この情報の生成方法は任意である。例えば、ユーザにより入力されるようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に予め含められているようにしてもよいし、動画像のメタデータ等に含まれるその他の情報に基づいて決定されるようにしてもよい。
また、垂直ライン数検出部103が、ウェーブレット変換される動画像のフレーム画像から、その垂直ライン数を検出するようにしてもよい。この場合、垂直ライン数検出部103には、ウェーブレット変換される動画像の各フレーム画像が入力画像として供給される(矢印125)。
垂直ライン数検出部103は、その供給される入力画像の垂直ライン数を計測し、検出する。このように検出された垂直ライン数は、上述した場合と同様に、遅延時間算出部104に供給される(矢印127)。
遅延時間算出部104は、フレームレート検出部102から供給されるフレームレート、および、垂直ライン数検出部103から供給される垂直ライン数に基づいて、分割レベル毎にウェーブレット変換処理の遅延時間を算出する。
詳細については、後述するが、ウェーブレット変換処理の処理時間、すなわち、ウェーブレット変換処理による遅延時間は、ウェーブレット変換の分割レベル数に依存する。したがって、分割レベル制御装置100は、この分割レベル数を指定することにより、ウェーブレット変換の遅延時間を制御する。
そのために、遅延時間算出部104は、候補となる各分割レベル数について、それぞれ遅延時間を算出する。
遅延時間を算出すると、遅延時間算出部104は、その分割レベル毎に算出された遅延時間を分割レベル決定部105に供給する(矢印128)。
分割レベル決定部105は、分割レベル毎の遅延時間と、許容遅延時間とを比較し、その比較結果に基づいて、制御対象であるウェーブレット変換処理の分割レベル数を決定する。つまり、分割レベル決定部105は、遅延時間が許容遅延時間より短い分割レベル数に決定する。
遅延時間が許容遅延時間より短い分割レベル数が複数存在する場合、分割レベル決定部105は、その中で、復号画像の画質が最も良くなる分割レベル数を採用する。
一般的には、分割レベル数が多くなるほど、符号化効率は向上し、復号画像の画質の劣化が低減される。
そこで、分割レベル決定部105は、例えば、遅延時間が許容遅延時間内となる分割レベル数のうち、最も大きな値を採用する。つまり、分割レベル決定部105は、与えられた許容遅延時間をウェーブレット変換による遅延時間の上限としつつ、できるだけ分割レベル数を大きくするように、分割レベル数の決定を行う。
このようにすることにより、分割レベル決定部105は、復号画像の画質劣化をより抑制することができる。
なお、分割レベル決定部105が採用する分割レベル数は、その遅延時間が許容遅延時間内であればよく、必ずしも可能な限り大きくするようにしなくてもよい。例えば、分割レベル決定部105が、許容遅延時間だけでなく、その他の任意の条件にも従い、分割レベル数を選択するようにしてもよい。
分割レベル決定部105は、ウェーブレット変換処理の分割レベル数を決定すると、その決定した値を含む、ウェーブレット変換処理の分割レベル数を指定する情報である分割レベル数指定情報を外部に供給する(矢印129)。
この分割レベル数指定情報の供給先は任意である。例えば、分割レベル数を指定したウェーブレット変換処理を行うウェーブレット変換装置であってもよいし、分割レベル数指定情報を一時的に保持する記憶装置などであってもよい。
[サブバンド]
次に、分割レベル制御装置100が分割レベル数を制御するウェーブレット変換について説明する。ウェーブレット変換は、画像データを空間周波数の高い成分(高域成分)と低い成分(低域成分)とに分割する分析フィルタリングを、再帰的に繰り返すことにより、画像データを、階層的に構成される周波数成分毎の係数データに変換する処理である。なお、以下において、分割レベルは、高域成分の階層ほど下位とし、低域成分の階層ほど上位とする。
1つの階層(分割レベル)において、分析フィルタリングは、水平方向と垂直方向の両方について行われる。最初に水平方向の分析フィルタリング(水平分析フィルタリング)が行われ、画像データ(係数データ)は、水平方向に高域成分と低域成分に分割される。
その後、垂直方向の分析フィルタリング(垂直分析フィルタリング)が行われ、その高域成分および低域成分は、それぞれ、垂直方向に高域成分と低域成分に分割される。
もちろん、先に垂直分析フィルタリングを行ってから水平分析フィルタリングを行うようにしてもよい。
いずれにしろ、1つの階層の係数データ(画像データ)は、1階層分の分析フィルタリングにより4種類の成分に分割される。4種類の成分とは、すなわち、水平方向および垂直方向の両方について高域な成分(HH)、水平方向に高域で垂直方向に低域な成分(HL)、水平方向に低域で垂直方向に高域な成分(LH)、および、水平方向および垂直方向の両方について低域な成分(LL)である。
各成分の集合を、それぞれサブバンド(LL、LH、HL、およびHH)と称する。
そして、次の階層の分析フィルタリングは、生成された4つのサブバンドのうち、水平方向および垂直方向の両方について低域な成分(LL)に対して行われる。
このように分析フィルタリングが再帰的に繰り返されることにより、空間周波数の低い帯域の係数データは、より小さな領域(低域成分)に追い込まれる。したがって、このようにウェーブレット変換された係数データを符号化するようにすることにより、効率的な符号化が可能となる。
図2は、分析フィルタリングを4回繰り返して生成される係数データの構成について説明する図である。
ベースバンドの画像データに対して分割レベル1の分析フィルタリングが行われると、画像データは、分割レベル1の4つのサブバンド(1LL、1LH、1HL、および1HH)に変換される。
この分割レベル1の、水平方向および垂直方向の両方に対して低域成分のサブバンド1LLに対して、分割レベル2の分析フィルタリングが行われ、分割レベル2の4つのサブバンド(2LL、2LH、2HL、および2HH)に変換される。
この分割レベル2の、水平方向および垂直方向の両方に対して低域成分のサブバンド2LLに対して、分割レベル3の分析フィルタリングが行われ、分割レベル3の4つのサブバンド(3LL、3LH、3HL、および3HH)に変換される。
この分割レベル3の、水平方向および垂直方向の両方に対して低域成分のサブバンド3LLに対して、分割レベル4の分析フィルタリングが行われ、分割レベル4の4つのサブバンド(4LL、4LH、4HL、および4HH)に変換される。
図2は、このようにして、13個のサブバンドに分割された係数データの構成を示している。
[ラインブロック]
次に、ラインブロックについて説明する。図3は、ラインブロックを説明する図である。分割レベル制御装置100の制御対象となるウェーブレット変換処理においては、分析フィルタリングが繰り返し行われる。
この分析フィルタリングは、処理対象となる2ラインの画像データまたは係数データから、1階層上の4つのサブバンドの係数データを1ラインずつ生成する処理である。
例えば、分割レベル数が4の場合、図3の斜線部分で示されるように、最上位階層である分割レベル4のサブバンドの係数データが1ラインずつ生成されるのに、サブバンド3LLは2ライン必要であり、サブバンド2LLは4ライン必要であり、サブバンド1LLは8ライン必要である。つまり、16ラインのベースバンドの画像データが必要になる。
この最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するために必要なライン数の画像データを、ラインブロック(またはプレシンクト)と称する。
例えば、分割レベル数がNの場合、最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するためには、ベースバンドの画像データが2のN乗ライン必要になる。これがラインブロックのライン数である。
なお、ラインブロックは、その1ラインブロックの画像データをウェーブレット変換して得られる各サブバンドの係数データの集合のことも示す。
また、ラインとは、フレーム画像(ピクチャ)の1列分の水平方向の画素列を示す。また、ラインは、サブバンドの1列分の水平方向の係数列のことを示す場合もある。この1ライン分の係数データを係数ラインとも称する。以下において、より詳細に区別して説明する必要がある場合、適宜表現を変える。
例えば、あるサブバンドのある1ラインを「あるサブバンドの係数ライン」と称し、1つ下位の階層の同じ2係数ラインから生成された、ある階層(分割レベル)の全サブバンド(LH,HL、およびHH(最上位層の場合LLも含む))のライン(各サブバンドの互いに対応するラインの集合)を「ある分割レベル(または階層)の係数ライン」と称する場合もある。
図3の例の場合、「分割レベル4(最上位層)の係数ライン」は、サブバンド4LL,4LH,4HL、および4HHの、互いに対応する(1つ下位の分割レベルの同じ係数ラインから生成された)ある1ラインを示す。また、「分割レベル3の係数ライン」は、サブバンド3LH,3HL、および3HHの、互いに対応するある1ラインを示す。さらに、「サブバンド2HHの係数ライン」は、サブバンド2HHのある1ラインを示す。
なお、1係数ライン(1ライン分の係数データ)が符号化された1ライン分の符号化データを符号ラインとも称する。
このラインブロックは、ウェーブレット変換処理による遅延時間の長さに対応する。
ウェーブレット変換においては、上述したように分析フィルタリングが繰り返されるので、各サブバンドの係数データは、より下位の(より高域の)サブバンドから先に生成される。
これに対して、ウェーブレット変換された係数データに対して合成フィルタリングを行うウェーブレット逆変換処理においては、より上位の(より低域の)サブバンドの係数データから先に処理される。すなわち、より上位の階層のサブバンドが優先的に合成フィルタリングされる。
したがって、ウェーブレット逆変換処理を開始するタイミングは、ウェーブレット変換処理が開始された時刻から(ウェーブレット変換される最初の画像ラインが入力されてから)、少なくとも、最上位階層(再低域)の係数ラインが少なくとも1ライン生成されるまでの時間が経過した後となる。この時間がウェーブレット変換処理による遅延時間に相当する。
分割レベル制御装置100が分割レベル数を制御するウェーブレット変換処理は、2ラインずつ画像データ(若しくは係数データ)に対して分析フィルタリングを行うが、このとき、できるだけ低遅延に処理を行うような順序で、その2ラインを選択する。
より具体的には、より上位の(より低域の)サブバンドの係数データをできるだけ優先的に生成するような順序で各画像データ(係数データ)を2ラインずつ選択し、それらを分析フィルタリングする。
このようにすることにより、ウェーブレット変換処理による遅延時間は、最上位階層(再低域)の係数ラインが少なくとも1ライン生成されるまでの時間となる。つまり、1ラインブロック分の処理時間がウェーブレット変換処理による遅延時間となる。
分割レベル数が大きいほど、最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するために必要な画像データのライン数が増大するので、1ラインブロック当たりのライン数が増大する。
つまり、ライン数が多いほど分析フィルタリングの回数が増大するので、分割レベル数が大きいほど、ウェーブレット変換処理による遅延時間が長くなる。
したがって、分割レベル制御装置100は、制御対象のウェーブレット変換の分割レベル数を制御することにより、1ラインブロック当たりのライン数を制御し、ウェーブレット変換処理による遅延時間を制御する。
[5×3フィルタ]
次に、ウェーブレット変換処理の内容について説明する。
ウェーブレット変換処理は、通常、低域フィルタと高域フィルタとから構成されるフィルタバンクを用いて行われる。
なお、デジタルフィルタは、通常、複数タップ長のインパルス応答すなわちフィルタ係数を持っているため、フィルタ処理を行えるだけの入力画像データまたは係数データを予めバッファリングしておく必要がある。
また、ウェーブレット変換を多段にわたって行う場合も同様に、前段で生成したウェーブレット変換係数を、フィルタ処理が行える数だけバッファリングしておく必要がある。
このウェーブレット変換の具体的な例として、5×3フィルタを用いる方法について説明する。この5×3フィルタを用いる方法は、従来技術で既に説明したJPEG(Joint Photographic Experts Group)2000規格でも採用されており、少ないフィルタタップ数でウェーブレット変換を行うことができる点で、優れた方法である。
5×3フィルタのインパルス応答(Z変換表現)は、次の式(1)および式(2)に示すように、低域フィルタH (z)と、高域フィルタH(z)とから構成される。式(1)および式(2)から、低域フィルタH(z)は、5タップで、高域フィルタH(z)は、3タップであることが分かる。
(z)=(−1+2z−1+6z−2+2z−3−z−4)/8 ・・・(1)
(z)=(−1+2z−1−z−2)/2 ・・・(2)
これら式(1)および式(2)によれば、低域成分および高域成分の係数を、直接的に算出することができる。ここで、リフティング(Lifting)技術を用いることで、フィルタ処理の計算を減らすことができる。
図4は、5×3フィルタをリフティング表現した図である。図中、最上部の一列が入力信号列である。データ処理は画面上から下方向に流れ、以下の式(3)および式(4)により、高域成分の係数(高域係数)と、低域成分の係数(低域係数)とが出力される。
=d −1/2(s +si+1 ) ・・・(3)
=s +1/4(di−1 +d ) ・・・(4)
[リフティング演算]
次に、このリフティング演算について説明する。図5は、5×3分析フィルタを用いて、縦方向のラインに対して行われるフィルタリングをリフティング表現した図である。
横方向は、演算過程とそれによって生成される低域・高域係数を図示したものである。図4の場合と照らし合わせて見れば水平が垂直に変わっただけであり、演算の方法は全く同様であることがわかる。
画像の上端においては、矢印141に示されるように、Line-1から最上位ラインが点線の様に対称拡張され、1ラインが補填される。枠142で示されるように、これとLine-0、Line-1の合計3ラインを用いてリフティング演算が行われ、Step-1の演算で係数aが生成される。これは高域係数(H0)である。
Line-1,Line-2,Line-3が入力されると、この3ラインを用いて、式(3)により次の高域係数aが算出される。これは高域係数(H1)である。そして、上記の1番目の高域係数a(H0)と2番目高域係数a(H1)、及びLine-1の係数の合計3つの係数を用いて、式(4)に従い計算すると係数bが生成される。これは低域係数(L1)である。つまり、枠143で示されるように、Line-1,Line-2,Line-3の3ラインと、高域係数(H0)とを用いて、低域係数(L1)および高域係数(H1)が生成される。
その後、2ラインが入力される毎に、上記のリフティング演算が後続のラインに対しても同様に繰り返され、低域係数と高域係数とが出力される。そして、枠144に示されるように、低域係数(L(N−1))および高域係数(H(N−1))が生成されると、高域係数(H(N−1))が矢印145のように対称拡張され、枠146のように演算が行われ、低域成分(L(N))が生成される。
なお、図5は垂直方向のラインに対してフィルタリングを行った例であるが、水平方向のフィルタリングの場合でも全く同様に考えることができることは自明である。
以上のリフティング演算は、各階層について行われる。ただし、分析フィルタリングは、上述したように、より低域な成分をより優先的に生成するような順序で行われる。図5を参照して説明した順序は、分析フィルタリングされるデータ間の依存関係を示すものであり、実際の処理実行順とは異なる。
[1ラインブロックの処理]
次に、この分析フィルタリングの実行手順について説明する。
処理対象の画像データ(係数データ)は、ピクチャ(サブバンド)の上のラインから順に処理される。分析フィルタリングのリフティング演算は、処理対象の画像データ(係数データ)が2ライン準備される毎に(つまり、実行可能となり次第)実行される。ただし、より低域のサブバンドを優先的に処理対象とする。
以下に説明するように、分析フィルタリングは、ラインブロック毎に同じ手順で繰り返し実行される。そこで、2ライン準備される毎に分析フィルタリングが実行されるラインブロック(定常状態のラインブロック)における分析フィルタリングの手順を以下に説明する。
なお、初期状態となるピクチャやサブバンドの上端を含むラインブロック(初期状態のラインブロック)においては、分析フィルタリングに必要なライン数が他のラインブロック(定常状態のラインブロック)と異なる。しかしながら、この初期状態のラインブロックの場合も、分析フィルタリングの処理手順は、基本的には他のラインブロックと同様のであるので、その説明は省略する。
図6は、定常状態における係数データの出力順を説明する図である。図6においては、ウェーブレット変換された係数データが、図中、上から下に向かう方向に時系列順に並べられている。
定常状態のラインブロックにおいて、まず、ベースバンドの画像データの、そのラインブロック内において上から2ラインが分析フィルタリングされ、分割レベル1のラインL(上からL番目の係数ライン)が生成される。1ライン分の係数データでは分析フィルタリングできないので、その次のタイミングにおいて、ベースバンドの画像データの次の2ラインが分析フィルタリングされ、分割レベル1のライン(L+1)(上から(L+1)番目の係数ライン)が生成される。
この時点で分割レベル1の係数データが2ライン分用意されたので、次に、その分割レベル1の係数データの2ラインに対して分割レベル1の分析フィルタリングが行われ、分割レベル2のラインM(上からM番目の係数ライン)が生成される。しかしながら、1ライン分なので分割レベル2の分析フィルタリングはまだ実行できない。また、このとき、分割レベル1の係数データが用意されていないので、分割レベル1の分析フィルタリングも実行できない。
そこで、ベースバンドの画像データの次の2ラインが分析フィルタリングされ、分割レベル1のライン(L+2)(上から(L+2)番目の係数ライン)が生成される。1ライン分の係数データでは分析フィルタリングできないので、続いて、ベースバンドの画像データの次の2ラインが分析フィルタリングされ、分割レベル1のライン(L+3)(上から(L+3)番目の係数ライン)が生成される。
分割レベル1の係数データが2ライン分用意されたので、次に、その分割レベル1の係数データの2ラインに対して分割レベル1の分析フィルタリングが行われ、分割レベル2のライン(M+1)(上から(M+1)番目の係数ライン)が生成される。
すると、分割レベル2の係数データが2ライン分用意されたので、次に、その分割レベル2の係数データの2ラインに対して分割レベル2の分析フィルタリングが行われ、分割レベル3のラインN(上からN番目の係数ライン)が生成される。
以下、同様にして、分割レベル1のライン(L+4)(上から(L+4)番目の係数ライン)およびライン(L+5)(上から(L+5)番目の係数ライン)、分割レベル2のライン(M+2)(上から(M+2)番目の係数ライン)、分割レベル1のライン(L+6)(上から(L+6)番目の係数ライン)およびライン(L+7)(上から(L+7)番目の係数ライン)、分割レベル2のライン(M+3)(上から(M+3)番目の係数ライン)、並びに、分割レベル3のライン(N+1)(上から(N+1)番目の係数ライン)が、順次、生成される。
すると、分割レベル3の係数データが2ライン分用意されたので、次に、その分割レベル3の係数データの2ラインに対して分割レベル3の分析フィルタリングが行われ、分割レベル4のラインP(上からP番目の係数ライン)が生成される。
以上のように1ラインブロック分の分析フィルタリングが行われる。つまり、ラインブロック毎に、以上のような手順が繰り返される。
このウェーブレット変換の間、常時画像がライン毎に供給される(分析フィルタリングされる)。つまり、1ラインブロック分の分析フィルタリングの処理時間(遅延時間)は、この供給される画像のライン数によって表すことができる。
例えば、1ラインブロックが100ラインであるとする。また、ウェーブレット変換される画像が、Full-HD(High-Definition)TV(1ピクチャが1920[画素]×1080[ライン]、毎秒30フレーム、プログレッシブ方式)であるとする。
この画像の場合、1ピクチャの時間は、1000[msec]÷30[ピクチャ]=33[msec/ピクチャ]である。したがって、100ライン分の時間は、33[msec]×(100[ライン]÷1080[ライン])=3.05[msec]である。
上述した1ラインブロック分の分析フィルタリングは、この1ラインブロック分の画像データが供給される間に実行されるようにすると、破綻無く実行することができる。つまり、この場合、ウェーブレット変換の遅延時間は、3.05[msec]である。
仮に、この3.05[msec]が、図1を参照して説明した許容遅延時間(T)より短ければ、1ラインブロックのライン数(Line_Baseband)を100[ライン]とすることができる。
換言するに、図1の様に外部からラインブロック出力の許容遅延時間(T)が与えられて、画像の解像度も確定している場合、ウェーブレット変換の遅延時間がその許容遅延時間(T)よりも短くなるように、1ラインブロック当たりのライン数を設定する必要がある。
上述したように、1ラインブロック当たりのライン数は、分割レベル数によって決まる。そこで、分割レベル制御装置100は、ウェーブレット変換の遅延時間がその許容遅延時間(T)よりも短くなるように、分割レベル数を設定する。
[分割レベル4の場合の遅延時間]
図7は、分割レベル4までのウェーブレット変換における係数データの出力順を説明する図である。縦軸がベースバンド(BB)画像入力のライン番号で、横軸はサブバンド・レベルを示している。以下順番に説明する。
ライン0入力:上述した図5のリフティング演算がまだ出来ない。
ライン1入力:最初のリフティング演算を行い、ライン0の1HHと1LHの係数が出力される(上述したように高域成分の係数が最初に生成される)。
ライン2入力:リフティング演算は、ラインの偶数番目の入力時には行うことができず、必ず2ライン単位で入力した時に行われる。以後、偶数ライン入力時の説明は適宜省略する。
ライン3入力:ライン0の1HL、ライン1の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン5入力:ライン1の1HL、ライン2の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン6入力:ライン0の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン7入力:ライン2の1HL、ライン3の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン9入力:ライン3の1HL、ライン4の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン10入力:ライン0の2HL、ライン1の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン11入力:ライン4の1HL、ライン5の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン13入力:ライン5の1HL、ライン6の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン14入力:ライン0の3HH、3LH、ライン1の2HL、ライン2の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン15入力:ライン6の1HL、ライン7の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン17入力:ライン7の1HL、ライン8の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン18入力:ライン2の2HL、ライン3の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン19入力:ライン8の1HL、ライン9の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン21入力:ライン9の1HL、ライン10の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン22入力:ライン0の3HL、ライン1の3HH、3LH、ライン3の2HL、ライン4の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン23入力:ライン10の1HL、ライン11の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン25入力:ライン11の1HL、ライン12の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン26入力:ライン4の2HL、ライン5の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン27入力:ライン12の1HL、ライン13の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン29入力:ライン13の1HL、ライン14の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン30入力:ライン0の4HH、4LH、ライン1の3HL、ライン2の3HH、3LH、ライン5の2HL、ライン6の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン31入力:ライン14の1HL、ライン15の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン33入力:ライン15の1HL、ライン16の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン34入力:ライン6の2HL、ライン7の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン35入力:ライン16の1HL、ライン17の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン37入力:ライン17の1HL、ライン18の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン38入力:ライン2の3HL、ライン3の3HH、3LH、ライン7の2HL、ライン8の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン39入力:ライン18の1HL、ライン19の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン41入力:ライン19の1HL、ライン20の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン42入力:ライン8の2HL、ライン9の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン43入力:ライン20の1HL、ライン21の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン45入力:ライン21の1HL、ライン22の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン46入力:ライン0の4HL、4LL、ライン1の4HH、4LH、ライン3の3HL、ライン4の3HH、3LH、ライン9の2HL、ライン10の2HH、2LHの係数が出力される。
[分割レベル3の場合の遅延時間]
図8は、分割レベル3までのウェーブレット変換における係数データの出力順を説明する図である。図7の場合と同様に、以下順番に説明する。
ライン0入力:上述した図5のリフティング演算がまだ出来ない。
ライン1入力:最初のリフティング演算を行い、ライン0の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン3入力:ライン0の1HL、ライン1の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン5入力:ライン1の1HL、ライン2の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン6入力:ライン6の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン7入力:ライン2の1HL、ライン3の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン9入力:ライン3の1HL、ライン4の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン10入力:ライン0の2HL、ライン1の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン11入力:ライン4の1HL、ライン5の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン13入力:ライン5の1HL、ライン6の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン14入力:ライン0の3HH、3LH、ライン1の2HL、ライン2の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン15入力:ライン6の1HL、ライン7の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン17入力:ライン7の1HL、ライン8の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン18入力:ライン2の2HL、ライン3の2HH、2LHの係数が出力される。
ライン19入力:ライン8の1HL、ライン9の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン21入力:ライン9の1HL、ライン10の1HH、1LHの係数が出力される。
ライン22入力:ライン0の3HL、3LL、ライン1の3HH、3LH、ライン3の2HL、ライン4の2HH、2LHの係数が出力される。
以上のように、ウェーブレット変換が4分解(分割レベル数が4)の場合、最低域のサブバンド4LLの係数データが出力されるまでに必要なライン数は47ラインなので、33[msec]×(47[ライン]÷1080[ライン])=1.43[msec]となる。
これに対して、ウェーブレット変換が3分解(分割レベル数が3)の時には、3LLが出力されるまでに必要なライン数は、23ラインである。33[msec]×(23ライン÷1080ライン)=0.70[msec]となる。
図1の遅延時間算出部104は、このような分割レベル毎の遅延時間を算出する。また、分割レベル決定部105は、許容遅延時間(T)と、上記の1.43[msec]または0.70[msec]との大小関係によって、ウェーブレット変換の分割レベル数を決定する。
つまり、分割レベル決定部105は、その遅延時間が許容遅延時間(T)より短くなる分割レベル数を採用する。なお、一般的に、分割レベル数が小さいほど、復号画像の画質は劣化する。したがって、分割レベル決定部105は、可能な限り(その遅延時間が許容遅延時間(T)より長くならない範囲において)大きな値の分割レベル数を選択する。
以上のように、分割レベル制御装置100は、ウェーブレット変換処理を制御することができる。特に、分割レベル制御装置100は、分割レベル数を指定することにより、画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、システムを破たんさせることなく、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
[処理の流れ]
図9は、以上のような制御を行うために分割レベル制御装置100が実行する分割レベル制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
分割レベル制御処理が開始されると、分割レベル制御装置100の許容遅延時間受付部101は、ステップS101において、許容遅延時間を受け付ける。ステップS102において、フレームレート検出部102は、入力画像のフレームレートを検出する。ステップS103において、垂直ライン数検出部103は、入力画像の垂直ライン数を検出する。
ステップS104において、遅延時間算出部104は、フレームレートと垂直ライン数に基づいて、分割レベルごとの遅延時間を算出する。
ステップS105において、分割レベル決定部105は、遅延時間と許容遅延時間を比較し、その遅延時間が、許容遅延時間より短く、かつ、できるだけ長くなるように分割レベル数を決定する。
ステップS105の処理が終了すると、分割レベル制御処理が終了される。
以上のように分割レベル制御処理が行われることにより、分割レベル制御装置100は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
[他の構成例]
なお、分割レベル数の決定は、テーブル情報に基づいて行うようにしてもよい。図10は、本発明を適用した分割レベル制御装置の他の構成例を示すブロック図である。
図10に示される分割レベル制御装置150は、図1に示される分割レベル制御装置100に対応する装置である。分割レベル制御装置150は、基本的に分割レベル制御装置100と同様の構成を有し、同様の処理を行うが、分割レベル制御装置150の場合、図1の遅延時間算出部104および分割レベル決定部105の代わりに、テーブル保持部154および分割レベル決定部155を有する。
図1の場合と同様に、許容遅延時間受付部101は、受け付けた許容遅延時間(矢印171)を分割レベル決定部155に供給する(矢印172)。フレームレート検出部102は、検出したフレームレート(矢印173または矢印175)を分割レベル決定部155に供給する(矢印174)。垂直ライン数検出部103は、検出した垂直ライン数(矢印175または矢印176)を分割レベル決定部155に供給する(矢印177)。
テーブル保持部154は、テーブル161を保持している。テーブル161は、フレームレートおよび垂直ライン数と、想定される複数の分割レベル数の各遅延時間とが対応付けられたテーブル情報である。
分割レベル決定部155は、このテーブル保持部154からテーブル161を取得し、そのテーブル161を用いて、供給されたフレームレートおよび垂直ライン数から、分割レベル数毎の遅延時間を求める。
分割レベル決定部155は、テーブル161を用いて求めた各分割レベル数の遅延時間と、供給された許容遅延時間を比較し、その比較結果からウェーブレット変換処理の分割レベル数を決定し、その値を分割レベル数指定情報として出力する。
より具体的には、分割レベル決定部155は、図1の分割レベル決定部105の場合と同様に、分割レベル決定部155は、可能な限り(その遅延時間が許容遅延時間(T)より長くならない範囲において)大きな値の分割レベル数を選択する。
以上のように、分割レベル制御装置150は、分割レベル制御装置100の場合と同様に、ウェーブレット変換処理を制御することができる。つまり、分割レベル制御装置150は、画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、システムを破たんさせることなく、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
特に、分割レベル制御装置150は、テーブル161を用いることにより、より容易に分割レベル数を求めることができる。
テーブル161を用いて遅延時間が求められる分割レベル数の値は任意であるが、ウェーブレット変換処理において使用される可能性の高い値(換言すれば、遅延時間がシステム上現実的な値をとる分割レベル数)にするのが望ましい。
現実的には、分割レベル数が取りうる値の範囲は、例えば0乃至5程度の狭い範囲であり、かつ、フレームレートや垂直ライン数の種類も数パターンであることがほとんどである。つまり、これらの値の組み合わせのパターンは多くはないので、それぞれについて予め遅延時間をテーブル化することは困難ではないし、テーブル161の情報量も比較的少ない。
したがって、テーブル161を用いて分割レベル毎の遅延時間を求めるようにすることにより、分割レベル制御装置150は、より容易に分割レベル数を指定することができる。
[処理の流れ]
図11は、分割レベル制御処理の流れの、他の例を説明するフローチャートである。この場合も、分割レベル制御処理の流れは、図9のフローチャートを参照して説明した場合と基本的に同様である。
すなわち、許容遅延時間受付部101は、図9のステップS101の場合と同様に、ステップS121の処理を実行する。フレームレート検出部102は、図9のステップS102の場合と同様に、ステップS122の処理を実行する。垂直ライン数検出部103は、図9のステップS103の場合と同様に、ステップS123の処理を実行する。
ステップS124において、分割レベル決定部155は、テーブル保持部154からテーブル161を取得し、そのテーブル161を参照し、上述したように、許容遅延時間、垂直ライン数、およびフレームレートから分割レベル数を決定する。
ウェーブレット変換の分割レベル数を決定し、分割レベル数指定情報が出力されると、分割レベル制御処理が終了する。
以上のように分割レベル制御処理が行われることにより、分割レベル制御装置150は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
<2.第2の実施の形態>
[ウェーブレット変換装置の構成]
以上のような分割レベル制御装置は、ウェーブレット変換装置にも適用することができる。すなわち、制御対象であるウェーブレット変換処理を実行する処理部を、装置内に組み込むようにしてもよい。
図12は、本発明を適用したウェーブレット変換装置の主な構成例を示すブロック図である。
図12に示されるウェーブレット変換装置200は、入力画像に対してウェーブレット変換を行い、係数データを生成する。図12に示されるように、ウェーブレット変換装置200は、分割レベル制御部201およびウェーブレット変換部202を有する。
分割レベル制御部201は、基本的に第1の実施の形態において説明した分割レベル制御装置100や分割レベル制御装置150と同様の構成を有し、同様の処理を行う。
つまり、分割レベル制御部201は、許容遅延時間や入力画像を受け付け(矢印221および矢印222)、それらから分割レベル数指定情報を生成し、それをウェーブレット変換部202に供給する(矢印223)。
より具体的には、分割レベル制御部201は、取得した入力画像からフレームレートや垂直ライン数を検出し、それらから分割レベル数毎の遅延時間を求める。分割レベル制御部201は、求めた各分割レベル数の遅延時間を許容遅延時間と比較し、現在ウェーブレット変換処理に最も適した分割レベル数を選択する。
なお、この遅延時間は、図1の分割レベル制御装置100のように演算により求めるようにしてもよいし、図10の分割レベル制御装置150のようにテーブル情報を用いて求めるようにしてもよい。もちろん、その他の方法であってもよい。
分割レベル制御部201は、分割レベル数指定情報をウェーブレット変換部202に供給する。
ウェーブレット変換部202は、分割レベル制御部201から供給される分割レベル数師弟情報により指定される分割レベル数で、入力画像(矢印222)に対してウェーブレット変換を行う。
ウェーブレット変換部202は、ウェーブレット変換により画像データが変換されて生成された係数データを処理結果としてウェーブレット変換装置200の外部に出力する(矢印224)。
以上のように、ウェーブレット変換装置200は、分割レベル制御部201を用いて、ウェーブレット変換部202によるウェーブレット変換処理の分割レベル数を制御することができる。
[処理の流れ]
次に図13のフローチャートを参照して、このようなウェーブレット変換処理の流れの例を説明する。
ウェーブレット変換処理が開始されると、分割レベル制御部201は、分割レベル制御処理を行う。この分割レベル制御処理は、図9や図11のフローチャートと参照して説明した分割レベル制御利と同様の処理が同様に実行される。したがって、この分割レベル制御処理の詳細についての説明は省略する。
分割レベル制御処理が終了すると、ウェーブレット変換部202は、求められた分割レベル数に従って、入力画像に対するウェーブレット変換処理を行う。ウェーブレット変換が終了するとウェーブレット変換処理が終了される。
以上のように分割レベル制御処理を行ってからウェーブレット変換処理を行うことにより、ウェーブレット変換装置200は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
なお、入力画像が動画像であっても、基本的にその動画像の途中でフォーマットが変化することはない。したがって、一般的には、ステップS141の分割レベル制御処理は、例えば、入力される動画像の入力時またはその前等に、1回だけ行われるようにしてもよい。この場合、ステップS142のウェーブレット変換処理は、各フレーム画像に対して、その動画像が終了するまで繰り返し実行される。
[他の構成例]
なお、遅延時間を実際に測定し、その測定結果に基づいて分割レベル数を決定するようにしてもよい。
図14は、本発明を適用したウェーブレット変換装置の他の構成例を示すブロック図である。図14において、ウェーブレット変換装置250は、ウェーブレット変換部202および分割レベル制御部251を有する。
すなわち、ウェーブレット変換装置250は、図12のウェーブレット変換装置200の分割レベル制御部201の代わりに分割レベル制御部251を有する。
分割レベル制御部251は、ウェーブレット変換部202による、1分割レベル分の分析フィルタリングの所要時間(遅延時間)を測定し、その測定結果と許容遅延時間を比較することにより分割レベル数を決定する。
分割レベル制御部251は、許容遅延時間受付部261、係数保持部262、所要時間測定部263、および分割レベル決定部264を有する。
許容遅延時間受付部261は、許容遅延時間受付部101(図1)等と同様に、許容遅延時間を受け付け(矢印271)、それを分割レベル決定部264に供給する(矢印272)。
ウェーブレット変換部202は、供給される入力画像(矢印273)に対してウェーブレット変換処理を行う。ウェーブレット変換部202は、分割レベル制御部251の分割レベル決定部264から供給される制御情報(矢印277)に従って、分析フィルタリングを行う。
例えば、分割レベル数を決定する際において、制御情報により分析フィルタリングの実行が指示されると、ウェーブレット変換部202は、当該分割レベルの分析フィルタリングを行い、得られた1つ上位の分割レベルの各サブバンド(HH,HL,LH,LL)の係数データ(1ラインブロック分)を係数保持部262に供給する(矢印274)。
なお、ウェーブレット変換部202は、第1の実施の形態において、図7や図8等を参照して説明したような手順で分析フィルタリングを行う。分析フィルタリングにより生成された係数データは、係数保持部262に供給されるが、次回以降の分析フィルタリングに必要な係数データは、さらにウェーブレット変換部202においても保持される。
遅延時間の測定は、1ラインブロックに対するウェーブレット変換処理について行われる。しかしながら、第1の実施の形態において説明したように、ラインブロックのライン数は分割レベル数によって異なる。
すなわち、ある分割レベルのラインブロックの係数データに対しさらに分析フィルタリングを行って上位の分割レベルの係数データを生成するためには、そのラインブロックの係数データだけでなく、新たなベースバンドの画像データが必要になる。
つまり、ウェーブレット変換部202は、その分割レベルでの分析フィルタリングだけでなく、下位の分割レベルにおける分析フィルタリングも実行しなければならない。分割レベル決定部264からさらなる分析フィルタリングの実行を指示された場合、ウェーブレット変換部202は、上位の分割レベルの係数データを得るために必要な分析フィルタリングを全て行う。
ウェーブレット変換部202は、以上のように制御情報の実行指示に従って分析フィルタリングを行うことにより、1ラインブロック分の係数データを1分割レベルずつ生成し、制御情報の終了指示に従って分析フィルタリングを終了する。
係数保持部262は、ウェーブレット変換部202において生成される係数データを記憶(保持)する。係数保持部262は、新たな係数データを保持すると、その旨を、保持状況として所要時間測定部263に通知する(矢印275)。
所要時間測定部263は、係数保持部262から供給される係数データの保持状況に関する情報に基づいて、ウェーブレット変換処理の開始から今回の分析フィルタリングにより4つのサブバンドの係数が出力されるまでの所要時間、すなわち、当該分割レベル数のウェーブレット変換の遅延時間を測定する。
所要時間測定部263は、その測定結果(所要時間を示す情報)を、分割レベル決定部264に供給する(矢印276)。
分割レベル決定部264は、所要時間測定部263により測定された遅延時間と、許容遅延時間受付部261から供給された許容遅延時間とを比較し、その比較結果に基づいて、ウェーブレット変換処理の分割レベル数を決定する。
より具体的には、所要時間測定部263から供給された遅延時間が、許容遅延時間受付部261から供給された許容遅延時間よりも短い場合、分割レベル決定部264は、ウェーブレット変換部202に、さらに分析フィルタリングを実行させる指示を制御情報として供給する(矢印277)。
また、所要時間測定部263から供給された遅延時間が、許容遅延時間受付部261から供給された許容遅延時間を超えた場合、分割レベル決定部264は、分割レベル数を1つ前の分割レベルに決定する。
そして、分割レベル決定部264は、分析フィルタリングを終了させるとともに、分割レベル数を1つ前の分割レベルに設定する指示を制御情報としてウェーブレット変換部202に対して供給する(矢印277)。
また、分割レベル決定部264は、係数保持部262に対して制御情報を供給し(矢印278)、係数保持部262に保持されている1つ前の分割レベルにおけるラインブロックに属する係数データを出力させる(矢印279)とともに、最後の分割レベルの係数データを破棄させる。なお、それ以外の係数データは、次のラインブロックに属する係数データとして適宜利用するようにしてもよい。
分割レベル数決定後は、ウェーブレット変換部202は、その決定された分割レベル数でウェーブレット変換を行い、生成した係数データを適宜係数保持部262に供給する。係数保持部262は、ウェーブレット変換部202から供給される係数データを保持し、任意のタイミングで適宜出力する(矢印279)。
以上のように、分割レベル制御部251が、実際に遅延時間を測定し、その実際の遅延時間に基づいて分割レベル数を決定するので、ウェーブレット変換装置250は、入力画像に対してより適切な分割レベル数でウェーブレット変換処理を行うことができる。
つまり、ウェーブレット変換装置250は、ウェーブレット変換部202によるウェーブレット変換処理の分割レベル数をより適切に制御することができる。
例えば、入力画像のフォーマットが一般的でなく、解像度やフレームレート等の仕様が不明であり、かつ、メタデータ等も存在せず、それらの情報が得にくいような場合、上述したように実際に遅延時間を測定することでより正確な分割レベル数制御を行うことができるので、より有効である。
[処理の流れ]
次に図15のフローチャートを参照して、このようなウェーブレット変換処理の流れの例を説明する。
ウェーブレット変換処理が開始されると、許容遅延時間受付部261は、ステップS161において、許容遅延時間を受け付ける。
ステップS162において、ウェーブレット変換部202は、1ラインブロック、1分割レベル分のウェーブレット変換処理を行う。ステップS163において、係数保持部262は、ステップS162の処理により生成された係数データを保持する。
ステップS164において、所要時間測定部263は、ウェーブレット変換処理が開始されてから、次の分割レベルの4つのサブバンドの係数が出力されるまでの所要時間(遅延時間)を測定する。
ステップS165において、分割レベル決定部264は、ステップS164において算出された所要時間が、ステップS161において受け付けられた許容遅延時間を超えたか否かを判定する。
所要時間が許容遅延時間を超えていないと判定された場合、ステップS166に進む。ステップS166において、分割レベル決定部264は、制御情報をウェーブレット変換部202に供給することにより、さらに1分割レベル分のウェーブレット変換処理を実行させる。
処理はステップS162に戻り、ウェーブレット変換部202は、その指示に従ってウェーブレット変換処理を進める。
このようにステップS162乃至ステップS165の処理が繰り返し実行され、ステップS165において、所要時間が許容遅延時間を超えたと判定された場合、ステップS167に進む。
ステップS167において、係数保持部262は、分割レベル決定部264の制御に従い、1つ前の分割レベルにおける処理対象ラインブロックに属する係数データを出力する。
ステップS168において、分割レベル決定部264は、ウェーブレット変換処理の分割レベル数を1つ前の分割レベルに決定する。
ステップS169において、ウェーブレット変換部202は、決定された分割レベル数で以降のラインブロックのウェーブレット変換を行う。
ステップS169の処理が終了するとウェーブレット変換処理が終了する。
以上のように、ウェーブレット変換処理を行うことにより、ウェーブレット変換装置250は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
なお、以上のようなウェーブレット変換処理の所要時間(遅延時間)の測定および分割レベル数の設定は、どのようなタイミングで行うようにしてもよい。例えば、入力画像に対するウェーブレット変換処理開始時に行うようにしても良いし、例えば、シーン毎、GOP毎、若しくはフレーム毎のように、所定のタイミングで定期的または不定期に繰り返し行うようにしても良いし、全ラインブロックにつてい行うようにしても良い。
また、分割レベル決定部264は、ステップS165において所要時間が許容遅延時間を超えていないと判定された場合、係数保持部262に保持されている係数データを出力させるようにしてもよい。
この場合、各分割レベルにおいて係数データが順次出力されることになる。各分割レベルにおいて出力される係数データは、1つ前の分割レベルとの差分(今回の分割レベルにおける処理により新たに保持された係数データ)のみとなる。
この場合、所要時間が許容遅延時間を超えると、係数保持部262に保持されている係数データが破棄される。これにより、1つ前の分割レベルのラインブロックの係数データのみが出力されたことになる。
[他の構成例2]
なお、ウェーブレット変換部202において生成された係数データは、係数保持部262において保持せずに後段の処理部に供給するようにしてもよい。図16は、本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
図16に示されるウェーブレット変換装置300は、ウェーブレット変換装置250と同様に、ウェーブレット変換部202を有するが、分割レベル制御部251の代わりに、係数保持部262を有していない分割レベル制御部301を有する。
ウェーブレット変換部202において生成された係数データは、ウェーブレット変換装置300の外部の処理部330に供給される(矢印324)。処理部330は、供給された係数データを、内蔵する記憶部(図示せず)に保持しても良いし、所定の処理を施してから、その処理結果を、内蔵する記憶部(図示せず)に保持してもよい。
分割レベル制御部301は、分割レベル制御部251の場合と同様に、許容遅延時間受付部261と所要時間測定部263を有し、分割レベル決定部264の代わりに分割レベル決定部314を有する。
ウェーブレット変換部202において生成された係数データは、所要時間測定部263にも供給される。所要時間測定部263は、ウェーブレット変換処理の開始から今回の分析フィルタリングにより4つのサブバンドの係数が出力されるまでの所要時間、すなわち、当該分割レベル数のウェーブレット変換の遅延時間を測定し、その測定結果(所要時間を示す情報)を、分割レベル決定部314に供給する(矢印325)。
分割レベル決定部314は、その測定結果、すなわち、遅延時間と、許容遅延時間受付部261から供給される許容遅延時間(矢印322)とを比較する。
遅延時間が許容遅延時間を超えていない場合、分割レベル決定部314は、ウェーブレット変換部202に制御情報を供給し(矢印326)、次の分割レベルの係数データを生成するための分析フィルタリングを実行させる。
遅延時間が許容遅延時間を超えた場合、分割レベル決定部314は、ウェーブレット変換部202に制御情報を供給し(矢印326)、分析フィルタリングの終了を通知するとともに、ウェーブレット変換の分割レベル数を、1つ前の分割レベルに設定させる。
また、分割レベル決定部314は、制御情報を後段の処理部330に供給し(矢印327)、保持している係数データ、若しくは、処理部330における係数データの処理結果のうち、現在の分割レベルのラインブロックのみに属するデータを破棄させ、1つ前の分割レベルのラインブロックに属するデータに対する処理を進めさせる。
このようにすることにより、ウェーブレット変換装置300は、ウェーブレット変換装置250の場合と同様に、入力画像に対してより適切な分割レベル数でウェーブレット変換処理を行うことができる。
また、ウェーブレット変換装置300は、ウェーブレット変換装置250の場合と比べて係数保持部262が省略されているので、コストを低減させることができる。ただし、この場合、ウェーブレット変換装置300は、後段の処理部330を制御する機能を有する必要があり、後段の処理部330も、そのウェーブレット変換装置300による制御に対応する機能を有する必要がある。
<3.第3の実施の形態>
[符号化装置の構成]
以上のような、遅延時間を分割レベル数で制御するウェーブレット変換は、符号化装置にも適用することができる。
図17は、本発明を適用した符号化装置の主な構成例を示すブロック図である。
図17に示される符号化装置350は、画像データをウェーブレット変換して符号化し、符号化データを生成する装置である。符号化装置350は、ウェーブレット変換の分割レベル数を制御することにより、符号化処理の遅延時間を制御する。
図17において、符号化装置350は、画像ライン入力部351、ラインバッファ部352、ウェーブレット変換部353、係数ライン並び替え部354、量子化部355、エントロピ符号化部356、およびレート制御部357を有する。
画像ライン入力部351は、入力される画像データ(矢印362)を、ライン毎にラインバッファ部352に供給し(矢印362)、ラインバッファ部352に蓄積させる。ラインバッファ部352は、画像ライン入力部351から供給される画像データや、ウェーブレット変換部353から供給される係数データを保持し、所定のタイミングにおいてその画像データや係数データをウェーブレット変換部353に供給する(矢印364)。
ウェーブレット変換部353は、ラインバッファ部352から供給される画像データや係数データに対してウェーブレット変換を行い、次の階層の低域成分と高域成分の係数データを生成する。
ウェーブレット変換部353は、生成した係数データの、垂直方向および水平方向に低域な成分をラインバッファ部352に供給して保持させ(矢印365)、その他の成分を係数ライン並び替え部354に供給する(矢印366)。なお、ウェーブレット変換部353は、生成した係数データが最上位層である場合、垂直方向および水平方向に低域な成分も係数ライン並び替え部354に供給する。
また、ウェーブレット変換部353は、上述したようにリフティング演算を行う場合、計算途中のデータを保持し、次回の分析フィルタリングに利用する。
さらに、ウェーブレット変換部353には、外部より許容遅延時間が供給される(矢印361)。ウェーブレット変換部353は、第1の実施の形態や第2の実施の形態において上述したように、その許容遅延時間を用いて、ウェーブレット変換の分割レベル数を決定する。ウェーブレット変換部353は、例えば、第1の実施の形態において上述したように、所定の演算を行ったり、テーブル情報を参照したりして、分割レベル数を決定する。また、ウェーブレット変換部353は、例えば、第2の実施の形態において上述したように、実際に遅延時間を測定することにより、分割レベル数を決定するようにしてもよい。もちろん、上述した以外の方法により分割レベル数を決定するようにしてもよい。
ウェーブレット変換部353は、このように自分自身が決定した分割レベル数でウェーブレット変換を実行する。
係数ライン並び替え部354には、ウェーブレット変換部353から係数データ(係数ライン)が供給される(矢印366)。係数ライン並び替え部354は、その係数データ(係数ライン)の順序を、ウェーブレット逆変換処理の順序に並び替える。
係数ライン並び替え部354は、ウェーブレット変換部353から供給される係数ラインを内蔵する記憶部に保持し、さらに、その保持された係数ラインを読み出す。このとき、係数ライン並び替え部354は、保持された係数ラインをウェーブレット逆変換処理の順序で読み出すことにより、並び替えを行う。この並び替えの詳細については後述する。
係数ライン並び替え部354は、順序を並び替えた係数データを量子化部355に供給する(矢印367)。
量子化部355は、係数ライン並び替え部354から供給された係数データに対して、量子化を行う。この量子化の方法としてはどのようなものを用いても良く、例えば、一般的な手段、つまり、以下の式(5)に示されるような、係数データWを量子化ステップサイズQで除算する手法を用いれば良い。
量子化係数=W/Q ・・・(5)
なお、この量子化ステップサイズQは、レート制御部357により指定される。量子化部355は、量子化された係数データをエントロピ符号化部356に供給する(矢印368)。
エントロピ符号化部356は、量子化部355から供給される係数データを、例えばハフマン符号化や算術符号化といった所定のエントロピ符号化方式で符号化する。エントロピ符号化部356は、生成した符号化データを符号化装置350の外部に出力する(矢印369)。符号化装置350の外部に出力された符号化データは、例えばネットワーク等を介して、後述する復号装置に供給される。
この符号化データは、係数ライン並び替え部354により、ウェーブレット逆変換の順に並び替えられている。これにより、例えば、復号装置による復号処理の遅延時間を低減させることができる。
また、ウェーブレット変換部353は、低遅延で処理を行うように、図7や図8を参照して説明したような手順でウェーブレット変換処理を行う。これにより、符号化装置350は、低遅延に画像データを符号化することができる。
さらに、ウェーブレット変換部353は、上述したようにウェーブレット変換の分割レベル数を制御することにより、ウェーブレット変換される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現するように、そのウェーブレット変換の遅延時間を制御することができる。
これにより、符号化装置350は、符号化される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができる。
なお、係数ライン並び替え部354は、ウェーブレット変換処理の分割レベル数を把握していないと、供給される係数ラインをどのように並び替えてよいか把握できなくなる。そこで、ウェーブレット変換部353は、係数ライン並び替え部354に対して、決定した分割レベル数を示す情報を供給する(点線矢印371)。係数ライン並び替え部354は、その分割レベル数に基づいて、各ラインブロックを把握し、係数ラインの並び替えを行う。
また、ウェーブレット変換部353は、決定した分割レベル数を示す情報を、エントロピ符号化部356にも供給する。エントロピ符号化部356は、その分割レベル数を示す情報を符号化データのヘッダ等に含め、コードストリームとして復号装置に供給する。つまり、ウェーブレット変換部353において決定された分割レベル数は、復号装置にも供給される。
ところで、エントロピ符号化部356は、各符号ラインの符号量を、レート制御部357にも供給する(点線矢印372)。
レート制御部357は、エントロピ符号化部356から供給される符号ライン毎の符号量に基づいて、画像の符号化難易度を推定し、その符号化難易度に応じて量子化部355により用いられる量子化ステップサイズQを指定する(点線矢印373)。つまり、レート制御部357は、量子化ステップサイズQを指定することにより、符号化データのレート制御を行う。
[係数並び替え]
係数ライン並び替え部354は、各係数ラインを、図18に示されるように、ウェーブレット逆変換処理の順序で読み出すことにより、係数ラインの並び替えを行う。
図18において、各係数ラインは、その処理順に並べられている。図中上から下に向かう向きに時系列が示されている。つまり、図18に示される各係数ラインは、図中上から順に処理される。
つまり、図18の左側に示されるような順序(ウェーブレット変換出力順)でウェーブレット変換部353から出力された各係数ラインは、係数ライン並び替え部354により、図18の右側に示されるようなウェーブレット逆変換処理の順に並び替えられる。
より具体的には、係数ライン並び替え部354は、分割レベル4のラインPの係数ラインを読み出し、分割レベル3のラインNの係数ラインを読み出し、分割レベル2のラインMの係数ラインを読み出し、分割レベル1のラインLおよびライン(L+1)の係数ラインを読み出し、読み出した各係数ラインを、その読み出し順に量子化部355に供給する。
また、係数ライン並び替え部354は、次に、分割レベル2のライン(M+1)の係数ラインを読み出し、分割レベル1のライン(L+2)およびライン(L+3)の係数ラインを読み出し、読み出した各係数ラインを、その読み出し順に量子化部355に供給する。
さらに、係数ライン並び替え部354は、分割レベル3のライン(N+1)の係数ラインを読み出し、分割レベル2のライン(M+2)の係数ラインを読み出し、分割レベル1のライン(L+4)およびライン(L+5)の係数ラインを読み出し、読み出した各係数ラインを、その読み出し順に量子化部355に供給する。
また、係数ライン並び替え部354は、次に、分割レベル2のライン(M+3)の係数ラインを読み出し、分割レベル1のライン(L+6)およびライン(L+7)の係数ラインを読み出し、読み出した各係数ラインを、その読み出し順に量子化部355に供給する。
量子化部355やエントロピ符号化部356は、各係数ラインを、供給された順に処理する。つまり、量子化部355やエントロピ符号化部356は、図18の左に示される順に、各係数ラインを処理することになる。
[復号装置の構成]
次に、図17の符号化装置350に対応する復号装置について説明する。図19は、図17の符号化装置に対応する復号装置の主な構成例を示すブロック図である。図19に示される復号装置400は、符号化装置350により画像データが符号化された符号化データを復号する。
図19に示されるように、復号装置400は、分割レベル数検出部401、エントロピ復号部402、係数バッファ部403、およびウェーブレット逆変換部404を有する。
分割レベル数検出部401は、符号化装置350から供給される符号化データを取得し(矢印411)、その符号化データのヘッダ等に含められている分割レベル数を示す情報を、コードストリームから検出し、抽出し、ウェーブレット逆変換部404に供給する(点線矢印421)。
また、分割レベル数検出部401は、符号化データをエントロピ復号部402に供給する(矢印412)。
エントロピ復号部402は、供給された符号化データをエントロピ符号化部356による符号化方法に対応する復号方法で復号し、係数データを得る。その係数データは、係数バッファ部403に供給されて(矢印413)格納される。
ウェーブレット逆変換部404は、係数バッファ部403に格納された係数データを取得し(矢印414)、その係数データを用いて合成フィルタによる合成フィルタ処理(ウェーブレット逆変換)を行い、合成フィルタ処理の結果を再び係数バッファ部403に供給して(矢印415)格納させる。
ウェーブレット逆変換部404は、この処理を、分割レベル数検出部401から供給される情報により示される分割レベル数に応じて繰り返し、復号された画像データ(出力画像データ)を得ると、それを外部に出力する(矢印416)。
このように、復号装置400は、低遅延に符号化データを復号することができる。
[処理の流れ]
次に、符号化装置350および復号装置400により実行される処理の流れの例について説明する。最初に、図20のフローチャートを参照して符号化装置350により実行される符号化処理の流れの例を説明する。
符号化処理が開始されると、ステップS181において、ウェーブレット変換部353は、ウェーブレット変換の分割レベル数を決定する。この分割レベル数制御処理の詳細は、例えば、図9や図11のフローチャートを参照して説明した分割レベル制御処理と同様であるので、その説明は省略する。
ウェーブレット変換処理の分割レベル数が決定すると、ステップS182において、ウェーブレット変換部353は、その決定した分割レベル数を、係数ライン並び替え部354やエントロピ符号化部356に通知する。
ステップS183において、ウェーブレット変換部353は、ラインバッファ部352からラインを入力しながらウェーブレット変換を行う。
ステップS184において、ウェーブレット変換部353は、1ラインブロック分の処理を行ったか否かを判定し、まだラインブロック内に未処理のラインが存在すると判定された場合、ステップS183に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS184において1ラインブロック分の処理が行われたと判定された場合、ステップS185に進む。
ステップS185において、係数ライン並び替え部354は、1ラインブロック分の係数データを並び替える。ステップS186において、量子化部355は、係数データに対して量子化を行う。
エントロピ符号化部356は、ステップS187において、量子化された係数データをエントロピ符号化し、ステップS188において、生成した符号化データを出力する。
ステップS189において、レート制御部357は、エントロピ符号化部356から供給される情報に基づいて量子化部355を制御し、レート制御を行う。
ステップS190において、ウェーブレット変換部353は、ピクチャ内において、最終ラインブロックまで処理したか否かを判定し、未処理のラインブロックが存在すると判定された場合、ステップS183に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
ステップS183乃至ステップS190の処理が繰り返し実行され、ステップS190において、最終ラインブロックまで処理したと判定された場合、符号化処理が終了する。
この符号化処理は、フレーム(ピクチャ)毎に繰り返し実行される。
以上のように符号化処理を行うことにより、符号化装置350は、符号化される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができる。
次に、図19の復号装置400により実行される復号処理の流れの例を、図21のフローチャートを参照して説明する。
復号処理が開始されると、ステップS201において、分割レベル数検出部401は、供給される符号化データの分割レベル数を検出する。
ステップS202において、エントロピ復号部402は、符号化データをエントロピ復号し、係数データを復元する。ステップS203において、係数バッファ部403は、係数データを保持する。ステップS204において、係数バッファ部403に蓄積されている係数データに対して、ウェーブレット逆変換部404は、分割レベル数検出部401から供給された分割レベル数でウェーブレット逆変換を行い、復号画像を生成し、出力する。
ステップS205において、ウェーブレット逆変換部404は、最終ラインブロックまで処理したか否かを判定する。未処理のラインブロックが存在すると判定された場合、ステップS202に戻り、それ以降の処理を繰り返す。また、ステップS205において、最終ラインブロックまで処理されたと判定された場合、復号処理が終了する。
このような復号処理がフレーム(ピクチャ)毎に繰り返される。
以上のように復号処理を行うことにより、復号装置400は、符号化装置350が設定した分割レベル数に応じて復号画像を生成することができる。
[他の構成例]
なお、図17の符号化装置350においては、ウェーブレット変換部353から出力される係数ラインが並び替えられるように説明したが、この並び替えのタイミングは、ウェーブレット逆変換が行われるまでの間であれば、任意のタイミングにて行うことができる。
図22は、本発明を適用した符号化装置の他の構成例を示すブロック図である。例えば、図22に示される符号化装置450のように、エントロピ符号化処理後に、符号化データを並び替えるようにしても良い。
符号化装置450は、符号化装置350と基本的に同様の構成を有するが、符号化装置350の係数ライン並び替え部354の代わりに、符号並び替え部454を有する。
したがって、ウェーブレット変換部353から出力される係数データは、量子化部355に供給される(矢印466)つまり、この場合、量子化部355およびエントロピ符号化部356は、係数データを、ウェーブレット変換処理により生成された順に処理する。
符号並び替え部454は、並び替えを行う対象が符号化データであること以外は、係数ライン並び替え部354と基本的に同様である。つまり、符号並び替え部454は、基本的に、係数ライン並び替え部354と同様の構成を有し、同様に処理を行う。
符号並び替え部454は、そのウェーブレット変換部353からの出力順に供給される符号化データ(矢印468)の並び順を、ウェーブレット逆変換処理される順に並び替えて出力する(矢印469)。
つまり、符号化装置450から出力される符号化データの並び順は、符号化装置350から出力される符号化データの並び順と同一である。つまり、これらの符号化データの仕様は互いに同一である。したがって、符号化装置450において生成された符号化データは、上述した復号装置400により復号することができる。
このような符号化装置450も、符号化装置350の場合と同様に、符号化される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができる。
<4.第4の実施の形態>
[コンポーネント例]
以上においては単一のピクチャの実施形態について述べたが、一般に画像は複数のコンポーネントから構成されている。例えば、RGBやYCbCrなどが代表的な例である。一般にRGBはR,G,Bの3つのコンポーネントの画像サイズがすべて同じであるが、YCbCrでは、図23に示されるように4:2:2フォーマットの場合には垂直ライン数が同じであるが、4:2:0フォーマットの場合には垂直ライン数が2分の1になる。
4:2:2フォーマットの場合には垂直ライン数がY,Cb,Crともに同一であるので問題はないが、4:2:0の場合にはCb及びCrの垂直ライン数はYの2分の1しかないので、ベースバンドの1ライン当たりの時間は2倍になる。従って、CbやCrに対してウェーブレット変換を、Yと同一の分割レベル数で行うと、その所要時間も2倍になる。従って、CbおよびCrに影響を受けて遅延時間が増えてしまうことになる。
つまり、図23の下段に示される4:2:0フォーマットの場合、より低遅延にウェーブレット変換を行うためには、CbおよびCrに対するウェーブレット変換の遅延時間を、Yに対するウェーブレット変換の遅延時間と同一にすることが望ましい。
図23の下段に示される4:2:0フォーマットの場合、CbとCrのウェーブレット変換の分割レベル数を、Yよりも1つだけ少なくすることにより、遅延時間を互いに同一とすることができる。しかも、Cb、Crは一般にYに比べて圧縮効率が高く取れるため、ウェーブレット変換の分割レベル数を1つ減らしても性能劣化は少ない。
つまり、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができるようになる。
[分割レベル制御装置の構成]
図24は、本発明を適用した分割レベル制御装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
図24に示される分割レベル制御装置500は、図1を参照して説明した分割レベル制御装置100を複数コンポーネントに対応させたものである。
分割レベル制御装置500は、基本的に分割レベル制御装置100と同様の構成を有するが、分割レベル決定部105の代わりに分割レベル決定部505を有し、さらに、フォーマット検出部501を有する。
フォーマット検出部501は、外部から供給されるフォーマットに関する情報を取得し(矢印523)、ウェーブレット変換される画像のコンポーネントについてのフォーマットを検出する。なお、フォーマット検出部501は、入力画像から(矢印525)、そのフォーマットを検出するようにしてもよい。
フォーマット検出部501は、検出したフォーマットを分割レベル決定部505に供給する(矢印524)。
分割レベル決定部505は、複数のコンポーネットよりなる画像データに対するウェーブレット変換処理の分割レベル数を決定する。分割レベル決定部505は、各コンポーネントについて、それぞれ分割レベル数を決定する。
分割レベル決定部505は、例えば、Y分割レベル決定部511、Cb分割レベル決定部512、およびCr分割レベル決定部513を有する。
Y分割レベル決定部511は、輝度成分Yについての分割レベル数を決定する。Cb分割レベル決定部512は、色差成分Cbについての分割レベル数を決定する。Cr分割レベル決定部513は、色差成分Crについての分割レベル数を決定する。
Y分割レベル決定部511は、輝度成分Yについて、上述した分割レベル制御装置100の分割レベル決定部105の場合と同様に、分割レベル数毎の遅延時間と許容遅延時間とから、分割レベル数の決定を行う。Cb分割レベル決定部512およびCr分割レベル決定部513は、それぞれ、Y分割レベル決定部511により決定された分割レベル数を基準とし、フォーマット検出部501において検出されたフォーマットに応じた比となるように分割レベル数を決定する。
各コンポーネントについて分割レベル数が決定すると、分割レベル決定部505は、決定した各分割レベル数を指定するYCbCr分割レベル指定情報を、分割レベル決定部105の場合と同様に、外部に出力する(矢印531)。
このように、分割レベル制御装置500は、コンポーネントのフォーマットに応じて分割レベル数を適切に設定することができる。これにより、分割レベル制御装置500は、ウェーブレット変換される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
[処理の流れ]
このような分割レベル制御装置500により実行される分割レベル制御処理の流れの例について、図25のフローチャートを参照して説明する。
分割レベル制御処理が開始されると、ステップS221において、許容遅延時間算出部101は、図9のステップS101の場合と同様に、許容遅延時間を受け付ける。
ステップS222において、フォーマット検出部501は、入力画像のコンポーネントについてフォーマット(例えば、4:2:0や4:2:2等)を検出する。
ステップS223において、フレームレート検出部102は、図9のステップS102の場合と同様に、入力画像のフレームレートを検出する。
ステップS224において、垂直ライン数検出部103は、図9のステップS103の場合と同様に、入力画像の垂直ライン数を検出する。
ステップS225において、遅延時間算出部104は、輝度Yについて、図9のステップS104の場合と同様に、フレームレートと垂直ライン数に基づいて、分割レベル毎の遅延時間を算出する。
ステップS226において、Y分割レベル決定部511は、輝度Yについて、図9のステップS105の場合と同様に、遅延時間と許容遅延時間を比較し、分割レベル数を決定する。
ステップS227において、Cb分割レベル決定部512およびCr分割レベル決定部513は、コンポーネントのフォーマットに応じた比で、輝度Yの分割レベル数から、色差Cb、Crの分割レベル数をそれぞれ決定する。
各コンポーネントの分割レベル数が決定すると、分割レベル制御処理が終了する。
このような分割レベル制御処理が行われることにより、コンポーネントのフォーマットに応じて分割レベル数が適切に設定されるので、ウェーブレット変換される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
なお、以上においては、5×3フィルタを用いてウェーブレット変換処理が行われるように説明したが、ウェーブレット変換処理に用いられるフィルタは、例えば9×7フィルタ等、これ以外であっても良い。
<5.第5の実施の形態>
[フィルタ選択装置の構成]
また、以上においては、分割レベル数の制御によって、遅延時間を制御するように説明したが、これに限らず、ウェーブレット変換処理に用いられるフィルタの選択によって、遅延時間を制御するようにしてもよい。
図26は、本発明を適用したフィルタ選択装置の主な構成例を示すブロック図である。
後述するように、ウェーブレット変換処理に使用されるフィルタによって、ラインブロックのライン数が異なる。したがって、ウェーブレット変換による遅延時間も変化する。
図26に示されるフィルタ選択装置550は、このことを利用し、ウェーブレット変換処理において使用されるフィルタを選択することにより、そのウェーブレット変換処理の遅延時間を制御する装置である。
フィルタ選択装置550は、フィルタ選択により遅延時間を制御すること以外、図1の分割レベル制御装置100と基本的に同様の装置である。
フィルタ選択装置550は、低遅延を維持しつつ(不要に遅延時間を増大させずに)、不要に画質を劣化させないように、ウェーブレット変換される画像のフォーマット(例えば、解像度やフレームレート等)や許容遅延時間等に応じて、使用するフィルタを決定(指定)する。
この制御対象となるウェーブレット変換処理は、フィルタ選択装置550の外部にて行われる。また、この制御対象となるウェーブレット変換処理は、使用するフィルタを変更することができる。使用されるフィルタの候補として、複数種類のフィルタが予め用意されており、ウェーブレット変換処理は、その中から1つを選択して使用することができる。
このようなウェーブレット変換処理を制御するフィルタ選択装置550は、分割レベル制御装置100と基本的に同様の構成を有する。ただし、分割レベル決定部105の代わりにフィルタ決定部555を有する。
また、フィルタ選択装置550の遅延時間算出部104は、フレームレート検出部102から供給されたフレームレート(矢印564)、および、垂直ライン数検出部103から供給された垂直ライン数(矢印567)に基づいて、分割レベル毎の遅延時間の代わりに、各フィルタを用いた場合のウェーブレット変換処理の遅延時間(フィルタ毎の遅延時間)を算出し、フィルタ決定部555に供給する(矢印568)。
フィルタ決定部555は、遅延時間算出部104において算出されたフィルタ毎の遅延時間と、許容遅延時間受付部101から供給された許容遅延時間(矢印562)とを比較し、その比較結果に基づいて、ウェーブレット変換処理に使用するフィルタを決定する。
フィルタ決定部555は、フィルタを指定するフィルタ指定情報を、外部(例えばウェーブレット変換処理部や記憶部等)に出力する(矢印564)。つまり、フィルタ決定部555は、遅延時間が許容遅延時間より短いフィルタを選択する。
一般的に、フィルタは、タップ長が長いほど、周波数分解特性が高く、圧縮性能が良好である傾向がある。しかしながら、タップ長が長いほどラインブロックのライン数が増大するので、ウェーブレット変換処理の遅延時間は増大する。
従って、この圧縮性能と遅延時間のトレードオフを考慮しながら最適な分析フィルタを決定することが望ましい。例えば、ウェーブレット変換処理を実現する分析フィルタを予め複数個用意しておいて、各分析フィルタでウェーブレット変換を特定レベル数(Level)だけ行った場合のラインブロックのライン数を記憶しておき、最初のラインブロックのライン数分のウェーブレット変換を上記レベル(Level)数分だけ実行した場合の時間(T)以内に、最初のラインブロックのウェーブレット変換が完了する分析フィルタを選択する。
この場合、複数個の候補が選択された場合には、最もフィルタタップ長の長いものが、圧縮効率が高いので、それを選べばよい。
フィルタ決定部555は、例えば、遅延時間が許容遅延時間内となるフィルタのうち、最もタップ長の長いフィルタを採用する。つまり、分割レベル決定部105は、与えられた許容遅延時間をウェーブレット変換による遅延時間の上限としつつ、できるだけタップ数の長いフィルタを選択する。
このようにすることにより、フィルタ決定部555は、復号画像の画質劣化をより抑制することができる。
フィルタを選択するとフィルタ決定部555は、フィルタを指定するフィルタ指定情報を外部に出力する(矢印569)。
このフィルタ指定情報の供給先は任意である。例えば、フィルタを指定したウェーブレット変換処理を行うウェーブレット変換装置であってもよいし、フィルタ指定情報を一時的に保持する記憶装置などであってもよい。
[9×7フィルタ]
ここで、5×7フィルタ以外の例として9×7フィルタを説明する。図27は、9×7フィルタのリフティング表現を示す図である。実数型9×7フィルタは、5×3フィルタに比べてタップ長が長く、JPEG2000 Part-1でも採用されている。通常の畳み込み演算と異なり、リフティング手段による方法では、以下のStep-1〜Step-4までの4個のステップを経て、低域成分と高域成分を算出する。
Step-1: di1= di0 + α(si0 + si+10) ・・・(6)
Step-2: si1= si0 + β(di-11 + di1) ・・・(7)
Step-3: di2= di1 + γ(si1 + si+11) ・・・(8)
Step-4: si2= si1 + σ(di-12 + di2) ・・・(9)
(α=-1.586134342, β=-0.05298011857, γ=0.8829110755, σ=0.4435068520)
[ラインブロック]
図28は、9×7フィルタを用いる場合のラインブロックの例を説明する図である。
9×7フィルタを用いた分析フィルタリングの場合、図28に示されるように、次の分割レベルの1ライン目の係数データを生成するのに、現在の分割レベルの係数データが5ライン必要であり、次の分割レベルの2ライン目以降の係数データ1ラインを生成するのに、現在の分割レベルの係数データが2ライン必要である。
従って、ウェーブレット変換において分割レベル1まで分析フィルタリングを行う場合、ベースバンドの画像データにおけるラインブロックのライン数は5ラインである。同様に、ベースバンドの画像データにおけるラインブロックのライン数は、分割レベル2までの分析フィルタリングの場合13ライン、分割レベル3までの分析フィルタリングの場合29ライン、分割レベル4までの分析フィルタリングの場合61ラインとなる。
このように、9×7フィルタの場合、ラインブロックのライン数は、5×3フィルタの場合よりも多くなる。つまり、ウェーブレット変換処理において9×7フィルタを使用する方が、5×3フィルタを用いる場合よりも、その遅延時間が増大する。
例えば、フィルタ選択装置550は、許容遅延時間や画像のフォーマット等に応じて、予め用意された9×7フィルタと5×3フィルタのいずれか一方を選択する。制御対象のウェーブレット変換処理は、その選択された方のフィルタを用いて分析フィルタリングを行う。
[処理の流れ]
図29は、以上のような制御を行うためにフィルタ選択装置550が実行するフィルタ選択処理の流れの例を説明するフローチャートである。
フィルタ選択処理が開始されると、ステップS241乃至ステップS243の各処理が、分割レベル制御処理のステップS101乃至ステップS103(図9)と同様に実行される。
ステップS244において、遅延時間算出部104は、フレームレートと垂直ライン数に基づいて、フィルタごとの遅延時間を算出する。
ステップS245において、フィルタ決定部555は、遅延時間と許容遅延時間を比較し、その遅延時間が許容遅延時間より短く、かつ、タップ数ができるだけ長くなるようにフィルタを決定する。
ステップS245の処理が終了すると、フィルタ選択処理が終了される。
以上のように処理を行うことにより、フィルタ選択装置550は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
[他の構成例]
分割レベル数の決定の場合と同様に、フィルタ選択もテーブル情報に基づいて行うようにしてもよい。その場合、図30に示されるフィルタ選択装置600のように、遅延時間算出部104およびフィルタ決定部555の代わりに、テーブル保持部604およびフィルタ決定部605を有する。
テーブル保持部604は、フレームレートおよび垂直ライン数と、予め用意された複数のフィルタの各遅延時間とが対応付けられたテーブル611を保持する。
フィルタ決定部605は、このテーブル保持部604からテーブル611を取得し、そのテーブル611を用いて、供給されたフレームレートおよび垂直ライン数から、フィルタ毎の遅延時間を求め、その各フィルタの遅延時間と許容遅延時間を比較し、その比較結果からウェーブレット変換処理に用いられるフィルタを決定し、そのフィルタを指定するフィルタ指定情報を出力する(矢印629)。
つまり、テーブル611を用いてフィルタを決定すること以外は、フィルタ選択装置550の場合と同様である。
[処理の流れ]
したがって、フィルタ選択装置600が実行するフィルタ選択処理の流れも、図29のフローチャートを参照して説明したのと基本的に同様である。
つまり、フィルタ選択処理が開始されると、ステップS261乃至ステップS263の各処理が、ステップS241乃至ステップS243と同様に実行される。
ステップS264において、フィルタ決定部605は、テーブル保持部154からテーブル161を取得し、そのテーブル161を参照し、上述したように、許容遅延時間、垂直ライン数、およびフレームレートから、ウェーブレット変換処理において使用するフィルタを決定する。
ウェーブレット変換において使用されるフィルタを決定し、フィルタ指定情報が出力されると、フィルタ選択処理が終了する。
<6.第6の実施の形態>
[ウェーブレット変換装置の構成]
もちろん、フィルタを選択する制御は、ウェーブレット変換装置にも適用することができる。その場合、ウェーブレット変換装置650は、図32に示されるように、図26のフィルタ選択装置550またはフィルタ選択装置600と同様の構成を有し、同様の処理を行うフィルタ選択部651と、フィルタ選択部651により選択されたフィルタを用いてウェーブレット変換を行うウェーブレット変換部652を有する。
[処理の流れ]
ウェーブレット変換装置650は、図33に示されるように、ウェーブレット変換処理を行う。つまり、フィルタ選択部651は、ステップS281において、図29または図31のフローチャートを参照して説明したようにフィルタ選択処理を行う。
ウェーブレット変換部652は、ステップS282において、選択されたフィルタを使用してウェーブレット変換処理を行う。
以上のようにフィルタ選択処理を行ってからウェーブレット変換処理を行うことにより、ウェーブレット変換装置650は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
なお、入力画像が動画像であっても、基本的にその動画像の途中でフォーマットが変化することはない。したがって、一般的には、ステップS281のフィルタ選択処理は、例えば、入力される動画像の入力時またはその前等に、1回だけ行われるようにしてもよい。この場合、ステップS282のウェーブレット変換処理は、各フレーム画像に対して、その動画像が終了するまで繰り返し実行される。
[他の構成例]
なお、以上のようにフィルタを選択する場合も、遅延時間を実際に測定し、その測定結果に基づいて行うようにしてもよい。
その場合のウェーブレット変換装置の構成例は、図34に示されるように、図32に示されるウェーブレット変換装置650の場合と基本的に同様である。ただし、図34に示されるウェーブレット変換装置700の場合、フィルタ選択部651の代わりにフィルタ選択部701を有する。
このフィルタ選択部701は、ウェーブレット変換処理に使用されるフィルタを選択する処理部であるが、図34に示されるように、基本的に図14の分割レベル制御部251と同様の構成を有する。ただし、フィルタ選択部701は、分割レベル決定部264の代わりに、フィルタ決定部714を有する。
フィルタ決定部714は、所要時間測定部263により測定された遅延時間(矢印726)と、許容遅延時間受付部261から供給された許容遅延時間(矢印722)とを比較し、その比較結果に基づいて、ウェーブレット変換処理に用いるフィルタを決定する。
このフィルタの決定方法は、図26や図30を参照して説明した場合と同様である。ただし、フィルタを選択するためには、予め用意されている全てのフィルタについて遅延時間を測定する必要があるので、フィルタ決定部714は、その全てのフィルタを(1つずつ)使用してウェーブレット変換を行うように繰り返し実行させる。
全てのフィルタについて遅延時間が得られると、フィルタ決定部714は、上述したように比較結果に基づいて最適なフィルタを選択し、ウェーブレット変換部652に制御情報を供給することにより(矢印727)、そのフィルタを使用するようにウェーブレット変換部652を制御する。
また、フィルタ決定部714は、係数保持部262に制御情報を供給し(矢印728)、選択したフィルタを用いて行われたウェーブレット変換により得られた係数データを出力させる(矢印729)。
なお、各フィルタの遅延時間を測定する際に、例えば、ウェーブレット変換部652が、遅延時間の短いフィルタから順に(各フィルタの遅延時間の長さ順に)選択してウェーブレット変換を繰り返すようにしてもよい。つまり、フィルタ決定部714がそのようにウェーブレット変換部652を制御するようにしてもよい。
この場合、フィルタ決定部714は、遅延時間が得られるたびにその遅延時間を許容遅延時間と比較し、遅延時間が許容遅延時間を超えた時点で遅延時間の測定を終了させ、1つ前に遅延時間を測定したフィルタを、ウェーブレット変換処理に使用するフィルタとして決定する。そしてフィルタ決定部714は、ウェーブレット変換部652にそのフィルタを用いてウェーブレット変換処理を行わせるように制御する。
つまり、この場合、予め用意された複数のフィルタの全てについて遅延時間を測定するとは限らない。
[処理の流れ]
ウェーブレット変換装置700は、図35に示されるフローチャートのように、ウェーブレット変換処理を行う。
ウェーブレット変換処理が開始されると、許容遅延時間受付部261は、ステップS301において、許容遅延時間を受け付ける。ステップS302において、フィルタ決定部714は、ウェーブレット変換部652が使用するフィルタを選択する。
ステップS303において、ウェーブレット変換部652は、選択されたフィルタを用いてウェーブレット変換処理を行う。ステップS304において、係数保持部262は、ステップS303の処理により生成された係数データを保持する。ステップS305において、所要時間測定部263は、そのウェーブレット変換処理の所要時間(遅延時間)を測定する。
ステップS306において、フィルタ決定部714は、全てのフィルタについて遅延時間を測定したか否かを判定する。未処理のフィルタが存在すると判定された場合、ステップS307に進む。
ステップS307において、フィルタ決定部714は、制御情報をウェーブレット変換部652に供給することにより、ウェーブレット変換部652に未処理のフィルタを選択させる。処理は、ステップS303に戻り、ウェーブレット変換部652は、その指示に従ってウェーブレット変換処理を進める。
このようにステップS303乃至ステップS307の処理が繰り返し実行され、ステップS306において、予め用意されたフィルタの全てについて遅延時間が測定されたと判定された場合、ステップS308に進む。
ステップS308において、フィルタ決定部714は、測定された各遅延時間と許容遅延時間を比較し、許容遅延時間より短く、かつ、許容遅延時間に最も近い遅延時間のフィルタを選択する。フィルタ決定部714は、制御情報をウェーブレット変換部652に供給することにより、決定したフィルタを、ウェーブレット変換部652に通知する。
ステップS309において、係数保持部262は、フィルタ決定部714の制御に従い、フィルタ決定部714により選択されたフィルタを用いてウェーブレット変換された係数データを出力する。
ステップS310において、ウェーブレット変換部652は、フィルタ決定部714の制御に従い、フィルタ決定部714により選択されたフィルタを用いてウェーブレット変換を行う。
ステップS310の処理が終了するとウェーブレット変換処理が終了する。
以上のように、ウェーブレット変換処理を行うことにより、ウェーブレット変換装置700は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
例えば、入力画像のフォーマットが一般的でなく、解像度やフレームレート等の仕様が不明であり、かつ、メタデータ等も存在せず、それらの情報が得にくいような場合、上述したように実際に遅延時間を測定することでより正確なフィルタ選択を行うことができるので、より有効である。
なお、以上のようなウェーブレット変換処理の所要時間(遅延時間)の測定およびフィルタの設定は、どのようなタイミングで行うようにしてもよい。例えば、入力画像に対するウェーブレット変換処理開始時に行うようにしても良いし、例えば、シーン毎、GOP毎、若しくはフレーム毎のように、所定のタイミングで定期的または不定期に繰り返し行うようにしても良いし、全ラインブロックにつてい行うようにしても良い。
[他の構成例2]
なお、分割レベル数制御の場合と同様に、ウェーブレット変換部652において生成された係数データは、係数保持部262において保持せずに後段の処理部に供給するようにしてもよい。図36は、本発明を適用したウェーブレット変換装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
図36に示されるウェーブレット変換装置750は、ウェーブレット変換装置700と同様に、ウェーブレット変換部652を有するが、フィルタ選択部701の代わりに、係数保持部262を有していないフィルタ選択部751を有する。
ウェーブレット変換部652において生成された係数データは、ウェーブレット変換装置750の外部の処理部780に供給される(矢印774)。処理部780は、供給された係数データを、内蔵する記憶部(図示せず)に保持しても良いし、所定の処理を施してから、その処理結果を、内蔵する記憶部(図示せず)に保持してもよい。
フィルタ選択部751のフィルタ決定部764は、フィルタを決定すると、ウェーブレット変換部652を制御するとともに、制御情報を後段の処理部780に供給し(矢印777)、保持している係数データ、若しくは、処理部330における係数データの処理結果のうち、選択したフィルタを用いたウェーブレット変換処理により得られた係数データ(若しくはその係数データを処理した処理結果)のみを残し、それ以外のデータを破棄させる。
このようにすることにより、ウェーブレット変換装置750は、ウェーブレット変換装置700の場合と同様に、入力画像に対してより適切なフィルタを用いてウェーブレット変換処理を行うことができる。
<7.第7の実施の形態>
[符号化装置の構成]
以上のような、フィルタの選択により遅延時間を制御するウェーブレット変換は、上述した分割レベル数制御の場合と同様に、符号化装置にも適用することができる。
図37は、本発明を適用した符号化装置の、さらに他の構成例を示すブロック図である。
図37に示される符号化装置800は、画像データをウェーブレット変換して符号化し、符号化データを生成する装置である。符号化装置800は、ウェーブレット変換に用いるフィルタを選択することにより、符号化処理の遅延時間を制御する。
符号化装置800の構成は、基本的に図17に示される符号化装置350と同様である。ただし、符号化装置800は、符号化装置350のウェーブレット変換部353の代わりにウェーブレット変換部803を有する。
ウェーブレット変換部803は、基本的にウェーブレット変換部353と同様に動作し、ラインバッファ部352から読み出した画像データや係数データをウェーブレット変換する。
ただし、ウェーブレット変換部803は、上述したウェーブレット変換装置650やウェーブレット変換装置700のように、外部から供給される許容遅延時間を用いて、ウェーブレット変換に用いるフィルタを選択する。ウェーブレット変換部803は、このように自分自身が決定したフィルタを用いてウェーブレット変換を実行する。
これにより、符号化装置800は、符号化される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができる。
なお、ウェーブレット変換部803は、係数ライン並び替え部354に対して、決定したフィルタを示す情報を供給する(点線矢印821)。また、ウェーブレット変換部803は、決定したフィルタを示す情報を、エントロピ符号化部356にも供給する。エントロピ符号化部356は、そのフィルタを示す情報を符号化データのヘッダ等に含め、コードストリームとして復号装置に供給する。つまり、ウェーブレット変換部353において決定されたフィルタについての情報は、復号装置にも供給される。
[復号装置の構成]
図38は、その復号装置850の主な構成例を示すブロック図である。復号装置850は、符号化装置800に対応する復号装置であり、符号化装置800の符号化処理に対応する方法で、符号化装置800により生成された符号化データを復号する。
図38に示されるように、復号装置850は、復号装置400と基本的に同様の構成を有する。ただし、復号装置850は、分割レベル数検出部401の代わりにフィルタ検出部851を有する。
フィルタ検出部851は、符号化装置800から供給されるコードストリーム(矢印861)から、ウェーブレット変換処理に用いられたフィルタを指定するフィルタ情報を検出し、それをウェーブレット逆変換部404に供給する(点線矢印871)。
ウェーブレット逆変換部404は、フィルタ検出部851から供給されたフィルタ情報により指定されるフィルタを用いて、係数バッファ部403から取得した係数データをウェーブレット逆変換する。
このように、復号装置850は、低遅延に符号化データを復号することができる。
[処理の流れ]
次に、以上のような符号化装置800および復号装置850により実行される処理の流れの例について説明する。最初に、図39のフローチャートを参照して符号化装置800により実行される符号化処理の流れの例を説明する。
符号化装置800は、符号化装置350と基本的に同様に符号化処理を行う。ただし、符号化装置800のウェーブレット変換部803は、ステップS321において、ウェーブレット変換処理に用いるフィルタの選択を行う。このフィルタ選択処理の詳細は、例えば図29や図31のフローチャートを参照して説明した場合と同様であるので、その説明を省略する。
また、ウェーブレット変換部803は、ステップS322において、使用するフィルタを、係数ライン並び替え部354やエントロピ符号化部356に通知する。
それ以降のステップS323乃至ステップS330の各処理は、図20のステップS183乃至ステップS190の各処理と同様に実行される。
この符号化処理は、フレーム(ピクチャ)毎に繰り返し実行される。
以上のように符号化処理を行うことにより、符号化装置350は、符号化される画像のフォーマットによらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延での符号化を実現することができる。
次に、図38の復号装置850により実行される復号処理の流れの例を、図40のフローチャートを参照して説明する。
復号装置850は、復号装置400と基本的に同様に復号処理を行う。ただし、復号装置850のフィルタ検出部851は、ステップS341において、ウェーブレット逆変換処理に使用するフィルタを指定するフィルタ情報を検出する。
ステップS342乃至ステップS345の各処理は、図21のステップS202乃至ステップS205の各処理と同様に実行される。ただし、ステップS344において、ウェーブレット逆変換部404は、フィルタ情報により指定されるフィルタを用いてウェーブレット逆変換を行う。
このような復号処理がフレーム(ピクチャ)毎に繰り返される。
以上のように復号処理を行うことにより、復号装置850は、符号化装置800が設定したフィルタを用いて復号画像を生成することができる。
なお、第4の実施の形態において説明した分割レベル数制御の場合と同様に、複数コンポーネントのそれぞれについてフィルタを選択することができるようにしてもよい。
<8.第8の実施の形態>
[分割レベル・フィルタ制御装置の構成]
なお、上述したような分割レベルの制御とフィルタの選択の両方を行うようにしてもよい。
図41は、本発明を適用した分割レベル・フィルタ制御装置の主な構成例を示すブロック図である。図41に示される分割レベル・フィルタ制御装置900は、図1に示される分割レベル制御装置100による分割レベルの制御、図26に示されるフィルタ選択装置550によるフィルタの選択の両方を行う装置である。
図41に示されるように、分割レベル・フィルタ制御装置900は、分割レベル制御装置100と基本的に同様の構成を有するが、分割レベル決定部105の代わりに、分割レベル・フィルタ決定部905を有する。
分割レベル・フィルタ決定部905は、外部により行われるウェーブレット変換処理に使用されるフィルタと、そのウェーブレット変換処理の分割レベル数とを決定し、それらを指定する分割レベル数・フィルタ指定情報を出力する。
分割レベル・フィルタ決定部905は、フィルタの選択を、フィルタ選択装置550のフィルタ決定部555の場合と同様に行う。また、分割レベル・フィルタ決定部905は、分割レベル数の決定を、分割レベル制御装置100の分割レベル決定部105の場合と同様に行う。
[処理の流れ]
図42は、以上のような制御を行うために分割レベル・フィルタ決定部905が実行する分割レベル・フィルタ制御処理の流れの例を説明するフローチャートである。
分割レベル・フィルタ制御処理が開始されると、ステップS361乃至ステップS363の各処理が、図9のステップS101乃至ステップS103の各処理と同様に実行される。
ステップS364において、遅延時間算出部104は、フレームレートと垂直ライン数に基づいて、分割レベルおよびフィルタごとの遅延時間を算出する。ステップS365において、分割レベル・フィルタ決定部905は、各遅延時間と許容遅延時間を比較し、分割レベル数およびフィルタを決定する。分割レベル数の決定方法は、例えば分割レベル制御装置100の場合と同様である。また、フィルタの選択方法は、例えばフィルタ選択装置550の場合と同様である。
以上のように分割レベル・フィルタ制御処理が行われることにより、分割レベル・フィルタ制御装置900は、ウェーブレット変換する画像の解像度によらず、不要な画質劣化を抑制しながら、低遅延でのウェーブレット変換を実現することができる。
なお、第4の実施の形態において説明した分割レベル数制御の場合と同様に、複数コンポーネントのそれぞれについてフィルタの選択および分割レベル数の制御の両方を行うことができるようにしてもよい。
<9.第9の実施の形態>
[パーソナルコンピュータ]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、例えば、図43に示されるようなパーソナルコンピュータとして構成されるようにしてもよい。
図43において、パーソナルコンピュータ950のCPU(Central Processing Unit)951は、ROM(Read Only Memory)952に記憶されているプログラム、または記憶部963からRAM(Random Access Memory)953にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM953にはまた、CPU951が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU951、ROM952、およびRAM953は、バス954を介して相互に接続されている。このバス954にはまた、入出力インタフェース960も接続されている。
入出力インタフェース950には、キーボード、マウスなどよりなる入力部961、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部962、ハードディスクなどより構成される記憶部963、モデムなどより構成される通信部964が接続されている。通信部964は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース960にはまた、必要に応じてドライブ965が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア971が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部963にインストールされる。
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図43に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア971により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM952や、記憶部963に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数のデバイス(装置)により構成される装置全体を表すものである。
また、以上において、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。つまり、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
100 分割レベル制御装置, 101 許容遅延時間受付部, 102 フレームレート検出部, 103 垂直ライン数検出部, 104 遅延時間算出部, 105 分割レベル決定部, 150 分割レベル制御装置, 154 テーブル保持部, 155 分割レベル決定部, 200 ウェーブレット変換装置, 201 分割レベル制御部, 202 ウェーブレット変換部, 250 ウェーブレット変換装置, 251 分割レベル制御部, 261 許容遅延時間受付部, 262 係数保持部, 263 所要時間測定部, 264 分割レベル決定部, 300 ウェーブレット変換装置, 301 分割レベル制御部, 314 分割レベル決定部, 330 処理部, 350 符号化装置, 351 画像ライン入力部, 352 ラインバッファ部, 353 ウェーブレット変換部, 354 係数ライン並び替え部, 355 量子化部, 356 エントロピ符号化部, 357 レート制御部, 400 復号装置, 401 分割レベル数検出部, 402 エントロピ復号部, 403 係数バッファ部, 404 ウェーブレット逆変換部, 450 符号化装置, 454 符号並び替え部, 500 分割レベル制御装置, 505 分割レベル決定部, 511 Y分割レベル決定部, 512 Cb分割レベル決定部, 513 Cr分割レベル決定部, 550 フィルタ選択装置, 555 フィルタ決定部, 600 フィルタ選択装置, 604 テーブル保持部, 605 フィルタ決定部, 650 ウェーブレット変換装置, 651 フィルタ選択部, 652 ウェーブレット変換部, 700 ウェーブレット変換装置, 701 フィルタ選択部, 714 フィルタ決定部, 750 ウェーブレット変換装置, 751 フィルタ選択部, 764 フィルタ決定部, 780 処理部, 800 符号化装置, 803 ウェーブレット変換部, 850 復号装置, 851 フィルタ検出部, 900 分割レベル・フィルタ制御装置, 905 分割レベル・フィルタ決定部

Claims (20)

  1. 画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付ける許容遅延時間受付手段と、
    前記分析フィルタ処理を繰り返す回数を示す分割レベル数毎に、前記変換処理による遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
    前記許容遅延時間受付手段により受け付けられた前記許容遅延時間と、前記遅延時間算出手段により算出される前記分割レベル数毎の前記遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する分割レベル数決定手段と
    を備える情報処理装置。
  2. 前記遅延時間は、少なくとも最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するのに必要なライン数分の画像データを含むラインブロックを前記周波数帯域毎の係数データに変換する前記変換処理の所要時間である
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記遅延時間算出手段は、前記画像データの垂直ライン数およびフレームレートを用いて前記分割レベル数毎の前記遅延時間を算出する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  4. 前記分割レベル数決定手段は、垂直ライン数およびフレームレートと前記遅延時間とが対応付けられたテーブル情報を用いて、前記画像データの垂直ライン数および前記フレームレートから求められた前記分割レベル数毎の遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  5. 前記分析フィルタ処理を、前記分割レベル数決定手段により決定される前記分割レベル数の回数繰り返す前記変換処理を行う変換処理手段をさらに備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記変換処理を行う変換処理手段と、
    前記変換処理手段により行われる前記変換処理による遅延時間を測定する測定手段と
    をさらに備え、
    前記分割レベル数決定手段は、前記測定手段により測定された前記遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 前記分析フィルタ処理を、前記分割レベル数決定手段により決定される前記分割レベル数の回数繰り返す前記変換処理を行う変換処理手段と、
    前記変換処理手段により生成された前記係数データを符号化する符号化手段と
    をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
  8. 前記符号化手段は、前記分割レベル数決定手段により決定された前記分割レベル数を符号化データに含める
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記分割レベル数決定手段は、前記画像データのコンポーネント毎に、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように、前記変換処理の前記分割レベル数を決定する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  10. 情報処理装置の許容遅延時間受付手段が、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付け、
    前記情報処理装置の遅延時間算出手段が、前記分析フィルタ処理を繰り返す回数を示す分割レベル数毎に、前記変換処理による遅延時間を算出し、
    前記情報処理装置の分割レベル数決定手段が、受け付けられた前記許容遅延時間と、算出される前記分割レベル数毎の前記遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理の前記分割レベル数を決定する
    情報処理方法。
  11. 画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付ける許容遅延時間受付手段と、
    前記分析フィルタ処理に用いられるフィルタとして予め用意された複数のフィルタのそれぞれについて、前記変換処理による遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
    前記許容遅延時間受付手段により受け付けられた前記許容遅延時間と、前記遅延時間算出手段により算出される各フィルタの遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定するフィルタ決定手段と
    を備える情報処理装置。
  12. 前記遅延時間は、少なくとも最低域成分のサブバンドの1ライン分の係数データを生成するのに必要なライン数分の画像データを含むラインブロックを前記周波数帯域毎の係数データに変換する前記変換処理の所要時間である
    請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記遅延時間算出手段は、前記画像データの垂直ライン数およびフレームレートを用いて各フィルタの遅延時間を算出する
    請求項11に記載の情報処理装置。
  14. 前記フィルタ決定手段は、垂直ライン数およびフレームレートと前記遅延時間とが対応付けられたテーブル情報を用いて、前記画像データの垂直ライン数および前記フレームレートから求められた各フィルタの遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定する
    請求項11に記載の情報処理装置。
  15. 前記分析フィルタ処理を、前記フィルタ決定手段により決定される前記フィルタを用いる前記変換処理を行う変換処理手段をさらに備える
    請求項11に記載の情報処理装置。
  16. 前記変換処理を行う変換処理手段と、
    前記変換処理手段により行われる前記変換処理による遅延時間を測定する測定手段と
    をさらに備え、
    前記フィルタ決定手段は、前記測定手段により測定された前記遅延時間と、前記許容遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定する
    請求項11に記載の情報処理装置。
  17. 前記分析フィルタ処理を、前記フィルタ決定手段により決定される前記フィルタを用いる前記変換処理を行う変換処理手段と、
    前記変換処理手段により生成された前記係数データを符号化する符号化手段と
    をさらに備える請求項11に記載の情報処理装置。
  18. 前記符号化手段は、前記フィルタ決定手段により決定された前記フィルタを示す情報を符号化データに含める
    請求項17に記載の情報処理装置。
  19. 前記フィルタ決定手段は、前記画像データのコンポーネント毎に、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように、前記変換処理に用いるフィルタを決定する
    請求項11に記載の情報処理装置。
  20. 情報処理装置の許容遅延時間受付手段が、画像データを低域成分と高域成分に分解する分析フィルタ処理を、前記分析フィルタ処理により得られる前記低域成分に対して再帰的に繰り返すことにより、画像データを周波数帯域毎の係数データに変換する変換処理による遅延時間として許容される時間である許容遅延時間を受け付け、
    前記情報処理装置の遅延時間算出手段が、前記分析フィルタ処理に用いられるフィルタとして予め用意された複数のフィルタのそれぞれについて、前記変換処理による遅延時間を算出し、
    前記情報処理装置のフィルタ決定手段が、受け付けられた前記許容遅延時間と、算出される各フィルタの遅延時間とを比較し、前記遅延時間が前記許容遅延時間以下となるように前記変換処理に用いるフィルタを決定する
    情報処理方法。
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