以下に添付図面を参照して、開示の基地局および品質測定方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。開示の基地局および品質測定方法は、移動端末ごとに設定された測定間隔で周期的に通信品質を測定するとともに、通信品質が比較的高い移動端末に比較的長い測定間隔を設定することで測定処理を時間的に分散させ、通信品質の測定を効率よく行う。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる基地局の構成を示すブロック図である。図1に示す通信システム100は、基地局110と、UE#0〜UE#2と、の間で無線通信を行うシステムである。UE#0〜UE#2は、たとえば携帯電話などの移動通信が可能な移動端末である。UE#0〜#2は、基地局110において通信品質を測定するための参照信号(たとえばSRS)を周期的に基地局110へ送信する。
基地局110は、UEごとの通信品質の測定を行う。具体的には、基地局110は、受信部111と、測定部112と、比較部113と、設定部114と、を備えている。以下、UE#0〜#2のうちの受信部111、測定部112、比較部113および設定部114の処理対象のUEを対象UEと称する。受信部111は、対象UEから送信される参照信号を受信する。受信部111は、受信した参照信号を測定部112へ出力する。
測定部112は、受信部111から出力された参照信号に基づいて対象UEの通信品質の測定を行う。具体的には、UE#0〜UE#2のそれぞれには、設定部114によって測定間隔が設定されている。測定部112は、対象UEの通信品質の測定を、対象UEに設定された測定間隔で周期的に行う。通信品質の測定は、たとえば、フェージング(以下、fdと称する。)推定や、TA値の算出などである。測定部112は、測定した通信品質を比較部113へ出力する。
比較部113は、測定部112から出力された通信品質と品質閾値とを比較する。比較部113は、比較結果を設定部114へ出力する。設定部114は、比較部113から出力された比較結果に基づいて測定間隔を設定する。具体的には、設定部114は、比較部113によって通信品質が品質閾値未満であると判定された場合は対象UEの測定間隔に第一間隔を設定し、通信品質が品質閾値以上であると判定された場合は対象UEの測定間隔に第二間隔を設定する。第二間隔は、第一間隔より長い間隔である。
なお、ここでは測定部112によって測定された通信品質を比較部113によって品質閾値と比較し、比較結果に基づいて設定部114が測定間隔を設定する構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、設定部114は、測定部112によって測定された通信品質を取得し、取得した通信品質に基づいて数式などを用いて算出した測定間隔を設定する構成としてもよい。
図2は、図1に示した基地局の動作の一例を示すフローチャートである。基地局110は、UE#0〜UE#2のそれぞれを対象として、たとえば図2に示す各ステップを行う。まず、測定部112が、前回の通信品質の測定からの経過時間が対象UEの測定間隔か否かを判断し(ステップS201)、経過時間が対象UEの測定間隔になるまで待つ(ステップS201:Noのループ)。
ステップS201において経過時間が対象UEの測定間隔になると(ステップS201:Yes)、測定部112が、対象UEの通信品質を測定する(ステップS202)。つぎに、比較部113が、ステップS202によって測定された通信品質と品質閾値とを比較する(ステップS203)。
つぎに、設定部114が、ステップS203による比較結果に基づいて、対象UEの測定間隔を設定し(ステップS204)、ステップS201に戻る。以上のステップをUE#0〜UE#2について行うことにより、測定された通信品質が比較的高いUEについて、測定間隔を長くして測定処理を時間的に分散させることが(以下、負荷分散とも称する。)できる。また、測定対象の通信品質が複数ある場合は、たとえば、以上のステップを測定対象の通信品質ごとに行う。
このように、実施の形態1にかかる基地局110によれば、測定された通信品質が比較的高いUEについて、測定間隔を長くすることで測定処理を時間的に分散させ、測定処理の頻度を低くすることができる。これにより、測定処理の時間的な余裕を拡大し、通信品質の測定を効率よく行うことができる。また、通信品質が比較的高いUEは、通信品質が比較的低いUEに比べて通信品質が急激に変化する確率が低い。このため、通信品質が比較的高いUEの測定処理の頻度を低くすることで、測定処理の頻度を低くすることによる通信性能の劣化を抑えることができる。
(実施の形態2)
(基地局の構成)
図3は、実施の形態2にかかる基地局の構成を示すブロック図である。図3に示す基地局300は、たとえばS3G(Super 3G)の基地局(eNBやEvolved NodeBなど)である。基地局300は、UE#0〜UE#2との間で通信を行う。
<基地局のDLに関する構成>
図3においては、基地局300のDL(Down Link)に関する構成について説明する。図3に示すように、基地局300は、無線通信部301と、CNT部302と、ベースバンド処理部303と、を備えている。無線通信部301は、アンテナやアンプなどを備えており、UE#0〜UE#2との間で信号を送受信する。たとえば、無線通信部301は、UE#0〜UE#2から受信したUL(Up Link)受信データをCNT部302へ出力する。UL受信データにはたとえばSRSが含まれる。また、無線通信部301は、CNT部302から出力された送信データをUE#0〜UE#2へ送信する。
CNT部302は、基地局300のインタフェース制御を行う。たとえば、CNT部302は、無線通信部301から出力されたUL受信データを、IP網350へ送信するとともにベースバンド処理部303へ出力する。また、CNT部302は、ベースバンド処理部303から出力された送信データを無線通信部301へ出力する。
ベースバンド処理部303は、信号のベースバンド処理を行う。具体的には、ベースバンド処理部303は、IFコントロール部304と、CP除去部305と、ULスケジューラ306と、PUSCH処理部307と、PUCCH処理部308と、RACH処理部309と、SRS処理部310と、DLスケジューラ311と、DL処理部312と、を備えている。
IFコントロール部304は、CNT部302とベースバンド処理部303との間の入出力を制御する。たとえば、IFコントロール部304は、CNT部302から出力されたUL受信データをCP除去部305およびULスケジューラ306へ出力する。また、IFコントロール部304は、ULスケジューラから出力された割当情報やDL処理部から出力された送信データなどをCNT部302へ出力する。
CP除去部305は、IFコントロール部304から出力されたUL受信データのCP(Cyclic Prefix)を除去する。CP除去部305は、CPを除去したUL受信データをPUSCH処理部307、PUCCH処理部308、RACH処理部309、およびSRS処理部310へ出力する。
ULスケジューラ306は、UE#0〜UE#2のULの通信のスケジューリングを行う。たとえば、ULスケジューラ306は、IFコントロール部304からのUL受信データや、PUSCH処理部307、PUCCH処理部308、RACH処理部309からの処理結果や、SRS処理部310からの品質情報に基づいてスケジューリングを行う。
ULスケジューラ306は、スケジューリングによって得られた割当情報などを、PUSCH処理部307、PUCCH処理部308およびSRS処理部310へ出力する。割当情報には、たとえばULスケジューラ306によってスケジューリングを行う各UEの情報などが含まれている。また、ULスケジューラ306は、SRS処理部310からの品質情報などをDLスケジューラ311へ出力する。
PUSCH処理部307は、ペイロード処理などのPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)の処理を行い、処理結果をULスケジューラ306へ出力する。PUCCH処理部308は、スケジューリングやACK/NACKの処理などのPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)の処理を行い、処理結果をULスケジューラ306へ出力する。RACH処理部309は、呼設定などのRACH(Random Access CHannel)の処理を行い、処理結果をULスケジューラ306へ出力する。
SRS処理部310は、CP除去部305から出力されたUL受信データの通信品質に含まれるSRSに基づく通信品質を測定する。また、SRS処理部310は、たとえばULスケジューラ306から出力された割当情報を用いて通信品質を測定する。SRS処理部310は、測定により得られた品質情報をULスケジューラ306へ出力する。
DLスケジューラ311は、ULスケジューラ306から出力された品質情報などをUE#0〜UE#2へフィードバックするためのスケジューリングを行う。DLスケジューラ311は、スケジューリング結果に基づいて、ULスケジューラ306から出力された品質情報などをDL処理部312へ出力する。DL処理部312は、DLスケジューラ311から出力された品質情報などのDL処理を行ってIFコントロール部304へ出力する。これにより、品質情報などがUE#0〜UE#2へフィードバックされる。
<SRS処理部の構成>
つぎに、SRS処理部310の構成について説明する。SRS処理部310は、受信情報処理部313と、FFT部314と、base系列除去部315と、CH推定処理部316と、fd推定処理部317と、電力測定部318と、IFFT部319と、パワー判定処理部320と、TA算出処理部321と、処理結果転送部322と、を備えている。
受信情報処理部313は、CP除去部305から出力されたUL受信データの受信情報処理を行ってFFT部314へ出力する。FFT部314は、受信情報処理部313から出力されたUL受信データを高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)してbase系列除去部315へ出力する。
base系列除去部315は、FFT部314から出力されたUL受信データのbase系列を除去してCH推定処理部316およびIFFT部319へ出力する。CH推定処理部316およびfd推定処理部317においては周波数軸によって処理が行われる(周波数軸処理)。CH推定処理部316は、base系列除去部315から出力されたUL受信データのチャネル推定を行う。CH推定処理部316は、チャネル推定結果をfd推定処理部317および電力測定部318へ出力する。
fd推定処理部317は、CH推定処理部316から出力されたチャネル推定結果に基づいてfd推定処理を行う。具体的には、fd推定処理部317は、チャネル推定結果が示す周波数の時系列的な相関を算出することによりfd推定を行う。fd推定処理部317は、fd推定処理によって得られたfd推定値を処理結果転送部322へ出力する。
電力測定部318は、CH推定処理部316から出力されたチャネル推定結果に基づいて受信電力の測定を行う。電力測定部318は、測定によって得られた受信電力値を処理結果転送部322へ出力する。
IFFT部319は、base系列除去部315から出力されたUL受信データを逆高速フーリエ変換(Inverse FFT)してパワー判定処理部320へ出力する。パワー判定処理部320およびTA算出処理部321においては時間軸によって処理が行われる(時間軸処理)。パワー判定処理部320は、IFFT部319から出力されたUL受信データのパワー判定処理を行ってTA算出処理部321へ出力する。
TA算出処理部321は、パワー判定処理部320から出力されたUL受信データに基づくTA算処理を行う。具体的には、SRS処理部310は、パワー判定処理部320から出力されたUL受信データにマッピングされているデータの時間的な位置情報を計算することで、基地局300とUEとの間の同期タイミングのずれを測定する。そして、SRS処理部310は、測定したずれを補正するためのTA値を算出する。TA算出処理部321は、TA算処理によって得られたTA値を処理結果転送部322へ出力する。
処理結果転送部322は、fd推定処理部317から出力されたfd推定値と、電力測定部318から出力された受信電力値と、TA算出処理部321から出力されたTA値と、を含むUL受信データの品質情報をULスケジューラ306へ出力する。これにより、fd推定値およびTA値などがUE#0〜UE#2へフィードバックされる。UE#0〜UE#2は、受信したfd推定値およびTA値に基づいて、基地局300へULデータを送信するための設定を補正する。
図4は、図3に示したSRS処理部による処理の順序の一例を示す図である。図4において、横軸は時間を示している。SRS処理間隔401は、SRS処理部310における通信品質の測定処理の単位時間(サブフレーム)を示している。受信情報処理410は、受信情報処理部313による受信情報処理を示している。
受信電力処理420は、電力測定部318による受信電力の測定処理を示している。fd推定処理430は、fd推定処理部317によるfd推定処理を示している。電力プロファイル処理440は、パワー判定処理部320によるパワー判定処理を示している。TA算出処理450は、TA算出処理部321によるTA算出処理を示している。転送処理460は、処理結果転送部322による品質情報の転送処理を示している。
SRS処理間隔401は、SRS処理間隔401(1サブフレーム)ごとに、1または複数のUEを対象として、受信情報処理410、受信電力処理420、fd推定処理430、電力プロファイル処理440、TA算出処理450および転送処理460を行う。UE#0〜UE#2は、連続するSRS処理間隔401のいずれかに周期的に割り当てられ、割り当てられたSRS処理間隔401において通信品質を測定される。
(fd推定処理部)
図5は、図3に示したfd推定処理部の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、fd推定処理部317は、fd閾値記憶部501と、フラグ記憶部502と、処理部510A,510B,510C,…と、を備えている。fd閾値記憶部501には、fd推定値と比較するためのfd閾値が記憶されている。
フラグ記憶部502には、UE#0,#1,#2,…のうちのfd推定値がfd閾値以上であるUEについて、測定間隔を長くする負荷分散を行うか否かを示す負荷分散実行フラグが記憶されている。たとえば、負荷分散を行う場合は負荷分散実行フラグが「1」に設定され、負荷分散を行わない場合は負荷分散実行フラグが「0」に設定される。
処理部510A,510B,510C,…は、それぞれUE#0,#1,#2,…のfd推定処理を行う処理部である。たとえば、UE#0のfd推定処理を行う処理部510Aは、推定値記憶部511と、処理タイミング記憶部512と、fd判定部513と、処理タイミング判定部514と、fd推定部515と、を備えている。推定値記憶部511は、fd推定部515から出力されたfd推定値を記憶する。処理タイミング記憶部512は、fd推定部515から出力されたfd推定処理の処理タイミングを記憶する。
fd判定部513は、fd推定値と比較するためのfd閾値をfd閾値記憶部501から取得する。fd判定部513は、取得したfd閾値と、推定値記憶部511に記憶された前回のfd推定値と、を比較する。そして、fd判定部513は、比較結果に基づいて、UE#0が「高fd」と「低fd」のいずれであるかを判定する。たとえば、「高fd」はfd推定値がfd閾値より大きい(通信品質が品質閾値未満)UEであり、「低fd」はfd推定値がfd閾値以下(通信品質が品質閾値以上)であるUEである。
fd判定部513は、UE#0が「高fd」であると判定した場合は測定間隔として第一間隔を処理タイミング判定部514へ出力する。また、fd判定部513は、UE#0が「低fd」であると判定した場合は測定間隔として第二間隔を処理タイミング判定部514へ出力する。第二間隔は、第一間隔よりも長い周期である。たとえば、第一間隔は2サブフレームの間隔であり、第二間隔は4サブフレームの間隔であるとする。
処理タイミング判定部514は、fd判定部513から出力される測定間隔を、UE#0のfd推定処理の測定間隔として設定する。処理タイミング判定部514は、設定した測定間隔によってfd推定部515へトリガ信号を出力する。具体的には、処理タイミング判定部514は、処理タイミング記憶部512に記憶された前回の処理タイミングから現在までの経過時間が、設定した測定間隔になるごとにトリガ信号を出力する。
fd推定部515は、処理タイミング判定部514からトリガ信号が出力されると、fd推定部515から出力されたチャネル推定結果(図3参照)に基づいてUE#0のfd推定処理を行う。fd推定部515は、fd推定処理を行うと、fd推定処理を行った処理タイミングを処理タイミング記憶部512へ出力するとともに、fd推定処理により得られたfd推定値を処理結果転送部322および推定値記憶部511へ出力する。
たとえばユーザが電車や車両などに乗車しており移動速度が高いUEは、fd推定値が高くなる。また、移動速度が高いUEは、fd推定値の変化量も大きい。一方、たとえばユーザが歩行中であったり自転車に乗っていたりして移動速度が低いUEは、fd推定値が低くなる。また、移動速度が低いUEは、fd推定値の変化量も小さい。
ここでは処理部510Aの構成について説明したが、処理部510B,510C,…についても同様である。これにより、fd推定処理部317は、UE#0〜UE#2のそれぞれについてfd推定処理を行うことができる。また、処理タイミング記憶部512による比較や処理タイミング判定部514による測定間隔の設定もUEごとに行われる。
図6は、図5に示したfd推定処理部による動作の一例を示すフローチャートである。fd推定処理部317は、fd推定処理を行うUEのそれぞれを対象として(UE数分)、以下の各ステップを繰り返し行う。以下、処理対象のUEを対象UEと称する。まず、fd判定部513が、フラグ記憶部502に記憶された負荷分散実行フラグが「1」となっているか否かを判断する(ステップS601)。負荷分散実行フラグが「1」となっていない場合(ステップS601:No)は、ステップS605へ移行する。
ステップS601において、対象UEの負荷分散実行フラグが「1」となっている場合(ステップS601:Yes)は、fd判定部513が、対象UEのfd推定処理が2回目以降か否かを判断する(ステップS602)。ステップS602においては、たとえば、対象UEのfd推定値が推定値記憶部511に記憶されていれば2回目以降であると判断し、記憶されていなければ初回であると判断する。2回目以降のfd推定処理でない場合(ステップS602:No)は、ステップS605へ移行する。
ステップS602において、2回目以降のfd推定処理である場合(ステップS602:Yes)は、fd判定部513が、対象UEの前回のfd推定値を推定値記憶部511から取得する(ステップS603)。つぎに、fd判定部513が、ステップS603によって取得されたfd推定値がfd閾値以下か否かを判断する(ステップS604)。fd推定値がfd閾値より大きい場合(ステップS604:No)は、fd判定部513が、対象UEを「高fd」と判定する(ステップS605)。
つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に2サブフレームを設定し(ステップS606)、ステップS609へ移行する。fd推定値がfd閾値以下の場合(ステップS604:Yes)は、fd判定部513が、対象UEを「低fd」と判定する(ステップS607)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に4サブフレームを設定する(ステップS608)。
つぎに、処理タイミング判定部514が、処理タイミング記憶部512から対象UEのfd推定処理の前回の処理タイミングを取得する(ステップS609)。つぎに、処理タイミング判定部514が、ステップS609によって取得された前回の処理タイミングからの経過時間が、ステップS606またはステップS608によって設定された測定間隔であるか否かを判断する(ステップS610)。
ステップS610において、前回の処理タイミングからの経過時間が測定間隔でない場合(ステップS610:No)は、一連の動作を終了する。前回の処理タイミングからの経過時間が測定間隔である場合(ステップS610:Yes)は、fd推定部515が、対象UEのfd推定処理を行う(ステップS611)。つぎに、ステップS611によるfd推定処理によって得られたfd推定値を推定値記憶部511に記憶する(ステップS612)。つぎに、ステップS611による処理タイミングを処理タイミング記憶部512に記憶し(ステップS613)、一連の動作を終了する。
以上のステップを繰り返し行うことで、UEごとに、前回推定されたfd推定値とfd閾値とを比較し、比較結果に基づいてfd推定処理の測定間隔を設定することができる。具体的には、前回推定されたfd推定値がfd閾値以下である場合は、前回推定されたfd推定値がfd閾値より大きい場合よりもfd推定処理の周期を長くすることができる。したがって、fd推定値が低いUEはfd推定値の測定間隔が相対的に長くなり、fd推定値が高いUEはfd推定値の測定間隔が相対的に短くなる。
図7〜図10は、fd推定処理部による周期的なfd推定処理を示す図(その1)〜(その4)である。図7〜図10において、横軸はSRS処理回数を示している。縦軸は、fd推定処理の処理量を示している。SRS処理間隔701は、図4に示したSRS処理間隔401(1サブフレーム)である。周期A〜E,…は、SRS処理間隔701ごとの各周期である。図6に示した各ステップは、たとえばSRS処理間隔701ごとに行われる。最大処理量702は、SRS処理間隔701においてfd推定処理部317が処理可能な処理量の上限を示している。
UE#0〜#9は、fd推定処理部317がfd推定処理を行うUEである。UE#0〜#9のそれぞれは、初期状態においては2サブフレームの測定間隔でfd推定処理が行われる。たとえば、UE#0は、周期A,C,E,…においてfd推定処理が行われる。また、UE#4は、周期B,D,…においてfd推定処理が行われる。
図中の「UE#? 低fd」は、fd推定値がfd閾値以下と判定されたUEのfd推定処理を示している。また、図中の「UE#? 高fd」は、fd推定値がfd閾値より大きいと判定されたUEのfd推定処理を示している。図7に示すように、SRS処理間隔701にfd推定処理を行うUEの数が多いほど、fd推定処理の処理量が多くなる。
したがって、fd推定処理の処理量が最大処理量702に達するUEの数が、SRS処理間隔701においてfd推定処理を行うことができるUEの数の上限となる。たとえば、周期B,D,…においては、fd推定処理を行うUEの数が6であり、fd推定処理の処理量が最大処理量702に達している。したがって、周期B,D,…においては、これ以上のUEのfd推定処理を行うことができない。
図7に示した状態において、処理タイミング判定部514は、「低fd」と判定されたUEの測定間隔を長くする。たとえば、処理タイミング判定部514は、「低fd」と判定されたUEの測定間隔を2サブフレームから4サブフレームにする。具体的には、UE#2,#3,#8,#9は「低fd」であるため、処理タイミング判定部514は、UE#2,#3,#8,#9の測定間隔を4サブフレームに設定する。
これにより、図8の符号801に示すように、UE#2のfd推定処理は周期C,…において行われなくなる。また、符号802に示すように、UE#3のfd推定処理は周期A,E,…において行われなくなる。また、符号803に示すように、UE#8のfd推定処理は周期D,…において行われなくなる。また、符号804に示すように、UE#9のfd推定処理は周期B,…において行われなくなる。
図9の斜線部901〜905は、UE#2,#3,#8,#9の測定間隔を4サブフレームに設定したことによって生じた処理時間の空きを示している。これにより、たとえば図10の符号1001,1002に示すように、周期B,Dにおいて新規のUE#10のfd推定処理を割り当てることが可能になる。
図11は、新規に追加されたUEの測定間隔を示す図である。図11において、図7〜図10に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図11に示すように、UE#0〜#9のfd推定処理を行っている状態において、新規のUE#10を追加する場合について説明する。
たとえば、UE#10のfd推定処理は、符号1101に示すように、まず周期Aに割り当てられる。この場合は、周期Aにおいて、UE#10のfd推定処理は初回であるため、UE#10は「高fd」と判定され、測定周期には2サブフレームが設定される。つぎに、周期Bにおいて、UE#10が「低fd」と判定されたとする。
この場合は、UE#10の測定周期に4サブフレームが設定される。したがって、符号1102に示すように、周期Aから2サブフレーム後の周期CにおいてはUE#10のfd推定処理は行われない。そして、符号1103に示すように、周期Aから4サブフレーム後の周期EにおいてUE#10のfd推定処理が行われる。
図12は、UEのfd推定値が変化した場合の処理を示す図である。図12において、図7〜図10に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。符号1201に示すように、UE#2は、周期Aにおいて「低fd」と判定されたとする。この場合は、周期AのつぎにUE#2のfd推定処理が行われるのは、符号1202に示すように、周期Aの4サブフレーム後の周期Eとなる。
そして、周期Aと周期Eの間でUE#2のfd推定値が増加し、周期EにおいてUE#2が「高fd」と判定されたとする。この場合は、周期Eにおいて、UE#2の測定間隔に2サブフレームが設定される。したがって、周期EのつぎにUE#2のfd推定処理が行われるのは、符号1203に示すように、周期Eの2サブフレーム後の周期Gとなる。
また、周期GにおいてもUE#2が「高fd」と判定されたとする。この場合は、周期GのつぎにUE#2のfd推定処理が行われるのは、符号1204に示すように、周期Eの2サブフレーム後の周期Iとなる。このように、図6に示した各ステップを繰り返し行うことで、UEのfd推定値が変化しても、UEの測定間隔を動的に設定することができる。このため、各UEのfd推定処理をそれぞれ適切な頻度で行うことができる。
(TA算出処理部)
図13は、図3に示したTA算出処理部の構成例を示すブロック図である。図13に示すように、TA算出処理部321は、TA閾値記憶部1301と、フラグ記憶部1302と、処理部1310A,1310B,1310C,…と、を備えている。TA閾値記憶部1301には、TA値と比較するためのTA閾値が記憶されている。
フラグ記憶部1302には、UE#0,#1,#2,…のうちのTA値がTA閾値以上のUEについて、測定間隔を長くする負荷分散を行うか否かを示す負荷分散実行フラグが記憶されている。たとえば、負荷分散を行う場合は負荷分散実行フラグが「1」に設定され、負荷分散を行わない場合は負荷分散実行フラグが「0」に設定される。
処理部1310A,1310B,1310C,…は、それぞれUE#0,#1,#2,…のTA算出処理を行う処理部である。たとえば、UE#0のTA算出処理を行う処理部1310Aは、推定値記憶部1311と、処理タイミング記憶部1312と、TA判定部1313と、処理タイミング判定部1314と、TA算出部1315と、を備えている。推定値記憶部1311は、TA算出部1315から出力されたTA値を記憶する。処理タイミング記憶部1312は、TA算出部1315から出力されたTA算出処理の処理タイミングを記憶する。
TA判定部1313は、TA値と比較するためのTA閾値をTA閾値記憶部1301から取得する。TA判定部1313は、取得したTA閾値と、推定値記憶部1311に記憶された前回のTA値と、を比較する。そして、TA判定部1313は、比較結果に基づいて、UE#0が「TA値大」と「TA値小」のいずれであるかを判定する。たとえば、「TA値大」はTA値がTA閾値より大きい(通信品質が品質閾値未満)UEであり、「TA値小」はTA値がTA閾値以下(通信品質が品質閾値以上)であるUEである。
TA判定部1313は、UE#0が「TA値大」あると判定した場合は測定間隔として第一間隔を処理タイミング判定部1314へ出力する。また、TA判定部1313は、UE#0が「TA値小」であると判定した場合は測定間隔として第二間隔を処理タイミング判定部1314へ出力する。第二間隔は、第一間隔よりも長い周期である。たとえば、第一間隔は2サブフレームの間隔であり、第二間隔は4サブフレームの間隔であるとする。
処理タイミング判定部1314は、TA判定部1313から出力される測定間隔を、TA算出処理の測定間隔として設定する。処理タイミング判定部1314は、設定した測定間隔によってTA算出部1315へトリガ信号を出力する。具体的には、処理タイミング判定部1314は、処理タイミング記憶部1312に記憶された前回の処理タイミングから現在までの経過時間が、設定した測定間隔になるごとにトリガ信号を出力する。
TA算出部1315は、処理タイミング判定部1314からトリガ信号が出力されると、パワー判定処理部320からのUL受信データ(図3参照)に基づいてUE#0のTA算出処理を行う。TA算出部1315は、TA算出処理を行うと、TA算出処理を行った処理タイミングを処理タイミング記憶部1312へ出力するとともに、TA算出処理により得られたTA値を処理結果転送部322および推定値記憶部1311へ出力する。
基地局300との間の距離の変化量が大きいUEはTA値が高くなり、TA値の変化量も大きい。一方、基地局300との間の距離の変化量が小さいUEはTA値が低くなり、TA値の変化量も小さい。
ここでは処理部1310Aの構成について説明したが、処理部1310B,1310C,…についても同様である。これにより、TA算出処理部321は、UEごとにTA算出処理を行うことができる。また、処理タイミング記憶部1312による比較や処理タイミング判定部1314による測定間隔の設定もUEごとに行われる。
図14は、図13に示したTA算出処理部による動作の一例を示すフローチャートである。TA算出処理部321は、TA算出処理を行うUEのそれぞれを対象として(UE数分)、以下の各ステップを繰り返し行う。以下、処理対象のUEを対象UEと称する。まず、TA判定部1313が、フラグ記憶部1302に記憶された対象UEの負荷分散実行フラグが「1」となっているか否かを判断する(ステップS1401)。負荷分散実行フラグが「1」となっていない場合(ステップS1401:No)は、ステップS1405へ移行する。
ステップS1401において、対象UEの負荷分散実行フラグが「1」となっている場合(ステップS1401:Yes)は、TA判定部1313が、対象UEのTA算出処理が2回目以降か否かを判断する(ステップS1402)。ステップS1402においては、たとえば、対象UEのTA値が推定値記憶部1311に記憶されていれば2回目以降であると判断し、記憶されていなければ初回であると判断する。2回目以降のTA算出処理でない場合(ステップS1402:No)は、ステップS1405へ移行する。
ステップS1402において、2回目以降のTA算出処理である場合(ステップS1402:Yes)は、TA判定部1313が、対象UEの前回のTA値を推定値記憶部1311から取得する(ステップS1403)。つぎに、TA判定部1313が、ステップS1403によって取得されたTA値がTA閾値以下か否かを判断する(ステップS1404)。TA値がTA閾値より大きい場合(ステップS1404:No)は、TA判定部1313が、対象UEを「TA値大」と判定する(ステップS1405)。
つぎに、処理タイミング判定部1314が、対象UEの測定間隔に2サブフレームを設定し(ステップS1406)、ステップS1409へ移行する。TA値がTA閾値以下の場合(ステップS1404:Yes)は、TA判定部1313が、対象UEを「TA値小」と判定する(ステップS1407)。つぎに、処理タイミング判定部1314が、対象UEの測定間隔に、4サブフレームを設定する(ステップS1408)。
つぎに、処理タイミング判定部1314が、処理タイミング記憶部1312から対象UEのTA算出処理の前回の処理タイミングを取得する(ステップS1409)。つぎに、処理タイミング判定部1314が、ステップS1409によって取得された前回の処理タイミングからの経過時間が、ステップS1406またはステップS1408によって設定された測定間隔であるか否かを判断する(ステップS1410)。
ステップS1410において、前回の処理タイミングからの経過時間が測定間隔でない場合(ステップS1410:No)は、一連の動作を終了する。前回の処理タイミングからの経過時間が測定間隔である場合(ステップS1410:Yes)は、TA算出部1315が、対象UEのTA算出処理を行う(ステップS1411)。つぎに、ステップS1411によるTA算出処理によって得られたTA値を推定値記憶部1311に記憶する(ステップS1412)。つぎに、ステップS1411による処理タイミングを処理タイミング記憶部1312に記憶し(ステップS1413)、一連の動作を終了する。
以上のステップを繰り返し行うことで、UEごとに、前回算出されたTA値とTA閾値とを比較し、比較結果に基づいてTA算出処理の測定間隔を設定することができる。具体的には、前回算出されたTA値がTA閾値以下である場合は、前回算出されたTA値がTA閾値より大きい場合よりもTA算出処理の周期を長くすることができる。したがって、TA値が低いUEはTA値の測定間隔が相対的に長くなり、TA値が高いUEはTA値の測定間隔が相対的に短くなる。
図15〜図18は、TA算出処理部による周期的なTA算出処理を示す図(その1)〜(その4)である。図15〜図18において、横軸はSRS処理回数を示している。縦軸は、TA算出処理の処理量を示している。SRS処理間隔1501は、図4に示したSRS処理間隔401(1サブフレーム)である。
平均化時間1503は、TA算出における平均化時間である。TA算出部1315は、たとえば平均化時間1503におけるタイミングずれの平均値をTA値として算出する。ここでは、平均化時間1503は4サブフレームの長さである。周期A〜E,…は、SRS処理間隔1501ごとの各周期である。図14に示した各ステップは、たとえばSRS処理間隔1501ごとに行われる。最大処理量1502は、SRS処理間隔1501においてTA算出処理部321が処理可能な処理量の上限を示している。
UE#0〜#9は、TA算出処理部321がTA算出処理を行うUEである。UE#0〜#9のそれぞれは、初期状態においては2サブフレームの測定間隔でTA算出処理が行われる。たとえば、UE#0は、周期A,C,E,…においてTA算出処理が行われる。また、UE#4は、周期B,D,…においてTA算出処理が行われる。
図中の「UE#? TA値小」は、TA値がTA閾値以下と判定されたUEのTA算出処理を示している。また、図中の「UE#? TA値大」は、TA値がTA閾値より大きいと判定されたUEのTA算出処理を示している。図15に示すように、SRS処理間隔1501にTA算出処理を行うUEの数が多いほど、TA算出処理の処理量が多くなる。
したがって、TA算出処理の処理量が最大処理量1502に達するUEの数が、SRS処理間隔1501においてTA算出処理を行うことができるUEの数の上限となる。たとえば、周期B,D,…においては、TA算出処理を行うUEの数が6であり、TA算出処理の処理量が最大処理量1502に達している。したがって、周期B,D,…においては、これ以上のUEのTA算出処理を行うことができない。
図15に示した状態において、処理タイミング判定部1314は、「TA値小」と判定されたUEの測定間隔を長くする。たとえば、処理タイミング判定部1314は、「TA値小」と判定されたUEの測定間隔を2サブフレームから4サブフレームにする。具体的には、UE#2,#3,#8,#9は「TA値小」であるため、処理タイミング判定部1314は、UE#2,#3,#8,#9の測定間隔を4サブフレームに設定する。
これにより、図16の符号1601に示すように、UE#2のTA算出処理は周期C,…において行われなくなる。また、符号1602に示すように、UE#3のTA算出処理は周期A,E,…において行われなくなる。また、符号1603に示すように、UE#8のTA算出処理は周期D,…において行われなくなる。また、符号1604に示すように、UE#9のTA算出処理は周期B,…において行われなくなる。
図17の斜線部1701〜1705は、UE#2,#3,#8,#9の測定間隔を4サブフレームに設定したことによって生じた処理時間の空きを示している。これにより、たとえば図18の符号1801,1802に示すように、周期B,Dにおいて新規のUE#10のTA算出処理を行うことが可能になる。
図19は、新規に追加されたUEの測定間隔を示す図である。図19において、図15〜図18に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図19に示すように、UE#0〜#9のTA算出処理を行っている状態において、新規のUE#10を追加する場合について説明する。
たとえば、UE#10のTA算出処理は、符号1901に示すように、まず周期Aに割り当てられる。この場合は、周期Aにおいて、UE#10のTA算出処理は初回であるため、UE#10は「TA値大」と判定され、測定周期には2サブフレームが設定される。つぎに、周期Bにおいて、UE#10が「TA値小」と判定されたとする。
この場合は、UE#10の測定周期に4サブフレームが設定される。したがって、符号1902に示すように、周期Aから2サブフレーム後の周期CにおいてはUE#10のTA推定処理は行われない。そして、符号1903に示すように、周期Aから4サブフレーム後の周期EにおいてUE#10のTA推定処理が行われる。
図20は、UEのTA値が変化した場合の処理を示す図である。図20において、図15〜図18に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。符号2001に示すように、UE#2は、周期Aにおいて「TA値小」と判定されたとする。この場合は、周期AのつぎにUE#2のTA算出処理が行われるのは、符号2002に示すように、周期Aの4サブフレーム後の周期Eとなる。
そして、周期Aと周期Eの間でUE#2のTA値が増加し、周期EにおいてUE#2が「TA値大」と判定されたとする。この場合は、周期Eにおいて、UE#2の測定間隔に2サブフレームが設定される。したがって、周期EのつぎにUE#2のTA算出処理が行われるのは、符号2003に示すように、周期Eの2サブフレーム後の周期Gとなる。
また、周期GにおいてもUE#2が「TA値大」と判定されたとする。この場合は、周期GのつぎにUE#2のTA算出処理が行われるのは、符号2004に示すように、周期Gの2サブフレーム後の周期Iとなる。このように、図14に示した各ステップを繰り返し行うことで、UEのTA値が変化しても、UEの測定間隔を動的に設定することができる。このため、各UEのTA算出処理をそれぞれ適切な頻度で行うことができる。
このように、実施の形態3にかかる基地局300によれば、fd推定値が比較的低い(通信品質が高い)UEについて、測定間隔を長くすることで測定処理を時間的に分散させ、測定処理の頻度を低くすることができる。これにより、測定処理の時間的な余裕を拡大し、fd推定処理(通信品質の測定)を効率よく行うことができる。
また、fd推定値が低いUEは、たとえばユーザが歩行中であったり自転車に乗っていたりして、移動速度が低いと考えられる。このため、fd推定値が低いUEは、fd推定値が高いUEと比べてfd推定値が急激に変化する可能性が低い。このため、fd推定値が低いUEの測定処理の頻度を低くすることで、測定処理の頻度を低くすることによる通信性能の劣化を抑えることができる。
また、TA値が比較的低い(通信品質が高い)UEについて、測定間隔を長くすることで測定処理を時間的に分散させ、測定処理の頻度を低くすることができる。これにより、測定処理の時間的な余裕を拡大し、TA算出処理(通信品質の測定)を効率よく行うことができる。また、TA値が低いUEは、たとえば基地局300との間の距離の変化が小さいと考えられる。このため、TA値が低いUEは、TA値が高いUEと比べてTA値が急激に変化する可能性が低い。このため、TA値が低いUEの測定処理の頻度を低くすることで、測定処理の頻度を低くすることによる通信性能の劣化を抑えることができる。
(実施の形態3)
(fd推定処理部)
図21は、実施の形態3にかかるfd推定処理部の構成を示すブロック図である。図21において、図5に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図21に示すように、実施の形態3にかかるfd推定処理部317は、図5に示した構成に加えて、テーブル記憶部2111と、閾値設定部2112と、分散実行判断部2113と、を備えている。なお、図21においては、処理部510Aが備える構成のうちのfd判定部513を図示している。
fd推定処理部317は、SRS処理の各周期においてSRS処理を行うUE数(移動端末の数)の情報を取得する。fd推定処理部317は、たとえば、ULスケジューラ306から出力された割当情報に基づいてUE数を取得する。テーブル記憶部2111には、UE数とfd閾値とを対応付けるテーブルが記憶されている。閾値設定部2112は、取得したUE数に基づいてfd閾値を設定する。たとえば、閾値設定部2112は、UE数が相対的に多い場合は、UE数が相対的に少ない場合よりも高いfd閾値を設定する。
具体的には、閾値設定部2112は、閾値設定部2112に記憶されたテーブルにおいてUE数と対応するfd閾値を取得する。閾値設定部2112は、取得したfd閾値をfd閾値記憶部501へ出力する。fd閾値記憶部501は、閾値設定部2112から出力されたfd閾値を記憶する。
これにより、fd判定部513(図5参照)は、閾値設定部2112によって設定されたfd閾値を比較に用いることができる。このため、UE数が多くSRS処理の処理量が多くなる場合は、fd閾値を高くしてfd推定処理が分散されやすくし、処理の効率化を図ることができる。反対に、UE数が少ない場合は、fd閾値を低くしてfd推定処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。
分散実行判断部2113は、取得したUE数に基づいて、fd推定処理の負荷分散を行うか否かを判断する。分散実行判断部2113は、判断結果を負荷分散実行フラグとしてフラグ記憶部502へ出力する。フラグ記憶部502は、分散実行判断部2113から出力された負荷分散実行フラグを記憶する。
たとえば、分散実行判断部2113は、UE数があらかじめ定められた所定閾値より大きい場合は負荷分散を行うと判断し、UE数が所定閾値以下の場合は負荷分散を行わないと判断する。これにより、処理タイミング判定部514は、UE数が所定閾値以下の場合は測定間隔を第一間隔に設定することができる。これにより、UE数が少ない場合は、fd推定処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。
図22は、図21に示したfd推定処理部の動作の一例を示すフローチャートである。fd推定処理部317は、UE#0〜UE#2,…に共通する動作として、たとえば図22に示す各ステップを実行する。まず、UE数を取得する(ステップS2201)。つぎに、分散実行判断部2113が、ステップS2201によって取得されたUE数が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS2202)。
ステップS2202において、UE数が所定閾値以上でない場合(ステップS2202:No)は、分散実行判断部2113が、フラグ記憶部502の負荷分散実行フラグを「0」に設定し(ステップS2203)、一連の動作を終了する。UE数が所定閾値以上である場合(ステップS2202:Yes)は、閾値設定部2112が、UE数に基づいてfd閾値を設定する(ステップS2204)。
つぎに、分散実行判断部2113が、フラグ記憶部502の負荷分散実行フラグを「1」に設定し(ステップS2205)、一連の動作を終了する。以上のステップを繰り返し行うことで、UE数に応じて負荷分散実行フラグを設定するとともに、UE数に応じてfd閾値を設定することができる。
(TA算出処理部)
図23は、実施の形態3にかかるTA算出処理部の構成を示すブロック図である。図23において、図13に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図23に示すように、実施の形態3にかかるTA算出処理部321は、図13に示した構成に加えて、テーブル記憶部2311と、閾値設定部2312と、分散実行判断部2313と、を備えている。なお、図23においては、処理部1310Aが備える構成のうちのTA判定部1313を図示している。
TA算出処理部321は、SRS処理の各周期においてSRS処理を行うUE数を取得する。TA算出処理部321は、たとえば、ULスケジューラ306から出力された割当情報に基づいてSRS処理を行うUE数を取得する。テーブル記憶部2311には、UE数とTA閾値とを対応付けるテーブルが記憶されている。閾値設定部2312は、取得したUE数に基づいてTA閾値を設定する。たとえば、閾値設定部2312は、UE数が相対的に多い場合は、UE数が相対的に少ない場合よりも高いTA閾値を設定する。
具体的には、閾値設定部2312は、閾値設定部2312に記憶されたテーブルにおいてUE数と対応するTA閾値を取得する。閾値設定部2312は、取得したTA閾値をTA閾値記憶部1301へ出力する。TA閾値記憶部1301は、閾値設定部2312から出力されたTA閾値を記憶する。
これにより、TA判定部1313(図13参照)は、閾値設定部2312によって設定されたTA閾値を比較に用いることができる。このため、UE数が多くSRS処理の処理量が多くなる場合は、TA閾値を高くしてTA算出処理が分散されやすくし、処理の効率化を図ることができる。反対に、UE数が少ない場合は、TA閾値を低くしてTA算出処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。
分散実行判断部2313は、取得したUE数に基づいて、TA算出処理の負荷分散を行うか否かを判断する。分散実行判断部2313は、判断結果を負荷分散実行フラグとしてフラグ記憶部1302へ出力する。フラグ記憶部1302は、分散実行判断部2313から出力された負荷分散実行フラグを記憶する。
たとえば、分散実行判断部2313は、UE数があらかじめ定められた所定閾値より大きい場合は負荷分散を行うと判断し、UE数が所定閾値以下の場合は負荷分散を行わないと判断する。これにより、処理タイミング判定部514は、UE数が所定閾値以下の場合は測定間隔を第一間隔に設定することができる。これにより、UE数が少ない場合は、TA算出処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。
図24は、図23に示したTA算出処理部の動作の一例を示すフローチャートである。TA算出処理部321は、UE#0〜UE#2,…に共通する動作として、たとえば図24に示す各ステップを実行する。まず、UE数を取得する(ステップS2401)。つぎに、分散実行判断部2313が、ステップS2401によって取得されたUE数が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS2402)。
ステップS2402において、UE数が所定閾値以上でない場合(ステップS2402:No)は、分散実行判断部2313が、フラグ記憶部1302の負荷分散実行フラグを「0」に設定し(ステップS2403)、一連の動作を終了する。UE数が所定閾値以上である場合(ステップS2402:Yes)は、閾値設定部2312が、UE数に基づいてTA閾値を設定する(ステップS2404)。
つぎに、分散実行判断部2313が、フラグ記憶部1302の負荷分散実行フラグを「1」に設定し(ステップS2405)、一連の動作を終了する。以上のステップを繰り返し行うことで、UE数に応じて負荷分散実行フラグを設定するとともに、UE数に応じてTA閾値を設定することができる。
図25は、図21および図23に示したテーブル記憶部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。図25に示すテーブル2510は、fd推定処理部317のテーブル記憶部2111に記憶されるテーブルである。テーブル2510は、UE数とfd閾値とを対応付けている。テーブル2510においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれfd閾値「0」「0」「0」「P4」「P4」「P3」「P3」が対応付けられている(0<P4<P3とする)。
このように、相対的に多いUE数に対して相対的に高いfd閾値を対応付けることで、閾値設定部2112は、UE数が相対的に多い場合は、UE数が相対的に少ない場合よりfd閾値を高く(すなわち品質閾値を低く)設定することができる。なお、ここでは、図22のステップS2202において比較される所定閾値を「3」としている。したがって、UE数が「3」未満の場合はfd推定処理の負荷分散が行われないため、UE数「0」〜「2」にはfd閾値「0」が対応付けられている。
テーブル2520は、TA算出処理部321のテーブル記憶部2311に記憶されるテーブルである。テーブル2520は、UE数とTA閾値とを対応付けている。テーブル2520においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれTA閾値「0」「0」「0」「P4」「P4」「P3」「P3」が対応付けられている。なお、ここでは、図24のステップS2402において比較される所定閾値を「3」としている。したがって、UE数が「3」未満の場合はTA算出処理の負荷分散が行われないため、UE数「0」〜「2」にはTA閾値「0」が対応付けられている。
このように、相対的に多いUE数に対して相対的に高いTA閾値を対応付けることで、閾値設定部2312は、UE数が相対的に多い場合は、UE数が相対的に少ない場合よりもTA閾値を高く(すなわち品質閾値を低く)設定することができる。
図26−1〜図26−3は、UE数に基づく各閾値の変更を示す図(その1)〜(その3)である。図26−1〜図26−3において、図7に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。周期Aにおいては、UE数が2であり所定閾値「3」より少ないため、負荷分散実行フラグが「0」に設定され、fd推定処理およびTA算出処理の負荷分散が行われない。また、UE#1は、fd推定値およびTA値がともにP3であり、「高fd」および「TA値大」と判定されている。このため、UE#1は負荷分散の対象となっていない。
つぎに、周期Cにおいて、符号2601に示すようにUE#6,#7のSRS処理が割り当てられたとする。UE#6のfd推定値およびTA値はともにP4であるとする。また、UE#7のfd推定値およびTA値はともにP5であるとする。この場合は、UE数が4となったため、負荷分散実行フラグが「1」に設定されるとともに、fd閾値とTA閾値がともにP4に設定される(図25参照)。
したがって、UE#6,#7はそれぞれ「低fd」および「TA値小」と判定され、負荷分散の対象となる。具体的には、符号2602に示すようにUE#6は周期E,…に割り当てられ、符号2603に示すようにUE#7は周期G,…に割り当てられる。
つぎに、周期Hにおいて、符号2604に示すようにUE#8,#9のSRS処理が割り当てられたとする。UE#8のfd推定値およびTA値はともにP0であるとする。また、UE#9のfd推定値およびTA値はともにP1であるとする。この場合は、UE数が6となったため、fd閾値とTA閾値がともにP3に設定される(図25参照)。
したがって、「高fd」および「TA値大」と判定されていたUE#1が「低fd」および「TA値小」と判定され、負荷分散の対象となる。具体的には、符号2605に示すようにUE#1は周期L,…に割り当てられる。
つぎに、周期Oにおいて、符号2606に示すようにUE#6〜#9のSRS処理の割り当てが解除されたとする。この場合は、UE数が2であり所定閾値「3」より少ないため、負荷分散実行フラグが「0」に設定され、負荷分散が行われなくなる。したがって、たとえば、「低fd」および「TA値小」と判定されていたUE#1が「高fd」および「TA値大」と判定され、負荷分散の対象外となる。具体的には、符号2607,2608,2609に示すように、UE#1は周期Q,S,U,…に割り当てられる。
このように、実施の形態3にかかる基地局300によれば、UE数に基づいて品質閾値(fd閾値やTA閾値)を設定することで、UE数に応じて効率的に通信品質を測定することができる。具体的には、UE数が相対的に多い場合は、UE数が相対的に少ない場合よりも品質閾値を低く(fd閾値やTA閾値を高く)設定する。
これにより、基地局300が市街地などに設置され、UE数が多くSRS処理の処理量が多くなる場合は測定処理が分散されやすくし、処理の効率化を図ることができる。また、基地局300が高速道路などに設置され、UE数が少ないが頻繁な測定処理が必要な場合は測定処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。また、UE数が所定閾値以下の場合は測定間隔を第一間隔に設定することで、UE数が少ない場合は測定処理が頻繁に行われるようにし、通信性能を向上させることができる。
(実施の形態4)
(fd推定処理部)
図27は、実施の形態4にかかるfd推定処理部の構成を示すブロック図である。図27において、図21に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図27に示すように、実施の形態4にかかるfd推定処理部317は、図21に示した構成に加えてテーブル記憶部2711、閾値/間隔設定部2712および閾値/間隔記憶部2713を備えている。
この場合は、図21に示したテーブル記憶部2111、閾値設定部2112および分散実行判断部2113は省いてもよい。なお、図27においては、処理部510Aの構成のうちのfd判定部513および処理タイミング判定部514を図示している。テーブル記憶部2711には、UE数、第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を対応付けるテーブルが記憶されている。
閾値/間隔設定部2712は、取得したUE数に基づいて第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を設定する。具体的には、閾値/間隔設定部2712は、閾値/間隔設定部2712に記憶されたテーブルにおいてUE数と対応する第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を取得する。閾値/間隔設定部2712は、取得したfd閾値を閾値/間隔記憶部2713へ出力する。閾値/間隔記憶部2713は、閾値/間隔設定部2712から出力された第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を記憶する。
fd判定部513は、閾値/間隔記憶部2713に記憶された第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を取得する。そして、fd判定部513は、前回のfd推定値が第一fd閾値より大きい場合は「高fd」と判定し、測定間隔として2サブフレームを処理タイミング判定部514へ出力する。また、fd判定部513は、前回のfd推定値が第一fd閾値と第二fd閾値の間である場合は、「中fd」と判定し、測定間隔として4サブフレームを処理タイミング判定部514へ出力する。また、fd判定部513は、前回のfd推定値が第二fd閾値以下である場合は「低fd」と判定し、測定間隔として6サブフレームを処理タイミング判定部514へ出力する。
図28は、図27に示したfd推定処理部の閾値設定動作の一例を示すフローチャートである。fd推定処理部317は、UE#0〜UE#2,…に共通する動作として、たとえば図28に示す各ステップを実行する。まず、UE数を取得する(ステップS2801)。つぎに、分散実行判断部2113が、ステップS2801によって取得されたUE数が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS2802)。
ステップS2802においてUE数が所定閾値以上でない場合(ステップS2802:No)は、分散実行判断部2113が、フラグ記憶部502の負荷分散実行フラグを「0」に設定し(ステップS2803)、一連の動作を終了する。UE数が所定閾値以上である場合(ステップS2802:Yes)は、閾値/間隔設定部2712がUE数に基づく複数のfd閾値および測定間隔を設定する(ステップS2804)。複数のfd閾値および測定間隔は、第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔である。
つぎに、分散実行判断部2113が、フラグ記憶部502の負荷分散実行フラグを「1」に設定し(ステップS2805)、一連の動作を終了する。以上のステップを繰り返し行うことで、UE数に応じて負荷分散実行フラグを設定するとともに第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔を設定することができる。
(TA算出処理部)
図29は、実施の形態4にかかるTA算出処理部の構成を示すブロック図である。図29において、図23に示した構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。図29に示すように、実施の形態4にかかるTA算出処理部321は、図23に示した構成に加えてテーブル記憶部2911、閾値/間隔設定部2912および閾値/間隔記憶部2913を備えている。
この場合は、図23に示したテーブル記憶部2311、閾値設定部2312および分散実行判断部2313は省いてもよい。なお、図29においては、処理部1310Aの構成のうちのTA判定部1313および処理タイミング判定部1314を図示している。テーブル記憶部2911には、UE数、第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を対応付けるテーブルが記憶されている。
閾値/間隔設定部2912は、取得したUE数に基づいて第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を設定する。具体的には、閾値/間隔設定部2912は、閾値/間隔設定部2912に記憶されたテーブルにおいてUE数と対応する第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を取得する。閾値/間隔設定部2912は、取得したTA閾値を閾値/間隔記憶部2913へ出力する。閾値/間隔記憶部2913は、閾値/間隔設定部2912から出力された第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を記憶する。
TA判定部1313は、閾値/間隔記憶部2913に記憶された第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を取得する。そして、TA判定部1313は、前回のTA値が第一TA閾値より大きい場合は「TA値大」と判定し、測定間隔として2サブフレームを処理タイミング判定部1314へ出力する。また、TA判定部1313は、前回のTA値が第一TA閾値と第二TA閾値の間である場合は、「TA値中」と判定し、測定間隔として4サブフレームを処理タイミング判定部1314へ出力する。また、TA判定部1313は、前回のTA値が第二TA閾値以下である場合は「TA値小」と判定し、測定間隔として6サブフレームを処理タイミング判定部1314へ出力する。
図30は、図29に示したTA算出処理部の閾値設定動作の一例を示すフローチャートである。TA算出処理部321は、UE#0〜UE#2,…に共通する動作として、たとえば図30に示す各ステップを実行する。まず、UE数を取得する(ステップS3001)。つぎに、分散実行判断部2313が、ステップS3001によって取得されたUE数が所定閾値以上であるか否かを判断する(ステップS3002)。
ステップS3002においてUE数が所定閾値以上でない場合(ステップS3002:No)は、分散実行判断部2313がフラグ記憶部1302の負荷分散実行フラグを「0」に設定し(ステップS3003)、一連の動作を終了する。UE数が所定閾値以上である場合(ステップS3002:Yes)は、閾値/間隔設定部2912がUE数に基づく複数のTA閾値および測定間隔を設定する(ステップS3004)。複数のTA閾値および測定間隔は、第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔である。
つぎに、分散実行判断部2313が、フラグ記憶部1302の負荷分散実行フラグを「1」に設定し(ステップS3005)、一連の動作を終了する。以上のステップを繰り返し行うことで、UE数に応じて負荷分散実行フラグを設定するとともに第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔を設定することができる。
図31は、図27および図29に示したテーブル記憶部に記憶されるテーブルの一例を示す図である。図31に示すテーブル3110は、fd推定処理部317のテーブル記憶部2711に記憶されるテーブルである。テーブル3110は、UE数と、第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔と、を対応付けている。なお、ここでは第一測定間隔および第二測定間隔をサブフレーム数によって示している。
テーブル3110においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれ第一fd閾値「0」「0」「0」「P3」「P3」「P2」「P2」が対応付けられている(0<P4<P3とする)。また、テーブル3110においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれ第一測定間隔「2」「2」「2」「4」「4」「4」「4」が対応付けられている。また、テーブル3110においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれ第二fd閾値「0」「0」「0」「P5」「P5」「P4」「P4」および第二測定間隔「2」「2」「2」「4」「4」「4」「4」が対応付けられている。
このように、第一fd閾値より低い第二fd閾値に対して、第一fd閾値に対応する第一測定間隔より長い測定間隔を対応付けることで、fd推定値が低い(通信品質が低い)ほど測定間隔を長く設定することができる。なお、ここでは、図28のステップS2802において比較される所定閾値を「3」としている。したがって、UE数が「3」未満の場合はfd推定処理の負荷分散が行われないため、UE数「0」〜「2」には第一fd閾値、第一測定間隔、第二fd閾値および第二測定間隔「0」が対応付けられている。
テーブル3120は、UE数と、第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔と、を対応付けている。テーブル3120においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれ第一TA閾値「0」「0」「0」「P3」「P3」「P2」「P2」および第一測定間隔「2」「2」「2」「4」「4」「4」「4」が対応付けられている。また、テーブル3120においては、UE数「0」〜「6」に対してそれぞれ第二TA閾値「0」「0」「0」「P5」「P5」「P4」「P4」および第二測定間隔「2」「2」「2」「4」「4」「4」「4」が対応付けられている。
このように、第一TA閾値より低い第二TA閾値に対して、第一TA閾値に対応する第一測定間隔より長い測定間隔を対応付けることで、TA算出値が低い(通信品質が低い)ほど測定間隔を長く設定することができる。なお、ここでは、図30のステップS3002において比較される所定閾値を「3」としている。したがって、UE数が「3」未満の場合はTA推定処理の負荷分散が行われないため、UE数「0」〜「2」には第一TA閾値、第一測定間隔、第二TA閾値および第二測定間隔「0」が対応付けられている。
図32は、図27に示したfd推定処理部の動作の一例を示すフローチャートである。図32に示すステップS3201〜S3203は、図6に示したステップS601〜S603と同様であるため説明を省略する。ステップS3203のつぎに、fd判定部513が、ステップS3203によって取得されたfd推定値が第一fd閾値以下か否かを判断する(ステップS3204)。
ステップS3204において、fd推定値が第一fd閾値より大きい場合(ステップS3204:No)は、fd判定部513が、対象UEを「高fd」と判定する(ステップS3205)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に2サブフレームを設定し(ステップS3206)、ステップS3212へ移行する。
ステップS3204において、fd推定値が第一fd閾値以下の場合(ステップS3204:Yes)は、fd判定部513が、ステップS3203によって取得されたfd推定値が第二fd閾値以下か否かを判断する(ステップS3207)。fd推定値が第二fd閾値より大きい場合(ステップS3207:No)は、fd判定部513が、対象UEを「中fd」と判定する(ステップS3208)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に4サブフレームを設定し(ステップS3209)、ステップS3212へ移行する。
ステップS3207において、fd推定値が第二fd閾値以下の場合(ステップS3207:Yes)は、fd判定部513が、対象UEを「低fd」と判定する(ステップS3210)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に6サブフレームを設定する(ステップS3211)。図32に示すステップS3212〜S3216は、図6に示したステップS609〜S613と同様であるため説明を省略する。
図33は、図29に示したTA算出処理部の動作の一例を示すフローチャートである。図33に示すステップS3301〜S3303は、図14に示したステップS1401〜S1403と同様であるため説明を省略する。ステップS3303のつぎに、TA判定部1313が、ステップS3303によって取得されたTA値が第一TA閾値以下か否かを判断する(ステップS3304)。
ステップS3304において、TA値が第一TA閾値より大きい場合(ステップS3304:No)は、TA判定部1313が、対象UEを「TA値大」と判定する(ステップS3305)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に2サブフレームを設定し(ステップS3306)、ステップS3312へ移行する。
ステップS3304において、TA値が第一TA閾値以下の場合(ステップS3304:Yes)は、TA判定部1313が、ステップS3303によって取得されたTA値が第二TA閾値以下か否かを判断する(ステップS3307)。TA値が第二TA閾値より大きい場合(ステップS3307:No)は、TA判定部1313が、対象UEを「TA値中」と判定する(ステップS3308)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に4サブフレームを設定し(ステップS3309)、ステップS3312へ移行する。
ステップS3307において、TA値が第二TA閾値以下の場合(ステップS3307:Yes)は、TA判定部1313が、対象UEを「TA値小」と判定する(ステップS3310)。つぎに、処理タイミング判定部514が、対象UEの測定間隔に6サブフレームを設定する(ステップS3311)。図33に示すステップS3312〜S3316は、図14に示したステップS1409〜S1413と同様であるため説明を省略する。
図34は、複数の閾値を用いた測定間隔の変更を示す図である。図34において、図7に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。また、図34においては、各UEのfd推定値とTA値が常に等しいと仮定する。また、図31に示した例では、fd閾値とTA閾値は等しいため、ここではfd推定値とTA値のうちのfd推定値について説明する。周期A〜Oにおいては、UE数が3または4であるため、第一fd閾値はP3であり、第二fd閾値はP5である。
UE#2,#3,#4,#5,#8,#9のfd推定値は、それぞれ第一fd閾値「P3」より大きいP1,P1,P2,P2,P0,P1であるため、測定間隔が2サブフレームに設定される(負荷分散なし)。ここでは、UE#2,#3,#4,#5のfd推定処理は周期B,D,…に割り当てられている。また、UE#8,#9のfd推定処理は周期A,C,…に割り当てられている。
UE#0,#1のfd推定値は、それぞれ第一fd閾値「P3」以下で第二fd閾値「P5」より大きいP3,P4であるため、測定間隔が4サブフレームに設定される(負荷分散あり)。ここでは、UE#0のfd推定処理は周期A,E,…に割り当てられる。また、UE#1のfd推定処理は周期C,G,…に割り当てられている。
UE#6,#7のfd推定値はそれぞれ第二fd閾値「P5」以下のP5,P6であるため、測定間隔が6サブフレームに設定される。ここでは、UE#6のSAS処理は周期A,G,…に割り当てられる。また、UE#7のSAS処理は周期C,I,…に割り当てられている。このように、fd推定値やTA値などの通信品質を複数の閾値と比較し、比較結果に基づいて測定間隔を測定することで、測定処理の頻度を柔軟に変更することができる。これにより、通信品質の測定をより効率よく行うことができる。
このように、実施の形態4にかかる基地局300によれば、測定した通信品質と複数の品質閾値とを比較し、比較結果に基づいて測定処理の測定間隔を設定することで、測定処理の頻度を柔軟に変更することができる。これにより、通信品質の測定をより効率よく行うことができる。なお、ここではUE数に応じて複数の品質閾値を切り替える場合について説明したが、複数の品質閾値を一定とする構成にしてもよい。
以上説明したように、基地局および品質測定方法によれば、通信品質の測定を効率よく行うことができる。上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)移動端末ごとの通信品質の測定を行う基地局において、
前記移動端末から送信される参照信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された参照信号に基づいて、前記移動端末に設定された測定間隔で周期的に前記測定を行う測定部と、
前記測定部によって測定された通信品質に基づいて前記測定間隔を設定する設定部と、
を備えることを特徴とする基地局。
(付記2)前記測定部によって測定された通信品質と品質閾値とを比較する比較部を備え、
前記設定部は、前記比較部による比較結果に基づいて前記測定間隔を設定することを特徴とする付記1に記載の基地局。
(付記3)前記設定部は、前記比較部によって前記通信品質が品質閾値未満であると判定された移動端末の前記測定間隔に第一間隔を設定し、前記通信品質が品質閾値以上であると判定された移動端末の前記測定間隔に前記第一間隔より長い第二間隔を設定することを特徴とする付記2に記載の基地局。
(付記4)前記測定部は、前記通信品質として前記参照信号に基づくフェージングを推定することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の基地局。
(付記5)前記測定部は、前記通信品質として前記参照信号に基づくTA(Timing Adjustment)値を算出することを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の基地局。
(付記6)前記移動端末の数に基づいて前記品質閾値を設定する閾値設定部を備え、
前記比較部は、前記閾値設定部によって設定された品質閾値と前記通信品質とを比較することを特徴とする付記2に記載の基地局。
(付記7)前記閾値設定部は、前記移動端末の数が相対的に多い場合は、前記移動端末の数が相対的に少ない場合より前記品質閾値を低く設定することを特徴とする付記6に記載の基地局。
(付記8)前記設定部は、前記移動端末の数が所定閾値以下の場合は前記測定間隔を前記第一間隔に設定することを特徴とする付記3に記載の基地局。
(付記9)前記比較部は、前記通信品質と複数の品質閾値とを比較し、
前記設定部は、前記通信品質と複数の品質閾値との比較結果に基づいて前記測定間隔を設定することを特徴とする付記2に記載の基地局。
(付記10)移動端末ごとの通信品質の測定を行う基地局の品質測定方法において、
前記移動端末から送信される参照信号を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された参照信号に基づいて、前記移動端末に設定された測定間隔で周期的に前記測定を行う測定工程と、
前記測定工程によって測定された通信品質に基づいて前記測定間隔を設定する設定工程と、
を含むことを特徴とする品質測定方法。